JP2008129504A - 光学ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の波長領域の分光透過率特性を変化させた際に、その他の波長領域の分光透過率特性は一致させた状態を維持して、所望の波長帯域の光のみを高精度に取り出すことができる光学ユニットを提供すること。
【解決手段】エタロン型光学素子16が、その空気層の厚さにより、エタロン型光学素子16に入射する光に対して、第一波長帯域27における第一分光透過率特性28A、28Bと、第一波長帯域27より短波長側の第二波長帯域30における第二分光透過率特性31A、31Bとを備え、エタロン型光学素子16の空気層の厚さが、720nm(第一間隙距離)と520nm(第二間隙距離)との間で変化した場合に、第一分光透過特性28A、28Bが変化する一方、前記第二分光透過率特性31A、31Bが略一致している。
【選択図】図5

Description

本発明は、分光機能を有する光学ユニット、特に、蛍光を分光する光学ユニットに関する。
生体内に発生した病変の診断を行うための内視鏡装置が広く知られている。内視鏡装置の一つとして、例えば、蛍光内視鏡装置がある。この蛍光内視鏡装置は、取得した蛍光画像に含まれる情報に基づいて生体組織に発生した病変の診断を行うための装置である。蛍光内視鏡装置は、被照射体である生体組織表面に励起光を照射して、生体組織に含まれる蛍光物質を励起する。そして、生体組織から発した蛍光を撮像することで、蛍光画像を取得する。
生体組織表面に励起光を照射して生体組織表面からの自家蛍光を検出する場合、正常組織と病変組織とでは自家蛍光の強度が異なることが知られている。図11(非特許文献1から引用)は、その一例を示したものである。各波長での正常組織の自家蛍光強度100Aと病変組織の自家蛍光強度100Bとを示している。そこで、生体組織の自家蛍光画像から得られる蛍光強度分布を解析することにより、病変組織の領域と正常組織の領域とを区分けすることができる。生体組織は層構造を呈しており、粘膜下層と、この粘膜下層よりも上層に位置する粘膜層を含んでいる。このうち粘膜下層には、自家蛍光を発するコラーゲンやエラスチンが多く含まれている。
ここで、粘膜層の組織に病変による構造変化が生じると、コラーゲンやエラスチンの自家蛍光は、粘膜表層に到達するまでにその影響を強く受けて減衰する。このため、コラーゲンやエラスチンの主要な自家蛍光波長、例えば、500nm〜550nmを含む波長帯域の蛍光を検出することにより、粘膜層に発生した病変組織の領域を識別するための情報を取得することができる。
一方、生体内に存在する有機化合物であるポルフィリンは、腫瘍に蓄積される傾向があることが知られている。ポルフィリンは、コラーゲンやエラスチンと同様に、青色から緑色の波長帯域の励起光によって、630nm付近にピーク波長を持つ蛍光を発する。そこで、この蛍光強度を検出することにより、生体組織に腫瘍が発生していることを示す情報を取得することができる。この検出には、所定の分光透過率特性を有する光学ユニットを用いる。所定の分光透過率特性とは、例えば、630nmを含む狭い波長帯域の蛍光を透過させる分光透過率特性である。このように、生体組織からの自家蛍光スペクトルには、波長帯域ごとに、生体組織に関する異なる情報が含まれている。
図11に示した例では、正常組織の自家蛍光強度100Aと病変組織の自家蛍光強度100Bとは、波長630nm付近の波長帯域では差がほとんどないのに対して、波長500〜550nmの波長帯域ではその差が大きいという特徴を有している。このような波長帯域ごとの強度の変化は、病変の進行具合や部位などによっても様々に変化するものと考えられる。したがって、自家蛍光スペクトルの異なる波長帯域ごとの蛍光強度を取得して比較することは、病変の診断に役立つと考えられる。
波長帯域ごとの光を取得する光学ユニットとして、エタロン型分光素子を備えた光学ユニットが知られている。エタロン型分光素子は、基板面に多層膜が積層された一対の光学素子を備え、一対の光学素子が空気層を挟んで互いに対向して配されている光学素子である。このエタロン型分光素子は、空気層の厚さを変化させることで、所望の波長帯域の分光透過率特性を変化させる光学特性を有する。このような性能が発揮できるように、基板面に蒸着される多層半透過膜の分光透過特性が適宜設定されている(例えば、特許文献1参照。)。
