JP2010083865A - 油性化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明感があり、光沢、経時安定性、及び化粧効果の持続性が極めて優れた油性化粧料の提供。
【解決手段】次の成分(A)〜(C):(A)一般式(1)で表されるフッ素ポリエーテル共変性シリコーン
Figure 2010083865

(但し、R2はフッ素置換アルキル基であり、R3はポリオキシアルキレン基である。)(B)ジペンタエリスリトールと特定な分岐型イソステアリン酸とをエステル化して得られる液状エステル組成物(C)シリル化処理無水ケイ酸及び/又は特定の一般式で表されるアミノ酸誘導体を含有することを特徴とする油性化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は口唇化粧料等の油性化粧料に関するものであり、更に詳しくは、製剤の透明性、経時安定性に優れ、かつ、塗布時の光沢、及び化粧効果の持続性に優れた油性化粧料に関する。
従来、口唇化粧料等の油性化粧料の化粧効果持続性を高めるために種々の検討が行われている。その中で、揮発性シリコーンや揮発性炭化水素油等の揮発性油分と、シリコーン系樹脂等の樹脂を配合し、揮発性油の揮発後に形成される樹脂皮膜によって化粧効果を持続させる方法が幅広く採用されている。しかしこの方法では、揮発性油による唇の乾燥感や化粧塗膜の光沢の消失、樹脂皮膜による唇の違和感等を避けることが困難で、結果として口唇化粧料として総合的に満足できる品質を得ることはできていない。
そこで、本発明者等はフッ素ポリエーテル共変性シリコーン(以下、FPDと略す)を利用することを提案した(特許文献1参照)。しかしながら、FPDの利用によって化粧効果の持続性は高められたものの、口唇化粧料を塗布した際の光沢を高いレベルで実現するために最も汎用される水添ポリイソブテン等の高粘度炭化水素油とFPDの相溶性が極めて悪いために、高粘度炭化水素油をほとんど配合することができず、結果として化粧効果の中で光沢に関しては十分満足できるレベルには達していなかった。
そこで、本発明者等は水添ポリイソブテンの代わりとしてジペンタエリスリトールに、下記一般式(2)で示される分岐型イソステアリン酸をエステル化して得られる液状エステル組成物を含有する口唇化粧料を提案した(特許文献2参照)。
Figure 2010083865
(式中、R6及びR7は炭素数7の分岐の炭化水素基を示し、同じであっても異なっていても良い。)
一方、通常口唇化粧料等の油性化粧料には、オイルを増粘させるために、油性ゲル化剤であるパルミチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン、及びジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト等の有機変性粘土鉱物の他、ワックス等が使用されることが多い。しかしながら、これらを前記FPD及びジペンタエリスリトールの分岐型イソステアリン酸エステルと合わせて使用すると製剤の透明性が損なわれ、光沢も十分なものが得られず、また脂肪酸デキストリンはFPD等のシリコーン油に対するゲル化能が低く、安定性を保つことも困難であった。
特開平7−233026号公報 特開2006−45102号公報
本発明の課題は、製剤の透明性及び経時安定性に優れ、且つ、塗布時の光沢及び化粧効果の持続性に優れた油性化粧料を提供することにある。
本発明者は、油性化粧料について検討したところ、意外にも、上記FPD及び液状エステル組成物に、特定の油性ゲル化剤を含有せしめることにより、製剤の透明性及び経時安定性に優れ、且つ、塗布時の光沢及び化粧効果の持続性に優れた油性化粧料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C)を含有する油性化粧料に係るものである。
(A)一般式(1)で表されるフッ素ポリエーテル共変性シリコーン
Figure 2010083865
(但し、l、m及びnは整数であって、l=0〜500、m=1〜500、n=0〜500であり、R1は同種又は異種の非置換若しくは置換の炭素数1〜20のアルキル基又は非置換若しくは置換の炭素数6〜20のアリール基であり、R2は炭素数1〜10のフッ素置換アルキル基であり、R3は−Cp2pO(C24O)a(C36O)b5で示されるポリオキシアルキレン基であり、R4はそれぞれ独立してR1、R2又はR3のいずれかであり、R5は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はアセチル基であり、a、b及びpは整数であって、a=0〜100、b=0〜100、a+bは1以上であり、p=2〜6である。ただし、n=0のとき、R4の少なくとも1個はR3である。)
(B)ジペンタエリスリトールと、次の一般式(2)で示される分岐型イソステアリン酸とをエステル化して得られる液状エステル組成物
Figure 2010083865
