JP2010098190A - 内燃機関用の点火コイル - Google Patents
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Abstract
【課題】クラックが発生した場合であっても、二次コイルの引出線が断線する可能性を低減した簡易構成の内燃機関用の点火コイルを提供する。
【解決手段】一次ボビン1に一次巻線を巻回してなる一次コイルL1と、二次ボビン2に二次巻線を巻回してなる二次コイルL2とを同心状に収容するコイル本体部BDYと、一次コイルL1の電流をON/OFF制御する電子回路を収容するコイル頭部HDと、が一体化されて構成される。二次ボビン2は、略円筒状のボビン本体20と、電子回路との電気接続を実現する接続端子TMを保持する保持部22と、を有して構成され、二次ボビン2から引き出された二次巻線LDは、クラックが発生しやすい箇所から遠ざかるよう、時計方向または反時計方向に、接続端子TMに巻かれる。
【選択図】図2
【解決手段】一次ボビン1に一次巻線を巻回してなる一次コイルL1と、二次ボビン2に二次巻線を巻回してなる二次コイルL2とを同心状に収容するコイル本体部BDYと、一次コイルL1の電流をON/OFF制御する電子回路を収容するコイル頭部HDと、が一体化されて構成される。二次ボビン2は、略円筒状のボビン本体20と、電子回路との電気接続を実現する接続端子TMを保持する保持部22と、を有して構成され、二次ボビン2から引き出された二次巻線LDは、クラックが発生しやすい箇所から遠ざかるよう、時計方向または反時計方向に、接続端子TMに巻かれる。
【選択図】図2
Description
本発明は、自動車エンジンなどの内燃機関の点火プラグに高電圧を供給する点火コイルに関し、特に、クラックが発生しても二次コイルの断線が生じにくい構成を有する点火コイルに関する。
内燃機関用の点火コイルとして、プラグホールに挿入される円筒状のコイル本体部BDYと、プラグホールから露出するコイル頭部HDとに区分されて構成されたペンシルタイプの点火コイルが知られている(図1(a)参照)。
この種の点火コイルでは、典型的には、コイル本体部BDYのコイルケースの内部に、中心鉄芯を内蔵する二次コイルL2と、二次コイルL2を収容した一次コイルL1と、が同心状に配置される。また、コイル頭部HDのコイルケースには、一次コイルL1の駆動電流を接断して二次コイルL2に高電圧を発生させる電子回路が内蔵されている。
そして、これらコイル本体部BDYとコイル頭部HDの構成部材が、コイルケースに収納された後、各部の隙間を埋めるべく液状のエポキシ樹脂を充填し、これを熱硬化させることで各部材間の絶縁性を確保している。
ところで、内燃機関に装着された点火コイルは、繰り返し冷熱ストレスを受けるので、各構成部材と絶縁樹脂との熱膨張差異などに起因して、絶縁樹脂にクラックが生じることがある。そして、発生したクラックの影響が二次コイルの二次巻線に及ぶと、線径が細い二次巻線が、断線状態となることがある。特に、二次巻線が二次ボビンから引き出されて空中配線となる巻取り端部では、クラックの影響を受けて断線する可能性が他の箇所より高い。
そこで、かかる問題に対処するため、特許文献1や、特許文献2のような構成も提案されていが、これらは、その構成が複雑であって、金型作製コストの上昇や、コイル巻き作業が煩雑化するという問題がある。
特開2000−323339号公報
特開平06−204030号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、クラックが発生した場合であっても、二次コイルの引出線が断線する可能性を低減した簡易構成の内燃機関用の点火コイルを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明者が種々検討したところ、例え、基本構成が同一でも、具体的な設計値の相違に起因して、クラックの発生箇所に、ある程度の傾向が現れることが明らかとなった。
例えば、ペンシルタイプの点火コイルにおいて、二次ボビンを一次ボビンに収容する基本構成が同じでも、具体的な設計値によって、一次ボビンの周縁を基点としてクラックが発生しやすい場合と、コイル頭部に配置した配線プレートや配線基板などを基点としてクラックが発生しやすい場合とがあることが明らかとなった。
