JP2010127522A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】空気調和装置と外気処理装置とを備えた空調システムにおいて、空気調和装置が冷房運転を行うと同時に外気処理装置が加湿運転を行う場合であっても、室内空気の湿度を確実に上昇させる。
【解決手段】空調システム(10)は、外気処理機(50)と空調機(20)を備える。加湿運転中の外気処理機(50)において、調湿ユニット(52a)は、外気ダクト(11)から吸い込んだ室外空気を加湿してから給気ダクト(13)へ吹き出す一方、第1内気ダクト(12a)から吸い込んだ室内空気を除湿してから接続ダクト(14)へ送り出す。冷房運転中の空調機(20)において、室内ユニット(22a)は、調湿ユニット(52a)において除湿された室内空気の一部を吸込ダクト(16)から吸い込み、吸い込んだ除湿後の室内空気を冷却してから吹出ダクト(17)へ送り出す。
【選択図】図4

Description

本発明は、室内空気の温度を調節する空気調和装置と、室内へ供給される室外空気の温度と湿度を調節する外気処理装置とを備えた空調システムに関するものである。
従来より、空気調和装置と外気処理装置とを備えた空調システムが知られている。例えば、特許文献1には、冷凍サイクルを行う冷媒回路が設けられた空気調和装置と、デシカントロータを用いて空気の湿度を調節する外気処理装置とを備える空調システムが開示されている。また、特許文献2や特許文献3には、空気熱交換器の表面に担持された吸着剤を冷媒で加熱し又は冷却することによって空気の湿度を調節する外気処理装置と、冷凍サイクルを行う冷媒回路が設けられた空気調和装置とを備える空調システムが開示されている。この種の空調システムにおいて、空気調和装置は、取り込んだ室内空気の温度を調節し、温度を調節した室内空気を室内へ供給する。また、外気処理装置は、取り込んだ室外空気の温度と湿度を調節し、温度と湿度を調節した室外空気を室内へ供給する。
特開平09−318126号公報 特開2005−291585号公報 特開2006−329471号公報
ところで、特許文献2や特許文献3に開示された空調システムの外気処理装置は、取り込んだ室外空気を加湿して室内へ供給する加湿運転を実行できる。従って、この空調システムでは、空気調和装置が冷房運転を行うと同時に外気処理装置が加湿運転を行う場合も有り得る。特に、近年のオフィスビルでは、オフィス内にパソコン等の発熱源となるOA機器が多数設置されており、外気が乾燥している冬季にも室内の冷房が必要となる場合がある。
ところが、冷房運転中の空気調和装置では、室内空気の冷却が行われるため、室内空気を冷却する過程で室内空気に含まれる水蒸気が凝縮し、生成した凝縮水がドレン水として室外へ排出されてしまう。このため、外気処理装置が加湿運転を行っている状態で空気調和装置が冷房運転を行うと、外気処理装置によって空気に付与された水分が空気調和装置において空気から取り除かれてしまい、室内空気の湿度を充分に上昇させることができないおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、空気調和装置と外気処理装置とを備えた空調システムにおいて、空気調和装置が冷房運転を行うと同時に外気処理装置が加湿運転を行う場合であっても、室内空気の湿度を確実に上昇させることにある。
第1の発明は、取り込んだ室内空気を冷却してから室内へ供給する冷房運転を少なくとも行う空気調和装置(20)と、吸着剤と接触させることによって除湿した室内空気を室外へ排出し、且つ室内空気中の水分を吸着した吸着剤から脱離させた水分を付与することによって加湿した室外空気を室内へ供給する加湿運転を少なくとも行う外気処理装置(50)とを備える空調システムを対象とする。そして、上記空気調和装置(20)が冷房運転を行っていて且つ上記外気処理装置(50)が加湿運転を行っている加湿冷房運転中には、上記外気処理装置(50)において除湿された室内空気の一部が上記空気調和装置(20)へ供給されて残りが室外へ排出されると共に、上記空気調和装置(20)が上記外気処理装置(50)から供給された室内空気を冷却してから室内へ供給するように構成されるものである。
第1の発明の空調システム(10)は、加湿冷房運転を実行可能となっている。加湿冷房運転中の空調システム(10)では、空気調和装置(20)が冷房運転を行い、外気処理装置(50)が加湿運転を行う。冷房運転中の空気調和装置(20)は、取り込んだ室内空気を冷却し、冷却した室内空気を室内へ供給する。加湿運転中の外気処理装置(50)は、室内空気と室外空気を取り込む。そして、外気処理装置(50)は、取り込んだ室内空気中の水分を吸着剤に吸着させる一方、吸着剤から脱離させた水分を室外空気に付与し、加湿された室外空気を室内へ供給する。空調システム(10)の加湿冷房運転中において、水分を奪われた後に外気処理装置(50)から排出された室内空気は、その一部が空気調和装置(20)へ供給され、残りが室外へ排出される。そして、空気調和装置(20)は、外気処理装置(50)において除湿された室内空気を冷却してから室内へ供給する。
第1の発明の空調システム(10)において、その加湿冷房運転中に空気調和装置(20)が冷却する空気は、外気処理装置(50)において予め除湿されているため、その露点温度が室内空間に存在する空気よりも低くなる。従って、加湿冷房運転中の空調システム(10)では、室内空間に存在する空気をそのまま空気調和装置(20)へ供給する場合に比べ、空気調和装置(20)において空気を冷却する際に生成する凝縮水の量が減少する。また、加湿運転中の外気処理装置(50)において、吸着剤が吸着した室内空気中の水分は、室外空気に付与されて室内へ送り返される。
第2の発明は、上記第1の発明において、加湿冷房運転中には、上記外気処理装置(50)を通過後に室外へ排出される室内空気の流量が上記外気処理装置(50)を通過する室外空気の流量と等しくなり、且つ上記外気処理装置(50)を通過する室内空気の流量が上記外気処理装置(50)を通過する室外空気の流量よりも多くなっているものである。
第2の発明の空調システム(10)では、その加湿冷房運転中において、外気処理装置(50)を通過後に室外へ排出される室内空気の流量が、外気処理装置(50)を通過する室外空気の流量と等しくなる。つまり、外気処理装置(50)を通って室外から室内へ供給される空気の流量と、外気処理装置(50)を通って室内から室外へ排出される空気の流量とが、同じ値となる。また、この空調システム(10)では、その加湿冷房運転中において、外気処理装置(50)を通過する室内空気の流量が、外気処理装置(50)を通過する室外空気の流量よりも多くなる。そして、空調システム(10)の加湿冷房運転中に外気処理装置(50)から空気調和装置(20)へ供給される空気の流量は、「外気処理装置(50)を通過する室内空気の流量」から「外気処理装置(50)を通過後に室外へ排出される室内空気の流量」を差し引いた値となる。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記空気調和装置(20)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(30)を備え、冷房運転中には室内空気を該冷媒回路(30)の冷媒と熱交換させることによって冷却するように構成される一方、加湿冷房運転中に、上記外気処理装置(50)において除湿された室内空気の露点温度が上記空気調和装置(20)の冷媒回路(30)における冷媒の蒸発温度よりも低くなるように、上記外気処理装置(50)の運転を制御する制御手段(90)を備えるものである。
第3の発明では、空気調和装置(20)には冷媒回路(30)が設けられる。冷房運転中の空気調和装置(20)では、冷媒回路(30)の冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。空調システム(10)に設けられた制御手段(90)は、加湿冷房運転中に外気処理装置(50)の運転を制御する。その際、制御手段(90)は、「外気処理装置(50)において除湿された室内空気の露点温度」が「空気調和装置(20)の冷媒回路(30)における冷媒の蒸発温度」よりも低くなるように、外気処理装置(50)の運転を制御する。空調システム(10)の加湿冷房運転中には、外気処理装置(50)において除湿された空気が冷房運転中の空気調和装置(20)へ送られる。このため、外気処理装置(50)において除湿された室内空気の露点温度が空気調和装置(20)の冷媒回路(30)における冷媒の蒸発温度よりも低い状態では、冷房運転中の空気調和装置(20)において冷却された後の室内空気の温度がその露点温度よりも高い値に保たれるため、その室内空気中の水分が凝縮することはない。
