JP2010105386A - 加飾成形品の製法およびそれによって得られる加飾成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで簡単に、多種多様な印象のホログラム調模様を成形品に直接成形することができ、しかもその仕様を柔軟に変更することのできる、優れた加飾成形品の製法と、それによって得られる加飾成形品の提供をする。
【解決手段】ベース層3に、アンダーコート層4と、ハーフミラー蒸着層5と、光透過層6と、トップコート層7とがこの順で積層された成形品(蓋体2)の表面に対し、CO2レーザまたはYAGレーザ照射を行ない、微細凹凸形成予定部の凹部を断続的に溶融除去して、微細凹凸P'をつくるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも一個所にホログラム調模様を現出させる加飾成形品の製法およびそれによって得られるホログラム調模様が現出している加飾成形品に関するものである。
化粧料を収容したコンパクト容器や口紅容器等には、単に機能性だけでなく、見栄えがよい、商品イメージを反映したデザインである、といった意匠性も要求される。このような要求に応える技術として、例えば、コンパクト容器の蓋部に、接着剤を用いることなく装飾フィルムを一体化する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、意匠性を高めるため、虹のようにさまざまな色模様を発現するホログラム模様を備えた容器も提案されている。このようなホログラム模様を備えた容器は、粘着層を有するホログラムシールを容器に貼り付ける方法や、ホログラム箔をホットスタンプにより容器に転写する方法等によって得ることができる。
特開2001−292827号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、装飾フィルムを用いたものは、経時的に装飾フィルム部が変質したり磨耗・損傷したりして、見栄えが悪くなるという問題がある。また、上記ホログラム模様を備えた容器においても、粘着層を有するホログラムシールを容器に貼り付ける方法では、ホログラムシールをデザイン通りに切り抜いたり、そのシールを容器に貼り付ける際の貼り付け位置の調整に手間がかかるという問題がある。そして、ホログラム箔をホットスタンプにより容器に転写する方法では、ホットスタンプ用の版をその都度作製しなければならないため、手間とコストがかかり、さらに容器への転写位置の調整も手間がかかるという問題がある。しかも、これらの方法では、コストや手間がかかるだけでなく、切り抜きを行ったり版を作製する必要からデザイン面でも制約があり、ホログラム模様を用いた自由な表現のデザインを容器に付与することは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低コストで簡単に、多種多様な印象のホログラム調模様を成形品に直接成形することができ、しかもその仕様を柔軟に変更することのできる、優れた加飾成形品の製法と、それによって得られる加飾成形品の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、成形面に直接もしくはアンダーコート層を介して形成されたハーフミラー蒸着層と,その上に形成された少なくとも一層の光透過層とを有する成形品を準備する工程と、上記光透過層表面の少なくとも一個所にCO2レーザまたはYAGレーザを照射し、その照射部に微細凹凸を形成する工程とを有し、上記光透過層に入射してハーフミラー蒸着層で反射し、再び光透過層から出射する光の経路を、上記光透過層表面の微細凹凸によって変化させて、ホログラム調模様を現出させるようにした加飾成形品の製法を第1の要旨とする。なお、本発明において、ホログラム調模様とは、見る角度によって現出する、立体感のある(浮き上がって見える)模様のことをいい、その色調については単一色であっても、複数色であってもよい。
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記微細凹凸を形成する工程が、CO2レーザまたはYAGレーザを断続照射しながら走査して、光透過層の表面に深さ1〜10μmの線状もしくは点状の溶融除去跡を微細な間隔で形成するようにした加飾成形品の製法を第2の要旨とし、上記現出するホログラム調模様がレインボーホログラム調模様となるようにした加飾成形品の製法を第3の要旨とする。なお、本発明において、レインボーホログラム調模様とは、上記ホログラム調模様のなかで、特に、その色調が複数色で構成され、また、見る角度によって変化するものをいい、必ずしも虹色の構成色とされる7色すべてが現れている必要はない。
