外気利用型冷却システム10Aを利用したデータセンター11の一例を示す上面図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる外気利用型冷却システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、データセンター11に設置された外気利用型冷却システム10Aの各構成機器の一例を示す上面図である。図2では、サーバラック12の図示を省略している。図1では、前後方向を矢印Aで示し、横方向を矢印Bで示す。
外気利用型冷却システム10Aは、データセンター11(建造物)に設置され、データセンター11に収容されたサーバやルータ等の各種複数の情報処理機器(発熱体)の冷却に利用される。なお、建造物としてデータセンター11を例示しているが、外気利用型冷却システム10A(外気利用型冷却システム10B,10Cを含む)は、データセンター11のみならず、所定温度に発熱する発熱体が設置され、その発熱体を冷却することが必要なあらゆる建造物に利用することができる。
データセンター11は、複数のサーバラック12(情報処理機器収納専用ラック)が据え付けられたサーバ室13(冷却室)と、サーバ室13に隣接して施設され、サーバ室13に冷却空気を給気する第1機械室14(給気室)と、サーバ室13に隣接して第1機械室14の反対側に施設され、サーバ室13から熱空気を外部に排気する第2機械室15(排気室)と、それら室13〜15に隣接する廊下16とを備えている。熱空気は、第2機械室15から屋外17(排気側)に排気される。サーバ室13や第1および第2機械室14,15、廊下16は、側壁によって区画されているとともに、外壁によって外部と区画されている。
サーバラック12は、複数のそれらが前後方向へ延びるとともに、横方向へ等間隔離間して並び、横方向へ互いに並行するようにサーバ室13に設置・固定されている。サーバラック12には、図示はしていないが、各種複数の情報処理機器が収容・設置されている。サーバ室13では、それら情報処理機器が電源装置に接続され、情報処理機器の稼働時に運転熱によって自己発熱し、その温度が上昇するとともに、サーバ室13の室内温度が上昇する。
横方向に隣接するそれらサーバラック12の間には、前後方向へ延びるコールドアイル(図示せず)とホットアイル(図示せず)とが画成されている。コールドアイルとホットアイルとは、サーバラック12を挟んで横方向へ交互に並んでいる。コールドアイルとホットアイルとは、サーバラック12およびたれ壁(図示せず)によって仕切られている。コールドアイルは、通行可能な所定の容積を有し、冷却空気(冷風)が通流する。コールドアイルの床には、前後方向へ延びる冷却空気吹出パネルが取り付けられている。ホットアイルは、通行可能な所定の容積を有し、熱空気(温風)が通流する。ホットアイルの天井には、前後方向へ延びる熱空気吸込開口が形成されている。
外気利用型冷却システム10Aは、第1機械室14(給気室)に外気を給気する第1および第2外気ファン18a,18b(第1〜第n外気ファン)と、第1機械室14に給気された外気を空調する第1および第2空調機19a,19bと、第1機械室14からサーバ室15(冷却室)に冷却空気を送気する第1および第2給気ファン20a,20b(第1〜第n給気ファン)と、熱空気を第2機械室15から屋外17に排気する第1および第2排気ファン20a,20b(第1〜第n排気ファン)と、差圧測定用基準圧を検出する基準圧検出部22と、第1機械室14の室圧を検出する室圧検出部23と、サーバ室13のコールドアイルの温度を測定する第1および第2温度センサ24a,24b(第1〜第n温度センサ)と、コントローラ25(制御装置)とから構成されている。外気利用型冷却システム10Aは、所定温度に発熱したそれら情報処理機器よりも低い温度の外気を屋外29(給気側)からサーバ室13に取り入れ、その外気を利用してそれらサーバラック13に収容されたそれら情報処理機器を冷却する。
第1および第2外気ファン18a,18bは、第1機械室14に設置され、後記する外気利用第1冷却運転または外気利用第2冷却運転における第1機械室14への外気の取り入れに使用される。それら外気ファン18a,18bは、第1機械室14の外壁に沿って横方向へ所定寸法離間して並んでいる。それら外気ファン18a,18bにはマイクロコンピュータを備えた制御装置(図示せず)が接続され、それら外気ファン18a,18bの外気取入風量(出力)が各制御装置によってインバータ制御される。
第1および第2外気ファン18a,18bは、それら外気ファン18a,18bすべてがまとめて制御されることはなく、それら外気ファン18a,18bが各制御装置によって別個独立に制御される。したがって、外気ファン18a,18bから第1機械室14に給気される外気の外気取入風量がそれら外気ファン18a,18b毎に同一になる場合または異なる場合がある。
第1および第2外気ファン18a,18bの制御装置には、設定温度が格納(記憶)されている。設定温度は、何時でも自由に変更することができる。第1および第2外気ファン18a,18bの空気取入口には、エアフィルタ26が設置されている。エアフィルタ26は、外気ファン18a,18bに流入する外気に含まれる塵埃を除去する。図1,2では、2台の外気ファン18a,18bを図示しているが、外気ファンの台数に特に制限はなく、第1機械室14の容積や第1機械室14に対する外気ファンの設置条件、情報処理機器の冷却条件等によって3台以上の外気ファンが第1機械室14に設置されていてもよく、第1機械室14に外気ファンが1台だけ設置されていてもよい。
第1および第2空調機19a,19bは、床置き型であり、第1機械室14の床に設置・固定されている。それら空調機19a,19bは、第1空調機19aが第1外気ファン18aに対向し、第2空調機19bが第1外気ファン18bに対向するように、第1機械室14の側壁に沿って横方向へ所定寸法離間して並んでいる。空調機19a,19bには、空冷式や水冷式の空調機を使用することができる。それら空調機19a,19bの頂部には、外気とサーバ室13から還流した熱空気との混合空気または外気の吸気口(図示せず)が作られている。それら空調機19a,19bの底部には、給気ダクト(図示せず)が取り付けられている。給気ダクトは、空調機19a,19bの底部からサーバ室13の床下空間27に向かって延びている。
