JP2010088794A - ノック式繰出容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】確実に内容物を繰出たことが明確に判別でき、使用者に不快感を与えることも無く、かつ部品点数を増やすことの無い、内容物を定量繰出しできるノック式繰出容器を提供する。
【解決手段】使用者が天冠12をノック操作した際には、第1のカム面32が第1の固定カム面38の歯38aの前方に傾く斜面38a1に沿って誘導されていくことにより、第1のカム面32の段部33先端が前記第1の固定カム面38の斜面38a1に乗って滑っていき、第1のカム面32に設けられた段部33が第1の固定カム面38に設けられた段部39内に嵌り込むことにより、打撃音すなわち、ノック音が発生し、繰出し容器を握っている使用者は手指にノック感覚を得ることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は液体化粧料などの液体や流動体、その他棒状体等の固体の内容物を軸本体後端の天冠をノックすることによって繰出すノック式繰出容器に関する。
従来のノック式繰り出し容器はボールペン同様のカム機構を利用し、ノック体、回転子、内筒にそれぞれカムを設けノックすることにより、スプリングによって後方に付勢された状態の回転子を連続的に回転させ、回転子の回転を外径部にネジ部(雄ネジ)を設けたネジ棒に伝える。このネジ棒は、軸本体に少なくとも回転方向に固定されたネジ体の内径部に設けられたネジ部(雌ネジ)と螺合しているため、ネジ棒の回転によりネジ体に対してネジ棒が前進し、このネジ棒の前進により該ネジ棒先端部に嵌合されたピストンが共に前進し、内容物を繰り出すもの(カーンノック式と称される)が知られている(特開昭60−116495号公報:特許文献1、特開平9−118095号公報:特許文献2、特開2002−068332号公報:特許文献3)。
特開昭60−116495号公報 特開平9−118095号公報 特開2002−068332号公報
しかしながら、前記のノック式繰出容器において、ネジ棒を前進させる方式のものでは、回転子の回転力をカム形状とスプリングの強さで決定し、内容物の粘度が高い場合や軸本体とピストンの時間経過による貼り付き現象が起きてしまった場合等、回転動作が不能になることが考えられる。また、部品点数が多くなってしまい細径化等の外観上の制限も出てしまう。
これに対して、発明者は、鋸状のカム歯を同一ピッチで形成した第1のカム面と第2のカム面を備えた回転体を、鋸状のカム歯を同一ピッチで形成した第1の固定カム面と第2の固定カム面により押圧、押圧解除を繰り返す事によって回転させ、その回転の力をネジ棒に伝えてピストンを前進させるノック式繰出容器を案出し(未公知)、ピストンの貼り付きによる回転動作不良防止および部品点数削減を図っている。
ただ、第1のカム面と第1の固定カム面の誘導時、または、第2のカム面と第2の固定カム面の誘導時には両カムはカム面上を滑り、各カム歯の壁部同士が当接することによりノック音が発生するが、状況や環境によっては十分なノック音が得られない場合があった。このように、比較的十分なノック音が得られないと使用者にとってノックの感覚が明確ではなくなり、ノックの前進限が不明確となり天冠部の押し切り操作が出来にくくなることから、回転体の回転を得ることができず繰出不良が発生してしまう可能性がある。
また、確実に前進限までノックをした場合でもノック感触を得る事が出来ないため不快に感じたり、繰出が完了していると確認出来ずに再度ノックしたりする可能性がある等の課題があった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、確実に内容物を繰出たことが明確に判別でき、使用者に不快感を与えることも無く、かつ部品点数を増やすことの無い、内容物を定量繰出しできるノック式繰出容器を提供しようとするものである。
本発明はノック式繰出容器に係るものである。
本発明は、使用者の操作による天冠の押圧の力を回転の力に変換する機構部と、軸本体に固定したネジ体と、ネジ体に螺合させたネジ棒とを有し、その機構部が変換した回転の力でネジ棒を回転させることによってネジ体を介して該ネジ棒を前進させて前記内容物を繰出す構造であって、
押圧の力を回転の力に変換する機構部は、天冠が回転可能かつ軸方向移動を規制して配設され、前方向きの第1のカム面および後方向きの第2のカム面が形成された円環状のものであって軸本体に回転可能かつ軸方向移動可能に配設された回転体と、
前記第1のカム面および第2のカム面にそれぞれ対峙しかつ軸本体に軸方向および回転方向に固定して配置された第1の固定カム面および第2の固定カム面とが具備され、
前記第1のカム面は回転体の所定回転方向に対して前方に傾く斜面に前方に凸状の段部を有すると共に、第1の固定カム面は回転体の所定回転方向に対して前方に傾く斜面に前方に凹状の段部を有し、前記第1のカム面および第1の固定カム面の少なくとも一方は当該斜面および段部を含む第1の歯を所定回転方向に同一ピッチで複数形成し、
前記第2のカム面および第2の固定カム面の少なくとも一方は、回転体の所定回転方向に対して後方に傾く斜面を有した第2の歯を所定回転方向に同一ピッチで複数形成し、