本発明は、この知見に基づいて完成されたものであり、一次ボビンに一次巻線を巻回してなる一次コイルと、二次ボビンに二次巻線を巻回してなる二次コイルとを同心状に収容するコイル本体部と、前記一次コイルの電流をON/OFF制御する電子回路を収容するコイル頭部と、が一体化されて構成され、前記二次ボビンは、略円筒状のボビン本体と、前記電子回路との電気接続を実現する接続端子を保持する保持部と、を有して構成され、前記二次ボビンから引き出された二次巻線は、クラックが発生しやすい箇所から遠ざかるよう、時計方向または反時計方向に、前記接続端子に巻かれている。
前記接続端子は、好ましくは、前記一次ボビンの基端周縁と、前記電子回路との間に配置される。前記保持部は、好ましくは、前記ボビン本体の径方向外側に設けられている。好適には、前記保持部及び前記接続端子を含んだ前記二次ボビンの基端部は、コイル本体部からコイル頭部に突出して配置される。
また、前記クラックが発生しやすい箇所は、前記接続端子の上方位置か下方位置かが、予め実験的に特定されているのが効果的である。
上記した各発明によれば、簡易な構成でありながら、クラックによって二次コイルの引出線などが断線する危険性を軽減することができる。
以下、実施例に基づいて本発明に係る点火コイルについて詳細に説明する。図1〜図3は、実施例に係る点火コイルを説明する図面である。
図1(a)に略記する通り、実施例に係る点火コイルは、いわゆるペンシル型であって、二次コイルL2と一次コイルL1とを同心状に収容するコイル本体部BDYと、電子回路を収容するコイル頭部HDと、が一体化されて構成されている。
コイル頭部HDには、その一方側に接続ターミナルTRMが設けられており(図1(a))、この接続ターミナルTRMには、バッテリ電圧端子BT、点火信号端子SG、及びグランド端子GNDが設けられている。なお、点火信号端子SG及びグランド端子GNDは、不図示のECU(Engine Control Unit)に接続される。
コイル頭部HDに収容される電子回路は、この実施例では、スイッチング用のパワートランジスタ(IGBT)Trと、パワートランジスタTrの駆動回路DVとで構成されている(図1(b))。駆動回路DVの入力端子は、接続ターミナルTRMの点火信号端子SGに接続され、駆動回路DVの電源端子とグランド端子が、接続ターミナルTRMのバッテリ電圧端子BTとグランド端子GNDに接続されている。
一方、パワートランジスタTrの電源側端子は、一次コイルL1の一方側の接続端子T2に接続され、一次コイルL1の他方側の接続端子T1は、コイル頭部HDの内部配線を経由して、接続ターミナルTRMのバッテリ電圧端子BTに内部接続されている。また、二次コイルL2の低圧側端子T3についても、コイル頭部HDの内部配線を経由して、接続ターミナルTRMのバッテリ電圧端子BTに内部接続されている。なお、二次コイルL2の高圧側端子は、接続点T4を経由して点火プラグPGに接続される。
コイル本体部BDYは、二次ボビンに二次巻線を巻回してなる二次コイルL2と、二次コイルL2を収容した一次ボビンに一次巻線を巻回してなる一次コイルL1とが同心状に配置されて構成される。
一次ボビン1の構成は、概略、図1(c)の平面図に示す通りである。すなわち、一次ボビン1の基端側には、コイルケースに係合する円環フランジ10と、円環フランジ10から軸方向基端側に更に延長される取付部11a,11bとが形成されている。なお、円環フランジ10は、ほぼ直角に立ち下がる内壁に連続しており、したがって、円環フランジ10の内側周縁は、リング状の角部EDGを形成している。
取付部11a.11bは、平面視において、外方に向けて略コ字状に開口して構成され、その径方向内側には、平面視が略矩形状の嵌合溝HO1,HO2が形成されている。そして、取付部11a,11bの径方向外側には、一次コイルL1の一次巻線の始端線WR1と終端線WR2とが巻回されて接続端子T1,T2を構成している。
なお、取付部11a,11bは、一次巻線WR1,WR2の取付溝を有する隆起部31を除いて、その頂上面30が略同一高さであり、円環フランジ10から軸方向基端側に更に延長されて構成されている。
図2(a)に示す通り、二次ボビン2は、円筒状のボビン本体20と、嵌合溝HO1,HO2に嵌合される装着フランジ21a,21bと、接続バーTMを保持する保持フランジ22と、を有して構成されている。ボビン本体20、装着フランジ21a,21b、及び保持フランジ22は、その頂上面が、同一平面を形成している。そして、装着フランジ21a,21b及び保持フランジ22は、ボビン本体20の径方向外方に延設されている。
