JP2010094628A - パティキュレートフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】DPF1に堆積しているパティキュレートの燃焼性を高めて、その燃焼に要する時間を短縮し、燃費の改善を図る。
【解決手段】DPF1の触媒層7に、Ce酸化物及びPr酸化物各々の少なくとも一部が互いに固溶し、Ptの一部が粒子表面に分散して露出しているPtドープCePr系複合酸化物粒子を含有せしめる。
【選択図】図4

Description

本発明は、希薄燃焼式エンジンのパティキュレートフィルタに関する。
軽油を主成分とする燃料を用いるディーゼルエンジンや、ガソリンを主成分とする燃料を用いて希薄燃焼させるリーンバーンガソリンエンジンでは、その排気ガス中にパティキュレート(パティキュレートマター;炭素粒子を含む浮遊粒子状物質)が含まれていることが知られている。このパティキュレートの大気中への排出は、環境負荷の増大に繋がるため、このパティキュレートを捕集するフィルタをエンジンの排気通路に配置し、捕集したパティキュレートを適宜燃焼除去することがなされている。
通常は、上記フィルタよりも排気ガス流れ上流側の排気通路に酸化触媒を設けておき、フィルタのパティキュレート堆積量が多くなってきたときに、圧縮行程上死点付近での燃料のメイン噴射後、膨張行程ないし排気行程において燃料を噴射するポスト噴射が実行される。これにより、上記酸化触媒に燃料を供給し、該酸化触媒での燃料の酸化反応熱によってフィルタに流入する排気ガスの温度を上昇させ、それによって、フィルタ温度を上昇させ、該フィルタに堆積しているパティキュレートを燃焼除去している。
しかし、上記ポスト噴射によってフィルタに流入する排気ガスの温度を上昇させても、該フィルタの温度をパティキュレートが自然着火する550℃ないし600℃までは上昇させることは難しい。そこで、パティキュレートの着火が開始する温度を下げるべく、フィルタに、触媒金属を担持したアルミナとCe含有酸化物とを含有する触媒層を形成することがなされている。
上記Ce含有酸化物は、酸素過剰雰囲気(排気ガスの空燃比がリーンであるとき)では酸素を吸蔵し、雰囲気の酸素濃度が下がったとき(理論空燃比近傍あるいは理論空燃比よりもリッチになったとき)に吸蔵していた酸素を活性酸素として放出するが、酸素過剰雰囲気であっても、Ceイオンの価数変化によって排気ガス中の酸素を取り込み、粒子内の酸素を活性酸素として放出する酸素交換反応を起こす性質がある。このCe含有酸化物から放出される活性酸素は、フィルタに付着ないし堆積しているSOF(可溶性有機物質;Soluble Organic Fraction)やパティキュレートを燃焼除去することに役立つと考えられる。特許文献1は、上記Ce含有酸化物を触媒材として用いたパティキュレートフィルタを開示する。そのCe含有酸化物は、Ceを0.1〜20モル%含有するCeZr複合酸化物である。
ところで、上記Ce含有酸化物は、その粒子表面に触媒金属を担持させると、酸素の出入りが活発になり、酸素吸蔵放出性能ないしは酸素交換反応性が向上すると考えられる。しかし、触媒金属を蒸発乾固法や含浸法によってCe含有酸化物に担持しても、触媒金属粒子が凝集して大きくなるため、触媒金属とCe含有酸化物との接触面積は小さいものになり、酸素吸蔵放出性能ないしは酸素交換反応性の大きな向上は望めない。これに対して、触媒金属をCe含有酸化物粒子に固溶させ、該触媒金属を粒子表面に分散させて露出させた状態にすると、上記接触面積が大きくなって、上記酸素吸蔵放出性能ないしは酸素交換反応性の向上に有利になると考えられる。
このような考え方は特許文献2に示されており、これには、CeZr複合酸化物粒子にRhを固溶させ、該Rhを粒子表面に分散露出させたものが例示されている。また、特許文献3には、パティキュレート燃焼用の酸化触媒材として、CeZr複合酸化物粒子にRh及びPtを固溶させて粒子表面に分散露出させたものが例示されている。
また、パティキュレートの燃焼や排気ガスの浄化とは関係がないが、特許文献4には、空気から酸素を分離するための組成物として、V、Mn、Cu、Mo、W、Pt、Tl、Pb及びBiよりなる群から選択される少なくとも1種の表面ドープ剤を少量含有するCePr複合酸化物を開示する。但し、実施例として開示されている表面ドープ剤はAgであり、他のPt等の金属を表面ドープ剤とする具体例については開示がない。また、当文献には、当該CePr複合酸化物の酸素吸蔵放出性能についての開示もなく、また、そのCePr複合酸化物をパティキュレートの燃焼や排気ガスの浄化に利用することについての開示もない。
特開2003−334440号公報 特開2004−174490号公報 特開2005−329318号公報 特開昭50−73893号公報
