JP4937991B2 - 蛍光内視鏡装置及びそれに用いる撮像ユニット - Google Patents
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ただし、前記光学素子の平均透過率は、所定の波長領域における光学素子の透過率TEの平均値である。前記光学素子の透過率TEは、任意波長λの光の光学素子の入射面への入射光量をIL1、光学素子の出射面からの波長λの光の出射光量をIL2としたとき、TE=(IL2/IL1)×100で表される。
状態1:610nm〜640nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:710nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態3:600nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在しない状態
n<m T <3n
を満足しており、前記撮像ユニットは、対物光学系と、撮像素子と、エアギャップを有しており且つ該エアギャップを変化させることにより透過する光の波長を変更することが可能に構成されたエタロンと、を備えており、前記撮像ユニットは、前記対物光学系の最も物体側の面から前記撮像素子の撮像面までの間に前記エタロンを備えており、前記エタロンは、600nm未満の波長領域において、エアギャップを変化させても常に平均透過率が50%以上に保たれる第1の透過波長帯域と、600nm以上の波長領域において、エアギャップの変化とともに透過率がピークとなる波長が変化する第2の透過波長帯域とを有しており、更に、前記エタロンは、600nm〜740nmの波長範囲で少なくとも次の2つの状態を切換え可能であることを特徴としている。
状態1:610nm〜640nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:710nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
ただし、前記エタロンの平均透過率は、所定の波長領域におけるエタロンの透過率TEの平均値である。前記エタロンの透過率は、任意波長λの光のエタロンの入射面への入射光量をIL1、エタロンの出射面からの波長λの光の出射光量をIL2としたとき、TE=(IL2/IL1)×100で表される。
4≦ODF+ODE
ただし、ODFは励起光カットフィルターの光学濃度、ODEはエタロンの光学濃度であり、励起光カットフィルター又はエタロンに入射する光の強度をI、励起光カットフィルター又はエタロンを透過した光の強度をI'としたときlog10(I/I')で表される。
状態1:610nm〜640nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:710nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態3:770nm〜800nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態4:600nm〜800nmの波長範囲に透過率ピークが存在しない状態
n<m T <3n
を満足しており、前記撮像ユニットは、対物光学系と、撮像素子と、エアギャップを有しており且つ該エアギャップを変化させることにより透過する光の波長を変更することが可能に構成されたエタロンと、を備えており、前記撮像ユニットは、前記対物光学系の最も物体側の面から前記撮像素子の撮像面までの間に前記エタロンを備えており、前記エタロンは、600nm未満の波長領域において、エアギャップを変化させても常に平均透過率が50%以上に保たれる第1の透過波長帯域と、600nm以上の波長領域において、エアギャップの変化とともに透過率がピークとなる波長が変化する第2の透過波長帯域とを有しており、更に、前記エタロンは、600nm〜800nmの波長範囲で少なくとも次の3つの状態を切換え可能であることを特徴としている。
状態1:610nm〜640nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:710nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態3:770nm〜800nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
ただし、前記エタロンの平均透過率は、所定の波長領域におけるエタロンの透過率TEの平均値である。前記エタロンの透過率TEは、任意波長λの光のエタロンの入射面への入射光量をIL1、エタロンの出射面からの波長λの光の出射光量をIL2としたとき、TE=(IL2/IL1)×100で表される。
4≦ODF+ODE
ただし、ODFは励起光カットフィルターの光学濃度、ODEはエタロンの光学濃度であり、励起光カットフィルター又はエタロンに入射する光の強度をI、励起光カットフィルター又はエタロンを透過した光の強度をI'としたときlog10(I/I')で表される。
状態1:610nm〜630nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:690nm〜710nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態3:720nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態4:770nm〜790nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態5:600nm〜800nmの波長範囲に透過率ピークが存在しない状態
n<m T <3n
