JPH10218734A - 口紅用組成物 - Google Patents

口紅用組成物

Info

Publication number
JPH10218734A
JPH10218734A JP4303597A JP4303597A JPH10218734A JP H10218734 A JPH10218734 A JP H10218734A JP 4303597 A JP4303597 A JP 4303597A JP 4303597 A JP4303597 A JP 4303597A JP H10218734 A JPH10218734 A JP H10218734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lipstick
composition
weight
wax
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4303597A
Other languages
English (en)
Inventor
Junko Hirayama
淳子 平山
Koji Minami
孝司 南
Saori Kajiura
砂織 梶浦
Yoshikazu Soyama
美和 曽山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP4303597A priority Critical patent/JPH10218734A/ja
Publication of JPH10218734A publication Critical patent/JPH10218734A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】さらに化粧持ちが向上し、かつ使用時のにじみ
が抑えられた、紅筆タイプの口紅に用いるペースト状の
口紅用組成物の提供。 【解決手段】以下の成分(a)〜(e)を含んでなる口
紅用組成物を提供すること: (a)ワックス及び/又はワックス状物質が組成物全体
の2.0重量%以上,30.0重量%以下; (b)上記成分(a)の固化力を低下させる親油性ゲル
化剤を組成物全体の0.01重量%以上,5.0重量%
以下; (c)二酸化ケイ素粉末を組成物全体の2.0重量%以
上,15.0重量%以下; (d)撥水性ポリマーを組成物全体の2.0重量%以
上,30.0重量%以下; (e)揮発性油分を組成物全体の10.0重量%以上。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口紅用組成物に関
する技術分野に属する発明である。より詳細には、中身
内蔵型の紅筆タイプ口紅,ボトル型の紅筆タイプ口紅及
びチューブタイプ口紅に適したペースト状の口紅用組成
物に関する技術分野に属する発明である。
【0002】
【従来の技術】口紅は、唇に塗布することで唇に多種多
様の色調や綺麗な光沢をほどこし、艶を与え,魅力を惹
き出すために使用される、メーキャップ化粧料の中で最
も化粧効果が認められるものの一つである。現在、市販
の口紅の大部分はスティック状である。このスティック
状口紅は、取扱いが手軽であり、大部分の使用者に支持
されている形態であるが、唇の弱い人に対しては時とし
て塗布時の摩擦により唇の荒れを惹起することもある。
また、使用途中でスティックが折れることがあるという
面も見逃せない点である。
【0003】さらに、このスティック状口紅の最大の欠
点は、紅をスティックの面で唇に塗るため、唇の輪郭を
描きにくいという点にある。唇の輪郭を綺麗に仕上げる
ことは唇を美しく見せるのに不可欠の要素である。その
ため、多くの女性はスティック状口紅から紅筆で紅を取
って、それを用いてメーキャップの仕上げを行ってい
る。しかしながら、この場合は口紅と紅筆とを別々に携
帯する必要があり、煩雑である。そのために、紅筆に紅
が内蔵されているタイプの口紅の開発が望まれていた。
そして、このような女性の化粧動作を勘案した紅筆タイ
プ口紅は、過去何度か市販されたことがあった。しか
し、いずれの場合にも内蔵された紅を紅筆に取るために
は,その紅を柔らかくするという過程を経なければなら
ず、スティック状口紅を直接口紅に塗った場合や,ステ
ィック状口紅を紅筆を用いて唇に塗った場合に比べ、塗
った質感が著しく異なり、油っぽく唇上で塗布物が動
き、化粧持ちが悪く、周囲の毛穴等にしみやすい(にじ
みやすい)という点は否めなかった。