前記押圧の力によって、前記回転体における第1のカム面が前記第1の固定カム面に噛合った状態で、前記第1のカム面が第1の固定カム面の前方に傾く斜面に沿って誘導されていくことにより、前記回転体が前方移動しかつ所定回転方に回転すると共に、前記第1のカム面が第1の固定カム面の斜面に沿って誘導されるときに、前記第1のカム面および前記第1の固定カム面の斜面に設けられた段部同士の当接によりノック音及びノック感触を付与することが可能な前記機構部が構成され、
一方、前記押圧の解除により前記回転体における第2のカム面が前記第2の固定カム面に噛合い、この噛合い状態で第2のカム面が前記第2の固定カム面の後方に傾く斜面に沿って誘導されていくことにより、前記回転体が後方移動しかつ所定回転方向に回転するように前記機構部が構成され、前記回転体の回転によって前記ネジ棒を回転させるようにしたことを特徴とするノック式繰出容器である。
本発明においては、前記回転体の第1のカム面が前記第1の固定カム面に噛み合わされた状態において、前記回転体側の第2のカム面と前記第2の固定カム面が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相ずれた関係に設定され、
それと共に、前記回転体側の第2のカム面が前記第2の固定カム面に噛み合わされた状態において、前記回転体側の第1のカム面と前記第1の固定カム面が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相がずれた関係に設定されていることが好適である。
また、本発明においては、前記押圧が解除された状態において、前記回転体における第2のカム面を、前記第2の固定カム面に当接させて噛み合わせ状態になるように回転体を後方に付勢するバネ部材が具備されていることが好適である。
本発明においては、前記回転体に小判型等の異形断面孔を設け、雌ネジからなるネジ部および第1の固定カム面を有するネジ体を軸本体に固定し、前記回転体の異形断面孔に合う断面形状で外周部に雄ネジを形成したネジ棒を前記ネジ体のネジ部に螺合させ、かつ、前記回転体の異形断面孔に通過させた状態で前記回転体の回転によりネジ棒を回転させることが好適である。
本発明は、軸本体後端部に配設された天冠を押圧することにより内容物を繰出す機構部を持ったノック式繰出容器であって、
内容物を収容する軸本体内に、前部において内径にネジ部および後方向きに第1の固定カム面を持ち、かつ、中央部から後部が中空に形成されたネジ体が固定され、
そのネジ体の中空内部には、円環状に形成され、前記第1の固定カム面と噛み合う第1のカム面を前部に形成しかつ第2のカム面を後部に形成し、内径前部に異形断面孔を設けた回転体と、前記回転体と前記ネジ体との間に回転体をネジ体に対して後方に付勢するバネ部材と、前記回転体の第2のカム面と噛み合う第2の固定カム面を具備し前記ネジ体の後部に固定されるカム体とを配設して、
前記回転体を前記ネジ体と前記カム体で前後から挟み込み、前記バネ部材により前記回転体を前記カム体に向けて付勢する構造にしており、
外径部にネジを備えて断面が異形のネジ棒が前記ネジ体のネジ部に螺合し、前記回転体の異形断面孔により前記ネジ棒と前記回転体は軸方向に移動可能かつ回転方向に係止され、前記ネジ棒先端部には軸本体と摺動可能で前記ネジ棒と軸方向に一体的に動くピストン体が嵌合され、
前記回転体後部には前記天冠が回転可能かつ軸方向には係止された状態で配設されており、
前記回転体の第1のカム面が前記第1の固定カム面に噛み合わされた状態において、前記回転体側の第2のカム面と前記第2の固定カム面が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相ずれた関係に設定され、それと共に、前記回転体の第2のカム面が前記第2の固定カム面に噛み合わされた状態において、前記回転体側の第1のカム面と前記第1固定カム面が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相ずれた関係に設定されており、
前記回転体の第1のカム面と前記第1のカム面に対峙した第1の固定カム面に前方に向かう段部を設け、押圧の力によって前記第1のカム面が前記第1の固定カム面の斜面に沿って誘導される時、各カム面に設けられた段部によりノック音及びノック感触を付与することが可能な機構部を設けたことを特徴とするノック式繰出容器である。
本発明においては、前記回転体の第2のカム面と前記第2の固定カム面にも後方に向かう各段部を設けて、押圧解除時の第2のカム面と第2の固定カム面が噛み合う時にも各段部によってノック音及びノック感を付与することが好適である。
本発明の請求項1〜6記載のノック式繰出容器は、天冠を押圧する事により回転体の軸方向前後の動作により回転体を回転させて押圧の力を回転の力に変換する機構部を有し、回転体を回転させるためのカム部に段部を設けノック音及びノック感を付与したものである。
