JP2010080343A - 電極活物質、及び二次電池 - Google Patents

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辰介 西田
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Masaharu Sato
正春 佐藤
Nao Akutagawa
奈緒 芥川
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Abstract

【課題】エネルギー密度が大きく高出力で、充放電を繰り返しても容量低下が少なく、良好なサイクル特性を得ることができる電極活物質、及びこの電極活物質を使用した二次電池を提供する。
【解決手段】下記一般式に示すように、ジシアノメチレン基を有し、五員環式の共役キノイド構造を構成単位とする有機化合物を主体とする電極活物質とする。式中、nは1以上の整数、mは0以上の整数、M、M、Mは例えば2価原子、R、R、R〜R12は水素原子又は任意の置換基、X〜Xは炭素原子又は窒素原子である。
Figure 2010080343

【選択図】なし

Description

本発明は電極活物質及び二次電池に関し、より詳しくは有機化合物を使用した電極活物質、及び該電極活物質の電極反応を利用して充放電を繰り返すリチウム二次電池等の二次電池に関する。
携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等の携帯用電子機器の市場拡大に伴い、これら電子機器のコードレス電源としてエネルギー密度が大きく長寿命の二次電池が待望されている。
そして、このような要求に応えるべく、リチウムイオン等のアルカリ金属イオンを荷電担体とし、その電荷授受に伴う電気化学反応を利用した二次電池が開発されている。特に、エネルギー密度の大きなリチウムイオン二次電池は、現在では広く普及している。
この種のリチウムイオン二次電池は、正極活物質としてリチウム含有遷移金属酸化物、負極活物質として炭素材料を使用し、これらの活物質に対するリチウムイオンの挿入反応、及び脱離反応を利用して充放電を行っている。
しかしながら、リチウムイオン二次電池は、正極におけるリチウムイオンの移動が律速となるため、充放電の速度が制限されるという問題があった。すなわち、上述したリチウムイオン二次電池では、電解質や負極に比べて正極の遷移金属酸化物中でのリチウムイオンの移動速度が遅く、このため正極での電池反応速度が律速となって充放電速度が制限され、その結果、高出力化や充電時間の短時間化には限界があるという問題があった。
ところで、電極活物質は、充電反応、放電反応という電池電極反応に直接寄与する物質であり、二次電池の中心的役割を有する。すなわち、電池電極反応は、電解質中に配された電極と電気的に接続された電極活物質に対し電圧を印加することにより、電子の授受を伴って生じる反応であり、電池の充放電時に進行する。したがって、上述したように電極活物質は、システム的には、二次電池の中心的役割を有する。
このような観点から電極活物質の研究・開発が、従来より、盛んに行われており、例えば、有機化合物を使用した電極活物質も各種提案されている。
例えば、特許文献1には、正極又は負極の活物質に導電性高分子を使用した電池が提案されている。
この特許文献1は、導電性高分子に対する電解質イオンのドープ反応、及び脱ドープ反応を充放電に利用している。ここで、ドープ反応とは、導電性高分子の電気化学的な酸化反応又は還元反応によって生じる荷電ソリトンやポーラロン等を対イオンによって安定化させる反応をいい、脱ドープ反応とは、ドープ反応の逆反応、すなわち、対イオンによって安定化された荷電ソリトンやポーラロンを電気化学的に酸化又は還元する反応をいう。そして、この特許文献1では、活物質として、炭素、水素、窒素等の原子量の小さな元素を構成要素とする有機化合物を使用していることから、電池の軽量化が可能と考えられる。
また、特許文献2及び3には、有機ラジカル化合物を反応出発物(電池電極反応で化学反応を起こす物質)、若しくは生成物(化学反応の結果生じる物質)とする二次電池が提案されている。
すなわち、特許文献2には、ニトロキシルラジカル系化合物、オキシラジカル系化合物、及び窒素原子上にラジカルを有する窒素ラジカル系化合物を使用した二次電池用活物質が開示され、特許文献3には環状ニトロキシルラジカルからなる化合物を電極活物質とする二次電池が開示されている。
特許文献2及び3の二次電池は、ラジカルの酸化還元反応を利用して充放電を行っており、反応速度が大きいことから、高出力を有し、比較的短時間で充電することが可能と考えられる。
また、特許文献4〜8には、下記一般式(1′)で表される7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(以下、「TCNQ」という。)を正極活物質に使用し、リチウム等のアルカリ金属を負極活物質とした電池が提案され、特許文献9では、TCNQのリチウム塩を正極活物質とするリチウムイオン二次電池が提案されている。