を満足しており、前記撮像ユニットは、対物光学系と、撮像素子と、エアギャップを有しており且つ該エアギャップを変化させることにより透過する光の波長を変更することが可能に構成されたエタロンと、を備えており、前記撮像ユニットは、前記対物光学系の最も物体側の面から前記撮像素子の撮像面までの間に前記エタロンを備えており、前記エタロンは、600nm未満の波長領域において、エアギャップを変化させても常に平均透過率が50%以上に保たれる第1の透過波長帯域と、600nm以上の波長領域において、エアギャップの変化とともに透過率がピークとなる波長が変化する第2の透過波長帯域とを有しており、更に、前記エタロンは、600nm〜800nmの波長範囲で少なくとも次の4つの状態を切換え可能であることを特徴としている。
状態1:610nm〜630nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:690nm〜710nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態3:720nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態4:770nm〜790nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
ただし、前記エタロンの平均透過率は、所定の波長領域におけるエタロンの透過率TEの平均値である。前記エタロンの透過率TEは、任意波長λの光のエタロンの入射面への入射光量をIL1、エタロンの出射面からの波長λの光の出射光量をIL2としたとき、TE=(IL2/IL1)×100で表される。
4≦ODF+ODE
ただし、ODFは励起光カットフィルターの光学濃度、ODEはエタロンの光学濃度であり、励起光カットフィルター又はエタロンに入射する光の強度をI、励起光カットフィルター又はエタロンを透過した光の強度をI'としたときlog10(I/I')で表される。
そこで、本発明の蛍光内視鏡装置は、一度の観察で、病変組織の自家蛍光画像を取得する工程と、蛍光プローブが病変を特徴付ける物質と結合して発する蛍光の画像を取得する工程とを実行可能なように構成されている。また、それぞれの工程で取得した複数の画像に含まれる病変に固有の情報を抽出して所望の情報形態に加工し、診断に有用な蛍光画像に再構築することが可能に構成されている。
本実施形態の蛍光内視鏡装置は、光源ユニット3と、照明ユニット2と、撮像ユニット1を備えている。
撮像ユニット1と照明ユニット2は、内視鏡の挿入部先端101に配置されている。照明ユニット2は、ライトガイドなどの光学的な伝送手段により光源ユニット3と接続されており、光源ユニット3から供給される照明光を生体組織表面に照射するように構成されている。光源ユニット3は、少なくとも可視波長領域から赤外波長領域において異なる波長成分を有する複数の励起光を生成可能に構成されている。撮像ユニット1と光源ユニット3は、制御ユニット4に接続されている。制御ユニット4は、光源ユニット3が励起光を生成して照明ユニット2に供給するタイミングと、撮像ユニット1が生体組織表面からの蛍光像を撮像するタイミングを制御する機能を有している。撮像ユニット1が取得した画像信号は、画像処理ユニット5によって蛍光画像に加工される。画像処理ユニット5には、画像信号をデータとして一時的に格納するメモリ回路5aと、メモリ回路5aに格納されたデータをもとにして画像処理に必要な演算を行う演算回路5bが備えられている。また、画像処理ユニット5には、DVD、HDDなどの外部記録装置6が接続されており、撮像ユニット1が取得した画像信号データおよび画像処理ユニット5が処理を行った画像データを恒久的に保存することができるようになっている。外部記録装置6に記録された画像信号データは、適宜、画像処理ユニット5に読み出されてデータの加工が行われる。画像処理ユニット5により加工された蛍光画像は、TVモニター7の表示画面上に表示される。
(表1)
そこで、癌組織にのみ存在する複数の物質にそれぞれ結合する蛍光プローブを用いることにより、癌に固有の情報を取得し、生体組織表面における自家蛍光の強度分布の情報と組み合わせて、癌の診断に有用な画像に加工して提供することで、観察者が癌を見逃す確率を飛躍的に小さくすることが可能となる。
そして、回転ディスク24を適当な位置に移動させることによって、次の3つの照明状態を選択的に作り出すことができる。
[照明状態1] 回転ディスク24の外周に設置された一連の光学フィルター22が、光路中に順番に挿入されて繰り返し照明を行う状態
[照明状態2] 回転ディスク24の内周に設置された一連の別の光学フィルター22が、光路中に順番に挿入されて繰り返し照明を行う状態
[照明状態3] 回転ディスク24が光路中から退避されて照明を行う状態
したがって、ターレット21に配置される光学フィルターと回転ディスク24の配置状態の組み合わせにより、複数の異なった照明状態を選ぶことが可能である。
(表2)
図9(a)は図6と同様に光源ユニット3が生成する励起光の波長範囲と、撮像ユニット1が検出する蛍光の波長範囲との関係を例示する概念図である。縦軸には励起光および蛍光の強度を表しており、単位は任意単位である。横軸は波長(単位:nm)を表している。図9(b)、(c)はエタロンの透過特性を示す図である。縦軸は透過率(単位:%)、横軸は波長(単位:nm)を表している。図9(d)、(e)、(f)は撮像素子の撮像面で受光される光の強度を示す図である。縦軸は光の強度を表しており、単位は任意単位である。横軸は波長(単位:nm)を表している。
状態1:波長領域a1と波長領域a2の光を透過する特性を有する状態(図9(b))
状態2:波長領域a1と波長領域a3の光を透過する特性を有する状態(図9(c))
エタロン13が上記状態1に設定されているときには、撮像素子12の撮像面では波長領域a1と波長領域a2の蛍光が受光される(図9(d))。また、エタロン13が上記状態2に設定されているときには、撮像素子12の撮像面では波長領域a1の蛍光のみが受光される(図9(e))。
状態2:波長領域a1と波長領域a3の光を透過する特性を有する状態(図9(c))