図1,2では、2台の空調機19a,19bを図示しているが、空調機の台数に特に制限はなく、第1機械室14の容積や第1機械室14に対する空調機の設置条件、情報処理機器の冷却条件等によって3台以上の空調機が第1機械室14に設置されていてもよく、第1機械室14に空調機が1台だけ設置されていてもよい。また、外気ファン18a,18bと空調機19a,19bとが同数である必要はなく、外気ファンの台数と空調機の台数とが異なっていてもよい。
第1および第2給気ファン20a,20bは、第1給気ファン20aが第1空調機19aに設置(内蔵)され、第2給気ファン20bが第2空調機19bに設置(内蔵)されている。なお、複数台の給気ファンが各空調機19a,19b毎に設置(内蔵)されていてもよい。それら給気ファン20a,20bは、第1給気ファン20aが第1外気ファン18aに対向し、第2給気ファン20bが第1外気ファン18bに対向するように、空調機19a,19bに設置された状態で第1機械室14の側壁に沿って横方向へ所定寸法離間して並んでいる。それら給気ファン20a,20bは、外気利用第1冷却運転または外気利用第2冷却運転におけるサーバ室13への冷却空気の送気に使用される。それら給気ファン20a,20bには、サーバ室13への冷却空気の給気目標風量が事前に設定され、給気ファン20a,20bが設定された一定の給気目標風量で継続的に運転される。
第1および第2空調機19a,19bは、第1および第2外気ファン18a,18bによって第1機械室14に給気された外気をそのまま冷却空気(冷風)としてサーバ室13の床下空間27からコールドアイルに送気し、または、第1および第2外気ファン18a,18bによって第1機械室14に給気された外気の温湿度を調節した冷却空気(空調冷風)をサーバ室13の床下空間27からコールドアイルに送気する。
第1および第2空調機19a,19bは、第1および第2外気ファン18a,18bによって第1機械室14に給気された外気とサーバ室13から還流(還気)した熱空気との混合空気を冷却空気(冷風)としてサーバ室13の床下空間27からコールドアイルに送気し、または、第1および第2外気ファン18a,18bによって第1機械室14に給気された外気とサーバ室13から還流(還気)した熱空気との混合空気の温湿度を調節した冷却空気(空調冷風)をサーバ室13の床下空間27からコールドアイルに送気する。
第1および第2排気ファン21a,21bは、第2機械室15に設置され、外気利用第1冷却運転または外気利用第2冷却運転における熱空気の屋外17への排気に使用される。それら排気ファン21a,21bは、第2機械室15の外壁に沿って横方向へ所定寸法離間して並んでいる。それら排気ファン21a,21bにはマイクロコンピュータを備えた制御装置(図示せず)が接続され、それら排気ファン21a,21bの排気風量(出力)が各制御装置によってインバータ制御される。それら排気ファン21a,21bの制御装置は、信号線または無線を介してコントローラ25に接続されている。
第1および第2排気ファン21a,21bは、それら排気ファン21a,21bすべてがまとめて一括制御される。したがって、それら排気ファン21a,21bから排気される熱空気の排気風量が同一となる。なお、それら排気ファン21a,21bが個別独立に制御される場合もある。この場合、それら排気ファン21a,21bから排気される熱空気の排気風量が異なる。
図1,2では、2台の排気ファン21a,21bを図示しているが、排気ファンの台数に特に制限はなく、第2機械室15の容積や第2機械室15に対する排気ファンの設置条件、熱空気の排気条件等によって3台以上の排気ファンが第2機械室15に設置されていてもよく、第2機械室15に排気ファンが1台だけ設置されていてもよい。また、排気ファン21a,21bの台数(2台)と外気ファン18a,18bの台数(2台)とが同数であるが、排気ファンの台数が外気ファンの台数より少なくてもよく、排気ファンの台数が外気ファンの台数より多くてもよい。
基準圧検出部22は、廊下16の所定の位置に設置されている。基準圧検出部22は、廊下16の他に、筐体に収容された状態で外部(データセンター11の屋外)に設置されていてもよい。基準圧検出部22は、信号線または無線を介してコントローラ25に接続され、廊下16の差圧測定用基準圧を検出(測定)しつつ、検出した差圧測定用基準圧をコントローラ25に送信する。室圧検出部23は、第1機械室14の所定の位置に設置されている。室圧検出部23は、信号線または無線を介してコントローラ25に接続され、第1機械室14(給気室)の室圧を検出(測定)しつつ、測定した室圧をコントローラ25に送信する。
第1および第2温度センサ24a,24bは、サーバ室13のコールドアイルまたはコールドアイルの側に位置するサーバラック12に設置され、サーバ室13において横方向へ所定寸法離間して並んでいる。第1温度センサ24aは、信号線または無線を介して第1外気ファン18aの制御装置に接続され、第2温度センサ24bは、信号線または無線を介して第2外気ファン18bの制御装置に接続されている。それら温度センサ24a,24bは、サーバ室13のコールドアイルの温度を測定しつつ、測定した温度を第1および第2外気ファン18a,18bの制御装置に送信する。
コントローラ25には、中央処理部およびメモリを備えたマイクロコンピュータと記憶デバイスとが内蔵されている。コントローラ25には、テンキーユニット(図示せず)やディスプレイ(図示せず)等の入出力装置が接続されている。コントローラ25の記憶デバイスには、設定圧が格納(記憶)されている。設定圧は、何時でも自由に変更することができる。コントローラ25は、基準圧検出部22から送信された廊下16の差圧測定用基準圧と室圧検出部23から送信された第1機械室14の室圧との差圧を算出し、差圧が設定圧から外れた場合、差圧が設定圧になるように、信号線または無線を介して排気ファン21a,21bの制御装置に排気風量増加信号または排気風量減少信号を送信する。
