JP2010091299A - 可燃性ガス検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン化合物に起因した検出精度低下を招くことなく、低濃度領域から高濃度領域に亘って可燃性ガス濃度を検出する
【解決手段】高温目標温度に対応する抵抗値となるように通電される高温用発熱抵抗体221と、高温目標温度より低く設定された低温目標温度に対応する抵抗値となるように通電される低温用発熱抵抗体211を有し、高温用発熱抵抗体221の端子間電圧(高温側電圧VH)に基づき可燃性ガス濃度(以下、第1演算ガス濃度という)を演算すると共に(S60)、低温用発熱抵抗体211の端子間電圧(低温側電圧VL)に基づき可燃性ガス濃度(以下、第2演算ガス濃度という)を演算する(S150)。そして、第1演算ガス濃度又は第2演算ガス濃度と第1判定値又は第2判定値とを比較し(S80,S170)、この比較結果に基づき、第1演算ガス濃度又は第2演算ガス濃度を検出結果として採用する(S90,S180)。
【選択図】図6

Description

本発明は、被検出雰囲気内に配置された発熱抵抗体を備えて、被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスのガス濃度を検出する可燃性ガス検出装置に関する。
固体電解質体に空気極と燃料極とを設け、空気極に空気を供給するとともに燃料極に燃料ガスを供給し、空気中の酸素と燃料ガス中の水素とを固体電解質体を介して化学反応させることによって電力を発生させる燃料電池が知られている。
上述のように燃料電池は水素を燃料に用いるために、燃料電池はその安全対策が重要となる。すなわち燃料電池には、水素の爆発限界以下の低濃度を検出することができる可燃性ガス検出装置が必要とされる。
さらに、燃料として使用している水素をより効率的に使用するために、燃料電池には、燃料ガス中の高い水素濃度を検出することができる可燃性ガス検出装置が必要とされる。
従来、互いに異なる温度に制御される2つの熱伝導式用発熱抵抗体の各端子間電圧に基づいて、被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスのガス濃度を検出する可燃性ガス検出装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような可燃性ガス検出装置では、1つの熱伝導式用発熱抵抗体の端子間電圧に基づいて、可燃性ガスのガス濃度を演算するとともに、互いに異なる温度に制御される2つの熱伝導式用発熱抵抗体の各端子間電圧に基づいて、被検出雰囲気内の湿度を演算する。そして、この可燃性ガス検出装置は、演算された湿度を用いて、演算されたガス濃度を補正し、この補正値を、検出結果として採用していた。
しかし、特許文献1に記載の可燃性ガス検出装置のガス濃度検出可能範囲は、低濃度領域に限定されていた。この理由を以下に説明する。
熱伝導式用発熱抵抗体を備えた可燃性ガス検出装置は、一定温度に制御された発熱抵抗体の端子間電圧が、被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスの熱伝導率変化に伴って変化することに基づいて、可燃性ガスの濃度を検出する。
図7は、互いに異なる温度(150℃と300℃)に制御される2つの熱伝導式用発熱抵抗体の端子間電圧と水素ガス濃度との関係を示すグラフである。
図7に示すように、水素ガス濃度の増加に伴い、2つの熱伝導式用発熱抵抗体の端子間電圧が上昇する。そして、制御温度が高い方が、水素ガス濃度の増加に対する端子間電圧の変化率が大きい。すなわち、制御温度を高くすることにより、水素ガス濃度の検出感度を向上させることができる。
しかし、制御温度を高くすると発熱抵抗体の端子電圧が上昇する。そして、発熱抵抗体の端子電圧を検出する回路(以下、端子電圧検出回路という)には検出可能電圧の上限値が存在する。このため、制御温度を高くするほど、端子電圧検出回路が検出可能な端子間電圧の範囲が狭くなる。これにより、可燃性ガス検出装置のガス濃度検出可能範囲が小さくなる。つまり、水素ガス濃度の検出感度を向上させるほど、ガス濃度検出可能範囲が狭くなる。このため、高い濃度検出感度が要求される低濃度領域で使用される可燃性ガス検出装置では、ガス濃度検出可能範囲が低濃度領域に限定される。
これに対し、低濃度領域だけではなく高濃度領域においても可燃性ガスのガス濃度を検出することができる可燃性ガス検出装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。このような可燃性ガス検出装置は、接触燃焼式用発熱抵抗体と熱伝導式用発熱抵抗体とを備え、一方の発熱抵抗体を低濃度領域検出用、他方の発熱抵抗体を高濃度領域検出用として利用している。
特開2008−180542号公報 特許第3929845号公報
しかし、耐熱性を備えた有機シリコン系のシール材や配管などが上述の燃料電池に使用されているために、被検出雰囲気内にはシール材や配管などから発生するシリコン化合物が存在する。このため、上記特許文献2に記載の可燃性ガス検出装置が燃料電池に使用される場合には、シリコン化合物が、接触燃焼式用発熱抵抗体を備えた接触燃焼式ガスセンサで使用される触媒に堆積する。これにより、上記特許文献2に記載の可燃性ガス検出装置では、接触燃焼式ガスセンサによるガス濃度検出の精度が低下するという問題があった。
または、上記特許文献2に記載の可燃性ガス検出装置が自動車の室内に搭載される場合には、車室内の樹脂部品から有機シリコンが気化して接触燃焼式ガスセンサで使用される触媒に付着し、接触燃焼式ガスセンサによるガス濃度検出の精度が低下するという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、シリコン化合物に起因したガス濃度検出精度低下を招くことなく、低濃度領域から高濃度領域に亘って可燃性ガスのガス濃度を検出することができる可燃性ガス検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、被検出雰囲気内に配置されて、可燃性ガスへの熱伝導によって自身の温度が変化するとともに自身の抵抗値が変化する第1発熱抵抗体を有し、この第1発熱抵抗体が予め設定された第1目標温度に対応する抵抗値となるように通電される第1熱伝導式ガス検出部と、被検出雰囲気内に配置されて、可燃性ガスへの熱伝導によって自身の温度が変化するとともに自身の抵抗値が変化する第2発熱抵抗体を有し、この第2発熱抵抗体が第1目標温度より低く設定された第2目標温度に対応する抵抗値となるように通電される第2熱伝導式ガス検出部と、第1発熱抵抗体の抵抗値に対応した第1出力値を検出する第1出力検出手段と、第2発熱抵抗体の抵抗値に対応した第2出力値を検出する第2出力検出手段と、第1出力検出手段により検出された第1出力値に基づいて、被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスのガス濃度である第1演算ガス濃度を演算する第1濃度演算手段と、第2出力検出手段により検出された第2出力値に基づいて、被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスのガス濃度である第2演算ガス濃度を演算する第2濃度演算手段とを備えて、被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスのガス濃度を検出する可燃性ガス検出装置であって、第1演算ガス濃度または第2演算ガス濃度の何れかと、予め設定された比較判定値とを比較する濃度比較手段と、濃度比較手段による比較結果に基づいて、第1演算ガス濃度または第2演算ガス濃度の何れかを、当該可燃性ガス検出装置の検出結果として採用する検出結果採用手段を備えることを特徴とする可燃性ガス検出装置である。
