JP2008051466A - 可変風量装置及び空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】VAV上流側にある給気ダクト内の静圧、並びに搬送動力の双方の低減を図る。
【課題手段】AHU1に給気ダクト6を介して接続した給気ダクト28の出側に設けられ且つオフィス5へ冷風4を送り込む回転数調整可能な小型送風機30a,30b,30cを有するVAV29a,29b,29cと、給気ダクト28の静圧を検出する圧力センサ33と、圧力センサ33の計測静圧が一定値を保ち得るようにAHU1の送風機3を制御するコントローラ34とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は可変風量装置及び空調システムに関するものである。
一般に、オフィスビルなどの大規模な建物では、内部空間の温度(室温)を一定に保つために、変風量単一ダクト方式の空調システムを採用している。
空調対象となる空間への風量調整は、根本的にはAHU(Air Handling Unit:空気調和装置)の送風機の回転数を変えて対処しているが、空調対象の空間の個別部分では、設定室温、熱負荷が異なるため、天井吹出口から空調対象の空間へ送り込む冷風や温風の風量調節を行う必要がある。
そこで、AHUから空調対象の空間へ至る給気経路の吹出口の手前に、風量の絞り手段としてのダンパ機構を有するVAV(Variable Air Volume:可変風量装置)を設置している。
図9〜図11は従前に施工された空調システムの一例を示すもので、AHU1と、当該AHU1の冷却コイル2を経て送風機3により送出される冷風4を、空調対象であるオフィス5の天井裏まで導く給気ダクト6,7と、天井裏で給気ダクト7の上流から下流に向けて給気枝ダクト7aを介して順にそれぞれ接続された複数のVAV8a,8b,8cと、オフィス5の天井にVAV8a,8b,8cごとに複数設けた吹出口9a,9b,9cと、VAV8a,8b,8cにより風量調節がなされた冷風4を、フレキシブルダクト10a,10b,10cを介して吹出口9a,9b,9cに分配するためのチャンバ11a,11b,11cと、還気12をオフィス5から天井裏へ導くために天井に穿設した複数のスリット13と、天井裏へ入り込んだ還気12を前記AHU1へと戻す還気ダクト14と、還気12の一部を建物から排出するための排風機15が組み込んである排気ダクト16と、還気12を排出した分に見合う外気17を図示しない外気取入れガラリから取入れ補充するためにAHU1に接続した新鮮空気取入ダクト18とを備えている。
給気ダクト6及び還気ダクト14には鋼板製の角形ダクトが用いられ、給気ダクト6の下流部分と還気ダクト14の上流部分は、AHU1が格納された機器室19とオフィス5の天井裏を隔てる仕切壁20を貫通しており、ダクト6,14の機器室19内に位置している部位には、それぞれ消音器21,22が組み込んである。仕切壁20は異なる用途の室を仕切るので、貫通する風路などに防火設備(防火ダンパ)が必要となる場合がある。
オフィス5の天井裏の給気ダクト7には省力化のため鋼板製の丸形ダクトが用いられ、このダクト7の上流端は、給気ダクト6の下流端に接続されている。
排気ダクト16及び新鮮空気取入ダクト18も鋼製であり、排気ダクト16の上流部分は、前記仕切壁20を貫通している。
VAV8a,8b,8cは風量の絞り手段としてのダンパ機構23a,23b,23cを備え、更に、ダンパ機構23a,23b,23cの上流側には、風速センサがそれぞれ設けてある。
これらダンパ機構23a,23b,23cには、温度センサ24a,24b,24cと、コントローラ25a,25b,25cが付帯している。
各温度センサ24a,24b,24cは風量調節の媒介変数として、オフィス5の個別部分、すなわち、各VAV8a,8b,8cの担当範囲の室温を検出する。
コントローラ25a,25b,25cは、風速センサから得た計測風量が、設定室温と前記温度センサ24a,24b,24cによって得た計測室温との偏差により決められた風量になるように、各ダンパ機構23a,23b,23cの駆動装置を作動させて開度を変更し、吹出口9a,9b,9cからオフィス5の個別部分への風量調節を実行する。