上記特許文献1〜3に記載されているCeZr系複合酸化物では、Zrが耐熱性の向上に寄与し、また、Zrが酸素吸蔵放出に関与する酸素欠陥を増大させていると考えられる。また、特許文献2,3のように、CeZr系複合酸化物は、触媒金属の固溶によって比較的高い酸素吸蔵放出性能が得られる。しかし、当然のことながら、この種の複合酸化物においては、その酸素吸蔵放出性能ないしは酸素交換反応性を更に向上させることが、パティキュレートの燃焼性向上の観点から望ましい。
すなわち、本発明は、フィルタの触媒層に含ませるCe含有酸化物の酸素吸蔵放出性能ないしは酸素交換反応性を高め、パティキュレート燃焼性の向上、ひいては燃費の改善を図ることを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するために、触媒金属を固溶したCePr系複合酸化物をパティキュレートフィルタの触媒層に含有せしめるようにした。以下、具体的に説明する。
本発明は、エンジンの排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタ本体の排気ガス通路壁部に、捕集されたパティキュレートを燃焼除去するための触媒層が形成されているパティキュレートフィルタであって、
上記触媒層は、CeとPrと触媒金属とが酸化物粒子を形成するように複合されてなり、且つCe酸化物及びPr酸化物各々の少なくとも一部が互いに固溶し、上記触媒金属は当該酸化物粒子に固溶しているとともに、その一部が上記酸化物粒子表面に分散して露出している触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子を含有することを特徴とする。
すなわち、上記触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子は、上述の酸素過剰雰囲気では酸素を吸蔵し、雰囲気の酸素濃度が下がったときに吸蔵していた酸素を放出する酸素吸蔵放出性能を有するとともに、Ceイオン及びPrイオン各々の価数変化によって排気ガス中の酸素を取り込んで該粒子内の酸素を放出する酸素交換反応を起こす性質がある。そして、このCePr系複合酸化物粒子に固溶し、その粒子表面に分散して露出している触媒金属は上記酸素吸蔵放出及び酸素交換反応を促進する働きがある。
従って、本発明によれば、上記触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子の活発な酸素吸蔵放出性能及び酸素交換反応によって多量の活性酸素を生成することから、パティキュレート燃焼性が向上し、パティキュレート燃焼時間の短縮に有利になる。
しかも、上記触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子は、Ce酸化物とPr酸化物各々の少なくとも一部が互いに固溶していることから、耐熱性が高く、また、その触媒金属は、当該複合酸化物粒子に固溶しているから、パティキュレートの燃焼に伴って高温になったときの凝集・シンタリングを生じ難く、良好な酸素吸蔵放出性能ないしは酸素交換反応性が長期間にわたって維持される。さらに、上記触媒金属の固溶により、上記CePr系複合酸化物粒子自体のシンタリングも抑制され、良好なパティキュレート燃焼性が維持される。
上記触媒金属は、CePr系複合酸化物粒子の表面に露出して該粒子表面から突出していることが好ましい。すなわち、パティキュレートと触媒金属とが接触しているときにパティキュレートが燃焼し易くなると考えられる。ところが、パティキュレートは、数nmの一次粒子が凝集し数百nmの二次粒子となって触媒層の表面に堆積するが、その堆積層のパティキュレートと触媒層のCePr系複合酸化物粒子との間には部分的に微小空隙を生ずる。この微小空隙を生ずることによって、パティキュレートとCePr系複合酸化物粒子表面の触媒金属とが接触が不十分になり易い。これに対して、上述の如く触媒金属がCePr系複合酸化物粒子表面から突出していると、パティキュレートと触媒金属とが接触した状態になり易く、パティキュレートの燃焼の面で有利になる。この場合、触媒金属が直径数nm程度の大きさとなって上記CePr系複合酸化物粒子表面に露出しているときに、該粒子表面からの触媒金属の突出量が大きくなり(突出量が数nmになり)、パティキュレートが燃焼し易くなる。
上記触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子は、Ce/Prモル比が1/99以上99/1以下であることが好ましく、さらに好ましいのは、Ce/Prモル比を7/3以上9/1以下とすることである。
上記触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子の表面から2nm深さまでの表層領域における触媒金属濃度が、該複合酸化物粒子全体での該Ptの平均濃度の2.5倍以下であることが好ましい。この表面Pt濃度比は2.0倍未満であることがより好ましく、更に1.8倍以下が好ましく、更に好ましいのは1.5倍以下である。
