JP5242078B2 - 蛍光内視鏡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光内視鏡装置に関するものである。
内視鏡観察において、蛍光画像を観察することは、反射画像とは異なる生体の情報を得ることができるため、病変の診断・観察にとって有益なことである。例えば、病変に由来する物質に結合して蛍光を発する蛍光プローブを投与すれば、蛍光画像の観察によって、その病変由来の物質の濃度分布を観察することができる。また、自家蛍光、すなわち、生体に生来存在する蛍光物質からの蛍光を観察することで、生体の変化を観察して病変の様子を観察することも可能である。
しかし、蛍光プローブの蛍光波長域が自家蛍光の波長帯域と同じである場合には、バンドパスフィルタを用いて蛍光を取得したのでは、蛍光プローブの蛍光と自家蛍光とを判別することができず、正確な診断を行うことができない。
この問題に対して、近年、複数の蛍光プローブを含むサンプルを顕微鏡で観察する場合に、取得波長を選択することができる液晶チューナブルフィルタ等を用いてサンプルの蛍光のスペクトルデータを取得し、スペクトルデコンボリューション法などを用いて、サンプルの各点において存在する蛍光プローブの種類とその存在割合を計算する技術が提案されている(特許文献1参照)。
米国特許第6403947号明細書
しかしながら、内視鏡検査においては、被観察体が拍動の影響で動くために高フレームレートで取得することが望ましく、特許文献1に開示されている手法を内視鏡検査で使用した場合に、取得する波長の数が多いと、マルチバンド画像を生成する間に被観察体が動いてしまうため、正確なスペクトルを取得することができないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高フレームレートでスペクトル分離画像を取得する蛍光内視鏡装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、蛍光標識物質が予め注入された生体の観察部に対し、該蛍光標識物質または前記生体に生来存在する自家蛍光物質を励起させるための励起光を発生する照明光源と、該照明光源から前記励起光を照射することにより前記生体から戻る戻り光の内、所定の波長範囲の戻り光を選択する波長選択手段と、該波長選択手段により選択された波長範囲の前記戻り光を検出する検出手段と、該検出手段により検出された前記戻り光に基づいて、前記蛍光標識物質のスペクトルを分離するスペクトル分離手段と、前記蛍光標識物質の種類および観察方法を入力する入力手段と、前記蛍光標識物質の前記種類および前記観察方法に対応づけて、前記照明手段から出射する前記励起光の波長範囲、前記波長選択手段により選択する前記戻り光の特徴的な波長特性を示す波長範囲および前記スペクトル分離手段の設定を記憶する記憶手段と、前記入力手段により入力された前記蛍光標識物質の前記種類および前記観察方法に対応する前記波長範囲および前記設定を前記記憶手段から読み出して、前記照明光源、前記波長選択手段および前記スペクトル分離手段を制御する制御手段とを備え、前記波長選択手段が、間隔を空けて対向配置される2枚の光学基板の対向面にコート層を形成してなり、前記間隔を変更可能なエタロン型の可変分光素子であり、
前記制御部が、前記可変分光素子に対して、前記2枚の光学基板の前記間隔を徐々に変化させることにより、前記記憶手段から読み出される前記戻り光の特徴的な波長特性を示す波長範囲にわたり、微小の波長範囲ごとに前記戻り光を選択させる蛍光内視鏡装置を提供する。
本発明によれば、照明光源から発生された励起光が蛍光標識物質を予め注入された生体の観察部に照射され、波長選択手段の作動により、生体から戻る戻り光の内の所定の波長範囲の戻り光が選択される。波長選択手段により選択された戻り光は検出手段の作動により検出される。そして、スペクトル分離手段の作動により、検出手段により検出された戻り光に基づいて、蛍光標識物質のスペクトルが分離される。
この場合に、入力手段の作動により、蛍光標識物質の種類および観察方法が入力されると、制御手段の作動により、入力された蛍光標識物質の種類および観察方法に対応して記憶手段に記憶されている波長範囲および設定に、照明光源、波長選択手段およびスペクトル分離手段が制御される。
