JP2010087104A - 光電変換素子、その製造方法及び太陽電池 - Google Patents

光電変換素子、その製造方法及び太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高い光電変換効率を有する光電変換素子、その製造方法及び該光電変換素子を用いた太陽電池を提供することにある。
【解決手段】導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる半導体電極と、対向電極とを電荷移動層を介して対向配置してなる色素増感型の光電変換素子の製造方法において、前記半導体電極上に、第1の電荷輸送物質含有塗布液と前記第1の電荷輸送物質含有塗布液よりも電荷輸送物質濃度が高い第2の電荷輸送物質含有塗布液をこの順に塗布して、前記電荷移動層を形成することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型の光電変換素子、その製造方法及び該光電変換素子を用いた太陽電池に関する。
近年、無限で有害物質を発生しない太陽光の利用が精力的に検討されている。このクリーンエネルギー源である太陽光利用として現在実用化されているものは、住宅用の単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びテルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の無機系太陽電池が挙げられる。
しかしながら、これらの無機系太陽電池の欠点としては、例えば、シリコン系では非常に純度の高いものが要求され、当然精製の工程は複雑でプロセス数が多く、製造コストが高いことが挙げられる。
その一方で、有機材料を使う太陽電池も多く提案されている。有機太陽電池としては、p型有機半導体と仕事関数の小さい金属を接合させるショットキー型光電変換素子、p型有機半導体とn型無機半導体、あるいはp型有機半導体と電子受容性有機化合物を接合させるヘテロ接合型光電変換素子等があり、利用される有機半導体は、クロロフィル、ペリレン等の合成色素や顔料、ポリアセチレン等の導電性高分子材料またはそれらの複合材料等である。これらを真空蒸着法、キャスト法またはディッピング法等により、薄膜化し電池材料が構成されている。有機材料は低コスト、大面積化が容易等の長所もあるが、変換効率は1%以下と低いものが多く、また耐久性も悪いという問題もあった。
こうした状況の中で、1991年に増感色素としてルテニウム錯体を用いた新規色素増感太陽電池が10%の光電変換効率を持つことがグレッツェル教授により発表されて以来、次世代の電力源として注目されている(非特許文献1参照)。また、液体型の色素増感太陽電池の問題点である電解質溶液の揮発、液漏れ、増感色素の離脱を改善するべく固体型の色素増感太陽電池が近年多数発表されている(非特許文献2、3参照)。
固体型の色素増感光電変換素子の光電変換効率の向上には、増感色素分子−電解質分子間の接触性の改善が必須であり、増感色素吸着酸化物半導体の細孔への電解質分子の浸透度が光電変換効率に大きく関わってくる。しかし増感色素吸着酸化物半導体の細孔へ電解質を行き渡らせるために吸着時間を増やすと、溶媒の揮発による成膜性の悪化、増感色素の酸化物半導体からの離脱が起こり、光電変換効率は悪化するという問題があった。
B.O’Regan and M.Gratzel,Nature,353,737(1991) K.Tennakone,et al.,J.Phys.D;Appl.Phys.,31,1492(1998) U.Bach,et al.,Nature,395,583(1998)
本発明の目的は、高い光電変換効率を有する光電変換素子、その製造方法及び該光電変換素子を用いた太陽電池を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる半導体電極と、対向電極とを電荷移動層を介して対向配置してなる色素増感型の光電変換素子の製造方法において、前記半導体電極上に、第1の電荷輸送物質含有塗布液と前記第1の電荷輸送物質含有塗布液よりも電荷輸送物質濃度が高い第2の電荷輸送物質含有塗布液をこの順に塗布して、前記電荷移動層を形成することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
2.前記第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度が10〜100mmol/lであることを特徴とする前記1に記載の光電変換素子の製造方法。
3.前記第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度と第2の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度が、下記式(1)を満たすことを特徴とする前記2に記載の光電変換素子の製造方法。
300mmol/l>(第2の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度−第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度)>50mmol/l 式(1)