このとき、撮像素子12の撮像面では波長領域a3の蛍光が受光される(図9(f))。
(表3)
(表4)
また、蛍光プローブは腫瘍組織に由来する物質に結合して蛍光を発するので、腫瘍組織のみから蛍光が観測される。
本実施例の蛍光内視鏡装置は、光源ユニット3と、照明ユニット2と、撮像ユニット1を備えている。
撮像ユニット1と照明ユニット2は、内視鏡の挿入部先端101に配置されている。照明ユニット2は、ライトガイド31などの光学的な伝送手段により光源ユニット3と接続されており、光源ユニット3から供給される照明光を拡散作用を持つレンズを通して生体組織表面に照射するように構成されている。光源ユニット3は、図3を用いて説明したものと同様の構成であるので説明を省略する。撮像ユニット1は、対物光学系33と、撮像素子36と、対物光学系33の最も物体側の面から撮像素子36の撮像面までの間に、励起光カットフィルター34と、エアギャップを有しており且つ該エアギャップを変化させることにより透過する光の波長を変更することが可能な素子と、を備えている。透過させる光の波長を変更することが可能な前記素子としては、エアギャップを有しており且つエアギャップを調整することにより透過率ピーク波長を所望の値に変更することが可能なエタロンを用いることができる。本実施例の撮像ユニットにおいては、図8(b)に示すように、600nm未満の波長領域においてエアギャップを変化させても常に平均透過率が50%以上に保たれる第1の透過波長帯域と、600nm以上の波長領域においてエアギャップの変化とともに透過率ピーク波長が変化する第2の透過波長帯域とを有するエタロン35が配置されている。エタロン35は、内視鏡の操作部102に設けられたドライブ回路37に接続されている。ドライブ回路37は、接続コネクタ38を介して制御ユニット4と接続されており、制御ユニット4から送信される同期信号を受信してエタロン35の動作をコントロールする。ドライブ回路37は、撮像素子36と操作部102に設けられたスイッチ39にも接続されており、制御ユニット4との通信を中継する役割を有している。
図14(a)は図6と同様に本実施例の蛍光内視鏡装置で用いる励起光及び励起される蛍光を例示する概念図である。縦軸には励起光および蛍光の強度を表しており、単位は任意単位である。横軸は波長(単位:nm)を表している。図14(b)、(c)、(d)は、エタロンの透過特性を示す図である。縦軸は透過率(単位:%)、横軸は波長(単位:nm)を表している。図14(e)、(f)、(g)は、撮像素子の撮像面で受光される光の強度を示す図である。縦軸は光の強度を表しており、単位は任意単位である。横軸は波長(単位:nm)を表している。図14(h)は励起光カットフィルターの透過特性を示す図である。図14(h)において、実線で示した曲線は、励起光カットフィルターの入射面への入射角度が0°の光線に対する透過特性であり、図の左側の目盛りが適用される。図の左側の目盛りは、透過率(単位:%)である。図14(h)において、一点鎖線で示した曲線は、同様の光線に対する励起光カットフィルターの阻止特性であり、図の右側の目盛りが適用される。図の右側の目盛りは、光学濃度であって、フィルターに入射する光の強度をI、フィルターを透過した光の強度をI'としたときlog10(I/I')で表される。横軸は波長(単位:nm)である。また、図15は照明の状態と、エタロンの状態と、撮像ユニットが取得する蛍光画像信号との関係を時系列的に示すタイミングチャートである。
状態1:波長領域a1の光のみを透過する特性を有する状態(図14(b))
状態2:波長領域a1と波長領域a2の光を透過する特性を有する状態(図14(c))
上記状態1においては、エタロン35のエアギャップが3つの状態の中で最も長くなるように設定される。このとき、エタロン35の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが740nmよりも長波長側にあって、透過率ピークに対する半値全幅が60nmである。また、上記状態2においては、エタロン35のエアギャップが3つの状態の中で最も短くなるように設定される。このとき、エタロン35の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが610nm〜640nmの波長範囲にあって、透過率ピークに対する半値全幅が60nmである。エタロン35が上記状態1に設定されているときには、撮像素子36の撮像面では波長領域a1の光のみが受光される(図14(e))。また、エタロン35が上記状態2に設定されているときには、撮像素子36の撮像面では波長領域a1と波長領域a2の蛍光が受光される(図14(f))。
状態3:波長領域a1と波長領域a3の光を透過する特性を有する状態(図14(d))
上記状態3においては、エタロン35のエアギャップが上記状態2よりも大きく上記状態3よりも小さくなるように設定される。このとき、エタロン35の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが710nm〜740nmの波長範囲にあって、透過率ピークに対する半値全幅が60nmである。エタロン35が上記状態3に設定されているときには、撮像素子36の撮像面では波長領域a3の蛍光が受光される(図14(g))。
図16は本実施例の蛍光内視鏡装置がTVモニター7の表示画面上に表示可能な蛍光画像の種類を模式的に示す図である。図16(a)は画像信号D2を基にして作成されたコラーゲンやエラスチンの自家蛍光画像、図16(b)は画像信号E1を基にして作成されたポルフィリンの自家蛍光画像、図16(c)は画像信号D3を基にして作成された病変組織と結合した蛍光プローブからの蛍光画像、図16(d)は3つの画像信号を基にして作成された擬似カラー画像である。擬似カラー画像では、正常部位と、正常組織の表層が炎症を起こしている部位と、病変部位とが擬似的に色分けされて表示される。画像処理ユニット5は、これら4種類の画像をTVモニター7の表示画面上に同じ大きさで並べて表示させたり、各画像ごとに表示倍率を変えて表示させることができる。