すなわち、蛍光標識物質の種類と観察方法に適した波長範囲の励起光が観察部に照射され、特徴的な波長特性を示す波長範囲の戻り光が波長選択手段によって選択される。これにより、戻り光のスペクトルを抽出するための必要最小限の情報を取得することができ、取得された情報に基づいて、スペクトル分離手段により蛍光標識物質のスペクトルを得ることができる。
したがって、全波長範囲にわたって戻り光を検出してスペクトルを分離する必要がなく、スペクトル分離画像を取得するための時間を短縮し、フレームレートの向上を図ることが可能となる。
上記発明においては、前記特徴的な波長特性が、ピーク強度を含む波長特性であることとしてもよい。
このように構成することで、観察する範囲を蛍光標識物質や自家蛍光物質の濃度が高い箇所に効率よく制限することができる。
また、上記発明においては、前記入力手段により入力される前記観察方法が、蛍光観察または反射光観察であることとしてもよい。
このように構成することで、蛍光を観察することにより、観察部に病変が存在する場合には、その病変に関する情報を得ることができる。
例えば、蛍光標識物質の蛍光を観察することにより、病変由来の物質の濃度分布を観察することができ、病変の形状や大きさ等に関する情報を得ることができる。また、自家蛍光物質の蛍光を観察することにより、生体の変化を観察することができ、病変の様子に関する情報を得ることができる。一方、反射光を観察することにより、血管の密度や集積の様子等を観察することができ、例えば、炎症等の病変に関する情報を取得することができる。
また、上記発明においては、体腔内に挿入される細長い挿入部を備え、該挿入部の先端に、前記検出手段が配置されていることとしてもよい。
このように構成することで、細長い挿入部に入射された戻り光を検出する検出手段が挿入部の先端に配置されているので、体腔内に挿入される挿入部をコンパクト化することができる。
また、上記発明においては、体腔内に挿入される細長い挿入部と、該挿入部の長手方向に沿って前記戻り光を導光する導光手段とを備え、前記挿入部の基端側に、前記検出手段が配置されていることとしてもよい。
体腔内に挿入される細長い挿入部の基端側に検出部を配置し、挿入部に入射された戻り光を導光手段の作動により検出手段に導光するので、挿入部の先端側をスリム化して、操作性を向上させることができる。
また、上記発明においては、前記波長選択手段が、間隔を空けて対向配置される2枚の光学基板の対向面にコート層を形成してなり、前記間隔を変更可能なエタロン型の可変分光素子である
このように構成することで、2枚の光学基板の間隔を任意に調節して、間隔に応じた所望の波長の戻り光を透過させることができる。
本発明によれば、蛍光プローブの観察、自家蛍光の観察および狭帯域の反射光を観察し、高フレームレートでスペクトル分離画像を取得することができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係る蛍光内視鏡装置について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る蛍光内視鏡装置1は、図1に示すように、電子スコープタイプの内視鏡である。蛍光内視鏡装置1は、生体の観察部に照射する励起光を発生する光源装置(照明光源)3と、体腔内の観察を行う内視鏡5と、光源装置3および内視鏡5を制御する制御装置7とを備えている。
光源装置3は、赤外波長帯域から可視広帯域を含む光を出射するキセノンランプ9と、フィルタターレット11に取り付けられ、前記キセノンランプ9から出射された光のうち所定の波長帯域の光を選択的に透過させる複数の励起フィルタ13と、フィルタターレット11を回転させて複数の励起フィルタ13を切り替えるモータ15と、該モータ15の駆動を制御する励起光制御回路17とを備えている。
フィルタターレット11は、ほぼ円板状に形成され、キセノンランプ9の光軸と平行な回転軸を有している。フィルタターレット11には、複数の励起フィルタ13が、回転軸から等しい距離に同心円状にそれぞれ取り付けられている。励起フィルタ13としては、例えば、420nm、530nm、400nm〜440nm、630nm〜670nm、680nm〜740nm、700nm〜770nm等の波長帯域の励起光を透過させるものが取り付けられている。
