JP2022169265A - 粒子状物質燃焼触媒 - Google Patents

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祐樹 松本
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Abstract

Figure 2022169265000001
【課題】エンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質を燃焼させる粒子状物質燃焼触媒を提供する。
【解決手段】粒子状物質燃焼触媒は、Zr系酸化物にSrが固溶してなるSr固溶Zr系複合酸化物を含有し、このSr固溶Zr系複合酸化物はSr固溶量が1.2質量%以下であり、上記Sr固溶Zr系複合酸化物の少なくとも一部の一次粒子は、X線光電子分光法による表面分析によって測定される、粒子表面の全金属元素中のSr濃度が2.4mol%以上2.8mol%以下である。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質を燃焼させるための粒子状物質燃焼触媒に関する。
ディーゼルエンジン車では、排気ガス中に含まれる粒子状物質(PM: Particulate matter)を燃焼させるための触媒がDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)に設けられる場合がある。また、ガソリンエンジン車においても、特に筒内直噴式のガソリンエンジンでは、点火プラグ近傍の燃料が過濃となってスモークが発生するため、このスモークに伴う粒子状物質の燃焼除去のために触媒付のGPF(ガソリンパティキュレートフィルタ)が設けられる場合がある。
特許文献1には、上記粒子状物質を燃焼させる触媒として、ZrNd複合酸化物にSrが固溶してなるSr固溶Zr系複合酸化物を用いることが記載されている。Zr系複合酸化物は、酸素濃度の濃い部分から酸素濃度の薄い部分へ酸素イオンが移動する酸素イオン伝導性を有することが知られている。この酸素イオン伝導性によって粒子表面から酸素が放出され、その酸素が粒子状物質の燃焼に寄与する。このZr系複合酸化物へのSrの固溶によって酸素空孔(原子空孔)が多くなるため、酸素イオン伝導性が高くなる。特許文献1では、組成がSrO:ZrO:Nd=1.9:86.6:11.5(モル比)であるSr固溶Zr系複合酸化物が例示されている。
特許文献2には、オキシ塩化ジルコニウム0.0924モル、硝酸ランタン0.0038モル及び硝酸ストロンチウム0.0036モルの混合水溶液をアルカリ製水溶液に滴下して共沈物を得ること、この共沈物を乾燥させて650℃で3時間焼成することにより、ZrLaSr複合酸化物を調製すること、そして、これにRhを含浸担持させて排気ガス浄化用触媒を得ることが記載されている。
特許5942550号公報 特開2006-169035号公報
フィルタに堆積した粒子状物質の燃焼除去には排気ガス温度を高めてフィルタの温度を上昇させる必要がある。排気ガスの温度を高めようとすると、エンジンの燃料消費量が多くなる。エンジンの燃費悪化を避けるためには、粒子状物質の燃焼除去に要する時間の短縮、すなわち、粒子状物質の燃焼速度の向上が必要になる。
上述のSr固溶Zr系複合酸化物は、Srの固溶量が多くなるほど酸素空孔が多くなって酸素イオン伝導性が良くなる。従って、上記燃焼速度の向上にはZr系複合酸化物におけるSrの固溶量を多くすることが有効と考えられる。
しかし、Zr系複合酸化物におけるSr固溶量に限界があり、固溶しきれないSrは化合物(主として炭酸ストロンチウム)として当該複合酸化物の粒子表面に単独で存在することになる。このSr化合物は潮解性を有する。ここに、粒子状物質を捕集するフィルタに流入する排気ガス中の水蒸気によるSr化合物の潮解という問題が出てくる。フィルタに流入する水蒸気によってSr化合物が溶解して、Zr系複合酸化物自体が被毒するという問題であり、当該フィルタに他の触媒を担持している場合にはその触媒が被毒するという問題であり、さらには、潮解したSr化合物がフィルタから流出するという問題である。