このように、本実施例の蛍光内視鏡装置では、病変組織に関する個別の情報を含んだ蛍光画像と、擬似カラー画像とを比較しながら診断を行えるようにしたので、診断の精度を向上させることができる。
このような構成の内視鏡は、挿入部先端101を細径にすることができるので、マウスなどの小動物を傷つけることなく消化器の生体組織を観察するのに適している。
撮像ユニット1、照明ユニット2、光源ユニット3の基本構成は、実施例1で説明した構成と同様であるので説明を省略する。
制御ユニット4には、光源ユニット3が励起光を生成して照明ユニット2に供給するタイミングを基にして、撮像ユニット1が生体組織表面からの蛍光像を撮像するタイミングと、エタロン63がエアギャップを変えるタイミングを制御するタイミング制御回路4aと、エタロン63の動作を制御するドライブ回路4bと、エタロン63の動作制御に必要な情報を記録したメモリ回路4cが備えられている。内視鏡と制御ユニット4を接続する接続コネクタ65には、撮像ユニット1の製造番号やエタロンの種類などの基本情報を記録したメモリチップが備えられており、接続コネクタ65が制御ユニット4に接続されると、接続コネクタ65側のメモリチップから制御ユニット4に撮像ユニット1の基本情報が読み込まれるようになっている。エタロン63のドライブ回路4bは、読み取った撮像ユニット1の基本情報と制御ユニット4側のメモリ回路4cに格納されているエタロンの動作制御に必要な情報とを照合して、接続された撮像ユニット1に最も適したエタロン63の動作環境を自動的に設定する。撮像ユニット1が取得した画像信号は、画像処理ユニット5によって蛍光画像に加工され、TVモニター7に表示される。画像処理回路5、外部記録装置6、TVモニター7等の構成も実施例1の構成と同様であるので説明を省略する。
図19(a)は図6と同様に光源ユニット3が生成する励起光の波長範囲と、撮像ユニット1が検出する蛍光の波長範囲との関係を例示する概念図である。縦軸には励起光および蛍光の強度を表しており、単位は任意単位である。横軸は波長(単位:nm)を表している。図19(b)、(c)、(d)、(e)はエタロン63の透過特性を示す図である。図19(b)、(c)、(d)、(e)において、実線で示した曲線は、エタロンの光入射面への入射角度が0°の光線に対する透過特性であり、図の左側の目盛りが適用される。図の左側の目盛りは、透過率(単位:%)である。一点鎖線で示した曲線は、同様の光線に対するエタロンの阻止特性であり、図の右側の目盛りが適用される。図の右側の目盛りは、光学濃度であって、エタロンに入射する光の強度をI、エタロンを透過した光の強度をI'としたときlog10(I/I')で表される。横軸は波長(単位:nm)である。図19 (f)、(g)、(h)、(i)は撮像素子64の撮像面で受光される光の強度を示す図である。縦軸は光の強度を表しており、単位は任意単位である。横軸は波長(単位:nm)を表している。図19(j)は励起光カットフィルター62の透過特性を示す図である。図19(j)において、実線で示した曲線は、励起光カットフィルター62の入射面への入射角度が0°の光線に対する透過特性であり、図の左側の目盛りが適用される。図の左側の目盛りは、透過率(単位:%)である。一点鎖線で示した曲線は、同様の光線に対する励起光カットフィルター62の阻止特性であり、図の右側の目盛りが適用される。図の右側の目盛りは、光学濃度であって、励起光カットフィルター62に入射する光の強度をI、励起光カットフィルター62を透過した光の強度をI'としたときlog10(I/I')で表される。横軸は波長(単位:nm)である。また、図23は照明の状態と、エタロンの状態と、撮像ユニットが取得する蛍光画像信号との関係を時系列的に示すタイミングチャートである。
状態1:波長領域a1の光のみを透過する特性を有する状態(図19(e))
状態2:波長領域a1と波長領域a2の光を透過する特性を有する状態(図19(d))
上記状態1においては、エタロン63のエアギャップが4つの状態の中で最も長くなるように設定される。このとき、エタロン63の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが800nmよりも長波長側にあって、透過率ピークに対する半値全幅が30nmである。また、上記状態2においては、エタロン63のエアギャップが4つの状態の中で最も短くなるように設定される。このとき、エタロン63の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが610nm〜640nmの波長範囲にあって、透過率ピークに対する半値全幅が30nmである。エタロン63が上記状態1に設定されているときには、撮像素子64の撮像面では波長領域a1の蛍光のみが受光される(図19(i))。また、エタロン63が上記状態2に設定されているときには、撮像素子64の撮像面では波長領域a1と波長領域a2の蛍光が受光される(図19(h))。
状態3:波長領域a1と波長領域a3の光を透過する特性を有する状態(図19(c))
状態4:波長領域a1と波長領域a4の光を透過する特性を有する状態(図19(b))
上記状態3および上記状態4においては、エタロン63のエアギャップが上記状態2よりも大きく上記状態1よりも小さくなるように設定される。ただし、上記状態3におけるエアギャップは上記状態4におけるエアギャップより小さい。エタロン63が上記状態3に設定されているときには、エタロン63の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが710nm〜740nmの波長範囲にあって、透過率ピークに対する半値全幅が30nmである。このとき、撮像素子64の撮像面では、波長領域a3の蛍光が受光される(図19(g))。また、エタロン63が上記状態4に設定されているときには、エタロン63の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが770nm〜800nmの波長範囲にあって、透過率ピークに対する半値全幅が30nmである。このとき、撮像素子64の撮像面では、波長領域a4の蛍光が受光される(図19(f))。