さらに、本発明は、上記第1の要旨である製法によって得られる加飾成形品であって、成形面に直接もしくはアンダーコート層を介して形成されたハーフミラー蒸着層と、その上に形成された少なくとも一層の光透過層とを有し、上記光透過層表面の少なくとも一個所に、CO2レーザまたはYAGレーザ照射によって微細凹凸が形成されており、上記光透過層に入射してハーフミラー蒸着層で反射し、再び光透過層から出射する光の経路が、上記光透過層表面の微細凹凸によって変化し、ホログラム調模様が現出するようになっている加飾成形品を第4の要旨とする。
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記光透過層表面の微細凹凸が、CO2レーザまたはYAGレーザの断続照射によって微細な間隔で形成された、深さ1〜10μmの線状もしくは点状の溶融除去跡で形成されている加飾成形品を第5の要旨とし、上記現出するホログラム調模様がレインボーホログラム調模様である加飾成形品を第6の要旨とする。
本発明は、成形面(ベース層)に、ハーフミラー蒸着層と光透過層とをこの順で積層し、その光透過層表面の少なくとも一個所にCO2レーザまたはYAGレーザを照射して微細凹凸を形成することにより、上記光透過層およびハーフミラー蒸着層における光の経路を微妙に変化させて、ホログラム調模様を現出させるようにしたものである。この製法によれば、成形品に多種多様な印象のホログラム調模様を直接形成することができ、作業効率がよい。特に、従来、ホログラム箔やシールを用いて形成することが困難であった極小面積のホログラム調模様を付与することができるという利点を有する。
そして、成形品にホログラムシールの貼り付けや、ホログラム箔をホットスタンプした従来品が、日光などの紫外光によってそのホログラムの色調が経時劣化したり、シールや箔が剥がれたり傷んだりするおそれがあるのに対し、本発明のホログラム調模様は、上記ハーフミラー蒸着層で反射する光の経路を、光透過層表面の微細凹凸によって変化させて現出させることで得られるものであるため、このような劣化がほとんど見られず、長期にわたってホログラム調模様を美麗に保つことができる。したがって、本発明による成形品は、長期にわたってホログラム調模様を美麗に保つことができ、店頭において、または使用時に興趣に富むものとなる。
しかも、本発明において、上記微細凹凸は、レーザ照射の一工程で形成することができ、製造の手間およびコストを大幅に削減することができる。そして、上記レーザ照射の設定条件を適宜設定することにより、全く異なる印象の微細凹凸模を付与することができることから、短期間で、ニーズに応じた多種多様な商品を納品することができるという利点を有する。
また、本発明のなかでも、特に、光透過層表面の微細凹凸が、CO2レーザまたはYAGレーザを断続照射しながら走査して、光透過層の表面に深さ1〜10μmの線状もしくは点状の溶融除去跡を微細な間隔で形成するようにしたものは、光透過層表面、すなわち、成形品表面の凹凸がほとんどないため、手触りがよいという利点を有する。また、成形品表面の凹凸にほこりやごみが入ることがないため、長期にわたって美麗なデザインを保つことができる。
さらに、本発明のなかでも、特に、上記現出するホログラム調模様がレインボーホログラム調模様となるようにしたものは、さらに印象深い模様が現出しうる加飾成形品を製造することができる。また、このレインボーホログラム調模様は、光透過層表面の微細凹凸の形状、光透過層の材質、色調等を組み合わせることにより現出するものであるため、製造に複雑な工程や特殊な装置を必要としない。したがって、このレインボーホログラム調模様は、複雑な製造の手間やコストをかけることなく、簡単に、短時間で成形品表面に付与することができる。
本発明の一実施例の説明図である。 上記実施例における縦断面図である。 (a),(b)は、ともに上記実施例における微細凹凸形成の説明図である。 (a),(b)は、ともに本発明の他の実施例の縦断面説明図である。 本発明の他の実施例の説明図である。 本発明の他の実施例の説明図である。 本発明の他の実施例における縦断面図である。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明を実施するための最良の形態であるコンパクト容器である。この図において、1は本体部、2は蓋体であり、この蓋体2の表面に、見る角度によって模様が現出するホログラム調模様Pが形成されている。そして、上記蓋体2の後端部には、下向きにヒンジ部が突設されており(図示を省略している)、このヒンジ部が本体部1の後端部と係合することにより、蓋体2が上方に開くようになっている。
