ところが、この種の調湿装置は、装置本体が大型であるため、例えば室内の天井等の狭いスペースに調湿装置を設置することができないという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、調湿装置の設置性を向上させることを目的とする。
本発明は、調湿手段(3)を、調湿ユニット(10)と、給排気手段(110)とに分割して設置するようにしたものである。
第1の発明は、第1空気を取り込み、該第1空気の水分を回収し、第1空気を除湿空気とし、第2空気を取り込み、上記第1空気から回収した水分を放出し、第2空気を加湿空気とする除湿動作と、第2空気を取り込み、該第2空気の水分を回収し、第2空気を除湿空気とし、第1空気を取り込み、上記第2空気から回収した水分を放出し、第1空気を加湿空気とする加湿動作とを切り換えて室内の湿度を調節する調湿手段(3)を備えた調湿装置であって、上記調湿手段(3)は、室内空気及び室外空気に対して、除湿または加湿を行う調湿ユニット(10)と、該調湿ユニット(10)で除湿又は加湿された空気を室内へ供給すると共に、上記室内の空気を調湿ユニット(10)へ供給する給排気手段(110)とを備えている。
上記第1の発明では、除湿動作において調湿ユニット(10)は、室内又は室外の空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、給排気手段(110)は、水分が回収された上記空気を除湿空気として室内へ供給する。また、加湿動作において調湿ユニット(10)は、室外又は室内の空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、調湿ユニット(10)は、回収された水分を室内又は室外の空気に付与する。給排気手段(110)は、調湿ユニット(10)で水分が付与された空気を室内へ供給する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記給排気手段(110)は、調湿ユニット(10)で除湿又は加湿された空気を室内へ供給すると共に、上記室内の空気を調湿ユニット(10)へ供給する給排気ユニット(60)に構成されている。
上記第2の発明では、除湿動作において調湿ユニット(10)は、室内又は室外の空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、給排気ユニット(60)は、水分が回収された上記空気を除湿空気として室内へ供給する。また、加湿動作において調湿ユニット(10)は、室外又は室内の空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、調湿ユニット(10)は、回収された水分を室内又は室外の空気に付与する。給排気ユニット(60)は、調湿ユニット(10)で水分が付与された空気を室内へ供給する。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記給排気ユニット(60)は、該給排気ユニット(60)よりも低容量の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)が複数台設けられて構成され、該複数台の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)は、それぞれが上記調湿ユニット(10)に対して並列に接続されている。
上記第3の発明では、除湿動作において調湿ユニット(10)は、室内又は室外の空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、各給排気ユニット(60a〜60e)は、水分が回収された上記空気を除湿空気として室内へ供給する。また、加湿動作において調湿ユニット(10)は、室外又は室内の空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、調湿ユニット(10)は、回収された水分を室内又は室外の空気に付与する。各給排気ユニット(60a〜60e)は、調湿ユニット(10)で水分が付与された空気を室内へ供給する。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記各給排気ユニット(60a〜60e)は、上記調湿ユニット(10)で除湿または加湿された空気を室内側へ向けて送風する一方、上記取り込んだ室内空気を調湿ユニット(10)側へ向けて送風する送風ファン(62,63)と、該送風ファン(62,63)の風量を、所定の風量で一定に保つ風量一定制御手段(65d)とを備えている。
上記第4の発明では、各給排気ユニット(60a〜60e)の送風ファン(62,63)は、調湿ユニット(10)で除湿又は加湿された空気を室内側へ向けて送風し、且つ室内の空気を調湿ユニット(10)側へ向けて送風する。このとき、風量一定制御手段(65d)は、上記各送風ファン(62,63)の風量をそれぞれ所定の風量で一定に保つよう送風ファン(62,63)を制御する。
第5の発明は、上記第4の発明において、上記風量一定制御手段(65d)は、上記送風ファン(62,63)の風量を検出する風量検出手段(66)と、該風量検出手段(66)で検出される上記送風ファン(62,63)の風量が、所定の風量で一定に保たれるよう上記送風ファン(62,63)の駆動機構(62a,63a)に供給する電流量を調節する電流調節手段(65e)とを備えている。
上記第5の発明では、風量検出手段(66)が送風ファン(62,63)から吹き出される空気の風量を検出する。電流調節手段(65e)は、上記風量検出手段(66)が検出する送風ファン(62,63)の風量を所定の風量に一定に保つように送風ファン(62,63)の駆動機構(62a,63a)に供給する電流量を調節する。送風ファン(62,63)は、供給する電流量を調節された駆動機構(62a,63a)に基づく風量で送風を行う。
第6の発明は、上記第4又は5の発明において、上記調湿ユニット(10)は、圧縮機(53)と、膨張機構(55)と、空気中の水分を吸着する吸着剤が担持された第1吸着熱交換器(51)および第2吸着熱交換器(52)とが接続され、冷媒が可逆に循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、該冷媒回路(50)の冷媒循環を可逆に切り換えることによって、上記2つの吸着熱交換器(51,52)で吸着剤の吸着動作と、再生動作とが交互に行われ、該吸着熱交換器(51,52)を通過する空気の湿度を調節するよう構成され、上記給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)の送風量に基づいて、上記圧縮機(53)の容量を調節する圧縮能力調節手段(65b)を備えている。