4.前記第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質または第2の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質が芳香族アミン化合物であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
5.前記酸化物半導体が酸化チタンであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
6.前記色素がカルボキシル基を有することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法で得られたことを特徴とする光電変換素子。
8.前記7に記載の光電変換素子を有することを特徴とする太陽電池。
本発明により、高い光電変換効率を有する光電変換素子、その製造方法及び該光電変換素子を用いた太陽電池を提供することができた。
本発明者らは、鋭意検討の結果、導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる半導体電極と、対向電極とを電荷移動層を介して対向配置してなる色素増感型の光電変換素子の製造方法において、前記半導体電極上に、先ず第1の電荷輸送物質含有塗布液を塗布した後に、第1の電荷輸送物質含有塗布液よりも電荷輸送物質濃度が高い第2の電荷輸送物質含有塗布液を塗布して、前記電荷移動層を形成する光電変換素子の製造方法により、高い光電変換効率を有する光電変換素子が得られることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔光電変換素子〕
本発明の光電変換素子について、図をもって説明する。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す断面図である。本発明の光電変換素子は図1に示すように、基板1、透明導電膜2、絶縁層3、半導体電極6、正孔輸送層7、対向電極8等から構成されている。
本発明の光電変換素子は、以下の構成で形成される。透明導電膜2を付けた基板1(導電性支持体ともいう)上に、絶縁層3を形成した後、焼結して形成した空孔を有する半導体層5を有し、その空孔表面に色素4を吸着させて半導体電極6を形成する。p型半導体を主たる成分とする正孔輸送層7を半導体電極6上に設け、その上に対向電極8が付着している。透明導電膜2及び対向電極8に端子を付けて光電流を取り出す。
(電荷移動層の形成)
高い光電変換効率を有する光電変換素子を得るためには、増感色素分子−電荷輸送物質(電解質分子)間の接触性の改善が重要であり、酸化物半導体の細孔への電荷輸送物質の浸透度が光電変換効率に大きく関わってくる。しかし酸化物半導体の細孔へ電荷輸送物質を行き渡らせるために吸着時間を増やすと、溶媒の揮発による成膜性の悪化、酸化物半導体から増感色素の離脱が起こり、光電変換効率は悪化するという問題があった。
そこで本発明では、先ず低濃度の第1の電荷輸送物質含有塗布液を塗布した後に、高濃度の第2の電荷輸送物質含有塗布液を塗布して、前記電荷移動層を形成する。第1の電荷輸送物質含有塗布液を塗布した後に、未乾燥のまま続けて第2の電荷輸送物質含有塗布液を塗布してもよいが、第1の電荷輸送物質含有塗布液を塗布し、乾燥した後、第2の電荷輸送物質含有塗布液を塗布する方が、電荷輸送物質の酸化物半導体の細孔に入り易く、好ましい。また、1種類の電荷輸送物質塗布液だけで塗布した場合、膜表面にクラックや点欠陥が生じやすく、光電変換効率の低下を引き起こす。
具体的な第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度は10〜100mmol/lであることが好ましく、20〜60mmol/lであることがより好ましい。第2の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度は、第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度より高いことが必要であるが、必要な量の電荷輸送物質を供給するために、50〜1000mmol/lであることが好ましく、100〜500mmol/lであることがより好ましい。
また、第2の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度は、前記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
このような構成により、低濃度の第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質は酸化物半導体の細孔に入り易くなり、先に酸化物半導体の細孔に入り吸着している増感色素分子との接触性が改善されるものと推定している。また、その後に高濃度の第2の電荷輸送物質含有塗布液を塗布することにより、吸着時間を増やすことなしに、必要な量の電荷輸送物質が供給される。
本発明の光電変換素子は、導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる半導体電極と対向電極とを、電荷移動層を介して対向配置してなる。以下、半導体電極、対向電極について説明する。