すなわち、従来の複合酸化物粒子は、触媒金属の多くが粒子表面に酸化物となって担持されており、そのため粒子表面の触媒金属濃度が高い。この酸化物として担持されている触媒金属は、酸素過剰雰囲気では、酸素を介してCe等に結合しているが、雰囲気の酸素濃度が低下すると、その結合が切れて凝集・シンタリングし易いと考えられている。従って、そのような複合酸化物粒子では、パティキュレートの燃焼等に伴って高温になると、粒子表面の触媒金属のシンタリングにより、酸素吸蔵放出性能ないしは酸素交換反応性が大きく低下する。
これに対して、粒子表層の触媒金属濃度が上述の如く粒子全体の平均濃度の2.5倍以下に抑えられている、ということは、粒子表面に酸化物として担持されている触媒金属量が少ないこと、つまり、触媒金属の多くは上記CePr系複合酸化物粒子に固溶していることを意味する。従って、当該複合酸化物粒子が高温になっても、Ptの凝集・シンタリングを生じ難く、凝集・シンタリングするとしても、そのシンタリングの程度は低い。つまり、粒子表面の触媒金属がシンタリングしても、酸素吸蔵放出性能や酸素交換反応性の大きな低下、ないしは活性点の大きな減少は生じない。
上記触媒層は、さらに、アルミナ粒子に触媒金属を担持させてなる触媒金属担持アルミナ粒子と、Zrと希土類金属との複合酸化物粒子に触媒金属を担持させてなる触媒金属担持複合酸化物粒子との少なくとも一方を含有することが好ましい。
従って、触媒金属担持アルミナ粒子或いは触媒金属担持複合酸化物粒子がパティキュレートの良好な燃焼に寄与し、パティキュレート燃焼時間の短縮に有利になる。
以上のように本発明によれば、パティキュレートフィルタの触媒層が、Ce酸化物及びPr酸化物各々の少なくとも一部が互いに固溶し、触媒金属が固溶してその一部が粒子表面に分散して露出している触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子を含有することから、該触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子の活発な酸素吸蔵放出性能及び酸素交換反応によって多量の活性酸素を生成し、パティキュレート燃焼性の向上ないしはパティキュレート燃焼時間の短縮に有利になり、従って、パティキュレート燃焼のためにポスト噴射する場合はその噴射量を減らすことができて燃費の改善が図れ、しかも、高い耐熱性が得られる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1において、1はエンジンの排気ガス通路11に配置されたパティキュレートフィルタ(以下、単に「フィルタ」という。)である。フィルタ1よりも排気ガス流の上流側の排気ガス通路11には、活性アルミナ等のサポート材にPt、Pd等に代表される触媒金属を担持した酸化触媒(図示省略)を配置することができる。このような酸化触媒をフィルタ1の上流側に配置するときは、該酸化触媒によって排気ガス中のHC、COが酸化され、その酸化燃焼熱でフィルタ1に流入する排気ガス温度が高められる。また、NOがNOに酸化され、該NOがフィルタ1にパティキュレートを燃焼させる酸化剤として供給されることになる。
図2及び図3に模式的に示すように、このフィルタ1は、ハニカム構造をなしており、互いに平行に延びる多数の排気ガス通路2,3を備えている。すなわち、フィルタ1は、下流端が栓4により閉塞された排気ガス流入路2と、上流端が栓4により閉塞された排気ガス流出路3とが交互に設けられ、排気ガス流入路2と排気ガス流出路3とは薄肉の隔壁5を介して隔てられている。なお、図2においてハッチングを付した部分は排気ガス流出路3の上流端の栓4を示している。
フィルタ1は、上記隔壁5を含むフィルタ本体がコージェライト、SiC、Si、サイアロンのような無機多孔質材料から形成されており、排気ガス流入路2内に流入した排気ガスは図3において矢印で示したように周囲の隔壁5を通って隣接する排気ガス流出路3内に流出する。すなわち、図4に示すように、隔壁5は排気ガス流入路2と排気ガス流出路3とを連通する微小な細孔(排気ガス通路)6を有し、この細孔6を排気ガスが通る。そして、パティキュレートは、主に排気ガス流入路2と細孔6の壁部に捕捉され堆積する。
上記フィルタ1のフィルタ本体の上記排気ガス通路(排気ガス流入路2、排気ガス流出路3及び細孔6)の壁部には触媒層7が形成されている。なお、排気ガス流出路3の壁部に触媒層を形成することは必ずしも要しない。
上記触媒層7は、触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子と、触媒金属を担持したアルミナ粒子と、触媒金属を担持したZr系複合酸化物粒子(Ce以外の希土類金属から選ばれる少なくとも一種とZrとの複合酸化物粒子)とを含有する。
本発明の重要な特徴は上記触媒層7が、触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子を含有することにある。以下、この点を中心に当該フィルタ1の特徴を説明する。