モータ15は、フィルタターレット11を回転軸回りに回転させることにより、各励起フィルタ13をキセノンランプ9の光軸上に順次配置させるようになっている。これにより、キセノンランプ9から発せられ、光軸上に配置された励起フィルタ13を透過した所定の波長帯域の励起光が、光源装置3から出射されるようになっている。
内視鏡5は、体腔内に挿入される細長い挿入部19を有し、光源装置3から出射された励起光を挿入部19の先端へ導光するライトガイドファイバ21を備えている。挿入部19の先端には、ライトガイドファイバ21によって導光された励起光を体腔内に出射する照明レンズ23と、該照明レンズ23を介して出射させられた励起光により体腔内から戻る戻り光を観察する撮像ユニット25とが設けられている。
撮像ユニット25は、体腔内からの戻り光を集光する対物レンズ27と、該対物レンズ27により集光された戻り光のうち所定の波長帯域の戻り光を透過させる可変分光素子(波長選択手段)29と、該可変分光素子29を透過した戻り光を撮影して2次元的に配列された画素ごとに蛍光輝度に対応する電気信号を生成するCCD(検出手段)31とを備えている。
可変分光素子29は、平行間隔を空けて対向配置される2枚の光学基板(図示せず)の対向面に光学コート層を形成してなり、前記間隔が変更可能なエタロン型の光学フィルタである。可変分光素子29は、これら2枚の光学基板の透過率特性の中心波長を検出する静電容量センサのセンサ電極(図示せず)と、前記間隔を変化させるアクチュエータ(図示せず)とを備えている。
可変分光素子29は、透過率特性の中心波長に応じて定まる波長の光のみを透過し、残りの光を反射するようになっている。可変分光素子29の透過率特性は、例えば、図2に示されるように、中心波長520(nm)に対して半値全幅が10nmの波長帯域の光を透過させることができる。そして、2枚の光学基板の透過率特性の中心波長を変化させることにより、透過率特性の中心波長を移動させ、所望の波長帯域の光を透過させることができるようになっている。可変分光素子29を透過した光はCCD31に入射され、電気信号に変換されて制御装置7に出力されるようになっている。
制御装置7は、生体に投与する蛍光プローブ(蛍光標識物質)の種類と観察方法を入力する入力部(入力手段)33と、該入力部33に入力された蛍光プローブの種類と観察方法に対応づけて、光源装置3、可変分光素子29および後述する画像処理部(スペクトル分離手段)43の制御方法を記憶するメモリ(記憶手段)35と、該メモリ35に記憶されている制御方法により光源装置3、可変分光素子29および画像処理部43を制御する制御部(制御手段)37と、該制御部37から駆動信号を受けて可変分光素子29のアクチュエータを駆動する可変分光素子制御回路39と、制御部37から画像取得信号を受けてCCD31を駆動し、CCD31からの電気信号を受けて画像情報を生成する画像生成回路41と、画像生成回路41から入力された画像情報を処理する画像処理部43とを備えている。
入力部33には、例えば、FITC等のフルオレセイン系化合物(本実施形態においては、「フルオレセイン蛍光」を採用する。)、RhodamineB等のローダミン系化合物、インドシアニングリーン、Cydye(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)等のシアニン系化合物(本実施形態においては、「Cy5.5蛍光」、「Cy7蛍光」を採用する。)、Bodipy‐FL等のBodipy系化合物、ポルフィリン系化合物もしくはポルフィリン系化合物の前躯体、Alexa
Fluor Dye(Molecular Probes社製)等の蛍光プローブを選択して入力するようになっている。また、自家蛍光の観察の有無を入力するようになっている。なお、蛍光プローブおよび自家蛍光は、複数を組み合わせて選択することが可能となっている。