(半導体電極)
本発明に係る半導体電極(図1の6)の作製方法について説明する。
本発明に係る半導体が焼成により作製される場合には、色素を用いての半導体の増感処理(吸着、多孔質への入り込み等)は、半導体の焼成後に実施することが好ましい。焼成後、半導体に水が吸着する前に素早く色素の吸着処理を実施することが特に好ましい。
本発明に係る半導体が粒子状の場合には、半導体を導電性支持体に塗布あるいは吹きつけて、半導体電極を作製するのがよい。また、本発明に係る半導体が膜状であって、導電性支持体上に保持されていない場合には、半導体を導電性支持体上に貼合して半導体電極を作製することが好ましい。
本発明の光電変換素子において、半導体としては、周期表(元素周期表ともいう)の第3族〜第5族、第13族〜第15族系の元素を有する化合物、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物等を使用することができる。
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。
具体例としては、TiO、ZrO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、Ta、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS、CuInSe、Ti等が挙げられるが、好ましく用いられるのは、TiO、ZnO、SnO、Fe、WO、Nb、CdS、PbSであり、より好ましく用いられるのは、TiOまたはSnOであるが、中でも特に好ましく用いられるのはTiOである。
光電極に用いる半導体は、上述した複数の半導体を併用して用いてもよい。例えば、上述した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもでき、また酸化チタン半導体に20質量%の窒化チタン(Ti)を混合して使用してもよい。また、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,15(1999)記載の酸化亜鉛/酸化錫複合としてもよい。このとき、半導体として金属酸化物もしくは金属硫化物以外に成分を加える場合、追加成分の金属酸化物もしくは金属硫化物半導体に対する質量比は30%以下であることが好ましい。
(基板)
本発明の光電変換素子や本発明の太陽電池に用いられる基板(導電性支持体ともいう)には、金属板のような導電性材料や、ガラス板やプラスチックフイルムのような非導電性材料に導電性物質を設けた構造のものを用いることができる。導電性支持体に用いられる材料の例としては金属(例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム)あるいは導電性金属酸化物(例えば、インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの)や炭素を挙げることができる。導電性支持体の厚さは特に制約されないが、0.3〜5mmが好ましい。
また、導電性支持体は実質的に透明であることが好ましく、実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが最も好ましい。透明な導電性支持体を得るためには、ガラス板またはプラスチックフイルムの表面に、導電性金属酸化物からなる導電性層を設けることが好ましい。透明な導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
導電性支持体は、表面抵抗は50Ω/cm以下であることが好ましく、10Ω/cm以下であることがさらに好ましい。
(半導体微粉末含有塗布液の調製)
先ず、半導体の微粉末を含む塗布液を調製する。この半導体微粉末はその1次粒子径が微細な程好ましく、その1次粒子径は1〜5000nmが好ましく、さらに好ましくは2〜50nmである。半導体微粉末を含む塗布液は、半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製することができる。溶媒中に分散された半導体微粉末は、その1次粒子状で分散する。溶媒としては半導体微粉末を分散し得るものであればよく、特に制約されない。
前記溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が含まれる。有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。塗布液中には、必要に応じ界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)を加えることができる。溶媒中の半導体微粉末濃度の範囲は0.1〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜30質量%である。
(半導体微粉末含有塗布液の塗布と形成された半導体層の焼成処理)
上記のようにして得られた半導体微粉末含有塗布液を、導電性支持体上に塗布または吹きつけ、乾燥等を行った後、空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性支持体上に半導体層(半導体膜)が形成される。