このように構成されたガスセンサでは、第1出力検出手段が、第1目標温度に対応する抵抗値となるように通電される第1発熱抵抗体の抵抗値に対応した第1出力値を検出するとともに、第2出力検出手段が、第1目標温度より低く設定された第2目標温度に対応する抵抗値となるように通電される第2発熱抵抗体の抵抗値に対応した第2出力値を検出する。
また第1濃度演算手段が、第1出力検出手段により検出された第1出力値に基づいて可燃性ガスのガス濃度である第1演算ガス濃度を演算するとともに、第2濃度演算手段が、第2出力検出手段により検出された第2出力値に基づいて可燃性ガスのガス濃度である第2演算ガス濃度を演算する。
さらに濃度比較手段が、第1演算ガス濃度または第2演算ガス濃度の何れかと、予め設定された比較判定値とを比較する。
そして検出結果採用手段が、濃度比較手段による比較結果に基づいて、第1演算ガス濃度または第2演算ガス濃度の何れかを、当該可燃性ガス検出装置の検出結果として採用する。
このため、第1発熱抵抗体を用いて検出されたガス濃度(第1演算ガス濃度)、または第2発熱抵抗体を用いて検出されたガス濃度(第2演算ガス濃度)の何れかを、可燃性ガスのガス濃度に応じて、選択することができる。
これにより、第1発熱抵抗体および第2発熱抵抗体のうち、設定される目標温度が高い第1発熱抵抗体を、高い濃度検出感度が要求される領域で使用するとともに、設定される目標温度が低い第2発熱抵抗体を、高い濃度検出感度が要求されない領域で使用するという選択が可能となる。そして、設定される目標温度が低い第2発熱抵抗体は、検出可能なガス濃度範囲が、設定される目標温度が高い第1発熱抵抗体よりも広い。
したがって、請求項1に記載の可燃性ガス検出装置によれば、高い濃度検出感度が要求される領域において可燃性ガスのガス濃度を高い濃度検出感度で検出することができるとともに、可燃性ガスを検出可能なガス濃度範囲を広くすることができる。
例えば、燃料電池の水素ガス濃度を検出する可燃性ガス検出装置では、水素の爆発限界以下の低濃度を高い濃度検出感度で検出する必要がある。このため、濃度比較手段による比較結果に基づき、ガス濃度が比較判定値未満である場合には、第1演算ガス濃度を当該可燃性ガス検出装置の検出結果として採用し、濃度比較手段による比較結果に基づき、ガス濃度が比較判定値以上である場合には、第2演算ガス濃度を当該可燃性ガス検出装置の検出結果として採用するようにするとよい。
なお、濃度比較手段が、比較判定値と比較するガス濃度として、第1演算ガス濃度または第2演算ガス濃度の何れかを選択する際の選択条件としては、以下に示すものを採用するようにしてもよい。
すなわち、濃度比較手段は、検出結果採用手段が当該可燃性ガス検出装置の検出結果として第1演算ガス濃度を採用している状況においては、第1演算ガス濃度と比較判定値とを比較し、検出結果採用手段が当該可燃性ガス検出装置の検出結果として第2演算ガス濃度を採用している状況においては、第2演算ガス濃度と比較判定値とを比較するようにしてもよい。
ただし、当該可燃性ガス検出装置が起動した直後に初めて濃度比較手段が比較を行うときには、検出結果採用手段は、第1演算ガス濃度および第2演算ガス濃度の何れも採用していない状況である。このため、当該可燃性ガス検出装置が起動した直後において比較判定値と比較するガス濃度として、第1演算ガス濃度または第2演算ガス濃度の何れか一方を予め決定しておくようにしてもよい。
また、第1熱伝導式ガス検出部および第2熱伝導式ガス検出部は、接触燃焼式ガスセンサで使用される触媒を有していない。このため、シリコン化合物が触媒に付着することに起因してガス濃度検出の精度が低下するという事態は発生しない。
以上より、シリコン化合物に起因したガス濃度検出精度低下を招くことなく、低濃度領域から高濃度領域に亘って可燃性ガスのガス濃度を検出することができる。
なお、請求項1に記載の可燃性ガス検出装置においては、請求項2に記載のように、第1発熱抵抗体で検出可能なガス濃度範囲は、第2発熱抵抗体で検出可能なガス濃度範囲に含まれるようにしてもよい。
また、請求項1または請求項2に記載の可燃性ガス検出装置においては、請求項3に記載のように、被検出雰囲気内の環境温度を検出する温度検出手段を備え、第1濃度演算手段は、温度検出手段により検出された環境温度をも用いて、第1演算ガス濃度を演算し、第2濃度演算手段は、温度検出手段により検出された環境温度をも用いて、第2演算ガス濃度を演算するようにするとよい。
このように構成された可燃性ガス検出装置によれば、被検出雰囲気内の環境温度を考慮した分、可燃性ガスのガス濃度をより正確に検出することができる。
また、請求項3に記載の可燃性ガス検出装置においては、請求項4に記載のように、第1出力検出手段により検出された第1出力値、第2出力検出手段により検出された第2出力値、及び温度検出手段により検出された環境温度に基づいて、被検出雰囲気内の湿度を演算する湿度演算手段を備え、第1濃度演算手段は、湿度検出手段により検出された湿度をも用いて、第1演算ガス濃度を演算し、第2濃度演算手段は、湿度検出手段により検出された湿度をも用いて、第2演算ガス濃度を演算するようにするとよい。
このように構成された可燃性ガス検出装置によれば、被検出雰囲気内の湿度を考慮した分、可燃性ガスのガス濃度をより正確に検出することができる。
ところで、上記の比較判定値として1つの値のみが設定されている場合には、可燃性ガスのガス濃度が比較判定値近傍で頻繁に変動する状況下において、検出結果採用手段が採用する検出結果が、第1演算ガス濃度と第2演算ガス濃度との間で頻繁に切り替わる現象(ハンチング現象)が発生するおそれがある。
そこで、請求項1〜請求項4の何れかに記載の可燃性ガス検出装置においては、請求項5に記載のように、濃度比較手段は、第1演算ガス濃度と比較するために予め設定された第1判定値と、第2演算ガス濃度と比較するために第1判定値と異なるように設定された第2判定値とを有し、第1演算ガス濃度を用いて比較する場合には、比較判定値として第1判定値を用い、第2演算ガス濃度を用いて比較する場合には、比較判定値として第2判定値を用いるようにするとよい。
このように構成された可燃性ガス検出装置では、検出結果採用手段が当該可燃性ガス検出装置の検出結果として第1演算ガス濃度を採用している状況においては、濃度比較手段に第1演算ガス濃度と第1判定値とを比較させ、検出結果採用手段が当該可燃性ガス検出装置の検出結果として第2演算ガス濃度を採用している状況においては、濃度比較手段に第2演算ガス濃度と第2判定値とを比較させることができる。
そして、第1判定値と第2判定値とは値が相違するため、検出結果採用手段が当該可燃性ガス検出装置の検出結果として第1演算ガス濃度を採用している状況から第2演算ガス濃度を採用する状況に遷移するときの可燃性ガスのガス濃度と、第2演算ガス濃度を採用している状況から第1演算ガス濃度を採用する状況に遷移するときの可燃性ガスのガス濃度とが相違する。
したがって、可燃性ガスのガス濃度が或る値の近傍で頻繁に変動することに起因して、検出結果採用手段が採用する検出結果が、第1演算ガス濃度と第2演算ガス濃度との間で頻繁に切り替わる現象(ハンチング現象)が発生するのを抑制することができる。