本発明は、Sr固溶Zr系複合酸化物の粒子状物質燃焼触媒への利用において、Sr化合物の潮解問題を招くことなく、粒子状物質の燃焼性を向上させることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、Zr系複合酸化物におけるSr固溶量を抑えながら、Zr系複合酸化物の一次粒子表面にSrを濃化させるようにした。
ここに開示する粒子状物質燃焼触媒は、エンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質を燃焼させるための触媒であって、
Zr系酸化物にSrが固溶してなるSr固溶Zr系複合酸化物を含有し、
上記Sr固溶Zr系複合酸化物は、Sr固溶量が1.2質量%以下であり、
上記Sr固溶Zr系複合酸化物の少なくとも一部の一次粒子は、X線光電子分光法による表面分析によって測定される、粒子表面の全金属元素中のSr濃度が2.4mol%以上2.8mol%以下であることを特徴とする。
これによれば、Sr固溶複合酸化物のSr固溶量が1.2質量%以下であることにより、Sr化合物がZr系複合酸化物の粒子表面にあって水蒸気によって潮解するという問題が避けられる。そうして、Sr固溶Zr系複合酸化物の粒子表面のSr濃度が2.4mol%以上2.8mol%以下であるということは、粒子表面付近のSr濃度が粒子内部よりも高いということ、すなわち、粒子表面付近の酸素欠陥が多く、酸素イオン伝導性が高くなるということである。従って、外部からの酸素の取り込み、粒子内部から粒子表面への格子酸素の移動、そして、粒子表面からの高活性な酸素の放出が促進されるため、粒子状物質の燃焼性が向上する。
一実施形態では、上記Sr固溶Zr系複合酸化物の比表面積が40m/g以上75m/g以下である。
一般には触媒の比表面積が大きくなるほど粒子状物質と接触しやすくなるため、粒子状物質の燃焼性が良くなる。これ対して、本発明に係るSr固溶Zr系複合酸化物の場合、後述の実施例で説明するが、その比表面積が40m/g以上75m/g以下と小さいにも拘わらず、粒子状物質の燃焼性が良いという特徴がある。
上述の粒子表面のSrの濃化はSr固溶Zr系複合酸化物調製時の焼成温度を高めることによって達成することができ、焼成温度が高くなるほど、Srの表面濃化が進む一方、得られるSr固溶Zr系複合酸化物の比表面積は小さくなる。比表面積が小さくなることによる粒子状物質の燃焼性低下を上回って、Srの表面濃化によって当該燃焼性が向上するということである。
焼成温度を高くすると、上記粒子表面のSr濃度を2.8mol%よりも高くすることも可能となるが、それに伴う上記比表面積の低下は当該複合酸化物の硬度上昇を招く。この硬度が高くなると、触媒を粉砕することが難しくなるため、触媒を担体にコーティングするときのスラリー化に支障が出る。よって、上記粒子表面のSr濃度は2.8mol%以下にすること(上記比表面積は40m/g以上にすること)が好ましい。
一実施形態では、上記Sr固溶Zr系複合酸化物は、Zr、Nd及びSrを含有する。この場合、当該複合酸化物の一次粒子表面付近において、2価のSrと、4価のZr及び3価のNdとの間で生ずる相互作用により、格子酸素の移動が促進されることで、粒子状物質の燃焼性向上に繋がると考えられる。
一実施形態では、上記Sr固溶Zr系複合酸化物は、Zr、Nd、Pr及びSrを含有する。この場合、当該複合酸化物の一次粒子表面付近において、2価のSrと、4価のZr、3価のNd及び3価又は4価のPrとの間で生ずる相互作用により、格子酸素の移動が促進されることで、粒子状物質の燃焼性向上に繋がると考えられる。
一実施形態では、上記Sr固溶Zr系複合酸化物に触媒金属として貴金属が担持されている。従って、Sr固溶Zr系複合酸化物から放出される高活性な酸素によって貴金属による粒子状物質の燃焼が促進される。貴金属としては、Pt及び/又はPdを採用することが好ましい。
本発明によれば、Sr固溶Zr系複合酸化物のSr固溶量が1.2質量%以下であり、このSr固溶Zr系複合酸化物の少なくとも一部の一次粒子は、X線光電子分光法による表面分析によって測定される、粒子表面の全金属元素中のSr濃度が2.4mol%以上2.8mol%以下であるから、Sr化合物の潮解問題を招くことなく、粒子状物質の燃焼性を向上させることができる。