図22は本実施例の蛍光内視鏡装置がTVモニター7の表示画面上に表示可能な蛍光画像の種類を模式的に示す図である。図22(a)は上述した最初の1サイクルの間に取得された3種類の画像信号を基にして作成された擬似カラー画像である。擬似カラー画像では、正常部位と、正常組織の表層が炎症を起こしている部位と、病変部位とが擬似的に色分けされて表示される。図22(b)は次の1サイクルの間に取得された3種類の画像信号を基にして作成された擬似カラー画像である。擬似カラー画像では、正常部位と、正常組織の表層が炎症を起こしている部位と、病変部位とが擬似的に色分けされて表示される。図22(c)は図22(a)に示す画像と図22(b)に示す画像とを合成表示させたものであり、図22(a)における病変部位の表示範囲と図22(b)における病変部位の表示範囲が重なる場合には、その部分を強調して表示するようにしたものである。
図22(a)に示す画像は、病変組織に由来する物質k1に関する情報を含む画像であり、図22(b)に示す画像は、病変組織に由来する別の物質k2に関する情報を含む画像である。そこで、図22(c)に示すように、これらの画像を合成表示することにより、病変組織に関する情報量を増加させ、病変組織を特定するにあたってより信頼性の高い画像を提供することができる。
このように、本実施例の蛍光内視鏡装置では、病変組織に由来する複数種類の検出対象物質(例えば、病変組織が悪性化するときに関与する物質や、病変組織が活発に増殖するときに関与する物質など)をそれぞれ選択的に捉えて結合する蛍光プローブを利用して病変組織の診断に有用な蛍光画像を構築したので、早期癌など、生体組織の構造上の変化が少ない病変でも高精度に診断することができる。
次に、本実施例の蛍光内視鏡装置の基本動作を、図23および図24を用いて説明する。
図23(a)は図6と同様に光源ユニット3が生成する励起光の波長範囲と、撮像ユニット1が検出する蛍光の波長範囲との関係を例示する概念図である。縦軸には励起光および蛍光の強度を表しており、単位は任意単位である。横軸は波長(単位:nm)を表している。図23(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、エタロン63の透過特性を示す図である。縦軸は透過率(単位:%)、横軸は波長(単位:nm)を表している。図23(g)、(h)、(i)、(j)、(k)は撮像素子64の撮像面で受光される光の強度を示す図である。縦軸は光の強度を表しており、単位は任意単位である。横軸は波長(単位:nm)を表している。図23(l)は、励起光カットフィルター62の透過特性を示す図である。図23(l)において、実線で示した曲線は、励起光カットフィルターの入射面への入射角度が0°の光線に対する透過特性であり、図の左側の目盛りが適用される。図の左側の目盛りは透過率(単位:%)である。一点鎖線で示した曲線は、同様の光線に対する励起光カットフィルター62の阻止特性であり、図の右側の目盛りが適用される。図の右側の目盛りは、光学濃度であって、フィルターに入射する光の強度をI、フィルターを透過した光の強度をI'としたときlog10(I/I')で表される。横軸は、波長(単位:nm)である。また、図24は照明の状態と、エタロンの状態と、撮像ユニットが取得する蛍光画像信号との関係を時系列的に示すタイミングチャートである。
状態1:波長領域a1の光のみを透過する特性を有する状態(図23(f))
状態2:波長領域a1と波長領域a2の光を透過する特性を有する状態(図23(e))
上記状態1においては、エタロン63のエアギャップが5つの状態の中で最も長くなるように設定される。このとき、エタロン63の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが800nmよりも長波長側にあって、透過率ピークに対する半値全幅が30nmである。また、上記状態2においては、エタロン63のエアギャップが5つの状態の中で最も短くなるように設定される。このとき、エタロン63の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが610nm〜640nmの波長範囲にあって、透過率ピークに対する半値全幅が30nmである。エタロン63が上記状態1に設定されているときには、撮像素子64の撮像面では波長領域a1の蛍光のみが受光される(図23(k))。また、エタロン63が上記状態2に設定されているときには、撮像素子64の撮像面では波長領域a1と波長領域a2の蛍光が受光される(図23(j))。
状態3:波長領域a1と波長領域a3の光を透過する特性を有する状態(図23(d))
状態4:波長領域a1と波長領域a4の光を透過する特性を有する状態(図23(c))
状態5:波長領域a1と波長領域a5の光を透過する特性を有する状態(図23(b))
上記状態3〜5においては、エタロン63のエアギャップが上記状態2よりも大きく上記状態1よりも小さくなるように設定される。ただし、上記状態3におけるエアギャップは、上記状態4におけるエアギャップより小さく、上記状態4におけるエアギャップは、上記状態5におけるエアギャップより小さい。エタロン63が上記状態3に設定されているときには、エタロン63の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが690nm〜710nmの波長範囲にあって、透過率ピークに対する半値全幅が30nmである。このとき、撮像素子64の撮像面では、波長領域a3の蛍光が受光される(図23(i))。エタロン63が上記状態4に設定されているときには、エタロン63の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが720nm〜740nmの波長範囲にあって、透過率ピークに対する半値全幅が30nmである。このとき、撮像素子64の撮像面では、波長領域a4の蛍光が受光される(図23(h))。エタロン63が状態5に設定されているときには、エタロン63の第2の透過波長帯域は、透過率ピークが770nm〜790nmの波長範囲にあって、透過率ピークに対する半値全幅が30nmである。このとき、撮像素子64の撮像面では、波長領域a5の蛍光が受光される(図23(g))。