このようなエタロン型分光素子は、例えば、石英からなる基板と、所定の光学的膜厚を有する多層膜とから構成されている。ここで、表4(設計波長λは700nm)に示すように、多層膜は、基板側から順にAl層、SiO層、Ta層、SiO層、Ta層というように、全体で5層からなる。
特開2006−025802号公報 田村 守、「シリーズ 光が拓く生命科学(第6巻)光による医学診断」、共立出版、2001年3月30日、p91
しかしながら、上記従来のエタロン型分光素子では、空気層の厚さを変えて、所望の波長帯域の分光透過率特性を変化させると、その他の波長帯域の分光透過率特性も変化してしまう。例えば、図12に示すように、400nmから600nmの波長帯域における分光透過率特性、透過光量は、空気層の厚さを変える前と変えた後で何れも一致しない。そのため、それぞれの分光透過率特性又は透過光量に基づいて正確な蛍光量の測定(演算)を行おうとすると、この変化が測定誤差となってしまう。その結果、所望波長帯域における情報を、正確に取り出すことができない可能性がある。なお、透過光量は、所定の波長帯域の各波長での透過率を積算した値である。
Figure 2008129504
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、所望の波長帯域の分光透過率特性を変化させても、所望の波長帯域の光のみに対する測定が正確に行える光学ユニットを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る光学ユニットは、多層膜を有し、間隙を挟んで互いに対向して配された一対の光学素子と、該一対の光学素子の間隙距離を変化させる可変機構とを備えた光学ユニ記第一波長帯域より短波長側の第二波長帯域における第二分光透過率特性と、を備え、前記一対の光学素子の間隙距離が、第一間隙距離と該第一間隙距離とは異なる第二間隙距離との間で変化した場合に、該間隙距離の変化の前後で前記第一分光透過特性が変化する一方、前記第二分光透過率特性が略一致していることを特徴とする。
この発明では、一対の光学素子の間隙距離が第一間隙距離と第二間隙距離の場合とで、第二分光透過率特性が略一致している。そこで、一対の光学素子の間隙距離が第二間隙距離のときに測定を行うと、測定結果は自家蛍光の第一波長帯域および第二波長帯域両方の情報を含むことになる。次に、第一間隙距離のときに測定を行うと、測定結果は第二波長帯域のみの情報を含むことになる。そこで、二つの測定結果の差を算出する演算処理を行うことで、第二波長帯域の情報を相殺することができるので、自家蛍光のうち、第一波長帯域の情報のみを取り出すことができる。このように第二波長帯域の情報と、第一波長帯域の情報を個別に取得することができる。
また、本発明に係る光学ユニットは、多層膜を有し、間隙を挟んで互いに対向して配された一対の光学素子と、該一対の光学素子の間隙距離を変化させる可変機構とを備える光学ユニットであって、前記一対の光学素子が、第一波長帯域における第一分光透過率特性と、前記第一波長帯域より短波長側の第二波長帯域における第二分光透過率特性と、を備え、前記一対の光学素子の間隙距離が、第一間隙距離と該第一間隙距離とは異なる第二間隙距離との間で変化した場合に、該間隙距離の変化の前後で前記第一分光透過特性が変化する一方、前記第二波長帯域における透過光量が略一致していることを特徴とする。
この発明は、一対の光学素子の間隙距離が第一間隙距離と第二間隙距離の場合とで、第二波長帯域の透過光量が略一致しているので、一対の光学素子の間隙距離が第一間隙距離のときと第二間隙距離のときの、それぞれにおける一対の光学素子の透過光量の差を算出する場合、第二波長帯域の透過光量を消去して、第一波長帯域の透過光量の変化のみを取り出すことができる。
また、本発明に係る光学ユニットは、前記光学ユニットであって、前記一対の光学素子が、前記第一波長帯域と前記第二波長帯域との間の第三波長帯域における第三分光透過率特性を備え、前記一対の光学素子の間隙距離が、前記第一間隙距離と前記第二間隙距離との間で変化した場合に、該間隙距離の変化の前後で前記第三分光透過率特性が略一致していることを特徴とする。
この発明は、一対の光学素子が第三分光透過率特性を備えていても、第三分光透過率特性が略一致しているので、上記演算を行う際に、第三波長帯域における透過光がノイズとなるのを好適に抑えることができる。
また、本発明に係る光学ユニットは、前記光学ユニットであって、前記一対の光学素子が、前記第一波長帯域と前記第二波長帯域との間に第三波長帯域を備え、前記一対の光学素子の間隙距離が、前記第一間隙距離と前記第二間隙距離との間で変化した場合に、該間隙距離の変化の前後で前記第三波長帯域における透過光量が略一致していることを特徴とする。