図3は、外気利用第1冷却運転の一例を示すデータセンター11の側面図であり、図4は、差圧が設定圧である場合の外気利用第1冷却運転の一例を示すシステム10Aの上面図である。図5は、外気利用第1冷却運転中に外気ファン18bの外気取入風量の割合が増加した場合の一例を示すシステム10Aの上面図であり、図6は、排気風量第1調節手段の一例を実施した場合のシステム10Aの上面図である。図3は、冬期において実施される外気利用第1冷却運転を示す。図3では、空気(外気や冷却空気、熱空気)の流れを矢印L1〜L4で示す。
データセンター11の第1機械室14とサーバ室13とを仕切る側壁の頂部(天井空間28に位置する側壁)には、サーバ室13から第1機械室14に向かって熱空気が通流する還流開口(図示せず)が作られ、サーバ室13と第2機械室15とを仕切る側壁の頂部(天井空間28に位置する側壁)には、サーバ室13から第2機械室15に向かって熱空気が通流する排気開口(図示せず)が作られている。
外気温度が低い冬期において行われる外気利用第1冷却運転では、図3に矢印Lで示すように、第1および第2外気ファン18a,18b(屋外29)から第1機械室14に外気L4が給気されているとともに、サーバ室13からの熱空気L3が第1機械室14に還流し、外気L4と熱空気L3とが第1機械室14において混合して混合空気L1が作られる。混合空気L1は、第1および第2空調機19a,19bの頂部の吸気口からそれら空調機19a,19bの内部に流入する。
第1および第2空調機19a,19bは、混合空気L1の温度や湿度を調節し、給気ファン20a,20bを利用して温湿度を調節した混合空気L1を冷却空気として給気ダクトからサーバ室13の床下空間27に送気する。なお、混合空気L1の温度や湿度を調節することなく、第1および第2給気ファン20a,20bを利用して混合空気L1を冷却空気L2として給気ダクトからサーバ室13の床下空間27に送気する場合もある。
冷却空気L2は、図3に示すように、サーバ室13の床下空間27から冷却空気吹出パネルを通過してコールドアイルに流入する。コールドアイルに流入した冷却空気L2は、サーバラック12の側方からラック12に流入し、サーバラック12に設置された情報処理機器を冷却する。情報処理機器を冷却した冷却空気L2は、情報処理機器から熱を吸収することで熱空気L3に変わる。熱空気L3は、サーバラック12の側方から流出してホットアイルに流入する。ホットアイルに流入した熱空気L3は、ホットアイルの天井の熱空気吸込開口から天井空間28に流入し、その一部分が天井空間28から還流開口を通流して第1機械室14に還流(流入)するとともに、残余部分が天井空間28から排気開口を通流して第2機械室15に流入する。
第1機械室14では、第1および第2外気ファン18a,18bによって第1機械室14に給気された外気L4と天井空間28から第1機械室14に還流した熱空気L3の一部分との混合空気L1が作られ、空調された混合空気L1またはその混合空気L1自体が冷却空気L2として再び床下空間27からサーバ室13のコールドアイルに給気される。第2機械室15では、そこに流入した熱空気L3の残余部分が排気ファン21a,21bよって屋外17(排気側)に排気(放出)される。
外気利用第1冷却運転において、たとえば図4に示すように、第1および第2外気ファン18a,18bの外気取入風量の割合が40%、第1および第2空調機19a,19b(第1および第2給気ファン20a,20b)の送気風量の割合が50%、第1および第2排気ファン21a,21bの排気風量の割合が40%、サーバ室13から第1機械室14に還流する熱空気の還気風量の割合が20%である場合、第1機械室14に給気される外気取入風量の割合が80%、サーバ室13に送気される冷却空気の給気風量の割合が100%、第2機械室15から吹く抜け17に排気される熱空気の排気風量の割合が80%、サーバ室13から第1機械室14に還流する熱空気の還気風量の割合が20%になり、外気の外気取入風量と排気風量とが一致し、それら室13〜15のエアバランスが維持されている。なお、外気取入風量の割合や送気風量の割合、排気風量の割合は、サーバ室13に供給される風量を100%としたときに各室13〜15においてエアバランスを維持するために決定される風量割合である。
図4の状態においてコントローラ25は、基準圧検出部22から送信された差圧測定用基準圧と室圧検出部23から送信された室圧との差圧を算出し、差圧と設定圧とを比較する。コントローラ25は、差圧と設定圧とを比較した結果、差圧が設定圧(または設定圧の範囲内)であると判断した場合、第1および第2排気ファン21a,21bの排気風量を変更(増減)することなく外気利用第1冷却運転を継続する。
図4の状態で外気利用第1冷却運転を継続中、第1および第2外気ファン18a,18bの制御装置は、第1および第2温度センサ24a,24bから送信された測定温度と設定温度とを比較する。所定の原因によって情報処理機器の温度が上昇し、第2温度センサ24bから送信された測定温度と設定温度とを比較した結果、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)を超過した場合、第2外気ファン18bの制御装置は、測定温度が設定温度(設定温度の範囲内)になるように、第2外気ファン18bをインバータ制御し、第2外気ファン18bの外気取入風量(出力)を増加させる(外気取入風量第1調節手段)。なお、第1温度センサ24aから送信された測定温度が設定温度(設定温度の範囲内)である場合、第1外気ファン18aの外気取入風量は同一のまま維持される。
外気利用型冷却システム10Aは、外気利用第1冷却運転において、サーバ室13に設置された各情報処理機器の温度が上昇したとしても、各情報処理機器の温度に応じて第1および第2外気ファン18a,18bの外気取入風量を個別に増加させることで、各情報処理機器を確実に冷却することができ、外気冷房を活用しつつ各情報処理機器の温度上昇による能力低下や故障を防ぐことができる。