上記第6の発明では、冷媒回路(50)の冷媒循環方向を可逆に切り換えることで、吸着剤の吸着動作と再生動作を交互に行う。具体的に、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)が放熱器(凝縮器)として機能する一方、第2吸着熱交換器(52)が蒸発器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルと、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器として機能する一方、第2吸着熱交換器(52)が放熱器(凝縮器)として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルとが交互に行われる。
蒸発器となる吸着熱交換器(51,52)では、低圧冷媒が蒸発して該吸着熱交換器(51,52)の吸着剤を冷却する。この状態の吸着熱交換器(51,52)を空気が通過すると、該吸着熱交換器(51,52)の吸着剤に空気が接触し、空気中の水分が吸着剤に付着する。つまり、吸着剤の吸着動作が行われて空気が除湿される。この除湿された空気が室内へ供給されて除湿運転が行われる。一方、放熱器(凝縮器)となる吸着熱交換器(51,52)では、高圧冷媒が凝縮して該吸着熱交換器(51,52)の吸着剤を加熱する。この状態の吸着熱交換器(51,52)を空気が通過すると、該吸着熱交換器(51,52)の吸着剤から水分が脱離して空気中へ付与される。つまり、吸着剤の再生動作が行われて空気が加湿される。この加湿された空気が室内へ供給されて加湿運転が行われる。つまり、調湿ユニット(10)では、冷媒の循環方向が可逆に切り換えられることで、第1吸着熱交換器(51)で吸着動作が行われ且つ第2吸着熱交換器(52)で再生動作が行われる状態と、第1吸着熱交換器(51)で再生動作が行われ且つ第2吸着熱交換器(52)で吸着動作が行われる状態とが交互に切り換わる。
圧縮能力調節手段(65b)は、圧縮機(53)の容量を給排気ユニット(60)の送風量に応じた容量に調節する。つまり、給排気ユニット(60)の送風量が増大する場合は、それに伴って圧縮機(53)の容量を増大する一方、給排気ユニット(60)の送風量が減少する場合は、それに伴って圧縮機(53)の容量を減少する。
第7の発明は、上記第2〜6の発明の何れか1つにおいて、上記給排気ユニット(60)は、上記調湿ユニット(10)に対して空気ダクト(16,17)を介して接続され、上記空気ダクト(16,17)に設けられ、該空気ダクト(16,17)を通過する空気の送風を補助する補助送風手段(100)と、上記空気ダクト(16,17)と調湿ユニット(10)との接続位置における静圧を下げるよう補助送風手段(100)の風量を調節する補助送風制御手段(65c)とを備えている。
上記第7の発明では、給排気ユニット(60)は、空気ダクト(16,17)を介して調湿ユニット(10)で除湿または加湿された空気を室内へ供給すると共に、上記室内空気を調湿ユニット(10)へ供給する。補助送風制御手段(65c)は、補助送風手段(100)を調節して空気ダクト(16,17)と調湿ユニット(10)との接続位置における静圧を下げる。
第8の発明は、上記第2〜7の発明の何れか1つにおいて、上記給排気ユニット(60)は、調湿ユニット(10)で除湿又は加湿された空気を室内へ供給する給気ユニットと、
上記室内の空気を調湿ユニット(10)へ供給する排気ユニットとで構成されている。
上記第8の発明では、除湿動作において調湿ユニット(10)は、第1空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、給気ユニットは水分が回収された第1空気を除湿空気として室内へ供給する一方、排気ユニットは第1空気から回収した水分が付与された第2空気を加湿空気として排気する。また、加湿動作において調湿ユニット(10)は、第2空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、排気ユニットは水分が回収された第2空気を除湿空気として排気する一方、給気ユニットは第2空気から回収した水分が付与された第1空気を加湿空気として室内へ供給する。
第9の発明は、上記第1の発明において、上記給排気手段(110)は、該調湿ユニット(10)で除湿又は加湿された空気を室内へ供給する給気ユニット(111)を備えている。
上記第9の発明では、除湿動作において調湿ユニット(10)は、室内又は室外の空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、給気ユニット(111)は、水分が回収された上記空気を除湿空気として室内へ供給する。また、加湿動作において調湿ユニット(10)は、室外又は室内の空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、調湿ユニット(10)は、回収された水分を室内又は室外の空気に付与する。給気ユニット(111)は、調湿ユニット(10)で水分が付与された空気を加湿空気として室内へ供給する。
第10の発明は、上記第1の発明において、上記給排気手段(110)は、上記室内の空気を調湿ユニット(10)へ供給する排気ユニット(112)を備えている。
上記第10の発明では、除湿動作において調湿ユニット(10)は、第1空気を取り込んで該空気から水分を回収する。排気ユニット(112)は第1空気から回収した水分が付与された第2空気を加湿空気として排気する。また、加湿動作において調湿ユニット(10)は、第2空気を取り込んで該空気から水分を回収する。そして、排気ユニット(112)は水分が回収された第2空気を除湿空気として排気する。
上記第1の発明によれば、調湿手段(3)が、調湿ユニット(10)と、給排気手段(110)とを備えるようにしたため、調湿ユニット(10)と給排気手段(110)とを分割させることができる。これにより、調湿ユニット(10)と給排気手段(110)とを別々に設けることができる。この結果、調湿装置の設置性を向上させることができる。
上記第2発明によれば、、調湿手段(3)が、調湿ユニット(10)と、給排気ユニット(60)とを備えるようにしたため、調湿ユニット(10)と給排気ユニット(60)とを分けて設置することができる。これにより、調湿ユニット(10)及び給排気ユニット(60)のそれぞれは、従来の一体型の調湿装置に比べて小型化することができる。この結果、調湿装置の設置性を向上させることができる。
上記第3の発明では、給排気ユニット(60)を複数台の低容量の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)に分割して設け、該各給排気ユニット(60a〜60e)を調湿ユニット(10)に対して並列に並べるようにした。このため、低容量の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)をそれぞれ別々に設置することができる。これにより、各給排気ユニット(60a〜60e)は、それぞれが一体型の給排気ユニットよりも小型化することができる。この結果、調湿装置の設置性を向上させることができる。