つまり、天冠の押圧による力を回転の力に変換する機構部を、前方向きの第1のカム面および後方向きの第2のカム面が形成された概略円環状の回転体と、前記第1のカム面および第2のカム面にそれぞれ対峙しかつ軸本体に軸方向および回転方向に固定して配置された第1の固定カム面および第2の固定カム面との具備により、前記押圧の力によって、前記回転体における第1のカム面が前記第1の固定カム面に噛合った状態で、第1のカム面が前記歯の前方に傾く斜面に沿って誘導されていくことにより、前記回転体が前方移動しかつ所定回転方に回転し、一方、前記押圧の解除により前記回転体における第2のカム面が前記第2の固定カム面に噛合った状態で前記歯の後方に傾く斜面に沿って誘導されていくことにより、前記回転体が後方移動しかつ所定回転方向に回転するように構成されている。
そして、前記押圧の力によって、前記回転体における第1のカム面が前記第1の固定カム面に噛合った状態で、前記第1のカム面が第1の固定カム面の前方に傾く斜面に沿って誘導されていくことにより、前記回転体が前方移動しかつ所定回転方に回転すると共に、前記第1のカム面が第1の固定カム面の斜面に沿って誘導される際に、前記第1のカム面および前記第1の固定カム面の斜面に設けられた段部同士の当接によりノック音及びノック感触を付与するので、例えば手指で天冠を押圧している使用者はそのノック音を聞くと共に手指にノック感覚を得ることが可能となる。したがって、ノックの前進限が明確となり天冠部の押し切り操作が容易になることから、回転体の回転を得て繰出不良が発生しない。また、確実に前進限までノックをした場合に確実にノック感触を得る事ができるため軽快な操作感覚をうることができ、繰出が完了していることを確認でき再度ノックしたりすることがない。
以下、この発明に係るノック式繰出容器を図に示す実施形態に基づいて説明する。
図1〜図11は、実施形態に係るノック式繰出容器の説明図である。
すなわち、図1(a)、(b)は、本発明の実施形態に係るノック式繰出容器の説明図であって天冠非押圧状態のノック式繰出容器の全体の外観図、縦断面図を示す。図2は、図1に示すノック式繰出容器における天冠非押圧状態のノック機構部の断面拡大図を示す。図3は、図1のノック式繰出容器の天冠押圧状態のノック機構部の断面拡大図を示す。図4(a)〜(f)は、上記ノック式繰出容器のノック機構部の作動説明図である。
図5(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、回転体の前方斜視図、後方斜視図、側面図、縦断面図、前方視図である。図6(a)、(b)、(c)は、天冠の前方斜視図、側面図、縦断面図である。図7(a)、(b)、(c)、(d)は、ネジ体の前方斜視図、後方斜視図、縦断面図、ネジ部周辺の拡大断面図である。図8(a)、(b)は、軸本体の斜視図、縦断面図である。図9(a)、(b)、(c)、(d)は、カム体の前方斜視図、後方斜視図、側面図、縦断面図である。図10(a)、(b)は、ネジ棒の側面図、X−X線断面図である。図11(a)、(b)、(c)は、ピストン体の前方斜視図、後方斜視図、縦断面図である。
実施形態に係るノック式繰出容器は、図1に示すように、軸本体10後端部に配設された天冠12を軸方向前方に押圧することにより内容物を繰り出すことが可能な容器であって、使用者のノック操作による天冠12の押圧の力を回転の力に変換するノック機構部Aと、軸本体10に固定したネジ体28と、ネジ体28に螺合させたネジ棒30とを有し、そのノック機構部Aが変換した回転の力でネジ棒30を回転させることによってネジ体28を介して該ネジ棒30を前進させて前記内容物を繰出す構造を有する。
前記ノック式繰出容器において、軸本体10前端部10aには、継手14、パイプ継手16、パイプ18、先軸20、穂首22が取り付けられ、軸本体10内の内容物(実施形態では、流動性化粧料等流動体)収容部24から繰出された内容物はパイプ18を通り穂首22先端に吐出される。また、使用後にキャップ26を装着できるよう形成されている。なお、図1中24aは収容部24の内容物の撹拌ボール、26aはインナーキャップ、26bはインナーキャップ後方付勢用のスプリング、26cは未使用時における内容物のパイプ18以降への流通を閉鎖する栓体である。パイプ18後端部には、未使用時ではシールボール24bが継手14の内径部に密着してパイプ18内に内容物が流れ込まないようになっており、一方、使用時は、栓体26cを軸本体10から引き抜き、先軸20を後端側に押し込むことにより、シールボール24bが継手14の内径部から外され、内容物がパイプ18に流入し、塗布することが出来る。
また、図1、図8に示すように、軸本体10は、軸方向に見て前端部10aが段状に小径になっていて、前端部10a内に筒状の継手14およびパイプ継手16が先軸20後部で覆われた状態で嵌入しており、その先軸20前部内でパイプ継手16先方に塗布体として多数の繊維が束ねられ、または、連続気泡体からなる筆先状の穂首22が挟持されている。なお、塗布体はこの種の穂首以外の適宜の構成を採用できる。
前記継手14は先方が拡径した概略筒状を呈して軸本体10の前端部10aに嵌入しており、その継手14の先方開口内に先方からパイプ継手16が挿入されこのパイプ継手16に、収容部24内から穂首22に向けて液体誘導用のパイプ18が挿入・支持されている。そして穂首22、先軸20を覆って、前端部10aにキャップ26を嵌着するようになっている。
以下に、各部具体的構成を説明する。
〔押圧の力を回転の力に変換するノック機構部A〕