第4の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記空気調和装置(20)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(30)を備え、冷房運転中には室内空気を該冷媒回路(30)の冷媒と熱交換させることによって冷却するように構成される一方、加湿冷房運転中に、上記空気調和装置(20)の冷媒回路(30)における冷媒の蒸発温度が上記外気処理装置(50)において除湿された室内空気の露点温度よりも高くなるように、上記空気調和装置(20)の運転を制御する制御手段(90)を備えるものである。
第4の発明において、空気調和装置(20)には冷媒回路(30)が設けられる。冷房運転中の空気調和装置(20)では、冷媒回路(30)の冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。空調システム(10)に設けられた制御手段(90)は、加湿冷房運転中に空気調和装置(20)の運転を制御する。その際、制御手段(90)は、空気調和装置(20)の冷媒回路(30)における冷媒の蒸発温度が外気処理装置(50)において除湿された室内空気の露点温度よりも高くなるように、空気調和装置(20)の運転を制御する。空調システム(10)の加湿冷房運転中には、外気処理装置(50)において除湿された空気が冷房運転中の空気調和装置(20)へ送られる。このため、冷媒回路(30)における冷媒の蒸発温度が外気処理装置(50)よって除湿された室内空気の露点温度よりも高い状態では、冷房運転中の空気調和装置(20)において冷却された後の室内空気の温度がその露点温度よりも高い値に保たれるため、その室内空気中の水分が凝縮することはない。
本発明の空調システム(10)では、その加湿冷房運転中において、外気処理装置(50)において除湿された室内空気の一部が空気調和装置(20)へ送られ、空気調和装置(20)は、外気処理装置(50)から供給された除湿後の空気を冷却して室内へ供給する。このため、本発明の空調システム(10)では、その加湿冷房運転中において、空気調和装置(20)において空気を冷却する際に生成する凝縮水の量を、室内空間に存在する空気をそのまま空気調和装置(20)へ供給する場合に比べて削減できる。また、加湿運転中の外気処理装置(50)において、吸着剤が吸着した室内空気中の水分は、室外空気に付与されて室内へ送り返される。
このように、加湿冷房運転中の本発明の空調システム(10)では、空気調和装置(20)において室内空気からドレン水として取り除かれる水分の量が減少すると共に、外気処理装置(50)において室内空気から取り除かれた水分が室外空気と共に室内へ送り返される。従って、本発明によれば、空調システム(10)の加湿冷房運転中において、冷房運転中の空気調和装置(20)において室内空気から取り除かれる水分の量を削減することができ、室内空間に存在する空気の湿度を充分に上昇させることが可能となる。
上記第2の発明によれば、空調システム(10)の加湿冷房運転中において、外気処理装置(50)において除湿された室内空気の一部を空気調和装置(20)へ供給しつつ、外気処理装置(50)を通って室外から室内へ供給される空気の流量と、外気処理装置(50)を通って室内から室外へ排出される空気の流量とを一致させることができる。従って、この発明によれば、空調システム(10)の加湿冷房運転中に外気処理装置(50)において除湿された室内空気の一部を空気調和装置(20)へ供給しつつ、室内への給気量と室内からの排気量とを一致させて室内の気圧を実質的に大気圧に保つことができる。
上記第3の発明では、空調システム(10)の加湿冷房運転中において、制御手段(90)が、「外気処理装置(50)において除湿された室内空気の露点温度」が「空気調和装置(20)の冷媒回路(30)における冷媒の蒸発温度」よりも低くなるように外気処理装置(50)の運転を制御する。また、上記第4の発明では、空調システム(10)の加湿冷房運転中において、制御手段(90)が、冷媒回路(30)における冷媒の蒸発温度が外気処理装置(50)よって除湿された室内空気の露点温度よりも高くなるように空気調和装置(20)の運転を制御する。このため、これら第3及び第4の各発明によれば、空調システム(10)の加湿冷房運転中に冷房運転を行う空気調和装置(20)において、外気処理装置(50)から供給された室内空気を冷却する際に室内空気中の水分が凝縮するのを防ぐことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態の空調システム(10)は、空気調和装置である空調機(20)と、外気処理装置である外気処理機(50)とを備えている。また、この空調システム(10)では、空調機(20)に設けられた空調側コントローラ(91)と、外気処理機(50)に設けられた調湿側コントローラ(92a,92b)とが、制御手段である制御システム(90)を構成している。
〈空調機の構成〉
空調システム(10)を構成する空調機(20)は、一台の室外ユニット(21)と、四台の室内ユニット(22a,22b,22c,22d)とを備えている。この空調機(20)では、室外ユニット(21)と各室内ユニット(22a〜22d)を配管で接続することによって、第1冷媒回路である空調用冷媒回路(30)が形成されている。なお、室外ユニット(21)及び室内ユニット(22a〜22d)の台数は、単なる例示である。
室外ユニット(21)には、室外回路(40)と室外ファン(23)とが収容されている。室外回路(40)には、空調用圧縮機(41)と、アキュームレータ(42)と、四方切換弁(43)と、室外熱交換器(44)と、室外膨張弁(45)と、レシーバ(46)と、液側閉鎖弁(47)と、ガス側閉鎖弁(48)とが設けられている。
室外回路(40)において、空調用圧縮機(41)は、その吐出側が四方切換弁(43)の第1のポートに接続され、その吸入側がアキュームレータ(42)を介して四方切換弁(43)の第2のポートに接続されている。四方切換弁(43)の第3のポートは、室外熱交換器(44)のガス側端に接続されている。室外熱交換器(44)の液側端は、室外膨張弁(45)の一端に接続されている。室外膨張弁(45)の他端は、レシーバ(46)を介して液側閉鎖弁(47)に接続されている。四方切換弁(43)の第4のポートは、ガス側閉鎖弁(48)に接続されている。
室外回路(40)には、高圧センサ(26)と低圧センサ(27)とが設けられている。高圧センサ(26)は、空調用圧縮機(41)の吐出側と四方切換弁(43)を繋ぐ配管に接続され、空調用圧縮機(41)から吐出された高圧冷媒の圧力を計測する。低圧センサ(27)は、アキュームレータ(42)と四方切換弁(43)を繋ぐ配管に接続され、空調用圧縮機(41)へ吸入される低圧冷媒の圧力を計測する。
空調用圧縮機(41)は、いわゆる全密閉型の圧縮機である。空調用圧縮機(41)の電動機には、図外のインバータを介して電力が供給される。インバータから電動機へ供給される交流の周波数(即ち、空調用圧縮機(41)の運転周波数)を変化させると、電動機の回転速度が変化し、その結果、空調用圧縮機(41)の運転容量が変化する。
室外熱交換器(44)は、室外ファン(23)によって供給された室外空気を冷媒と熱交換させるフィン・アンド・チューブ型の熱交換器である。四方切換弁(43)は、第1のポートが第3のポートに連通し且つ第2のポートが第4のポートに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートに連通し且つ第2のポートが第3のポートに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。
各室内ユニット(22a〜22d)には、室内回路(35a,35b,35c,35d)が一つずつ収容されている。また、各室内ユニット(22a〜22d)には、室内ファン(24a,24b,24c,24d)と、室内温度センサ(25a,25b,25c,25d)とが一つずつ設けられている。