また、入力部33には、観察方法として、蛍光観察または反射光観察を選択して入力するようになっている。なお、本実施形態においては、上記蛍光プローブが入力されたときは、観察方法として間接的に蛍光観察が選択され、また、NBI(狭帯域反射光)が入力されたときは、観察方法として間接的に反射光観察が選択されたものとして説明する。入力部33は、入力された蛍光プローブの種類と観察方法を制御部37に出力するようになっている。
メモリ35には、蛍光プローブの種類および観察方法に対応づけて光源装置3から出射する励起光の波長範囲、可変分光素子29により選択する戻り光の特徴的な波長特性を示す波長範囲および画像処理部43によるスペクトル分離の有無に係る制御方法が記憶されている。例えば、以下に示すような組み合わせ例1〜5の制御方法が記憶されている。
(組み合わせ例1:NBI(狭帯域反射光)を観察する場合)
(1) 励起フィルタ13の波長420nm,可変分光素子29の透過率特性の中心波長420nm、スペクトル分離なし。
(2) 励起フィルタ13の波長530nm,可変分光素子29の透過率特性の中心波長530nm、スペクトル分離なし。
(組み合わせ例2:自家蛍光+フルオレセイン蛍光を観察する場合)
(1) 励起フィルタ13の波長400nm〜440nm,可変分光素子29の500nm〜550nmの間を10nmごとに取得,スペクトル分離あり。
(2) 励起フィルタ13の波長400nm〜440nm,可変分光素子29の600nm〜630nmの間を10nmごとに取得,スペクトル分離あり。
(組み合わせ例3:Cy5.5蛍光+Cy7蛍光を観察する場合)
(1) 励起フィルタ13の波長630nm〜670nm,可変分光素子29の690nm〜730nmの間を10nmごとに取得,スペクトル分離あり。
(2) 励起フィルタ13の波長680nm〜740nm,可変分光素子29の760nm〜840nmの間を10nmごとに取得,スペクトル分離あり。
(組み合わせ例4:Cy7蛍光+インドシニアグリーン蛍光を観察する場合)
(1) 励起フィルタ13の波長680nm〜740nm,可変分光素子29の760nm〜850nmの間を10nmごとに取得,スペクトル分離あり。
(2) 励起フィルタ13の波長700nm〜770nm,可変分光素子29の810nm〜840nmの間を10nmごとに取得,スペクトル分離あり。
(組み合わせ例5:自家蛍光+フルオレセイン蛍光+インドシアニングリーン蛍光を観察する場合)
(自家蛍光+フルオレセイン蛍光)
(1) 励起フィルタ13の波長400nm〜440nm,可変分光素子29の500nm〜550nmの間を10nmごとに取得,スペクトル分離あり。
(2) 励起フィルタ13の波長400nm〜440nm,可変分光素子29の600nm〜630nmの間を10nmごとに取得,スペクトル分離あり。
(インドシアニングリーン蛍光)
(3) 励起フィルタ13の波長700nm〜770nm,可変分光素子29の810nm〜850nmの間を10nmごとに取得,スペクトル分離あり。
制御部37は、入力部33からの入力信号を受けて、入力信号に対応する制御方法をメモリ35から読み出すようになっている。制御部37は、読み出した制御方法に基づいて、光源装置3の励起光制御回路17に励起フィルタ13の選択信号を出力するようになっている。また、制御部37は、可変分光素子制御回路39にアクチュエータの駆動信号を出力し、画像生成回路41にCCD31の画像取得信号を出力し、画像処理部43にスペクトル分離信号を出力するようになっている。
画像生成回路41は、CCD31からの電気信号に基づいて生成した画像情報を画像処理部43に出力するようになっている。
画像処理部43は、制御部37からのスペクトル分離信号を受けて、画像生成回路41から入力された画像情報をスペクトル分離するようになっている。スペクトル分離には、公知のスペクトルデコンボリューション法が用いられる。
公知のスペクトルデコンボリューション法の手順は、予め蛍光プローブの発光スペクトルを求めて、あるいは、蛍光プローブの発光スペクトルのカタログ値を用いて、各蛍光プローブの発光スペクトルを計算機に登録し、測定対象の発光スペクトルを計測し、デコンボリューションを用いて測定対象の発光スペクトルを蛍光プローブのスペクトルに分解して、各蛍光プローブの存在割合を決定するものである。