前記天冠12の押圧による力を回転の力に変換するノック機構部Aは、図1、図2に示すように、第1のカム面32および第2のカム面34を有する回転体36と、第1の固定カム面38を有するネジ体28、第2の固定カム面40を有するカム体42とを主な構成要素とする。
〔回転体36〕
回転体36は、図1、図5に示すように、天冠12が回転可能かつ軸方向移動を規制して配設され、前方向きの第1のカム面32および後方向きの第2のカム面34が形成された円環状のものであって軸本体10に回転可能かつ軸方向移動可能に配設されている。
回転体36は、図5に示すように、全体が概略中空筒状の円環状のものであって、軸方向の前端部には、前面に前方に向かう凸部の段差が形成された段部33を有する第1のカム面32が形成され、内径部に小判型等の異形断面孔46が形成されている。また、回転体36の軸方向中央部の外周部に段状に拡径した環状部分の後方向き面に後方向きの第2のカム面34が形成されている。また、回転体36の後端部外周には、フランジ状の凹凸の嵌合部36aが形成される。
なお、第1のカム面32だけではなく、第2のカム面34に上記段部と同様の段差のある段部を設けることも可能である。
天冠12は図6に示すように、軸方向一端が閉ざされた筒型状容器状を呈し、後部内周部に凹凸段状の係止部12aが形成される。天冠12の前端開口から前記回転体36の後端部を押し込むと前記嵌合部36aが前記係止部12aに嵌入する。前記嵌合部36aと係止部12aの各寸法が、天冠12が回転体36に対して回転自在かつ軸方向の移動を規制するように形成されている。
〔ネジ体28〕
前記ネジ体28は、図1、図7に示すように、前端部が段状に縮径し、後端部が段状に拡径した概略中空筒状体である。前端部は段状に縮径した筒状部28aであって、内径部に雌ネジが形成されたネジ部48を有し、そのネジ部48のある筒状部28aの後面には斜面途中から前方に向かって凹む段差のある段部39を設けた第1の固定カム面38が形成される。
ネジ体28の後端部の段状に拡径した円筒状部分28bは、天冠12を回転および進退動自在に内挿する部分であり、その円筒状部分28bの前方に隣接する部分には軸方向に沿うスリット28cが複数ネジ体28内外を連通して形成されると共に、外周部に凹凸形成された嵌合部28dが形成される。さらに前部外周部には、軸方向に沿う溝部28eが複数形成されている。なお、ネジ体28の前部内周部には、後述するバネ部材44を径方向で位置決めするリブ28fが内方に突出して軸方向に延在して形成されている。
〔軸本体10〕
軸本体10は、図8に示すように、前端部10aが縮径されているが、内周面の後端部では凹凸段状の嵌合部10bが形成され、中央部のやや後方よりには、リブ10cが内方に突出して軸方向に延在して形成されている。軸本体10にネジ体28を装着するときには、軸本体10の開口した後端部から前記ネジ体28を前方向きに挿入し、前記リブ10cを前記溝部28eに装着しながら前進させて嵌め込んで行く。
そして、嵌合部10bにネジ体28の嵌合部28dの凹凸を乗り越えさせて押圧嵌入させて、その際に、ネジ体28の円筒状部分28bの段状拡径部を軸本体10の後端面に突き当てるまで進める。リブ10cが溝部28eに、嵌合部10bが嵌合部にそれぞれ緊密に装着するので、ネジ体28は軸本体10に対して回転方向および軸方向に固定しているので装着関係になる。
なお、軸本体10のネジ体28の前方空間は内容物の収容部24を構成する。
〔カム体42〕
前記カム体42は、図9に示すように、概略中空筒状で前端面に第2の固定カム面40が形成され、中央部から後部にかけての外周側面に突起部42aが軸方向に延設されていて、後端部42bが若干段状に縮径されている。
このカム体42は、図1、図2に示すように、回転体36外周に移動可能に嵌めた状態でネジ体28内に挿入して、突起部42aをネジ体28のスリット28cに嵌入して後端部42bが円筒状部分28b内に係止するように嵌める。これにより、カム体42はネジ体28に対して回転方向および軸方向への移動できないように固定され、また、前記のようにネジ体28が軸本体10に対して固定されるので、カム体42は軸本体10に対しても回転方向および軸方向に固定される。なお、このカム体42の第2の固定カム面40に第1の固定カム面38の段部39と同様の段部を設けてもよい。
〔バネ部材44〕
図1、図2に示すように、ネジ体28内には、前記回転体36の前部外周の環状突出部分の第2のカム面34反対側面と、ネジ体28の第1の固定カム面38を取り囲んだ部分との間には、バネ部材44が配設されている。このバネ部材44は、天冠12への前記押圧が解除された状態において、前記回転体36における第2のカム面34を、前記第2の固定カム面40に当接させて噛み合わせ状態になるように回転体36を後方に付勢する機能を奏する。
〔ネジ棒30、ピストン体50〕
図10に示すように、ネジ棒30は、前記回転体36の異形断面孔46に合う断面形状で外周部に雄ネジ30aを形成した棒状長尺体である。その前端部には、フランジ状に径方向突出する嵌合部30bを形成している。前記ネジ棒30先端部には軸本体10と摺動可能で前記ネジ棒30と軸方向に一体的に動くピストン体50が嵌合される。