Figure 2010080343
シアノキノジメタン構造を有する化合物は、代表的な電子アクセプター分子であることが知られており、特許文献4〜9は、TCNQの斯かる特性を利用し、二次電池の活物質材料に適用することが試みられている。
米国特許第4,442,187号公報 特開2004-207249号公報 特開2002-304996号公報 特開昭55-133767号公報 特開昭55-133768号公報 特開昭55-133772号公報 特開昭55-161372号公報 特開昭57-210567号公報 特開平11-3708号公報
しかしながら、特許文献1の導電性高分子は、酸化還元反応によって生じる荷電ソリトンやポーラロンがπ電子共役系の広い範囲に亘って非局在化し、それらが相互作用して電荷反発を招くことから、発生する荷電ソリトンやポーラロンの濃度にも限界がある。すなわち、荷電ソリトンやポーラロンの濃度に限界があるため、結果的に電池容量が制限され、したがって電池の軽量化は可能であっても、大容量を有する電池を得るのは困難である。
また、特許文献2及び3のような有機ラジカル化合物は、ラジカルを安定化するために、該ラジカルに接続される炭素に対し、嵩高い置換基を結合させる必要がある。このため、分子全体の質量に占めるラジカルの割合が小さくなり、容量密度が低下するという問題があった。
さらに、特許文献4〜9で使用しているTCNQ又はそのリチウム塩は、サイクル特性が悪く、現在では充放電を繰り返す二次電池には不向きと考えられており、実用化するのは困難な状況にある。
このように従来から種々の活物質を使用した二次電池が提案されているものの、未だ十分なエネルギー密度を有し、高出力で長寿命のサイクル特性が良好な電極活物質は得られていないのが現状である。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、エネルギー密度が大きく高出力で、充放電を繰り返しても容量低下の少ない良好なサイクル特性を得ることができる電極活物質、及びこの電極活物質を使用した二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、共役キノン系を骨格とし、かつ電気を蓄積することができる有機化合物を得るべく鋭意研究したところ、ジシアノメチレン基(=C(CN))を有し、かつ五員環式の共役キノイド構造を構成単位とした有機化合物を電極活物質に使用することにより、エネルギー密度が大きく、高出力で充放電を繰り返しても容量低下の少ない二次電池を安定的に得ることができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る電極活物質は、電池電極反応によって充放電を繰り返す二次電池の活物質として使用される電極活物質であって、ジシアノメチレン基を有し、かつ五員環式の共役キノイド構造を構成単位とした有機化合物を主体としていることを特徴としている。
本発明に係る電極活物質は、具体的には、前記有機化合物が、一般式
Figure 2010080343
[式中、nは1以上の整数、Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示し、R、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R、Rの組み合わせで環構造を形成する場合も含む。]
で表されることを特徴としている。
また、本発明の電極活物質は、前記有機化合物が、一般式
Figure 2010080343
[式中、M、Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示し、R、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R、Rの組み合わせで環構造を形成する場合も含む。]
で表されることを特徴としている。
また、本発明の電極活物質は、前記有機化合物が、一般式
Figure 2010080343
[式中、M〜Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示し、R、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R、Rの組み合わせで環構造を形成する場合も含む。]
で表されることを特徴としている。
また、本発明の電極活物質は、前記有機化合物が、一般式
Figure 2010080343
[式中、mは0以上の整数を示し、R〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R〜R12の組み合わせで環構造を形成する場合も含む。]
で表されることを特徴としている。
また、本発明の電極活物質は、前記有機化合物が、一般式
Figure 2010080343
[式中、X〜Xは炭素原子及び窒素原子のいずれかを示し、M、Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示す。〕