各室内回路(35a〜35d)には、室内熱交換器(36a,36b,36c,36d)と、室内膨張弁(37a,37b,37c,37d)とが一つずつ設けられている。室内熱交換器(36a〜36d)は、室内ファン(24a〜24d)によって供給された室内空気を冷媒と熱交換させるフィン・アンド・チューブ型の熱交換器である。
各室内回路(35a〜35d)において、室内熱交換器(36a〜36d)は、その一端が室内回路(35a〜35d)のガス側端に接続され、その他端が室内膨張弁(37a〜37d)を介して室内回路(35a〜35d)の液側端に接続されている。各室内回路(35a〜35d)は、それぞれの液側端が液側連絡配管(31)を介して室外回路(40)の液側閉鎖弁(47)に接続され、それぞれのガス側端がガス側連絡配管(32)を介して室外回路(40)のガス側閉鎖弁(48)に接続されている。
図示しないが、各室内ユニット(22a〜22d)には、空気の吸込口と吹出口が形成されている。各室内ユニット(22a〜22d)は、それぞれに形成された吸込口及び吹出口の全てが同一の室内空間に連通するように設置されている。つまり、各室内ユニット(22a〜22d)は、同一の室内空間から室内空気を吸い込み、室内熱交換器(36a〜36d)を通過した室内空気を同一の室内空間へ吹き出す。
〈外気処理機の構成〉
空調システム(10)を構成する外気処理機(50)は、一台の圧縮機ユニット(51)と、二台の調湿ユニット(52a,52b)とを備えている。この外気処理機(50)では、圧縮機ユニット(51)と各調湿ユニット(52a,52b)を配管で接続することによって、第2冷媒回路である調湿用冷媒回路(60)が形成されている。なお、圧縮機ユニット(51)及び調湿ユニットの台数は、単なる例示である。
圧縮機ユニット(51)には、圧縮機側回路(70)が収容されている。圧縮機側回路(70)には、調湿用圧縮機(71)と、アキュームレータ(72)と、高圧側閉鎖弁(73)と、低圧側閉鎖弁(74)とが設けられている。圧縮機側回路(70)において、調湿用圧縮機(71)は、その吐出側が高圧側閉鎖弁(73)に接続され、この吸入側がアキュームレータ(72)を介して低圧側閉鎖弁(74)に接続されている。
調湿用圧縮機(71)は、いわゆる全密閉型の圧縮機である。調湿用圧縮機(71)の電動機には、図外のインバータを介して電力が供給される。インバータから電動機へ供給される交流の周波数(即ち、調湿用圧縮機(71)の運転周波数)を変化させると、電動機の回転速度が変化し、その結果、調湿用圧縮機(71)の運転容量が変化する。
図2にも示すように、各調湿ユニット(52a,52b)には、調湿用回路(80a,80b)が一つずつ収容されている。各調湿用回路(80a,80b)には、四方切換弁(83a,83b)と、第1吸着熱交換器(81a,81b)と、第2吸着熱交換器(82a,82b)と、調湿用膨張弁(84a,84b)とが一つずつ設けられている。
各調湿用回路(80a,80b)において、四方切換弁(83a,83b)は、その第1のポートが調湿用回路(80a,80b)の高圧側端に接続され、その第2のポートが調湿用回路(80a,80b)の低圧側端に接続されている。また、各調湿用回路(80a,80b)では、四方切換弁(83a,83b)の第3のポートから第4のポートに向かって順に、第1吸着熱交換器(81a,81b)と、調湿用膨張弁(84a,84b)と、第2吸着熱交換器(82a,82b)とが配置されている。各調湿用回路(80a,80b)は、それぞれの高圧側端が高圧側連絡配管(61)を介して圧縮機側回路(70)の高圧側閉鎖弁(73)に接続され、それぞれの低圧側端が低圧側連絡配管(62)を介して圧縮機側回路(70)の低圧側閉鎖弁(74)に接続されている。
第1吸着熱交換器(81a,81b)と第2吸着熱交換器(82a,82b)は、何れもフィン・アンド・チューブ型の熱交換器の表面にゼオライト等の吸着剤を担持させたものである。これら吸着熱交換器(81a,82a,81b,82b)では、その表面に担持された吸着剤が冷媒によって加熱され又は冷却され、そこを通過する空気が吸着剤と接触する。各四方切換弁(83a,83b)は、第1のポートが第3のポートに連通し且つ第2のポートが第4のポートに連通する第1状態(図2(A)に示す状態)と、第1のポートが第4のポートに連通し且つ第2のポートが第3のポートに連通する第2状態(図2(B)に示す状態)とに切り換わる。
各調湿ユニット(52a,52b)には、給気ファン(53a,53b)と排気ファン(54a,54b)とが収容されている。また、各調湿ユニット(52a,52b)には、空気通路が形成されている。各調湿ユニット(52a,52b)では、図外のダンパを開閉することによって、空気の流通経路が切り換え可能となっている。そして、各調湿ユニット(52a,52b)は、室内空気と室外空気を吸い込むと共に、吸着熱交換器(81a,82a,81b,82b)を通過した室内空気を室外へ排出し、吸着熱交換器(81a,82a,81b,82b)を通過した室外空気を室内へ供給するように構成されている。
具体的に、各調湿ユニット(52a,52b)では、吸着熱交換器(81a,82a,81b,82b)の上流側における空気の流通経路が、室内空気が第1吸着熱交換器(81a,81b)へ送られて室外空気が第2吸着熱交換器(82a,82b)へ送られる状態(図2(A)に示す状態)と、室内空気が第2吸着熱交換器(82a,82b)へ送られて室外空気が第1吸着熱交換器(81a,81b)へ送られる状態(図2(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。また、各調湿ユニット(52a,52b)では、吸着熱交換器(81a,82a,81b,82b)の下流側における空気の流通経路が、第1吸着熱交換器(81a,81b)を通過した空気が排気ファン(54a,54b)へ送られて第2吸着熱交換器(82a,82b)を通過した空気が給気ファン(53a,53b)へ送られる状態(図2(A)に示す状態)と、第1吸着熱交換器(81a,81b)を通過した空気が給気ファン(53a,53b)へ送られて第2吸着熱交換器(82a,82b)を通過した空気が排気ファン(54a,54b)へ送られる状態(図2(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
各調湿ユニット(52a,52b)には、室内温度センサ(55a,55b)と、室内湿度センサ(56a,56b)と、室外温度センサ(57a,57b)と、室外湿度センサ(58a,58b)とが設けられている。これらのセンサ(53a,54,…,53b,54b,…)は、空気の流通経路における吸着熱交換器(81a,82a,81b,82b)の上流側に設置されている。室内温度センサ(55a,55b)は、調湿ユニット(52a,52b)へ吸い込まれた室内空気の温度を計測する。室内湿度センサ(56a,56b)は、調湿ユニット(52a,52b)へ吸い込まれた室内空気の相対湿度を計測する。室外温度センサ(57a,57b)は、調湿ユニット(52a,52b)へ吸い込まれた室外空気の温度を計測する。室外湿度センサ(58a,58b)は、調湿ユニット(52a,52b)へ吸い込まれた室外空気の相対湿度を計測する。
図示しないが、各調湿ユニット(52a,52b)には、室内空気の吸込口及び吹出口と、室外空気の吸込口及び吹出口とが形成されている。各調湿ユニット(52a,52b)は、それぞれに形成された室内空気の吸込口及び吹出口の全てが同一の室内空間に連通するように設置されている。つまり、各調湿ユニット(52a,52b)は、同一の室内空間から室内空気を吸い込んで室外へ排出し、取り込んだ室外空気を同一の室内空間へ供給する。
また、各調湿ユニット(52a,52b)に形成された室内空気の吸込口及び吹出口が連通する室内空間は、空調機(20)の各室内ユニット(22a〜22d)の吸込口及び吹出口が連通する室内空間と同一の空間である。つまり、本実施形態の空調システム(10)では、各調湿ユニット(52a,52b)に形成された室内空気の吸込口及び吹出口と、各室内ユニット(22a〜22d)に形成された吸込口及び吹出口とは、何れも共通の室内空間に連通している。
〈制御システムの構成〉
上述したように、空調システム(10)の制御システム(90)は、空調側コントローラ(91)と調湿側コントローラ(92a,92b)とによって構成されている。
空調側コントローラ(91)は、空調機(20)の室外ユニット(21)に収容されている。空調側コントローラ(91)には、低圧センサ(27)や高圧センサ(26)の計測値が入力される。空調側コントローラ(91)は、空調機(20)の運転動作を制御するように構成されている。つまり、空調側コントローラ(91)は、空調用圧縮機(41)の運転制御などを行う。
