JP2010086953A - 高分子電解質膜の製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脱塩重縮合で得られる、(1)、または(2)、何れかの高分子電解質の重合溶液から、遠心分離および/またはフィルター濾過で、重縮合時に生成した塩分の一部を除去して塗液を得る工程、該塗液を基材上に流延塗工し、溶媒の一部を除去して、基材上に膜状物を得る工程、該基材上の膜状物を水および/または酸性水溶液と接触させ、重縮合時に生成した塩分を除去する工程を有する製造方法からなる。(1)加水分解性可溶性付与基およびイオン性基を含有する高分子電解質(2)イオン性基密度が1.0mmol/g以上の高分子電解質
【選択図】なし
Description
(1)加水分解性可溶性付与基およびイオン性基を含有する高分子電解質
(2)イオン性基密度が1.0mmol/g以上の高分子電解質
1)装置:Chemagnetics社製CMX−300
Bruker社製AVANCE400
2)測定:DD/MAS法 緩和時間モード
3)測定角:13C
4)観測周波数:75.497791MHz、100.6248425MHz
5)パルス幅:4.2μs、3.3μs
6)観測幅:30.03kHz、40.00kHz
7)ポイント数:観測ポイント1024、データポイント8192
8)パルス繰り返し時間:PD:150s、10s
9)化学シフト基準:シリコーンゴム(内部基準1.56ppm)
10)試料回転数:9kHz、14kHz
11)測定温度:室温
また、本発明のイオン性基とは、負電荷を有する原子団であれば特に限定されるものではないが、プロトン交換能を有するものが好ましい。このような官能基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基、カルボン酸基が好ましく用いられる。かかるイオン性基は塩となっている場合を含むものとする。前記塩を形成するカチオンとしては、任意の金属カチオン、NR4+(Rは任意の有機基)等を例として挙げることができる。金属カチオンの場合、その価数等特に限定されるものではなく、使用することができる。好ましい金属イオンの具体例を挙げるとすれば、Li、Na、K、Rh、Mg、Ca、Sr、Ti、Al、Fe、Pt、Rh、Ru、Ir、Pd等が挙げられる。中でも、安価で、溶解性に悪影響を与えず、容易にプロトン置換可能なNa、Kがより好ましく使用される。
(1) 試料をミルにより粉砕し、粒径を揃えるため、目50メッシュの網ふるいにかけ、ふるいを通過したものを測定試料とする。
(2) サンプル管(蓋付き)を精密天秤で秤量する。
(3) 前記(1)の試料 約0.1gをサンプル管に入れ、40℃で16時間、真空乾燥する。
(4) 試料入りのサンプル管を秤量し、試料の乾燥重量を求める。
(5) 塩化ナトリウムを30重量%メタノール水溶液に溶かし、飽和食塩溶液を調製する。
(6) 試料に前記(5)の飽和食塩溶液を25mL加え、24時間撹拌してイオン交換する。
(7) 生じた塩酸を0.02mol/L水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。指示薬として市販の滴定用フェノールフタレイン溶液(0.1体積%)を2滴加え、薄い赤紫色になった点を終点とする。
(8) スルホン酸基密度は下記の式により求める。
スルホン酸基密度(mmol/g)=
〔水酸化ナトリウム水溶液の濃度(mmol/ml)×滴下量(ml)〕/試料の乾燥重量(g)
本発明のイオン性基を有する電解質には本発明の目的を阻害しない範囲において、他の成分、例えば導電性若しくはイオン伝導性を有さない不活性なポリマーや有機あるいは無機の化合物が含有されていても構わない。
また、フィルター濾過単独より、遠心分離とフィルター濾過を組み合わせるのが最も効率的である。
検体となる膜の試料を25℃の純水に24時間浸漬し、40℃で24時間真空乾燥した後、元素分析により測定した。炭素、水素、窒素の分析は全自動元素分析装置varioEL、硫黄の分析はフラスコ燃焼法・酢酸バリウム滴定、フッ素の分析はフラスコ燃焼・イオンクロマトグラフ法で実施した。ポリマーの組成比から単位グラムあたりのスルホン酸基密度(mmol/g)を算出した。
前処理として膜の試料を25℃の純水に24時間浸漬し、定電位交流インピーダンス法でプロトン伝導度を測定した。
ポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定した。紫外検出器と示差屈折計の一体型装置として東ソー製HLC−8022GPCを、またGPCカラムとして東ソー製TSKgel SuperHM−H(内径6.0mm、長さ15cm)2本を用い、N−メチル−2−ピロリドン溶媒(臭化リチウムを10mmol/L含有するN−メチル−2−ピロリドン溶媒)にて、流量0.2mL/minで測定し、標準ポリスチレン換算により重量平均分子量を求めた。
ミツトヨ製グラナイトコンパレータスタンドBSG−20にセットしたミツトヨ製ID−C112型を用いて測定した。
回転型粘度計(レオテック社製レオメータRC20型)を用いて剪断速度100(s−1)の条件で温度25℃の粘度を測定した。
ジオメトリーは(試料を充填するアタッチメント)コーン&プレートを使用して、RHEO2000ソフトウェアで得られた値を採用した。
コーンはC25−1(2.5cmφ)を使用し、測定困難な場合は(10poise未満)C50−1(5.0cmφ)に変更した。
島津製作所社製 電磁力式微少試験機“MMT−101N”を使用し、下記条件で電解質膜が破断するまでのサイクル数を調べた。
試験雰囲気;25℃ 50%RH
試験片幅;5mm
波形種別;正弦波
最大応力;20MPa
最小応力; 2MPa
周波数 ;100Hz
(7)発電耐久性評価
A.水素透過電流の測定
市販の電極、BASF社製燃料電池用ガス拡散電極“ELAT(登録商標)LT120ENSI”5g/m2Ptを5cm角にカットしたものを1対準備し、燃料極、酸化極として電解質膜を挟むように対向して重ね合わせ、150℃、5MPaで3分間加熱プレスを行い、評価用膜電極複合体を得た。
上記セルを使用し、セル温度:80℃、燃料ガス:水素、酸化ガス:空気、ガス利用率:水素70%/酸素40%、加湿条件:水素ガス60%RH、空気:50%RHの条件で試験を行った。条件としては、OCVで1分間保持し、1A/cm2の電流密度で2分間発電し、最後に水素ガスおよび空気の供給を停止して2分間発電を停止し、これを1サイクルとして起動停止を繰り返した。起動停止評価前と3000サイクル後に上記水素透過電流の測定を実施しその差を調べた。また、この試験の負荷変動は菊水電子工業社製の電子負荷装置“PLZ664WA”を使用して行った。
固体13C DD/MAS NMRにより電解質膜の構造規則を測定した。試料は5mm幅に裁断し、ジルコニア製固体NMR試料管に充填して測定した。測定条件は下記する。
芳香族のメインピークである133ppmのピークの半値幅(Hz)で判断し、この値が小さい(ピークがシャープ)程、構造規則性が高いと判断した。
1)装置:Chemagnetics社製CMX−300
Bruker社製AVANCE400
2)測定:DD/MAS法 緩和時間モード
3)測定角:13C
4)観測周波数:75.497791MHz、100.6248425MHz
5)パルス幅:4.2μs、3.3μs
6)観測幅:30.03kHz、40.00kHz
7)ポイント数:観測ポイント1024、データポイント8192
8)パルス繰り返し時間:PD:150s、10s
9)化学シフト基準:シリコーンゴム(内部基準1.56ppm)
10)試料回転数:9kHz、14kHz
11)測定温度:室温
重合原液の作製例1(加水分解性可溶性付与基およびイオン性基を含有する高分子電解質の重合原液)
テフロン(登録商標)製攪拌羽根、温度計を備えた3Lフラスコに4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(495g、DHBP、東京化成試薬)、およびモンモリロナイトクレイK10(750g、アルドリッチ試薬)を入れ、窒素置換後、エチレングリコール(1200mL、和光純薬試薬)/オルトギ酸トリメチル(500mL、和光純薬試薬)を追加した。攪拌しながらバス温110℃/内温74℃/蒸気温52℃で、メタノール、ギ酸メチルをオルトギ酸トリメチルとともに徐々に蒸留させながら8時間反応させた。次に、オルトギ酸トリメチル500mLを追加し、さらに8時間反応させた。
重合原液の作製例1のK−DHBP/DHBP=94/6(mol%)混合物20.4g(80mmol)を4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタン27.2g(80mmol)に変更し脱塩重縮合温度を190℃にした以外は重合原液の作製例1塗同様に脱塩重縮合を行った。次に重合原液の粘度が5poiseになるようにN−メチル−2−ピロリドンを添加し重合原液Bを得た。