外気利用第1冷却運転において外気取入風量第1調節手段を実施すると、たとえば図5に示すように、外気取入風量第1調節手段によって第2外気ファン18bの外気取入風量の割合が40%から50%に増加する。第2外気ファン18bの外気取入風量の割合が増加すると、第1機械室14に給気される外気取入風量の割合が90%に増加するが、排気風量の割合が80%のままであるから、外気の外気取入風量が排気風量よりも多くなり、第1機械室14の室圧が瞬間的に上昇する。
第1機械室14の室圧が上昇すると、差圧測定用基準圧と室圧との差圧が設定圧(または設定圧の範囲)を超過する。コントローラ25は、外気利用第1冷却運転を実施中に、算出した差圧と設定圧とを比較した結果、差圧が設定圧(または設定圧の範囲)を超過した場合、第1機械室14に対する外気の給気風量が増加し、サーバ室13に送気される冷却空気の風量が増加したと判断する。コントローラ25は、差圧が設定圧(または設定圧の範囲内)になるように、たとえば図6に示すように、第2排気ファン21bの制御装置に排気風量の割合を40%から50%に増加させる排気風量割合増加信号を送信する。
排気風量割合増加信号を受信した第2排気ファン21bの制御装置は、第2排気ファン21bをインバータ制御し、第2排気ファン21bの排気風量の割合を40%から50%に増加させる(排気風量第1調節手段)。なお、第1排気ファン21aの排気風量の割合を増加させることもできる。たとえば、第2排気ファン21bの排気風量の割合を維持しつつ、第1排気ファン21aの排気風量の割合を40%から50%に増加させる。また、第1および第2排気ファン21a,21bの両者の排気風量の割合を均等に増加させることもできる。たとえば、第1排気ファン21aの排気風量の割合を40%から45%に増加させ、第2排気ファン21bの排気風量の割合を40%から45%に増加させる。
排気風量第1調節手段によって、第1機械室14に給気される外気取入風量の割合が90%、サーバ室13に送気される冷却空気の給気風量の割合が100%、第2機械室15から吹く抜け17に排気される熱空気の排気風量の割合が90%、サーバ室13から第1機械室14に還流する熱空気の還気風量の割合が10%に変化し、外気取入風量と排気風量とが一致する。図6の状態においてコントローラ25は、算出した差圧と設定圧とを比較した結果、差圧が設定圧(または設定圧の範囲内)であると判断した場合、第2排気ファン21bの排気風量の割合を変更(増加)した状態で外気利用第1冷却運転を継続する。
外気利用型冷却システム10Aは、外気利用第1冷却運転を実施中に、室圧検出部23が検出した室圧と基準圧検出部22が検出した差圧測定用基準圧との差圧が設定圧を超過した場合、差圧が設定圧になるように、第2排気ファン21bの排気風量の割合を増加させる排気風量第1調節手段を実施するから、所定の原因によって第1および第2外気ファン18a,18b(第1〜第n外気ファン)の外気取入風量の割合が増加したとしても、第2排気ファン21bの排気風量の割合を増加させることで、第1および第2外気ファン18a,18bの外気取入風量と第1および第2排気ファン21a,21b(第1〜第n排気ファン)の排気風量とのエアバランスを設計風量に維持することができ、風向と風速とを乱さずに、設計仕様どおりの冷房空調を行うことができる。
図7は、外気利用第1冷却運転中に外気ファン18bの外気取入風量の割合が減少した場合の一例を示すシステム10Aの上面図であり、図8は、排気風量第2調節手段の一例を実施した場合のシステム10Aの上面図である。図4の状態で外気利用第1冷却運転を継続中、所定の原因によって情報処理機器の温度が低下し、第2温度センサ24bから送信された測定温度と設定温度とを比較した結果、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)未満になった場合、第2外気ファン18bの制御装置は、測定温度が設定温度(設定温度の範囲内)になるように、第2外気ファン18bをインバータ制御し、第2外気ファン18bの外気取入風量を減少させる(外気取入風量第2調節手段)。なお、第1温度センサ24aから送信された測定温度が設定温度(設定温度の範囲内)である場合、第1外気ファン18aの外気取入風量は同一のまま維持される。
外気利用型冷却システム10Aは、外気利用第1冷却運転中にサーバ室13に設置された各情報処理機器の温度が低下した場合、各情報処理機器の温度負荷に応じて第1および第2外気ファン18a,18b(第1〜第n外気ファン)の外気取入風量の割合を個別に減少させることで、外気ファン動力の無駄なエネルギーを消費することなく、システム10Aの省エネルギー化を図ることができる。
なお、外気取入風量第2調節手段によって第1および第2外気ファン18a,18bの外気取入風量の割合を強制的に減少させる場合の他に、第1および第2外気ファン18a,18bに設置されたエアフィルタ26の目詰まりによって外気取入風量の割合が減少する場合、または、第1および第2外気ファン18a,18bの出力低下や故障等によってそれら外気ファン18a,18bのいずれかの外気取入風量の割合が減少する場合、第1および第2外気ファン18a,18bの点検や修理等によってそれら外気ファン18a,18bのいずれかの運転が停止して外気取入風量の割合が減少する場合がある。
外気利用第1冷却運転において外気取入風量第2調節手段を実施すると、たとえば図7に示すように、外気取入風量第1調節手段によって第2外気ファン18bの外気取入風量の割合が40%から30%に減少する。第2外気ファン18bの外気取入風量の割合が減少すると、第1機械室14に給気される外気取入風量の割合が70%に減少するが、排気風量の割合が80%のままであるから、外気取入風量が排気風量よりも少なくなり、第1機械室14の室圧が瞬間的に低下する。なお、エアフィルタ26の目詰まりや第1〜第3外気ファン18a〜18cの出力低下や故障、点検、修理等によって外気取入風量が減少し、第1機械室14の室圧が低下する場合もある。