で表されることを特徴としている。
また、本発明の電極活物質は、前記有機化合物が、1.2〜4.2Vvs.Li/Liの範囲に2つ以上の酸化還元電位を有することを特徴としている。
また、本発明に係る二次電池は、電池電極反応により充放電を行う二次電池であって、上述した電極活物質が、前記電池電極反応の少なくとも放電反応における反応出発物、生成物及び中間生成物のうちのいずれかに含まれることを特徴としている。
また、本発明の二次電池は、前記放電反応が、少なくとも2つ以上の放電電圧を有することを特徴としている。
また、本発明の二次電池は、正極、負極、及び電解質を有し、前記正極が、前記電極活物質を主体としていることを特徴としている。
五員環式の共役キノイド化合物は、六員環化合物と異なり、分子内に歪が残っていることから、充放電電位を高くすることが可能であり、したがって、エネルギー密度を大きくすることが可能となる。
したがって、本発明によれば、電極活物質が、ジシアノメチレン基を有し、かつ五員環式の共役キノイド構造を構成単位とした有機化合物を主体としているので、エネルギー密度を大きくすることが可能である。したがって、大電流で充放電することが可能となり、充放電を繰り返しても長寿命で安定な二次電池を得ることができる。
同様の理由から、五員環式の共役キノイド化合物は反応性も高く、置換基の導入も容易である。したがって、種々の誘導体を容易に合成でき、多種多様な構造の電極活物質を容易に得ることができる。
また、前記有機化合物が、1.2〜4.2Vvs.Li/Liの範囲に2つ以上の酸化還元電位を有するので、五員環式の共役キノイド構造の単位当たり2個以上の電子が関与する多電子反応も可能である。したがって、一電子反応を利用する二次電池に比べて2倍以上の容量密度を得ることができ、より大きなエネルギー密度を有する高出力の二次電池を得ることが可能となる。また、五員環式の共役キノイド構造を構成単位とする有機化合物は、酸化還元反応を繰り返しても安定で電解質に対する溶解性も小さいので、充放電を繰り返しても容量低下が少なく、長寿命でサイクル特性の良好な二次電池を得ることが可能となる。
そして、上述したように五員環式共役キノイド構造を骨格として多種多様な化学構造を有する電極活物質を容易に得ることができるので、種々の充放電電圧を有する二次電池を製造することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
本発明の電極活物質は、ジシアノメチレン基を有し、五員環式の共役キノイド構造を構成単位とした有機化合物を主体としている。そしてこれによりエネルギー密度が大きく、種々の充放電電圧を有し、大容量・高出力で充放電を繰り返しても電池容量の低下が小さい長寿命のサイクル特性が良好な二次電池を得ることができる。
以下、具体的な化合物形態を例示するが、本発明は斯かる化合物形態に限定されるものではない。
下記一般式(1)は、本発明に係る電極活物質の第1の実施の形態を示す有機化合物であって、ジシアノメチレン基(=C(CN))が五員環に結合している。
Figure 2010080343
nは1以上の整数を示し、Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示している。また、R、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R、Rの組み合わせで環構造を形成する場合も含んでいる。
ここで、上記列挙した各置換基は、それぞれの範疇に属するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭化水素基を例示すると、以下のものを挙げることができる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、セカンダリー−ブチル基、ターシャリー−ブチル基、イソペンチル基、ターシャリー−ペンチル基、ネオ−ペンチル基、イソヘキシル基、メチルヘキシル基、メチルヘプチル基、ジメチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基、ベンジル基、フェネチル基等のアリール基で置換されたアルキル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、(o-、m-、p-)等の非置換アリール基、クレジル基、(o-、m-、p-)トリル基、(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−)キシリル基、メシチル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ニトロフェニル基、メトキシフェニル基等の置換アリール基が挙げられる。
そして、一般式(1)の範疇に含まれる有機化合物としては、例えば、化学式(1A)〜(1C)で表される物質が挙げられる。
Figure 2010080343
Figure 2010080343
Figure 2010080343
