JP2010104307A - 粘性を有する流動状食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、本発明は、小麦粉ルウまたは小麦粉ルウを用いたものと同等の粘性を有する流動状食品を提供することを目的とする。本発明は更に、低カロリー化が容易な流動状食品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明者らは驚くべきことに、水和膨潤した状態のコンニャク原料を含む水相と、該水相中に懸濁状態で分散した水不溶性食物繊維粒子とからなる懸濁液が、小麦粉ルウと同等の粘性を付与することができること、並びに当該懸濁液はカロリーが低いことから低カロリー化された流動状食品の製造に有用であることを見出した。
【選択図】なし
【解決手段】本発明者らは驚くべきことに、水和膨潤した状態のコンニャク原料を含む水相と、該水相中に懸濁状態で分散した水不溶性食物繊維粒子とからなる懸濁液が、小麦粉ルウと同等の粘性を付与することができること、並びに当該懸濁液はカロリーが低いことから低カロリー化された流動状食品の製造に有用であることを見出した。
【選択図】なし
Description
本発明は、適正な粘性を有するカレーソース、シチューソースなどの流動状食品、これらの粘性付与材となる小麦粉ルウ代替物などの流動状食品、更に低カロリー化した流動状食品に関する。
カレーソース、シチューソースなどの流動状食品の粘性は、小麦粉と油脂とを加熱して調製される小麦粉ルウにより付与されることが通常である。小麦粉ルウを調味料、香辛料、具材、水等の他の食材と組み合わせることによりカレーソース、シチューソースなどが製造される。小麦粉ルウ、調味料、香辛料等を固体脂で固めた固形のカレールウ、シチュールウなども市販されており、これらを水で希釈して煮込んでカレーソース、シチューソースなどを調理する。上記の小麦粉ルウは100gあたり約600kcalのカロリーを有する高カロリーの食材である。
一方、特許文献1および2には、コンニャク原料により流動状食品に粘性を付与する技術が開示されている。
特許文献3には水不溶性食物繊維を主体とする食物繊維素材と水易溶性食物繊維(コンニャクマンナン)を主体とする食物繊維素材の各々少なくとも1種により配合される食物繊維に対してゲル化剤を含有させることを特徴とする食物繊維加工品が記載されている。
特許文献4には水不溶性の植物繊維の粒子とキサンタンガム等のガム質とを含む流動状食品が開示されている。
特許文献5にはセルロースを含む懸濁液を小径オリフィスを繰返して通過させて急速切断作用を繰返して起こさせ(均質化処理に相当する)、セルロースを微小化繊維状セルロースに変換し、安定かつ均質な懸濁液とする食品の製造方法が開示されている。
特許文献6にはセルロース離解物を油脂の代替物として使用して食品の低カロリー化を図る技術が開示されている。
従来、小麦粉ルウと同等の物性を食品に付与することができる低カロリーの粘性付与材は存在しなかった。
そこで本発明は、小麦粉ルウまたは小麦粉ルウを用いたものと同等の粘性を有する流動状食品を提供することを目的とする。更に、低カロリー化が容易な流動状食品を提供することを目的とする。
本発明者らは驚くべきことに、水和膨潤した状態のコンニャク原料を含む水相と、該水相中に懸濁状態で分散した水不溶性食物繊維粒子とからなる懸濁液が、小麦粉ルウの代替物として有用であることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は以下の発明を包含する。
(1)水和膨潤した状態のコンニャク原料を含む水相と、該水相中に懸濁状態で分散した水不溶性食物繊維粒子とを含む、粘性を有する流動状食品。
(2)流動状食品の湿質量全量に対して、コンニャク原料(乾燥物換算)を0.05〜2.0質量%、水不溶性食物繊維粒子(乾燥物換算)を0.3〜3.0質量%含有する、(1)の流動状食品。
(2)流動状食品の湿質量全量に対して、コンニャク原料(乾燥物換算)を0.05〜2.0質量%、水不溶性食物繊維粒子(乾燥物換算)を0.3〜3.0質量%含有する、(1)の流動状食品。
(3)水不溶性食物繊維粒子の水相中での平均粒子径が500μm以下である、(1)または(2)の流動状食品。
(4)水不溶性食物繊維粒子が、平均粒子径100μm以下の一次粒子として、または該一次粒子が凝集して形成された二次粒子として水相中に懸濁状態で分散している、(1)または(3)の流動状食品。
(4)水不溶性食物繊維粒子が、平均粒子径100μm以下の一次粒子として、または該一次粒子が凝集して形成された二次粒子として水相中に懸濁状態で分散している、(1)または(3)の流動状食品。