第1機械室14の室圧が低下すると、差圧測定用基準圧と室圧との差圧が設定圧(または設定圧の範囲)未満になる。コントローラ25は、外気利用第1冷却運転を実施中に、算出した差圧と設定圧とを比較した結果、差圧が設定圧(または設定圧の範囲)未満になった場合、第1機械室14に対する外気の給気風量が減少し、サーバ室13に送気される冷却空気の風量が減少したと判断する。コントローラ25は、差圧が設定圧(または設定圧の範囲内)になるように、たとえば図8に示すように、第2排気ファン21bの制御装置に排気風量の割合を40%から30%に減少させる排気風量割合減少信号を送信する。
排気風量割合減少信号を受信した第2排気ファン21bの制御装置は、第2排気ファン21bをインバータ制御し、第2排気ファン21bの排気風量の割合を40%から30%に減少させる(排気風量第2調節手段)。なお、第1排気ファン21aの排気風量の割合を減少させることもできる。たとえば、第2排気ファン21bの排気風量の割合を維持しつつ、第1排気ファン21aの排気風量の割合を40%から30%に減少させる。また、第1および第2排気ファン21a,21bの両者の排気風量を均等に減少させることもできる。たとえば、第1排気ファン21aの排気風量の割合を40%から35%に減少させ、第2排気ファン21bの排気風量の割合を40%から35%に減少させる。
排気風量第2調節手段によって、第1機械室14に給気される外気取入風量の割合が70%、サーバ室13に送気される冷却空気の給気風量の割合が100%、第2機械室15から室外17に排気される熱空気の排気風量の割合が70%、サーバ室13から第1機械室14に還流する熱空気の還気風量の割合が30%に変化し、外気取入風量と排気風量とが一致する。図8の状態においてコントローラ25は、算出した差圧と設定圧とを比較した結果、差圧が設定圧(または設定圧の範囲内)であると判断した場合、第2排気ファン21bの排気風量の割合を変更(減少)した状態で外気利用第1冷却運転を継続する。
外気利用型冷却システム10Aは、外気利用第1冷却運転を実施中に、室圧検出部23が検出した室圧と基準圧検出部22が検出した差圧測定用基準圧との差圧が設定圧未満になった場合、差圧が設定圧になるように、第2排気ファン21bの排気風量の割合を減少させる排気風量第2調節手段するから、所定の原因によって第1および第2外気ファン18a,18b(第1〜第n外気ファン)の外気取入風量の割合が減少したとしても、第2排気ファン21bの排気風量の割合を減少させることで、第1および第2外気ファン18a,18bの外気取入風量と第1および第2排気ファン21a,21b(第1〜第n排気ファン)の排気風量とのエアバランスを設計風量に維持することができ、風向と風速とを乱さずに、設計仕様どおりの冷房空調を行うことができる。
外気利用型冷却システム10Aは、室圧検出部23が検出した室圧と基準圧検出部22が検出した差圧測定用基準圧との差圧をコントローラ25が算出し、その差圧と設定圧とを比較することにより、第1および第2外気ファン18a,18b(第1〜第n外気ファン)の外気取入風量と第1および第2排気ファン21a,21b(第1〜第n排気ファン)の排気風量とのエアバランスを維持することができるから、第1および第2外気ファン18a,18bや第1および第2排気ファン21a,21bを個別の条件判断によってその風量を制御する必要はなく、多数のセンサ(観察ポイント)を設置する必要や複雑な制御判断機構を構築する必要はなくサーバ室13(冷却室)におけるエアバランスを維持することができ、サーバ室13の過度の室圧変動を防ぐことができ、サーバ室13の損傷を防止することができるとともに、サーバ室13に設置された所定温度の情報処理機器(発熱体)を確実に冷却することができる。
外気利用型冷却システム10Aは、第1および第2排気ファン21a,21b(第1〜第n排気ファン)を第2機械室15(排気室)に設置することで、風量分布の異なるサーバ室13(冷却室)内の熱空気を第2機械室15に集合させて熱空気をデータセンター11(建造物)の外部へ排気することができ、所定温度の情報処理機器(発熱体)が設置されたサーバ室13に対する外気利用第1冷却運転(外気利用冷房)を安定して行うことができる。外気利用型冷却システム10Aは、サーバ室13に対する外気利用第1冷却運転(外気利用冷房)を安定して行うことができるから、外気を発熱体の冷却に利用しつつ各情報処理機器の温度上昇による能力低下や故障を確実に防ぐことができる。
外気利用型冷却システム10Aは、外気の温度が高く、外気の冷熱のみの利用ではサーバ室13に設置された所定温度の情報処理機器(発熱体)を十分に冷却することができない場合、第1および第2空調機19a,19b(第1〜第n空調機)の空調機能を利用して第1および第2給気ファン20a,20b(第1〜第n給気ファン)からサーバ室13(冷却室)に送気する冷却空気の温度を低下させることができるから、冷却空気によって情報処理機器を確実に冷却することができる。また、外気の湿度が適正ではなく、その湿度の外気をそのまま利用すると情報処理機器の故障の原因になる場合、第1および第2空調機19a,19bの調湿機能を利用して第1および第2給気ファン20a,20bからサーバ室13に送気する冷却空気の湿度を上昇または低下させることができるから、静電気の発生を防止しつつ、不適切な湿度による発熱体の故障の原因を取り除くことができる。
図9は、外気利用第2冷却運転の一例を示すデータセンター11の側面図である。図9は、夏期および冬期を除く中間期において実施される外気第2冷却運転を示す。図9では、空気の流れを矢印L1〜L4で示す。中間期において行われる外気第2冷却運転では、図9に矢印Lで示すように、第1および第2外気ファン18a,18b(屋外29)から第1機械室14に外気L4が給気され、外気L4が空調機19a,19bの頂部の吸気口から空調機19a,19bの内部に流入する。空調機19a,19bは、外気の温度や湿度を調節し、給気ファン20a,20bを利用して外気L4を冷却空気L1として給気ダクトからサーバ室13の床下空間27に給気する。なお、外気L4の温度や湿度を調節することなく、第1および第2給気ファン20a,20bを利用して外気L4を冷却空気L1として給気ダクトからサーバ室13の床下空間27に送気する場合もある。