化学式(1A)は、nが1、MがS、R、RがHである。化学式(1B)は、nが2であり、MがS、R、RがHである。化学式(1C)は、nが3であり、MがO、R1、がHである。
下記一般式(2)は、本発明に係る電極活物質の第2の実施の形態を示す有機化合物であって、第1の実施の形態と同様、ジシアノメチレン基(=C(CN))が五員環に結合している。
Figure 2010080343
、Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示している。また、R、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R、Rの組み合わせで環構造を形成する場合も含んでいる。
一般式(2)の範疇に含まれる有機化合物としては、例えば、化学式(2A)で表される物質を挙げることができる。
Figure 2010080343
ここで、M及びMはS、R及びRはHである。
下記一般式(3)は、本発明に係る電極活物質の第3の実施の形態を示す有機化合物であって、第1及び第2の実施の形態と同様、ジシアノメチレン基(=C(CN))が五員環に結合している。
Figure 2010080343
〜Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示している。R、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R、Rの組み合わせで環構造を形成する場合も含んでいる。
一般式(3)の範疇に含まれる有機化合物としては、例えば、化学式(3A)で表される物質を挙げることができる。
Figure 2010080343
ここで、M〜MはS、R及びRはHである。
下記一般式(4)は、本発明に係る電極活物質の第4の実施の形態を示す有機化合物であって、第1乃至第3の実施の形態と同様、ジシアノメチレン基(=C(CN))が五員環に結合している。
Figure 2010080343
mは0以上の整数であり、R〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R〜R12の組み合わせで環構造を形成する場合も含んでいる。
そして、一般式(4)の範疇に含まれる有機化合物としては、例えば、化学式(4A)、(4B)で表される物質を挙げることができる。
Figure 2010080343
Figure 2010080343
化学式(4A)は、mが0、R、R、R及びR10がHである。化学式(4B)は、mが0であり、R及びRで環構造を形成し、R及びR10で環構造を形成している。
下記一般式(5)は、本発明に係る電極活物質の第5の実施の形態を示す有機化合物であって、ジシアノメチレン基が六員環部分に結合している。
Figure 2010080343
一般式(5)中、X〜Xは炭素原子及び窒素原子のいずれか一方を示し、M、Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示している。
そして、一般式(5)の範疇に含まれる有機化合物としては、例えば、化学式(5A)、(5B)で表される物質を挙げることができる。
Figure 2010080343
Figure 2010080343
化学式(5A)は、M、MがS、X〜XがCHである。また、化学式(5B)は、M、MがS、X〜XがNである。
そして、上記各電極活物質は、電極反応に伴って錯塩を形成する。例えば、化学式(1A)、(4A)及び(5B)の有機化合物を電極活物質に使用した場合、下記化学反応式(6)〜(8)に示すような充放電反応を示す。
Figure 2010080343
Figure 2010080343
Figure 2010080343
上記電極活物質は、五員環式の共役キノイド構造を構成単位として含有した有機化合物を主体とするので、六員環式の共役キノイド構造に比べて歪が大きく、このため充放電電位を高くすることが可能であり、エネルギー密度を大きくすることができる。したがって、大電流で充放電することが可能となり、充放電を繰り返しても長寿命で安定な二次電池を得ることができる。
同様の理由から、共役キノン系の五員環化合物は反応性も高く、置換基の導入も容易である。したがって、種々の誘導体を容易に合成でき、多種多様な構造の電極活物質を容易に得ることができる。
また、特許文献4〜9に記載されたTCNQ等のように六員環を有するシアノキノジメタン構造(化学式(1′))よりも分子量を小さくすることができ、これにより電池の容量密度を相対的に大きくすることが可能となり、大容量の二次電池を得ることが可能となる。
さらに、本発明では、上記電極活物質を構成する有機化合物が、1.2〜4.2Vvs.Li/Liの範囲に2つ以上の酸化還元電位を有しているので、エネルギーの異なる2つ以上の反応が生じることとなる。したがって、電池電極反応に関与する電子数Zも1電子の場合に比べ2倍以上となるので、容量密度も1電子の場合に比べ2倍以上となり、これによりエネルギー密度が大きく、大容量かつ高出力の二次電池を得ることが可能となる。