ただし、第1判定値と第2判定値との間には、以下に示す大小関係がある必要がある。すなわち、可燃性ガスのガス濃度が増加していくことにより、検出結果採用手段により採用される検出結果が第1演算ガス濃度と第2演算ガス濃度との間で切り替わる時の判定値を増加方向判定値とし、可燃性ガスのガス濃度が減少していくことにより、検出結果採用手段により採用される検出結果が第1演算ガス濃度と第2演算ガス濃度との間で切り替わる時の判定値を減少方向判定値とした場合に、増加方向判定値を減少方向判定値より大きくする必要がある。具体的には、第1判定値が増加方向判定値であり第2判定値が減少方向判定値である場合には、第1判定値は第2判定値より大きい。一方、第2判定値が増加方向判定値であり第1判定値が減少方向判定値である場合には、第1判定値は第2判定値より小さい。
また、請求項1〜請求項5の何れかに記載の可燃性ガス検出装置においては、請求項6に記載のように、当該可燃性ガス検出装置の検出結果として検出結果採用手段により採用されなかったガス濃度に対応する、第1発熱抵抗体または第2発熱抵抗体の何れかへの通電を停止する通電停止手段を備えるようにするとよい。
このように構成された可燃性ガス検出装置によれば、可燃性ガスのガス濃度の検出に用いられていない発熱抵抗体が無駄に通電されるのを抑制することができる。これにより、可燃性ガス検出装置の消費電力を低減できるとともに、可燃性ガス検出装置の寿命を向上させることができる。
なお、設定される目標温度が高い第1発熱抵抗体への通電を停止するとよい。このようにすれば、高い検知精度が要求される発熱抵抗体の寿命を向上させることができる。
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
図1は本発明が適用された可燃性ガス検出装置1の断面図、図2は素子ケース20周辺部分の断面図、図3はガス検出素子60の平面図、図4は図3のA−A断面部を示す図、図5は制御回路200の概略構成を示すブロック図である。
本発明が適用された可燃性ガス検出装置1は、熱伝導式ガス検出素子であるガス検出素子60を備え、可燃性ガスの濃度を検出する可燃性ガス検出装置である。
この可燃性ガス検出装置1は、例えば、自動車の燃料電池ユニットが備える配管に搭載され、配管を通じて排出される被検出ガス中に含まれる水素を検出する目的等に用いられる。また、可燃性ガス検出装置1は、被検出ガス中に含まれる可燃性ガスを検出するための制御回路200およびマイクロコンピュータ94(以下、マイコン94ともいう)などを備えている。
可燃性ガス検出装置1は、図1に示すように、被検出ガスを検出するガス検出素子60を収容する素子ケース20と、この素子ケース20を支持するとともに、ガス検出素子と電気的に接続された回路基板41を収容する収容ケース40とを備えて構成される。
なお、ここでは、図1における上下方向を可燃性ガス検出装置1における上下方向とし、図1における左右方向を可燃性ガス検出装置1における左右方向として説明する。
まず、収容ケース40の構成を説明する。
収容ケース40は、ケース本体42と、ケース本体42の上端部に設けられた開口を覆う蓋であるケース蓋44とを備えて構成されている。そして収容ケース40は、その内部に、回路基板41、マイコン94及び発熱体50,51を備えている。以下、収容ケース40を構成する各部材について詳述する。
ケース本体42は、上面および下面に開口を有し、所定の高さを有する容器であり、素子ケース20の鍔部38を保持する保持部46と、回路基板41の周縁部を保持する回路基板保持部45とを備えている。また、ケース本体42の上面に備えられる開口は、この開口を塞ぐための合成樹脂からなるケース蓋44を配置可能に構成されている。
またケース本体42は、ケース本体42の下部中央に形成された流路形成部43と、ケース本体42の側部に形成され、外部給電するためのコネクタ55とを備えている。
流路形成部43の内部には、被検出ガスを導入及び排出するための素子ケース20の導入部35が収納されている。このように素子ケース20は、その一部を収容ケース40内部に配置させた状態で保持部46により保持されている。また、この素子ケース20の鍔部38とケース本体42との間には、これらの隙間をシール(密閉)するシール部材47が配置されている。
コネクタ55は、回路基板41及びマイコン94に電気を供給するためのものであり、ケース本体42の外側面に組み付けられている。このコネクタ55の内部には、ケース本体42の側壁から突出する複数のコネクタピン56,57が設けられている。コネクタピン56,57はそれぞれ、ケース本体42の側壁に埋め込まれた配線(図示せず)を介して回路基板41及びマイコン94に電気的に接続されている。
回路基板41は、所定の厚みを有する板状の基板であり、被検出ガス中に含まれる可燃性ガスを検出するための制御回路200(図5を参照)と、発熱体50,51の温度を制御するための温度制御回路(図示せず)とを備えている。
この制御回路200は、接続端子24〜28により、ガス検出素子60の各電極(後述する電極膜371,373,391及びグランド電極膜372,392(図3及び図5を参照))とそれぞれ電気的に接続されている。また温度制御回路と発熱体50,51とは、リード線52,53により電気的に接続されている。なお、図示していないが、リード線52,53は、それぞれ2本ずつ備えられている。また、回路基板41に備えられた制御回路200の構成については後述する。
回路基板41の下面に備えられたマイコン94は、制御回路200の出力に基づき、被検出ガス中に含まれる可燃性ガスの濃度を演算する処理(センサ出力演算処理)や、温度制御回路の出力に基づき、発熱体50,51の発熱量(温度)を制御する処理(温度制御処理)などの各種処理を実行するものである。このマイコン94は、少なくとも、これらのセンサ出力演算処理や発熱体50,51の温度制御処理を実行するためのプログラムを格納する記憶装置と、この記憶装置に記憶されたプログラムを実行するCPUとを備えて構成されている。
次に、発熱体50,51について説明する。
発熱体50,51は、収容ケース40を介して、または直接に素子ケース20を加熱し、素子ケース20の内側面の温度を露点より高い温度に保つためのものである。発熱体50,51は、例えば、電子部品等で用いられる抵抗体や、フィルムヒータなどを用いて構成される。
そして発熱体50,51は、検出空間39を形成する素子ケース20の内側面を効率的に加熱するために、収容空間59を取り囲む収容空間形成面58のうち検出空間39に接触する部材に熱を伝達できる部位に配置するのが好ましい。あるいは、発熱体50,51は、検出空間39に接触する部材である素子ケース20に熱を効率的に伝達できる部位に配置することが好ましい。例えば発熱体50,51は、素子ケース20のうち収容空間形成面58を構成する部分に配置することができ、あるいは、収容空間形成面58を構成する収容ケース40の内側面のうち素子ケース20に隣接した領域(保持部46が形成される面と同一の面)に配置することができる。
発熱体50,51の発熱量は、検出空間39を形成する素子ケース20の内側面の温度が、被検出ガスの露点より高い温度となるように設定することが好ましい。これにより、被検出ガスが、素子ケース20の内側面にて被検出ガスの露点以下に冷却され、検出空間39内で結露することを防ぐことができる。また通常、被検出ガスが露点より高い温度を有するので、さらに好ましくは、発熱体50,51の温度を、被検出ガスの温度以上に設定することが好ましい。このような温度に設定することにより、被検出ガスが検出空間39を形成する素子ケース20の内側面にて冷却されて被検出ガスの温度が不安定になることを防ぐことができる。