上記第4及び5の発明では、各給排気ユニット(60a〜60e)のそれぞれに送風ファン(62,63)を設ける一方、該送風ファン(62,63)を制御する風量一定制御手段(65d)を設けるようにした。このため、各送風ファン(62,63)から常に一定の風量を供給することができる。これにより、単に複数台の給排気ユニットを設置した場合に比べて、本発明の各給排気ユニット(60a〜60e)は、様々な条件・環境に設置されても、各給排気ユニット(60a〜60e)のそれぞれの送風ファン(62,63)の風量は全て一定風量で運転させることができる。この結果、給排気ユニット(60)を低容量の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)に分割し易くさせることができる。
上記第6の発明によれば、圧縮能力調節手段(65b)を設け、送風ファン(62,63)の送風量に基づいて上記圧縮機(53)の容量を調節するようにしたため、送風ファン(62,63)から吹き出される風量に応じて調湿手段(3)の調湿能力を調節することができる。これにより、余分な圧縮機(53)の運転を抑えることができる。この結果、調湿装置の高効率化及び省エネルギー化を図ることができる。
上記第7の発明では、調湿ユニット(10)と、給排気ユニット(60)との間の空気ダクト(16,17)に補助送風手段(100)を設け、空気ダクト(16,17)と調湿ユニット(10)との接続位置における静圧を下げるようにした。このため、空気ダクト(16,17)を流れる空気の逆流を防止することができる。これにより、調湿ユニット(10)と給排気ユニット(60)との間での空気の流れを円滑にすることができる。
上記第8の発明によれば、給排気ユニット(60)を給気ユニットと排気ユニットとで構成するようにしたため、該給気ユニット及び排気ユニットをそれぞれ別々に設置することができる。これにより、給排気ユニット(60)自体の設置性を向上させることができる。この結果、調湿装置の設置性を向上させることができる。
上記第9の発明によれば、給排気手段(110)が給気ユニット(111)を備えるようにしたため、給排気手段(110)から給気ユニット(111)を分けることができる。これにより、給気ユニット(111)をのみを別途設置することができるため、給気ユニット(111)自体の設置性が向上する。この結果、調湿装置の設置性を向上させることができる。
上記第10の発明によれば、給排気手段(110)が排気ユニット(112)を備えるようにしたため、給排気手段(110)から排気ユニット(112)を分けることができる。これにより、排気ユニット(112)のみを別途設置することができるため、排気ユニット(112)自体の設置性が向上する。この結果、調湿装置の設置性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の調湿装置(1)は、本発明に係る調湿手段を構成する調湿部(3)を備えている。調湿部(3)は、調湿ユニット(10)と、ブースタファンユニット(100)と、給排気装置(110)と、コントローラ(65)とを備えている。
<調湿ユニットの構成>
調湿ユニット(10)について、図2及び図3を適宜参照しながら説明する。尚、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、調湿ユニット(10)を前面側から視た場合の方向を意味している。
上記調湿ユニット(10)は、取り込んだ室外空気(OA)の水分を回収し、除湿空気にする一方、上記室外空気(OA)から回収した水分を放出し、室内空気(RA)を加湿空気にする除湿動作と、取り込んだ室内空気(RA)の水分を回収し、除湿空気にする一方、上記室内空気(RA)から回収した水分を放出し、室外空気(OA)を加湿空気にする加湿動作とを切り換えて行う本発明に係る調湿ユニットを構成するものである。
上記調湿ユニット(10)は、箱体のケーシング(11)を備えている。ケーシング(11)は室外に設置され、その内部に冷媒回路(50)が収容されている。この冷媒回路(50)には、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、電動膨張弁(55)及び四路切換弁(54)が接続されて蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
上記ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。図2に示すケーシング(11)では、左手前の側面(即ち、前面)が前面パネル部(12)となり、右奥の側面(即ち、背面)が背面パネル部(13)となり、右手前の側面が第1側面パネル部(14)となり、左奥の側面が第2側面パネル部(15)となっている。
ケーシング(11)には、外気吸込口(24)と、内気吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。外気吸込口(24)及び内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)に開口している。外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に配置されている。内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に配置されている。給気口(22)は、第1側面パネル部(14)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、第2側面パネル部(15)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)と、第1仕切板(74)と、第2仕切板(75)とが設けられている。これらの仕切板(71〜75)は、何れもケーシング(11)の底板に立設されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をおいて配置されている。上流側仕切板(71)は、背面パネル部(13)寄りに配置されている。下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)寄りに配置されている。
第1仕切板(74)及び第2仕切板(75)は、第1側面パネル部(14)及び第2側面パネル部(15)と平行な姿勢で配置されている。第1仕切板(74)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を右側から塞ぐように、第1側面パネル部(14)から所定の間隔をおいて配置されている。第2仕切板(75)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左側から塞ぐように、第2側面パネル部(15)から所定の間隔をおいて配置されている。