DPFをエンジンの排気ガス通路に配置した状態を示す図である。 DPFを模式的に示す正面図である。 DPFを模式的に示す縦断面図である。 DPFの排気ガス流入路と排気ガス流出路とを隔てる壁を模式的に示す拡大断面図である。 粒子状物質燃焼触媒の顕微鏡写真である。 粒子状物質燃焼触媒において粒子状物質が燃焼する時の酸素の移動を示す説明図である。 Sr固溶Zr系複合酸化物のSr濃度及びカーボン燃焼時間と比表面積との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本実施形態に係る粒子状物質燃焼触媒(以下、単に「燃焼触媒」という。)は図1に示すDPF1に担持される。同図において、11はディーゼルエンジンの排気通路である。この排気通路11にDPF1が設けられている。
DPF1よりも排気ガス流の上流側の排気通路11には、活性アルミナ等のサポート材にPt、Pd等に代表される触媒金属を担持した酸化触媒(図示省略)を配置することができる。このような酸化触媒をDPF1の上流側に配置するときは、該酸化触媒によって排気ガス中のHC、COを酸化させ、その反応熱で排気ガス温度を高めてDPF1を加熱することによって、粒子状物質を燃焼除去することができる。また、排気ガス中のNOが酸化触媒でNOに酸化され、該NOが粒子状物質を燃焼させる酸化剤としてDPF1に供給されることになる。
図2及び図3に模式的に示すように、DPF1は、ハニカム構造をなしており、互いに平行に延びる多数の排気ガス通路2,3を備えている。すなわち、DPF1は、下流端が栓4により閉塞された排気ガス流入路2と、上流端が栓4により閉塞された排気ガス流出路3とが交互に設けられている。排気ガス流入路2と排気ガス流出路3とは薄肉の隔壁5を介して隔てられている。なお、図2においてハッチングを付した部分は排気ガス流出路3の上流端の栓4を示している。
DPF1は、コージェライト、SiC、Si、サイアロンのような無機多孔質材料から形成されており、排気ガス流入路2内に流入した排気ガスは図3において矢印で示したように周囲の隔壁5を通って隣接する排気ガス流出路3内に流出する。図4に示すように、隔壁5は排気ガス流入路2と排気ガス流出路3とを連通する微小な細孔(排気ガス通路)6を有し、この細孔6を排気ガスが通る。粒子状物質は主に排気ガス流入路2と細孔6の壁部に捕捉され堆積する。
担体基材としてのDPF1の排気ガス通路(排気ガス流入路2、排気ガス流出路3及び細孔6)を形成する壁面には上記燃焼触媒を含有する触媒層7が形成されている。なお、排気ガス流出路3側の壁面に触媒層を形成することは必ずしも要しない。燃焼触媒はSr固溶Zr系複合酸化物粒子を用いており、主成分金属元素はZrである。
ここでいうSr固溶Zr系複合酸化物粒子は、図5に示すように、多数のSr固溶Zr系複合酸化物一次粒子12が凝集してなる二次粒子である。同図(写真)には、多数の小粒子が重なった塊状物が写っているが、その個々の小粒子が一次粒子12であり、当該塊状物が二次粒子である。
触媒層には、Sr固溶Zr系複合酸化物粒子に加えて、貴金属を担持した活性アルミナのような他の燃焼触媒を添加してもよい。また、Sr固溶Zr系複合酸化物粒子に貴金属を担持してもよい。
<Sr固溶Zr系複合酸化物について>
Sr固溶Zr系複合酸化物はZr系酸化物にSrが固溶した複合酸化物である。Zr系酸化物は、ジルコニアであっても、Zrと希土類元素との複合酸化物であってもよい。例えば、ZrNd複合酸化物やZrNdPr複合酸化物が好ましい。この複合酸化物であるケースでは、その主成分はZrである。
Sr固溶Zr系複合酸化物におけるSr固溶量は1.2質量%以下であることが好ましい。Sr固溶Zr系複合酸化物を共沈法によってSr固溶量が1.2質量%よりも多くなるように原料の仕込み量を調整して調製しても、Srの一部が複合酸化物に固溶しきれず炭酸化合物として粒子表面に析出するためである。そのような炭酸ストロンチウムは排気ガス中の水蒸気によって潮解して、他の触媒成分の被毒を招き、或いはDPFから流出してしまう。