このため可燃性ガス検出装置1は、被検出ガスの温度の高低に伴うガス検出素子60の温度特性の影響を低減し、被検出ガスに含まれる可燃性ガスをより高い精度で検出することができる。
この発熱体50,51は、例えば、公知の一定電圧制御、一定電力制御、またはPWM制御(パルス幅変調制御)により制御される。なお、発熱体50,51のように、複数の発熱体を設けた場合の制御方法は、各発熱体について同一の制御方法を採用してもよいし、互いに異なる制御方法を採用するようにしてもよい。また、発熱体50,51の制御方法を規定したプログラムは、マイコン94が備える記憶装置に記憶され、CPUにより実行される。
次に、可燃性ガス検出装置1を構成する素子ケース20について説明する。なお、ここでは、図2における上下方向を可燃性ガス検出装置1における上下方向とし、図2における左右方向を可燃性ガス検出装置1における左右方向として説明する。
素子ケース20は、図2に示すように、ガス検出素子60が設置される接続端子取出台21と、接続端子取出台21の周縁部を挟持するとともに、被検出ガスを導入する導入口に向かって突設された円筒状の壁面を有する検出空間形成部材22とを備えている。そして、素子ケース20の接続端子取出台21の周縁部には、検出空間形成部材22との間の隙間をシール(密閉)するシール部材48が配置されている。この接続端子取出台21及び検出空間形成部材22により囲まれた空間は、被検出ガスを導入するための検出空間39となっている。
接続端子取出台21は、ガス検出素子60を支持するための部材であり、少なくとも一部は、外側面に設けられた発熱体50の熱を伝導する熱伝導性を有する部材にて形成されることが好ましい。この接続端子取出台21の内側面には、ガス検出素子60が設けられている。また接続端子取出台21には、接続端子24〜28を個別に挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられ、各挿入孔の周縁部は絶縁性部材により覆われている。
この接続端子24〜28は、ガス検出素子60と回路基板41に備えられた回路とを電気的に接続するための部材であり、導電性部材により棒状に形成されている。各接続端子の一端は、接続端子取出台21に設けられた挿入孔にそれぞれ挿通され、接続端子取出台21に対して垂直に支持されている。
また検出空間形成部材22は、外側面にて被検出ガスと接する外筒36と、接続端子取出台21の周縁部を挟持する取出台支持部37と、収容ケース40により支持される鍔部38とを備えている。また検出空間形成部材22の下端部には、被検出ガスを検出空間39に導入する開口である導入口34が設けられている。
この導入口34の近傍には、被検出ガスをガス検出素子60に対して導入および排出するための流路を形成する導入部35が設けられている。そして、この導入部35には、導入口34から近い順に、撥水フィルタ29、スペーサ30、2枚の金網31,32が装填されている。そして、これらの部材は、検出空間形成部材22とフィルタ固定部材33とにより挟持固定されている。以下、導入部35を構成する部材について詳述する。
まず撥水フィルタ29は、導入口34に最も近い位置に取り付けられるフィルタであり、被検出ガス中に含まれている水滴を除去する撥水性を有する薄膜である。これより、水滴などが飛来する多湿環境下においても、ガス検出素子60が被水するのを防ぐことができる。また撥水フィルタ29は、物理的吸着により水滴を除去するものであればよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を利用したフィルタを適用することができる。
スペーサ30は、フィルタ固定部材33の内周壁に備えられ、被検出ガスが導入される開口を有する形状(平面視ではリング状)の部材であり、所定の厚みを有することにより、撥水フィルタ29と金網31,32との位置を調整している。
金網31,32は、所定の厚みと所定の開口部を有しており、ガス検出素子60に設けられた発熱抵抗体の温度が被検出ガスに含まれる水素ガスの発火温度よりも上昇して発火した場合であっても、火炎が外部に出るのを防止するフレームアレスタとしての機能を果たす。
フィルタ固定部材33は、撥水フィルタ29、スペーサ30、2枚の金網31,32を検出空間形成部材22との間で挟持固定するための部材である。フィルタ固定部材33は、検出空間形成部材22の内壁面と当接する筒状の壁面を有するとともに、その壁面の内面から内向きに突出する凸部を備えている。なお凸部は、撥水フィルタ29、スペーサ30、2枚の金網31,32を検出空間形成部材22との間で挟持固定するために備えられている。
次に、上述したガス検出素子60の構成について説明する。
ガス検出素子60は、マイクロマシニング技術を用いて製造されているもので、図4にて示すごとく、シリコン製半導体基板310を備えるとともに、シリコン製半導体基板310の上下両側に絶縁層(上側絶縁層323、下側絶縁層324)を備えている。上側絶縁層323は、シリコン製半導体基板310の表面に形成されており、一方、下側絶縁層324は、シリコン製半導体基板310の裏面に形成されている。
なお上側絶縁層323は、シリコン製半導体基板310の表面に形成した酸化シリコン膜321と、この酸化シリコン膜321の上に積層した窒化シリコン膜322とを備えて構成されている。また下側絶縁層324は、シリコン製半導体基板310の裏面に形成した酸化シリコン膜321と、この酸化シリコン膜321の上に積層した窒化シリコン膜322とを備えて構成されている。
シリコン製半導体基板310には、上側絶縁層323の裏面側において、複数の凹部311が間隔をおいて形成されている。また下側絶縁層324は、凹部311に対応する部位がそれぞれ除去されて、凹部311の開口部として形成されている。これにより上側絶縁層323は、その裏面のうち各凹部311に対する各対応裏面部にて、各凹部311の開口部を通して外方に露呈している。なおシリコン製半導体基板310は、各凹部311以外の部位にて基板部312を構成する。
またガス検出素子60は、図3及び図4に示すように、左右両側に配置された複数の発熱抵抗体330(左側発熱抵抗体331、右側発熱抵抗体332)を備え、また、左側、中央側及び右側にそれぞれ配置された複数の配線膜340(左側配線膜341、中央側配線膜342、右側配線膜343)を備えている。
左側発熱抵抗体331は、上側絶縁層323の表面のうち左側凹部313に対応する部位上に渦巻き状に形成されており、一方、右側発熱抵抗体332は、上側絶縁層323の表面のうち右側凹部314に対応する部位上に渦巻き状に形成されている。本実施形態において、2つの発熱抵抗体330(左側発熱抵抗体331、右側発熱抵抗体332)は、後述する各配線膜340(左側配線膜341、中央側配線膜342、右側配線膜343)と共に、白金抵抗材料で形成されている。
左側配線膜341は、図4に示すように、上側絶縁層323の表面の左側部上において、シリコン製半導体基板310の基板部312に対応して位置し、図3に示すように、左側発熱抵抗体331の一端に電気的に接続されるように形成されている。また中央側配線膜342は、上側絶縁層323の表面の中央部上にて、シリコン製半導体基板310の基板部312に対応して位置し、左側発熱抵抗体331の他端および右側発熱抵抗体332の一端に電気的に接続されるように形成されている。また右側配線膜343は、上側絶縁層323の表面の右側部上にて、シリコン製半導体基板310の基板部312に対応して位置し、右側発熱抵抗体332の他端に電気的に接続されるように形成されている。