(5)カレー、シチュー、スープ、パスタソース、ハヤシまたはハッシュドビーフの形態である、(1)〜(4)のいずれかの流動状食品。
(6)湿質量100gあたりのカロリーが40kcal以下である、(1)〜(5)のいずれかの流動状食品。
(6)湿質量100gあたりのカロリーが40kcal以下である、(1)〜(5)のいずれかの流動状食品。
(7)アルカリ性凝固剤および/または増粘剤を更に含む、(1)〜(6)のいずれかの流動状食品。
(8)増粘剤がキサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ゼラチン、澱粉および加工澱粉からなる群から選択される少なくとも1種である、(7)の流動状食品。
(9)小麦粉ルウ代替物である(1),(3)または(4)に記載の流動状食品。
(8)増粘剤がキサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ゼラチン、澱粉および加工澱粉からなる群から選択される少なくとも1種である、(7)の流動状食品。
(9)小麦粉ルウ代替物である(1),(3)または(4)に記載の流動状食品。
(10)下記(イ)または(ロ)の工程を含むことを特徴とする、(1)の流動状食品の製造方法:
(イ)コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子が水中で均質化され分散された懸濁液とを混合する工程;
(ロ)コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子と、水分との混合物を均質化する工程。
(11)(イ)または(ロ)の工程の後に加熱処理を行う工程を更に含む、(10)の方法。
(イ)コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子が水中で均質化され分散された懸濁液とを混合する工程;
(ロ)コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子と、水分との混合物を均質化する工程。
(11)(イ)または(ロ)の工程の後に加熱処理を行う工程を更に含む、(10)の方法。
(12)(イ)または(ロ)の工程の後であって、前記加熱処理工程の前、中、後のいずれかの時点においてアルカリ性凝固剤を添加する工程を更に含む、(11)の方法。
(13)(イ)または(ロ)の工程が完結するよりも前の時点において増粘剤を添加する工程を更に含む、(10)の方法。
(13)(イ)または(ロ)の工程が完結するよりも前の時点において増粘剤を添加する工程を更に含む、(10)の方法。
本発明の流動状食品は、小麦粉ルウおよびこれを用いた流動状食品と同等の物性および食感を有する。本発明の流動状食品は、低カロリー化が容易である。
1.コンニャク原料
本発明に用いるコンニャク原料は、コンニャクイモ由来のグルコマンナンを含むものであれば特に限定されず、様々な形状及び純度のものが使用できる。具体的には、コンニャク粉、コンニャクイモ抽出物、グルコマンナンが挙げられる。コンニャク原料は1000μm以下の平均粒子径を有する粉体または微粒子の形態のものを使用することが好ましい。
本発明に用いるコンニャク原料は、コンニャクイモ由来のグルコマンナンを含むものであれば特に限定されず、様々な形状及び純度のものが使用できる。具体的には、コンニャク粉、コンニャクイモ抽出物、グルコマンナンが挙げられる。コンニャク原料は1000μm以下の平均粒子径を有する粉体または微粒子の形態のものを使用することが好ましい。
2.水不溶性食物繊維粒子
水不溶性食物繊維の粒子としては、セルロース、ヘミセルロース、水不溶性海草多糖類、水不溶性ペクチン質、キチン、キトサン、及びリグニンからなる群から選択される少なくとも1種の水不溶性食物繊維の粒子、或いは当該水不溶性食物繊維を含む混合物の粒子が好適に使用できる。精製の程度は特に限定されず、結晶セルロースなどの高純度のもののみでなく、小麦ファイバー、ニンジンパルプ等の純度の低い水不溶性食物繊維も使用できる。
水不溶性食物繊維の粒子としては、セルロース、ヘミセルロース、水不溶性海草多糖類、水不溶性ペクチン質、キチン、キトサン、及びリグニンからなる群から選択される少なくとも1種の水不溶性食物繊維の粒子、或いは当該水不溶性食物繊維を含む混合物の粒子が好適に使用できる。精製の程度は特に限定されず、結晶セルロースなどの高純度のもののみでなく、小麦ファイバー、ニンジンパルプ等の純度の低い水不溶性食物繊維も使用できる。
本発明の流動状食品では、水不溶性食物繊維粒子は水相中で均質化され、懸濁状態で分散している。水不溶性食物繊維粒子を水相中に添加し攪拌しただけでは一次粒子は凝集して径の大きな二次粒子を形成してしまう。そこで懸濁分散状態を達成するためには、水不溶性食物繊維粒子を水相中で均質化(ホモジェナイズ)して、平均粒子径500μm以下の粒度、より好ましくは300μm以下の粒度になるまで二次粒子を微細化することが好ましい。