このピストン体50は、図1、図11に示すように、収容部24内壁に摺接する本体50aと、本体50aから後方に延びる中空筒状部50bと、中空筒状部50b内の凹凸の嵌合部50cを備えている。このピストン体50の嵌合部50cは、ネジ棒30先端の嵌合部30bを前記ピストン体50の嵌合部50cに嵌合させて、相対回転可能に前後方向移動を規制しており、この状態でピストン体50は軸本体10の収容部24内で進退動可能に配設される。
図1に示すように、前記回転体36に小判型等の異形断面孔46を設け、雌ネジからなるネジ部48および第1の固定カム面38を有するネジ体28を軸本体10に固定し、前記回転体36の異形断面孔46に合う断面形状で外周部に雄ネジ30aを形成したネジ棒30を前記ネジ体28のネジ部に螺合させ、かつ、前記回転体36の異形断面孔46に通過させた状態で前記回転体36の回転によりネジ棒30を回転させる。この回転によってピストン体50が収容部24内で前進して化粧料などの液体内容物を先軸20内の塗布体である穂首22に供給するようになっている。
第1の固定カム面38および第2の固定カム面40は、前記第1のカム面32および第2のカム面34にそれぞれ対峙しかつ軸本体10に軸方向および回転方向に固定して配置されている。
各第1の固定カム面38および第2の固定カム面40と、前記第1のカム面32および第2のカム面34の詳細を図4によって説明する。図4においては、図示説明の都合上、前記第1のカム面32および第2のカム面34を一歯のみを示しているが、実施形態では、図5のように複数歯を形成している。もちろん、対峙するカム面の一方の歯が隙間無く連続していれば他方の歯の数は一つでも複数でもよい。
詳しくは、前記回転体36の第1のカム面32は回転体の所定回転方向(図4では正面視左方向)に対して前方(図4では正面視下方向)に傾く斜面に前方に凹状段差の段部33を有すると共に、前記ネジ体28の第1の固定カム面38は上記回転体36の所定回転方向に対して前方に傾く斜面38a1に前方に凸状段差の段部39を有する。前記回転体36の第1のカム面32およびネジ体28の第1の固定カム面38は、回転体36の所定回転方向に傾く斜面32a1におよび38a1を有した第1の歯32aおよび38aを所定回転方向に同一ピッチで複数形成したものであり、前記第1のカム面32および第1の固定カム面38が有している各第1の歯の中間部分に段部33および39が設けられている。
また、前記回転体36の第2のカム面34および前記カム体42の第2の固定カム面40は、回転体36の所定回転方向(図4では正面視左方向)に対して後方(図4では正面視上方向)に傾く斜面34a1および40a1を有した第2の歯34aおよび40aを所定回転方向に同一ピッチで複数形成したものである。
なお、実施形態では、第1のカム面32および第1の固定カム面38と第2のカム面34および第2の固定カム面40のピッチ同士も同じに形成している。対峙するカム面の歯の数が異なる場合は、第1のカム面32および第1の固定カム面38の一方と第2のカム面34および第2の固定カム面40の一方とが歯のピッチが同一であればよい。
使用者が天冠12をノック操作した際には、前記押圧の力によって、前記回転体36における第1のカム面32が前記第1の固定カム面38に噛合った状態で、第1のカム面32が前記第1の固定カム面38の歯38aの前方に傾く斜面38a1に沿って誘導されていくことにより(図4(b)〜(c)参照)、前記回転体36が前方移動しかつ所定回転方に回転する。具体的には、第1のカム面32の段部33先端が前記第1の固定カム面38の斜面38a1に乗って滑っていく。
このとき、図4(d)に示すように、第1のカム面32に設けられた段部33が第1の固定カム面38に設けられた段部39内に嵌り込む。すなわち、該第1のカム面32の歯32aの段部33が第1の固定カム面38aの段部39の凹所内に移動し、上記段部33がその段部39の凹所内に嵌り込み、第1のカム面32の歯32aの段部33の回転方向端面(壁面32a2)が第一の固定カム面38の反回転方向端の壁面38a2に当接する事により、打撃音すなわち、ノック音が発生し、繰出し容器を握っている使用者は手指にノック感覚を得ることができる。
一方、前記押圧の解除により、前記回転体36における第2のカム面34が前記第2の固定カム面40に噛合った状態で第2のカム面34が前記歯40aの後方に傾く斜面40a1に沿って誘導されていくことにより(図4(e)〜(f)参照)、前記回転体36が後方移動しかつ所定回転方向に回転する。
上記動作のように各カムによる回転作動するように前記ノック機構部Aが構成され、回転体36の回転によって前記ネジ棒30を回転させるようにしたものである。
ここで、前記回転体36の第1のカム面32が、前記第1の固定カム面38に噛み合わされた状態において(図4(d)参照)、前記第2の固定カム面40が、回転方向において第1の固定カム面38の一歯に対して半位相ずれた関係に設定され、一方、前記回転体36側の第2のカム面34が、前記第2の固定カム面40に噛み合わされた状態において(図4(f)参照)、前記回転体36側の第1のカム面32と前記第1の固定カム面38が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相ずれた関係に設定されている。