中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と直交する姿勢で、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間に配置されている。中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)から下流側仕切板(72)に亘って設けられ、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左右に区画している。
ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下2つの空間に仕切られており、上側の空間が内気側通路(32)を構成し、下側の空間が外気側通路(34)を構成している。内気側通路(32)は、内気吸込口(23)に接続する吸込ダクト(16)を介して室内に連通している。尚、上記吸込ダクト(16)は、本発明に係る空気ダクトを構成している。内気側通路(32)には、内気側フィルタ(27)と内気湿度センサ(96a)と内気温度センサ(96b)とが配置されている。外気側通路(34)は、外気吸込口(24)に接続するダクトを介して室外空間と連通している。外気側通路(34)には、外気側フィルタ(28)と外気湿度センサ(97a)と外気温度センサ(97b)とが配置されている。
ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)が収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)が収容されている。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、冷媒回路(50)の電動膨張弁(55)が収容されている。
各吸着熱交換器(51,52)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持させたものであって、全体として長方形の厚板状あるいは扁平な直方体状に形成されている。各吸着熱交換器(51,52)は、その前面及び背面が上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と平行になる姿勢で、熱交換器室(37,38)内に立設されている。
ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
上流側仕切板(71)には、開閉式のダンパ(41〜44)が4つ設けられている。各ダンパ(41〜44)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち内気側通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。また、上流側仕切板(71)のうち外気側通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられている。
下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパ(45〜48)が4つ設けられている。各ダンパ(45〜48)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。
上記ケーシング(11)内において、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
給気室(36)は、下流側仕切板(72)側から給気口(22)へ吹き出る空気が通過するよう構成されている。また、給気室(36)には、冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四路切換弁(54)とが収容されている。給気口(22)には、給気ダクト(17)の一端が接続されている。また、給気ダクト(17)の他端は、後述する給排気ユニット(60)の吸込口(61a)に接続されている。尚、上記給気ダクト(17)は、本発明に係る空気ダクトを構成している。
排気ファン室(35)は、下流側仕切板(72)側から排気口(21)へ吹き出る空気が通過するよう構成されている。排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)であり、ファン(25)の回転数によってその風量が調節される。
ケーシング(11)内において、第1仕切板(74)と第1側面パネル部(14)の間の空間は、第1バイパス通路(81)を構成している。第1バイパス通路(81)の始端は、外気側通路(34)だけに連通しており、内気側通路(32)からは遮断されている。第1バイパス通路(81)の終端は、仕切板(78)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)及び給気室(36)から区画されている。仕切板(78)のうち給気室(36)に臨む部分には、第1バイパス用ダンパ(83)が設けられている。
ケーシング(11)内において、第2仕切板(75)と第2側面パネル部(15)の間の空間は、第2バイパス通路(82)を構成している。第2バイパス通路(82)の始端は、内気側通路(32)だけに連通しており、外気側通路(34)からは遮断されている。第2バイパス通路(82)の終端は、仕切板(79)によって給気側通路(31)、排気側通路(33)及び排気ファン室(35)から区画されている。仕切板(79)のうち排気ファン室(35)に臨む部分には、第2バイパス用ダンパ(84)が設けられている。
これら給気側通路(31)、内気側通路(32)、排気側通路(33)、外気側通路(34)、第1バイパス通路(81)及び第2バイパス通路(82)が空気通路を構成する。また、第1内気側ダンパ(41)、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1給気側ダンパ(45)、第2給気側ダンパ(46)、第1排気側ダンパ(47)、第2排気側ダンパ(48)、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)が開閉ダンパを構成する。尚、図3の右側面図及び左側側面図では、第1バイパス通路(81)、第2バイパス通路(82)、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)の図示を省略している。
<冷媒回路の構成>