AHU1には、コントローラ26が付帯している。
コントローラ26は、風速センサから得た計測風量に基づき、オフィス5の個別部分へ送り出す要求風量の合計を求め、これに見合うが風量がAHU1によって確保されるように、送風機3の駆動用のインバータ27を制御する。
この空調システムにおける送風機3の送気口であるA地点、給気ダクト6の消音器21の下流部分であるB地点、給気ダクト7と下流にVAV8aを備える給気枝ダクト7aの接続点であるC地点、チャンバ11aの内部であるD地点、吹出口9aの出口部であるE地点、給気ダクト7と下流にVAV8bを備える給気枝ダクト7aの接続点であるF地点、チャンバ11bの内部であるG地点、吹出口9bの出口部であるH地点、給気ダクト7と下流にVAV8cを備える給気枝ダクト7aの接続点であるI地点、チャンバ11cの内部であるJ地点、吹出口9cの出口部であるK地点、還気ダクト14の吸込口上流部分であるL地点、AHU1筐体の流入口であるM地点、並びに送風機3の吸気口であるN地点の圧力線図は、システム全負荷時には図10のような形を呈し、システム部分負荷時には図11のような形を呈する。ここで、システム部分負荷とは、中間期などのある所定の冷房負荷がある時期的な部分負荷と、空調対象となる居室の一部の温調が不要であったり、その居室の温度設定変更により定格の負荷の一部運転となっている部分負荷と、2つの意味を備えている。図11では主に前者を説明するものである。
ここで、
軸動力W=ρgQH=QH/102/3600/η
の式において、それぞれの代数を、夏ピーク時の冷房負荷がある場合を全負荷、中間期などのある所定の冷房負荷がある場合を部分負荷とし、各々の代数を以下の図10、図11に示す状態のように代入すると、軸馬力は下記のように求まる。
全負荷の風量Q=13500m3/h
部分負荷の風量Q=9000m3/h
想定している部分負荷は、給気経路の末端(ペリメータ/窓際)が100%風量、空調機側(インテリア/壁側)が50%風量
全負荷の空調機静圧H=755Pa=75.5mmAq
部分負荷の空調機静圧H=411Pa=41.1mmAq
空調機ファン効率η=0.478
であると、
全負荷の場合、
軸動力W=13500×75.5/102/3600/0.478=5.81kw
部分負荷の場合、
軸動力W=9000×411/102/3600/0.478=2.10kw
となる。
また、前述した空調システムとは別に、住宅を対象にした空調システムで、ダンパ機構のVAVを使わずに、空調対象となる居室の天井に設けた吹出ファンで、空調機に連なる吹出ダクトから冷風や温風を吸引して居室に供給する、という構成を採った空調システムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図12はダンパ機構のVAVを使わない構成の空調システムを、先に説明した図9の空調システムに合わせた圧力線図であり、図中、図10及び図11と同一の符号を付した部分は、同一物を表している。
この圧力線図では、AHU1の送気口をA地点、給気ダクト6の消音器21の下流部分をB地点、給気ダクト7と下流にチャンバ11aを備える給気枝ダクト7aの接続点をC地点、チャンバ11aの内部をD地点、吹出口9aの出口部をE地点、給気ダクト7と下流にチャンバ11bを備える給気枝ダクト7aの接続点をF地点、チャンバ11bの内部をG地点、吹出口9bの出口部をH地点、給気ダクト7と下流にチャンバ11cを備える給気枝ダクト7aの接続点をI地点、チャンバ11cの内部をJ地点、吹出口9cの出口部をK地点、還気ダクト14の吸込口上流部分をL地点、AHU1筐体流入口をM地点、冷却コイル2の流出口をN地点としている。
ここで、
軸動力W=ρgQH=QH/102/3600/η
の式において、それぞれの代数を、夏ピーク時の冷房負荷がある場合を全負荷、中間期などのある所定の冷房負荷がある場合を部分負荷とし、各々の代数を以下のように代入すると、軸馬力は下記のように求まる。
全負荷の風量Q=13500m3/h
空調機静圧H=0Pa=0mmAq