また、前記押圧が解除された状態において、前記回転体36における第2のカム面34を、前記第2の固定カム面40に当接させて噛み合わせ状態になるように回転体36を後方に付勢するバネ部材44が具備されている。
つまり、上記ノック式繰出容器は、前記ネジ体28の中空内部には、円環状に形成され、前記第1の固定カム面38と噛み合う第1のカム面32を前部に形成しかつ第2のカム面34を後部に形成し、内径前部に異形断面孔46を設けた回転体36と、前記回転体36と前記ネジ体28との間に回転体36をネジ体28に対して後方に付勢するバネ部材44と、前記回転体36の第2のカム面34と噛み合う第2の固定カム面40を具備し前記ネジ体28の後部に固定されるカム体42とを配設し、前記回転体36を前記ネジ体28と前記カム体42で前後から挟み込み、前記バネ部材44により前記回転体36を前記カム体42に向けて付勢する構造にしている。
そして、外径部にネジを備えて断面が異形のネジ棒30が前記ネジ体28のネジ部48に螺合し、前記回転体36の異形断面孔46により前記ネジ棒30と前記回転体36は軸方向に移動可能かつ回転方向に係止され、前記ネジ棒30先端部には軸本体10と摺動可能で前記ネジ棒30と軸方向に一体的に動くピストン体50が嵌合される。
さらに、前記回転体36後部には前記天冠12が回転可能かつ軸方向には係止された状態で配設されている。
図4に示すように、前記回転体36の第1のカム面32が、前記第1の固定カム面38に噛み合わされた状態において、前記回転体36側の第2のカム面34と前記第2の固定カム面40が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相ずれた関係に設定され、前記回転体36の第2のカム面34が、前記第2の固定カム面40に噛み合わされた状態において、前記回転体36側の第1のカム面32と前記第1固定カム面が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相ずれた関係に設定されている。
次に、上記した実施形態の作動を説明する。
上記のノック式繰出容器において、回転体36の第1のカム面32および第2のカム面34、ネジ体28の第1の固定カム面38、カム体42の第2の固定カム面40の相互動作の概略を図4(a)〜(f)に示す。
図1、図2に示す天冠12をノック(押圧)しない初期状態では、図4(a)に示すように、回転体36はバネ部材44によりカム体42側に押し付けられ、回転体36の第2のカム面34とカム体42の第2の固定カム面40は噛み合った状態になっている。この状態の時、回転体36の第2のカム面34は、第1のカム面32と頂点が軸方向に平行に同一直線状にあり、ネジ体28の第1の固定カム面38とは半位相ずれた状態である。
次に、図3に示すように、天冠12を軸線方向に押圧してノックを開始する。
ノックを開始すると、図4(a)から(b)に変化する。つまり、天冠12と回転体36はバネ部材44を圧縮させながら一体的に前方へ移動を開始し、回転体36の第2のカム面34はカム体42の第2の固定カム面40から離れていく。
更にノックを続けると図4(b)に示すように、回転体36の第1のカム面32は、ネジ体28の第1の固定カム面38に半位相ずれた状態で当接する。
図4(c)に示すように、この当接した状態からさらに押圧すると、ネジ体28の第1の固定カム面38の歯38aの斜面38a1を、回転体36の第1のカム面32の歯32aの斜面32a1が滑っていき、当該歯32aの壁部32a2が第1の固定カム面38の歯38aの壁部38a2と当接する位置まで(図4(d)に示す)、回転体36が所定方向に回転しながら前方へ移動する。この時、回転体36は天冠12に対して回転可能に取り付けられているため天冠12自体は回転しない。
このノック時の回転体36の回転に伴い、回転体36先端に配された異形断面孔46を貫通して、回転体36と回転方向に規制され軸線方向に移動自由に設けたネジ棒30が回転体36と一体的に回転する。ネジ棒30はネジ体28ネジ部48と螺合していることによりピストン体50と共に前進し収容部24の内容物を繰出す。
この状態からノックを解除する。
ネジ体28内部に配設されたバネ部材44が回転体36を押し上げることでノックを解除していくが、この時、回転体36の第2のカム面34はカム体42の第2の固定カム40の歯40aの配列ピッチが半位相ずれた状態であるので、該第2のカム面34は所定回転方向に回転および後方へ移動を開始する。
さらにノック解除を続けると図4(e)に示すように、回転体36の第2のカム面34がカム体42の第2の固定カム面40に当接し、図4(f)に示すように、バネ部材44の押上げ力で回転体36の第2のカム面34の歯34a斜面34a1が、カム体42の第2の固定カム面40の歯40a斜面40a1を滑っていくことにより、第2のカム面34の歯34aの壁部34a2がその第2の固定カム面40の歯40aの壁部40a2と当接する位置まで回転しながら後退する。この回転時も上記の通りネジ棒30を回転させピストン体50と共に前進し、内容物を繰出す。