図4に示すように、冷媒回路(50)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四路切換弁(54)及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。尚、上記電動膨張弁(55)は、本発明に係る膨張機構を構成するものである。この冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う。尚、この冷媒回路(50)は、コントローラ(65)の調湿制御部(65a)によって冷媒の循環を制御されている。
上記冷媒回路(50)では、圧縮機(53)は、その吐出側が四路切換弁(54)の第1のポートに、その吸入側が四路切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)と電動膨張弁(55)と第2吸着熱交換器(52)とが、四路切換弁(54)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に接続されている。
上記四路切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図4(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図4(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
上記冷媒回路(50)において、圧縮機(53)の吐出側と四路切換弁(54)の第1のポートとを繋ぐ配管には、高圧圧力センサ(91)と、吐出管温度センサ(93)とが取り付けられている。高圧圧力センサ(91)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の圧力を計測する。吐出管温度センサ(93)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の温度を計測する。
また、上記冷媒回路(50)において、圧縮機(53)の吸入側と四路切換弁(54)の第2のポートとを繋ぐ配管には、低圧圧力センサ(92)と、吸入管温度センサ(94)とが取り付けられている。低圧圧力センサ(92)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の温度を計測する。
また、上記冷媒回路(50)において、四路切換弁(54)の第3のポートと第1吸着熱交換器(51)とを繋ぐ配管には、配管温度センサ(95)が取り付けられている。配管温度センサ(95)は、この配管における四路切換弁(54)の近傍に配置され、配管内を流れる冷媒の温度を計測する。
<給排気装置の構成>
図1及び図5に示すように、上記給排気装置(110)は、本発明に係る給排気手段を構成するものである。給排気装置(110)は、給排気ユニット(60)に構成されている。そして、給排気ユニット(60)は、それぞれが低容量に形成された5台の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)で構成され、各給排気ユニット(60a〜60e)は、上記調湿ユニット(10)で調湿された室外空気(OA)を供給空気(SA)として室内(2)へ送る給気動作と共に、上記室内空気(RA)を調湿ユニット(10)側へ送る吸込動作とを行うよう構成されたものである。各給排気ユニット(60a〜60e)は、それぞれが、調湿ユニット(10)から延びる給気ダクト(17)及び吸込ダクト(16)に対して並列に接続されている。
上記給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)は、それぞれが箱状のファンケーシング(61)を備えている。このファンケーシング(61)は、室内(2)の天井部分に設置され、その内部を仕切板(64)によって左右方向に2分割されている。ファンケーシング(61)の内部右側の空間は、給気ファン室(61e)に形成されている一方、ファンケーシング(61)の内部左側の空間は、吸込ファン室(61f)に形成されている。
上記給気ファン室(61e)は、内部に給気ファン(62)と、風速センサ(66)とが収容されている。給気ファン室(61e)は、その上面に吸込口(61a)が形成され、下面に給気口(61b)が形成されている。吸込口(61a)には、上記給気ダクト(17)の他端が接続され、調湿ユニット(10)で調湿された空気(SA)が、該給気ダクト(17)を介して取り込まれる。尚、風速センサ(66)については後述する。
上記給気ファン(62)は、遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)であり、本発明に係る送風ファンを構成している。給気ファン(62)は、ファンの回転数によってその風量が調節される。給気ファン(62)は、給気ファンモータ(62a)を備えている。この給気ファンモータ(62a)は、回転駆動するACモータであり、上記給気ファン(62)を回転駆動させる駆動機構を構成している。給気ファンモータ(62a)は、調湿ユニット(10)から電力を供給されて回転駆動するよう構成されている。尚、上記給気ファンモータ(62a)は、図示はしないが、DCファンモータを用いるようにしてもよい。
上記吸込ファン室(61f)は、内部に吸込ファン(63)と、風速センサ(66)とが収容されている。吸込ファン室(61f)は、その上面に給気口(61c)が形成され、下面に吸込口(61d)が形成されている。給気口(61c)には、上記吸込ダクト(16)の他端が接続され、室内(2)の空気(RA)が、該吸込ダクト(16)を介して調湿ユニット(10)に取り込まれる。
上記吸込ファン(63)は、遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)であり、本発明に係る送風ファンを構成している。吸込ファン(63)は、ファンの回転数によってその風量が調節される。吸込ファン(63)は、吸込ファンモータ(63a)を備えている。この吸込ファンモータ(63a)は、回転駆動するACモータであり、上記吸込ファン(63)を回転駆動させる駆動機構を構成している。吸込ファンモータ(63a)は、調湿ユニット(10)から電力を供給されて回転駆動するよう構成されている。尚、上記吸込ファンモータ(63a)は、図示はしないが、DCファンモータを用いるようにしてもよい。
上記風速センサ(66)は、上記給気ファン(62)及び吸込ファン(63)の風量を計測する風量検出手段を構成している。風速センサ(66)は、各給排気ユニット(60a〜60e)の給気ファン(62)の吹出側近傍及び吸込ファン(63)の吸込側近傍に設置され、給気ファン(62)から吹き出された供給空気(SA)の吹出空気風量を計測すると共に、吸込ファン(63)に吸い込まれる室内空気(RA)の吸込空気風量を計測している。また、風速センサ(66)は、コントローラ(65)の電流調節部(65e)及び圧縮制御部(65b)に接続されている。風速センサ(66)で計測された吹出空気風量の計測値及び吸込空気風量の計測値は、電流調節部(65e)及び圧縮制御部(65b)に送られる。尚、コントローラ(65)の構成についての詳細は、後述する。