吹出ファン静圧J地点−K地点間H=755Pa=75.5mmAq
G地点−H地点間H=705Pa=70.5mmAq
D地点−E地点間H=685Pa=68.5mmAq
吹出ファン効率η=0.345
であると、
全負荷の場合、
軸動力W=4500×(75.5+70.5+68.5)/102/3600/0.345=7.61kw
となる。
上述した二例の空調システムとは別に、送風手段の軸動力の削減を主たる目的として、ダクトの内圧を検出して送風手段による供給風量を変える空調制御方法も既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−162067号公報 特開2002−357356号公報
図9〜図11に示す空調システムは、ダンパ機構23a,23b,23cによる絞りで風量調節を行うので、VAV8a,8b,8cの上流側における静圧が高くなる傾向を呈する。
オフィス5内で特に冷風の送給が要求されない(温度調整を必要としない)部分がある時点で発生する場合は、そこに対応するダンパ機構23a,23b,23cが全閉となり、その対応するダンパ機構の風速センサから得た計測風量に基づき、コントローラ26が要求風量を演算するのに時間差が生じ、その間送風機3の軸動力変化が遅れ、変化前の風量を給気ダクト7に送給するので導圧が静圧に変換されて、VAV8a,8b,8cとAHU1の間の給気ダクト7内の静圧が著しく上昇するため、給気ダクト7に剛性が高い鋼板製のものを用いなくてはならなかった。
また、図10及び図11に示すように、ダンパ機構23a,23b,23cによる圧力損失が大きく、AHU1の送風機3の軸動力をそれなりに大きく見込まなければならなかった。
図12に示す空調システムでは、給気ダクト7内が負圧になるため、当該給気ダクト7に剛性が高い鋼板製のものを用いなくてはならないし、給気ダクト6,7の間隙から天井裏や機器室などの空調対象ではない空間の雰囲気を吸い込んでしまうことが懸念される。
また、居室内で特に冷風の送給が要求されない(温度調整を必要としない)部分がある場合でも、その部分から給気ダクト7内への雰囲気の逆流を抑えるために、吹出ファンを運転し続けたり、あるいは逆流防止機構を別途に設ける必要がある。
更に、この空調システムをオフィスなどのような広い空間に適用しようとすると、給気ダクト7の延長が長くなり、吹出ファンの静圧が不足し、空調機能が成り立たないことは明らかである。
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、VAV上流側にある給気ダクト内の静圧、並びに搬送動力の双方の低減を図ることを目的としている。
上記目的を達成するため本発明は、空気調和装置から空調対象となる空間へ冷風または温風を送る給気経路の出側に設ける可変風量装置であって、給気経路から空調対象の空間へ冷風または温風を送り込む回転数調整可能な送風機を備える。
すなわち、給気経路から冷風や温風を、可変風量装置の回転数調整可能な送風機により空調対象の空間に送り込み、給気経路内の静圧上昇を抑える。
前記空気調和装置は、少なくとも空調対象となる空間からの還気を吸引し、空気調和装置内の還気から給気までの経路の静圧を能力として備えるものとする。また、給気経路と空調対象の空間に設けた複数の吹出口の間に介在するチャンバを備え、当該チャンバ内に送風機を組み込むか、もしくはチャンバに隣接して送風機を上流側に接続する。更には、風速センサを送風機の上流側に位置するようにチャンバ内に組み込む。
より発展的には、空気調和装置に接続された給気経路の出側に設けられ且つ空調対象の空間へ冷風または温風を送り込む回転数調整可能な送風機を有する可変風量装置と、当該可変風量装置の上流側で給気経路の静圧を検出する圧力センサと、当該圧力センサの計測静圧が一定値を保ち得るように空気調和装置の送風機を制御するコントローラとで、空調システムを構築する。