水不溶性食物繊維粒子を構成する最小単位の粒子である一次粒子の平均粒子径は100μm以下であることが好ましい。水不溶性食物繊維粒子としては、一次粒子の平均粒子径が100μm以下である原料を使用してもよいし、均質化処理の段階で粉砕することにより一次粒子の平均粒子径を100μm以下としてもよい。また、水不溶性食物繊維粒子は100μm以下の平均粒子径を有する一次粒子が複数凝集して形成された二次粒子として水相中に分散される場合もあり、この場合は二次粒子の平均粒子径が500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。水不溶性食物繊維粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の下限としては0.01μm程度が挙げられる。
なお、本発明において、平均粒子径とは、全て水相中の水不溶性食物繊維粒子を、レーゼンテック社製レーゼンテックFBRM(粒度分布測定装置)で測定した粒度を表す。
3.組成
本発明の流動状食品は、流動状食品の湿質量全量に対して、コンニャク原料(乾燥物換算)を0.05〜2.0質量%、水不溶性食物繊維粒子(乾燥物換算)を0.3〜3.0質量%含有することが好ましい。このような配合の組成物は、カレーソース、シチューソースなどの流動状食品と同等の粘性および質感を有する。とりわけ、カレーソースとしては、コンニャク原料(乾燥物換算)を0.4〜1.5質量%、水不溶性食物繊維粒子(乾燥物換算)を0.3〜3.0質量%含有することが好ましく、シチューソースとしては、コンニャク原料(乾燥物換算)を0.1〜0.5質量%、水不溶性食物繊維粒子(乾燥物換算)を0.9〜1.9質量%含有することが好ましい。しかしながら配合はこれらには限定されず、好みの物性に応じてコンニャク原料および水不溶性食物繊維粒子の配合量を適宜調節することができる。
本発明の流動状食品は、流動状食品の湿質量全量に対して、コンニャク原料(乾燥物換算)を0.05〜2.0質量%、水不溶性食物繊維粒子(乾燥物換算)を0.3〜3.0質量%含有することが好ましい。このような配合の組成物は、カレーソース、シチューソースなどの流動状食品と同等の粘性および質感を有する。とりわけ、カレーソースとしては、コンニャク原料(乾燥物換算)を0.4〜1.5質量%、水不溶性食物繊維粒子(乾燥物換算)を0.3〜3.0質量%含有することが好ましく、シチューソースとしては、コンニャク原料(乾燥物換算)を0.1〜0.5質量%、水不溶性食物繊維粒子(乾燥物換算)を0.9〜1.9質量%含有することが好ましい。しかしながら配合はこれらには限定されず、好みの物性に応じてコンニャク原料および水不溶性食物繊維粒子の配合量を適宜調節することができる。
本発明の流動状食品は、直接摂食する形態だけでなく、水、油や他の食材により希釈して使用される高濃度物(例えば小麦粉ルウやカレーまたはシチューのルウ)の形態で提供されてもよい。この形態の流動状食品は、コンニャク原料と水不溶性食物繊維粒子とを0.05〜2.0:0.3〜3.0の質量比(乾燥物換算)で含有することが好ましいがこの範囲には限定されない。希釈後の最終的な流動状食品にとり所望の物性に応じて、コンニャク原料および水不溶性食物繊維粒子の配合量を適宜調節することができる。なお、本明細書において、直接摂食する形態のものをカレーソース、シチューソースなどと称し、高濃度物のものをカレールウ、シチュールウなどと称し、これらを合せたものをカレー、シチューなどと称する場合がある。
4.その他の材料
本発明の流動状食品には、更に粘性を調節する目的でアルカリ性凝固剤および/または増粘剤が添加されてもよい。
本発明の流動状食品には、更に粘性を調節する目的でアルカリ性凝固剤および/または増粘剤が添加されてもよい。
アルカリ性凝固剤はコンニャク原料中のグルコマンナンをゲル化する。アルカリ性凝固剤が添加されなくともコンニャク原料による粘性は付与されるが、比較的高い粘性が望まれる場合(例えばカレーソースの製造)には、更に粘性を高める目的でアルカリ性凝固剤を添加することができる。アルカリ性凝固剤としては具体的には水酸化カルシウム等が挙げられ、一般に用いられているものを任意に用い得る。アルカリ性凝固剤の量は、コンニャク原料中のグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して0.001〜10質量部、好ましくは0.01〜0.1質量部とすればよい。