保持フランジ22の頂上面には、他の部材を位置決めする位置決め穴22aが凹溝状に2つ形成され、保持フランジ22の外側面には、頂上面に平行して切込み溝22bが形成されている。そして、この切込み溝22bには、接続バーTMが嵌合されている。接続バーTMは、導電性の金属丸棒を屈曲形成して構成され、装着フランジ21a、21bにほぼ平行に延びて電子回路との接続端子T3を構成する右端子TMbと、二次コイルの二次巻線が巻かれる左端子TMaと、切込み溝22bに嵌合される中央端子TMcを有して全体として略反転Ω状に形成されている。
ところで、この実施例の点火コイルでは、具体的設計値によっては、一次ボビン円環フランジ10の内側周縁に形成されるリング状角部EDGからクラックが発生する可能性が他の箇所より高いことが実験的に確認されている。そのため、図2(b)に示す通り、接続バーTMの左端子TMaには、その軸方向先端側から見て、反時計方向に引出し線LDを巻いている。このような構成をとるため、たとえ、クラックが生じても、クラックの進行によって二次巻線の引出し線LDが断線される可能性が低減される。
一方、基本構成が同じでも、別の設計値を採る場合には、コイル頭部に配線される平板状の配線プレートPTからクラックが発生する可能性が他の箇所より高いことが実験的に確認されている。具体的には、一次コイルL1の接続端子T1や二次コイルL2の低圧側端子T3を、接続ターミナルTRMのバッテリ電圧端子BTに内部接続する配線プレートPTのエッジ部が問題になる。また、一次コイルL1の接続端子T2とパワートランジスタTrとを内部配線する配線プレートPTが問題になることもある。
そこで、そのような場合には、図3に示す通り、接続バーTMの左端子TMaには、その軸方向先端側から見て、時計方向に引出し線LDを巻いている。このような引出し線LDがクラック発生位置から遠ざかる構成をとるため、配線プレートPTを基点としてクラックが生じても、クラックの進行によって二次巻線の引出し線LDが断線される可能性が低減される。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、ペンシル型の点火コイル以外にも本発明の構成を採ることができる。
1 一次ボビン
2 二次ボビン
20 ボビン本体
22 保持部
L1 一次コイル
L2 二次コイルL2
TM 接続端子
BDY コイル本体部
HD コイル頭部
LD 二次巻線
2 二次ボビン
20 ボビン本体
22 保持部
L1 一次コイル
L2 二次コイルL2
TM 接続端子
BDY コイル本体部
HD コイル頭部
LD 二次巻線
Claims (5)
- 一次ボビンに一次巻線を巻回してなる一次コイルと、二次ボビンに二次巻線を巻回してなる二次コイルとを同心状に収容するコイル本体部と、前記一次コイルの電流をON/OFF制御する電子回路を収容するコイル頭部と、が一体化されて構成され、
前記二次ボビンは、略円筒状のボビン本体と、前記電子回路との電気接続を実現する接続端子を保持する保持部と、を有して構成され、
前記二次ボビンから引き出された二次巻線は、クラックが発生しやすい箇所から遠ざかるよう、時計方向または反時計方向に、前記接続端子に巻かれていることを特徴とする内燃機関用点火コイル。 - 前記接続端子は、前記一次ボビンの基端周縁と、前記電子回路との間に配置される請求項1に記載の内燃機関用点火コイル。
- 前記保持部は、前記ボビン本体の径方向外側に設けられている請求項1又は2に記載の内燃機関用の点火コイル。
- 前記保持部及び前記接続端子を含んだ前記二次ボビンの基端部は、コイル本体部からコイル頭部に突出して配置される請求項1〜3の何れかに記載の内燃機関用の点火コイル。
- 前記クラックが発生しやすい箇所は、前記接続端子の上方位置か下方位置かが、予め実験的に特定されている請求項1〜4の何れかに記載の内燃機関用の点火コイル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008269079A JP2010098190A (ja) | 2008-10-17 | 2008-10-17 | 内燃機関用の点火コイル |
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JP2010098190A true JP2010098190A (ja) | 2010-04-30 |
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- 2008-10-17 JP JP2008269079A patent/JP2010098190A/ja not_active Withdrawn
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