導電性支持体上に塗布液を塗布、乾燥して得られる皮膜は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒径は使用した半導体微粉末の1次粒子径に対応するものである。
このようにして導電性支持体等の基板上に形成された半導体微粒子集合体膜は、導電性支持体との結合力や微粒子相互の結合力が弱く、機械的強度の弱いものであることから、機械的強度を高め、基板に強く固着した焼成物膜とするため、前記半導体微粒子集合体膜の焼成処理が好ましく行われる。
本発明においては、この焼成処理で得られる焼成物膜はどのような構造を有していてもよいが、多孔質構造膜(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
ここで、本発明に係る半導体薄膜の空隙率は10体積%以下が好ましく、さらに好ましくは8体積%以下であり、特に好ましくは0.01〜5体積%以下である。なお、半導体薄膜の空隙率は誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアライザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することができる。
多孔質構造を有する焼成物膜になった半導体層の膜厚は、10nm以上が好ましく、さらに好ましくは100〜10000nmである。
焼成処理時、焼成物膜の実表面積を適切に調製し、上記の空隙率を有する焼成物膜を得る観点から、焼成温度は1000℃より低いことが好ましく、さらに好ましくは200〜800℃の範囲であり、特に好ましくは300〜800℃の範囲である。
また、見かけ表面積に対する実表面積の比は、半導体微粒子の粒径及び比表面積や焼成温度等によりコントロールすることができる。また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素から半導体粒子への電子注入効率を高めたりする目的で、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
(色素)
本発明では、半導体に色素を吸着させている。電荷の半導体薄膜への効率的な注入の観点から、上記増感色素はカルボキシル基を有することが好ましい。以下に、色素の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010087104
(半導体の増感処理)
半導体の増感処理は上記のように色素を適切な溶媒に溶解し、その溶液に前記半導体を焼成して固着した基板を浸漬することによって行われる。その際には、半導体層(半導体膜ともいう)を焼成により形成し基板を、予め減圧処理や加熱処理して膜中の気泡を除去し、色素が半導体層(半導体膜)内部深くに進入できるようにしておくことが好ましく、半導体層(半導体膜)が多孔質構造膜である場合には特に好ましい。
色素を溶解するのに用いる溶媒は、溶解することができ、かつ半導体を溶解したり半導体と反応したりすることのないものであれば格別の制限はないが、溶媒に溶解している水分及び気体が半導体膜に進入して、前記色素の吸着等の増感処理を妨げることを防ぐために、予め脱気及び蒸留精製しておくことが好ましい。
好ましく用いられる溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒であり、混合溶媒を用いてもよい。特に好ましくはエタノール、t−ブチルアルコール、アセトニトリルである。
半導体を焼成した基板を、色素を含む溶液に浸漬する時間は、半導体層(半導体膜)に前記色素が深く進入して吸着等を十分に進行させ、半導体を十分に増感させ、かつ溶液中で前記色素の分解等により生成した分解物が色素の吸着を妨害することを抑制する観点から、25℃では1〜48時間が好ましく、さらに好ましくは3〜24時間である。この温度、時間は、特に半導体膜が多孔質構造膜である場合に好ましい。ただし、浸漬時間については25℃での値であり、温度条件を変化させて場合にはこの限りではない。
浸漬しておくに当たり、色素を含む溶液は、色素が分解しない限り、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。好ましい温度範囲は10〜100℃であり、さらに好ましくは25〜80℃であるが、前記の通り溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこの限りでない。
色素を用いて増感処理を行う場合、色素を単独で用いてもよいし、複数を併用することもできる。
また、本発明に好ましいカルボキシル基を有する色素と他の色素を併用して用いることもできる。併用して用いることのできる色素としては、本発明に係る半導体層を分光増感しうるものならばいずれの色素も用いることができる。光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ光電変換効率を上げるため2種類以上の色素を混合することが好ましい。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように混合する色素とその割合を選ぶことができる。