<PtドープCePr系複合酸化物粒子のTEM写真>
図5は本発明に係るPtドープCePr系複合酸化物粒子の、大気雰囲気において1000℃の温度に24時間加熱した後のTEM(透過型電子顕微鏡)写真である。この複合酸化物粒子は、触媒金属としてのPtが結晶格子又は原子間に配置されるように固溶したCePr系複合酸化物粒子であり、Ptを除く組成式は、Ce0.9Pr0.1である。また、該複合酸化物粒子のPtドープ量、すなわち、粒子全体のPt濃度(平均濃度)は0.5質量%である。同TEM写真の矢符は当該複合酸化物粒子の表面に分散して露出しているPt粒子を指しており、該Pt粒子は粒子表面に露出して該粒子表面から突出している。露出しているPt粒子の直径は2〜3nmである。Ptドープ量は0.1質量%以上2.0質量%以下とすることが好ましい。
<PtドープCePr系複合酸化物粉末の製法>
Ceイオン、Prイオン、及びPtのヒドロキソ錯体を含む酸性溶液を調製する。Ce源としては硝酸セリウム(III)六水和物を、Pr源としては硝酸プラセオジム(III)六水和物を、Pt源(ヒドロキソ錯体)としてはヘキサヒドロキソ白金(IV)酸エタノールアミン溶液又はヘキサヒドロキソ白金(IV)酸硝酸溶液を、それぞれ採用することができる。これらCe源、Pr源及びPt源各々の所定量と水とを混合して原料溶液(酸性)とする。図6はヘキサヒドロキソ白金(IV)錯イオンの構造を示す。
上記原料溶液に塩基性溶液を添加混合して、当該複合酸化物粒子の前駆体であるCe、Pr及びPtの複合水酸化物の沈殿粒子を生成する。この場合、原料溶液を室温で約1時間攪拌した後、これに塩基性溶液として例えば濃度7%程度のアンモニア水を添加すればよい。苛性ソーダ水溶液など他の塩基性溶液を採用することもできる。
上記の粒子前駆体沈殿物を含む溶液を遠心分離器にかけて上澄み液を除去する。この上澄み液を除去した沈殿脱水物にさらにイオン交換水を加えて攪拌し再び遠心分離器にかける(脱水する)、という水洗・脱水操作を必要回数繰り返す。当該水洗・脱水操作により、余剰塩基性溶液が除去される。
上記沈殿脱水物を乾燥させた後、焼成し、粉砕する。乾燥は、例えば大気雰囲気において100℃〜250℃程度の温度に所定時間保持することによって行なうことができる。また、焼成は、例えば大気雰囲気において400℃〜600℃程度の温度に数時間保持することによって行なうことができる。
これにより、CeとPrとPtとが酸化物粒子を形成するように複合されてなり、Ce酸化物及びPr酸化物各々の少なくとも一部が互いに固溶し、Ptは上記酸化物粒子に固溶し、その一部が上記酸化物粒子表面に分散して露出しているPtドープCePr系複合酸化物粒子が得られる。
<各種複合酸化物粒子表層のPt濃度>
以下に述べる各種の複合酸化物粉末を調製し、各々の表層領域のPt濃度が粒子全体のPtの平均濃度の何倍になっているかを調べた。
−EthanolPtドープ例1−
Pt源としてヘキサヒドロキソ白金(IV)酸エタノールアミン溶液を使用し、上述のPtドープCePr系複合酸化物粉末の製法に従って、本例に係る複合酸化物粉末を調製した。Ce/Prモル比は9/1とした。Pt源の仕込み量は粒子全体のPt濃度が0.5質量%となるように調整した。得られた複合酸化物粉末を図面又は表においては「EthanolPtドープ Ce/Pr=9/1」又は「EthanolPtドープ Ce0.9Pr0.1」と記する。
−EthanolPtドープ例2−
Ce/Prモル比を1/9とする他はEthanolPtドープ例1と同じ条件及び方法で本例に係る複合酸化物粉末を調製した。得られた複合酸化物粉末を図面又は表においては「EthanolPtドープ Ce/Pr=1/9」又は「EthanolPtドープ Ce0.1Pr0.9」と記する。
−Pt−Pドープ例1−
Pt源として図7に示すジニトロジアミン白金(II)の硝酸溶液(通称;白金Pソルト)を使用し、他はEthanolPtドープ例1と同じ条件及び方法で本例に係る複合酸化物粉末を調製した。この場合も、Pt源の仕込み量は粒子全体のPt濃度が0.5質量%となるように調整した(但し、ジニトロジアミン白金(II)の硝酸溶液Pt源とする場合、アンモニア等の塩基性溶液を添加しても、Pt水酸化物として共沈するのは約80%であるので、本例の場合のPt源の仕込み量を目標値の1.25倍にすることで、粒子全体のPt濃度が0.5質量%となるように調整した。)。得られた複合酸化物粉末を図面又は表においては「Pt−Pドープ Ce/Pr=9/1」又は「Pt−Pドープ Ce0.9Pr0.1」と記する。
−Pt−Pドープ例2−
Ce/Prモル比を1/9とする他はPt−Pドープ例1と同じ条件及び方法で本例に係る複合酸化物粉末を調製した。得られた複合酸化物粉末を図面又は表においては「Pt−Pドープ Ce/Pr=1/9」又は「Pt−Pドープ Ce0.1Pr0.9」と記する。
−Pt−P乾固例1−
