JP2010096913A - レーザ顕微鏡装置 - Google Patents
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【解決手段】極短パルスレーザ光を走査させるXYガルバノミラー11と、XYガルバノミラー11により走査された極短パルスレーザ光を標本Aに照射する一方、標本Aにおいて極短パルスレーザ光の多光子吸収により発生した蛍光を集光する対物レンズ15と、対物レンズ15により集光された蛍光を極短パルスレーザ光の光路から分岐させるダイクロイックミラー14と、ダイクロイックミラー14により分岐された蛍光の光路に設けられ、平行間隔を空けて配置され対向面に反射膜が設けられた光学部材41,42を有するエタロン型の分光素子40と、分光素子40内の光学部材間の光路長を調節する圧電素子43と、分光素子40により分光された蛍光を検出する光検出器25とを備えるレーザ顕微鏡装置1を採用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、極短パルスレーザ光を走査させる光走査手段と、該光走査手段により走査された極短パルスレーザ光を標本に照射する一方、標本において極短パルスレーザ光の多光子吸収により発生した蛍光を集光する対物レンズと、該対物レンズにより集光された蛍光を前記光走査手段よりも標本側で前記極短パルスレーザ光の光路から分岐させる光分岐手段と、該光分岐手段により分岐された蛍光の光路に設けられ、平行間隔を空けて配置され対向面に反射膜が設けられた複数の光学部材を有するエタロン型の分光素子と、該分光素子内の光学部材間の光路長を調節する光路長調節手段と、前記分光素子により分光された蛍光を検出する検出手段とを備えるレーザ顕微鏡装置を採用する。
このようにすることで、蛍光の主光線が光軸と略平行となる、いわゆる略テレセントリック光学系において、エタロン型の分光素子により分光を行うことができ、エタロン型の分光素子への入射角度による分光特性への影響を無くし、安定した分光を実現することができる。
このようにすることで、スキャンによりエタロン型の分光素子への入射角度が変化した場合にも、スキャン角度に応じてエタロン型の分光素子内の光学部材間の光路長を光路長調節手段により調節することができ、蛍光の光成分を波長毎に分離することが可能となる。
このようにすることで、光走査手段による極短パルスレーザ光のスキャン角度に応じてエタロン型の分光素子内の光学部材間の光路長を光路長調節手段により調節することができ、蛍光の光成分を波長毎に分離することが可能となる。
このようにすることで、圧電素子に電圧を印加することにより光学部材を駆動して、エタロン型の分光素子内の光学部材間の光路長を調節することができ、蛍光の光成分を波長毎に分離することが可能となる。
このようにすることで、回転機構により分光素子を光軸に直交する軸線回りに回転させて、エタロン型の分光素子内の光学部材への入射角度を調節することができ、蛍光の光成分を波長毎に分離することが可能となる。
このようにすることで、エタロン型の分光素子に入射させる光から、標本において反射した極短パルスレーザ光をフィルタにより遮断することができ、蛍光分光の精度を向上させることが可能となる。
光路長調節手段によりエタロン型の分光素子内の光学部材間の光路長を変化させながら検出手段により蛍光を検出し、分光画像取得手段によりその都度蛍光画像を取得することで、波長の異なる複数の分光画像を取得することができる。
予め取得された蛍光物質の蛍光分光特性に基づいて、分光画像取得手段により取得された複数の分光画像をアンミキシング画像生成手段により演算処理することで、蛍光物質の種類ごとに分離したアンミキシング画像を生成することができ、多重染色を行った場合にも同時に複数の蛍光物質を観察することができる。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡装置1は、図1に示されるように、極短パルスレーザ光を出射する図示しないレーザ光源と、レーザ光源からの極短パルスレーザ光を標本Aに照射するレーザ光照射系10と、レーザ光照射系10により極短パルスレーザ光を照射することで標本Aにおいて発生した蛍光を検出する観察光学系20とを備えている。
ダイクロイックミラー14は、極短パルスレーザ光を透過させる一方、標本Aにおいて発生し対物レンズ15により集光された蛍光を観察光学系20に向けて反射することで、極短パルスレーザ光の光路から標本Aからの蛍光を分岐するようになっている。
光検出器25は、例えば光電子増倍管(PMT:Photo Multiplier Tube)であり、検出した光を光電変換して得られた電気信号を画像生成部26に出力するようになっている。
2nd・cosθ=mλ・・・(1)
ここで、nは光学部材41と光学部材42との間の媒体の屈折率、dは光学部材41と光学部材42との間隔、θは蛍光の入射角、mは回折次数、λは波長を表している。
また、画像生成部26は、光検出器25により検出された標本Aの分光特性を基に、光検出器25により予め検出された蛍光物質の蛍光分光特性をアンミキシングして分光画像を生成するようになっている。これにより、多重染色を行った場合にも同時に複数の蛍光物質を観察することができる。
フィルタ分光ユニット30は、フィルタ21を透過した蛍光を偏向する反射ミラー31と、反射ミラー31により偏向された蛍光の一部を透過させる一方で他を反射するダイクロイックミラー32と、ダイクロイックミラー32を透過した蛍光を集光する集光レンズ34と、集光レンズ34により集光された蛍光を検出する光検出器35と、ダイクロイックミラー32と集光レンズ34との間に設けられたバンドパスフィルタ33とを備えている。また、フィルタ分光ユニット30は、ダイクロイックミラー32により反射された蛍光を集光する集光レンズ37と、集光レンズ37により集光された蛍光を検出する光検出器38と、ダイクロイックミラー32と集光レンズ37との間に設けられたバンドパスフィルタ36とを備えている。