図25は本実施例の蛍光内視鏡装置がモニターの表示画面上に表示可能な蛍光画像の種類を模式的に示す図である。図25(a)は上述した最初の1サイクルの間に取得された3種類の画像信号を基にして作成された擬似カラー画像である。擬似カラー画像では、正常部位と、正常組織の表層が炎症を起こしている部位と、病変部位とが擬似的に色分けされて表示される。図25(b)は次の1サイクルの間に取得された3種類の画像信号を基にして作成された擬似カラー画像である。擬似カラー画像では、正常部位と、正常組織の表層が炎症を起こしている部位と、病変部位とが擬似的に色分けされて表示される。図25(c)は更に次の1サイクルの間に取得された3種類の画像信号を基にして作成された擬似カラー画像である。擬似カラー画像では、正常部位と、正常組織の表層が炎症を起こしている部位と、病変部位とが擬似的に色分けされて表示される。図25(d)は図25(a)〜図25(c)に示す画像を合成表示させたものであり、図25(a)〜図25(c)における病変部位の表示範囲が重なる場合にはその部分を例えば等高線図のように強調して表示するようにしたものである。
図25(a)に示す画像は、病変組織に由来する物質k1に関する情報を含む画像であり、図25(b)に示す画像は、病変組織に由来する別の物質k2に関する情報を含む画像である。また、図25(c)に示す画像は、病変組織に由来する更に別の物質k3に関する情報を含む画像である。そこで、図25(d)に示すように、これらの画像を合成表示するとともに観察者が判断しやすいように画像を加工することにより、病変組織を特定するにあたってより信頼性の高い画像を提供することができる。
n<mT<3n
ただし、nは2以上の自然数である。上記条件式において、mTが下限値以下である場合には、病変組織に関する情報が十分に得られないために、早期癌などの生体組織の構造上の変化が少ない病変を高精度に診断することができない。一方、mTが上限値以上である場合には、光源ユニット3の生成する励起光が全ての蛍光プローブに十分な励起エネルギーを与えることができないために、撮像ユニット1が取得する蛍光画像に十分な明るさが得られない。
2 照明ユニット
3、8 光源ユニット
4 制御ユニット
4a タイミング制御回路
4b、37、56、85 ドライブ回路
4c、5a メモリ回路
5 画像処理ユニット
5b 演算回路
6 外部記憶装置
7 TVモニター
11、33、50 対物光学系
12 受光素子
13、35、54、63 エタロン
14、22 光学フィルター
20 ランプ
21 ターレット
24 回転ディスク
26 ライトガイド入射端面
34、62 励起光カットフィルター
36、55、64 撮像素子
38、65 接続コネクタ
39 スイッチ
51 イメージファイバ
52 結像光学系
81 ライトガイド
82 半導体素子
83 光学系
84 光路合成用の光学素子
86 チョッパー
101 内視鏡の挿入部先端
102 内視鏡の操作部
Claims (19)
- 蛍光物質を励起するための波長の異なる複数の励起光を生成する光源ユニットと、励起光を内視鏡の先端部まで光学的に伝送して生体に向けて照射する照明ユニットと、生体の蛍光像を撮像する撮像ユニットと、撮像ユニットが取得した画像信号をもとにして画像構築を行う画像構築ユニットとを備えた蛍光内視鏡装置に用いられ、
対物光学系と、撮像素子と、エアギャップを有しており且つ該エアギャップを変化させることにより透過する光の波長を変更することが可能に構成された光学素子と、を備えた撮像ユニットにおいて、
前記撮像ユニットは、前記対物光学系の最も物体側の面から前記撮像素子の撮像面までの間に前記光学素子を備えており、
前記光学素子は、600nm未満の波長領域において、エアギャップを変化させても常に平均透過率が50%以上に保たれる第1の透過波長帯域と、600nm以上の波長領域において、エアギャップの変化とともに透過率がピークとなる波長が変化する第2の透過波長帯域を有していることを特徴とする蛍光内視鏡装置に用いる撮像ユニット。
ただし、前記光学素子の平均透過率は、所定の波長領域における光学素子の透過率TEの平均値である。前記光学素子の透過率TEは、任意波長λの光の光学素子の入射面への入射光量をIL1、光学素子の出射面からの波長λの光の出射光量をIL2としたとき、
TE=(IL2/IL1)×100で表される。 - 前記光学素子は、600nm〜740nmの波長範囲で少なくとも次の3つの状態を切換え可能であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光内視鏡装置に用いる撮像ユニット。
状態1:610nm〜640nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:710nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態3:600nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在しない状態 - 蛍光物質を励起するための波長の異なる複数の励起光を生成する光源ユニットと、励起光を生体に照射する照明ユニットと、生体の蛍光像を撮像する撮像ユニットと、撮像ユニットが取得した画像信号をもとにして画像構築を行う画像処理ユニットを備えた蛍光内視鏡装置において、
前記光源ユニットが生成する2以上の励起光の数をn、前記撮像ユニットが検出する波長帯域が異なる蛍光の数をm T としたとき、以下の条件式、
n<m T <3n
を満足しており、