冷却空気L1は、図9に示すように、サーバ室13の床下空間27から冷却空気吹出パネルを通過してコールドアイルに流入する。コールドアイルに流入した冷却空気L2は、サーバラック12の側方からラック12に流入し、サーバラック12に設置された情報処理機器を冷却する。情報処理機器を冷却した冷却空気L2は、情報処理機器から熱を吸収することで熱空気L3に変わる。熱空気L3は、サーバラック12の側方から流出してホットアイルに流入する。ホットアイルに流入した熱空気L3は、図9に示すように、ホットアイルの天井の熱空気吸込開口から天井空間28に流入し、第1機械室14に還流することなく、そのすべてが天井空間28から排気開口を通流して第2機械室15に流入する。第2機械室15では、そこに流入した熱空気L3が排気ファン21a,21bよって屋外17に排気(放出)される。
外気利用型冷却システム10Aは、外気利用第2冷却運転中(熱空気を還流させることなく、外気を冷却空気とした発熱体の冷却運転中)に、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)を超過した場合、第1および第2外気ファン18a,18bの外気取入風量の割合を増加させることなく、空調機20a,20bの空調機能を利用して外気を冷却し、冷却した外気を冷却空気としてサーバ室13に送気する。
外気利用型冷却システム10Aは、外気利用第2冷却運転中に、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)未満になった場合、第1および第2外気ファン18a,18bのうちの少なくとも1台の外気取入風量の割合を減少させる外気取入風量第2調節手段を実施するとともに、サーバ室13の熱空気を第1機械室14に還流させ、外気と熱空気とを混合した混合空気を冷却空気としてサーバ室13に送気する外気利用第1冷却運転を実施し、外気取入風量第2調節手段を実施したことによって差圧測定用基準圧と室圧との差圧が設定圧(または設定圧の範囲)未満になった場合、第1および第2排気ファン21a,21bのうちの少なくとも1台の排気風量の割合を減少させる排気風量第2調節手段を実施する。
外気利用型冷却システム10Aは、外気利用第2冷却運転を実施中に、第1および第2外気ファン18a,18d(第1〜第n外気ファン)のうちの少なくとも1台の外気取入風量が減少したとしても、第1および第2排気ファン21a,21b(第1〜第n排気ファン)のうちの少なくとも1台の排気風量を減少させることで、外気取入風量と排気風量とのエアバランスを設計風量に維持することができ、風向と風速とを乱さずに、設計仕様どおりの冷房空調を行うことができる。
外気利用型冷却システム10Aは、外気利用第2冷却運転を実施中に、第1および第2外気ファン18a,18bの外気取入風量と第1および第2排気ファン21a,21bの排気風量とのエアバランスを維持することができるから、第1および第2外気ファン18a,18bや第1および第2排気ファン21a,21bを個別の条件判断によってその風量を制御する必要はなく、多数のセンサ(観察ポイント)を設置する必要や複雑な制御判断機構を構築する必要はなくサーバ室13におけるエアバランスを維持することができ、サーバ室13の過度の室圧変動を防ぐことができ、サーバ室13の損傷を防止することができるとともに、サーバ室13に設置された所定温度の情報処理機器(発熱体)を確実に冷却することができる。
外気利用型冷却システム10Aは、第1および第2排気ファン21a,21b(第1〜第n排気ファン)を第2機械室15(排気室)に設置することで、風量分布の異なるサーバ室13(冷却室)内の熱空気を第2機械室15に集合させて熱空気をデータセンター11(建造物)の外部へ排気することができ、所定温度の情報処理機器(発熱体)が設置されたサーバ室13に対する外気利用第2冷却運転(外気利用冷房)を安定して行うことができる。外気利用型冷却システム10Aは、サーバ室13に対する外気利用第2冷却運転(外気利用冷房)を安定して行うことができるから、外気を発熱体の冷却に利用しつつ各情報処理機器の温度上昇による能力低下や故障を確実に防ぐことができる。
外気利用型冷却システム10Aは、外気利用第2冷却運転において情報処理機器を冷却した後の熱空気を第1機械室14に還流(還気)させることなく、外気を冷却空気としてサーバ室13に送気するから、第1および第2外気ファン18a,18bの外気取入風量と第1および第2排気ファン21a,21bの排気風量とのエアバランスを維持しつつ情報処理機器よりも低い温度の外気を利用して情報処理機器を冷却することができるのみならず、外気のみを情報処理機器の冷却に利用することで、システム10Aにおける大幅な省エネルギー化を図ることができるとともに、各情報処理機器の温度上昇による能力低下や故障を確実に防ぐことができる。
図10は、第2機械室15が存在しない場合の建造物11に設置された外気利用型冷却システム10Bの各構成機器の他の一例を示す上面図である。外気利用型冷却システム10Bは、所定の建造物11に設置され、建造物11に収容された所定の発熱体の冷却に利用される。建造物11は、発熱体を収容した冷却室13と、冷却室13に隣接して施設され、冷却室13に冷却空気を給気する給気室14と、それら室13,14に隣接する廊下16とを備えている。冷却室13や給気室14、廊下16は、側壁によって区画されているとともに、外壁によって外部と区画されている。
外気利用型冷却システム10Bは、給気室14に外気を給気する第1〜第4外気ファン18a〜18d(第1〜第n外気ファン)と、給気室14に給気された外気を空調する第1〜第4空調機19a〜19dと、給気室14から冷却室13に冷却空気(空調空気や調湿空気)を給気する第1〜第4給気ファン20a〜20d(第1〜第n給気ファン)と、熱空気を冷却室13から屋外17に排気する第1〜第3排気ファン21a〜21c(第1〜第n排気ファン)と、廊下16の差圧測定用基準圧を検出する基準圧検出部22と、給気室14の室圧を検出する室圧検出部23と、冷却室13の温度を測定する第1〜第4温度センサ24a〜24d(第1〜第n温度センサ)と、コントローラ25(制御装置)とから構成されている。外気利用型冷却システム10Bは、所定温度に発熱した発熱体よりも低い温度の外気を冷却室14に取り入れ、その外気を利用して発熱体を冷却する。