例えば、蛍光プローブを3種類用いる場合について説明する。3種類の蛍光プローブは蛍光スペクトルが既知であり、蛍光プローブ1のスペクトルをFl1(λ)、蛍光2のスペクトルをFl2(λ)、蛍光プローブ3のスペクトルをFl3(λ)とする。3種類の蛍光プローブが混じった状態のスペクトルS(λ)は、
(式1)
S(λ)=A1×Fl1(λ)+A2×Fl2(λ)+A3×Fl3(λ)
で与えられる。ここで、A1、A2、A3は、それぞれ蛍光プローブの存在量に基づく係数である。
本実施形態においては、エタロン型の可変分光素子29を用いてその透過率特性の中心波長を変化させることにより、半値全幅が10nmの波長帯域の画像が複数点で取得されるので、CCD31の各画素に対応したスペクトルデータS(λ)が取得されることになる。3点以上で蛍光画像を取得した場合には、(式1)において、Fli(λ)は既知のスペクトルデータであるため、係数A1〜A3について、例えば、公知のInverse Least Square法などを用いて解くことで、各蛍光プローブの存在割合を求めることができる。
また、画像処理部43は、制御装置7の外部に設けられたモニタ45に接続されている。画像処理部43は、上記スペクトルデコンボリューション法によってスペクトル分離した画像情報をモニタ45に表示させるようになっている。
このように構成された本実施形態に係る蛍光内視鏡装置1の作用について、図3を参照して説明する。
本実施形態に係る蛍光内視鏡装置1により、生体の観察部を観察するには、まず、蛍光プローブを予め注入した生体の体内に内視鏡5の挿入部19を挿入し、制御装置7の入力部33に蛍光プローブの種類と観察方法を入力する。(ステップS1)。以下、上述した組み合わせ例2(自家蛍光+フルオレセイン蛍光を観察する場合)を例示して説明する。
入力部33に「自家蛍光」と「フルオレセイン蛍光」が入力されると、制御部37においては、入力部33に入力された「自家蛍光」と「フルオレセイン蛍光」に対応する制御方法がメモリ35から読み取られる。そして、制御部37から励起光制御回路17に励起フィルタ13の選択信号が出力されて、波長400nm〜440nmの光のみを透過する励起フィルタ13が光軸上に配置される(ステップS2)。これにより、光源装置3から400nm〜440nmの波長帯域の励起光が出射されて、挿入部19の照明レンズ23を介して生体の観察部に照射される。
また、制御部37からは、可変分光素子29の透過率特性の中心波長が500nm〜550nm,600nm〜630nmの範囲を10nmごとに移動させる駆動信号が、可変分光素子制御回路39に出力される。可変分光素子29においては、可変分光素子制御回路39からの駆動信号を受けてアクチュエータが作動し、まず、可変分光素子29の透過率特性の中心波長が初期位置の500nmになるように、2枚の光学基板が移動させられる(ステップS3)。
続いて、制御部37から画像生成回路41にCCD31の画像取得信号が出力される。CCD31においては、可変分光素子29を透過した光が撮影されて、生体の観察部の画像取得が開始される。これにより、可変分光素子29の透過率特性の中心波長が500nm〜550nm,600nm〜630nmに変化して、半値全幅が10nmの波長帯域の画像が逐次取得される(ステップS4)。
これにより、例えば、図4に示すように、500nm〜550nmの波長帯域と600nm〜630nmの波長帯域で特徴的な波長特性を示すフルオレセイン蛍光A、正常組織の自家蛍光Bおよび腫瘍部分の自家蛍光Cのスペクトル図が得られる。図中、縦軸は蛍光強度(任意単位)、横軸は波長(nm)を示している。
CCD31により取得された画像は、電気信号に変換されて画像生成回路41に出力され、画像生成回路41において画像情報が生成される。制御部37においては、指定した波長帯域の全ての蛍光画像が取得されたか否かが判断される(ステップS5)。指定した波長帯域の全ての蛍光画像が取得されていないと判断された場合には(ステップS5「NO」)、ステップS3に戻り、ステップS3〜ステップS5の動作が繰り返される。