調湿側コントローラ(92a,92b)は、外気処理機(50)の調湿ユニット(52a,52b)に一つずつ収容されている。第1の調湿ユニット(52a)に設けられた調湿側コントローラ(92a)には、第1の調湿ユニット(52a)に設けられた室内温度センサ(55a)、室内湿度センサ(56a)、室外温度センサ(57a)、及び室外湿度センサ(58a)の計測値が入力される。この調湿側コントローラ(92a)は、第1の調湿ユニット(52a)の運転動作を制御するように構成されている。第2の調湿ユニット(52b)に設けられた調湿側コントローラ(92b)には、第2の調湿ユニット(52b)に設けられた室内温度センサ(55b)、室内湿度センサ(56b)、室外温度センサ(57b)、及び室外湿度センサ(58b)の計測値が入力される。この調湿側コントローラ(92b)は、第2の調湿ユニット(52b)の運転動作を制御するように構成されている。
本実施形態の制御システム(90)は、空調機(20)が冷房運転を行って外気処理機(50)が加湿運転を行う空調システム(10)の加湿冷房運転中において、空調機(20)の室内ユニット(22a〜22d)においてドレン水が生成しないように空調用圧縮機(41)や調湿用圧縮機(71)の容量を調節する動作を行う。この制御システム(90)の制御動作について、その詳細は後述する。
〈空調システムの設置状態〉
ビル等の建物における空調システム(10)の設置状態について説明する。本実施形態の空調システム(10)では、外気処理機(50)の調湿ユニット(52a,52b)や空調機(20)の室内ユニット(22a〜22d)に、各種のダクト(11,12a,12b,…)が接続されている。また、この空調システム(10)には、切換ダンパユニット(18)が設けられている。
図4に示すように、空調機(20)の室内ユニット(22a〜22d)と外気処理機(50)の調湿ユニット(52a,52b)は、建物の躯体(101)と天井パネル(102)に囲まれた天井裏空間(103)に設置されている。なお、図4には、第1の室内ユニット(22a)と第1の調湿ユニット(52a)だけが図示されている。また、図4では図示を省略するが、空調機(20)の室外ユニット(21)と外気処理機(50)の圧縮機ユニット(51)は、建物の屋上などの屋外に設置されている。
外気処理機(50)の調湿ユニット(52a,52b)には、外気ダクト(11)と、第1内気ダクト(12a)と、給気ダクト(13)と、接続ダクト(14)とが接続されている。外気ダクト(11)は、調湿ユニット(52a,52b)へ室外空気を供給するためのダクトであって、その入口端が屋外に開口している。第1内気ダクト(12a)は、調湿ユニット(52a,52b)へ室内空気を供給するためのダクトであって、その入口端が室内空間に開口している。給気ダクト(13)は、調湿ユニット(52a,52b)を通過した室外空気を室内空間へ供給するためのダクトであって、その出口端が室内空間に開口している。接続ダクト(14)は、調湿ユニット(52a,52b)を通過した室内空気が流れるダクトであって、その出口端が切換ダンパユニット(18)に接続されている。切換ダンパユニット(18)については、後述する。
空調機(20)の室内ユニット(22a〜22d)には、吸込ダクト(16)と、吹出ダクト(17)とが接続されている。吸込ダクト(16)は、切換ダンパユニット(18)を通過した空気を室内ユニット(22a〜22d)へ供給するためのダクトであって、その入口端が切換ダンパユニット(18)に接続されている。吹出ダクト(17)は、室内ユニット(22a〜22d)を通過した空気を室内空間へ供給するためのダクトであって、その出口端が室内空間に開口している。
また、空調システム(10)には、排気ダクト(15)と、第2内気ダクト(12b)とが設けれている。排気ダクト(15)は、その入口端が切換ダンパユニット(18)に接続され、その出口端が屋外に開口している。第2内気ダクト(12b)は、その入口端が室内空間に開口し、その出口端が切換ダンパユニット(18)に接続されている。
上述したように、切換ダンパユニット(18)には、接続ダクト(14)の出口端と、吸込ダクト(16)の入口端と、排気ダクト(15)の入口端と、第2内気ダクト(12b)の出口端とが接続されている。この切換ダンパユニット(18)は、接続ダクト(14)を排気ダクト(15)と吸込ダクト(16)の両方に連通させて第2内気ダクト(12b)の出口端を閉塞する加湿冷房用状態(図4に示す状態)と、接続ダクト(14)を排気ダクト(15)だけに連通させ且つ吸込ダクト(16)を第2内気ダクト(12b)だけに連通させる通常状態(図5に示す状態)とに切り換わるように構成されている。
−運転動作−
空調システム(10)の運転動作について説明する。本実施形態の空調システム(10)において、空調機(20)では冷房運転と暖房運転が切り換え可能となり、外気処理機(50)では除湿運転と加湿運転が切り換え可能となっている。この空調システム(10)では、空調機(20)の冷房運転中に外気処理機(50)が除湿運転を行う場合もあれば加湿運転を行う場合も有り得る。また、この空調システム(10)では、空調機(20)の暖房運転中に外気処理機(50)が除湿運転を行う場合もあれば加湿運転を行う場合も有り得る。
〈空調機の運転動作〉
上述したように、空調機(20)では、冷房運転と暖房運転とが切り換え可能となっている。冷房運転中と暖房運転中の何れにおいても、空調機(20)の空調用冷媒回路(30)では、冷媒を循環させることによって蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
空調機(20)の冷房運転について説明する。冷房運転中の空調用冷媒回路(30)では、四方切換弁(43)が第1状態(図1に実線で示す状態)に設定され、室外膨張弁(45)が全開状態に設定され、各室内膨張弁(37a〜37d)の開度が適宜調節される。また、冷房運転中の空調用冷媒回路(30)では、室外熱交換器(44)が凝縮器として動作し、各室内熱交換器(36a〜36d)が蒸発器として動作する。
冷房運転中の空調用冷媒回路(30)における冷媒の流れを具体的に説明する。空調用圧縮機(41)から吐出された高圧冷媒は、四方切換弁(43)を通過後に室外熱交換器(44)へ流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(44)から流出した冷媒は、室外膨張弁(45)とレシーバ(46)を通過後に液側連絡配管(31)へ流入し、各室内回路(35a〜35d)へ分配される。各室内回路(35a〜35d)へ流入した冷媒は、室内膨張弁(37a〜37d)を通過する際に減圧されて低圧冷媒となり、その後に室内熱交換器(36a〜36d)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。各室内回路(35a〜35d)において室内熱交換器(36a〜36d)から流出した冷媒は、ガス側連絡配管(32)へ流入して合流した後に室外回路(40)へ流入し、四方切換弁(43)を通過後に空調用圧縮機(41)へ吸入されて圧縮される。
上述したように、冷房運転中には、各室内熱交換器(36a〜36d)が蒸発器として動作する。各室内ユニット(22a〜22d)は、吸い込んだ室内空気を室内熱交換器(36a〜36d)において冷却した後に室内へ送り返す。
空調機(20)の暖房運転について説明する。暖房運転中の空調用冷媒回路(30)では、四方切換弁(43)が第2状態(図1に破線で示す状態)に設定され、室外膨張弁(45)及び各室内膨張弁(37a〜37d)の開度が適宜調節される。また、暖房運転中の空調用冷媒回路(30)では、各室内熱交換器(36a〜36d)が凝縮器として動作し、室外熱交換器(44)が蒸発器として動作する。