特に、本発明の光電変換素子の用途が後述する太陽電池である場合には、光電変換の波長域をできるだけ広くして太陽光を有効に利用できるように、吸収波長の異なる2種類以上の色素を混合して用いることが好ましい。
併用して用いる色素の中では、光電子移動反応活性、光耐久性、光化学的安定性等の総合的な観点から、金属錯体色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、ポリメチン系色素が好ましく用いられる。
本発明に好ましいカルボキシル基を有する色素と併用して用いることのできる色素としては、例えば、米国特許第4,684,537号明細書、同4,927,721号明細書、同5,084,365号明細書、同5,350,644号明細書、同5,463,057号明細書、同5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2000−150007号公報等に記載の色素を挙げることができる。
半導体層に色素を含ませるには、前記色素を適切な溶媒(エタノール等)に溶解し、その溶液中によく乾燥した半導体を長時間浸漬する方法が一般的である。
色素を複数種類併用したり、本発明に好ましいカルボキシル基を有する色素以外の他の色素を併用したりして増感処理する際には、各々の色素の混合溶液を調製して用いてもよいし、それぞれの色素について溶液を用意して、各溶液に順に浸漬して作製することもできる。各色素について別々の溶液を用意し、各溶液に順に浸漬して作製する場合は、半導体層に前記色素を含ませる順序がどのようであっても、本発明に記載の効果を得ることができる。また、色素を単独で吸着させた半導体微粒子を混合する等により作製してもよい。
吸着処理は半導体層が粒子状の時に行ってもよいし、支持体上に膜を形成した後に行ってもよい。吸着処理に用いる化合物を溶解した溶液はそれを常温で用いてもよいし、該化合物が分解せず溶液が沸騰しない温度範囲で加熱して用いてもよい。また、後述する光電変換素子の製造のように、半導体微粒子の塗布後に前記色素の吸着を実施してもよい。また、半導体微粒子と本発明の増感色素とを同時に塗布することにより、色素の吸着を実施してもよい。また、未吸着の色素は洗浄によって除去することができる。
また、本発明に係る半導体層の増感処理については、半導体を本発明の増感色素を含むことにより増感処理が行われるが、増感処理の詳細については、後述する光電変換素子のところで具体的に説明する。
また、空隙率の高い半導体薄膜を有する半導体層の場合には、空隙に水分、水蒸気等により水が半導体薄膜上、並びに半導体薄膜内部の空隙に吸着する前に、前記増感色素の吸着処理(半導体層の増感処理)を完了することが好ましい。
(電荷移動層)
本発明に用いられる電荷移動層(正孔輸送層ともいう)について説明する。
電荷移動層は色素の酸化体を迅速に還元し、色素との界面で注入された正孔を対極に輸送する機能を担う層である。本発明に係る電荷移動層は、正孔輸送材料としてのp型化合物半導体を主成分として構成されている。p型化合物半導体のバンドギャップは色素吸収を妨げないため大きいことが好ましい。本発明で使用するp型化合物半導体のバンドギャップは、2eV以上であることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好ましい。また、p型化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素ホールを還元するためには、色素吸着電極イオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によって電荷移動層に使用するp型化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下が好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下が好ましい。
p型化合物半導体としては、正孔の輸送能力が優れている芳香族アミン誘導体が好ましい。このため、正孔輸送層を主として芳香族アミン誘導体で構成することにより、光電変換効率をより向上させることができる。芳香族アミン誘導体としては、特に、トリフェニルジアミン誘導体を用いるのが好ましい。トリフェニルジアミン誘導体は、芳香族アミン誘導体の中でも、特に正孔の輸送能力が優れている。また、このような芳香族アミン誘導体は、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーのいずれを用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。また、モノマー、オリゴマーやプレポリマーは、比較的低分子量であることから、有機溶媒等の溶媒への溶解性が高い。このため、正孔輸送層を塗布法により形成する場合に、正孔輸送層材料の調製をより容易に行うことができるという利点がある。このうち、オリゴマーとしては、ダイマーまたはトリマーを用いるのが好ましい。
具体的な芳香族第3級アミン化合物としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、p型正孔輸送材料を用いることもできる。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を塗布して形成する。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報の各公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