一方、制御部37において、指定した波長帯域の全ての蛍光画像が取得されたと判断された場合には(ステップS5「YES」)、制御部37から画像処理部43にスペクトル分離信号が出力される。画像処理部43においては、画像生成回路41から画像情報が入力されて、スペクトルデコンボリューション法によるスペクトル分離が行われる(ステップS6)。
本実施形態においては、フルオレセイン蛍光AのスペクトルをA1×Fl1(λ)、自家蛍光BのスペクトルをA2×Fl2(λ)とすると、上述した式1に対応させて、
(式2)
S(λ)=A1×Fl1(λ)+A2×Fl2(λ)
により、蛍光プローブ(フルオレセイン蛍光A)の存在割合を求めることができる。
制御部37においては、制御方法の全ての観察が終わったか否かが判断される(ステップS7)。全ての観察が終わっていないと判断された場合には(ステップS7「NO」)、ステップS2に戻り、ステップS2〜ステップS7の動作が繰り返される。一方、全ての観察が終わったと判断された場合には(ステップS7「YES」)、画像処理部43において、フルオレセイン蛍光Aと自家蛍光Bがそれぞれ異なる色に擬似カラー化されて、スペクトル分離後の画像情報がモニタ45上に表示される(ステップS8)。
この場合に、図4に示されるように、例えば、フルオレセイン蛍光Aと正常組織の自家蛍光Bは、それぞれ500nm〜550nmの波長帯域においてピークとなる波長特性を有しているため、スペクトル分離前の画像情報をモニタ45に表示すると、図5(a)に示すように、フルオレセイン蛍光Aの部分(図中、符号47)と自家蛍光Bの部分(図中、符号49)の判別がつきにくい。
これに対し、スペクトル分離後の画像情報をモニタ45に表示することにより、図5(b)に示すように、例えば、癌組織(図中、符号47参照)で発光しているフルオレセイン蛍光Aを目立たせることができる。これにより、鮮明なスペクトル分離画像を得ることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る蛍光内視鏡装置1によれば、蛍光プローブの種類と観察方法に適した波長範囲の励起光を観察部に照射し、特徴的な波長特性を示す波長範囲の戻り光を観察することとしたので、戻り光のスペクトルを抽出するための必要最小限の情報を取得して、観察する範囲を蛍光プローブや自家蛍光の濃度の高い箇所に効率よく制限することができる。これにより、全波長範囲にわたって戻り光を検出してスペクトルを分離する必要がなく、スペクトル分離画像を得るための時間を短縮し、フレームレートの向上を図ることが可能となる。
また、エタロン型の可変分光素子29を採用することにより、2枚の光学基板の間隔を任意に調節して、透過率特性の中心波長に応じた所望の戻り光を透過させることができる。また、蛍光観察により、病変の形状や大きさに関する情報や、生体の変化等の病変に関する情報を得ることができる。
なお、本実施形態においては、蛍光観察を例示して説明したが、反射光観察をした場合には、血管の密度や集積の様子等を観察することができ、例えば、炎症等の病変に関する情報を得ることができる。
また、本実施形態に係る蛍光内視鏡装置1は、以下のように変形することができる。
例えば、本実施形態に係る蛍光内視鏡装置1は、電子スコープタイプの内視鏡5を例示して説明したが、これに代えて、図6に示すように、ファイバスコープタイプの内視鏡51を採用することとしてもよい。この場合には、結像レンズ55、可変分光素子29およびCCD31を備えるカメラヘッド57を挿入部53の基端側に配置することとし、挿入部53の先端に対物レンズ27を設けて、対物レンズ27を介して入射された戻り光をカメラヘッド57に導光するイメージガイドファイバ(導光手段)59と接眼レンズ57を挿入部53に内蔵すればよい。
可変分光素子29およびCCD31を挿入部53の基端側に設けることにより、挿入部53をスリム化することができる。これにより、内視鏡51の操作性を向上させることができる。
また、例えば、蛍光プローブとして、抗体またはペプチドを本実施形態で例示した蛍光プローブで標識したものを用いることとしてもよい。例えば、乳癌で多く見られるHer2受容体の抗体や、ソマトスタチン(ソマトスタチンレセプターに対するリガンド)にCy5.5蛍光を標識したものや、腺癌のマーカとして用いられているCEA(Carcinoembryonic Antigen)の抗体にフルオレセイン蛍光を結合したもの等を用いることとしてもよい。