これに加えて前記圧力センサの設置個所を、給気経路である給気ダクトと給気ダクト枝ダクトとの接続点のうち全圧が低い個所、もしくはその上流側近傍に設け、給気ダクトの圧力センサ設置個所の静圧が大気圧以上で且つ大気圧に略等しい設定となるように制御する。また、前記圧力センサを給気ダクト内に設置し、給気経路である給気ダクトと給気枝ダクトとの接続点のうち全圧が低い個所における給気ダクトの静圧が大気圧以上で且つ大気圧に略等しい設定となるように、圧力センサ設置個所と前記全圧が最も低い個所との静圧差を空気調和装置送風機の回転数に基づいて演算して制御する。更には、前記風量調整装置は給気ダクトと空調対象となる空間に設けた複数の吹出口の間に介在するチャンバを備え、当該チャンバ内に送風機を組み込むか、もしくはチャンバに隣接して送風機を上流側に接続したものであり、給気ダクトと給気枝ダクトとの接続点より下流の圧力損失を所定の値に揃えることで、同じ送風機能力を持つモジュール化した給気枝ダクトシステムを備えたものとする。
本発明の可変風量装置及び空調システムによれば、下記のような優れた効果を奏し得る。
(1)給気経路から冷風や温風を、可変風量装置の回転数調整可能な送風機により空調対象の空間に送り込み、給気経路内の静圧上昇を抑えるので、給気経路をなすダクトなどに特に高い剛性が要求されず、当該ダクトの取り付けを短期間で効率よく行え、コストの低減が達成できる。
(2)ダンパ機構の可変風量装置に比べて圧力損失が著しく少なくなるので、空気調和装置の搬送動力を効果的に低減できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1〜図3は本発明の空調システムの一例を示すもので、AHU1と、当該AHU1の冷却コイル2を経て送風機3により送出される冷風4を、空調対象であるオフィス5の天井裏まで導く給気ダクト6,28と、天井裏で給気ダクト28の上流から下流に向けて給気枝ダクト28aを介して順に接続された複数のVAV29a,29b,29cと、オフィス5の天井にVAV29a,29b,29cごと複数設けた吹出口9a,9b,9cと、VAV29a,29b,29cにより風量調節がなされた冷風4を、フレキシブルダクト10a,10b,10cを介して吹出口9a,9b,9cに分配するためのチャンバ11a,11b,11cと、還気12をオフィス5から天井裏へ導くために天井に穿設した複数のスリット13と、天井裏へ入り込んだ還気12を前記AHU1へと戻す還気ダクト14と、還気12の一部を建物から排出するための排風機15が組み込んである排気ダクト16と、還気12を排出した分に見合う外気17を補充するためにAHU1に接続した新鮮空気取入ダクト18とを備えている。前記送風機3は、空調対象となる空間からの還気12を吸引し、少なくとも還気ダクト14の入口からAHU1の給気口までの経路の静圧を能力として備えていることが望ましい。
給気ダクト6及び還気ダクト14には鋼板製の角形ダクトが用いられ、給気ダクト6の下流部分と還気ダクト14の上流部分は、AHU1が格納された機器室19とオフィス5の天井裏を隔てる仕切壁20を貫通しており、ダクト6,14の機器室19内に位置している部位には、それぞれ消音器21,22が組み込んである。仕切壁20は異なる用途の室を仕切るので、貫通する風路などに防火設備(防火ダンパ)が必要となる場合がある。
オフィス5の天井裏の給気ダクト28には軽量で設置作業が容易なフレキシブルダクトが用いられ、このダクト28の上流端は、給気ダクト6の下流端に接続されている。
排気ダクト16及び新鮮空気取入ダクト18も鋼製であり、排気ダクト16の上流部分は、前記仕切壁20を貫通している。
VAV29a,29b,29cは送気手段としての小型送風機30a,30b,30cを備え、更に、小型送風機30a,30b,30cの上流側には、風速センサがそれぞれ設けてある。
これら小型送風機30a,30b,30cには、駆動用のインバータ31a,31b,31cと、温度センサ24a,24b,24cと、コントローラ32a,32b,32cが付帯している。
各温度センサ24a,24b,24cは風量調節の媒介変数として、オフィス5の個別部分、すなわち、各VAV29a,29b,29cの担当範囲の室温を検出する。