またガス検出素子60は、図3及び図4に示すように、内側保護層350および外側保護層360を備えており、また、3つの電極膜370(左側電極膜371、中央電極膜372、右側電極膜373)を備えている。内側保護層350は、各配線膜340および各発熱抵抗体330を覆うように、上側絶縁層323の表面上に形成されている。また外側保護層360は、内側保護層350の上に積層状に形成されている。
次に、内側保護層350及び外側保護層360のうち左側、中央側および右側の各配線膜340(左側配線膜341、中央側配線膜342、右側配線膜343)に対応する各部位には、左側、中央側および右側のコンタクトホール361が形成されている。これにより、左側、中央側および右側の各配線膜340(左側配線膜341、中央側配線膜342、右側配線膜343)は、左側、中央側および右側のコンタクトホール361を介して、内側保護層350及び外側保護層360の外部と電気的に接続可能に備えられている。
そして、左側、中央側および右側のコンタクトホール361には、それぞれ左側、中央側および右側の電極膜370(左側電極膜371、中央電極膜372、右側電極膜373)が形成されている。左側、中央側および右側の電極膜370(左側電極膜371、中央電極膜372、右側電極膜373)は、左側、中央側および右側の各配線膜340(左側配線膜341、中央側配線膜342、右側配線膜343)と電気的に接続されている。
本実施形態では、ガス検出素子60において、左側発熱抵抗体331、左側および中央側の各配線膜340(左側配線膜341、中央側配線膜342)並びに左側および中央側の電極膜370(左側電極膜371、中央電極膜372)が、主として、左側熱伝導式ガス検出部381を構成している。また、右側発熱抵抗体332、中央側および右側の各配線膜340(中央側配線膜342、右側配線膜343)並びに中央側および右側の電極膜370(中央電極膜372、右側電極膜373)が、主として、右側熱伝導式ガス検出部382を構成する。
またガス検出素子60は、図3に示すように、測温抵抗体390を備えている。この測温抵抗体390は、白金(Pt)を含む測温抵抗材料で形成されており、上側絶縁層323と内側保護層350との間に薄膜抵抗体として形成されている。これにより、測温抵抗体390は、可燃性ガス検出装置1を配置した被検出雰囲気内の温度(以下、環境温度ともいう)を検出する。本実施形態では、測温抵抗体390の温度抵抗係数は、2つの発熱抵抗体330の各温度抵抗係数とほぼ同一となっている。
また、内側保護層350及び外側保護層360のうち、測温抵抗体390の左右両端部上に形成される各コンタクトホール(図示しない)内には、電極膜391、グランド電極膜392が形成されている。なお測温抵抗体390は、電極膜391、グランド電極膜392及びターミナル(図示しない)を介して、回路基板41(制御回路200)に接続されている。
次に、制御回路200の構成について説明する。
制御回路200は、図5に示すように、低温側ガス検出回路91、高温側ガス検出回路92、及び温度測定回路93を備えている。
そして低温側ガス検出回路91は、低温側ブリッジ回路210と電流調整回路230と演算増幅回路250とを備えている。
低温側ブリッジ回路210は、低温用発熱抵抗体211及び3個の固定抵抗212,213,214を備えており、ブリッジ回路を形成するように構成されている。さらに低温側ブリッジ回路210において、低温用発熱抵抗体211は、ガス検出素子60の左側熱伝導式ガス検出部381を構成する左側発熱抵抗体331で構成されている。低温用発熱抵抗体211は、その一端が接地されており、他端が固定抵抗212、固定抵抗213および固定抵抗214を介して接地されている。
そして低温側ブリッジ回路210は、低温用発熱抵抗体211及び固定抵抗212の共通端子と、固定抵抗213及び固定抵抗214の共通端子との間に生ずる電位差がゼロになるように、電流調整回路230から制御電圧が印加される。これにより、低温用発熱抵抗体211の抵抗値が一定に、つまり、左側発熱抵抗体331の温度が一定に制御されることになる。そして、低温用発熱抵抗体211及び固定抵抗212の共通端子に生じる電圧は、マイクロコンピュータ94に出力信号(電位VL)として入力される。
また電流調整回路230は、演算増幅回路250の出力に応じて、低温用発熱抵抗体211の抵抗値を一定温度(低温目標温度。例えば、150℃)に対応する値に維持するように、直流電源280の出力電圧Vccを用いて、低温側ブリッジ回路210への上記制御電圧を形成する。なお低温用発熱抵抗体211の抵抗値は、電流調整回路230からの制御電圧或いは低温用発熱抵抗体211の温度の変化(上昇または低下)に応じて変化(増大または減少)する。
また演算増幅回路250は、演算増幅器251と非反転入力端子用抵抗252と反転入力端子用抵抗253と帰還用抵抗254とコンデンサ255とを備えて構成されている。
次に高温側ガス検出回路92は、高温側ブリッジ回路220と電流調整回路240と通電切替制御回路241と演算増幅回路260とを備えている。
そして高温側ブリッジ回路220は、高温用発熱抵抗体221および3個の固定抵抗222,223,224を備えており、ブリッジ回路を形成するように構成されている。さらに高温側ブリッジ回路220において、高温用発熱抵抗体221は、ガス検出素子60の右側熱伝導式ガス検出部382を構成する右側発熱抵抗体332で構成されている。ここで、高温用発熱抵抗体221は、その一端が接地されており、他端が固定抵抗222、固定抵抗223及び固定抵抗224を介して接地されている。
また高温側ブリッジ回路220は、高温用発熱抵抗体221及び固定抵抗222の共通端子と、固定抵抗223及び固定抵抗224の共通端子との間に生ずる電位差がゼロになるように、電流調整回路240から制御電圧が印加される。これにより、高温用発熱抵抗体221の抵抗値が一定に、つまり、右側発熱抵抗体332の温度が一定に制御されることになる。そして、高温用発熱抵抗体221及び固定抵抗222の共通端子に生じる電圧は、マイクロコンピュータ94に出力信号(電位VH)として入力される。
また電流調整回路240は、演算増幅回路260の出力に応じて、高温用発熱抵抗体221の抵抗値を一定温度(高温目標温度。例えば、300℃)に対応する値に維持するように、直流電源280の出力電圧Vccを用いて、高温側ブリッジ回路220への上記制御電圧を形成する。なお高温用発熱抵抗体221の抵抗値は、電流調整回路240からの制御電圧あるいは高温用発熱抵抗体221の温度の変化(上昇または低下)に応じて変化(増大または減少)する。
また通電切替制御回路241は、直流電源280(出力電圧Vcc)から電源スイッチ281を介して電流調整回路240に至る通電経路に備えられており、マイクロコンピュータ94からの指令に応じて、その通電経路を遮断状態または通電状態に切り換えることができる。
また演算増幅回路260は、演算増幅器261と非反転入力端子用抵抗262と反転入力端子用抵抗263と帰還用抵抗264とコンデンサ265とを備えて構成されている。
次に温度測定回路93は、温度測定ブリッジ回路931と増幅回路932とを備えている。
そして温度測定ブリッジ回路931は、測温抵抗体390および3個の固定抵抗232,233,234を備えており、ブリッジ回路を形成するように構成されている。さらに温度測定ブリッジ回路931において、測温抵抗体390は、ガス検出素子60の測温抵抗体390で構成されている。測温抵抗体390は、その一端が接地されており、他端が固定抵抗232、固定抵抗233及び固定抵抗234を介して接地されている。