<ブースタファンユニットの構成>
上記ブースタファンユニット(100)は、図1及び図6に示すように、給気ダクト(17)及び吸込ダクト(16)の途中に設けられて調湿ユニット(10)及び給排気ユニット(60)を通過する空気の送風を補助する補助送風手段を構成している。ブースタファンユニット(100)は、箱状のブースタファンケーシング(101)を備えている。このブースタファンケーシング(101)は、給気ダクト(17)及び吸込ダクト(16)における調湿ユニット(10)側に設けられ、その内部を仕切板(104)によって左右方向に2分割されている。ブースタファンケーシング(101)の内部左側の空間は、給気ブースタファン(102)を備える給気ブースタファン室(101a)に形成されている一方、ブースタファンケーシング(101)の内部右側の空間は、吸込ブースタファン(103)を備える吸込ブースタファン室(101b)に形成されている。
上記給気ブースタファン(102)及び吸込ブースタファン(103)は、遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。各ブースタファン(102,103)は、ファンの回転数によってその風量が調節されている。また、各ブースタファン(102,103)は、それぞれがブースタファンモータ(102a,103a)を備えている。ブースタファンモータ(102a,103a)は、コントローラ(65)のブースタファン制御部(65c)と接続され、該ブースタファン制御部(65c)によってその発停を制御される。
上記コントローラ(65)には、図1に示すように、調湿制御部(65a)と、圧縮制御部(65b)と、ブースタファン制御部(65c)と、給排気ファン制御部(65d)とが設けられている。
上記調湿制御部(65a)は、室内(2)のユーザからリモコン等で送られる各給排気ユニット(60a〜60e)への調湿要求を受信することによって、上記調湿ユニット(10)に調湿動作に係る運転を行わせるものである。つまり、ユーザによって給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)が任意に選択され、選択された給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)及び調湿ユニット(10)によって調湿運転が行われる。具体的に、上記調湿制御部(65a)には、上述した内気湿度センサ(96a)、内気温度センサ(96b)、外気湿度センサ(97a)、外気温度センサ(97b)及び冷媒回路(50)に設けられた各センサ(91〜95)が接続され、該接続されたセンサで計測される計測値が入力されている。そして、調湿制御部(65a)は、ユーザからの調湿要求を受信すると、上記センサから入力された計測値等に基づいて調湿装置(1)の調湿運転制御を行う。
上記圧縮制御部(65b)は、上記各給排気ユニット(60a〜60e)の給気ファン(62)及び吸込ファン(63)の風量に基づいて調湿ユニット(10)の圧縮機(53)の容量を制御する圧縮能力調節手段を構成するものである。具体的に、上記圧縮制御部(65b)には、上記各給排気ユニット(60a〜60e)の風速センサ(66)が接続され、該風速センサ(66)で計測された吹出空気風量の計測値及び吸込空気風量の計測値が入力されている。そして、圧縮制御部(65b)は、給排気ユニット(60)での給排気風量の合計風量に対応する冷媒量を冷媒回路(50)に循環させるよう圧縮機(53)の容量を制御する。圧縮機(53)の容量の制御は、圧縮機(53)の入力周波数を変化させることで行っている。つまり、圧縮制御部(65b)は、圧縮機(53)の容量を調湿する空気の風量に応じて変化させることで、圧縮機(53)を必要最低限の容量で運転させるようにしている。
上記ブースタファン制御部(65c)は、上記ブースタファン(102,103)の運転を制御する補助送風制御手段を構成している。具体的に、ブースタファン制御部(65c)は、調湿制御部(65a)と接続される一方、伝送ライン(68)を介してブースタファンモータ(102a,103a)に接続されている。そして、調湿制御部(65a)が、調湿ユニット(10)を制御して調湿運転を開始させると、該調湿ユニット(10)の調湿運転と連動してブースタファンモータ(102a,103a)を駆動させる。このブースタファンモータ(102a,103a)が駆動するのに伴って上記ブースタファン(102,103)が回転する。
上記給排気ファン制御部(65d)は、上記各給排気ユニット(60a〜60e)の各ファン(62,63)の風量を所定の風量に一定に保つように該各ファン(62,63)の風量を制御する風量一定制御手段を構成するものである。具体的には、給排気ファン制御部(65d)は、電流調節部(65e)と、上記風速センサ(66)とで構成されている。
上記電流調節部(65e)は、上記各給排気ユニット(60a〜60e)の各ファン(62,63)の風量を所定の風量に一定に保つように、各ファンモータ(62a,63a)に供給する電流量を調節する電流調節手段を構成するものである。具体的には、電流調節部(65e)には、伝送ライン(67)を介して上記給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)の風速センサ(66)が接続され、上記風速センサ(66)で計測された吹出空気風量の計測値及び吸込空気風量の計測値が入力されている。また、電流調節部(65e)は、伝送ライン(67)を介して各ファンモータ(62a,63a)に接続され、上記風速センサ(66)での計測値が一定になるよう各ファンモータ(62a,63a)に供給する電流量を変化させている。
−調湿ユニットの運転動作−
本実施形態の調湿装置(1)では、調湿ユニット(10)の調湿運転において、除湿運転と、加湿運転とが選択的に行われる。除湿運転中や加湿運転中の調湿ユニット(10)は、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。
−除湿運転−
除湿運転中の調湿ユニット(10)では、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3〜4分間隔)で交互に繰り返される。この除湿運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
除湿運転中の調湿ユニット(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれる。
先ず、除湿運転の第1動作について説明する。図7に示すように、この第1動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第1動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第1状態(図4(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気室(36)を通過後に給気口(22)を通って給気ダクト(17)へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