コントローラ32a,32b,32cは、風速センサから得た計測風量が、設定室温と前記温度センサ24a,24b,24cによって得た計測室温との偏差により決められた風量になるように、各インバータ31a,31b,31cを制御して小型送風機30a,30b,30cの回転数を変更し、吹出口9a,9b,9cからオフィス5の個別部分への風量調節を実行する。
AHU1には、圧力センサ33と、コントローラ34が付帯している。
圧力センサ33は、給気ダクト28内の静圧を一定に保つための指標として、当該静圧を検出する。
コントローラ34は、圧力センサ33から得た計測静圧が一定値を保ち続けるように、AHU1の送風機3のインバータ27を制御する。
この空調システムにおける送風機3の送気口であるA地点、給気ダクト6の消音器21の下流部分であるB地点、給気ダクト28と下流にVAV29aを備える給気枝ダクト28aの接続点であるC地点、チャンバ11aの内部であるD地点、吹出口9aの出口部であるE地点、給気ダクト28と下流にVAV29bを備える給気枝ダクト28aの接続点であるF地点、チャンバ11bの内部であるG地点、吹出口9bの出口部であるH地点、給気ダクト28と下流にVAV29cを備える給気枝ダクト28a接続点であるI地点、チャンバ11cの内部であるJ地点、吹出口9cの出口部であるK地点、還気ダクト14の吸込口上流部分であるL地点、AHU1筐体の流入口であるM地点、並びに送風機3の吸気口であるN地点の圧力線図は、システム全負荷時には図2のような形を呈し、システム部分負荷時には図3のような形を呈する。
ここで、
軸動力W=ρgQH=QH/102/3600/η
の式において、それぞれの代数を、夏ピーク時の冷房負荷がある場合を全負荷、中間期などのある所定の冷房負荷がある場合を部分負荷とし、各々の代数を以下の図2、図3に示す状態のように代入すると、軸馬力は下記のように求まる。
全負荷の風量Q=13500m3/h
部分負荷の風量Q=9000m3/h
想定している部分負荷は、給気経路の末端(ペリメータ/窓際)が100%風量、空調機側(インテリア/壁側)が50%風量
全負荷の空調機静圧H=635Pa=63.5mmAq
部分負荷の空調機静圧H=292Pa=29.2mmAq
全負荷小型送風機静圧I地点−J地点間H=90Pa=9.0mmAq
F地点−G地点間H=75Pa=7.0mmAq
C地点−D地点間H=50Pa=5.0mmAq
部分負荷小型送風機静圧I地点−J地点間H=90Pa=9.0mmAq
F地点−G地点間H=3Pa=0.3mmAq
C地点−D地点間H=0Pa=0mmAq
小型送風機ファン効率η=0.345
であると、
全負荷の場合、
軸動力W=(13500×63.5/102/3600/0.47)
+(9.0+7.0+5.0)×4500/102/3600/0.345
=5.62kw(図10よりも3%削減)
※(9.0+7.0+5.0)×4500/102/3600/0.345が小型送風機分
部分負荷の場合、
軸動力W=(9000×29.2/102/3600/0.478)
+(9.0×4500+(0.3+0)×2250)/102/3660/0.345
=1.82kw(図11よりも13%削減)
となる。
このように、図1〜図3に示す空調システムでは、給気ダクト28から冷風4をVAV29a,29b,29cの小型送風機30a,30b,30cによってオフィス5に送り込むので、空調システム全体の循環空気搬送をAHU1の送風機3と小型送風機30a,30b,30cとの2段のファンで静圧を分けて搬送すること、及び送風機3の設定静圧を給気ダクト28までの分担とできるので、給気ダクト28内の静圧を低く抑えることができる。また、給気ダクト28内の圧力を圧力センサ33で直接監視しているので、オフィス5内で特に冷風の送給が要求されない(温度調整を必要としない)部分がある時点で発生する場合でも、そこに対応する末端のVAV29a,29b,29cが停止状態になっても直に圧力変動を検出していたずらに給気ダクト28内の静圧を上昇させない。これらのことから、給気ダクト28内の静圧上昇を抑えるので、剛性が高くないフレキシブルダクトを用いても何ら支障はなく、給気ダクト28の取り付けを短期間で効率よく行え、コストの低減が達成できる。また、この達成のため、圧力センサ33はI地点もしくはI地点上流近傍に備えることが望ましく、これにより給気ダクト28の静圧上昇抑制が最大となる。