第1〜第4外気ファン18a〜18dは、給気室14の外壁に設置され、外気利用第1冷却運転または外気利用第2冷却運転における給気室14への外気の取り入れに使用される。それら外気ファン18a〜18dは、システム10Aのそれらと同一である。第1〜第4外気ファン18a〜18dの空気取入口には、エアフィルタ26が設置されている。図10では、4台の外気ファン18a〜18dを図示しているが、4台を超過する外気ファンまたは4台未満の外気ファンが給気室14の外壁に設置されていてもよい。
第1〜第4空調機19a〜19dは、システム10Aのそれらと同一であり、給気室14の床に設置・固定されている。それら空調機19a〜19dには、第1〜第4給気ファン20a〜20dが設置(内蔵)されている。それら給気ファン20a〜20dは、システム10Aのそれらと同一である。図10では、4台の空調機19a〜19d(給気ファン20a〜20d)を図示しているが、4台を超過する空調機(給気ファン)または4台未満の空調機(給気ファン)が給気室14に設置されていてもよい。
第1〜第3排気ファン21a〜21cは、発熱体を挟んで空調機19a〜19dの反対側の冷却室13の外壁近傍に設置されている。それら排気ファン21a〜21cは、システム10Aのそれらと同一である。図10では、3台の排気ファン21a〜21cを図示しているが、3台を超過する排気ファンまたは3台未満の排気ファンが冷却室13に設置されていてもよい。
基準圧検出部22は、廊下16の所定の位置に設置されている。室圧検出部23は、給気室14の所定の位置に設置されている。第1〜第4温度センサ24a〜24dは、冷却室13に設置され、第1〜第4外気ファン18a〜18dの制御装置に接続されている。基準圧検出部22や室圧検出部23、第1〜第4温度センサ24a〜24d、コントローラ25は、システム10Aのそれらと同一である。
図10に示す外気利用型冷却システム10Bは、システム10Aと同様に、外気利用第1冷却運転中(外気と熱空気との混合空気を冷却空気とした発熱体の冷却運転中)に、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)を超過した場合、第1〜第4外気ファン18a〜18dのうちの少なくとも1台の外気取入風量の割合を増加させる外気取入風量第1調節手段を実施し、外気取入風量第1調節手段を実施したことによって差圧測定用基準圧と室圧との差圧が設定圧(または設定圧の範囲)を超過した場合、第1〜第3排気ファン21a〜21cのうちの少なくとも1台の排気風量の割合を増加させる排気風量第1調節手段を実施する。
外気利用型冷却システム10Bは、外気利用第1冷却運転中に、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)未満になった場合、第1〜第4外気ファン18a〜18dのうちの少なくとも1台の外気取入風量の割合を減少させる外気取入風量第2調節手段を実施し、外気取入風量第2調節手段を実施したことによって差圧測定用基準圧と室圧との差圧が設定圧(または設定圧の範囲)未満になった場合、第1〜第3排気ファン21a〜21cのうちの少なくとも1台の排気風量の割合を減少させる排気風量第2調節手段を実施する。
外気利用型冷却システム10Bは、システム10Aと同様に、外気第2冷却運転中(熱空気を還流させることなく、外気を冷却空気とした発熱体の冷却運転中)に、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)を超過した場合、第1〜第4外気ファン18a〜18dの外気取入風量を増加させることなく、第1〜第4空調機19a〜19dの空調機能を利用して外気を冷却し、冷却した外気を冷却空気としてサーバ室13に送気する。
外気利用型冷却システム10Bは、外気利用第2冷却運転中に、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)未満になった場合、第1〜第4外気ファン18a〜18dのうちの少なくとも1台の外気取入風量を減少させる外気取入風量第2調節手段を実施するとともに、サーバ室13の熱空気を第1機械室14に還流させ、外気と熱空気とを混合した混合空気を冷却空気としてサーバ室13に送気する外気利用第1冷却運転を実施し、外気取入風量第2調節手段を実施したことによって差圧測定用基準圧と室圧との差圧が設定圧(または設定圧の範囲)未満になった場合、第1〜第3排気ファン21a〜21cのうちの少なくとも1台の排気風量の割合を減少させる排気風量第2調節手段を実施する。
外気利用型冷却システム10Bは、外気利用第1冷却運転を実施中に、第1〜第4外気ファン18a〜18d(第1〜第n外気ファン)のうちの少なくとも1台の外気取入風量の割合が増減したとしても、第1〜第3排気ファン21a〜21c(第1〜第n排気ファン)のうちの少なくとも1台の排気風量の割合を増減させることで、第1〜第4外気ファン18a〜18dの外気取入風量と第1〜第3排気ファン21a〜21cの排気風量とのエアバランスを設計風量に維持することができ、風向と風速とを乱さずに、設計仕様どおりの冷房空調を行うことができる。
外気利用型冷却システム10Bは、外気利用第2冷却運転を実施中に、第1〜第4外気ファン18a〜18d(第1〜第n外気ファン)のうちの少なくとも1台の外気取入風量が減少したとしても、第1〜第3排気ファン21a〜21c(第1〜第n排気ファン)のうちの少なくとも1台の排気風量を減少させることで、外気取入風量と排気風量とのエアバランスを設計風量に維持することができ、風向と風速とを乱さずに、設計仕様どおりの冷房空調を行うことができる。