(式中、R6及びR7は炭素数3〜10の分岐の炭化水素基を示し、同じであっても異なっていても良い。)
(C)シリル化処理無水ケイ酸及び/又は一般式(3)で表されるアミノ酸誘導体
Figure 2010083865
(式中、R8及びR9は炭素数1〜26の炭化水素基を示し、同じであっても異なっていてもよい。また、R10は炭素数5〜17の炭化水素基を示し、xは1又は2である。)
本発明により、透明感があり、光沢、経時安定性、及び化粧効果の持続性に優れた油性化粧料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(A)はFPDである。本発明においては、一般式(1)で表されるFPDを2種以上含有せしめてもよい。
成分(A)において、R1〜R5基には次のものがある。
1基は、非置換若しくは置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は非置換若しくは置換の炭素数6〜20のアリール基である。
1基において「炭素数1〜20のアルキル基」としては、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基が挙げられる。
また、上記炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、R1基において「炭素数6〜20のアリール基」としては、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、具体的には、例えば、フェニル基、トリル基等のアリール基が挙げられる。
1基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
2基としては、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のフッ素置換アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のフッ素置換アルキル基がより好ましい。好適な具体例としては、例えば、トリフルオロプロピル基、ナノフルオロヘキシル基、ヘプタデカフルオロデシル基等が挙げられ、より好ましくはトリフルオロプロピル基である。
3基において、pは2〜6であるが、2〜5が好ましい。
3基においてaは、0〜100であるが、0〜50が好ましく、1〜20がより好ましい。また、bは、0〜100であるが、0〜50が好ましく、0がより好ましい。
5基において「炭素数1〜5のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が挙げられる。
また、R5基としては、水素原子が特に好ましい。
また、式(1)中、R4としては、R1又はR3のいずれかであるのが好ましい。好適な具体例としては、前記R1及びR3と同様である。
また、式(1)中、l=0〜500であるが、0〜250が好ましく、0〜100がより好ましい。また、m=1〜500であるが、1〜250が好ましく、1〜100がより好ましい。
また、n=0〜500であるが、0〜250が好ましく、0〜50がより好ましい。但し、n=1〜500であってもよい。
また、R3基の具体例としては、エチレンオキサイドを有するものとして、例えば、−C36O(C24O)5H、−C36O(C24O)10H、−C36O(C24O)20H、−C36O(C24O)50H、−C36O(C24O)100H、−C36O(C24O)5CH3、−C36O(C24O)1025、−C36O(C24O)2037、−C36O(C24O)5049、−C36O(C24O)100511、−CH2CH(CH3)CH2O(C24O)3H、−CH2CH2CH(CH3)O(C24O)10CH3、−CH2CH2C(CH32O(C24O)2049等が挙げられる。
また、プロピレンオキサイドを有するものとして、例えば、−C36O(C36O)5H、−C36O(C36O)10H、−C36O(C36O)20H、−C36O(C36O)50H、−C36O(C36O)100H、−C36O(C36O)5CH3、−C36O(C36O)1025、−C36O(C36O)2037、−C36O(C36O)5049、−C36O(C36O)100511、−CH2CH(CH3)CH2O(C36O)3H、−CH2CH2CH(CH3)O(C36O)10CH3、−CH2CH2C(CH32O(C36O)2049等が挙げられる。
さらに、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体としては、例えば、−C36O(C24O)5(C36O)5H、−C36O(C24O)20(C36O)20H、−C36O(C24O)10(C36O)20CH3、−C36O(C24O)20(C36O)10CH3、−CH2CH(CH3)CH2O(C24O)50(C36O)2049、−CH2CH2CH(CH3)O(C24O)10(C36O)100H、−CH2CH2C(CH32O(C24O)100(C36O)10CH3等が挙げられる。ここでエチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位はブロック共重合でもランダム共重合でもかまわない。