前記撮像ユニットは、対物光学系と、撮像素子と、エアギャップを有しており且つ該エアギャップを変化させることにより透過する光の波長を変更することが可能に構成されたエタロンと、を備えており、
前記撮像ユニットは、前記対物光学系の最も物体側の面から前記撮像素子の撮像面までの間に前記エタロンを備えており、
前記エタロンは、600nm未満の波長領域において、エアギャップを変化させても常に平均透過率が50%以上に保たれる第1の透過波長帯域と、600nm以上の波長領域において、エアギャップの変化とともに透過率がピークとなる波長が変化する第2の透過波長帯域とを有しており、
前記エタロンは、600nm〜740nmの波長範囲で少なくとも次の2つの状態を切換え可能であることを特徴とする蛍光内視鏡装置。
状態1:610nm〜640nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:710nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
ただし、前記エタロンの平均透過率は、所定の波長領域におけるエタロンの透過率TEの平均値である。前記エタロンの透過率TEは、任意波長λの光のエタロンの入射面への入射光量をIL1、エタロンの出射面からの波長λの光の出射光量をIL2としたとき、TE=(IL2/IL1)×100で表される。 - 前記光源ユニットは、少なくとも、400nm〜430nmの波長範囲内の光で構成される励起光を生成する第1の照明状態と、670nm〜690nmの波長範囲内の光で構成される励起光を生成する第2の照明状態とを切換え可能に構成され、
前記撮像ユニットには、2つの照明状態で生成される励起光をカットする励起光カットフィルターが配置されていることを特徴とする請求項3に記載の蛍光内視鏡装置。 - 前記励起光カットフィルターの光学濃度と前記エタロンの光学濃度との和が、400〜430nm、670〜690nmのそれぞれの波長範囲において次の条件式を満足することを特徴とする請求項4に記載の蛍光内視鏡装置。
4≦ODF+ODE
ただし、ODFは励起光カットフィルターの光学濃度、ODEはエタロンの光学濃度であり、励起光カットフィルター又はエタロンに入射する光の強度をI、励起光カットフィルター又はエタロンを透過した光の強度をI'としたときlog10(I/I')で表される。 - 前記画像処理ユニットは、演算回路を有し、
前記演算回路は、撮像ユニットがエタロンの状態を切換えながら取得した複数の画像信号をもとにして演算を行うことを特徴とする請求項3に記載の蛍光内視鏡装置。 - 前記演算回路は、前記エタロンが前記状態1となったときに前記撮像ユニットで取得される画像信号から、前記エタロンが前記状態1以外の状態となったときに前記撮像ユニットで取得される画像信号の減算を行うように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の蛍光内視鏡装置。
- 前記光学素子は、600nm〜800nmの波長範囲で少なくとも次の4つの状態を切換え可能であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光内視鏡装置に用いる撮像ユニット。
状態1:610nm〜640nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:710nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態3:770nm〜800nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態4:600nm〜800nmの波長範囲に透過率ピークが存在しない状態 - 蛍光物質を励起するための波長の異なる複数の励起光を生成する光源ユニットと、励起光を生体に照射する照明ユニットと、生体の蛍光像を撮像する撮像ユニットと、撮像ユニットが取得した画像信号をもとにして画像構築を行う画像処理ユニットを備えた蛍光内視鏡装置において、
前記光源ユニットが生成する2以上の励起光の数をn、前記撮像ユニットが検出する波長帯域が異なる蛍光の数をm T としたとき、以下の条件式、
n<m T <3n
を満足しており、
前記撮像ユニットは、対物光学系と、撮像素子と、エアギャップを有しており且つ該エアギャップを変化させることにより透過する光の波長を変更することが可能に構成されたエタロンと、を備えており、
前記撮像ユニットは、前記対物光学系の最も物体側の面から前記撮像素子の撮像面までの間に前記エタロンを備えており、
前記エタロンは、600nm未満の波長領域において、エアギャップを変化させても常に平均透過率が50%以上に保たれる第1の透過波長帯域と、600nm以上の波長領域において、エアギャップの変化とともに透過率がピークとなる波長が変化する第2の透過波長帯域とを有しており、
前記エタロンは、600nm〜800nmの波長範囲で少なくとも次の3つの状態を切換え可能であることを特徴とする蛍光内視鏡装置。
状態1:610nm〜640nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:710nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態3:770nm〜800nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
ただし、前記エタロンの平均透過率は、所定の波長領域におけるエタロンの透過率TEの平均値である。前記エタロンの透過率TEは、任意波長λの光のエタロンの入射面への入射光量をIL1、エタロンの出射面からの波長λの光の出射光量をIL2としたとき、TE=(IL2/IL1)×100で表される。 - 前記光源ユニットは、少なくとも、400nm〜430nmの波長範囲内の光で構成される励起光を生成する第1の照明状態と、680nm〜700nmの波長範囲内の光で構成される励起光を生成する第2の照明状態とを切換え可能に構成され、