外気利用型冷却システム10Bは、室圧検出部23が検出した室圧と基準圧検出部22が検出した差圧測定用基準圧との差圧をコントローラ25が算出し、その差圧と設定圧とを比較することにより、第1〜第4外気ファン18a〜18dの外気取入風量と第1〜第3排気ファン21a〜21cの排気風量とのエアバランスを維持することができるから、第1〜第4外気ファン18a〜18dや第1〜第3排気ファン21a〜21cを個別の条件判断によってその風量を制御する必要はなく、多数のセンサ(観察ポイント)を設置する必要や複雑な制御判断機構を構築する必要はなく冷却室13におけるエアバランスを維持することができ、冷却室13の過度の室圧変動を防ぐことができ、冷却室13の損傷を防止することができるとともに、冷却室13に設置された所定温度の発熱体を確実に冷却することができる。
図11は、第2機械室15が存在しない場合の建造物11に設置された外気利用型冷却システム10Cの各構成機器の他の一例を示す上面図である。このシステム10Cが図10のシステム10Bと異なるところは、給気室14に空調機19a〜19dが設置されておらず、第1〜第4給気ファン20a〜20dによって冷却空気を給気室14から冷却室13に送気する点にある。第1〜第4給気ファン20a〜20dは、給気室14に設置されている。それら給気ファン20a〜20dは、第1給気ファン20aが第1外気ファン18aに対向し、第2給気ファン20bが第2外気ファン18bに対向するように、給気室14の側壁に沿って横方向へ所定寸法離間して並んでいる。
第1〜第4給気ファン20a〜20dは、冷却室13への冷却空気の給気目標風量が事前に設定され、設定された一定の給気目標風量で継続的に運転される。それら給気ファン20a〜20dは、給気室14に給気された外気と冷却室13から還流(還気)した熱空気との混合空気を冷却空気(冷風)として冷却室13に送気し、または、給気室14に給気された外気をそのまま冷却空気(冷風)として冷却室13に送気する。図11では、4台の給気ファン20a〜20dを図示しているが、4台を超過する給気ファンまたは4台未満の給気ファンが給気室14に設置されていてもよい。
図10に示す外気利用型冷却システム10Cは、システム10Aと同様に、外気利用第1冷却運転中(外気と熱空気との混合空気を冷却空気とした発熱体の冷却運転中)に、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)を超過した場合、第1〜第4外気ファン18a〜18dのうちの少なくとも1台の外気取入風量の割合を増加させる外気取入風量第1調節手段を実施し、外気取入風量第1調節手段を実施したことによって差圧測定用基準圧と室圧との差圧が設定圧(または設定圧の範囲)を超過した場合、第1〜第3排気ファン21a〜21cのうちの少なくとも1台の排気風量の割合を増加させる排気風量第1調節手段を実施する。
外気利用型冷却システム10Cは、外気利用第1冷却運転中に、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)未満になった場合、第1〜第4外気ファン18a〜18dのうちの少なくとも1台の外気取入風量の割合を減少させる外気取入風量第2調節手段を実施し、外気取入風量第2調節手段を実施したことによって差圧測定用基準圧と室圧との差圧が設定圧(または設定圧の範囲)未満になった場合、第1〜第3排気ファン21a〜21cのうちの少なくとも1台の排気風量の割合を減少させる排気風量第2調節手段を実施する。
外気利用型冷却システム10Cは、外気利用第2冷却運転中に、測定温度が設定温度(設定温度の範囲)未満になった場合、第1〜第4外気ファン18a〜18dのうちの少なくとも1台の外気取入風量を減少させる外気取入風量第2調節手段を実施するとともに、サーバ室13の熱空気を第1機械室14に還流させ、外気と熱空気とを混合した混合空気を冷却空気としてサーバ室13に送気する外気利用第1冷却運転を実施し、外気取入風量第2調節手段を実施したことによって差圧測定用基準圧と室圧との差圧が設定圧(または設定圧の範囲)未満になった場合、第1〜第3排気ファン21a〜21cのうちの少なくとも1台の排気風量を減少させる排気風量第2調節手段を実施する。
外気利用型冷却システム10Cは、温度や湿度を調節した冷却空気(空調空気または調湿空気)を冷却室13に給気することはできないが、外気利用第1冷却運転を実施中に、第1〜第4外気ファン18a〜18d(第1〜第n外気ファン)のうちの少なくとも1台の外気取入風量の割合が増減したとしても、第1〜第3排気ファン21a〜21c(第1〜第n排気ファン)のうちの少なくとも1台の排気風量の割合を増減させることで、第1〜第4外気ファン18a〜18dの外気取入風量と第1〜第3排気ファン21a〜21cの排気風量とのエアバランスを設計風量に維持することができ、風向と風速とを乱さずに、設計仕様どおりの冷房空調を行うことができる。
外気利用型冷却システム10Cは、外気利用第2冷却運転を実施中に、第1〜第4外気ファン18a〜18d(第1〜第n外気ファン)のうちの少なくとも1台の外気取入風量が減少したとしても、第1〜第3排気ファン21a〜21c(第1〜第n排気ファン)のうちの少なくとも1台の排気風量を減少させることで、外気取入風量と排気風量とのエアバランスを設計風量に維持することができ、風向と風速とを乱さずに、設計仕様どおりの冷房空調を行うことができる。
外気利用型冷却システム10Cは、室圧検出部23が検出した室圧と基準圧検出部22が検出した差圧測定用基準圧との差圧をコントローラ25が算出し、その差圧と設定圧とを比較することにより、第1〜第4外気ファン18a〜18dの外気取入風量と第1〜第3排気ファン21a〜21cの排気風量とのエアバランスを維持することができるから、第1〜第4外気ファン18a〜18dや第1〜第3排気ファン21a〜21cを個別の条件判断によってその風量を制御する必要はなく、多数のセンサ(観察ポイント)を設置する必要や複雑な制御判断機構を構築する必要はなく冷却室13におけるエアバランスを維持することができ、冷却室13の過度の室圧変動を防ぐことができ、冷却室13の損傷を防止することができるとともに、冷却室13に設置された所定温度の発熱体を確実に冷却することができる。