【0004】これは通常のスティック状口紅は主とし
て、ワックス,油分及び粉末からなっているが、紅筆タ
イプにする場合、その配合からワックスを減量若しくは
除去しなければならなかったために生じた結果であっ
た。これらの問題を解決する手段として、特公平6−1
1684号には、ワックスと油分と粉末と親油性ゲル化
剤とを含有する口紅用組成物が開示されている。この技
術によると、油溶性又は油分散性のゲル化物を通常のス
ティック状口紅に配合することによりスティック状口紅
をペースト化するため、目標の粘度及び硬度にすること
が可能である。そして、これを中身内蔵型の紅筆タイプ
口紅容器に充填して、使用した場合、紅が良好に押し出
されるばかりでなく,容易に通常のスティック状口紅を
紅筆を用いて使用した場合と同程度の仕上りを期待する
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
市場ではより落ちにくい口紅が主流となってきており、
紅筆タイプ口紅においても、化粧持ちのさらなる向上及
び使用時のにじみを抑えること等が求められる傾向が強
い。そこで、本発明が解決すべき課題は、さらに化粧持
ちが向上し、かつ使用時のにじみが抑えられた、紅筆タ
イプの口紅に用いることができるペースト状の口紅用組
成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はこの課題を解
決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の成分(a)
〜(e): (a)ワックス及び/又はワックス状物質が組成物全体
の2.0重量%以上,30.0重量%以下; (b)上記成分(a)の固化力を低下させる親油性ゲル
化剤を組成物全体の0.01重量%以上,5.0重量%
以下; (c)二酸化ケイ素粉末を組成物全体の2.0重量%以
上,15.0重量%以下; (d)撥水性ポリマーを組成物全体の2.0重量%以
上,30.0重量%以下; (e)揮発性油分を組成物全体の10.0重量%以上。
を含んでなる口紅用組成物を提供することにより、ペー
スト状の口紅組成物でありながら化粧持ちが向上し、か
つ使用時のにじみをより一層抑えることが可能なことを
見出し本発明を完成した。
【0007】なお、本発明口紅用組成物が所期の効果を
発揮するものであるか否かを確認する最も適切な指標と
して、本発明口紅用組成物の粘度と硬度を挙げることが
できる。本発明における粘度の単位「CPS」は、30
℃におけるB型粘度計(回転数12rpm )での値を表
す。
【0008】また、硬度はスプリングバランス式カード
メーターを用い,30℃における200g 荷重時の,直
径1.5mmの針が没入する際の抵抗値を100目盛の値
で示したものであり、値の大きいほど硬いことを表す。
【0009】中味内蔵型の紅筆タイプ口紅,ボトル型の
紅筆タイプ口紅及びチューブタイプの口紅を想定した場
合、本発明口紅用組成物の粘度は70000CPS以下
であり、硬度は10以下、好ましくは7以下である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 (a)本発明口紅用組成物は、ワックス及び/又はワッ
クス状物質を含んでなる口紅用組成物である。本発明口
紅用組成物に配合し得るワックス及び/又はワックス状
物質は、特に限定されず、通常口紅用組成物に配合され
るワックス及び/又はワックス状物質を広く用いること
ができる。
【0011】例えば、カルナウバロウ,ミツロウ,キャ
ンデリラロウ,モクロウ等の天然系ワックス類;ポリエ
チレンワックス,パラフィンワックス,シリコンワック
ス,セレシン,マイクロクリスタリンワックス等の鉱物
系ワックス類等を例示できるが、これらに限定されるも
のではない。
【0012】これらのワックス及び/又はワックス類の
中で、マイクロクリスタリンワックス,セレシン又はポ
リエチレンワックスは、これらを配合した本発明口紅用
組成物は使用時のフィット感に優れるため好ましい。
【0013】本発明口紅用組成物には、これらのワック
ス及び/又はワックス状物質を単独で又は2種以上を組
み合わせて配合することができる。本発明口紅用組成物
におけるこれらのワックス及び/又はワックス状物質の
配合量は、組成物全体の2.0重量%以上,30.0重
量%以下であり、好ましくは同15.0重量%以上,2
5.0重量%以下である。組成物全体の2.0重量%未