Ce/Prモル比=9/1のCePr複合酸化物粉末とジニトロジアミン白金(II)硝酸溶液とを混合し、蒸発乾固することにより、本例に係る複合酸化物粉末を調製した。Pt担持量は当該複合酸化物粉末の0.5質量%となるようにした。得られた複合酸化物粉末を図面又は表においては「Pt−P乾固 Ce/Pr=9/1」又は「Pt−P乾固 Ce0.9Pr0.1」と記する。
−Pt濃度測定−
上記各例の複合酸化物粒子の表層領域(表面から2nm深さまでの領域)のPt濃度をXPS(X線光電子分光)分析によって測定し、表面Pt濃度比(表層領域のPt濃度/粒子全体のPt濃度)を求めた(ここで、表面からの特性X線の侵入深さはその特性X線の強度に依存することが知られており、今回は1000eVの強度のX線を用いていることから、上記「2nm」を特定した。)。結果を図8に示す。
各複合酸化物粒子の表面Pt濃度比をみると、EthanolPtドープ例1,2及びPt−Pドープ例1,2は2.5倍以下であるが、Pt−P乾固例1は当該濃度比が2.5倍よりも大きくなっている。すなわち、EthanolPtドープ及びPt−Pドープでは、複合酸化物粒子表面に酸化物となって担持されているPt量が少なく、Ptの多くは該複合酸化物粒子に固溶している、ということができる。表面Pt濃度比は2.0倍未満が好ましく、更に1.8倍以下が好ましく、更に好ましいのは1.5倍以下である。また、表面Pt濃度比は1倍よりも大きいことが好ましい。これは、当該複合酸化物粒子の表面に露出している触媒金属を、酸素を吸蔵放出するための仲介物として存在させる、並びに排気ガス浄化に寄与せしめる、という目的のためである。
<各種複合酸化物粒子の細孔容積、細孔径、結晶子径、比表面積>
上記各例の各複合酸化物粉末に加えて、さらに次の各複合酸化物粉末を調製し、各々の細孔容積等を調べた。
−EthanolPtドープ例3−
Ce/Prモル比を7/3とする他はEthanolPtドープ例1と同じ条件及び方法で本例に係る複合酸化物粉末を調製した。得られた複合酸化物粉末を図面又は表においては「EthanolPtドープ Ce/Pr=7/3」又は「EthanolPtドープ Ce0.7Pr0.3」と記する。
−EthanolPtドープ例4−
Ce/Prモル比を5/5とする他はEthanolPtドープ例1と同じ条件及び方法で本例に係る複合酸化物粉末を調製した。得られた複合酸化物粉末を図面又は表においては「EthanolPtドープ Ce/Pr=5/5」又は「EthanolPtドープ Ce0.5Pr0.5」と記する。
−Pt−Pドープ例3−
Ce/Prモル比を5/5とする他はPt−Pドープ例1と同じ条件及び方法で本例に係る複合酸化物粉末を調製した。得られた複合酸化物粉末を図面又は表においては「Pt−Pドープ Ce/Pr=5/5」又は「Pt−Pドープ Ce0.5Pr0.5」と記する。
−Pt−P乾固例2−
Ce/Prモル比を5/5とする他はPt−P乾固例1と同じ条件及び方法で本例に係る複合酸化物粉末を調製した。得られた複合酸化物粉末を図面又は表においては「Pt−P乾固 Ce/Pr=5/5」又は「Pt−P乾固 Ce0.5Pr0.5」と記する。
−Pt−P乾固例3−
Ce/Prモル比を1/9とする他はPt−P乾固例1と同じ条件及び方法で本例に係る複合酸化物粉末を調製した。得られた複合酸化物粉末を図面又は表においては「Pt−P乾固 Ce/Pr=1/9」又は「Pt−P乾固 Ce0.1Pr0.9」と記する。
−細孔容積、細孔径、結晶子径、比表面積の測定結果−
上記各複合酸化物について、大気雰囲気において750℃又は1000℃の温度に24時間加熱するエージングを行なった後の、細孔容積、細孔径、結晶子径、及びBET比表面積の測定結果を表1に示す。なお、表1において、「細孔径」は平均細孔径であり、「結晶子径」はX線回折装置を用い、シェラーの式(結晶子径(hkl)=0.9λ/(β1/2・cosθ),ここで、hklはミラー指数、λは特性X線の波長(オングストローム)、β1/2は(hkl)面の半価幅(ラジアン)、θはX線反射角度である。)により求めた。また、「EthanolPtドープ Ce/Pr=1/9」及び「Pt−P乾固 Ce/Pr=1/9」は1000℃×24時間のエージングによってPr11の分相を生ずることから、該エージング後の結晶子径は母相酸化物と分相酸化物の平均値となっている。
「EthanolPtドープ」は、Ce/Pr=1/9のケースが例外になるが、基本的には、「Pt−Pドープ」及び「Pt−P乾固」とは違って、平均細孔径の大きさに比べて細孔容積が大きくなっており、BET比表面積も大きくなっている。このことは、EthanolPtドープに係る複合酸化物粒子は、細孔数が多くてガスの拡散性が良いこと、従って、酸素吸蔵放出性能が高いことを意味する。また、「Pt−Pドープ」品と「Pt−P乾固」品とを比較すると、「Pt−Pドープ」品は「Pt−P乾固」品よりも細孔容積と細孔径が小さくなっているが、一方で前者はBET比表面積が大きくなっている。従って、「Pt−Pドープ」品は「Pt−P乾固」品よりも細孔数が増加していると考えられ、ガスの拡散性が良く、酸素吸蔵放出性能が高くなっている。
