JP2010084061A - ハードコート膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フルオレン骨格を有するポリ(メタ)アクリレートと、カーボンコイルとで構成された樹脂組成物でハードコート膜を形成する。前記カーボンコイルは、カーボンナノコイルで構成されていてもよい。前記カーボンコイルは、コイルの平均外直径3〜1000nm、平均断面直径0.3〜200nm、ピッチの平均長さ1〜300nm、及びコイルの平均長さ800nm〜2cmを有するカーボンナノコイルで構成されていてもよい。カーボンコイル全体に対するカーボンナノコイルの割合は、40重量%以上であってもよい。前記カーボンコイルの割合は、ポリ(メタ)アクリレート100重量部に対して、0.1〜15重量部程度であってもよい。前記樹脂組成物は、さらに光重合開始剤を含んでいてもよい。
【選択図】図1
Description
(フルオレン骨格を有するポリ(メタ)アクリレート)
ポリ(メタ)アクリレートは、フルオレン骨格を有するポリ(メタ)アクリレートである限りその構造は特に制限されず、フルオレン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどであってもよいが、通常、下記式(1)で表される(ポリ)メタアクリレートであってもよい。
上記式(1)において、環Zで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環などの単環式芳香族炭化水素環;縮合二環式芳香族炭化水素環(例えば、インデン環、ナフタレン環などのC8−20縮合二環式芳香族炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式芳香族炭化水素環)、縮合三環式芳香族炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環など)などの縮合多環式芳香族炭化水素環(縮合二乃至四環式芳香族炭化水素環など)などが挙げられる。好ましい芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。なお、フルオレンの9位に置換する2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。
上記式(2)で表される化合物としては、前記式(1)で表される化合物に対応する化合物、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ポリヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類、これらに対応し、mが0である化合物[例えば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス(ポリヒドロキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類など]などの前記式(2)において環Zがベンゼン環又はナフタレン環である化合物などが挙げられる。
カーボンコイルは、螺旋状(又はコイル状)構造を有するカーボン(カーボン繊維)であり、詳細には、炭素原子が螺旋状に巻回成長したカーボンである。本発明では、このようなカーボンコイルを使用することにより、マトリックスに対する分散性を著しく向上できるためか、高いハードコート性(又は表面硬度)をハードコート膜に付与できる。さらに、ハードコート性と帯電防止性とを両立することができる。
ハードコート膜の厚みは、用途に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、0.01μm〜10mm(例えば、0.05μm〜5mm)、好ましくは0.05μm〜1mm(例えば、0.1〜500μm)、さらに好ましくは0.5〜300μm(例えば、1〜100μm)、特に1.5〜50μm(例えば、2〜30μm)程度であってもよく、通常1〜20μm(例えば、3〜15μm)程度であってもよい。特に、本発明では、ハードコート膜が比較的小さい厚み[例えば、厚み7μm以下(例えば、0.5〜6μm)、好ましくは5μm以下(例えば、0.7〜4μm)、さらに好ましくは1〜3μm程度]であっても、高いハードコート性を有している。
本発明のハードコート膜は、前記ポリ(メタ)アクリレートと前記カーボンコイルと(必要により他の成分(溶媒など)と)で構成された樹脂組成物(ハードコート用樹脂組成物)を基板に塗布し、硬化処理して製造できる。
JIS K5600−5−4に準拠して、ハードコート膜の鉛筆硬度(加重250g)を測定した。
表面抵抗測定器(三菱化学(株)製、ハイレスタ)を用いて、ハードコート膜の表面抵抗を測定した。
特開2001−1992204号公報(特許第3491747号公報)の実施例に準じて、カーボンナノコイル(CNC)を調製し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。得られたカーボンナノコイルは、平均長さ20μm、平均繊維長152nm、平均コイル径441nm、平均コイルピッチ564nmであった。
フルオレン骨格を有するアクリル樹脂として、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート)(BPEFA 大阪ガスケミカル(株)製)100重量部を重量比で50重量%含むジグライム溶液、及び合成例1で調製したカーボンナノコイル(CNC)1重量部をガラス容器に添加し、超音波攪拌を5分行った。さらに攪拌用のジルコニアビーズ10g入れてボールミルで5時間撹拌した。攪拌後光重合開始剤としてベンゾフェノン(ナカライテスク(株)製)4重量部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)1重量部、N,N−ジメチルアニリン(ナカライテスク(株)製)3重量部をそれぞれ加えて樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をガラス基板上にバーコートし、60℃で10分間乾燥させた。その後、高圧水銀灯(光源:HL−1000DL、定格:1kW、試料位置:光源から約20cm、波長365nmにおけるピーク照度:約50mW/cm2)を用いて3分間光照射してハードコート膜を得た。
CNCの添加量を1重量部に代えて、3重量部とする以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
フルオレン骨格を有するアクリル樹脂として、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート)(BPEFA 大阪ガスケミカル(株)製)100重量部を重量比で50重量%含むジグライム溶液、及びカーボンブラック(三菱化学(株)製、3400B)0.5重量部をガラス容器に添加し、超音波攪拌を5分行った。さらに攪拌用のジルコニアビーズ10g入れてボールミルで5時間撹拌した。攪拌後光重合開始剤としてベンゾフェノン(ナカライテスク(株)製)4重量部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)0.5重量部、N,N−ジメチルアニリン(ナカライテスク(株)製)3重量部をそれぞれ加えて樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をガラス基板上にバーコートし、60℃で10分間乾燥させた。その後、高圧水銀灯を用いて光照射して、ハードコート膜を得た。
カーボンブラックの添加量を0.5重量部に代えて、1重量部とする以外は比較例1と同様にしてハードコート膜を得た。
カーボンブラックの添加量を0.5重量部に代えて、3重量部とする以外は比較例1と同様にしてハードコート膜を得た。
Claims (9)
- フルオレン骨格を有するポリ(メタ)アクリレートと、カーボンコイルとで構成された樹脂組成物で形成されたハードコート膜。
- カーボンコイルが、カーボンナノコイルで構成されている請求項1記載のハードコート膜。
- カーボンコイルが、コイルの平均外直径3〜1000nm、平均断面直径0.3〜200nm、ピッチの平均長さ1〜300nm、及びコイルの平均長さ800nm〜2cmを有するカーボンナノコイルで構成されている請求項1又は2記載のハードコート膜。
- カーボンコイル全体に対するカーボンナノコイルの割合が、40重量%以上である請求項2又は3に記載のハードコート膜。
- カーボンコイルの割合が、ポリ(メタ)アクリレート100重量部に対して、0.1〜15重量部である請求項1〜4のいずれかに記載のハードコート膜。
- 樹脂組成物が、さらに光重合開始剤を含む請求項1〜5のいずれかの項に記載のハードコート膜。
- JIS K5600−5−4に準拠して測定した鉛筆硬度が3H以上である請求項1〜6のいずれかに記載のハードコート膜。
- フルオレン骨格を有するポリ(メタ)アクリレートと、カーボンコイルとで構成された樹脂組成物を基板に塗布し、硬化処理する請求項1〜7のいずれかに記載のハードコート膜の製造方法。
- フルオレン骨格を有するポリ(メタ)アクリレートと、カーボンコイルとで構成されたハードコート用樹脂組成物。
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CN113948685A (zh) * | 2021-09-09 | 2022-01-18 | 广州理文科技有限公司 | 一种锂离子电池硅基复合负极材料及其制备方法 |
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