また、上述した本発明の電極活物質は、酸化還元反応を繰り返しても安定で電解質に対する溶解性も小さいので、充放電を繰り返しても容量低下が少なく、長寿命でサイクル特性の良好な二次電池を得ることが可能となる。
そして、上述したように五員環式共役キノイド構造を骨格として多種多様な化学構造を有する電極活物質を容易に得ることができるので、種々の充放電電圧を有する二次電池を製造することが可能となる。
尚、2つ以上の酸化還元電位を生じさせる範囲を1.2〜4.2Vvs.Li/Liとしたのは、酸化還元電位が1.2Vvs.Li/Li未満では、エネルギー密度が小さく、実用化が困難であり、一方、酸化還元電位が4.2Vvs.Li/Liを超える領域では、電解質の劣化が激しく、二次電池としての安定性を欠くからである。
このように本発明の電極活物質は、二次電池として安定して駆動する範囲で、2つ以上の酸化還元電位を有する。
次に、前記電極活物質を使用した二次電池について詳述する。
図1は、本発明に係る二次電池の一実施の形態としてのコイン型二次電池を示す断面図であって、本実施の形態では、本発明の電極活物質を正極活物質として使用している。
電池缶1は、正極ケース2と負極ケース3とを有し、該正極ケース2及び負極ケース3は、いずれも円盤状の薄板形状に形成されている。そして、正極集電体を構成する正極ケース2の底部中央には、電極活物質をシート状に形成した正極4が配されている。そして、正極4上にはポリプロピレン等の多孔質フィルムで形成されたセパレータ5が積層され、さらにセパレータ5には負極6が積層されている。負極6としては、例えば、Cuにリチウムの金属箔を重ね合わせたものや、黒鉛やハードカーボン等のリチウム吸蔵材料を前記金属箔に塗布したものを使用することができる。そして、負極6にはCu等で形成された負極集電体7が積層されると共に、該負極集電体7には金属製ばね8が載置されている。そして、電解質9が内部空間に充填されると共に、負極ケース3は金属製ばね8の付勢力に抗して正極ケース2に固着され、ガスケット10を介して封止されている。
次に、上記二次電池の製造方法の一例を詳述する。
まず、電極活物質を電極形状に形成する。例えば、電極活物質を導電補助剤、及び結着剤と共に混合し、有機溶剤を加えてスラリーとし、該スラリーを正極集電体上に任意の塗工方法で塗工し、乾燥することにより正極を形成する。
ここで、導電補助剤としては、特に限定されるものでなく、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素繊維、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子などを使用することができる。また、導電補助剤を2種類以上混合して用いることもできる。尚、導電補助剤の正極4中の含有率は10〜80重量%が好ましい。
また、結着剤も特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース等の各種樹脂を使用することができる。
さらに、有機溶剤についても、特に限定されるものではなく、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等の塩基性溶媒、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ニトロベンゼン、アセトン等の非水溶媒、メタノール、エタノール等のプロトン性溶媒等を使用することができる。
また、有機溶剤の種類、有機化合物と有機溶剤との配合比、添加剤の種類とその添加量等は、二次電池の要求特性や生産性等を考慮し、任意に設定することができる。
次いで、この正極4を電解質9に含浸させて該正極4に前記電解質9を染み込ませ、その後、正極ケース2の底部中央の正極集電体上に正極4を載置する。次いで、前記電解質9を含浸させたセパレータ5を正極4上に積層し、さらに負極6及び負極集電体7を順次積層し、その後内部空間に電解質9を注入する。そして、負極集電体9上に金属製ばね8を載置すると共に、ガスケット10を周縁に配し、かしめ機等で負極ケース3を正極ケース2に固着して外装封止し、これによりコイン型二次電池が作製される。
尚、上記電解質9は、正極(電極活物質)4と対向電極である負極6との間に介在して両電極間の荷電担体輸送を行うが、このような電解質9としては、室温で10−5〜10−1S/cmの電気伝導度を有するものを使用することができ、例えば、電解質塩を有機溶剤に溶解させた電解液を使用することができる。
ここで、電解質塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、Li(CFSO、Li(CSON、Li(CFSOC、Li(CSOC等を使用することができる。
また、有機溶剤としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等を使用することができる。