暖房運転中の空調用冷媒回路(30)における冷媒の流れを具体的に説明する。空調用圧縮機(41)から吐出された冷媒は、四方切換弁(43)を通過後にガス側連絡配管(32)へ流入し、各室内回路(35a〜35d)へ分配される。各室内回路(35a〜35d)へ流入した冷媒は、室内熱交換器(36a〜36d)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。各室内回路(35a〜35d)において室内熱交換器(36a〜36d)から流出した冷媒は、室内膨張弁(37a〜37d)を通過後に液側連絡配管(31)へ流入して合流してから室外回路(40)へ流入する。室外回路(40)へ流入した冷媒は、レシーバ(46)を通過後に室外膨張弁(45)へ流入し、室外膨張弁(45)を通過する際に減圧されて低圧冷媒となる。室外膨張弁(45)を通過した冷媒は、室外熱交換器(44)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(44)から流出した冷媒は、四方切換弁(43)を通過後に空調用圧縮機(41)へ吸入されて圧縮される。
上述したように、暖房運転中には、各室内熱交換器(36a〜36d)が凝縮器として動作する。各室内ユニット(22a〜22d)は、吸い込んだ室内空気を室内熱交換器(36a〜36d)において加熱した後に室内へ送り返す。
〈外気処理機の運転動作〉
上述したように、外気処理機(50)では、除湿運転と加湿運転とが切り換え可能となっている。除湿運転中と加湿運転中の何れにおいても、外気処理機(50)の調湿用冷媒回路(60)では、冷媒を循環させることによって蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
外気処理機(50)の除湿運転について、図2を参照しながら説明する。除湿運転中において、各調湿ユニット(52a,52b)は、第1動作と第2動作を交互に所定の時間毎(例えば3分間毎)に切り換えて行う。なお、各調湿ユニット(52a,52b)における第1動作と第2動作の相互切り換えのタイミングは、互いに同期している必要はない。
図2(A)に示すように、第1動作中の調湿ユニット(52a,52b)では、四方切換弁(83a,83b)が第1状態に設定され、調湿用膨張弁(84a,84b)の開度が適宜調節される。そして、第1動作中の調湿用回路(80a,80b)では、第1吸着熱交換器(81a,81b)が凝縮器として動作し、第2吸着熱交換器(82a,82b)が蒸発器として動作する。第1吸着熱交換器(81a,81b)では、その表面に担持された吸着剤が冷媒によって加熱される。第2吸着熱交換器(82a,82b)では、その表面に担持された吸着剤が冷媒によって冷却される。
第1動作中の調湿用回路(80a,80b)における冷媒の流れを具体的に説明する。調湿用回路(80a,80b)の高圧側端には、調湿用圧縮機(71)から吐出された高圧冷媒が高圧側連絡配管(61)を通じて供給される。調湿用回路(80a,80b)へ流入した高圧冷媒は、四方切換弁(83a,83b)を通過後に第1吸着熱交換器(81a,81b)へ流入して凝縮する。第1吸着熱交換器(81a,81b)から流出した冷媒は、調湿用膨張弁(84a,84b)を通過する際に減圧されて低圧冷媒となり、その後に第2吸着熱交換器(82a,82b)へ流入して蒸発する。第2吸着熱交換器(82a,82b)から流出した冷媒は、四方切換弁(83a,83b)を通過後に低圧側連絡配管(62)へ流入し、その後に調湿用圧縮機(71)へ吸入されて圧縮される。
また、図2(A)に示すように、第1動作中の調湿ユニット(52a,52b)では、室内空気が第1吸着熱交換器(81a,81b)へ送られ、室外空気が第2吸着熱交換器(82a,82b)へ送られる。第1吸着熱交換器(81a,81b)では、加熱された吸着剤から脱離した水分が室内空気に付与される。第1吸着熱交換器(81a,81b)を通過する際に加湿された室内空気は、排気ファン(54a,54b)に吸い込まれ、その後に室外へ排出される。一方、第2吸着熱交換器(82a,82b)では、室外空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(82a,82b)を通過する際に除湿された室外空気は、給気ファン(53a,53b)に吸い込まれ、その後に室内へ供給される。
図2(B)に示すように、第2動作中の調湿ユニット(52a,52b)では、四方切換弁(83a,83b)が第2状態に設定され、調湿用膨張弁(84a,84b)の開度が適宜調節される。そして、第2動作中の調湿用回路(80a,80b)では、第2吸着熱交換器(82a,82b)が凝縮器として動作し、第1吸着熱交換器(81a,81b)が蒸発器として動作する。第2吸着熱交換器(82a,82b)では、その表面に担持された吸着剤が冷媒によって加熱される。第1吸着熱交換器(81a,81b)では、その表面に担持された吸着剤が冷媒によって冷却される。
第2動作中の調湿用回路(80a,80b)における冷媒の流れを具体的に説明する。調湿用回路(80a,80b)の高圧側端には、調湿用圧縮機(71)から吐出された高圧冷媒が高圧側連絡配管(61)を通じて供給される。調湿用回路(80a,80b)へ流入した高圧冷媒は、四方切換弁(83a,83b)を通過後に第2吸着熱交換器(82a,82b)へ流入して凝縮する。第2吸着熱交換器(82a,82b)から流出した冷媒は、調湿用膨張弁(84a,84b)を通過する際に減圧されて低圧冷媒となり、その後に第1吸着熱交換器(81a,81b)へ流入して蒸発する。第1吸着熱交換器(81a,81b)から流出した冷媒は、四方切換弁(83a,83b)を通過後に低圧側連絡配管(62)へ流入し、その後に調湿用圧縮機(71)へ吸入されて圧縮される。
また、図2(B)に示すように、第2動作中の調湿ユニット(52a,52b)では、室内空気が第2吸着熱交換器(82a,82b)へ送られ、室外空気が第1吸着熱交換器(81a,81b)へ送られる。第2吸着熱交換器(82a,82b)では、加熱された吸着剤から脱離した水分が室内空気に付与される。第2吸着熱交換器(82a,82b)を通過する際に加湿された室内空気は、排気ファン(54a,54b)に吸い込まれ、その後に室外へ排出される。一方、第1吸着熱交換器(81a,81b)では、室外空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(81a,81b)を通過する際に除湿された室外空気は、給気ファン(53a,53b)に吸い込まれ、その後に室内へ供給される。
外気処理機(50)の加湿運転について、図3を参照しながら説明する。加湿運転中において、各調湿ユニット(52a,52b)は、第1動作と第2動作を交互に所定の時間毎(例えば3分間毎)に切り換えて行う。なお、各調湿ユニット(52a,52b)における第1動作と第2動作の相互切り換えのタイミングは、互いに同期している必要はない。
図3(A)に示すように、第1動作中の調湿ユニット(52a,52b)では、四方切換弁(83a,83b)が第1状態に設定され、調湿用膨張弁(84a,84b)の開度が適宜調節される。そして、第1動作中の調湿用回路(80a,80b)では、第1吸着熱交換器(81a,81b)が凝縮器として動作し、第2吸着熱交換器(82a,82b)が蒸発器として動作する。第1吸着熱交換器(81a,81b)では、その表面に担持された吸着剤が冷媒によって加熱される。第2吸着熱交換器(82a,82b)では、その表面に担持された吸着剤が冷媒によって冷却される。第1動作中の調湿用回路(80a,80b)における冷媒の流れは、除湿運転の第1動作中の調湿用回路(80a,80b)における冷媒の流れと同じである。
また、図3(A)に示すように、第1動作中の調湿ユニット(52a,52b)では、室外空気が第1吸着熱交換器(81a,81b)へ送られ、室内空気が第2吸着熱交換器(82a,82b)へ送られる。第1吸着熱交換器(81a,81b)では、加熱された吸着剤から脱離した水分が室外空気に付与される。第1吸着熱交換器(81a,81b)を通過する際に加湿された室外空気は、給気ファン(53a,53b)に吸い込まれ、その後に室内へ供給される。一方、第2吸着熱交換器(82a,82b)では、室内空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(82a,82b)を通過する際に除湿された室内空気は、排気ファン(54a,54b)に吸い込まれ、その後に室外へ排出される。
図3(B)に示すように、第2動作中の調湿ユニット(52a,52b)では、四方切換弁(83a,83b)が第2状態に設定され、調湿用膨張弁(84a,84b)の開度が適宜調節される。そして、第2動作中の調湿用回路(80a,80b)では、第2吸着熱交換器(82a,82b)が凝縮器として動作し、第1吸着熱交換器(81a,81b)が蒸発器として動作する。第2吸着熱交換器(82a,82b)では、その表面に担持された吸着剤が冷媒によって加熱される。第1吸着熱交換器(81a,81b)では、その表面に担持された吸着剤が冷媒によって冷却される。第2動作中の調湿用回路(80a,80b)における冷媒の流れは、除湿運転の第2動作中の調湿用回路(80a,80b)における冷媒の流れと同じである。
