JP2019171323A - パティキュレート浄化用触媒材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
<パティキュレート浄化用触媒材>
実施形態1に係るパティキュレート浄化用触媒材1(以下、「触媒材1」と称することがある。)は、内燃機関の排気ガス中に含まれる炭素を主成分とするパティキュレート(以下、「PM」と称する。)を浄化するためのものである。
Zr系酸化物材11は、Zrを含有する酸化物である。Zr系酸化物材11は、Zrに加え、1種以上のCe以外の希土類元素RE(追加の希土類元素)を含む複合酸化物であってもよい。ZrとCe以外の希土類元素を含む複合酸化物は、優れたPM燃焼性能を有するため、パティキュレート浄化用触媒材1のパティキュレート燃焼性能の向上に資することができる。Ce以外の希土類元素は、具体的には例えば、Pr、Nd、Y、La、及びScの群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくはPr、Ndを含有するZrPrNd複合酸化物や、Pr、Yを含有するZrPrY複合酸化物である。
Pr系複合酸化物材12は、Zr系酸化物材11にドープされている。Prと希土類元素とを含むPr系複合酸化物材12として、Zr系酸化物材にドープさせた状態とすることで、Pr酸化物の耐シンタリング性を向上させることができる。Pr系複合酸化物材12をZr系酸化物材11にドープさせた状態とすることで、Pr酸化物の耐シンタリング性をさらに向上させて、パティキュレート燃焼性能の高いパティキュレート浄化用触媒材をもたらすことができる。
触媒材1の製造工程は、図2に示すように、共沈工程S1と、添加工程S2と、乾燥工程S3と、粉砕工程S4と、焼成工程S5とを備えている。
共沈工程S1は、Zr塩と、必要に応じてCe以外の希土類元素とをアルカリ性条件下、共沈させて第1共沈物を得る工程である。
添加工程S2は、共沈工程S1で得られた第1共沈物に対し、Pr塩とPr以外の希土類元素を含有する塩とを加え、さらに塩基性溶液を添加して中和させることで、Pr複合酸化物を析出沈殿、すなわちさらに共沈させることにより第2共沈物を得る工程である。この第2共沈物を遠心分離し、上澄み液を除去する脱水操作と、イオン交換水を加えて撹拌する水洗操作とを交互に必要回数繰り返す。そうして、ゲル状の第2共沈物を得る。
乾燥工程S3は、上記添加工程S2で得られた第2共沈物を乾燥させる工程である。乾燥方法は、限定する意図ではないが、具体的には例えば、空気中において100℃〜180℃程度で5時間〜24時間程度保持することにより乾燥させることができる。
粉砕工程S4は、上記乾燥工程S3で乾燥させた第2共沈物を所望の大きさとなるように粉砕する工程である。粉砕工程S4では、例えばボールミル等により第2共沈物を所望の平均粒径D50となるまで粉砕する。
焼成工程S5は、上記粉砕工程S4で粉砕した第2共沈物を焼成させる工程である。焼成条件は、限定する意図ではないが、具体的には例えば、空気中において300℃〜700℃の温度で1時間〜4時間程度保持することにより焼成させることができる。
上記のごとく調製された触媒材1は、Zr酸化物(ZrO2)、Pr酸化物(Pr2O3)及び希土類元素酸化物(REOx)からなる組成を有する。
ここに、触媒材1は、Zrと、Prと、1種以上のPr以外の希土類元素とを含有する酸化物材ということができる。触媒材1中において、Prは、Pr以外の金属元素と複合酸化物を形成しており、特に、Prの少なくとも一部は、触媒材1中において、Pr以外の希土類元素と複合酸化物を形成した状態で存在している。そして、Prは、Pr酸化物、特にPr6O11として含有されていない。
触媒材1は、例えば内燃機関の排気ガス通路に配置されるPM捕集用のパティキュレートフィルタに担持されて使用され得る。触媒材1のパティキュレートフィルタへの担持方法は特に限定されるものではなく一般的な方法を採用することができるが、具体的には例えば、以下のように担持することができる。すなわち、触媒材1は、他の触媒材や、サポート材、そしてバインダ材等とともにイオン交換水に混合され、触媒材1を含むスラリーが調製される。そして、コージェライト、SiC、Si3N4、サイアロン、AlTiO3のような無機多孔質材料から形成されたハニカム構造等を有するフィルタ本体の出口側から、上記スラリーを吸引して、フィルタ本体に含ませる。その後、余分なスラリーをエアブローで除去した後、大気中においてスラリーの乾燥(150℃)及び焼成(500℃で2時間保持)を行う。これにより、フィルタ本体に触媒材1が担持される。
以下、本発明に係る他の実施形態について説明する。なお、これらの実施形態の説明において、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
実施例1〜4及び比較例1〜4の触媒材の構成を表1に示す。
Zr系酸化物材11としてのZrYPrOxに、Pr系複合酸化物材12としてのPrYOxをドープさせた、触媒材1としてのZrYPrOx(組成;70モル%ZrO2−8モル%Y2O3−22モル%Pr2O3)を調製した。
Pr塩の共沈工程及び添加工程における添加比率(共沈工程におけるPr塩量/添加工程におけるPr塩量)は0.75/0.25であった。また、Y塩の共沈工程及び添加工程における添加比率(共沈工程におけるY塩量/添加工程におけるY塩量)は0.75/0.25であった。