増粘剤としてはキサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ゼラチン、澱粉および加工澱粉からなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。増粘剤による粘性の付与は、シチューソースなどのように、比較的低い粘性が求められる用途に有用である。コンニャク原料の含有量を減らして、増粘剤を使用することで上記の粘性を得ることができる。
本発明の流動状食品は、野菜類、畜肉類、魚介肉類、香辛料、調味料、油脂類、食品添加物などを必要に応じて適宜含有することができる。
5.製造方法
本発明の流動状食品は、水不溶性食物繊維の粒子が、コンニャク原料が水和膨潤した状態で含まれる水相中に均質化され懸濁状態に分散されている懸濁液であることを特徴とする。このような懸濁液は、水とコンニャク原料と水不溶性食物繊維粒子とを単に攪拌し混合する従来の技術(例えば特許文献3)では製造することができない。本発明者らは、当該流動状食品が、(イ)コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子が水中で均質化され懸濁状態に分散された懸濁液とを混合する工程;または(ロ)コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子と、水分との混合物を均質化する工程を含む方法により製造することができることを見出した。
本発明の流動状食品は、水不溶性食物繊維の粒子が、コンニャク原料が水和膨潤した状態で含まれる水相中に均質化され懸濁状態に分散されている懸濁液であることを特徴とする。このような懸濁液は、水とコンニャク原料と水不溶性食物繊維粒子とを単に攪拌し混合する従来の技術(例えば特許文献3)では製造することができない。本発明者らは、当該流動状食品が、(イ)コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子が水中で均質化され懸濁状態に分散された懸濁液とを混合する工程;または(ロ)コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子と、水分との混合物を均質化する工程を含む方法により製造することができることを見出した。
工程(イ)では、水不溶性食物繊維粒子を水中で均質化(ホモジェナイズ)することにより、(好ましくは一次平均粒子径および二次平均粒子径が上述の範囲にまで微細化された)懸濁液を予め調製しておき、当該懸濁液をコンニャク原料と混合する。コンニャク原料は、前記懸濁液との混合前に予め水により水和膨潤させたものを使用してもよいし、粉体として前記懸濁液と混合し、懸濁液中の水分によりコンニャク原料を水和膨潤させてもよい。
本発明において、均質化とは、水不溶性食物繊維粒子を水中で機械的にせん断力を利用して粉砕・微細化し、均一な懸濁状態をつくり出すことを意味する。水不溶性食物繊維粒子を水中で攪拌混合しても、せん断力が作用しないため、水不溶性食物繊維粒子が大きい凝集物となって微細化できない。水和膨潤した状態のコンニャク原料を含む水相と、上記の状態の水不溶性食物繊維粒子とを含んでも、所望の懸濁状態は達成できない。したがって、均質化の手段として、所望の懸濁状態を達成できない、せん断力が作用しない手段は除外される。
水不溶性食物繊維粒子の均質化の手段としては、前記の懸濁状態をつくり出すことができるものであれば任意であるが、例えば圧力式ホモジナイザー、回転刃式ホモジナイザー、コロイドミル、高速度撹拌機(ミキサー)が挙げられる。
工程(ロ)では、コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子と、水分との混合物を調整後に均質化処理を行い、(好ましくは一次平均粒子径および二次平均粒子径が上述の範囲にまで微細化された)懸濁液を得る。均質化の手段は工程(イ)について述べた手段が採用できる。コンニャク原料は、水不溶性食物繊維粒子との混合の前に予め水分により水和膨潤させたものを使用してもよいし、粉体として水不溶性食物繊維粒子および水分と混合し、均質化による懸濁液形成と一緒に水和膨潤を進行させてもよい。水不溶性食物繊維粒子は、コンニャク原料との混合の前に予め工程(イ)と同様に均質化させておいてもよい(この場合、水不溶性食物繊維粒子の水中での均質化は二度行われることになる)。
工程(イ)または(ロ)の後に加熱処理を行うことが好ましい。アルカリ性凝固剤を添加する場合には、前記加熱処理工程の前、中、後のいずれかの時点において添加することが好ましい。またキサンタンガム、加工澱粉等の増粘剤の添加は、工程(イ)または(ロ)が完結する前(すなわち工程(イ)または(ロ)の開始前または途中)に行うことが好ましい。加熱処理の後にレトルト加熱殺菌などの殺菌処理を施すこともできる。