上記のノック動作を繰り返すことにより、第1のカム面と第1の固定カム面が噛合うときにはノックオンが発生し、軸線方向のノック動作および解除動作が回転の力に変換され、ネジ棒30を回転させ、ピストン体50を押し出すことで内容物を定量的に繰出すことが可能となる。
また初期の回転は押圧力にその回転力の強さが依存されるため、ピストン体50の張り付きなどで初期回転に一定以上の力が必要となった場合にも対応し易い。
尚、本発明のノック式繰出容器は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
実施形態では、各部品を樹脂成型品とすることが好適であり、軸本体がPP、回転体がPOM、カム体がABS、ネジ体がABS、天冠がPCを材料とすることが好ましい。
また、実施形態では、回転体36の第1のカム面32およびネジ体28の第1の固定カム面38と、回転体の第2のカム面34およびカム体42の第2の固定カム面40の歯はいずれも双方とも同一ピッチで複数の歯を形成していたが本発明はこのような構成に限定されない。第1のカム面および第1の固定カム面の一方を、回転体の所定回転方向に対して前方に傾く斜面を有した第1の歯を所定回転方向に同一ピッチで複数形成し、第2のカム面および第2の固定カム面の一方は、回転体の所定回転方向に対して後方に傾く斜面を有した第2の歯を所定回転方向に同一ピッチで複数形成したものとして、つまり、対峙するカム面の何れか一方を複数歯で形成し、他方を単数または複数の歯を有するカムとすることも本発明の範囲内である。
(a)、(b)は、本発明の実施形態に係るノック式繰出容器の説明図であって天冠非押圧状態のノック式繰出容器の全体の外観図、縦断面図を示す。 図1に示すノック式繰出容器における天冠非押圧状態のノック機構部の断面拡大図を示す。 図1のノック式繰出容器の天冠押圧状態のノック機構部の断面拡大図を示す。 (a)〜(f)は、上記ノック式繰出容器のノック機構部の作動説明図である。 (a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、回転体の前方斜視図、後方斜視図、側面図、縦断面図、前方視図である。 (a)、(b)、(c)は、天冠の前方斜視図、側面図、縦断面図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、ネジ体の前方斜視図、後方斜視図、縦断面図、ネジ部周辺の拡大断面図である。 (a)、(b)は、軸本体の斜視図、縦断面図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、カム体の前方斜視図、後方斜視図、側面図、縦断面図である。 (a)、(b)は、ネジ棒の側面図、X−X線断面図である。 (a)、(b)、(c)は、ピストン体の前方斜視図、後方斜視図、縦断面図である。
符号の説明
10 軸本体
10a 軸本体の前端部
10b 嵌合部
10c リブ
12 天冠
14 継手
16 パイプ継手
18 パイプ
20 先軸
22 穂首
24 収容部
24a 攪拌ボール
24b シールボール
26 キャップ
26a インナーキャップ
26b インナーキャップ後方付勢用スプリング
26c 栓体
28 ネジ体
28a ネジ体の前端の筒状部
28b 円筒状部分
28c スリット
28d 嵌合部
28e 溝部
28f リブ
30 ネジ棒
30a 雄ネジ
30b 嵌合部
32 第1のカム面
32a 第1のカム面の歯
32a1 第1のカム面の歯の斜面
32a2 歯の壁部
33 段部
34 第2のカム面
34a 第2のカム面の歯
34a1 第2のカム面の歯の斜面
34a2 第2のカム面の歯の壁部
36 回転体
36a 嵌合部
38 第1の固定カム面
38a 第1の固定カム面の歯
38a1 第1の固定カム面の歯の斜面
38a2 第1の固定カム面の歯の壁部
39 段部
40 第2の固定カム面
40a 第2の固定カム面の歯
40a1 第2の固定カム面の歯の斜面
40a2 第2の固定カム面の歯の壁部
42 カム体
44 バネ部材
46 異形断面孔
48 ネジ体のネジ部
50 ピストン体
50a 本体
50b 筒状部
50c 嵌合部
A 押圧の力を回転の力に変換するノック機構部

Claims (6)

  1. 使用者の操作による天冠の押圧の力を回転の力に変換する機構部と、軸本体に固定したネジ体と、ネジ体に螺合させたネジ棒とを有し、その機構部が変換した回転の力でネジ棒を回転させることによってネジ体を介して該ネジ棒を前進させて前記内容物を繰出す構造であって、
    押圧の力を回転の力に変換する機構部は、天冠が回転可能かつ軸方向移動を規制して配設され、前方向きの第1のカム面および後方向きの第2のカム面が形成された円環状のものであって軸本体に回転可能かつ軸方向移動可能に配設された回転体と、
    前記第1のカム面および第2のカム面にそれぞれ対峙しかつ軸本体に軸方向および回転方向に固定して配置された第1の固定カム面および第2の固定カム面とが具備され、
    前記第1のカム面は回転体の所定回転方向に対して前方に傾く斜面に前方に凸状の段部を有すると共に、第1の固定カム面は回転体の所定回転方向に対して前方に傾く斜面に前方に凹状の段部を有し、前記第1のカム面および第1の固定カム面の少なくとも一方は当該斜面および段部を含む第1の歯を所定回転方向に同一ピッチで複数形成し、
