JP4817305B2 - 可燃性ガスセンサ、及び可燃性ガス検出装置 - Google Patents
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Description
このセンサーは、発熱部により触媒層を可燃性ガスとの反応が可能な程度に加熱する必要があるばかりでなく、可燃性ガスの濃度を温度変化として検出する関係上、環境温度の変化により触媒層の温度も変化するため、環境温度に対応して発熱部に供給する電力を制御して環境温度による影響を防止する必要がある。
このような問題を解消するため、発熱部の近傍、つまり発熱部と熱伝導関係を形成できる位置に温度抵抗係数の大きな材料で測温抵抗体を蒸着などにより形成し、発熱部の温度を監視することも考えられる。
また、発熱部Eは通常数百℃に発熱し、またこれの近傍に配置される測温抵抗体も同程度まで加熱されるため、長年の使用により温度抵抗係数や抵抗値が変化し、発熱部Eの温度を正確に制御することが困難となる。
さらには、検出部Bが発熱部Eと良好な熱伝導関係を形成するように構成されているため、たとえ発熱部Eの温度抵抗係数や抵抗値等の特性が変化していても検出部Bにより検出される温度に基づいて規定温度となるように発熱部Eへの電力を制御する関係上、規定温度に維持され、発熱部Eの劣化を早期に検出することが不可能であるという問題がある。
また第1の抵抗層の熱が第2の抵抗層に伝達するのを可及的に防止して第2の抵抗層により第1の抵抗層に作用する環境温度の影響を考慮して第1の抵抗層に供給する電力の変化から第1の抵抗層の劣化を確実に検出することができる。
図1は、本発明に使用するセンサの一実施例を示すものであって、センサー10は、電気絶縁性材料の基板11の表面に蒸着などにより直線状に熱電変換素子部12を形成し、その一端側に偏した領域に可燃性ガスを酸化させるための酸化触媒層13を形成して検出部が構成されている。
また、端子16’、18には温度検出回路40が接続され、第2の抵抗層17により環境温度を検出するようになっている。
この温度差は、可燃性ガスの濃度に比例し、かつ起電力は温度差に比例するから信号端子15、15’から図示しない信号処理部に出力させることにより可燃性ガスの濃度を知ることができる。
一方、第2の抵抗層17により検出した環境温度の影響を受けた第1の抵抗層14の温度に対応する負荷電流が、データ記憶手段53に予め格納されている各環境温度ごとの電流値との差分が規定の範囲であるか否かを比較判定手段51により判定する。
いうまでもなく、第1の抵抗層14が特性が変化している場合には規定の電圧を印加しても負荷電流が規定以上に変化するので、劣化を検出することができる。
なお、熱電変換部12の全体の温度が規定値に維持するのが望ましいが、ガスの濃度は熱電変換部12の両端で生じる温度差に比例するから或る一定の温度範囲に維持されているなら、水素などの可燃性ガスを高い精度で検出できることは言うまでもない。
一方、第2の抵抗層17により検出した環境温度の影響を受けた第1の抵抗層14の温度に対応する端子電圧が、データ記憶手段53”に予め格納されている各環境温度ごとの電圧との差分が規定の範囲であるか否かを比較判定手段51により判定する。
いうまでもなく、第1の抵抗層14が特性が変化している場合には規定の一定電流を印加しても端子電圧が規定以上に変化するので、劣化を検出することができる。
なお、熱電変換部12の全体の温度が規定値に維持するのが望ましいが、ガスの濃度は熱電変換部12の両端で生じる温度差に比例するから或る一定の温度範囲に維持されているなら、水素などの可燃性ガスを高い精度で検出できることは言うまでもない。