満の配合量では、口紅用組成物使用時のフィット感に乏
しく好ましくなく、逆に同30.0重量%を超えて配合
した場合には、その使用時ののびが重くなり,フィット
感が過剰になるため好ましくない。
【0014】(b)本発明口紅用組成物は、親油性ゲル
化剤を含んでなる口紅用組成物である。この親油性ゲル
化剤は、本発明口紅用組成物中に配合する上記ワックス
及び/又はワックス状物質の固化力を低下させることを
目的で、本発明口紅用組成物中に配合され、この目的を
達成することができる限りにおいて、その種類は特に限
定されない。
【0015】例えば、金属セッケン、親油性ベントナイ
ト、アミノ酸誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、シ
ョ糖脂肪酸エステル、ソルビトールのベンジリデン誘導
体等を用いることが好ましいが、これらに限定されるも
のではない。金属セッケンとしては、水酸基の残存して
いるアルミニウムステアレートが最も好ましく、次いで
マグネシウムステアレート,ジンクミリステートが好ま
しい。
【0016】親油性ベントナイトとしては、ジメチルベ
ンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー又
はジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイト
クレーが好ましい。
【0017】アミノ酸誘導体としては、N−ラウロイル
−L−グルタミン酸又はα,γ−ジ−n−ブチルアミン
が最も好ましい。
【0018】デキストリン脂肪酸エステルとしては、デ
キストリンパルミチン酸エステル,デキストリンオレイ
ン酸エステル又はデキストリンステアリン酸エステルが
好ましい。
【0019】ショ糖脂肪酸エステルとしては、8個の水
酸基のうち3個以下が高級脂肪酸でエステル化され、高
級脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸であるものが好
ましい。
【0020】ソルビトールのベンジリデン誘導体として
は、モノベンジリデンソルビトール又はジベンジリデン
ソルビトールが良い。本発明口紅用組成物には、これら
の親油性ゲル化剤を単独で又は2種以上を組み合わせて
配合することができる。
【0021】本発明口紅用組成物におけるこれらの親油
性ゲル化剤の配合量は、ゲル化する対象である上記のワ
ックス及び/又はワックス状物質の配合量に応じて個別
具体的に増減するべきもので、特に限定されるものでは
ないが、概ね組成物全体の0.01重量%以上,5.0
重量%以下、好ましくは同0.03重量%以上,2.0
重量%以下である。組成物全体の0.01重量%未満の
配合量であると、所望するワックス及び/又はワックス
状物質の固化力低下作用が発揮されず,このワックス等
が固化した状態にあることが多くなり好ましくなく、逆
に同5.0重量%を超えて配合しても配合量の増加に見
合ってワックス及び/又はワックス状物質の軟化が進行
しないばかりでなく,この親油性ゲル化剤以外の配合成
分の配合量が相対的に減量されることになり、口紅用組
成物としての品質を維持しにくくなる傾向になり好まし
くない。なお、これらの親油性ゲル化剤は、口紅基剤に
直接溶解又は分散して配合してもよく、予め後述する液
状油分等で分散処理をしておいてもよい。
【0022】このように、これらの親油性ゲル化剤を上
記ワックス及び/又はワックス状物質と組み合わせて本
発明口紅用組成物中に配合することにより、上記ワック
ス及び/又はワックス状物質の固化力を低下させて、こ
の組成物の性状をペースト状にして、紅筆等で塗布する
のに適した粘度とすることができる。
【0023】(c)本発明口紅用組成物は、二酸化ケイ
素粉末を含んでなる口紅用組成物である。二酸化ケイ素
粉末を本発明口紅用組成物中に配合することにより、使
用の際のつやを損なうことなく、にじみを防止すること
が可能である。本発明口紅用組成物に配合可能な二酸化
ケイ素粉末としては、一般的な無水ケイ酸粉末や表面処
理を施したジメチルシリル無水ケイ酸粉末を用いること
ができる(本発明においては,これらのケイ素化合物を
共に「二酸化ケイ素粉末」という。)。
【0024】本発明口紅用組成物おける二酸化ケイ素粉
末の配合量は組成物全体の2.0重量%以上,15.0
重量%以下であることが好ましい。二酸化ケイ素粉末の
本発明口紅用組成物における配合量が組成物全体の2.