本発明に用いられる成分(A)FPDの配合量は、発現する効果の程度と化粧料の安定性の観点から、油性化粧料の総量を基準として0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは1〜30質量%であり、更に好ましくは3〜25質量%である。配合量が当該範囲内であれば、化粧効果の持続性と経時安定性が特に優れたものとなる。
本発明に用いられる成分(B)は、ジペンタエリスリトールと、次の一般式(2)で示される分岐型イソステアリン酸とを公知の方法でエステル化することによって得られる液状エステル組成物である。
Figure 2010083865
(式中、R6及びR7は炭素数3〜10の分岐の炭化水素基を示し、同じであっても異なっていても良い。)
本発明において、「液状エステル組成物」とは、液体のエステルをいい、上記製造方法により得られるエステルを1又は2種以上含有していてもよいことをいう。
上記R6及びR7としては、炭素数3〜7、特に炭素数7の分岐の炭化水素基が好ましい。
また、R6及びR7において「炭化水素基」としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられ、アルキル基が好ましい。
本発明に用いられる成分(B)は、本発明の効果を発現させるためにも特に25℃における粘度が10万〜200万mPa・s、水酸基価が10〜160、曇り点が5℃未満である液状エステル組成物が好ましく、例えば、ジペンタエリスリトールと2−(1,3,3−トリメチル)ブチル−5,7,7−トリメチルオクタン酸(多分岐イソステアリン酸)とを、10:35〜10:90の質量比で仕込み、エステル化反応させた後、吸着処理、濾過、蒸留等により未反応の原料等、低分子分を除去することにより得ることができる。
本発明に用いられる成分(B)の配合量は、発現する効果の程度とのび等の使用感の観点から、油性化粧料総量を基準として1〜90質量%が好ましく、より好ましくは3〜85質量%、更に好ましくは5〜80質量%である。配合量が当該範囲内であれば、塗布時の光沢とのび等の感触が特に優れたものとなる。
本発明に用いられる成分(C)は、シリル化処理無水ケイ酸及び一般式(3)で表されるアミノ酸誘導体から選択される油性ゲル化剤の1種又は2種以上である。
シリル化処理無水ケイ酸は、無水ケイ酸表面のシラノール基(水酸基)がジメチルシリル化、又はトリメチルシリル化されたものであり、日本アエロジル社製のAEROSIL R972、R972V、R974、R812、R812S等が挙げられる。
Figure 2010083865
(式中、R8及びR9は炭素数1〜26の炭化水素基を示し、同じであっても異なっていてもよい。また、R10は炭素数5〜17の炭化水素基を示し、xは1又は2である。)
また一般式(3)で表されるアミノ酸誘導体において、R8及びR9は、それぞれ独立に炭素数1〜26の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基であり、R10は炭素数5〜17の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基であり、xは1又は2である。
また、R8及びR9としては、炭素数3〜5の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基が好ましい。
また、R8及びR9において「炭化水素基」としては、前記R6及びR7と同様のものが挙げられ、アルキル基が好ましい。当該アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が好ましい。
また、R10としては、炭素数7〜11の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基が好ましい。
また、R10において「炭化水素基」としては、前記と同様のものが挙げられ、アルキル基が好ましい。当該アルキル基の具体例としては、例えば、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、エチルペンチル基等が挙げられ、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、エチルペンチル基が好ましい。
また、xとしては、2が好ましい。
一般式(3)で表されるアミノ酸誘導体の好適な具体例としては、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド、ジブチルラウロイルグルタミド等を挙げることができる。