また、図3(B)に示すように、第2動作中の調湿ユニット(52a,52b)では、室外空気が第2吸着熱交換器(82a,82b)へ送られ、室内空気が第1吸着熱交換器(81a,81b)へ送られる。第2吸着熱交換器(82a,82b)では、加熱された吸着剤から脱離した水分が室外空気に付与される。第2吸着熱交換器(82a,82b)を通過する際に加湿された室外空気は、給気ファン(53a,53b)に吸い込まれ、その後に室内へ供給される。一方、第1吸着熱交換器(81a,81b)では、室内空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(81a,81b)を通過する際に除湿された室内空気は、排気ファン(54a,54b)に吸い込まれ、その後に室外へ排出される。
〈空調システム全体の運転動作〉
上述したように、本実施形態の空調システム(10)において、外気処理機(50)では除湿運転と加湿運転が切り換え可能となり、空調機(20)では冷房運転と暖房運転が切り換え可能となっている。そして、この空調システム(10)では、外気処理機(50)が除湿運転を行い且つ空調機(20)が冷房運転を行う除湿冷房運転と、外気処理機(50)が加湿運転を行い且つ空調機(20)が冷房運転を行う加湿冷房運転と、外気処理機(50)が除湿運転を行い且つ空調機(20)が暖房運転を行う除湿暖房運転と、外気処理機(50)が加湿運転を行い且つ空調機(20)が暖房運転を行う加湿暖房運転とが実行可能となっている。
空調システム(10)が加湿冷房運転を行う場合は、図4に示すように、切換ダンパユニット(18)が加湿冷房用状態に設定される。加湿冷房用状態に設定された切換ダンパユニット(18)では、接続ダクト(14)が排気ダクト(15)と吸込ダクト(16)の両方に連通し、且つ第2内気ダクト(12b)の出口端が閉塞される。
この状態において、調湿ユニット(52a,52b)は、外気ダクト(11)から吸い込んだ室外空気を凝縮器として動作している吸着熱交換器(81a,81b,…)へ供給し、この吸着熱交換器(81a,81b,…)を通過する際に加湿された室外空気を給気ダクト(13)へ送り出す。また、調湿ユニット(52a,52b)は、第1内気ダクト(12a)から吸い込んだ室内空気を蒸発器として動作している吸着熱交換器(81a,81b,…)へ供給し、この吸着熱交換器(81a,81b,…)を通過する際に除湿された室内空気を接続ダクト(14)へ送り出す。接続ダクト(14)から切換ダンパユニット(18)へ流入した除湿後の室内空気は、その一部が排気ダクト(15)を通って屋外へ排出され、残りが吸込ダクト(16)を通って室内ユニット(22a〜22d)へ供給される。室内ユニット(22a〜22d)は、吸込ダクト(16)から吸い込んだ除湿後の室内空気を蒸発器として動作している室内熱交換器(36a〜36d)へ供給し、この室内熱交換器(36a〜36d)を通過する際に冷却された室内空気を吹出ダクト(17)へ送り出す。
このように、加湿冷房運転中の空調システム(10)において、調湿ユニット(52a,52b)は、加湿した室外空気を室内へ供給する一方、室内ユニット(22a〜22d)は、調湿ユニット(52a,52b)において予め除湿された室内空気を冷却してから室内へ送り返す。そして、冷房運転中の室内ユニット(22a〜22d)では、調湿ユニット(52a,52b)で除湿されて露点温度の低下した室内空気が蒸発器として動作する室内熱交換器(36a〜36d)へ供給されるため、室内空間から吸い込んだ室内空気がそのまま室内熱交換器(36a〜36d)へ供給される場合に比べ、室内熱交換器(36a〜36d)において生成するドレン水の量が減少する。
空調システム(10)の加湿冷房運転中において、各調湿ユニット(52a,52b)では、給気ファン(53a,53b)及び排気ファン(54a,54b)の回転速度を調節することによって、第1内気ダクト(12a)から調湿ユニット(52a,52b)へ吸い込まれる室内空気の流量が、外気ダクト(11)から調湿ユニット(52a,52b)へ吸い込まれる室外空気の流量よりも大きな値に設定される。更に、空調システム(10)の加湿冷房運転中において、切換ダンパユニット(18)では、排気ダクト(15)へ流入する空気の流量が外気ダクト(11)から調湿ユニット(52a,52b)へ吸い込まれる室外空気の流量と等しくなるように、排気ダクト(15)と吸込ダクト(16)への空気の分配割合が設定される。
このように、加湿冷房運転中の空調システム(10)では、第1内気ダクト(12a)から接続ダクト(14)へ向かって調湿ユニット(52a,52b)を通過する室内空気の流量Qraが、外気ダクト(11)から給気ダクト(13)へ向かって調湿ユニット(52a,52b)を通過する室外空気の流量Qoaよりも大きな値に設定される(Qra>Qoa)。また、加湿冷房運転中の空調システム(10)では、接続ダクト(14)から切換ダンパユニット(18)へ流入する室内空気のうち排気ダクト(15)を通って屋外へ排出されるものの流量Qeaが、外気ダクト(11)と調湿ユニット(52a,52b)と給気ダクト(13)を順に通って室内へ供給される室外空気の流量Qoaと同じ値に設定される(Qea=Qoa)。そして、吸込ダクト(16)から室内ユニット(22a〜22d)へ供給される室内空気の流量Qacは、接続ダクト(14)から切換ダンパユニット(18)へ流入する室内空気の流量Qraから排気ダクト(15)へ流入する室内空気の流量Qeaを差し引いた値となる(Qac=Qra−Qea)。
空調システム(10)が加湿冷房運転以外の運転を行う場合は、図5に示すように、切換ダンパユニット(18)が通常状態に設定される。通常状態に設定された切換ダンパユニット(18)では、接続ダクト(14)が排気ダクト(15)だけに連通し、且つ吸込ダクト(16)が第2内気ダクト(12b)だけに連通する。
この状態において、調湿ユニット(52a,52b)は、外気ダクト(11)から吸い込んだ室外空気を吸着熱交換器(81a,81b,…)へ供給し、吸着熱交換器(81a,81b,…)を通過した室外空気を給気ダクト(13)へ送り出す。また、調湿ユニット(52a,52b)は、第1内気ダクト(12a)から吸い込んだ室内空気を吸着熱交換器(81a,81b,…)へ供給し、吸着熱交換器(81a,81b,…)を通過した室内空気を接続ダクト(14)へ送り出す。調湿ユニット(52a,52b)から接続ダクト(14)へ送り出された室内空気は、その全量が切換ダンパユニット(18)を通過後に排気ダクト(15)へ流入して屋外へ排出される。更に、各調湿ユニット(52a,52b)では、給気ファン(53a,53b)及び排気ファン(54a,54b)の回転速度を調節することによって、第1内気ダクト(12a)から調湿ユニット(52a,52b)へ吸い込まれる室内空気の流量Qraが、外気ダクト(11)から調湿ユニット(52a,52b)へ吸い込まれる室外空気の流量Qoaと同じ値に設定される。
一方、この状態において、室内ユニット(22a〜22d)は、第2内気ダクト(12b)と切換ダンパユニット(18)と吸込ダクト(16)を順に通過した室内空気を吸い込んで室内熱交換器(36a〜36d)へ供給し、室内熱交換器(36a〜36d)を通過した空気を吹出ダクト(17)へ送り出す。
〈制御システムの動作〉
空調側コントローラ(91)と調湿側コントローラ(92a,92b)とによって構成された制御システム(90)の動作について説明する。
空調側コントローラ(91)は、空調用冷媒回路(30)に設けられた四方切換弁(43)や室外膨張弁(45)に対する制御動作や、室外ファン(23)等に対する制御動作を行う。各調湿ユニット(52a,52b)に設けられた調湿側コントローラ(92a,92b)は、調湿用回路(80a,80b)に設けられた四方切換弁(83a,83b)や調湿用膨張弁(84a,84b)に対する制御動作を行う。
また、上述したように、制御システム(90)は、空調機(20)が冷房運転を行って外気処理機(50)が加湿運転を行う空調システム(10)の加湿冷房運転中において、所定の制御動作を行う。以下では、空調システム(10)の加湿冷房運転中に制御システム(90)が行う制御動作について説明する。