また、電解質9には、固体電解質を使用してもよい。固体電解質に用いられる高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリルニトリル系重合体、さらにはポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、及びこれらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体等を挙げることができる。また、これらの高分子化合物に電解液を含ませてゲル状にしたものを電解質9として使用したり、或いは電解質塩を含有させた高分子化合物のみをそのまま電解質9に使用してもよい。
そして、二次電池の電極活物質は充放電により可逆的に酸化もしくは還元されるため、充電状態、放電状態、あるいはその途中の状態で異なる構造、状態を取るが、本実施の形態では、前記電極活物質は、少なくとも放電反応における反応出発物、生成物、及び中間生成物のうちのいずれかに含まれており、さらに、放電反応は、少なくとも2つ以上の放電電圧を有している。
このように本実施の形態によれば、上記電極活物質を使用して二次電池を構成しているので、エネルギー密度が大きく、高出力で大容量の二次電池を得ることができる。しかも、充放電を繰り返しても容量低下が少なく、長寿命でサイクル特性も良好なものとなる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において種々の変形例が考えられる。例えば、電極活物質の主体となる有機化合物についても、ジシアノメチレン基を有し、かつ五員環式の共役キノイド構造を構成単位として含んでいればよく、上記列挙した化学式(1A)〜(5B)はその一例であって、これらに限定されるものではない。すなわち、本発明は、電極活物質の主体となる有機化合物が、ジシアノメチレン基を有し、かつ五員環式の共役キノイド構造を構成単位として含むことが重要であり、斯かる有機化合物を電極活物質に使用することにより、充放電電位を高くすることができる。そして、これにより大きなエネルギー密度を有し、大容量・高出力で充放電を繰り返しても容量低下を極力抑制できるサイクル特性の向上した各種二次電池を得ることができる。
また、上記実施の形態では、コイン型二次電池について説明したが、電池形状は特に限定されるものでないのはいうまでもなく、円筒型、角型、シート型等にも適用できる。また、外装方法も特に限定されず、金属ケースや、モールド樹脂、アルミラミネートフイルム等を使用してもよい。
また、上記実施の形態では、電極活物質を正極活物質に使用したが、負極活物質に使用するのも有用である。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
尚、以下に示す実施例は一例であり、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔有機化合物の合成〕
ジシアノメチレン基を有し、かつ五員環式の共役キノイド構造を構成単位とする有機化合物として、チオフェンの共役キノイド化合物を作製した。
すなわち、下記合成スキーム(9)に従い、2,5−ジブロモチオフェン(I)にテトラシアノエチレンオキサイド(II)を反応させ、チオフェンの共役キノイド化合物(III)を作製した。
Figure 2010080343
〔二次電池の作製〕
上記チオフェンの共役キノイド化合物300mg、導電補助剤としてのグラファイト粉末600mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン樹脂100mgをそれぞれ秤量し、秤量物を均一に混合しながら混練した。この混合体を加圧成形し、厚さ約150μmのシート状部材を作製した。次に、このシート状部材を、真空中80℃で1時間乾燥した後、直径12mmの円形に打ち抜き、チオフェンの共役キノイド化合物を主体とする正極(正極活物質)を作製した。
次に、正極を電解液に含浸し、該正極中の空隙に電解液を染み込ませた。電解液としては、モル濃度が1.0mol/LのLiPF(電解質塩)を含有した有機溶剤であるエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液を使用した。尚、有機溶剤であるエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの混合比率は体積%でエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7であった。
次に、この正極を正極集電体上に載置し、さらに前記電解液を含浸させたポリプロピレン多孔質フイルムからなる厚さ20μmのセパレータを前記正極上に積層し、さらに銅箔の両面にリチウムを貼着した負極をセパレータ上に積層した。そして、負極上にCu製の負極集電体を積層した後、内部空間に電解液を注入し、その後負極集電体上に金属製ばねを載置すると共に、周縁にガスケットを配置した状態で負極ケースを正極ケースに接合し、かしめ機によって外装封止し、これにより正極活物質としてチオフェンの共役キノイド化合物、負極活物質として金属リチウムを有する密閉型のコイン型電池を作製した。