まず、本実施形態に係るレーザ顕微鏡装置1を用いて、アンミキシング画像を取得する場合、すなわち光検出器25により標本Aからの蛍光を検出する場合について説明する。
図示しないレーザ光源を作動させて極短パルスレーザ光を射出させ、極短パルスレーザ光をXYガルバノミラー11に入射させる。XYガルバノミラー11では、極短パルスレーザ光を標本A上において2次元的に走査させる。このように走査された極短パルスレーザ光は、瞳投影レンズ12および結像レンズ13を経てダイクロイックミラー14を透過し、対物レンズ瞳面16および対物レンズ15に入射し、標本A上に集光される。
エタロン型の分光素子40に入射した蛍光は、光学部材41と光学部材42との間で反射を繰り返し、前述の(1)式に従って分光される。ここで、エタロン型の分光素子40は、略テレセントリック光学系となる位置に設けられているため、エタロン型の分光素子40への入射角θは略0度であり、cosθは1となる。したがって、エタロン型の分光素子40に入射した蛍光は、以下の(2)式に従って分光される。
2nd=mλ・・・(2)
ここで、nは光学部材41と光学部材42との間の媒体の屈折率、dは光学部材41と光学部材42との間隔、mは回折次数、λは波長を表している。
前述したアンミキシング画像を取得する場合と同様に、極短パルスレーザ光を標本Aに照射することで発生した蛍光は、対物レンズ15により集光され、ダイクロイックミラー14により観察光学系20に分岐される。
フィルタ分光ユニット30に導光された蛍光は、反射ミラー31により偏向された後、その一部がダイクロイックミラー32を透過する一方で、その他はダイクロイックミラー32により反射される。
ダイクロイックミラー32により反射された蛍光は、バンドパスフィルタ36を透過した後、集光レンズ37により集光され、光検出器38により検出される。
また、エタロン型の分光素子40を結像レンズ22と瞳投影レンズ24との間の結像面付近に設けることで、蛍光の主光線が光軸と略平行となる、いわゆる略テレセントリック光学系において分光を行うことができ、XYガルバノミラー11による極短パルスレーザ光の走査が行われた場合にもエタロン型の分光素子40への蛍光の入射角度の変化を抑制し、その分光特性への影響を少なくして安定した分光を実現することができる。
ここで、図6はエタロン型の分光素子40a,40bのそれぞれの透過強度スペクトルを示している。これらの透過強度スペクトルを合成すると、図7に示すような透過強度スペクトルが得られる。
また、本変形例において、2つのエタロン型の分光素子40a,40bを採用した例を説明したが、3個以上のエタロン型の分光素子を採用することとしてもよい。
1,2,3,4 レーザ顕微鏡装置
10 レーザ光照射系
11 XYガルバノミラー
12 瞳投影レンズ
13 結像レンズ
14 ダイクロイックミラー
15 対物レンズ
16 対物レンズ瞳面
20 観察光学系
21 フィルタ
22 結像レンズ
24 瞳投影レンズ
25 光検出器
26 画像生成部
27 瞳投影面
30 フィルタ分光ユニット
40,40a,40b,50,60 エタロン型の分光素子
41,41a,41b 光学部材
42,42a,42b 光学部材
43,43a,43b 圧電素子
51 θx軸回転ステージ
61,62,63 光学部材
64,65 圧電素子
Claims (9)
- 極短パルスレーザ光を走査させる光走査手段と、
該光走査手段により走査された極短パルスレーザ光を標本に照射する一方、標本において極短パルスレーザ光の多光子吸収により発生した蛍光を集光する対物レンズと、
該対物レンズにより集光された蛍光を前記光走査手段よりも標本側で前記極短パルスレーザ光の光路から分岐させる光分岐手段と、
該光分岐手段により分岐された蛍光の光路に設けられ、平行間隔を空けて配置され対向面に反射膜が設けられた複数の光学部材を有するエタロン型の分光素子と、
該分光素子内の光学部材間の光路長を調節する光路長調節手段と、
前記分光素子により分光された蛍光を検出する検出手段とを備えるレーザ顕微鏡装置。 - 前記対物レンズの焦点位置と光学的に共役な結像面を作る結像レンズを備え、
前記分光素子が、前記結像面の近傍に設けられている請求項1に記載のレーザ顕微鏡装置。 - 前記対物レンズの焦点位置と光学的に共役な結像面を作る結像レンズと、
前記対物レンズの瞳面をリレーする瞳投影レンズとを備え、
前記分光素子が、前記瞳投影レンズにより投影された瞳投影面の近傍に設けられている請求項1に記載のレーザ顕微鏡装置。 - 前記光走査手段による極短パルスレーザ光の走査に同期して前記分光素子内の光学部材間の光路長を変化させる請求項3に記載のレーザ顕微鏡装置。
- 前記光路長調節手段が、前記複数の光学部材の間に設けられた圧電素子である請求項1から請求項4のいずれかに記載のレーザ顕微鏡装置。
- 前記光路長調節手段が、前記分光素子を光軸に直交する軸線回りに回転させる回転機構である請求項1から請求項4のいずれかに記載のレーザ顕微鏡装置。
- 前記対物レンズと前記分光素子との間に、極短パルスレーザ光を遮断するフィルタが設けられている請求項1から請求項6のいずれかに記載のレーザ顕微鏡装置。
- 前記光路長調節手段により前記分光素子内の光学部材間の光路長を変化させながら前記検出手段により蛍光を検出して、異なる波長ごとに蛍光画像を取得する分光画像取得手段を備える請求項1から請求項7のいずれかに記載のレーザ顕微鏡装置。
- 予め取得された蛍光物質の蛍光分光特性に基づいて、前記分光画像取得手段により取得された異なる波長ごとの蛍光画像をアンミキシングした画像を生成するアンミキシング画像生成手段を備える請求項8に記載のレーザ顕微鏡装置。
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