この発明は、一対の光学素子が第三分光透過率特性を備えていても、第三波長帯域における透過光量が略一致しているので、上記演算を行う際に、第三波長帯域における透過光がノイズとなるのを好適に抑えることができる。
また、本発明に係る光学ユニットは、前記光学ユニットであって、前記一対の光学素子とは別の光学フィルタを備え、前記一対の光学素子が、前記第一波長帯域と前記第二波長帯域との間の第三波長帯域における第三分光透過率特性を備え、前記光学フィルタは、前記第三波長帯域の光を反射或いは吸収する分光特性を備えていることを特徴とする。
この発明は、第三波長帯域における第三分光透過率特性又は透過光量が異なっていても、光学フィルタによって好適に排除することができる。従って、上述した演算を行う際に、第三波長帯域における透過光がノイズとなるのを好適に抑えることができる。
また、本発明に係る光学ユニットは、前記光学ユニットであって、前記第一間隙距離における前記第二分光透過率特性と、前記第二間隙距離における前記第二分光透過率特性とを、前記第二波長帯域内の各波長において比較したときに、透過率の差が25%以下であることを特徴とする。
この発明は、透過率の差が25%以下なので、より好適に第二波長帯域の透過光を消去して、第一分光透過率特性のみを取り出すことができる。なお、本発明において、透過率の差とは、各波長における透過率の高い方の値から低い方の値を差し引いた値をいう。
また、本発明に係る光学ユニットは、前記光学ユニットであって、前記第一間隙距離において前記第二波長帯域を透過した光の光量と、前記第二間隙距離において前記第二波長帯域を透過した光の光量とを、前記第二波長帯域内の各波長において比較したときに、透過光量の比が、0.9以上1.1以下であることを特徴とする。
この発明は、透過光量の比が、0.9以上1.1以下なので、より好適に第二波長帯域の透過光量を消去して、第一波長帯域の透過光量のみを取り出すことができる。
本発明によれば、所望の波長領域の分光透過率特性を変化させた際に、その他の波長領域の分光透過率特性あるいは透過光量を一致させた状態を維持することができる。その結果、所望の波長帯域の光のみに対する測定が正確に行える。
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
本実施形態に係る光学ユニット1は、図1に示すような、蛍光内視鏡装置2の撮像部3内に配されている。この蛍光内視鏡装置2は、その他に、光源部5と、照明部6と、各部3,5,6を制御する制御部7と、画像処理部8とを備えている。
撮像部3と照明部6とは、蛍光内視鏡装置2の挿入部10の先端側に配されている。照明部6は、図示しないライトガイドなどの光学的な伝送手段により光源部5と接続されている。光源部5から供給される照明光は、照明部6を介して生体組織表面Sに照射される。
撮像部3と光源部5とは、制御部7に接続されている。制御部7は、2つの制御を行っている。1つの制御は、光源部5が生成した励起光を照明部6に供給するタイミングの制御である。もう1つの制御は、生体組織表面Sの蛍光像を撮像部3が撮像するタイミングの制御である。撮像部3から出力される画像信号は、画像処理部8によって蛍光画像に加工される。
画像処理部8は、メモリ回路8aと、演算回路8bとを備えている。メモリ回路8aは、画像信号をデータとして一時的に格納する。演算回路8bは、メモリ回路8aに格納されたデータをもとにして画像処理に必要な演算を行う。また、画像処理部8には、DVD、HDDなどの外部記録装置11が接続されている。この外部記録装置11は、各種の画像データを恒久的に保存することができるようになっている。画像データとしては、撮像部3が取得した画像信号データや、画像処理部8が処理を行った画像データなどがある。外部記録装置11に記録された画像信号データは、適宜、画像処理部8に読み出されてデータの加工が行われる。画像処理部8により加工された蛍光画像は、TVモニター12の表示画面上に表示される。
光学ユニット1は、生体組織からの蛍光を分離して検出する機能を有する。そのために、図2に示すように、光学ユニット1は、エタロン型分光素子(一対の光学素子)16と可変機構17とを備えている。ここで、エタロン型分光素子16は、対物光学系13と受光素子15の受光面15aとの間に配置されている。可変機構17は、エタロン型分光素子16における空気層(間隙)を変化させる機能を有している。