本発明に用いられる成分(C)の配合量は、発現する効果の程度とのび等の使用感の観点から油性化粧料総量を基準として0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%、0.5〜6質量%であり、更に好ましくは0.5〜5.5質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。配合量が当該範囲内であれば、経時での安定性と塗布時ののび等の感触が特に優れたものとなる。
本発明の油性化粧料には、本発明の目的を損なわない範囲で、前記の必須成分以外にパラフィン、セレシン、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、キャンデリラロウ、マイクロクリスタリンワックス等の固形油性成分、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤、(スチレン/ブタジエン)コポリマー、(スチレン/イソプレン)コポリマー、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/エチレン/スチレン)コポリマー等の増粘剤、ワセリン、オレイン酸フィトステリル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチル/ベヘニル)等のペースト油、水添ポリイソブテン、スクワラン、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル、オクチルドデカノール、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ポリヒドロキシステアリン酸オクチル、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の液状油性成分、酸化チタン、酸化鉄等の無機着色顔料、赤色202号、赤色223号、黄色4号等の有機色素及びそのレーキ化物、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料、マイカ、ナイロンパウダー、架橋型シリコーン末等の粉体成分、防腐剤、香料、植物抽出物、抗酸化剤等を配合することができる。
本発明の油性化粧料とは、油性成分を連続相とし、油中に粉体が分散している状態の化粧料を指し、1質量%以下で植物抽出物や水等を含むことができる。具体的に好適なものとしては、アイシャドウ、ファンデーション、チーク、油性ジェル等が挙げられるが、特に口紅、リップグロス、リップ下地、及びリップコート等の口唇用の油性化粧料とすると、本発明の効果が十分に発揮されるため特に好ましい。また本発明の油性化粧料は、溶解、粉体分散、混合等通常の製法に従って半製品を製造した後、充填を行い得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を詳説する。本発明において使用した方法及び評価項目は下記の通りである。
(1)経時安定性評価方法
実施例及び比較例の口唇化粧料を40℃の恒温槽に静置し、6ヶ月経過後の状態を目視にて観察し、以下の評価基準により評価した。
○:分離、白濁が認められない
△:わずかに分離、白濁が認められる
×:著しい分離、白濁が認められる
(2)使用特性評価試験方法
女性パネラー20名の唇に、実施例及び比較例の口唇化粧料を塗布してもらい、以下の項目について5点から1点までの5段階評価をしてもらった。(点数が高い方がより良い評価とした。)そして20名のつけた点数の平均をその実施例又は比較例の点数とした。
(小数点第二位を四捨五入)
・透明感
・光沢
・3時間経過時の化粧効果持続性
<調製方法>
成分1〜15を均一に溶解混合し、成分16〜18を加え混練した後、19〜22を加え均一に分散し、半製品を得る。その半製品を脱気した後容器に充填して目的の口唇化粧料を得る。
<実施例1〜3、比較例1〜4>
表1に示す組成にて常法に従い、実施例1〜3、比較例1〜4の口唇化粧料を得た。成分組成及び評価試験結果を表1に示す。尚、表中の単位は質量%である。
Figure 2010083865
尚、下記の構造式(4)、(5)のFPD、及び液状エステル組成物の製造例1、2は以下の通りである。
Figure 2010083865
Figure 2010083865
製造例1〔ジペンタエリスリトールと2−(1,3,3−トリメチル)ブチル−5,7,7−トリメチルオクタン酸とをエステル化して得られる液状エステル組成物1の製造〕
攪拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管、及び水分離管を備えた3Lの4つ口フラスコに、ジペンタエリスリトール〔商品名:ジ・ペンタリット、広栄化学工業社製〕279g(1.1モル)と2−(1,3,3−トリメチル)ブチル−5,7,7−トリメチルオクタン酸〔商品名:イソステアリン酸、日産化学工業社製〕1874g(6.6モル)を仕込んだ(原料仕込み質量比=10:67.2)。その後、ジブチルチンオキサイド(触媒)を全仕込み量の0.1質量%、キシレン(還流溶剤)を全仕込み量の5質量%加え、攪拌しながら200〜250℃で約36時間反応を行った。反応終了後、還流溶剤であるキシレンを減圧留去した。キシレンを除去した反応物を、活性白土により吸着処理し、次いで60℃程度まで冷却後ろ過し、常法にて脱臭・蒸留処理を行うことで、液状エステル組成物1を1399g得た。