野菜類、畜肉類、魚介肉類、香辛料、調味料、油脂類、食品添加物などの更なる成分は工程(イ)または(ロ)の前、中、後のいずれの段階で添加してもよい。前記のコンニャク原料と水不溶性食物繊維粒子との懸濁状態をつくり出すことができるものであれば、任意の製造工程を採用することができる。
6.食品の形態
本発明の流動状食品は、カレー、シチュー、スープ、パスタソース、ハヤシ、ハッシュドビーフなどの形態で提供することができる。直接摂食する最終製品の形態で提供されても良いし、水、油や他の食材により希釈して使用される高濃度物(例えば小麦粉ルウやカレーまたはシチューのルウ)の形態で提供されてもよい。流動状食品は小麦粉ルウを含むものでもよい。
本発明の流動状食品は、カレー、シチュー、スープ、パスタソース、ハヤシ、ハッシュドビーフなどの形態で提供することができる。直接摂食する最終製品の形態で提供されても良いし、水、油や他の食材により希釈して使用される高濃度物(例えば小麦粉ルウやカレーまたはシチューのルウ)の形態で提供されてもよい。流動状食品は小麦粉ルウを含むものでもよい。
本発明の流動状食品は、直接摂取する食品の形態として湿質量100gあたりのカロリーが40kcal以下の低カロリー食品であることが好ましい。健康増進法において、湿質量100gあたりのカロリーが40kcal以下の場合に、熱量が低い旨を表示することができる旨定められており、本発明の流動状食品ではこれが可能になる。
一般に、小麦粉ルウは約600kcal/100gのカロリーを有し、カレーソース(小麦粉ルウ+香辛料+調味料+水)は約65kcal/100gのカロリーを有する。これに対して、本発明では、カレーソース、シチューソースなどのソースを、湿質量100gあたり40kcal以下とすることが可能となるため、低カロリーの製品形態にする場合に、従来製品に比べて、肉などの具材を増量できる。以上の製品形態によれば、糖尿病疾患の患者用などの病院食として、低カロリーで高品質の製品を提供することが可能となる。
試験1
(実験内容)
実施例1(そのまま(1倍で)喫食できる、カレーソース、シチューソース等と同等の粘性のもの)
(1)レオレックスRS(清水化学(株)製、微粒子コンニャクイモ抽出物)5gと水500gをTKホモミキサーで混合した水和物
(2)セオラスFD-101(旭化成ケミカルズ(株)製、微細水不溶性食物繊維粒子)14.4gと水480.6gをTKホモミキサーで1分間混合し均質化したもの
(1)と(2)を混合槽((株)カジワラ製レオニーダー)で混合して(均質化処理に該当しない) 流動状食品を調製した。[全原料で1000 g]
(実験内容)
実施例1(そのまま(1倍で)喫食できる、カレーソース、シチューソース等と同等の粘性のもの)
(1)レオレックスRS(清水化学(株)製、微粒子コンニャクイモ抽出物)5gと水500gをTKホモミキサーで混合した水和物
(2)セオラスFD-101(旭化成ケミカルズ(株)製、微細水不溶性食物繊維粒子)14.4gと水480.6gをTKホモミキサーで1分間混合し均質化したもの
(1)と(2)を混合槽((株)カジワラ製レオニーダー)で混合して(均質化処理に該当しない) 流動状食品を調製した。[全原料で1000 g]
実施例2(実施例1の流動状食品を更に均質化する)
実施例1の(1)と(2)を混合槽で混合した後、更に、TKホモミキサーで1分間混合し均質化して流動状食品を調製した。
実施例1の(1)と(2)を混合槽で混合した後、更に、TKホモミキサーで1分間混合し均質化して流動状食品を調製した。
実施例3(2倍に希釈したときにカレーソース、シチューソース等と同等の粘性となるもの)
(1)レオレックスRS10gと水861.2g
(2)セオラスFD-101=28.8gと水100g
以上の原料配合とする以外は実施例1と同様の手順で流動状食品を調製した。
(1)レオレックスRS10gと水861.2g
(2)セオラスFD-101=28.8gと水100g
以上の原料配合とする以外は実施例1と同様の手順で流動状食品を調製した。
実施例4(実施例3の流動状食品を更に均質化する)
(1)と(2)を混合槽で混合した後、TKホモミキサーで1分間混合し均質化する以外は実施例3と同様の手順で流動状食品を調製した。
(1)と(2)を混合槽で混合した後、TKホモミキサーで1分間混合し均質化する以外は実施例3と同様の手順で流動状食品を調製した。
実施例5(4倍に希釈したときにカレーソース、シチューソース等と同等の粘性となるもの)
(1)レオレックスRS20gと水720.8g
(2)セオラスFD-101=57.6gと水201.6g
以上の原料配合とする以外は実施例1と同様の手順で流動状食品を調製した。