Pr塩の共沈工程及び添加工程における添加比率(共沈工程におけるPr塩量/添加工程におけるPr塩量)は0.5/0.5であった。また、Y塩の共沈工程及び添加工程における添加比率(共沈工程におけるY塩量/添加工程におけるY塩量)は0.5/0.5であった。
Zr系酸化物材11としてのZrNdPrOxに、Pr系複合酸化物材12としてのPrNdOxをドープさせた、触媒材1としてのZrNdPrOx(組成;70モル%ZrO2−8モル%Nd2O3−22モル%Pr2O3)を調製した。
添加工程を設けず、Zr塩、Pr塩、Y塩の全てを共沈工程で加えた以外は、実施例1と同様に触媒材としてのZrYPrOx粉末を得た。
Y塩を全て共沈工程で加えた。そして、添加工程では、硝酸プラセオジウム6水和物の水溶液を加えた。なお、Pr塩の共沈工程及び添加工程における添加比率(共沈工程におけるPr塩量/添加工程におけるPr塩量)は0.5/0.5であった。
添加工程を設けず、Zr塩、Pr塩、Nd塩の全てを共沈工程で加えた以外は、実施例4と同様に触媒材としてのZrNdPrOx粉末を得た。
オキシ硝酸ジルコニウム、及び硝酸ネオジム6水和物をイオン交換水に溶かした後、この硝酸塩溶液に28質量%アンモニア水の8倍希釈液を混合して中和させることにより、共沈物を得た。この共沈物を遠心分離し、上澄み液を除去する脱水操作と、イオン交換水を加えて撹拌する水洗操作とを交互に3回程度数繰り返し、最終的にゲル状の共沈生成物を得た(共沈工程)。この共沈生成物を空気中において150℃の温度で一昼夜乾燥させた後(乾燥工程)、空気中において500℃の温度に2時間保持する焼成を行うことにより、ZrNdOx粉末(90モル%ZrO2−10モル%Nd2O3)を得た(焼成工程)。
実施例1〜4及び比較例1〜4の触媒材に対し、大気雰囲気中で800℃の温度に24時間保持するエージングを施した。その後、以下の方法で各触媒特性を調べた。
評価実験1として、カーボン燃焼反応に寄与する内部酸素放出特性への影響を以下の方法で調べた。
評価実験2として、上記エージング済みの各複合酸化物粉末についてX線回折測定(XRD)を実施した。蛍石型構造に由来する(220)反射ピーク位置から、ZrREPrOxの形成、及びPrREOxの形成、すなわちPrOxに対するRE(RE=Y、Nd)の固溶の有無について考察した。結果を図4(RE=Y)及び図5(RE=Nd)に示す。
評価実験3として、真空中での酸素放出特性の低温化効果を以下の方法により調べた。
評価実験4として、Zr系酸化物において特徴的な酸素交換反応特性への影響を以下の方法により調べた。
11 Zr系酸化物材
12 Pr系複合酸化物材
S1 共沈工程
S2 添加工程
S3 乾燥工程
S4 粉砕工程
S5 焼成工程
Claims (5)
- Prを含有し、内燃機関の排気ガス中に含まれるパティキュレートを浄化するためのパティキュレート浄化用触媒材であって、
前記Prは、該Prと1種以上のPr以外の金属元素とを含有する複合酸化物として含有されており、
Zrを含有するZr系酸化物材と、
前記Zr系酸化物材にドープされ、Prと、1種以上のPr以外の希土類元素とを含むPr系複合酸化物材とを備えた
ことを特徴とするパティキュレート浄化用触媒材。 - 請求項1において、
前記パティキュレート浄化用触媒材に含有されるPrは、Pr6O11を形成していない
ことを特徴とするパティキュレート浄化用触媒材。 - 請求項1又は請求項2において、
前記希土類元素は、Nd及び/又はYである
ことを特徴とするパティキュレート浄化用触媒材。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記Zr系酸化物材は、Zrと、追加の希土類元素とを含む複合酸化物であり、
前記追加の希土類元素は、1種以上のCe以外の希土類元素である
ことを特徴とするパティキュレート浄化用触媒材。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のパティキュレート浄化用触媒材を製造する方法であって、
Zr塩を共沈させて第1共沈物を得る共沈工程と、
前記第1共沈物に対し、Pr塩と希土類元素を含有する塩とを加えて共沈させることにより第2共沈物を得る添加工程と、
前記第2共沈物を乾燥させる乾燥工程と、
乾燥させた前記第2共沈物を焼成させる焼成工程とを備えた
ことを特徴とするパティキュレート浄化用触媒材の製造方法。
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CN112589090A (zh) * | 2020-11-06 | 2021-04-02 | 中国科学院金属研究所 | 一种单质态和氧化态共混的金属纳米粉末的制备方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002535135A (ja) * | 1999-01-28 | 2002-10-22 | エンゲルハード・コーポレーシヨン | 酸素貯蔵成分を含有する触媒組成物 |
JP2013154309A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Mazda Motor Corp | 排ガス成分浄化触媒材及びそれを備えた触媒材付きパティキュレートフィルタ |
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