より詳しく説明すると、上記蓋体2は、図2にその断面図を示すように、樹脂成形体からなるベース層3に、アンダーコート層4、ハーフミラー蒸着層5、ブルー(濃紺色)の顔料で着色された光透過層6、トップコート層7(第2の光透過層)をこの順で積層してなる成形品である。なお、トップコート層7は、光を透過し、第2の光透過層として光透過層6以下を保護するものである。このように、本発明における光透過層とは、一層からなるものだけでなく、光透過層とトップコート層等の二層以上からなる形態も含む。
そして、上記トップコート層7の表面にCO2レーザが照射され、その照射部に微細凹凸P'が形成されている。なお、図2において、上記各層の断面は模式的であり、実際の厚みとは異なっている(以下の図においても同じ)。
上記微細凹凸P'は、図3(a)に示すように、成形品(蓋体2)の表面に対し、図3(b)に示すようにCO2レーザ照射を行ない、微細凹凸形成予定部の凹部を断続的に溶融除去して、微細凹凸をつくるものである。なお、このとき、CO2レーザの照射条件は、予め入力したプログラムに従って制御されるようになっている。
この構成によれば、成形品である蓋体2の表面、すなわち、トップコート層7に設けた微細凹凸部P'によって、トップコート層7から入射してハーフミラー蒸着層5で反射し、再びトップコート層7から出射する光の経路を微妙に変化させて、光の入射角度と同じ方向から見るとほとんど見えないが、角度を変えて見るとホログラム調模様が浮き出てくるように見えるという興趣に富むホログラム調模様Pを形成することができる。このホログラム調模様Pは、トップコート層7表面に形成された微細凹凸として見えるのではなく、成形品の内部のハーフミラー蒸着層5で反射した光として見えるので、奥行きのある、立体感のあるものとなる。そして、この構成によるホログラム調模様Pの色調は、淡青色となる。
そして、アンダーコート層4を介在させて、ハーフミラー蒸着層5を成形しているため、ハーフミラー蒸着層5のベース層3に対する接着性がより向上し、成形品としての長寿命化を図ることができる。また、光透過層6の上にトップコート層7を形成することにより、光透過層6をはじめとする成型品である蓋体2全体を傷や紫外光などから保護し、その美麗な外観をより長く保つことができる。さらに、CO2レーザの照射部に微細凹凸P'を形成し、その部位にホログラム調模様Pを現出させるものであるため、従来のホログラム付与方法では困難である微小部位に対してもホログラム調模様を形成することが可能となる。しかも、上記微細凹凸P'は、CO2レーザの照射によって、直接成形品である蓋体2に形成することができ、比較的安価に、効率よく製造することができる。
また、CO2レーザ照射の設定条件を適宜設定することにより、全く異なるデザインの微細凹凸P'を付与することができることから、短期間で、ニーズに応じた多種多様な商品を納品することができる。
本発明において、CO2レーザの照射または後述するYAGレーザの照射によって形成する微細凹凸の「微細」の程度は、微細凹凸の各凹部が、深さ1〜10μmの線状もしくは点状の溶融除去跡によって形成されることが、本発明の優位性を示す範囲となり、好適である。すなわち、この範囲を外れると、ホログラム調模様Pが不鮮明となって見えにくくなる。
そして、本発明において、ベース層3は、アクリル樹脂等の合成樹脂等からなり、なかでも合成樹脂として、メタクリル樹脂(PMMA),アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS),アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂 (ABS),ポリプロピレン(PP),ポリエチレンテレフタレート (PET)を用いると成形性,耐久性,軽量性等の点で好ましい。
アンダーコート層4は、アクリル系アンダーコート剤からなる。そして、その厚みは、20μm以下であることが、好適である。すなわち、厚すぎるとベース層3とハーフミラー蒸着層5との接着性が逆に悪くなるおそれがあるだけでなく、アンダーコート層4の重量が不要に増加することになり、その結果、成形品である蓋部2の軽量化の実現を阻害するおそれがあるからである。なお、上記アンダーコート剤に代えて、シリコン系アンダーコート剤等の通常使用されるアンダーコート剤を使用することができる。