また温度測定ブリッジ回路931は、測温抵抗体390及び固定抵抗234の共通端子(一端側電源端子)と、固定抵抗232及び固定抵抗233の共通端子(他端側電源端子)との間に、直流電源280の出力電圧Vccが印加されることで作動する。
そして、この作動のもと、温度測定ブリッジ回路931は、測温抵抗体390の抵抗値の変化に基づき、測温抵抗体390及び固定抵抗232の共通端子(温度測定ブリッジ回路931の一端側出力端子)と、固定抵抗233及び固定抵抗234の共通端子(温度測定ブリッジ回路931の他端側出力端子)との間に生ずる電位差(被検出雰囲気内の環境温度に応じた値を表す)を出力する。また、温度測定ブリッジ回路931の一端側出力端子および他端側出力端子は、増幅回路932に接続されている。
また増幅回路932は、温度測定ブリッジ回路931の一端側出力端子と他端側出力端子との間に生ずる電位差を増幅して、マイクロコンピュータ94に対して出力する。なお増幅回路932は、演算増幅器933と非反転入力端子用抵抗934と反転入力端子用抵抗935と帰還用抵抗936とコンデンサ937とを備えて構成されている。
なおマイクロコンピュータ94は、演算処理装置(CPUなど)、記憶部(RAM、ROMなど)、及び入出力部などを備える公知のマイクロコンピュータと同様の構成である。
また図示は省略するが、電流調整回路230,240の各制御電圧の出力は、電源スイッチ281のオンに同期して開始されるように構成されている。
低温側ガス検出回路91の演算増幅回路250は、低温側ブリッジ回路210の両出力端子間に生ずる電位差を増幅して増幅電位差を電流調整回路230に出力する。また低温側ガス検出回路91は、低温側ブリッジ回路210のうち低温用発熱抵抗体211と固定抵抗212との共通端子(電極膜371)における電位VL(低温用発熱抵抗体211の両端電圧VLに相当する)をマイクロコンピュータ94に対して出力する。
高温側ガス検出回路92の演算増幅回路260は、高温側ブリッジ回路220の両出力端子間に生ずる電位差を増幅して増幅電位差を電流調整回路240に出力する。また高温側ガス検出回路92は、高温側ブリッジ回路220のうち高温用発熱抵抗体221と固定抵抗222との共通端子(電極膜373)における電位VH(高温用発熱抵抗体221の両端電圧VHに相当する)をマイクロコンピュータ94に対して出力する。
温度測定回路93の増幅回路932は、温度測定ブリッジ回路931の両出力端子間に生ずる電位差を増幅して増幅電位差VT(測温抵抗体390の両端電圧に応じた値となる)をマイクロコンピュータ94に対して出力する。
マイクロコンピュータ94は、電源スイッチ281を介して直流電源280から給電されることで作動し、図6にて示すフローチャートに従いコンピュータプログラム(ガス検出処理)を実行する。図6は、ガス検出処理の処理内容を表すフローチャートである。
この実行中において、マイクロコンピュータ94は、温度測定回路93により検出される環境温度や、低温側ガス検出回路91および高温側ガス検出回路92の各出力電位差などに基づき、水素ガス濃度の演算に要する各種の処理を行う。なお、上記コンピュータプログラム(ガス検出処理)の処理内容は、マイクロコンピュータ94のROMに記憶されており、処理実行時には演算処理装置(CPUなど)がROMから処理内容を読み出す。
以上のような構成の本実施形態において、可燃性ガス検出装置1が被検出雰囲気内に配置されると、被検出雰囲気内に含まれる水素ガスが、可燃性ガス検出装置1の流路形成部43に流入する。そして水素ガスは、素子ケース20の導入部35を通り検出空間39に流入し、然る後、ガス検出素子60に到達する。
このような状態において、電源スイッチ281がオンされ、マイクロコンピュータ94が直流電源280からの給電を受けると、マイクロコンピュータ94は、図6のフローチャートに従い上記コンピュータプログラム(ガス検出処理)の実行を開始する。
ガス検出処理が実行されると、まずS10にて、低温用発熱抵抗体211、高温用発熱抵抗体221、及び測温抵抗体390への通電を開始する。これにより、電流調整回路230による制御のもとに低温用発熱抵抗体211が上記の低温目標温度(150℃)に維持されるとともに、電流調整回路240による制御のもとに高温用発熱抵抗体221が上記の高温目標温度(300℃)に維持される。
そしてS20にて、水素ガス濃度を演算するコンピュータプログラムとして、高温用発熱抵抗体221の電位VHを用いて水素ガス濃度を演算するコンピュータプログラム(以下、高温用演算プログラムという)に設定する。
その後S30にて、低温側ガス検出回路91から出力される電位VL、高温側ガス検出回路92から出力される電位VH、及び温度測定回路93から出力される増幅電位差VTをそれぞれ低温側電圧VL、高温側電圧VH、及び温度電圧VTとして入力する。
そしてS40にて、温度電圧VTを用いて被検出雰囲気内の環境温度Tを演算する処理を実行する。つまりマイクロコンピュータ94は、温度電圧VTと被検出雰囲気内の環境温度との相関関係に関する換算データ(換算用マップデータ、換算用計算式など)を記憶部(ROMなど)に記憶しており、S30で読み込んだ温度電圧VTに対応する環境温度Tを換算データに基づき演算することで、被検出雰囲気内の環境温度Tを取得する。
さらにS50にて、低温側電圧VL、高温側電圧VH、及び温度電圧VTを用いて被検出雰囲気内の湿度Hを演算する処理を実行する。つまりマイクロコンピュータ94は、低温側電圧VL、高温側電圧VH、及び温度電圧VTと被検出雰囲気内の湿度Hとの相関関係に関する換算データ(換算用マップデータ、換算用計算式など)を記憶部(ROMなど)に記憶しており、S30で読み込んだ低温側電圧VL、高温側電圧VH、及び温度電圧VTに対応する被検出雰囲気内の湿度Hを換算データに基づき演算することで、被検出雰囲気内の湿度Hを取得する。
その後S60にて、高温側電圧VHを用いて水素ガス濃度Dを演算する処理を実行する。つまりマイクロコンピュータ94は、高温側電圧VHと水素ガス濃度Dとの相関関係に関する換算データ(換算用マップデータ、換算用計算式など)を記憶部(ROMなど)に記憶しており、S30で読み込んだ高温側電圧VHに対応する水素ガス濃度Dを換算データに基づき演算することで、水素ガス濃度Dを取得する。
そしてS70にて、S40で取得された環境温度TとS50で取得された湿度Hとを用いて、S60で取得された水素ガス濃度Dを補正する。
さらにS80にて、S70で補正された水素ガス濃度Dが、予め設定された第1判定値(本実施形態では、10%)未満であるか否かを判定する。ここで、補正された水素ガス濃度Dが第1判定値未満である場合には(S80:YES)、S90にて、S70で補正された水素ガス濃度Dを出力し、S30に移行する。一方、補正された水素ガス濃度Dが第1判定値以上である場合には(S80:NO)、S100にて、高温用発熱抵抗体221への通電を停止する。
そしてS110にて、水素ガス濃度を演算するコンピュータプログラムとして、低温用発熱抵抗体211の電位VLを用いて水素ガス濃度を演算するコンピュータプログラム(以下、低温用演算プログラムという)に設定する。
またS120にて、S30と同様にして、低温側ガス検出回路91から出力される電位VL、高温側ガス検出回路92から出力される電位VH、及び温度測定回路93から出力される増幅電位差VTをそれぞれ低温側電圧VL、高温側電圧VH、及び温度電圧VTとして入力する。
そしてS130にて、S40と同様にして、温度電圧VTを用いて被検出雰囲気内の環境温度Tを演算する処理を実行する。さらにS140にて、S50と同様にして、低温側電圧VL、高温側電圧VH、及び温度電圧VTを用いて被検出雰囲気内の湿度Hを演算する処理を実行する。