空調システム(10)の加湿冷房運転中において、制御システム(90)は、第1制御動作と第2制御動作の何れか一方を選択して実行する。
具体的に、制御システム(90)は、“調湿ユニット(52a,52b)から室内ユニット(22a〜22d)へ送られる空気の露点温度が室内熱交換器(36a〜36d)における冷媒の蒸発温度よりも低くなるように、調湿用圧縮機(71)の運転周波数を調節する動作”を、第1制御動作として行う。“第1動作中に調湿用圧縮機(71)の運転周波数を最大に設定しても、調湿ユニット(52a,52b)から室内ユニット(22a〜22d)へ送られる空気の露点温度が、室内熱交換器(36a〜36d)における冷媒の蒸発温度を下回らない場合”は、制御システム(90)が第1制御動作を停止して第2制御動作を開始する。
制御システム(90)は、“室内熱交換器(36a〜36d)における冷媒の蒸発温度が、調湿ユニット(52a,52b)から室内ユニット(22a〜22d)へ送られる空気の露点温度よりも高くなるように、空調用圧縮機(41)の運転周波数を調節する動作”を、第2制御動作として行う。この第2制御動作中において、制御システム(90)は、調湿用圧縮機(71)の運転周波数を最大に保持する。
=== 第1制御動作 ===
制御システム(90)が行う第1制御動作について、詳細に説明する。第1制御動作は、“第1〜第4サブ動作を順に行う動作を一連の制御動作とし、この一連の制御動作を所定の時間が経過する毎(例えば、12分毎)に繰り返し行う動作”である。なお、制御システム(90)において、第1〜第4サブ動作から成る制御動作の時間間隔は、各調湿ユニット(52a,52b)における第1動作と第2動作の切り換え時間間隔よりも長い値に設定されている。以下では、第1制御動作中に制御システム(90)が行う第1〜第4サブ動作のそれぞれについて、詳細に説明する。
第1サブ動作では、第1調湿ユニット(52a)に設けられた調湿側コントローラ(92a)が、第1調湿ユニット(52a)に設けられた室内温度センサ(55a)、室内湿度センサ(56a)、室外温度センサ(57a)、及び室外湿度センサ(58a)の計測値と、空調用冷媒回路(30)に設けられた低圧センサ(27)の計測値とを取得する。
第2サブ動作では、調湿側コントローラ(92a)が次のような動作を行う。つまり、第2サブ動作中において、調湿側コントローラ(92a)は、第1サブ動作において取得した室内温度センサ(55a)、室内湿度センサ(56a)、室外温度センサ(57a)、及び室外湿度センサ(58a)の計測値に基づいて、第1調湿ユニット(52a)から接続ダクト(14)へ吹き出される空気(即ち、除湿後の室内空気)の露点温度Tdpを算出する。
具体的に、調湿側コントローラ(92a)は、室内空気の温度および相対湿度と室外空気の温度および相対湿度とで決まる複数の運転条件のそれぞれにおいて第1調湿ユニット(52a)が発揮する除湿能力を、能力特性データとして予め記憶している。第2サブ動作中の調湿側コントローラ(92a)は、予め記憶する能力特性データと、室内温度センサ(55a)、室内湿度センサ(56a)、室外温度センサ(57a)、及び室外湿度センサ(58a)の計測値とを用いて、第1調湿ユニット(52a)において除湿された室内空気の状態(例えば、その温度と絶対湿度)を推定する。そして、調湿側コントローラ(92a)は、推定した除湿後の室内空気の状態に基づき、その室内空気の露点温度Tdpを算出する。
第3サブ動作では、調湿側コントローラ(92a)が次のような動作を行う。つまり、第3サブ動作中において、調湿側コントローラ(92a)は、「第1調湿ユニット(52a)から接続ダクト(14)へ吹き出される空気(即ち、除湿後の室内空気)の露点温度Tdp」を「室内熱交換器(36a〜36d)における冷媒の蒸発温度Te」よりも低くするために第1調湿ユニット(52a)が発揮すべき除湿能力を算出する。
具体的に、調湿側コントローラ(92a)は、低圧センサ(27)の計測値における冷媒の飽和温度を算出し、この算出値を室内熱交換器(36a〜36d)における冷媒の蒸発温度Teとする。そして、調湿側コントローラ(92a)は、「第1調湿ユニット(52a)において除湿された室内空気の露点温度Tdp」を「室内熱交換器(36a〜36d)における冷媒の蒸発温度Te」よりも低くするために第1調湿ユニット(52a)が発揮すべき除湿能力(目標能力)を、予め記憶する能力特性データに基づいて算出する。
第4サブ動作では、調湿側コントローラ(92a)が次のような動作を行う。つまり、第4サブ動作中において、調湿側コントローラ(92a)は、第3サブ動作で算出した目標能力を第1調湿ユニット(52a)が発揮するときの調湿用圧縮機(71)の運転周波数を算出し、その算出した値を目標運転周波数に設定する。そして、調湿側コントローラ(92a)は、インバータから調湿用圧縮機(71)へ供給される交流の周波数が目標運転周波数となるように、インバータに対して出力周波数を指令する。
=== 第2制御動作 ===
制御システム(90)が行う第2制御動作について、詳細に説明する。第2制御動作は、“第5〜第8サブ動作を順に行う動作を一連の制御動作とし、この一連の制御動作を所定の時間が経過する毎(例えば、12分毎)に繰り返し行う動作”である。なお、制御システム(90)において、第5〜第8サブ動作から成る制御動作の時間間隔は、各調湿ユニット(52a,52b)における第1動作と第2動作の切り換え時間間隔よりも長い値に設定されている。以下では、第2制御動作中に制御システム(90)が行う第5〜第8サブ動作のそれぞれについて、詳細に説明する。
第5サブ動作では、第1調湿ユニット(52a)に設けられた調湿側コントローラ(92a)が、第1調湿ユニット(52a)に設けられた室内温度センサ(55a)、室内湿度センサ(56a)、室外温度センサ(57a)、及び室外湿度センサ(58a)の計測値を取得する。
第6サブ動作は、第1制御動作を構成する第2サブ動作と同じである。つまり、第6サブ動作において、調湿側コントローラ(92a)は、第5サブ動作において取得した室内温度センサ(55a)、室内湿度センサ(56a)、室外温度センサ(57a)、及び室外湿度センサ(58a)の計測値に基づいて、第1調湿ユニット(52a)から接続ダクト(14)へ吹き出される空気(即ち、除湿後の室内空気)の露点温度Tdpを算出する。
第7サブ動作では、調湿側コントローラ(92a)が次のような動作を行う。つまり、第7サブ動作中において、調湿側コントローラ(92a)は、「室内熱交換器(36a〜36d)における冷媒の蒸発温度の目標値Te_set」を、「第6サブ動作において算出した除湿後の室内空気の露点温度Tdp」よりも高い値に設定する(Te_set>Tdp)。そして、調湿側コントローラ(92a)は、設定した「冷媒の蒸発温度の目標値Te_set」を、空調側コントローラ(91)へ送信する。
第8サブ動作では、空調側コントローラ(91)が次のような動作を行う。つまり、第8サブ動作中において、空調側コントローラ(91)は、室内熱交換器(36a〜36d)における冷媒の蒸発温度Teがその目標値Te_setとなるように、空調用圧縮機(41)の運転周波数を調節する。
具体的に、空調側コントローラ(91)は、低圧センサ(27)の計測値を取得し、低圧センサ(27)の計測値における冷媒の飽和温度を算出し、この算出値を室内熱交換器(36a〜36d)における冷媒の蒸発温度Teとする。そして、空調側コントローラ(91)は、算出した冷媒の蒸発温度Teがその目標値Te_setとなるように、空調用圧縮機(41)の運転周波数(即ち、インバータから空調用圧縮機(41)へ供給される交流の周波数)を調節する。
−実施形態の効果−
本実施形態の空調システム(10)では、その加湿冷房運転中において、調湿ユニット(52a,52b)において除湿された室内空気の一部が室内ユニット(22a〜22d)へ送られ、調湿ユニット(52a,52b)から供給された除湿後の空気を室内ユニット(22a〜22d)が冷却して室内へ供給する。このため、本実施形態の空調システム(10)では、その加湿冷房運転中において、室内ユニット(22a〜22d)の室内熱交換器(36a〜36d)において空気を冷却する際に生成する凝縮水の量を、室内空間に存在する空気をそのまま室内熱交換器(36a〜36d)へ供給する場合に比べて削減できる。また、加湿運転中の調湿ユニット(52a,52b)において、吸着熱交換器(81a,81b,…)の吸着剤に吸着された室内空気中の水分は、室外空気に付与されて室内へ送り返される。