(対向電極)
本発明に用いられる対向電極について説明する。
対向電極は導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられるが、正孔輸送層との接触性のよい金属薄膜であることが好ましい。正孔輸送層との仕事関数の差が小さく、化学的に安定である金属である金薄膜が特に好ましい。
〔太陽電池〕
本発明の太陽電池について説明する。
本発明の太陽電池は、本発明の光電変換素子の一態様として太陽光に最適の設計並びに回路設計が行われ、太陽光を光源として用いたときに最適な光電変換が行われるような構造を有する。即ち、色素増感された半導体に太陽光が照射されうる構造となっている。本発明の太陽電池を構成する際には、前記半導体電極、正孔輸送層及び対向電極をケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、半導体に吸着された色素は、照射された光もしくは電磁波を吸収して励起する。励起によって発生した電子は半導体に移動し、次いで正孔輸送層を経由して対向電極に移動して、正孔輸送層(電荷移動層ともいう)の芳香族アミン誘導体を還元する。一方、半導体に電子を移動させた色素は酸化体となっているが、対向電極から正孔輸送層を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に正孔輸送層の芳香族アミン誘導体は酸化されて、再び対向電極から供給される電子により還元されうる状態に戻る。このようにして電子が流れ、本発明の光電変換素子を用いた太陽電池を構成することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明これらに限定されない。
実施例
〔光電変換素子1の作製:本発明〕
フッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電性ガラス基板上に、アルコキシチタン溶液(松本工商:TA−25/IPA希釈)をスピンコート法にて塗布した。室温で30分放置後、450℃で30分間焼成を行い、短絡防止層(絶縁層)とした。続いて、市販の酸化チタンペースト(粒径18nm)を上記短絡防止層上にドクターブレード法により塗布した後、60℃で10分間加熱処理後、500℃で30分間焼成を行い、厚さ5μmの酸化チタン薄膜を有する半導体電極基板を得た。
例示色素(2)をエタノールに溶解し、3×10−4mol/lの溶液を調製した。上記半導体電極基板を、この溶液に室温で3時間浸漬して、色素の吸着処理を行った後、アセトニトリルで洗浄、乾燥し、色素担持半導体電極とした。
次に、クロロベンゼン:アセトニトリル=19:1混合溶媒に、電荷輸送物質として、電荷輸送物質(1)を0.04mol/l(低濃度)、ホールドーピング剤としてN(PhBr)SbClを0.08mmol/l、Li[(CFSON]を3.5mmol/l、4−tert−ブチルピリジンを12mmol/lとなるように溶解した第1の電荷輸送物質含有塗布液を、色素吸着後の上記色素担持光電変換電極上にスピンコートし、送風下乾燥した。次に、クロロベンゼン:アセトニトリル=19:1混合溶媒中に、ホール輸送剤として、下記電荷輸送物質(1)を0.17mol/l(高濃度)、ホールドーピング剤としてN(PhBr)SbClを0.33mmol/l、Li[(CFSON]を15mmol/lとなるように溶解した第2の電荷輸送物質含有塗布液を、上記光電変換電極上にスピンコートし、電荷移動層を形成した。さらに真空蒸着法により金を90nm蒸着し、対極電極を作製し、光電変換素子1を作製した。
Figure 2010087104
〔光電変換素子2〜5作製:本発明〕
光電変換素子1の作製において、第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質(1)の濃度及び第2の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質(1)の濃度を表1のように代え、ホールドーピング剤濃度は電荷輸送物質(1)濃度に比例して調製を行った以外は同様にして、光電変換素子2〜5を作製した。
〔光電変換素子6、7の作製:比較例〕
光電変換素子1の作製において、第1の電荷輸送物質含有塗布液(先に塗布する電荷輸送物質含有塗布液)の電荷輸送物質(1)の濃度及び第2の電荷輸送物質含有塗布液(後に塗布する電荷輸送物質含有塗布液)の電荷輸送物質(1)の濃度を表1のように代え、ホールドーピング剤濃度は電荷輸送物質(1)濃度に比例して調製を行った以外は同様にして、光電変換素子6、7を作製した。
〔光電変換素子8〜10の作製:比較例〕
光電変換素子1の作製において、第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質(1)の濃度を表1のように代え、ホールドーピング剤濃度は電荷輸送物質(1)濃度に比例して調製を行い、第2の電荷輸送物質含有塗布液は塗布せず、他は同様にして、光電変換素子8〜10を作製した。