ハーフミラー蒸着層5は、アルミニウムのハーフミラー蒸着からなる。ここで、ハーフミラー蒸着とは、表面に蒸発させた金属等を付着させて形成した薄膜等であって、その表面に金属光沢を有し、光を透過することができるものである。そして、そのハーフミラー蒸着層5の光透過率は、15〜50%であるとホログラム調模様Pがよりシャープに現出される点で好適であるが、意匠性等を重視することも想定されるので、これに限定されず、光を透過することができれば自由に設定することができる。そして、光を透過することができるとは、この光透過率が0%を超えることをいう。また、上記ハーフミラー蒸着層5の表面にピンク、グリーン等の着色をしてもよい。この場合、金属光沢と着色とを組合せることにより、さらに興趣に富むデザインを提供することができる。なお、ハーフミラー蒸着層5を、ハーフミラー蒸着ではなくミラー蒸着等の光透過率が0%に近いもので形成すると、ホログラム調模様Pは、不鮮明となりほとんど現出されなくなる。
光透過層6は、ブルー(濃紺色)の顔料で着色された着色層であり、通常、その厚みは5〜20μmにすることが好適である。すなわち、5μm未満とすると、光透過層6の強度が欠けCO2レーザ照射による微細凹凸P'を付しにくくなるおそれがあり、30μmを超えると微細凹凸P'を付すには問題がないが、成形品である蓋部2全体の重量が増加し、軽量性を失う傾向が見られるとともに、光透過層6に入射した光が、ハーフミラー蒸着層5で反射した後、再び光透過層6から出射するのに必要な距離が長くなり、光量のロスが発生し、その結果、ホログラム調模様Pがシャープに現出しないおそれがあるからである。また、本発明において、この光透過層6は、ハーフミラー蒸着層5まで光を透すことできるものであれば、色はブルー(濃紺色)に限定されず何色であってもよく、また無色であってもよい。
トップコート層7は、アクリル系塗料を塗布することによって形成されている。そして、この塗料には、UVカット成分を含有させることが、この下に積層されている光透過層6の紫外光劣化を防止することができる点で好ましい。また、その厚みは10〜20μmにすることが好適である。すなわち、10μm未満であると、光透過層6等を保護するのに充分な効果を発揮できないおそれがあり、20μmを超えると、保護の効果は充分であるが、成形品である蓋部2全体の重量が増加することになり、軽量性を失うおそれがあるとともに、光透過層6に入射した光が、ハーフミラー蒸着層5で反射した後、再び光透過層6から出射するのに必要な距離が長くなり、光量のロスが発生し、その結果、ホログラム調模様Pがシャープに現出しないおそれがあるからである。
なお、図1では、ハーフミラー蒸着層5として、アルミニウムのハーフ蒸着を用いているが、これに変えて、スズのハーフ蒸着等の、加飾成形品に用いることができるハーフミラー蒸着を用いることができる。
また、図1では、光透過層6として、ブルーの着色層を用いているが、この着色層の色はブルーに限定されるものではなく、また、無色であってもよい。
なお、上記図1では、ベース層3に、アンダーコート層4が形成されているが、ハーフミラー蒸着層5がベース層3と容易に接着するときは、図4(a)に示すように、必ずしもアンダーコート層4を形成しなくてもよい。この場合には、アンダーコート層4を設ける工程を省略することができ、製造コストの低減を図ることができる。
また、図1では、光透過層6の上に、アクリル系塗料からなるトップコート層7が形成されているが、これに代えて、他のトップコート用塗料を用いることもできる。そして、光透過層6がUVカット効果がある材料を含む場合や硬質性の素材からなる場合等であるときには、図4(b)に示すように、必ずしもトップコート層7を形成しなくてもよい。この場合には、トップコート層7を設ける工程を省略化することができ、製造コストの低減を実現できる。
さらに、図1では、蓋体2に対し、その表面にドーナツ状の模様の微細凹凸模様Pを形成するようにしているが、図5に示すように、文字として認識できる微細凹凸模様Q(図では、デザイン化した飾り文字であるアルファベットの「D」)を形成するようにしてもよい。この場合は、興趣に富んだデザインを提供できると同時に、容器の内容物のブランドや種類等の必要な文字情報も同時に伝達することができる。
そして、他の例として、図1の例のCO2レーザに代えて、YAGレーザを用いることでも、鮮明なホログラム調模様を得ることができる。なお、この例の場合、上記YAGレーザ照射を行う前に、蓋体2の表面に通常のメタリックインク印刷の前処理を行っている。この前処理を行うことにより、インクに分散含有される金属成分の存在によって、YAGレーザの照射効率が高まり、蓋体2表面に、より美麗な微細凹凸模様を成形することができると考えられる。また、上記メタリック印刷の前処理以外にも、例えば、無電解めっき、金属蒸着、粉末状の金属成分が分散含有されるメタリックインクを塗布するなどの前処理を行うことが同様に美麗な微細凹凸模様を成形することができる点で好ましい。さらに、前処理ではなく、予め照射対象層である光透過層(上記の例では、トップコート層7)に金属成分を分散含有させておいても同様に美麗な微細凹凸模様を成形することができる。