また、圧力センサ33を給気ダクト28内の任意の個所に設置し、I地点もしくはI地点近傍上流における給気ダクト28の静圧が大気圧以上で且つ大気圧と略しい設定となるように、圧力センサ33設置個所とI地点もしくはI地点近傍上流との静圧差を、AHU1の送風機3の回転数に基づいて演算して制御することとしてもよい。更に、給気ダクト28の内部静圧が低く抑えられた正圧なので、オフィス5内で特に冷風の送給が要求されない(温度調整を必要としない)部分が存在する場合、小型送風機30a,30b,30cの駆動軸を停止するブレーキ機構を備えておけば、特に動力を用いずに給気ダクト28の上流側から送給が要求されない部分へのリークが抑えられることとなる。
これに加えて、図2及び図3と図10及び図11との対比からも明らかなように、圧力損失が著しく少なくなるので、AHU1の送風機3の軸動力(搬送動力)を効果的に低減できる。また、圧力センサ33をI地点もしくはI地点近傍上流に備えて、圧力センサ33部分の設定圧力をが大気圧以上で且つ大気圧と略しい設定となるようにするので、VAV29a,29b,29cは給気ダクト28とオフィス5に向けた複数の吹出口9a,9b,9cの間に介在するチャンバ11a,11b,11cを備え、当該チャンバ11a,11b,11c内に送風機30a,30b,30cを組み込むか、もしくはチャンバ11a,11b,11cに隣接して上流側に接続した形とし、更に、給気ダクト28と給気枝ダクト28aとの接続点より下流の圧力損失を所定の値に揃えることで、送風機30a,30b,30cは同じ送風機能力を備えたモジュール化した給気枝ダクトシステムとすることが可能である。よって、どの個所にも同じ給気枝ダクトシステムを取付可能となるので、施工管理の省力化が図れる。
図4及び図5は可変風量装置の第1の例を示すもので、図中、図1〜図3と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
この可変風量装置は、防音材としてグラスウール内張り35を施してあるチャンバ36の内部に軸流ファン37を内装し、当該軸流ファン37の上流側に風速センサ38を設置した構成としてあり、軸流ファン37の騒音低減を図っている。
図6及び図7は可変風量装置の第2の例を示すもので、図中、図4、図5と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
この可変風量装置は、防音材としてグラスウール内張り35を施してあるチャンバ36の内部に遠心ファン39を内装し、当該遠心ファン39の上流側に風速センサ38を設置した構成としてあり、遠心ファン39の騒音低減を図っている。
図8は本発明の空調システムの他の例を示すもので、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
この事例では図1における給気ダクト28に代えて、給気ダクト6の下流端からVAV29aに連なる給気ダクト40aと、給気ダクト6の下流端からVAV29bに連なる給気ダクト40bと、給気ダクト6の下流端からVAV29cに連なる給気ダクト40cとを、オフィス5の天井裏に独立して設け、これら給気ダクト40a,40b,40c(図1における各々の給気枝ダクト28aを延長したものに相当する)内の静圧を一定に保つための指標として、その上流側の静圧を検出する圧力センサ33を給気ダクト6に設けている。更に、図8に示すように圧力センサ33を給気ダクト6の末端部内の個所に設置し、この個所の静圧が大気圧以上で且つ大気圧に略等しい設定とすることで、オフィス5内で特に冷風の送給が要求されない(温度調整を必要としない)部分が存在する場合、小型送風機30a,30b,30cを通じた送給空気の要求されない部分へのリークが抑えられることとなる。
オフィス5の天井裏の給気ダクト40a,40b,40cには軽量で設置作業が容易なフレキシブルダクトを用いている。
なお、本発明の可変風量装置及び空調システムは、上述の実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更を加え得ることは勿論である。