また、例えば、自家蛍光の画像情報をモニタ45に表示する際に、500nm〜550nmの波長帯域の蛍光と600nm〜630nmの波長帯域の蛍光にそれぞれ異なる色を割り当てて表示することとしてもよい。また、(600nm〜630nmの波長帯域の蛍光)/(500nm〜550nmの波長帯域の蛍光)の割り算を行った結果に1つの色を割り当てて表示することとしてもよい。
また、例えば、本実施形態においては、波長選択手段として、可変分光素子29を例示して説明したが、これに代えて、液晶チューナブルフィルタを採用することとしてもよい。
本発明の一実施形態に係る蛍光内視鏡装置の概略構成図である。 図1の可変分光素子の波長域と透過率の関係を示した図である。 図1の蛍光内視鏡装置の動作を示すフローチャート図である。 図1の蛍光内視鏡装置によって得られる戻り光のスペクトル図である。 図5(a)はスペクトル分離前のモニタ表示の様子を示した図であり、図5(b)はスペクトル分離後のモニタ表示の様子を示した図であり、 本発明の一実施形態の変形例に係る蛍光内視鏡装置の概略構成図である。
符号の説明
1 蛍光内視鏡装置
3 光源装置(照明光源)
29 可変分光素子(波長選択手段)
31 CCD(検出手段)
33 入力部(入力手段)
35 メモリ(記憶部)
37 制御部(制御手段)
43 画像処理部

Claims (5)

  1. 蛍光標識物質が予め注入された生体の観察部に対し、該蛍光標識物質または前記生体に生来存在する自家蛍光物質を励起させるための励起光を発生する照明光源と、
    該照明光源から前記励起光を照射することにより前記生体から戻る戻り光の内、所定の波長範囲の戻り光を選択する波長選択手段と、
    該波長選択手段により選択された波長範囲の前記戻り光を検出する検出手段と、
    該検出手段により検出された前記戻り光に基づいて、前記蛍光標識物質のスペクトルを分離するスペクトル分離手段と、
    前記蛍光標識物質の種類および観察方法を入力する入力手段と、
    前記蛍光標識物質の前記種類および前記観察方法に対応づけて、前記照明手段から出射する前記励起光の波長範囲、前記波長選択手段により選択する前記戻り光の特徴的な波長特性を示す波長範囲および前記スペクトル分離手段の設定を記憶する記憶手段と、
    前記入力手段により入力された前記蛍光標識物質の前記種類および前記観察方法に対応する前記波長範囲および前記設定を前記記憶手段から読み出して、前記照明光源、前記波長選択手段および前記スペクトル分離手段を制御する制御手段と
    を備え
    前記波長選択手段が、間隔を空けて対向配置される2枚の光学基板の対向面にコート層を形成してなり、前記間隔を変更可能なエタロン型の可変分光素子であり、
    前記制御部が、前記可変分光素子に対して、前記2枚の光学基板の前記間隔を徐々に変化させることにより、前記記憶手段から読み出される前記戻り光の特徴的な波長特性を示す波長範囲にわたり、微小の波長範囲ごとに前記戻り光を選択させる蛍光内視鏡装置。
  2. 前記特徴的な波長特性が、ピーク強度を含む波長特性である請求項1に記載の蛍光内視鏡装置。
  3. 前記入力手段により入力される前記観察方法が、蛍光観察または反射光観察である請求項1または請求項2に記載の蛍光内視鏡装置。
  4. 体腔内に挿入される細長い挿入部を備え、
    該挿入部の先端に、前記検出手段が配置されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の蛍光内視鏡装置。
  5. 体腔内に挿入される細長い挿入部と、
    該挿入部の長手方向に沿って前記戻り光を導光する導光手段とを備え、
    前記挿入部の基端側に、前記検出手段が配置されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の蛍光内視鏡装置。
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