また、他の例として、図6に示すコンパクト容器をあげることができる。この図において、11は本体部、12は蓋体であり、この蓋体12の表面に、反射光の屈折率の相違により、見る角度によって模様が現出し、しかも、その模様の色が見る角度によって異なるレインボーホログラム調模様Sが形成されている。
より詳しく説明するために、図7にこの蓋体12の一部断面図を示す。この蓋体12の基本的な構成は、図1に示した上記蓋体2と同様であり、同一部分に同一番号を付して、その説明を省略するが、ベース層3は、表面がゆるやかな円弧状に湾曲した形状になっている。そして、このベース層3に、アンダーコート層4、ハーフミラー蒸着層5、光透過層6、トップコート層7がこの順で積層しているため、この蓋体12である成形品表面も、ゆるやかな円弧状に湾曲した形状になっている。そして上記トップコート層7の表面にCO2レーザが照射され、その照射部に微細凹凸S'が形成されている。なお、図6において、上記各層の断面は模式的に表したものであり、実際の円弧状に湾曲した形状とは異なっている。
この構成によれば、上記微細凹凸が、上記光透過層6およびハーフミラー蒸着層5における光の経路を微妙に変化させて、立体感のあるホログラム調模様を現出させる。そして、上記微細凹凸の形状が成形品表面の形状等により少しずつ異なるため、あるいは光透過層等の材質,色等や成形品表面を形成する材質等の組み合わせによって、入射する光の光路がさらに変化し、その色調が複数色として現れ、また、その色調が見る角度によって変化するようになると考えられる。したがって、トップコート層7表面に、見る角度によって模様が浮かびあがり、かつ、その色が部分部分で異なる複数色からなるレインボーホログラム調模様Sを現出させることができる。この例では、蓋体表面に色調がブルー(濃紺色)で、ホログラム調模様の色調が、淡青色,青色,濃緑色,緑色,黄緑色(順不同)に変化するレインボーホログラム調模様Sとなる。
なお、図1および図6は、本発明をコンパクト容器に適用したものであるが、本発明を適用する成形品は、容器に限らず、各種の樹脂成形品、あるいは樹脂成形品に他の部材を組み合わせた成形品等に適用可能である。例えば、携帯電話、文房具、家電製品、各種ケース等に広く適用することができる。
2 蓋体
3 ベース層
4 アンダーコート層
5 ハーフミラー蒸着層
6 光透過層
7 トップコート層
P' 微細凹凸

Claims (6)

  1. 成形面に直接もしくはアンダーコート層を介して形成されたハーフミラー蒸着層と,その上に形成された少なくとも一層の光透過層とを有する成形品を準備する工程と、上記光透過層表面の少なくとも一個所にCO2レーザまたはYAGレーザを照射し、その照射部に微細凹凸を形成する工程とを有し、上記光透過層に入射してハーフミラー蒸着層で反射し、再び光透過層から出射する光の経路を、上記光透過層表面の微細凹凸によって変化させて、ホログラム調模様を現出させるようにしたことを特徴とする加飾成形品の製法。
  2. 上記微細凹凸を形成する工程が、CO2レーザまたはYAGレーザを断続照射しながら走査して、光透過層の表面に深さ1〜10μmの線状もしくは点状の溶融除去跡を微細な間隔で形成する工程である請求項1記載の加飾成形品の製法。
  3. 上記現出するホログラム調模様が、レインボーホログラム調模様となるようにした請求項1または2記載の加飾成形品の製法。
  4. 請求項1記載の製法によって得られる加飾成形品であって、成形面に直接もしくはアンダーコート層を介して形成されたハーフミラー蒸着層と、その上に形成された少なくとも一層の光透過層とを有し、上記光透過層表面の少なくとも一個所に、CO2レーザまたはYAGレーザ照射によって微細凹凸が形成されており、上記光透過層に入射してハーフミラー蒸着層で反射し、再び光透過層から出射する光の経路が、上記光透過層表面の微細凹凸によって変化し、ホログラム調模様が現出するようになっていることを特徴とする加飾成形品。
  5. 上記光透過層表面の微細凹凸が、CO2レーザまたはYAGレーザの断続照射によって微細な間隔で形成された、深さ1〜10μmの線状もしくは点状の溶融除去跡で形成されている請求項4記載の加飾成形品。
  6. 上記現出するホログラム調模様がレインボーホログラム調模様である請求項4または5記載の加飾成形品。
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