また、シェラー式による平均結晶子径をみると、「EthanolPtドープ」は、「Pt−P乾固」よりも小さくなっており、エージングによる粒成長が甚だしくないこと、即ち、耐熱性が高いことがわかる。
ここに、Ce/Prモル比が1/9以上9/1以下である「EthanolPtドープ」の複合酸化物においては、1000℃×24時間エージング後のシェラー式による結晶子径が60nm未満であること、750℃×24時間エージング後の細孔容積が0.12cm/g以上であること、或いは750℃×24時間エージング後の平均細孔径が35nm未満であることが好ましい。
<酸素吸蔵放出性能>
上記EthanolPtドープ例1〜4、Pt−Pドープ例1,3及びPt−P乾固例1の各複合酸化物粉末、並びに「EthanolPtドープCeO」粉末について、大気雰囲気において750℃の温度に24時間加熱するエージング後の酸素吸蔵放出量を調べた。「EthanolPtドープCeO」粉末は、EthanolPtドープ例1の製法においてPr源の量を零として調製したものであり、Pt濃度は0.5質量%である。
酸素吸蔵放出量の測定にあたっては、供試材0.10gに、5%Oガス(残;He)を100mL/分の流速で供給しながら、20℃/分の速度で昇温させていき、600℃の温度に20分間保持した後、室温まで冷却する前処理(酸素吸蔵処理)を行なった。しかる後、2%COガス(残;He)を100mL/分の流速で供給しながら、10℃/分の速度で昇温させていき、供試材から放出されるCO量の温度による変化を計測した。そのCO放出量は供試材の酸素放出量に対応する。
結果を図9に示す。Ptをドープした複合酸化物粉末はいずれも、Ptを乾固担持した複合酸化物粉末よりも、酸素放出量が多く、また、その酸素放出量が150℃ないし200℃以上の温度域において多くなっている。また、Ptをドープした複合酸化物粉末同士で比較すると、Ce/Pr=9/1(Ce0.9Pr0.1)である「EthanolPtドープ」と「Pt−Pドープ」とでは、前者が後者よりも、酸素放出量が多い。Ce/Pr=5/5(Ce0.5Pr0.5)である「EthanolPtドープ」及び「Pt−Pドープ」をみても、前者は後者よりも、酸素放出量が多い。また、EthanolPtドープ例はいずれも低温から高温に亘る広い温度域で比較的多量の酸素放出がある。以上から、Ptをドープした複合酸化物粉末は、耐熱性が高く、酸素吸蔵放出性能が優れていること(特に、「EthanolPtドープ」の複合酸化物粉末が優れていること)、従って、フィルタのパティキュレート燃焼用触媒材として有用であることがわかる。なお、「EthanolPtドープCe0.1Pr0.9」に関し、酸素放出量のピークが低温部と高温部の2箇所に現れているのは、Pr11の分相が影響していると考えられる。
図10はCe/Pr=9/1(Ce0.9Pr0.1)である「EthanolPtドープ」と「Pt−P乾固」品の50℃〜600℃での酸素放出量を比較したものである。同図から、EthanolPtドープ例は酸素放出量が多いことがわかる。
図11は、図9のEthanolPtドープ例1〜4及び「EthanolPtドープCeO」のデータに基いて、「EthanolPtドープ」品に関し、Pr/(Ce+Pr)モル比が50℃〜600℃での酸素放出量(トータル量)に及ぼす影響をみたものである。なお、同図の「□」は「Pt−P乾固Ce0.9Pr0.1」品についてのプロットである。同図によれば、Pr比率が高くなるに従って酸素放出量が増大することがわかる。
<酸素交換反応性>
上記「EthanolPtドープ Ce/Pr=9/1」粉末及び「Pt−P乾固 Ce/Pr=9/1」粉末の他に、「EthanolPtドープ Ce/Zr=9/1」粉末及び「Pt−P乾固 Ce/Zr=9/1」粉末を準備し、それら複合酸化物粉末の酸素交換反応性を評価した。「EthanolPtドープ Ce/Zr=9/1」粉末は、EthanolPtドープ例1の製法においてPr源に代えてZr源(オキシ硝酸ジルコニウム2水和物)を採用して調製したものであり、Pt濃度は0.5質量%である。「Pt−P乾固 Ce/Zr=9/1」粉末は、Pt−P乾固例1の製法において、CePr複合酸化物粉末に代えて、Ce/Zrモル比=9/1のCeZr複合酸化物粉末を採用して調製したものであり、Pt担持量は0.5質量%である。
まず、各供試粉末150mgをペレット状にし、大気雰囲気において750℃の温度に24時間加熱するエージングを行なった。次いで、He雰囲気で室温から600℃の温度まで上昇させ、該600℃の温度で質量数18の酸素ガス(18;3.5%,残He,流量;100mL/分)を供給し、供試材から放出される酸素の質量数及び濃度を調べた。結果を図12に示す。同図において、「CePrPtドープ」は「EthanolPtドープ Ce/Pr=9/1」を、「CePrPt乾固」は「Pt−P乾固 Ce/Pr=9/1」を、「CeZrPtドープ」は「EthanolPtドープ Ce/Zr=9/1」を、「CeZrPt乾固」は「Pt−P乾固 Ce/Zr=9/1」を、それぞれ意味する。