0重量%未満では、にじみを抑える効果を十分に発揮さ
せることが困難であり好ましくなく、同15.0重量%
を超えて配合すると、本発明口紅用組成物の使用時のの
びが重くなる傾向になり好ましくない。
【0025】(d) 本発明口紅用組成物は、撥水性ポ
リマーを含んでなる口紅用組成物である。本発明口紅用
組成物中に撥水性ポリマーを配合することにより、使用
の際のにじみを抑制し、化粧持ちを向上させることがで
きる。本発明口紅用組成物に配合可能な撥水性ポリマー
は、通常化粧料一般に用いられる撥水性ポリマーを広く
用いることが可能であり、例えばシリコーン樹脂、シリ
コーンゴム、フッ素変性シリコーン樹脂、アルキル変性
シリコーン樹脂等を本発明口紅用組成物中に配合するこ
とができる。
【0026】これらの撥水性ポリマーの中でも、シリコ
ーン樹脂を選択することが、本発明口紅用組成物の使用
時のにじみを特に有効に防止し得るという点において好
ましい。このシリコーン樹脂の中で、特に本発明口紅用
組成物中に配合するのに適しているシリコーン樹脂は、
下記式(I) Rn SiO(4-n)/2 (I) (式中、Rは炭素数が1〜4の炭化水素基又はフェニル
基を表し、nは1.0〜1.8までの数を示す。)で表
されるシリコーン樹脂である。
【0027】このシリコーン樹脂は、R3 SiO1/2
位、R2 SiO単位、RSiO2/3単位、SiO2 単位
のうち適当な組合せからなり、約1500以上,同20
000以下の平均分子量を有することが好ましい。
【0028】なお、Rが炭化水素基である場合には、R
としてメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,イ
ソプロピル基,イソブチル基,tert- ブチル基,sec-ブ
チル基等を例示することができるが、メチル基であるこ
とが好ましい。このシリコーン樹脂を含めて、本発明口
紅用組成物に配合される撥水性ポリマーは、通常公知の
方法で合成したものを用いることが可能であり、市販品
を配合することも勿論可能である。本発明口紅用組成物
には、これらの撥水性ポリマーを単独で又は2種以上を
組み合わせて配合することができる。
【0029】本発明口紅用組成物におけるこれらの撥水
性ポリマーの配合量は、組成物全体の2.0重量%以
上,30.0重量%以下であり、特に同5.0重量%以
上,20.0重量%以下が好ましい。
【0030】組成物全体の2.0重量%未満の配合量で
は、十分に上記のにじみ防止作用及び化粧持ちを向上さ
せる作用が発揮されず好ましくなく、同30重量%を超
えて配合すると本発明口紅用組成物ののびが重くなり,
べたつきが生じる傾向が強くなり好ましくない。
【0031】本発明口紅用組成物自体が柔らかいのにも
拘わらず、唇に塗布後の仕上がりがスティック状口紅を
用いた場合の仕上がりと同等に均一で油っぽくなく、か
つ化粧持ちが著しく向上し、使用時のにじみが著しく抑
えられるのは、本発明口紅用組成物中に上記ワックス
及び/又はワックス状物質,二酸化ケイ素粉末,並び
にこの撥水性ポリマー(特に上記シリコーン樹脂)が
配合されたことによる相乗作用によるところが大きい。
【0032】すなわち、上記撥水性ポリマーを本発明口
紅用組成物中に配合せずに,ワックス及び/又はワック
ス状物質を上記配合量の上限量(組成物全体の30.0
重量%)並びに二酸化ケイ素粉末を上記配合量の上限量
(組成物全体の15.0重量%)を配合しても,化粧持
ちがある程度以上は向上せず,にじみもある程度以上は
抑えられない傾向にある。また、上記ワックス及び/又
はワックス状物質を本発明化粧用組成物中に配合せず
に,二酸化ケイ素粉末及び上記撥水性ポリマーとを上記
配合量の上限量(組成物全体の30.0重量%)を配合
した場合には,化粧持ちが向上し,にじみも抑制される
が、使用時の口紅用組成物ののびが重くなる傾向にあ
る。
【0033】また、二酸化ケイ素を配合せずに、撥水性
ポリマー,並びにワックス及び/又はワックス状物質を
上限量配合した場合には、化粧持ちは向上するが、使用
時のにじみが目立ち,かつべたついた使用感を伴う傾向
にある。
【0034】(e) 本発明口紅用組成物は、揮発性油
分を含んでなる口紅用組成物である。この揮発性油分
は、前記撥水性ポリマーを系に相溶させることにより、
この撥水性ポリマーを配合したことによる前記の効果
(にじみ抑制及び化粧持ちの向上)を十分に発揮させる
ために本発明口紅用組成物に配合される。
【0035】本発明口紅用組成物に配合される揮発性油
分は、化粧料に一般的に配合される揮発性油分を広く用
いることが可能であり、例えばデカメチルテトラシロキ
サン,ヘキサメチルジシロキサン,ドデカメチルペンタ
シロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシク
ロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサ
ン等の環状ポリシロキサン;シェルソン〔シェル化学製
(商標名)〕,アイソパー〔エッソ化学製(商標名)〕
等の軽質流動イソパラフィン等を挙げることができる。
【0036】これらの揮発性油分の中でもオクタメチル
シクロテトラシロシサン又はデカメチルシクロペンタシ
ロキサンが安全性が高く、シリコーン樹脂との相溶性に
優れている等の理由から本発明口紅用組成物に配合する
のに好ましい揮発性油分として挙げることができる。
【0037】また、これらの揮発性油分は、各々を単独
で本発明口紅用組成物中に配合することもできるが、2
種以上を組み合わせて配合することも可能である。これ
らの揮発性油分の本発明口紅用組成物における配合量
は、組成物全体の10.0重量%以上が好ましい。組成
物全体の10.0重量%未満の配合量では、上記撥水性
ポリマーを系中で相溶させるのが困難になるため,この
撥水性ポリマーを本発明口紅用組成物中に配合したこと
による前記の効果を発揮させることが困難であり好まし
くない。なお、この揮発性油分の配合量の上限について
は特に制限はないが、組成物全体の45.0重量%を超
えて配合すると本発明口紅用組成物の使用後のつやや、
しっとりとした感触が若干低下してしまう傾向がある。
【0038】(f) 本発明口紅用組成物には、その使
用性を全体的に調製するために、通常の口紅組成物と同
様に液状油分及び/又は半固形油分、すなわち常温(0
〜30℃)で固体,体温(37℃)付近に融点がある油
分を配合する。そしてこれらの油分は、通常口紅用組成
物に配合されるものであれば特に限定されるものではな
い。
【0039】例えば、カカオ脂,ヒマシ油,ホホバ油,
マカデミアナッツ油,ラノリン,オリーブ油等の天然系
油分;ワセリン,流動パラフィン,ポリブテン等の炭化
水素系油分;高級脂肪酸,高級アルコール,高級アルコ
ールと脂肪酸の合成エステル油,ジメチルポリシロキサ
ン,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等を
例示することができるがこれらに限定されるものではな
い。これらの油分は、本発明口紅用組成物が採る具体的
な態様に応じて配合することが可能であり、単独のみな
らず2種以上の上記油分を組み合わせて用いることがで
きるのは勿論である。
【0040】(g)また、本発明口紅用組成物中に配合
し得る二酸化ケイ素粉末以外の着色顔料及び/又は白色
粉末は特に限定されず、通常口紅用組成物に配合される
着色顔料及び/又は白色粉末を広く配合することができ
る。
【0041】例えば、酸化鉄,魚鱗箔,赤色201号,
同202号,同218号,同223号,橙色201号,
カルサミン,雲母等の着色顔料;タルク,カオリン,硫
酸バリウム,炭酸カルシウム,酸化チタン,酸化チタン
コーティドマイカ,ナイロンパウダー等の白色粉末等を
挙げることができるがこれらに限定されるものではな
い。
【0042】これらの着色顔料及び/又は白色粉末は、
本発明口紅用組成物が採る具体的な態様に応じて配合す
ることが可能であり、単独のみならず2種以上の着色顔
料及び/又は白色粉末を組み合わせて用いることができ
るのは勿論である。さらに本発明口紅用組成物には、本
発明の所期の効果を損なわない限り、従来から口紅用組
成物に配合されている上記以外の慣用成分を任意に配合
することができる。
【0043】例えば、オクチルメトキシシンナメートな
どの紫外線吸収剤;ビタミンEなどの血行促進剤;水や
グリセリンなどの保湿剤等を本発明口紅用組成物中に配
合することができる。
【0044】このようにして、上記成分を配合した本発
明口紅用組成物は、従来の紅筆タイプの口紅に用いる口
紅用組成物よりもさらに化粧持ちが向上し、かつ使用時
のにじみが抑えられた口紅用組成物である。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれにより限定されるべきもので
はない。配合量は、特に示さない限り重量%で示す。
【0046】口紅用組成物の評価は、専門パネルによる
実使用テストを通じて行った。すなわち、口紅用組成物
を健常人(女性)パネル15人に使用させ、以下の5段
階評価を行った。 評 点 つ や の び にじみ べたつき 化粧持ち 1 な い 悪 い あ る あ る 悪 い 2 ややない やや悪い ややある ややある やや悪い 3 普 通 普 通 普 通 普 通 普 通 4 ややある やや良い ややない ややない やや良い 5 あ る 良 い な い な い 良 い
【0047】評価結果は、上記実使用テストにおける1
5名の女性パネルの平均値に基づいて、以下の記号によ
り示した。 ◎...4.5以上5.0まで ○...3.5以上4.5未満 △...2.5以上3.5未満 ×...1.5以上2.5未満 ××..1.0以上1.5未満