その後S150にて、低温側電圧VLを用いて水素ガス濃度Dを演算する処理を実行する。つまりマイクロコンピュータ94は、低温側電圧VLと水素ガス濃度Dとの相関関係に関する換算データ(換算用マップデータ、換算用計算式など)を記憶部(ROMなど)に記憶しており、S120で読み込んだ低温側電圧VLに対応する水素ガス濃度Dを換算データに基づき演算することで、水素ガス濃度Dを取得する。
そしてS160にて、S130で取得された環境温度TとS140で取得された湿度Hとを用いて、S150で取得された水素ガス濃度Dを補正する。
さらにS170にて、S160で補正された水素ガス濃度Dが、予め設定された第2判定値(本実施形態では、5%)より大きいか否かを判定する。ここで、補正された水素ガス濃度Dが第2判定値より大きい場合には(S170:YES)、S180にて、S160で補正された水素ガス濃度Dを出力し、S120に移行する。一方、補正された水素ガス濃度Dが第2判定値以下である場合には(S170:NO)、S190にて、高温用発熱抵抗体221への通電を開始し、S20に移行する。
このように構成された可燃性ガス検出装置1では、高温側ガス検出回路92により、高温目標温度(300℃)に対応する抵抗値となるように通電される高温用発熱抵抗体221の端子間電圧(高温側電圧VH)が検出されるとともに、低温側ガス検出回路91により、低温目標温度(150℃)に対応する抵抗値となるように通電される低温用発熱抵抗体211の端子間電圧(低温側電圧VL)が検出される。
また、高温側ガス検出回路92により検出された高温側電圧VHに基づいて水素ガス濃度Dが演算される(S60)とともに、低温側ガス検出回路91により検出された低温側電圧VLに基づいて水素ガス濃度Dが演算される(S150)。
さらに、高温側電圧VHに基づいて演算された水素ガス濃度D、または低温側電圧VLに基づいて演算された水素ガス濃度Dと、予め設定された第1判定値または第2判定値とが比較される(S80,S170)。
そして、この比較結果に基づいて、高温側電圧VHに基づいて演算された水素ガス濃度D(以下、高温側演算ガス濃度ともいう)、または低温側電圧VLに基づいて演算された水素ガス濃度D(以下、低温側演算ガス濃度ともいう)の何れかが、可燃性ガス検出装置1の検出結果として採用される(S90,S180)。
このため、高温用発熱抵抗体221を用いて検出された水素ガス濃度D、または低温用発熱抵抗体211を用いて検出された水素ガス濃度Dの何れかを、水素ガスのガス濃度に応じて、選択することができる。
これにより、高温用発熱抵抗体221および低温用発熱抵抗体211のうち、設定される目標温度が高い高温用発熱抵抗体221を、高い濃度検出感度が要求される領域で使用するとともに、設定される目標温度が低い低温用発熱抵抗体211を、高い濃度検出感度が要求されない領域で使用するという選択が可能となる。そして、設定される目標温度が低い低温用発熱抵抗体211は、検出可能なガス濃度範囲が、設定される目標温度が高い高温用発熱抵抗体221よりも広い。
したがって、可燃性ガス検出装置1によれば、高い濃度検出感度が要求される領域において水素ガスのガス濃度を高い濃度検出感度で検出することができるとともに、水素ガスを検出可能なガス濃度範囲を広くすることができる。
また、左側熱伝導式ガス検出部381および右側熱伝導式ガス検出部382は、接触燃焼式ガスセンサで使用される触媒を有していない。このため、シリコン化合物が触媒に付着することに起因してガス濃度検出の精度が低下するという事態は発生しない。
以上より、シリコン化合物に起因したガス濃度検出精度低下を招くことなく、低濃度領域から高濃度領域に亘って水素ガスのガス濃度を検出することができる。
また、温度電圧VTを用いて被検出雰囲気内の環境温度Tが演算され(S40,S130)、この環境温度Tをも用いて、高温側演算ガス濃度、または低温側演算ガス濃度が演算される(S70,S160)。これにより、被検出雰囲気内の環境温度Tを考慮した分、水素ガスのガス濃度をより正確に検出することができる。
また、低温側電圧VL、高温側電圧VH、及び温度電圧VTを用いて被検出雰囲気内の湿度Hが演算され(S50,S140)、この湿度Hをも用いて、高温側演算ガス濃度または低温側演算ガス濃度が演算される(S70,S160)。これにより、被検出雰囲気内の湿度Hを考慮した分、水素ガスのガス濃度をより正確に検出することができる。
また、高温側電圧VHに基づいて水素ガス濃度Dを演算している状況(以下、高温側濃度演算状況という)においては、高温側電圧VHに基づいて演算された水素ガス濃度Dと第1判定値とが比較され(S80)、低温側電圧VLに基づいて水素ガス濃度Dを演算している状況(以下、低温側濃度演算状況という)においては、低温側電圧VLに基づいて演算された水素ガス濃度Dと第2判定値とが比較される(S170)。
そして、第1判定値と第2判定値とは値が相違するため、高温側濃度演算状況から低温側濃度演算状況に遷移するときの水素ガス濃度と、低温側濃度演算状況から高温側濃度演算状況に遷移するときの水素ガス濃度とが相違する。
さらに、水素ガス濃度が増加していくことにより、可燃性ガス検出装置1で採用される検出結果が高温側演算ガス濃度と低温側演算ガス濃度との間で切り替わる時の判定値を増加方向判定値とし、水素ガス濃度が減少していくことにより、可燃性ガス検出装置1で採用される検出結果が高温側演算ガス濃度と低温側演算ガス濃度との間で切り替わる時の判定値を減少方向判定値とした場合に、第1判定値(10%)は増加方向判定値に相当し、第2判定値(5%)は減少方向判定値に相当する。そして、第1判定値(10%)は第2判定値(5%)より大きい。
したがって、水素ガス濃度が或る値の近傍で頻繁に変動することに起因して、可燃性ガス検出装置1が出力する水素ガス濃度Dが、高温側演算ガス濃度と低温側演算ガス濃度との間で頻繁に切り替わる現象(ハンチング現象)の発生を抑制することができる。
また、可燃性ガス検出装置1の検出結果として、低温側電圧VLに基づいて演算された水素ガス濃度Dが出力される場合には(S180)、高温用発熱抵抗体221への通電が停止される(S100)。このため、水素ガスのガス濃度の検出に用いられていない発熱抵抗体が無駄に通電されるのを抑制することができる。これにより、可燃性ガス検出装置1の消費電力を低減できるとともに、可燃性ガス検出装置1の寿命を向上させることができる。また、高い検知精度を要求される高温用発熱抵抗体221の寿命を向上させることができる。
以上説明した実施形態において、高温用発熱抵抗体221は本発明における第1発熱抵抗体、右側熱伝導式ガス検出部382は本発明における第1熱伝導式ガス検出部、低温用発熱抵抗体211は本発明における第2発熱抵抗体、左側熱伝導式ガス検出部381は本発明における第2熱伝導式ガス検出部、高温側ガス検出回路92は本発明における第1出力検出手段、低温側ガス検出回路91は本発明における第2出力検出手段、S60,S70の処理は本発明における第1濃度演算手段、S150,S160の処理は本発明における第2濃度演算手段、S80,S170の処理は本発明における濃度比較手段、S90,S180の処理は本発明における検出結果採用手段、S40,S130の処理は本発明における温度検出手段、S50,S140の処理は本発明における湿度演算手段、S100の処理は本発明における通電停止手段である。