前記撮像ユニットには、2つの照明状態で生成される励起光をカットする励起光カットフィルターが配置されていることを特徴とする請求項9に記載の蛍光内視鏡装置。 - 前記励起光カットフィルターの光学濃度と前記エタロンの光学濃度との和が、400〜430nm、680〜700nmのそれぞれの波長範囲において次の条件式を満足することを特徴とする請求項10に記載の蛍光内視鏡装置。
4≦ODF+ODE
ただし、ODFは励起光カットフィルターの光学濃度、ODEはエタロンの光学濃度であり、励起光カットフィルター又はエタロンに入射する光の強度をI、励起光カットフィルター又はエタロンを透過した光の強度をI'としたときlog10(I/I')で表される。 - 前記画像処理ユニットは、演算回路を有し、
前記演算回路は、撮像ユニットがエタロンの状態を切換えながら取得した複数の画像信号をもとにして演算を行うことを特徴とする請求項9に記載の蛍光内視鏡装置。 - 前記演算回路は、前記エタロンが前記状態1となったときに前記撮像ユニットで取得される画像信号から、前記エタロンが前記状態1以外の状態となったときに前記撮像ユニットで取得される画像信号の減算を行うように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の蛍光内視鏡装置。
- 前記光学素子は、600nm〜800nmの波長範囲で少なくとも次の5つの状態を切換え可能であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光内視鏡装置に用いる撮像ユニット。
状態1:610nm〜630nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:690nm〜710nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態3:720nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態4:770nm〜790nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態5:600nm〜800nmの波長範囲に透過率ピークが存在しない状態 - 蛍光物質を励起するための波長の異なる複数の励起光を生成する光源ユニットと、励起光を生体に照射する照明ユニットと、生体の蛍光像を撮像する撮像ユニットと、撮像ユニットが取得した画像信号をもとにして画像構築を行う画像処理ユニットを備えた蛍光内視鏡装置において、
前記光源ユニットが生成する2以上の励起光の数をn、前記撮像ユニットが検出する波長帯域が異なる蛍光の数をm T としたとき、以下の条件式、
n<m T <3n
を満足しており、
前記撮像ユニットは、対物光学系と、撮像素子と、エアギャップを有しており且つ該エアギャップを変化させることにより透過する光の波長を変更することが可能に構成されたエタロンと、を備えており、
前記撮像ユニットは、前記対物光学系の最も物体側の面から前記撮像素子の撮像面までの間に前記エタロンを備えており、
前記エタロンは、600nm未満の波長領域において、エアギャップを変化させても常に平均透過率が50%以上に保たれる第1の透過波長帯域と、600nm以上の波長領域において、エアギャップの変化とともに透過率がピークとなる波長が変化する第2の透過波長帯域とを有しており、
前記エタロンは、600nm〜800nmの波長範囲で少なくとも次の4つの状態を切換え可能であることを特徴とする蛍光内視鏡装置。
状態1:610nm〜630nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態2:690nm〜710nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態3:720nm〜740nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
状態4:770nm〜790nmの波長範囲に透過率ピークが存在する状態
ただし、前記エタロンの平均透過率は、所定の波長領域におけるエタロンの透過率TEの平均値である。前記エタロンの透過率TEは、任意波長λの光のエタロンの入射面への入射光量をIL1、エタロンの出射面からの波長λの光の出射光量をIL2としたとき、TE=(IL2/IL1)×100で表される。 - 前記光源ユニットは、少なくとも、400nm〜430nmの波長範囲内の光で構成される励起光を生成する第1の照明状態と、650nm〜670nmの波長範囲内の光で構成される励起光を生成する第2の照明状態とを切換え可能に構成され、
前記撮像ユニットには、2つの照明状態で生成される励起光をカットする励起光カットフィルターが配置されていることを特徴とする請求項15に記載の蛍光内視鏡装置。 - 前記励起光カットフィルターの光学濃度と前記エタロンの光学濃度との和が、400nm〜430nm、650〜670nmのそれぞれの波長範囲において次の条件式を満たすことを特徴とする請求項16に記載の蛍光内視鏡装置。
4≦OD F +OD E
ただし、OD F は励起光カットフィルターの光学濃度、OD E はエタロンの光学濃度であり、励起光カットフィルター又はエタロンに入射する光の強度をI、励起光カットフィルター又はエタロンを透過した光の強度をI’としたときlog 10 (I/I’)で表される。 - 前記画像処理ユニットは、演算回路を有し、
前記演算回路は、撮像ユニットがエタロンの状態を切換えながら取得した複数の画像信号をもとにして演算を行うことを特徴とする請求項15に記載の蛍光内視鏡装置。 - 前記演算回路は、前記エタロンが前記状態1となったときに前記撮像ユニットで取得される画像信号から、前記エタロンが前記状態1以外の状態となったときに前記撮像ユニットで取得される画像信号の減算を行うように構成されていることを特徴とする請求項18に記載の蛍光内視鏡装置。
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