【0048】以下の実施例等における口紅用組成物に配
合したシリコーン樹脂は、以下のものを用いた。 ・シリコーン樹脂A:約5000〜6000の分子量を
有し、かつ(CH3 3 SiO1/2 :SiO2 単位=
0.8:1からなる平均式(CH3 1.33SiO1.34
表されるシリコーン樹脂である。
【0049】・シリコーン樹脂B:約5,000の分子
量を有し、かつ(CH3 3 SiO1/2 :SiO2 単位
=0.8:1からなる平均式(CH3 1.33SiO1.34
で表されるシリコーン樹脂である。
【0050】・シリコーン樹脂C:約10000の分子
量を有し、かつ(CH3 3 SiO1/2 :SiO2 単位
=0.7:1からなる平均式(CH3 1.24SiO1.38
で表されるシリコーン樹脂である。
【0051】・シリコーン樹脂D:約5000の分子量
を有し、かつ(CH3 3 SiO1/2 :SiO2 単位=
0.85:1からなる平均式(CH3 1.38SiO1.31
で表されるシリコーン樹脂
【0052】また、以下の実施例において、二酸化ケイ
素粉末は特に断らない限り、無水ケイ酸粉末を用いた。
【0053】〔実施例1,比較例1〜6〕下記第1表に
記載した処方の口紅用化粧料を調製し、各々上記の実使
用テストの結果を同じく第1表に示した。
【表1】
【0054】<製法>各配合成分を秤量後、釜に仕込
み、90℃〜95℃で溶解し、分散した。減圧脱気後、
所定の紅筆タイプ口紅の容器に充填、放冷し、液状口紅
を得た。
【0055】第1表に示した通り、実施例1についての
専門パネルによる結果は、各項目についていずれの項目
においても良好な結果であった。それに対して、まず比
較例1(特公平6−11684号の実施例1)を実施例
1の処方と比べてみると、特徴として揮発性油分である
デカメチルシクロペンタシロキサン、撥水性ポリマーで
あるシリコーン樹脂及び二酸化ケイ素粉末が配合されて
いない点が異なっている。この比較例1の口紅用組成物
の実使用テストの結果は、実施例1と比較すると、にじ
みの抑制効果が少なく,化粧持ちが劣っていた。
【0056】比較例2の処方は実施例1の処方から二酸
化ケイ素粉末を抜去した処方だが、にじみの抑制効果に
ついて劣り,べたつきが生じていた。比較例3の処方は
実施例1の処方から、デカメチルシクロペンタシロキサ
ンを減量(組成物全体の10.0重量%未満)した処方
だが、にじみの抑制効果に劣り,べたつきが生じ,化粧
持ちが劣っていた。デカメチルシクロペンタシロキサン
を実施例1の処方よりも増量(組成物全体の45.0重
量%超え)した比較例4は、つやに乏しかった。
【0057】比較例5の処方は、実施例1の処方からシ
リコーン樹脂を減量(組成物全体の2.0重量%未満)
した処方だが、実施例1に比べるとにじみの抑制効果が
少なく,化粧持ちに劣っていた。また、シリコーン樹脂
を実施例1の処方よりも増量(組成物全体の30.0重
量%超え)した比較例6は、のびが劣り,べたつきが生
じていた。
【0058】以下に種々の処方の本発明口紅用組成物を
実施例として示す。なお、いずれの実施例も上記の実使
用テストを実施した結果、上記の「◎」の評価であっ
た。 〔実施例2〕 重量% A相 マイクロクリスタリンワックス 5.0 ラノリン 7.0 トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン 12.0 ポリブテン 20.0 トリイソステアリン酸グリセリン 13.0 デキストリンステアリン酸エステル 0.2 デカメチルシクロペンタシロキサン 18.05 シリコーン樹脂B 6.0 二酸化ケイ素粉末 8.0 雲母チタン 5.0 二酸化チタン 0.5 赤色202号 0.1 B相 エチルアルコール 5.0 エチルパラベン 0.15 酸化防止剤 適 量 香料 適 量 ───────────────────────────────── 合計 100
【0059】〔実施例3〕 重量% A相 セレシン 5.0 マカデミアナッツ油 5.0 トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン 12.0 ポリブテン 20.0 トリイソステアリン酸グリセリン 13.0 デキストリンステアリン酸エステル 1.0 デカメチルシクロペンタシロキサン 22.25 シリコーン樹脂C 6.0 二酸化ケイ素粉末 5.0 雲母チタン 5.0 二酸化チタン 0.5 赤色202号 0.1 B相 エチルアルコール 5.0 エチルパラベン 0.15 酸化防止剤 適 量 香料 適 量 ───────────────────────────────── 合計 100