〔光電変換素子の評価〕
作製した光電変換素子について、電荷移動層表面の均一性及び光電変換特性を測定した。
(電荷移動層表面の均一性)
任意の電荷移動層表面10カ所について、1000倍の光学顕微鏡でクラック及び点欠陥観察し、平均値を算出し、下記基準で評価した。
◎:0.01mm中にクラック及び点欠陥なし
○:0.01mm中にクラックが2以下、または点欠陥が1以下
△:0.01mm中にクラックが5以下、または点欠陥が3以下
×:0.01mm中にクラックが5を超える、または点欠陥が3を超える
○以上が好ましい。
(光電変換特性)
強度100mW/cmのキセノンランプ照射下、半導体電極に5×5mmのマスクをかけた条件下で光電変換特性の測定を行った。
即ち、光電変換素子について、I−Vテスターを用いて室温にて電流−電圧特性を測定し、短絡電流(Jsc)、開放電圧(Voc)、及び形状因子(FF)を求め、これらから光電変換効率(η(%))を求めた。なお、光電変換素子の光電変換効率(η(%))は下記式(A)に基づいて算出した。
η=100×(Voc×Jsc×FF)/P (A)
ここで、Pは入射光強度[mW・cm−2]、Vocは開放電圧[V]、Jscは短絡電流密度[mA・cm−2]、FFは形状因子を示す。
評価の結果を表1に示す。
Figure 2010087104
表1より、光電変換効率については、先ず低濃度の第1の電荷輸送物質含有塗布液を塗布した後に、高濃度の第2の電荷輸送物質含有塗布液を塗布して、電荷移動層を形成した本発明の光電変換素子1〜5は、いずれも比較の光電変換素子6〜10に比べ光電変換効率が高いことが分かる。これに対し、先ず高濃度の電荷輸送物質含有塗布液を塗布した後に、低濃度の電荷輸送物質含有塗布液を塗布して、電荷移動層を形成した比較例の光電変換素子6、7は本発明の光電変換素子には及ばなかった。これは色素吸着酸化物半導体細孔へ電荷輸送物質が浸透が不十分のためと考えられる。
電荷移動層表面の均一性については、本発明の光電変換素子1〜5はいずれも○以上であり、表面の均一性が確認できた。これに対し、比較例の光電変換素子8は、低濃度の電荷輸送物質含有塗布液を塗布しているため、電荷移動層からの増感色素の露出が確認された。比較の光電変換素子10は、高濃度の電荷輸送物質含有塗布液を塗布しているため、クラック、ムラ、結晶の析出が確認された。
本発明の光電変換素子の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 透明導電膜
3 絶縁層
4 色素
5 半導体層
6 半導体電極
7 正孔輸送層
8 対向電極

Claims (8)

  1. 導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる半導体電極と、対向電極とを電荷移動層を介して対向配置してなる色素増感型の光電変換素子の製造方法において、前記半導体電極上に、第1の電荷輸送物質含有塗布液と前記第1の電荷輸送物質含有塗布液よりも電荷輸送物質濃度が高い第2の電荷輸送物質含有塗布液をこの順に塗布して、前記電荷移動層を形成することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  2. 前記第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度が10〜100mmol/lであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度と第2の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度が、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子の製造方法。
    300mmol/l>(第2の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度−第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質濃度)>50mmol/l 式(1)
  4. 前記第1の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質または第2の電荷輸送物質含有塗布液の電荷輸送物質が芳香族アミン化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記酸化物半導体が酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 前記色素がカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法で得られたことを特徴とする光電変換素子。
  8. 請求項7に記載の光電変換素子を有することを特徴とする太陽電池。
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CN113121124A (zh) * 2021-03-29 2021-07-16 桂林理工大学 一种铈掺杂硫化铋/三氧化二铁纳米异质结的制备方法

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