いずれの供試材においても、質量数16の酸素(16)及び質量数16の酸素原子と質量数18の酸素原子とからなる酸素(1618O)を放出しており、酸素過剰雰囲気において酸素交換反応を生ずることがわかる。その酸素交換反応は、Ptをドープした複合酸化物の方がPtを乾固担持した複合酸化物よりも活発であり、「EthanolPtドープ Ce/Pr=9/1」粉末によって調製した供試材が最も活発である。
<パティキュレート燃焼性の評価1>
上記EthanolPtドープ例1〜4、Pt−P乾固例1〜3及び「EthanolPtドープCeO」の各複合酸化物粉末の他に、「Pt−P乾固 Ce/Pr=7/3」及び「EthanolPtドープPr11」の各複合酸化物粉末を準備した。「Pt−P乾固 Ce/Pr=7/3」は、Pt−P乾固例1の製法において、Ce/Prモル比が7/3となるようにしたものであり、「EthanolPtドープPr11」は、EthanolPtドープ例1の製法においてCe源の量を零として調製したものであり、いずれもPt濃度は0.5質量%である。
各複合酸化物粉末をバインダ及びイオン交換水を混合することによりスラリーを調製し、このスラリーをフィルタ本体にコーティングし、乾燥(150℃)及び焼成(大気中において500℃の温度に2時間保持)を行なうことにより、実施例A−1〜実施例A−4及び比較例A−1〜比較例A−6の各サンプルフィルタを調製した。フィルタ本体としては、セル壁厚さ16mil(4.064×10−1mm)、1平方インチ(645.16mm)当たりのセル数178のSiC製ハニカム状フィルタ(容量11mL)を採用した。フィルタ1リットル当たりの複合酸化物粉末担持量は20g/Lとした。従って、いずれのサンプルフィルタもPt担持量は0.1g/Lである。
そうして、上記各サンプルフィルタについて、大気雰囲気において800℃の温度に24時間加熱するエージングを行なった後、パティキュレートとしてカーボンを採用して各々のパティキュレート燃焼性を評価した。実施例A−4及び比較例A−4のサンプルフィルタについてはフレッシュ時のパティキュレート燃焼性も調べた。
すなわち、各サンプルフィルタの排気ガス通路壁部に5g/Lのカーボンを堆積させた。サンプルフィルタを模擬ガス流通反応装置に取り付け、N雰囲気で640℃の温度まで上昇させた。フィルタ入口温度が640℃で安定した後、模擬排気ガス(O;10%,NO;300ppm,残N)を空間速度40000/hで流し、カーボンの燃焼によって生成するCO及びCO濃度をリアルタイムで測定した。そして、そのCO及びCO濃度に基いて、次式によりカーボン燃焼速度を求め、これから、1秒毎のカーボン燃焼量の積算値を求めて、カーボンが90%燃焼するために要した燃焼時間を算出した。結果を表2及び図13に示す。
カーボン燃焼速度(g/h)
={ガス流速(L/h)×[(CO+CO)濃度(ppm)/(1×10)]}×12(g/mol)/22.4(L/mol)
「EthanolPtドープ」のCePr系複合酸化物粉末を用いた実施例A−1〜A−4はいずれも、「Pt−P乾固」、「EthanolPtドープCeO」及び「EthanolPtドープPr11」の各複合酸化物粉末を用いた比較例よりも、カーボン燃焼時間が短くなっており、当該PtドープCePr複合酸化物粉末がカーボン燃焼性の向上に有効であることがわかる。また、図13の一連のPtドープ品をみると、PtドープCePr系複合酸化物の場合は、PtドープPr11やPtドープCeOとの比較から、Ceが微量であっても、或いはPrが微量であっても、カーボン燃焼時間の短縮効果があることがわかる。すなわち、PtドープCePr系複合酸化物のCe/Prモル比は1/99以上99/1以下であっても、カーボン燃焼時間の短縮効果があり、図13によれば、そのCe/Prモル比は7/3以上9/1以下であることが更に好ましいということができる。
<パティキュレート燃焼性の評価2>
La含有の活性アルミナ粒子に触媒金属としてPtを担持させたPt/アルミナ粉末と、ZrNd複合酸化物粒子(Zr/Ndモル比=82/18)に触媒金属としてPtを担持させたPt/ZrNdO粉末とを準備し、上記EthanolPtドープ例1〜4、Pt−P乾固例1〜3及び「Pt−P乾固 Ce/Pr=7/3」の各複合酸化物粉末と、上記Pt/アルミナ粉末及びPt/ZrNdO粉末の少なくとも一方とを組み合わせて、先のサンプルフィルタの場合と同様にして、実施例B−1〜実施例B−4及び比較例B−1〜比較例B−4の各サンプルフィルタを調製した。