【0060】〔実施例4〕 重量% A相 ポリエチレンワックス 5.0 ラノリン 7.0 トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン 12.0 スクワラン 15.0 トリイソステアリン酸グリセリン 13.0 アルミニウムステアレート 0.1 オクタメチルシクロテトラシロキサン 19.15 シリコーン樹脂D 6.0 二酸化ケイ素粉末 12.0 雲母チタン 5.0 二酸化チタン 0.5 赤色202号 0.1 B相 エチルアルコール 5.0 エチルパラベン 0.15 酸化防止剤 適 量 香料 適 量 ───────────────────────────────── 合計 100
【0061】〔実施例5〕 重量% A相 セレシン 3.0 カルナウバロウ 1.0 ラノリン 7.0 トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン 12.0 ポリブテン 20.0 トリイソステアリン酸グリセリン 13.0 デキストリンパルミチン酸エステル 1.0 デカメチルシクロペンタシロキサン 18.25 シリコーン樹脂A 6.0 二酸化ケイ素粉末 8.0 雲母チタン 5.0 二酸化チタン 0.5 赤色202号 0.1 B相 エチルアルコール 5.0 エチルパラベン 0.15 酸化防止剤 若 干 香料 適 量 ───────────────────────────────── 合計 100
【0062】〔実施例6〕 重量% A相 マイクロクリスタリンワックス 5.0 流動パラフィン 15.0 ジメチルポリシロキサン 5.0 ラノリン 7.0 ポリブテン 15.0 トリイソステアリン酸グリセリン 8.0 デキストリンパルミチン酸エステル 0.2 デカメチルシクロペンタシロキサン 20.65 シリコーン樹脂A 6.0 二酸化ケイ素粉末 8.0 雲母チタン 5.0 B相 エチルアルコール 5.0 エチルパラベン 0.15 酸化防止剤 若 干 香料 適 量 ───────────────────────────────── 合計 100
【0063】〔実施例7〕 重量% A相 マイクロクリスタリンワックス 5.0 ジメチルポリシロキサン 5.0 トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン 10.0 ポリブテン 10.0 トリイソステアリン酸グリセリン 25.0 デキストリンパルミチン酸エステル 0.2 デカメチルシクロペンタシロキサン 20.65 シリコーン樹脂A 6.0 ジメチルシリル無水ケイ酸粉末(表面処理済み) 8.0 雲母チタン 5.0 B相 エチルアルコール 5.0 エチルパラベン 0.15 酸化防止剤 若 干 香料 適 量 ───────────────────────────────── 合計 100
【0064】<実施例2〜7の製法>A相を釜に仕込
み、90℃〜95℃で溶解して分散した。減圧脱気後、
冷却をしながら分散をし、B相を加え、更に分散をし
た。この分散終了後に紅筆タイプ口紅の容器に充填して
所望する口紅用組成物を得た。また、これらの実施例の
処方を示す冒頭に記載したように、実施例2〜7の口紅
用組成物はいずれも使用時においてのびが良く,べたつ
かず,また、経時においてもつやがあり、にじまず化粧
持ちの良い口紅用組成物であった。
【0065】
【発明の効果】本発明により、既存の紅筆タイプの口紅
に用いる口紅用組成物よりもさらに化粧持ちが向上し、
かつ使用時のにじみが抑えられたペースト状の口紅用組
成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽山 美和 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の成分(a)〜(e)を含んでなる、
    その性状がペースト状である口紅用組成物: (a)ワックス及び/又はワックス状物質が組成物全体
    の2.0重量%以上,30.0重量%以下; (b)上記成分(a)の固化力を低下させる親油性ゲル
    化剤を組成物全体の0.01重量%以上,5.0重量%
    以下; (c)二酸化ケイ素粉末を組成物全体の2.0重量%以
    上,15.0重量%以下; (d)撥水性ポリマーを組成物全体の2.0重量%以
    上,30.0重量%以下; (e)揮発性油分を組成物全体の10.0重量%以上。
JP4303597A 1997-02-12 1997-02-12 口紅用組成物 Pending JPH10218734A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4303597A JPH10218734A (ja) 1997-02-12 1997-02-12 口紅用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4303597A JPH10218734A (ja) 1997-02-12 1997-02-12 口紅用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10218734A true JPH10218734A (ja) 1998-08-18