液状エステル組成物1の酸価は0.3、水酸基価32、凝固点と曇り点がともに−30℃以下、25℃における粘度は、18万mPa・sであった。粘度は、ブルックフィールド型粘度計(BH型)を用い、25℃にてローターNo.6を用い、4rpmにて測定した。
製造例2〔ジペンタエリスリトールと2−(1,3,3−トリメチル)ブチル−5,7,7−トリメチルオクタン酸とをエステル化して得られる液状エステル組成物2の製造〕
攪拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管、及び水分離管を備えた3Lの4つ口フラスコに、ジペンタエリスリトール〔商品名:ジ・ペンタリット、広栄化学工業社製〕58.4g(0.23モル)と2−(1,3,3−トリメチル)ブチル−5,7,7−トリメチルオクタン酸〔商品名:イソステアリン酸、日産化学工業社製〕293.9g(1.03モル)を仕込んだ(原料仕込み質量比=10:50.3)。その後、ジブチルチンオキサイド(触媒)を全仕込み量の0.05質量%、キシレン(還流溶剤)を全仕込み量の5質量%加え、攪拌しながら200〜250℃で約21時間反応を行った。反応終了後、還流溶剤であるキシレンを減圧留去した。キシレンを除去した反応物を、活性白土により吸着処理し、次いで60℃程度まで冷却後ろ過し、常法にて脱臭・蒸留処理を行うことで、液状エステル組成物2を245g得た。
液状エステル組成物1の酸価は0.2、水酸基価は81、凝固点−16℃であり−30℃でも曇らなかった。また、25℃における粘度は、35万mPa・sであった。粘度は、ブルックフィールド型粘度計(BH型)を用い、25℃にてローターNo.6を用い、2rpmにて測定した。
表1に示すように、本発明に係る実施例1〜3の口唇化粧料は、透明感があり、光沢、経時安定性、及び化粧効果の持続性において比較例1〜4の口唇化粧料より明らかに優れたものであった。
実施例4〜6
以下の組成にて常法に従って口唇化粧料を調製し、上記評価を行ったところ、いずれの口唇化粧料も透明感があり、光沢、経時安定性、及び化粧効果の持続性において優れたものであった。
実施例4
Figure 2010083865
実施例5
Figure 2010083865
実施例6
Figure 2010083865
以上のように本発明は、透明感があり、光沢、経時安定性、及び化粧効果の持続性に関して極めて優れた油性化粧料を提供できる。

Claims (2)

  1. 次の成分(A)〜(C):
    (A)一般式(1)で表されるフッ素ポリエーテル共変性シリコーン
    Figure 2010083865
    (但し、l、m及びnは整数であって、l=0〜500、m=1〜500、n=0〜500であり、R1は同種又は異種の非置換若しくは置換の炭素数1〜20のアルキル基又は非置換若しくは置換の炭素数6〜20のアリール基であり、R2は炭素数1〜10のフッ素置換アルキル基であり、R3は−Cp2pO(C24O)a(C36O)b5で示されるポリオキシアルキレン基であり、R4はそれぞれ独立してR1、R2又はR3のいずれかであり、R5は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はアセチル基であり、a、b及びpは整数であって、a=0〜100、b=0〜100、a+bは1以上であり、p=2〜6である。ただし、n=0のとき、R4の少なくとも1個はR3である。)
    (B)ジペンタエリスリトールと、次の一般式(2)で示される分岐型イソステアリン酸とをエステル化して得られる液状エステル組成物
    Figure 2010083865
    (式中、R6及びR7は炭素数3〜10の分岐の炭化水素基を示し、同じであっても異なっていても良い。)
    (C)シリル化処理無水ケイ酸及び/又は一般式(3)で表されるアミノ酸誘導体
    Figure 2010083865
    (式中、R8及びR9は炭素数1〜26の炭化水素基を示し、同じであっても異なっていてもよい。また、R10は炭素数5〜17の炭化水素基を示し、xは1又は2である。)
    を含有することを特徴とする油性化粧料。
  2. 口唇用であることを特徴とする請求項1記載の油性化粧料。
JP2009135732A 2008-09-08 2009-06-05 油性化粧料 Expired - Fee Related JP5416488B2 (ja)

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