Sr固溶Zr系複合酸化物は、XPS(X線光電子分光)法による表面分析によって測定される、一次粒子表面の全金属元素中のSr濃度が2.4mol%以上2.8mol%以下であることが好ましい。本発明者の文献調査及び実験によれば、従前のSr固溶Zr系複合酸化物の一次粒子表面のSr濃度は2mol%前後(最大でも2.2mol%程度)である。これに対して、本発明に係るSr固溶Zr系複合酸化物では、当該Sr濃度2.4mol%以上であることにより、図6に示すように、一次粒子12の表面付近の酸素欠陥13が多くなる。従って、酸素イオン伝導による、外部からの酸素の取り込み、粒子内部から粒子表面への格子酸素の移動、そして、粒子表面からの高活性な酸素の放出が促進されるため、粒子状物質(煤等)14の燃焼性が向上する。
<実施例>
-Sr固溶Zr系複合酸化物の調製-
硝酸ジルコニル、硝酸ネオジム、硝酸プラセオジム及び硝酸ストロンチウムをそれぞれイオン交換水に溶かし、これら水溶液を混合した。得られた混合溶液(酸性溶液)に塩基性溶液としての28質量%アンモニア水の8倍希釈液を混合して中和させることにより、共沈物(ZrとNdとPrとSrとの複酸化物の前駆体)を得た。この共沈物を含む溶液を遠心分離器にかけて上澄み液を除去する(脱水)、そこにさらにイオン交換水を加えて撹拌する(水洗)、という脱水・水洗の操作を必要回数繰り返すことで、余剰な塩基性溶液を除去した。そうして、脱水した共沈物を大気中において150℃の温度で一昼夜乾燥させ、粉砕した後、大気中において500℃、650℃、670℃、700℃、750℃及び800℃の各温度に2時間保持する焼成を行なうことによって、焼成温度が異なる各Sr固溶Zr系複合酸化物を得た。
いずれのSr固溶Zr系複合酸化物もその組成は、ZrO:Nd:Pr11:SrO=77:13:7:3(モル比)であり、Sr固溶量は1.2質量%である。
なお、Zr源、Nd源、Pr源及びSr源としては、例えば、酢酸塩を採用することもでき、塩基性溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液など他の溶液を採用することもできる。
-Sr固溶Zr系複合酸化物のSr濃度及び比表面積-
この焼成温度が異なる各Sr固溶Zr系複合酸化物の一次粒子表面のSr濃度(XPS法で測定した濃度)及び二次粒子の比表面積は表1に示すとおりである。XPS法によるSr濃度の測定条件は次のとおりである。
X線源:AlKα線
検出領域:30μmφ
検出深さ:1~2nm
XPSスペクトルの中のZr、Nd、Pr及びSr各々の3d軌道の4つのピークに着目し、これらのピーク強度の比率よりSr濃度を算出した。
表1によれば、焼成温度が高くなるほど、Sr濃度が高くなり、比表面積が小さくなっている。
Figure 2022169265000002
-触媒の粒子状物質燃焼性評価-
上記Sr濃度及び比表面積が異なる各Sr固溶Zr系複合酸化物をPt-Pd/Al触媒粉末と混合した。各混合粉末をバインダ及びイオン交換水を混合し、ボールミルによって粉砕することによりスラリーを調製した。各スラリーをDPFにコーティングし、乾燥(150℃)及び焼成(大気中において500℃の温度に2時間保持)を行なうことにより、評価用の各触媒付DPFを調製した。
Pt-Pd/Al触媒粉末は、活性アルミナにPt及びPdを蒸発乾固法によって担持したものであり、Pt源としてはジニトロジアミン白金(II)硝酸溶液を採用し、Pd源としては、硝酸パラジウム(II)溶液を採用した。
DPFとしては、セル壁厚さ16mil(4.064×10-1mm)、1平方インチ(645.16mm2)当たりのセル数178のSiC製ハニカム状フィルタ(容量11mL)を採用した。DPF1リットル当たりのSr固溶Zr系複合酸化物の担持量は15g/L、Pt-Pd/Al触媒粉末の担持量は10.2g/Lである。