(1)レオレックスRS20gと水720.8g
(2)セオラスFD-101=57.6gと水201.6g
以上の原料配合とする以外は実施例1と同様の手順で流動状食品を調製した。
実施例6(実施例5の流動状食品を更に均質化する)
(1)と(2)を混合槽で混合した後、TKホモミキサーで1分間混合し均質化する以外は実施例5と同様の手順で流動状食品を調製した。
(1)と(2)を混合槽で混合した後、TKホモミキサーで1分間混合し均質化する以外は実施例5と同様の手順で流動状食品を調製した。
比較例1(1倍、(2)の均質化なし)
(2)のセオラスFD-101と水をTKホモミキサーで均質化せず、混合槽((株)カジワラ製レオニーダー)で混合する(均質化処理に該当しない)以外は実施例1と同様の手順で流動状食品を調製した。
(2)のセオラスFD-101と水をTKホモミキサーで均質化せず、混合槽((株)カジワラ製レオニーダー)で混合する(均質化処理に該当しない)以外は実施例1と同様の手順で流動状食品を調製した。
比較例2(1倍、コンニャクイモ抽出物のみ使用、水不溶性食物繊維粒子は不使用)
レオレックスRS5gと水955gとをTKホモミキサーで混合した。
レオレックスRS5gと水955gとをTKホモミキサーで混合した。
比較例3(1倍、水不溶性食物繊維粒子のみ使用、コンニャクイモ抽出物は不使用)
セオラスFD-101=14.4gと水985.6gとをTKホモミキサーで1分間混合し均質化した。
セオラスFD-101=14.4gと水985.6gとをTKホモミキサーで1分間混合し均質化した。
表中カロリーはkcal/100gの値である。
一般の小麦粉ルウの600kcal/100gに対し、実施例3、4の小麦粉ルウ代替物9.2kcal/100g、実施例5、6の小麦粉ルウ代替物18.4kcal/100gの大幅に低いカロリーであった。
一般の小麦粉ルウの600kcal/100gに対し、実施例3、4の小麦粉ルウ代替物9.2kcal/100g、実施例5、6の小麦粉ルウ代替物18.4kcal/100gの大幅に低いカロリーであった。
また、一般のカレーソース(小麦粉ルウ+香辛料+調味料+水)の約65kcal/100gに対し、実施例1の流動状食品4.6kcal/100g、実施例3の小麦粉ルウ代替物を用いて調製したカレーソース35kcal/100gの低カロリーであった。
すなわち本発明の流動状食品を用いることにより、小麦粉ルウおよびこれを用いる従来のカレーソースの低カロリー化が可能となる。
試験2
(実験内容)
実施例7
(1)レオレックスRS(微粒子コンニャクイモ抽出物)0.5と水47の水和物、
(2)セオラスRC−N81(旭化成ケミカルズ(株)製、微細水不溶性食物繊維粒子)1.8と水18の水和物をホモゲナイザー(APV社製、ゴーリンタイプホモジナイザー15MR)で50kg/cm3で均質化したもの、
(3)ファリネックスLCF (三和澱粉製、加工澱粉) 0.5、香辛料及び調味料適量を含むカレー調味液32.1
(1)と(2)と(3)を混合槽((株)カジワラ製レオニーダー)で混合して(均質化処理に該当しない)、90℃で炊き上げ、ポアカルーN (白石カルシウム製炭酸カルシウム:コンニャク用凝固剤)0.1を加えて、レトルトパウチに充填してレトルト加熱処理しレトルトカレーソースを調製した。
(実験内容)
実施例7
(1)レオレックスRS(微粒子コンニャクイモ抽出物)0.5と水47の水和物、
(2)セオラスRC−N81(旭化成ケミカルズ(株)製、微細水不溶性食物繊維粒子)1.8と水18の水和物をホモゲナイザー(APV社製、ゴーリンタイプホモジナイザー15MR)で50kg/cm3で均質化したもの、
(3)ファリネックスLCF (三和澱粉製、加工澱粉) 0.5、香辛料及び調味料適量を含むカレー調味液32.1
(1)と(2)と(3)を混合槽((株)カジワラ製レオニーダー)で混合して(均質化処理に該当しない)、90℃で炊き上げ、ポアカルーN (白石カルシウム製炭酸カルシウム:コンニャク用凝固剤)0.1を加えて、レトルトパウチに充填してレトルト加熱処理しレトルトカレーソースを調製した。
[数値は100質量部を構成する各原料の質量]
実施例8(コンニャクイモ抽出物減量)
(1)をレオレックスRS0.2と水47.3の配合とした以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
実施例8(コンニャクイモ抽出物減量)
(1)をレオレックスRS0.2と水47.3の配合とした以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
実施例9(コンニャクイモ抽出物増量)