本発明の空調システムの一例を示す概念図である。 図1の空調システムの全負荷時の圧力線図である。 図1の空調システムの部分負荷時の圧力線図である。 本発明の可変風量装置の第1の例を示す平面視概念図である。 本発明の可変風量装置の第1の例を示す側面視概念図である。 本発明の可変風量装置の第2の例を示す平面視概念図である。 本発明の可変風量装置の第2の例を示す側面視概念図である。 本発明の空調システムの他の例を示す概念図である。 従来の空調システムの一例を示す概念図である。 図9の空調システムの全負荷時の圧力線図である。 図9の空調システムの部分負荷時の圧力線図である。 ダンパ機構のVAVを使わない構成の空調システムの圧力線図である。
符号の説明
1 AHU
4 冷風
6 給気ダクト
9a 吹出口
9b 吹出口
9c 吹出口
11a チャンバ
11b チャンバ
11c チャンバ
27 インバータ
28 給気ダクト
28a 給気枝ダクト
29a VAV
29b VAV
29c VAV
30a 小型送風機
30b 小型送風機
30c 小型送風機
31a インバータ
31b インバータ
31c インバータ
32a コントローラ
32b コントローラ
32c コントローラ
33 圧力センサ
34 コントローラ
36 チャンバ
37 軸流ファン
38 風速センサ
39 遠心ファン
40a 給気ダクト
40b 給気ダクト
40c 給気ダクト

Claims (8)

  1. 空気調和装置から空調対象となる空間へ冷風または温風を送る給気経路の出側に設ける可変風量装置であって、給気経路から空調対象の空間へ冷風または温風を送り込む回転数調整可能な送風機を備えたことを特徴とする可変風量装置。
  2. 前記空気調和装置は、少なくとも空調対象となる空間からの還気を吸引し、空気調和装置内の還気から給気までの経路の静圧を能力として備える送風機を備えたことを特徴とする請求項1に記載の可変風量装置。
  3. 給気経路と空調対象の空間に設けた複数の吹出口の間に介在するチャンバを備え、当該チャンバ内に送風機を組み込むか、もしくはチャンバに隣接して送風機を上流側に接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変風量装置。
  4. 風速センサを送風機の上流側に位置するようにチャンバ内に組み込んだ請求項3に記載の可変風量装置。
  5. 空気調和装置に接続された給気経路の出側に設けられ且つ空調対象の空間へ冷風または温風を送り込む回転数調整可能な送風機を有する可変風量装置と、当該可変風量装置の上流側で給気経路の静圧を検出する圧力センサと、当該圧力センサの計測静圧が一定値を保ち得るように空気調和装置の送風機を制御するコントローラとを備えてなることを特徴とする空調システム。
  6. 前記圧力センサの設置個所を、給気経路である給気ダクトと給気ダクト枝ダクトとの接続点のうち全圧が低い個所、もしくはその上流側近傍に設け、給気ダクトの圧力センサ設置個所の静圧が大気圧以上で且つ大気圧に略等しい設定となるように制御することを特徴とする請求項5に記載の空調システム。
  7. 前記圧力センサを給気ダクト内に設置し、給気経路である給気ダクトと給気枝ダクトとの接続点のうち全圧が低い個所における給気ダクトの静圧が大気圧以上で且つ大気圧に略等しい設定となるように、圧力センサ設置個所と前記全圧が最も低い個所との静圧差を空気調和装置送風機の回転数に基づいて演算して制御することを特徴とする請求項5に記載の空調システム。
  8. 前記風量調整装置は給気ダクトと空調対象となる空間に設けた複数の吹出口の間に介在するチャンバを備え、当該チャンバ内に送風機を組み込むか、もしくはチャンバに隣接して送風機を上流側に接続したものであり、給気ダクトと給気枝ダクトとの接続点より下流の圧力損失を所定の値に揃えることで、同じ送風機能力を持つモジュール化した給気枝ダクトシステムを備えたことを特徴とする請求項5乃至請求項7に記載の空調システム。
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