また、高温目標温度(300℃)は本発明における第1目標温度、低温目標温度(150℃)は本発明における第2目標温度、高温側電圧VHは本発明における第1出力値、低温側電圧VLは本発明における第2出力値、第1判定値および第2判定値は本発明における比較判定値である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記実施形態では、ガス検出処理の実行が開始されると、まず、高温側電圧VHを用いて水素ガス濃度Dを演算し、その後に、この水素ガス濃度Dと第1判定値とを比較するものを示した。しかし、ガス検出処理の実行が開始された後に、まず低温側電圧VLを用いて水素ガス濃度Dを演算し、この水素ガス濃度Dと第1判定値とを比較するようにしてもよい。
また上記実施形態では、高温側電圧VHまたは低温側電圧VLに基づいて水素ガス濃度Dを演算する処理を行った後に、被検出雰囲気内の環境温度T及び湿度Hを用いて水素ガス濃度Dを補正する処理を行うことにより、被検出雰囲気内の環境温度T及び湿度Hを考慮した水素ガス濃度Dを演算するものを示した。しかし、このように2つの処理を行うのではなく、高温側電圧VH、低温側電圧VL、及び温度電圧VTに基づいて、水素ガス濃度Dを演算する処理を行うというように、1つの処理を行うことにより、被検出雰囲気内の環境温度T及び湿度Hを考慮した水素ガス濃度Dを演算するようにしてもよい。
または、被検出雰囲気内の湿度Hを演算する処理を行った後に、高温側電圧VHまたは低温側電圧VLと、温度電圧VTと、演算した湿度Hとに基づいて、水素ガス濃度Dを演算する処理を行うというようにして、被検出雰囲気内の環境温度T及び湿度Hを考慮した水素ガス濃度Dを演算するようにしてもよい。
また上記実施形態では、低温側電圧VLに基づいて演算された水素ガス濃度Dが出力される場合には、高温用発熱抵抗体221への通電が停止されるものを示した。しかし、高温側電圧VHに基づいて演算された水素ガス濃度Dが出力される場合には、低温用発熱抵抗体211への通電が停止されるようにしてもよい。
可燃性ガス検出装置1の断面図である。 素子ケース20周辺部分の断面図である。 ガス検出素子60の平面図である。 図3のA−A断面部を示す図である。 制御回路200の概略構成を示すブロック図である。 ガス検出処理の処理内容を表すフローチャートである。 異なる温度に制御される2つの発熱抵抗体の端子間電圧と水素ガス濃度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…可燃性ガス検出装置、20…素子ケース、40…収容ケース、41…回路基板、42…ケース本体、60…ガス検出素子、91…低温側ガス検出回路、92…高温側ガス検出回路、93…温度測定回路、94…マイコン、200…制御回路、210…低温側ブリッジ回路、211…低温用発熱抵抗体、220…高温側ブリッジ回路、221…高温用発熱抵抗体、230…電流調整回路、240…電流調整回路、241…通電切替制御回路、250…演算増幅回路、260…演算増幅回路、280…直流電源、310…シリコン製半導体基板、330…発熱抵抗体、331…左側発熱抵抗体、332…右側発熱抵抗体、340…配線膜、350…内側保護層、360…外側保護層、381…左側熱伝導式ガス検出部、382…右側熱伝導式ガス検出部、390…測温抵抗体、931…温度測定ブリッジ回路、932…増幅回路、

Claims (6)

  1. 被検出雰囲気内に配置されて、可燃性ガスへの熱伝導によって自身の温度が変化するとともに自身の抵抗値が変化する第1発熱抵抗体を有し、この第1発熱抵抗体が予め設定された第1目標温度に対応する抵抗値となるように通電される第1熱伝導式ガス検出部と、
    被検出雰囲気内に配置されて、可燃性ガスへの熱伝導によって自身の温度が変化するとともに自身の抵抗値が変化する第2発熱抵抗体を有し、この第2発熱抵抗体が前記第1目標温度より低く設定された第2目標温度に対応する抵抗値となるように通電される第2熱伝導式ガス検出部と、
    前記第1発熱抵抗体の抵抗値に対応した第1出力値を検出する第1出力検出手段と、
    前記第2発熱抵抗体の抵抗値に対応した第2出力値を検出する第2出力検出手段と、
    前記第1出力検出手段により検出された前記第1出力値に基づいて、前記被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスのガス濃度である第1演算ガス濃度を演算する第1濃度演算手段と、
    前記第2出力検出手段により検出された前記第2出力値に基づいて、前記被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスのガス濃度である第2演算ガス濃度を演算する第2濃度演算手段と
    を備えて、前記被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスのガス濃度を検出する可燃性ガス検出装置であって、
    前記第1演算ガス濃度または前記第2演算ガス濃度の何れかと、予め設定された比較判定値とを比較する濃度比較手段と、
    前記濃度比較手段による比較結果に基づいて、前記第1演算ガス濃度または前記第2演算ガス濃度の何れかを、当該可燃性ガス検出装置の検出結果として採用する検出結果採用手段を備える
    ことを特徴とする可燃性ガス検出装置。
  2. 前記第1発熱抵抗体で検出可能なガス濃度範囲は、前記第2発熱抵抗体で検出可能なガス濃度範囲に含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の可燃性ガス検出装置。
  3. 前記被検出雰囲気内の環境温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記第1濃度演算手段は、前記温度検出手段により検出された前記環境温度をも用いて、前記第1演算ガス濃度を演算し、
    前記第2濃度演算手段は、前記温度検出手段により検出された前記環境温度をも用いて、前記第2演算ガス濃度を演算する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可燃性ガス検出装置。
  4. 前記第1出力検出手段により検出された前記第1出力値、前記第2出力検出手段により検出された前記第2出力値、及び前記温度検出手段により検出された前記環境温度に基づいて、前記被検出雰囲気内の湿度を演算する湿度演算手段を備え、
    前記第1濃度演算手段は、前記湿度検出手段により検出された前記湿度をも用いて、前記第1演算ガス濃度を演算し、
    前記第2濃度演算手段は、前記湿度検出手段により検出された前記湿度をも用いて、前記第2演算ガス濃度を演算する
    ことを特徴とする請求項3に記載の可燃性ガス検出装置。
  5. 前記濃度比較手段は、
    前記第1演算ガス濃度と比較するために予め設定された第1判定値と、前記第2演算ガス濃度と比較するために前記第1判定値と異なるように設定された第2判定値とを有し、
    前記第1演算ガス濃度を用いて比較する場合には、前記比較判定値として前記第1判定値を用い、前記第2演算ガス濃度を用いて比較する場合には、前記比較判定値として前記第2判定値を用いる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の可燃性ガス検出装置。
  6. 当該可燃性ガス検出装置の検出結果として前記検出結果採用手段により採用されなかった前記ガス濃度に対応する、前記第1発熱抵抗体または前記第2発熱抵抗体の何れかへの通電を停止する通電停止手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の可燃性ガス検出装置。
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