(1)をレオレックスRS0.7と水46.8の配合とした以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
(1)をレオレックスRS0.7と水46.8の配合とした以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
実施例10(微細不溶性食物繊維素材減量)
(2)をセオラスRC−N81=0.125と水19.675の配合とした以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
(2)をセオラスRC−N81=0.125と水19.675の配合とした以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
実施例11(微細不溶性食物繊維素材増量)
(2)をセオラスRC−N81=4.375と水15.425の配合とした以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
(2)をセオラスRC−N81=4.375と水15.425の配合とした以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
比較例4(コンニャクイモ抽出物不使用)
(1)の代わりに水47.5を用い、(3)でポアカルーNを加えない以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
(1)の代わりに水47.5を用い、(3)でポアカルーNを加えない以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
比較例5(微細不溶性食物繊維素材不使用)
(2)の代わりに水19.8を用いた以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
(2)の代わりに水19.8を用いた以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
比較例6(均質化処理なし)
(2)を水和物とし均質化しない以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
(2)を水和物とし均質化しない以外は実施例7と同様の手順でレトルトカレーソースを調製した。
Claims (13)
- 水和膨潤した状態のコンニャク原料を含む水相と、該水相中に懸濁状態で分散した水不溶性食物繊維粒子とを含む、粘性を有する流動状食品。
- 流動状食品の湿質量全量に対して、コンニャク原料(乾燥物換算)を0.05〜2.0質量%、水不溶性食物繊維粒子(乾燥物換算)を0.3〜3.0質量%含有する、請求項1の流動状食品。
- 水不溶性食物繊維粒子の水相中での平均粒子径が500μm以下である、請求項1または2の流動状食品。
- 水不溶性食物繊維粒子が、平均粒子径100μm以下の一次粒子として、または該一次粒子が凝集して形成された二次粒子として水相中に懸濁状態で分散している、請求項1または3の流動状食品。
- カレー、シチュー、スープ、パスタソース、ハヤシまたはハッシュドビーフの形態である、請求項1〜4のいずれかの流動状食品。
- 湿質量100gあたりのカロリーが40kcal以下である、請求項1〜5のいずれかの流動状食品。
- アルカリ性凝固剤および/または増粘剤を更に含む、請求項1〜6のいずれかの流動状食品。
- 増粘剤がキサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ゼラチン、澱粉および加工澱粉からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項7の流動状食品。
- 小麦粉ルウ代替物である請求項1,3または4に記載の流動状食品。
- 下記(イ)または(ロ)の工程を含むことを特徴とする、請求項1の流動状食品の製造方法:
(イ)コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子が水中で均質化され分散された懸濁液とを混合する工程;
(ロ)コンニャク原料と、水不溶性食物繊維粒子と、水分との混合物を均質化する工程。 - (イ)または(ロ)の工程の後に加熱処理を行う工程を更に含む、請求項10の方法。
- (イ)または(ロ)の工程の後であって、前記加熱処理工程の前、中、後のいずれかの時点においてアルカリ性凝固剤を添加する工程を更に含む、請求項11の方法。
- (イ)または(ロ)の工程が完結するよりも前の時点において増粘剤を添加する工程を更に含む、請求項10の方法。
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