また、励起光カットフィルタ18が、対物光学系13とエタロン型分光素子16との間に配置されている。本実施形態では、この励起光カットフィルタ18は、図3に示すように、395〜415nmの範囲でOD値4以上(透過率にして1×10−4以下)、430〜750nmの範囲で透過率80%以上の特性を有している。
エタロン型分光素子16は、図4に示すように、一対の光学素子で構成されている。この一対の光学素子は、空気層26を挟んで多層膜25側が互いに対向するように配置されている。各々の光学素子は、例えば、石英からなる基板20と、全体で5層からなる多層膜25とをそれぞれ備えている。多層膜25は、表1に示すように、基板20側からAl層21、SiO層22、Ta層23、SiO層22、Ta層23という順で積層されている。なお、多層膜25の設計波長λは700nmである。
Figure 2008129504
このエタロン型分光素子16の分光透過率特性を図5に示す。ここで、図5の縦軸は透過率、横軸は波長を示している。図5において、600nmから750nmの波長帯域を第一波長帯域27、430nmから600nmまでの波長帯域を第二波長帯域30とする。また、空気層26の間隔が720nm(第一間隙距離)の場合の分光透過率特性を実線で、空気層26の間隔が520nm(第二間隙距離)の場合の分光透過率特性を点線で示す。各間隙距離に対する第一波長帯域27における第一分光透過率特性は、それぞれ実線28A、点線28Bで示したようなものとなっている。また、各間隙距離に対する第二波長帯域30における第二分光透過率特性は、それぞれ実線31A、点線31Bで示したようなものとなっている。
また、エタロン型分光素子16において、空気層26の間隔が、720nmから520nmに変化した場合、第一波長帯域27において、第一分光透過率特性28Aのピーク波長32A(730nm)は、第一分光透過率特性28Bのピーク波長32B(630nm)に変化する。一方、第二波長帯域30における第二分光透過率特性31Aと31Bは略一致している。
なお、第二波長帯域30における第二分光透過率特性31Aと31Bとの各波長において比較したときに透過率の差は、25%以下であるのが望ましい。本実施形態でのエタロン型分光素子では、透過率の差の最大値は575nmにおける20%である。一方、従来のエタロン型分光素子では、第二波長帯域30における透過率の差は、図12に示す様に、560nmにて72%となっている。
光源部5には、ピーク波長405±5nmの半導体レーザーを用いている。光源部5が射出する励起光(狭帯域光)33の波長帯域と、第一波長帯域27および第二波長帯域30の波長帯域の関係を図6に例示する。
次に、本実施形態に係る光学ユニット1を有する蛍光内視鏡装置2により、生体組織の自家蛍光画像を取得する場合における作用について説明する。
まず、図6に示すように、励起光33を一定時間、生体に照射する。励起光33は、自家蛍光物質を励起するための波長を含んでいる。これにより、コラーゲンやエラスチンを含む生体組織から、第二波長帯域30に位置する主に500nm〜550nmを含む波長帯域の蛍光を発生させると同時に、ポルフィリンを含む生体組織から、第一波長帯域27に位置する630nm付近にピーク波長を持つ蛍光を発生させる。
ここで、蛍光内視鏡装置2の光源部5が励起光33を射出している期間に、可変機構17が作動して、エタロン型分光素子16は、蛍光内視鏡装置2の制御部7から送信される制御信号により、空気層26の厚さが720nmとなる(第一間隙距離)。このとき、第一波長帯域27では、ピーク波長32A(730nm)を含む狭帯域の透過帯が出現する。また、可変機構17によって、空気層26の厚さを720nmから520nmとする(第二間隙距離)。このとき、第一波長帯域27では、ピーク波長32B(630nm)を含む狭帯域の透過帯が出現する。
この際、空気層26の厚さが第一間隙距離に設定されているとき(状態A1)には、図5に示すように、撮像部3の撮像面では第一ピーク32Aと第二波長帯域30とにおける蛍光が受光される。また、空気層26の厚さが第二間隙距離に設定されているとき(状態A2)には、撮像部3の撮像面では第二ピーク32Bと第二波長帯域30とにおける蛍光が受光される。状態A1における蛍光は、状態A1の間に画像信号D1としてメモリ回路8aに蓄積され、状態A2における蛍光は、状態A2の間に画像信号D2としてメモリ回路8aに蓄積される。