フィルタ本体としては、先のサンプルフィルタと同じものを採用し、フィルタ1リットル当たりのCePr系複合酸化物粉末担持量は20g/L、Pt/アルミナ粉末及びPt/ZrNdO粉末各々の担持量は10g/Lとした。CePr系複合酸化物粉末とPt/アルミナ粉末又はPt/ZrNdO粉末とを組み合わせたケースでは、組み合わせたPt/アルミナ粉末及びPt/ZrNdO粉末各々のPt濃度を9質量%とし、粉末の総担持量は30g/Lとした。CePr系複合酸化物粉末、Pt/アルミナ粉末及びPt/ZrNdO粉末の三者を組み合わせたケースでは、組み合わせたPt/アルミナ粉末及びPt/ZrNdO粉末各々のPt濃度を4.5質量%とし、粉末の総担持量は40g/Lとした。
そうして、上記各サンプルフィルタについて、大気雰囲気において800℃の温度に24時間加熱するエージングを行なった後、先のパティキュレート燃焼性評価と同様に、カーボンを用いてパティキュレート燃焼性を評価した。結果を表3に示す。
表2及び表3のカーボン燃焼時間を比較すると、Pt/アルミナ粉末のみを追加した実施例B−1及び比較例B−1は、対応する実施例A−1及び比較例A−1よりも、カーボン燃焼時間が長くなっている。Pt/アルミナ粉末はカーボン燃焼時間の短縮には寄与しないことがわかる。これに対して、Pt/ZrNdO粉末を追加した実施例B−2〜実施例B−4及び比較例B−2〜比較例B−4は、対応する実施例A−2〜実施例A−4及び比較例A−2〜比較例A−4よりも、カーボン燃焼時間が短くなっている。これから、Pt/ZrNdO粉末がカーボン燃焼時間の短縮に大きく貢献していることがわかる。カーボン燃焼時間が大幅に短くなると、カーボンの不完全燃焼が起こり易くなり、COの発生量が増えるが、Pt/アルミナ粉末は、そのCOをCOに酸化させる触媒として効果的に働く。
なお、上記実施例のPtドープCePr系複合酸化物の金属成分はCe、Pr及びPtであるが、これにZrなど他の金属成分を配合することもできる。
また、本発明は、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸エタノールアミン溶液以外のPt源でPtをドープしたCePr系複合酸化物を用いるケースも含む。
パティキュレートフィルタをエンジンの排気ガス通路に配置した状態を示す図である。 パティキュレートフィルタを模式的に示す正面図である。 パティキュレートフィルタを模式的に示す縦断面図である。 パティキュレートフィルタの排気ガス流入路と排気ガス流出路とを隔てる壁を模式的に示す拡大断面図である。 本発明の実施例に係る複合酸化物粒子のTEM写真である。 ヘキサヒドロキソ白金(IV)錯イオンの構造式を示す図である。 ジニトロジアミン白金(II)の構造式を示す図である。 各種複合酸化物粒子の表面Pt濃度比を示すグラフ図である。 各種複合酸化物粉末の酸素吸蔵放出量の温度変化を示すグラフ図である。 Ptドープ複合酸化物とPt乾固複合酸化物の酸素放出量を比較したグラフ図である。 Ptドープ複合酸化物のPr/(Ce+Pr)モル比と酸素放出量との関係を示すグラフ図である。 各種複合酸化物の酸素交換反応性を示すグラフ図である。 CePr系複合酸化物のCe/(Ce+Pr)比率とカーボン燃焼時間との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1 パティキュレートフィルタ
5 フィルタ本体の隔壁
7 触媒層

Claims (4)

  1. エンジンの排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタ本体の排気ガス通路壁部に、捕集されたパティキュレートを燃焼除去するための触媒層が形成されているパティキュレートフィルタであって、
    上記触媒層は、CeとPrと触媒金属とが酸化物粒子を形成するように複合されてなり、且つCe酸化物及びPr酸化物各々の少なくとも一部が互いに固溶し、上記触媒金属は当該酸化物粒子に固溶しているとともに、その一部が上記酸化物粒子表面に分散して露出している触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子を含有することを特徴とするパティキュレートフィルタ。
  2. 請求項1において、
    上記触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子は、Ce/Prモル比が1/99以上99/1以下であることを特徴とするパティキュレートフィルタ。
  3. 請求項1において、
    上記触媒金属ドープCePr系複合酸化物粒子は、Ce/Prモル比が7/3以上9/1以下であることを特徴とするパティキュレートフィルタ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記触媒層は、さらに、アルミナ粒子に触媒金属を担持させてなる触媒金属担持アルミナ粒子と、Zrと希土類金属との複合酸化物粒子に触媒金属を担持させてなる触媒金属担持複合酸化物粒子との少なくとも一方を含有することを特徴とするパティキュレートフィルタ。
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