このように、加湿冷房運転中の空調システム(10)では、冷房運転中の室内ユニット(22a〜22d)において室内空気からドレン水として取り除かれる水分の量が減少すると共に、加湿運転中の調湿ユニット(52a,52b)において室内空気から取り除かれた水分が室外空気と共に室内へ送り返される。従って、本実施形態によれば、空調システム(10)の加湿冷房運転中において、冷房運転中の室内ユニット(22a〜22d)において室内空気から取り除かれる水分の量を削減することができ、室内空間に存在する空気の湿度を充分に上昇させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、空調システム(10)の加湿冷房運転中において、調湿ユニット(52a,52b)において除湿された室内空気の一部を室内ユニット(22a〜22d)へ供給しつつ、調湿ユニット(52a,52b)から給気ダクト(13)を通って室内へ供給される室外空気の流量と、調湿ユニット(52a,52b)から排気ダクト(15)を通って室外へ排出される室内空気の流量とを一致させることができる。従って、本実施形態によれば、空調システム(10)の加湿冷房運転中に調湿ユニット(52a,52b)において除湿された室内空気の一部を室内ユニット(22a〜22d)へ供給しつつ、室内への給気量と室内からの排気量とを一致させて室内の気圧を実質的に大気圧に保つことができる。
また、本実施形態の制御システム(90)は、空調システム(10)の加湿冷房運転中において、室内熱交換器(36a〜36d)でドレン水が生じないように調湿用圧縮機(71)の運転周波数を調節する第1制御動作と、室内熱交換器(36a〜36d)でドレン水が生じないように空調用圧縮機(41)の運転周波数を調節する第2制御動作との何れか一方を選択して実行する。その結果、空調システム(10)の加湿冷房運転中には、室内熱交換器(36a〜36d)における冷媒の蒸発温度Teが、調湿ユニット(52a,52b)から室内ユニット(22a〜22d)へ送られる空気の露点温度Tdpよりも高い値に保たれる。従って、本実施形態によれば、空調システム(10)の加湿冷房運転中に冷房運転を行う室内ユニット(22a〜22d)において、調湿ユニット(52a,52b)から供給された室内空気を冷却する際に室内空気中の水分が凝縮するのを防ぐことができる。
−実施形態の変形例1−
本実施形態の制御システム(90)は、空調システム(10)の加湿冷房運転中において、「室内熱交換器(36a〜36d)でドレン水が生じないように調湿用圧縮機(71)の運転周波数を調節する第1制御動作」と「室内熱交換器(36a〜36d)でドレン水が生じないように空調用圧縮機(41)の運転周波数を調節する第2制御動作」の何れか一方だけを実行するように構成されていてもよい。なお、制御システム(90)が第2制御動作だけを行う場合において、調湿用圧縮機(71)の運転周波数は、第2制御動作中においても運転状態に応じて調節される。
−実施形態の変形例2−
本実施形態の空調システム(10)には、調湿ユニット(52a,52b)から接続ダクト(14)へ吹き出される空気の温度と相対湿度を計測するためのセンサが更に設けられていてもよい。
空調システム(10)の加湿冷房運転中において、この追加されたセンサは、調湿ユニット(52a,52b)において除湿された室内空気の温度と相対湿度を計測する。このセンサにおいて得られた計測値は、調湿側コントローラ(92a)へ入力され、第1制御動作の第2サブ動作と、第2制御動作の第6サブ動作とにおいて用いられる。
上述したように、第2サブ動作と第6サブ動作は全く同じ動作である。第2サブ動作および第6サブ動作において、調湿側コントローラ(92a)は、この追加されたセンサの計測値(即ち、調湿ユニット(52a,52b)において除湿された室内空気の温度および相対湿度の実測値)を用いて、調湿ユニット(52a,52b)から接続ダクト(14)へ吹き出される空気の露点温度Tdpを算出する。
−実施形態の変形例3−
図6に示すように、上記の実施形態では、各調湿ユニット(52a,52b)に調湿用圧縮機(71a,71b)が一台ずつ搭載されていてもよい。図6に示す空調システム(10)では、外気処理機(50)が二台の調湿ユニット(52a,52b)だけによって構成される。各調湿ユニット(52b)の調湿用回路(80a,80b)において、調湿用圧縮機(71a,71b)は、その吐出側が四方切換弁(83a,83b)の第1のポートに接続され、その吸入側がアキュームレータ(72a,72b)を介して四方切換弁(83a,83b)の第2のポートに接続される。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷房運転を行う空調機と加湿運転を行う外気処理機とを備えた空調システムについて有用である。
実施形態の空調システムの概略構成を示す冷媒回路図である。 除湿運転中の状態を示す調湿ユニットの概略構成図であって、(A)は第1動作中の状態を示すものであり、(B)は第2動作中の状態を示すものである。 加湿運転中の状態を示す調湿ユニットの概略構成図であって、(A)は第1動作中の状態を示すものであり、(B)は第2動作中の状態を示すものである。 実施形態の空調システムの建物における設置状態と、加湿暖房運転を実行中の空調システムの状態を示す概略構成図である。 実施形態の空調システムの建物における設置状態と、加湿暖房運転以外の運転を実行中の空調システムの状態を示す概略構成図である。 実施形態の変形例3の空調システムの概略構成を示す冷媒回路図である。
符号の説明
10 空調システム
20 空調機(空気調和装置)
30 空調用冷媒回路(冷媒回路)
50 外気処理機(外気処理装置)
90 制御システム(制御手段)

Claims (4)

  1. 取り込んだ室内空気を冷却してから室内へ供給する冷房運転を少なくとも行う空気調和装置(20)と、
    吸着剤と接触させることによって除湿した室内空気を室外へ排出し、且つ室内空気中の水分を吸着した吸着剤から脱離させた水分を付与することによって加湿した室外空気を室内へ供給する加湿運転を少なくとも行う外気処理装置(50)とを備える空調システムであって、
    上記空気調和装置(20)が冷房運転を行っていて且つ上記外気処理装置(50)が加湿運転を行っている加湿冷房運転中には、上記外気処理装置(50)において除湿された室内空気の一部が上記空気調和装置(20)へ供給されて残りが室外へ排出されると共に、上記空気調和装置(20)が上記外気処理装置(50)から供給された室内空気を冷却してから室内へ供給するように構成されている
    ことを特徴とする空調システム。
  2. 請求項1において、
    加湿冷房運転中には、上記外気処理装置(50)を通過後に室外へ排出される室内空気の流量が上記外気処理装置(50)を通過する室外空気の流量と等しくなり、且つ上記外気処理装置(50)を通過する室内空気の流量が上記外気処理装置(50)を通過する室外空気の流量よりも多くなっている
    ことを特徴とする空調システム。
  3. 請求項1又は2において、
    上記空気調和装置(20)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(30)を備え、冷房運転中には室内空気を該冷媒回路(30)の冷媒と熱交換させることによって冷却するように構成される一方、
    加湿冷房運転中に、上記外気処理装置(50)において除湿された室内空気の露点温度が上記空気調和装置(20)の冷媒回路(30)における冷媒の蒸発温度よりも低くなるように、上記外気処理装置(50)の運転を制御する制御手段(90)を備えている
    ことを特徴とする空調システム。
  4. 請求項1又は2において、
    上記空気調和装置(20)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(30)を備え、冷房運転中には室内空気を該冷媒回路(30)の冷媒と熱交換させることによって冷却するように構成される一方、
    加湿冷房運転中に、上記空気調和装置(20)の冷媒回路(30)における冷媒の蒸発温度が上記外気処理装置(50)において除湿された室内空気の露点温度よりも高くなるように、上記空気調和装置(20)の運転を制御する制御手段(90)を備えている
    ことを特徴とする空調システム。
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