この実施例においては、第1の抵抗層14の電圧を検出する関係上、第1の抵抗層14の両端にはそれぞれ独立の端子16、16’が接続され、また第2の抵抗層17には同じく独立する端子18、18’が接続されている。
Claims (5)
- 熱電変換手段に、可燃性被検ガスの酸化反応を促進する酸化触媒層を形成した検出部、及び検出部をジュール熱により所定温度に加熱する第1の抵抗層と、第1の抵抗層の熱的影響を受けず、かつ環境の温度影響を受ける第2の抵抗層とが、それぞれ基板の独立の凹部により形成された薄肉部に設けられ、可燃性被検ガスと接触して電気信号を発生する可燃性ガスセンサ。
- 前記第1、第2の抵抗層が、ともに白金、または白金の温度−抵抗係数よりも大きな同一の材料の膜により構成されている請求項1に記載の可燃性ガスセンサ。
- 熱電変換手段に、可燃性被検ガスの酸化反応を促進する酸化触媒層を形成した検出部、及び検出部をジュール熱により所定温度に加熱する第1の抵抗層と、第1の抵抗層の熱的影響を受けず、かつ環境の温度影響を受ける第2の抵抗層とが、それぞれ基板の独立の凹部により形成された薄肉部に設けられ、可燃性被検ガスと接触して電気信号を発生する可燃性ガスセンサと、
前記第1の抵抗層の抵抗値が一定となるように調整する定抵抗制御手段と、前記第2の抵抗層の抵抗値により環境温度を検出する温度検出手段と、前記第1の抵抗層への電流を検出する電流検出手段と、前記第1の抵抗層が可燃性ガスを検出するのに適した温度となる場合の電流値と環境温度との関係を規定したデータを格納したデータ記憶手段と、前記第1の抵抗層の電流と環境温度に対応する電流値とを比較する比較判定手段と、前記比較手段により所定偏差が検出された場合に作動する異常表示手段とからなる可燃性ガス検出装置。 - 熱電変換手段に、可燃性被検ガスの酸化反応を促進する酸化触媒層を形成した検出部、及び検出部をジュール熱により所定温度に加熱する第1の抵抗層と、第1の抵抗層の熱的影響を受けず、かつ環境の温度影響を受ける第2の抵抗層とが、それぞれ基板の独立の凹部により形成された薄肉部に設けられ、可燃性被検ガスと接触して電気信号を発生する可燃性ガスセンサと、
前記第1の抵抗層の負荷電圧が一定となるように調整する定電圧制御手段と、前記第2の抵抗層の抵抗値により環境温度を検出する温度検出手段と、前記第1の抵抗層への電流を検出する電流検出手段と、前記第1の抵抗層が可燃性ガスを検出するのに適した温度となる場合の電流値と環境温度との関係を規定したデータを格納したデータ記憶手段と、前記第1の抵抗層の電流と環境温度に対応する電流値とを比較する比較判定手段と、前記比較手段により所定偏差が検出された場合に作動する異常表示手段とからなる可燃性ガス検出装置。 - 熱電変換手段に、可燃性被検ガスの酸化反応を促進する酸化触媒層を形成した検出部、及び検出部をジュール熱により所定温度に加熱する第1の抵抗層と、第1の抵抗層の熱的影響を受けず、かつ環境の温度影響を受ける第2の抵抗層とが、それぞれ基板の独立の凹部により形成された薄肉部に設けられ、可燃性被検ガスと接触して電気信号を発生する可燃性ガスセンサと、
前記第1の抵抗層への電流が一定となるように調整する定電流制御手段と、前記第2の抵抗層の抵抗値により環境温度を検出する温度検出手段と、前記第1の抵抗層の負荷電圧を検出する電圧検出手段と、前記第1の抵抗層が可燃性ガスを検出するのに適した温度となる場合の電圧値と環境温度との関係を規定したデータを格納したデータ記憶手段と、前記第1の抵抗層の負荷電圧と環境温度に対応する電圧値とを比較する比較判定手段と、前記比較手段により所定偏差が検出された場合に作動する異常表示手段とからなる可燃性ガス検出装置。
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