そして、蛍光内視鏡装置2では、上記の2つの状態を1サイクルとして、励起光33の励起光を生体に対して繰り返し照射し、1サイクル中に2種類の画像信号を取得する。
得られた画像信号(D1,D2)は、画像処理部8の演算回路8bにより処理される。図11から分かるように、生体からの自家蛍光スペクトルは、第一ピーク32A(730nm)の近傍ではほとんど強度を有していない。そのため、状態A1で取得される蛍光強度(画像信号D1)は実質的に第二波長帯域30の情報のみを反映している。一方、生体からの自家蛍光のうち、ポルフィリンによるスペクトル成分は、エタロン型分光素子の第二ピーク32B(630nm)近傍で極大になる。そのため、状態A2で取得される蛍光強度(画像信号D2)は、第二波長帯域30の情報に加え、第一波長帯域27の第二ピーク32B近傍の情報が加算されたものになる。したがって、画像信号D2から画像信号D1を差し引く演算を行うことにより、第二ピーク32Bの蛍光成分のみを有する新たな画像信号E1を生成することができる。
この光学ユニット1によれば、エタロン型分光素子16における第二分光透過率特性31A,31Bが略一致している。よって、上記演算を行うことで、第一波長帯域27と第二波長帯域30の両方の情報を含んだデータから、第二波長帯域30の情報を除去することができる。その結果、第一波長帯域27のみにおける蛍光に関するデータを取り出すことができる。これは、所望の波長帯域(第一波長帯域27)の光(蛍光)のみに対する測定を行うことができることを意味している。なお、状態A1において、生体からの自家蛍光スペクトルが第一ピーク32A近傍で有する強度が誤差要因となるが、実用上問題ないと考えられる。
従って、第二波長帯域30の情報と第一波長帯域27との情報を個別に取得することができる。上述したように、生体組織からの自家蛍光スペクトルには、波長帯域ごとに生体組織に関する異なる情報が含まれているので、異なる波長帯域の情報を個別に取得できることは診断に役立つものと考えられる。
得られた3つの画像信号(画像信号D1、画像信号D2、画像信号E1)にそれぞれ異なる色信号を割り当てて、それらをTVモニター12の表示画面上に合成表示させることで、それらの画像により組織の識別を行う。
次に、第2の実施形態について図7を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る光学ユニット40では、エタロン型分光素子41における空気層の厚さが、740nm(第一間隙距離)と560nm(第二間隙距離)との間で変化する点である。本実施形態において、第一波長帯域27における第一分光透過率特性42Aのピーク波長43Aは730nmで,第一分光透過率特性42Bのピーク波長43Bは630nmである。また、第二波長帯域30における分光透過率特性や透過光量は、空気層の厚さの変化の前後で略一致している。この点も、第1実施形態と同じである。
このエタロン型分光素子41は、例えば、表2(設計波長λは700nm)に示すように、基板側からTa層とSiO層とが交互に積層されて全体で7層からなる多層膜を備えており、空気層を挟んで多層膜側が互いに対向するようにして配されている。なお、第二波長帯域30における第二分光透過率特性45Aと45Bとの透過光量の比は、1.07以下であり、従って1.1以下となっている。
一方、従来の分光特性の透過光量の比は、図12に示す様に、1.15となっている。
Figure 2008129504
この光学ユニット40によれば、第二波長帯域30における第二分光透過率特性45A,45Bが、第二波長帯域30における各波長では異なるものの、第二波長帯域30全体での透過光量が略一致しているので、第1の実施形態と同様の作用により、図示しない蛍光内視鏡装置による測定を行うことができる。
この際、第一波長帯域27における第一ピーク43Aと第二ピーク43Bとの半値幅がより狭くなるので、分解能を向上させることができる。
次に、第3の実施形態について図8及び図9を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3の実施形態と上記実施形態との異なる点は、本実施形態に係る光学ユニット50がエタロン型分光素子51の他に、第1の実施形態に係る励起光カットフィルタ18とは別の光学フィルタ57をさらに備えている点である。
本実施形態では、第一波長帯域52は610nmから750nmまでの帯域、第二波長帯域53は430nmから550nmまでの帯域、第三波長帯域55は550nmから610nmまでの帯域となっている。この第三波長帯域55に光学フィルタ57が配置されている。なお、第三波長帯域55における分光透過率特性を、第三分光透過率特性56A,56Bで示す。第三波長帯域55における第三分光透過率特性56Aと56Bとが大きく異なっている点も、上記実施形態と異なる。