重合原液Aを久保田製作所製インバーター・コンパクト高速冷却遠心機 型番6930 にアングルローターRA−800をセットし、25℃、30分間、遠心力20000Gで固液分離を行った。ケーキと上澄み液(塗液)がきれいに分離できたので、上澄み液を回収した。上澄み液のみを1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルターで加圧濾過して、セパラブルフラスコに移した。次に、撹拌しながら80℃で減圧蒸留し、上澄み液の粘度が20poiseになるまでNMPを除去し、塗液Aを得た。
重合原液Aを大過剰の水に徐々に添加し沈殿精製を行った。この際、析出ポリマーの膨潤が大きく十分な洗浄ができず、作業性が顕著に悪かった。沈殿ポリマーの一部を濾布で濾過して水切り後、80℃で一晩減圧乾燥を行なった後、NMPに再溶解した後、粘度が100poiseの塗液とした後、1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルターで加圧濾過を実施したが、溶媒不溶のゲル分により、濾過が困難であったため、3μmのフィルターに変更し加圧濾過を行い、塗液Bを得た。
実施例1の重合原液Aを重合原液Bに変更した以外は実施例1と同様に固液分離した。
ケーキと上澄み液(塗液)がきれいに分離できたので、上澄み液を回収した。上澄み液のみを1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルターで加圧濾過して、セパラブルフラスコに移した。次に、撹拌しながら80℃で減圧蒸留し、上澄み液の粘度が20poiseになるまでNMPを除去し、塗液Aを得た。
比較例1の重合原液Aを重合原液Bに変更した以外は比較例1と同様に沈殿精製した。
この際、析出ポリマーの膨潤が非常に大きく、水を切るため濾布で濾過をしたが水に膨潤したポリマーが濾布をすり抜けほとんどポリマーが回収できなかった。
モンモリロナイトクレイK10(150g)、ジヒドロキシベンゾフェノン99gをエチレングリコール242mL/オルトギ酸トリメチル99mL中、生成する副生成物を蒸留させながら110℃で反応させた。18h後、オルトギ酸トリメチルを66g追加し、合成48h反応させた。反応溶液に酢酸エチル300mLを追加し、濾過後、2%炭酸水素ナトリウム水溶液で4回抽出を行った。さらに、濃縮後、ジクロロエタンで再結晶する事により目的の加水分解性可溶性付与基を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソランを得た。
Claims (2)
- 脱塩重縮合で得られる、下記から選択される何れかの高分子電解質の重合溶液から、直接、遠心分離および/またはフィルター濾過で、重縮合時に生成した塩分の一部を除去して塗液を得る工程、該塗液を基材上に流延塗工し、溶媒の一部を除去して、基材上に膜状物を得る工程、該基材上の膜状物を水および/または酸性水溶液と接触させ、重縮合時に生成した塩分を除去する工程を有することを特徴とする高分子電解質膜の製造方法。
(1)加水分解性可溶性付与基およびイオン性基を含有する高分子電解質
(2)イオン性基密度が1.0mmol/g以上の高分子電解質 - 請求項1の製造方法で得られた、固体13C DD/MAS NMRにより測定した133ppmのピークの半値幅が700Hz以下であることを特徴とする高分子電解質膜。
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Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JP2006131745A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-25 | Toray Ind Inc | イオン性基を有するポリマー、高分子電解質材料、高分子電解質部品、膜電極複合体、および高分子電解質型燃料電池 |
JP2008117754A (ja) * | 2006-10-11 | 2008-05-22 | Toray Ind Inc | 高分子電解質材料、ならびにそれを用いた高分子電解質膜、膜電極複合体および高分子電解質型燃料電池 |
JP2010170769A (ja) * | 2009-01-21 | 2010-08-05 | Toray Ind Inc | 電解質膜の製造方法 |
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2009
- 2009-09-01 JP JP2009201351A patent/JP5434386B2/ja active Active
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