そうして、各触媒付DPFの排気ガス通路壁部に粒子状物質としてカーボンを5g/L堆積させた。各触媒付DPFを模擬ガス流通反応装置に取り付け、N雰囲気で640℃の温度まで上昇させた。DPF入口温度が640℃で安定した後、模擬排気ガス(O;7%,NO;300ppm,残N)を空間速度40000/hで流し、カーボンの燃焼によって生成するCO及びCO濃度をリアルタイムで測定した。そして、そのCO及びCO濃度に基いて、次式によりカーボン燃焼速度を求め、これから、1秒毎のカーボン燃焼量の積算値を求めて、カーボンが50%燃焼するために要した燃焼時間を算出した。
カーボン燃焼速度(g/h)
={ガス流速(L/h)×[(CO+CO2)濃度(ppm)/(1×106)]}×12(g/mol)/22.4(L/mol)
結果を表1及び図7に示す。図7の比表面積とカーボン燃焼時間の関係をみると、比表面積が小さくなるほどカーボン燃焼時間が短くなっている、つまり、カーボン燃焼性が良くなっている。この傾向は、一般則(固体触媒はその比表面積が大きくなるほど反応物との接触面積が大きくなるから触媒反応が効率良く進む)から外れ、逆の傾向である。これは、図7の比表面積とSr濃度の関係を示すグラフからわかるように、比表面積が小さくなるほどSr濃度が高くなっているためである。つまり、Sr固溶Zr系複合酸化物の一次粒子表面のSr濃度が高くなり、粒子表面付近の酸素欠陥が多くなって酸素イオン伝導性が向上した結果、カーボン燃焼性が良くなっていると認められる。表1及び図7によれば、Sr濃度が2.4mol%以上(比表面積が71m/g以下)において、カーボン燃焼時間が80秒以下になっている。
比表面積は、上記一般則から言えば、大きい方が良いので、75m/g程度であってもよい。
表1から明らかなように、Sr固溶Zr系複合酸化物調製時の焼成温度が高くなるほど、上記Sr濃度が高くなる。従って、このSr濃度を2.8mol%よりも高くすることも可能であるが、それに伴う比表面積の低下は当該複合酸化物の硬度上昇を招く。この硬度が高くなると、触媒を粉砕することが難しくなるため、触媒を担体にコーティングするときのスラリー化に支障が出る。よって、上記Sr濃度は2.8mol%以下にすること(上記比表面積は40m/g以上にすること)が好ましい。
なお、上記実施形態は本発明に係る粒子状物質燃焼触媒をDPFに担持する例であるが、この触媒は、筒内直接噴射式のガソリンエンジンの排気ガス中に含まれる粒子状物質の燃焼除去に利用すべく、GPFに担持させて当該ガソリンエンジンの排気ガス通路に配置することもできる。
1 DPF
2 排気ガス流入路(排気ガス通路)
3 排気ガス流出路(排気ガス通路)
6 細孔(排気ガス通路)
7 触媒層
11 排気通路
12 一次粒子
13 酸素欠陥
14 粒子状物質

Claims (5)

  1. エンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質を燃焼させるための粒子状物質燃焼触媒であって、
    Zr系酸化物にSrが固溶してなるSr固溶Zr系複合酸化物を含有し、
    上記Sr固溶Zr系複合酸化物は、Sr固溶量が1.2質量%以下であり、
    上記Sr固溶Zr系複合酸化物の少なくとも一部の一次粒子は、X線光電子分光法による表面分析によって測定される、粒子表面の全金属元素中のSr濃度が2.4mol%以上2.8mol%以下であることを特徴とする粒子状物質燃焼触媒。
  2. 請求項1において、
    上記Sr固溶Zr系複合酸化物の比表面積が40m/g以上75m/g以下であることを特徴とする粒子状物質燃焼触媒。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記Sr固溶Zr系複合酸化物は、Zr、Nd及びSrを含有することを特徴とする粒子状物質燃焼触媒。
  4. 請求項1又は請求項2において、
    上記Sr固溶Zr系複合酸化物は、Zr、Nd、Pr及びSrを含有することを特徴とする粒子状物質燃焼触媒。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    上記Sr固溶Zr系複合酸化物に触媒金属として貴金属が担持されていることを特徴とする粒子状物質燃焼触媒。
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