    前記第2のカム面および第2の固定カム面の少なくとも一方は、回転体の所定回転方向に対して後方に傾く斜面を有した第2の歯を所定回転方向に同一ピッチで複数形成し、
    前記押圧の力によって、前記回転体における第1のカム面が前記第1の固定カム面に噛合った状態で、前記第1のカム面が第1の固定カム面の前方に傾く斜面に沿って誘導されていくことにより、前記回転体が前方移動しかつ所定回転方に回転すると共に、前記第1のカム面が第1の固定カム面の斜面に沿って誘導されるときに、前記第1のカム面および前記第1の固定カム面の斜面に設けられた段部同士の当接によりノック音及びノック感触を付与することが可能な前記機構部が構成され、
    一方、前記押圧の解除により前記回転体における第2のカム面が前記第2の固定カム面に噛合い、この噛合い状態で第2のカム面が前記第2の固定カム面の後方に傾く斜面に沿って誘導されていくことにより、前記回転体が後方移動しかつ所定回転方向に回転するように前記機構部が構成され、前記回転体の回転によって前記ネジ棒を回転させるようにしたことを特徴とするノック式繰出容器。
  2. 前記回転体の第1のカム面が前記第1の固定カム面に噛み合わされた状態において、前記回転体側の第2のカム面と前記第2の固定カム面が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相ずれた関係に設定され、
    それと共に、前記回転体側の第2のカム面が前記第2の固定カム面に噛み合わされた状態において、前記回転体側の第1のカム面と前記第1の固定カム面が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相がずれた関係に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のノック式繰出容器。
  3. 前記押圧が解除された状態において、前記回転体における第2のカム面を、前記第2の固定カム面に当接させて噛み合わせ状態になるように回転体を後方に付勢するバネ部材が具備されていることを特徴とする請求項1または2に記載のノック式繰出容器。
  4. 前記回転体に小判型等の異形断面孔を設け、雌ネジからなるネジ部および第1の固定カム面を有するネジ体を軸本体に固定し、前記回転体の異形断面孔に合う断面形状で外周部に雄ネジを形成したネジ棒を前記ネジ体のネジ部に螺合させ、かつ、前記回転体の異形断面孔に通過させた状態で前記回転体の回転によりネジ棒を回転させることを特徴とする請求項1から3のうちの1項に記載のノック式繰出容器。
  5. 軸本体後端部に配設された天冠を押圧することにより内容物を繰出す機構部を持ったノック式繰出容器であって、
    内容物を収容する軸本体内に、前部において内径にネジ部および後方向きに第1の固定カム面を持ち、かつ、中央部から後部が中空に形成されたネジ体が固定され、
    そのネジ体の中空内部には、円環状に形成され、前記第1の固定カム面と噛み合う第1のカム面を前部に形成しかつ第2のカム面を後部に形成し、内径前部に異形断面孔を設けた回転体と、前記回転体と前記ネジ体との間に回転体をネジ体に対して後方に付勢するバネ部材と、前記回転体の第2のカム面と噛み合う第2の固定カム面を具備し前記ネジ体の後部に固定されるカム体とを配設して、
    前記回転体を前記ネジ体と前記カム体で前後から挟み込み、前記バネ部材により前記回転体を前記カム体に向けて付勢する構造にしており、
    外径部にネジを備えて断面が異形のネジ棒が前記ネジ体のネジ部に螺合し、前記回転体の異形断面孔により前記ネジ棒と前記回転体は軸方向に移動可能かつ回転方向に係止され、前記ネジ棒先端部には軸本体と摺動可能で前記ネジ棒と軸方向に一体的に動くピストン体が嵌合され、
    前記回転体後部には前記天冠が回転可能かつ軸方向には係止された状態で配設されており、
    前記回転体の第1のカム面が前記第1の固定カム面に噛み合わされた状態において、前記回転体側の第2のカム面と前記第2の固定カム面が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相ずれた関係に設定され、それと共に、前記回転体の第2のカム面が前記第2の固定カム面に噛み合わされた状態において、前記回転体側の第1のカム面と前記第1固定カム面が、回転方向においてカムの一歯に対して半位相ずれた関係に設定されており、
    前記回転体の第1のカム面と前記第1のカム面に対峙した第1の固定カム面に前方に向かう段部を設け、押圧の力によって前記第1のカム面が前記第1の固定カム面の斜面に沿って誘導される時、各カム面に設けられた段部によりノック音及びノック感触を付与することが可能な機構部を設けたことを特徴とするノック式繰出容器。
  6. 前記回転体の第2のカム面と前記第2の固定カム面にも後方に向かう各段部を設けて、押圧解除時の第2のカム面と第2の固定カム面が噛み合う時にも各段部によってノック音及びノック感を付与することを特徴とする請求項1から5のうちの一項に記載のノック式繰出容器。
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