Family

ID=12652675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4303597A Pending JPH10218734A (ja) 1997-02-12 1997-02-12 口紅用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10218734A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002193747A (ja) * 2000-12-28 2002-07-10 Kose Corp 油性メイクアップ化粧料
JP2006256971A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Shiseido Co Ltd 油の微細分散組成物
JP2006335747A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Shiseido Co Ltd 油性固形化粧料
JP2010083865A (ja) * 2008-09-08 2010-04-15 Kao Corp 油性化粧料
JP2015101550A (ja) * 2013-11-22 2015-06-04 紀伊産業株式会社 ペースト状口唇化粧料

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002193747A (ja) * 2000-12-28 2002-07-10 Kose Corp 油性メイクアップ化粧料
JP4688291B2 (ja) * 2000-12-28 2011-05-25 株式会社コーセー 油性メイクアップ化粧料
JP2006256971A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Shiseido Co Ltd 油の微細分散組成物
JP2006335747A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Shiseido Co Ltd 油性固形化粧料
JP2010083865A (ja) * 2008-09-08 2010-04-15 Kao Corp 油性化粧料
JP2015101550A (ja) * 2013-11-22 2015-06-04 紀伊産業株式会社 ペースト状口唇化粧料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4124392B2 (ja) 口紅用組成物
AU767481B2 (en) Powder to liquid compositions
JP2988910B2 (ja) ポリサッカリドアルキルエーテルで濃化された芳香族オイルを含有するツヤのある組成物
US9308397B2 (en) Long-wearing cosmetic compositions
EP1740151B1 (en) Long-wearing cosmetic compositions with improved shine
KR100603155B1 (ko) 젤라틴성외용피부처리조성물
WO2006022395A1 (ja) 油性化粧料
US20210137818A1 (en) Oil-based hair coloring cosmetic
JP3677723B2 (ja) 油性固型化粧料
JP5203622B2 (ja) 油性化粧料
JP2004131475A (ja) デキストリンエステルでゲル化された組成物
JP2002128629A (ja) 油性化粧料
JP5784932B2 (ja) 油性固形化粧料
JP2006241003A (ja) 油性固形化粧料
JP2007511512A (ja) 透明オイルゲル化システム
JP3634977B2 (ja) 油性化粧料
JP3117647B2 (ja) 口紅組成物
JPH10218734A (ja) 口紅用組成物
JPH03115207A (ja) 油性化粧料
JP2004137214A (ja) 口唇用化粧料
JP7306952B2 (ja) 粉末化粧料およびその製造方法
JP4152899B2 (ja) 耐褪色性に優れたメーキャップ化粧料
JPH0920620A (ja) 油性固形化粧料
JPH0624933A (ja) 固体シリコーン配合仕上化粧品
JP3874702B2 (ja) 口唇用化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031111