本実施形態では、エタロン型分光素子51は、空気層26の厚さが、750nm(第一間隙距離)と560nm(第二間隙距離)との間で変化する。この場合に、図8に示すように、第一波長帯域52における第一分光透過率特性58Aのピーク波長60Aは730nmで、第一分光透過率特性58Bのピーク波長60Bは630nmである。また、第二波長帯域53における第二分光透過率特性61A,61Bは、空気層の厚さの変化の前後で略一致している。しかし、上述のように、第三波長帯域55における第三分光透過率特性56Aと56Bは大きく異なっている。
このエタロン型分光素子51は、例えば、基板と、表3(設計波長λは700nm)に示すように、基板上及び最上層に配されたAl層と、Ta層とSiO層とがAl層間に交互に積層されて全体で9層からなる多層膜とを備えており、空気層を挟んで多層膜側が互いに対向するようにして配されている。
Figure 2008129504
光学フィルタ57は、エタロン型分光素子51と励起光カットフィルタとの間に配置されている。そして、図9に示すように、400nmから545nm及び615nmから750nmにて透過率が98%となっている。これは、545nmから615nmmでの波長帯域では、光を反射するということである。この波長帯域(545nmから615nmまで)は、第三波長帯域55と略一致している。
なお、光学フィルタ57は、第三波長帯域55の光を吸収させるものでも構わない。
上述のように、本実施形態におけるエタロン型分光素子51は、第三波長帯域55において第三分光透過率特性56A,56Bを備えている。すなわち、第三波長帯域55における第三分光透過率特性56Aと56Bが大きく異なっている。このような分光透過率特性であっても、この光学ユニット50によれば、光学フィルタ57を備えているので、この光学フィルタ57によって、第三分光透過率特性56Aと56Bの影響を排除することができる。従って、上述した演算を行う際に、第三波長帯域55における透過光量の差異が誤差となるのを排除できる。従って、第1の実施形態と同様の作用により、図示しない蛍光内視鏡装置による測定を行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記第3の実施形態では、エタロン型分光素子51が、第三分光透過率特性56A,56Bを備えているとしているが、例えば、空気層の厚さを第一間隙距離が750nmから第二間隙距離460nmに変化した場合、図10に示すように、第一波長帯域52における第一分光透過率特性65Aの第一ピーク66Aが,第一分光透過率特性65Bの第二ピーク66Bに変化しても、第三分光透過率特性67A,67Bが略一致している場合には、光学フィルタ57を設けなくても構わない。
また、エタロン型分光素子の空気層の厚さが、第一間隙距離と第二間隙距離との間で変化した場合に、第一波長帯域における第一分光透過率特性の第一ピークが、第一分光透過率特性の第二ピークに変化した際、第二波長帯域の第二透過光量が略一致していても構わない。又は、第三分光透過率特性が略一致していても構わない。
本発明の第1の実施形態に係る光学ユニットが配された蛍光内視鏡装置の基本構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る光学ユニットを示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る励起光カットフィルタの光学特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る光学ユニットが有するエタロン型分光素子を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る光学ユニットが有するエタロン型分光素子の光学特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る光学ユニットが配された蛍光内視鏡装置による励起光の波長範囲と、第一波長帯域および第二波長帯域の波長範囲の関係を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る光学ユニットが有するエタロン型分光素子の光学特性を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る光学ユニットが有するエタロン型分光素子の光学特性を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る光学ユニットが有する光学フィルタの光学特性を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る光学ユニットが有するエタロン型分光素子の第三分光透過率特性が概略一致している光学特性を示すグラフである。 