次に、除湿運転の第2動作について説明する。図8に示すように、この第2動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第2動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第2状態(図4(B)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される、第1吸着熱交換器(51)で除湿された第1空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気室(36)を通過後に給気口(22)を通って給気ダクト(17)へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で水分を付与された第2空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
−加湿運転−
加湿運転中の調湿ユニット(10)では、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3〜4分間隔)で交互に繰り返される。この加湿運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
加湿運転中の調湿ユニット(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれる。
先ず、加湿運転の第1動作について説明する。図9に示すように、この第1動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第1動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第1状態(図4(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気室(15)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気室(36)を通過後に給気口(22)を通って給気ダクト(17)へ供給される。
次に、加湿運転の第2動作について説明する。図10に示すように、この第2動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第2動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第2状態(図4(B)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で水分を奪われた第1空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で加湿された第2空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気室(36)を通過後に給気口(22)を通って給気ダクト(17)へ供給される。
−給排気ユニットの運転動作−
次に、本実施形態の給排気ユニット(60)の運転動作について説明する。給排気ユニット(60)では、各給排気ユニット(60a〜60e)において、給排気運転が行われる。
給排気運転では、ユーザからの調湿要求に基づいて、調湿ユニット(10)で調湿された空気を供給空気(SA)として室内(2)へ供給する給気動作と、室内空気(RA)を調湿ユニット(10)へ供給する吸込動作とが同時に行われる。具体的には、リモコンによるユーザからの調湿要求があると、調湿制御部(65a)は、選択された給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)のファン(62,63)を回転させると同時に、調湿ユニット(10)で空気の調湿を行う調湿運転を開始させる。そして、調湿ユニット(10)の給気口(22)を出て給気ダクト(17)を通過した供給空気(SA)は、各給排気ユニット(60a〜60e)を通過して室内(2)へ供給される一方、各給排気ユニット(60a〜60e)から取り込まれた室内空気(SA)は、吸込ダクト(16)を通過して調湿ユニット(10)へ供給される。
ここで、給気ファン(62)及び吸込ファン(63)の回転中は、給気ファン制御部(65d)によって各ファン(62,63)の吹出空気風量及び吸込空気風量が所定の風量に一定に保たれる。具体的には、電流調節部(65e)に上記風速センサ(66)で計測された給気ファン(62)の吹出空気風量の計測値及び吸込ファン(63)の吸込空気風量の計測値が逐次入力される。これらの空気風量が変化すると、電流調節部(65e)は、風量変化に対応して給気ファンモータ(62a)及び吸込ファンモータ(63a)へ供給する電流量を変化させる。電流調節部(65e)では、上記電流量を変化させながらファン(62,63)の風量を一定に調節する。
−補助給排気運転−
次に、本実施形態に係るブースタファンユニット(100)の運転動作について説明する。ブースタファンユニット(100)は、調湿ユニット(10)の調湿動作と連動して発停するよう構成されている。具体的に、ブースタファン制御部(65c)は、調湿ユニット(10)の調湿運転が開始されると同時に、給気ブースタファン(102)及び吸込ブースタファン(103)を回転させる。両ブースタファン(102,103)が回転すると、調湿ユニット(10)のケーシング(11)と、給気ダクト(17)の一端との接続位置の静圧が下がると共に、調湿ユニット(10)のケーシング(11)と、吸込ダクト(16)の一端の接続位置の静圧が下がる。つまり、給気ダクト(17)から調湿ユニット(10)のケーシング(11)側へ空気が漏れなくなる一方、調湿ユニット(10)のケーシング(11)側から吸込ダクト(16)側へ空気が漏れなくなる。
−圧縮機能力制御−
本実施形態に係る給排気ユニット(60)は、ユーザによって調湿要求がある場合、少なくとも1台の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)が選択されることになる。したがって、ユーザの要求によっては、全数の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)が稼動しない場合が想定される。このような場合での圧縮機能力制御について説明する。