正常組織と病変組織との自家蛍光スペクトルの一例を示すグラフである。 従来の光学ユニットが有するエタロン型分光素子の光学特性を示すグラフである。
符号の説明
1,40,50 光学ユニット
16,41,51 エタロン型分光素子(一対の光学素子)
17 可変機構
25 多層膜
26 空気層(間隙)
27,52 第一波長帯域
28A,28B,42A,42B,58A,58B 第一分光透過率特性
30,53 第二波長帯域
31A,31B,45A,45B,61A,61B 第二分光透過率特性
55 第三波長帯域
56A,56B 第三分光透過率特性
57 光学フィルタ

Claims (7)

  1. 多層膜を有し、間隙を挟んで互いに対向して配された一対の光学素子と、該一対の光学素子の間隙距離を変化させる可変機構とを備えた光学ユニットであって、
    前記一対の光学素子が、第一波長帯域における第一分光透過率特性と、前記第一波長帯域より短波長側の第二波長帯域における第二分光透過率特性と、を備え、
    前記一対の光学素子の間隙距離が、第一間隙距離と該第一間隙距離とは異なる第二間隙距離との間で変化した場合に、該間隙距離の変化の前後で前記第一分光透過特性が変化する一方、前記第二分光透過率特性が略一致していることを特徴とする光学ユニット。
  2. 多層膜を有し、間隙を挟んで互いに対向して配された一対の光学素子と、該一対の光学素子の間隙距離を変化させる可変機構とを備える光学ユニットであって、
    前記一対の光学素子が、第一波長帯域における第一分光透過率特性と、前記第一波長帯域より短波長側の第二波長帯域における第二分光透過率特性と、を備え、
    前記一対の光学素子の間隙距離が、第一間隙距離と該第一間隙距離とは異なる第二間隙距離との間で変化した場合に、該間隙距離の変化の前後で前記第一分光透過特性が変化する一方、前記第二波長帯域における透過光量が略一致していることを特徴とする光学ユニット。
  3. 前記一対の光学素子が、前記第一波長帯域と前記第二波長帯域との間の第三波長帯域における第三分光透過率特性を備え、
    前記一対の光学素子の間隙距離が、前記第一間隙距離と前記第二間隙距離との間で変化した場合に、該間隙距離の変化の前後で前記第三分光透過率特性が略一致していることを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
  4. 前記一対の光学素子が、前記第一波長帯域と前記第二波長帯域との間に第三波長帯域を備え、
    前記一対の光学素子の間隙距離が、前記第一間隙距離と前記第二間隙距離との間で変化した場合に、該間隙距離の変化の前後で前記第三波長帯域における透過光量が略一致していることを特徴とする請求項2に記載の光学ユニット。
  5. 前記一対の光学素子とは別の光学フィルタを備え、
    前記一対の光学素子が、前記第一波長帯域と前記第二波長帯域との間の第三波長帯域における第三分光透過率特性を備え、
    前記光学フィルタは、前記第三波長帯域の光を反射或いは吸収する分光特性を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学ユニット。
  6. 前記第一間隙距離における前記第二分光透過率特性と、前記第二間隙距離における前記第二分光透過率特性とを、前記第二波長帯域内の各波長において比較したときに、透過率の差が25%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
  7. 前記第一間隙距離において前記第二波長帯域を透過した光の光量と、前記第二間隙距離において前記第二波長帯域を透過した光の光量とを、前記第二波長帯域内の各波長において比較したときに、透過光量の比が、0.9以上1.1以下であることを特徴とする請求項2に記載の光学ユニット。
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