具体的には、ユーザによって選択された任意の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)の給排気運転及び調湿ユニット(10)の調湿運転が行われると、圧縮制御部(65b)は、上記選択された給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)における給気風量及び吸込風量の合計風量を算出する。続いて、圧縮制御部(65b)は、この合計風量で調湿運転を行うのに必要な冷媒量に対応する適当な圧縮機(53)の容量を算出し、算出された容量で運転するよう圧縮機(53)を制御する。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、給排気ユニット(60)を5台の低容量の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)に分割して設け、該各給排気ユニット(60a〜60e)を調湿ユニット(10)に対して並列に並べるようにした。このため、低容量の各給排気ユニット(60a〜60e)をそれぞれ別々に設置することができる。これにより、給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)は、一体型の給排気ユニットを設置するよりも、小型化することができるため、各給排気ユニット(60a〜60e)の設置性を向上させることができる。この結果、調湿装置(1)の設置性を向上させることができる。
また、各給排気ユニット(60a〜60e)のそれぞれに吸込ファン(63)及び給気ファン(62)を設ける一方、該ファン(62,63)の風量を所定の風量に一定に保つようにした。このため、各ファン(62,63)からは常に一定の風量を供給することができる。これにより、単に5台の給排気ユニットを設置した場合に比べて、様々な条件・環境に各給排気ユニット(60a〜60e)を設置しても、各ファン(62,63)の風量を一定で運転させることができる。この結果、給排気ユニット(60)を低容量の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)に分割し易くすることができる。
さらに、圧縮制御部(65b)を設け、各ファン(62,63)の送風量に基づいて圧縮機(53)の容量を調節するようにしたため、各ファン(62,63)から吹き出される風量に応じて圧縮機(53)の容量を調節することができる。これにより、余分な圧縮機(53)の運転を抑えることができる。この結果、調湿装置の高効率化及び省エネルギー化を図ることができる。
加えて、調湿ユニット(10)と、給排気ユニット(60)との間の吸込ダクト(16)及び給気ダクト(17)にブースタファンユニット(100)を設け、上記ダクト(16,17)と調湿ユニット(10)との接続位置における静圧を下げるようにした。このため、上記ダクト(16,17)を流れる空気の逆流を防止することができる。これにより、調湿ユニット(10)と給排気ユニット(60)との間での空気の流れを円滑にすることができる。
〈変形例〉
図12に示すように、上記実施形態の変形例に係る調湿装置(1)は、上記実施形態に係る調湿装置が給排気ユニット(60)を備えるようにしたのに代えて、給気ユニット(111)及び吸込ユニット(112)を備えるようにしたものである。
具体的に、上記給気ユニット(111)は、それぞれが低容量の2台の給気ユニット(111a,111b)とで構成され、各給気ユニット(111a,111b)は、上記調湿ユニット(10)で調湿された室外空気(OA)を供給空気(SA)として室内(2)へ送る給気動作を行うよう構成されている。
上記給気ユニット(111a,111b)は、それぞれが箱状のファンケーシングを備え、内部に給気ファンと、風速センサとを収容している。上記給気ファンは、遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)であり、ファンの回転数によってその風量が調節される。給気ファンは、回転駆動するACモータである給気ファンモータを備え、調湿ユニット(10)から電力(電流)を供給されて回転駆動するよう構成されている。つまり、上記給気ファンは、風速センサで検知されたファン風量に基づいて給気ファンモータに供給される電流を制御することで、給気ファンから送風されるファン風量を所定の風量で一定に保つよう構成されている。
また、上記吸込ユニット(112)は、それぞれが低容量の2台の吸込ユニット(112a,112b)とで構成され、各吸込ユニット(112a,112b)は、上記室内空気(RA)を調湿ユニット(10)側へ送る吸込動作を行う排気ユニットを構成している。
上記吸込ユニット(112a,112b)は、それぞれが箱状のファンケーシングを備え、内部に吸込ファンと、風速センサとを収容している。上記吸込ファンは、遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)であり、ファンの回転数によってその風量が調節される。吸込ファンは、回転駆動するACモータである吸込ファンモータを備え、調湿ユニット(10)から電力(電流)を供給されて回転駆動するよう構成されている。つまり、上記吸込ファンは、風速センサで検知されたファン風量に基づいて吸込ファンモータに供給される電流を制御することで、吸込ファンから送風されるファン風量を所定の風量で一定に保つよう構成されている。
本変形例によれば給気ユニット(111)及び排気ユニット(112)を備えるようにしたため、給排気装置(110)から給気ユニット(111)及び排気ユニット(112)を分けることができる。これにより、給気ユニット(111)と排気ユニット(112)とをそれぞれ別々に設置することができるため、給気ユニット(111)及び排気ユニット(112)のそれぞれの設置性を向上させることができる。この結果、調湿装置(1)の設置性を向上させることができる。その他の構成・作用及び効果は実施形態と同様である。
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態の調湿装置(1)では、調湿ユニット(10)に対して5台の給排気ユニット(60a,60b,60c,60d,60e)を備えるようにしたが、本発明は、図11に示すように、調湿ユニット(10)と給排気ユニット(60)とを一対で接続するようにしてもよい。これにより、調湿ユニット(10)及び給排気ユニット(60)のそれぞれは、従来の一体型の調湿装置に比べて小型化することができる。この結果、調湿装置(1)の設置性を向上させることができる。
また、上記実施形態の給排気ユニット(60)は、給気ファン(62)及び排気ファン(63)を両方備える一体型に形成したが、本発明は、図示はしないが、給気ユニット及び排気ユニットを別々に構成した場合にも適用することができる。尚、上記給気ユニット及び排気ユニットは、変形例に係る給気ユニット(111)及び排気ユニット(112)とは異なるものである。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。