〔二次電池の動作確認〕
以上のように作製した二次電池を、0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電し、その後、0.1mAの定電流で2.0Vまで放電した。その結果、3.3V及び2.75Vの二箇所で充放電電圧を示し、放電容量が0.25mAhの二次電池であることが確認された。また、電極活物質当たりの放電容量を求めたところ、170mAh/gであった。
次いで、4.0〜2.0Vの範囲で充放電を100サイクル繰り返したところ、100サイクル後においても容量の低下は少なく、充放電を繰り返しても容量低下が少ない長サイクル寿命の二次電池であることが分かった。
また、同様に作製した二次電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した後、5.0mAの定電流で放電した。その結果、容量は0.1mAの低電流で放電した場合に比べて減少したが、5.0mAで放電したときの放電容量は、O.1mAで放電したときの放電容量に対して80%以上を確保することができた。すなわち、大電流でも大きな容量を取り出せる高出力密度の二次電池が得られることが分かった。
ジシアノメチレン基を有し、かつ五員環式の共役キノイド構造を構成単位とする有機化合物として、化学式(4B)で示すインデノインデンを骨格とする共役キノイド化合物を用意した。
Figure 2010080343
〔二次電池の作製〕
正極活物質として上記インデノインデンを骨格とする共役キノイド化合物を使用した以外は、〔実施例1〕と同様の方法で二次電池を作製した。
〔二次電池の動作確認〕
〔実施例1〕と同様、この二次電池を、0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電し、その後、0.1mAの定電流で2.0Vまで放電した。その結果、この二次電池は3.25V及び2.70Vの二箇所で充放電電圧を示し、放電容量が0.24mAhの二次電池であることが確認された。また、電極活物質当たりの放電容量を求めたところ、185mAh/gであった。
次いで、4.0〜2.0Vの範囲で充放電を100サイクル繰り返した。その結果、100サイクル後においても容量の低下は少なく、充放電を繰り返しても容量低下が少ない長サイクル寿命の二次電池であることが分かった。
また、同様に試作した二次電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電し、その後、5.0mAの定電流で放電した。その結果、〔実施例1〕と同様、容量は0.1mAの低電流で放電した場合に比べて減少したが、5.0mAで放電したときの放電容量は、0.1mAで放電したときの放電容量に対して80%以上を確保することができた。すなわち、大電流でも大きな容量を取り出せる高出力密度の二次電池が得られることが分かった。
ジシアノメチレン基を有し、五員環式の共役キノイド構造を構成単位とする有機化合物として、化学式(5B)で示す1,3−チアゾール環を縮合させた共役キノイド化合物を用意した。
Figure 2010080343
〔二次電池の作製〕
正極活物質として上記1,3−チアゾール環を縮合させた共役キノイド化合物を使用した以外は、〔実施例1〕と同様の方法で二次電池を作製した。
〔二次電池の動作確認〕
〔実施例1〕と同様、この二次電池を、0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電し、その後、0.1mAの定電流で2.0Vまで放電した。その結果、この二次電池は3.3V及び2.75Vの二箇所で充放電電圧を示し、放電容量が0.24mAhの二次電池であることが確認された。また、電極活物質当たりの放電容量を求めたところ、160mAh/gであった。
次いで、4.0〜2.0Vの範囲で充放電を100サイクル繰り返した。その結果、100サイクル後においても容量の低下は少なく、充放電を繰り返しても容量低下が少ない長サイクル寿命の二次電池であることが分かった。
また、同様に試作した二次電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充電し、その後、5.0mAの定電流で放電した。その結果、〔実施例1〕と同様、容量は0.1mAの低電流で放電した場合に比べて減少したが、5.0mAで放電したときの放電容量は、0.1mAで放電したときの放電容量に対して80%以上を確保することができた。すなわち、大電流でも大きな容量を取り出せる高出力密度の二次電池が得られることが分かった。
本発明に係る二次電池としてのコイン型電池の一実施の形態を示す断面図である。

Claims (10)

  1. 電池電極反応によって充放電を繰り返す二次電池の活物質として使用される電極活物質であって、
    ジシアノメチレン基を有し、かつ五員環式の共役キノイド構造を構成単位とする有機化合物を主体としていることを特徴とする電極活物質。
  2. 前記有機化合物は、一般式
    Figure 2010080343
    [式中、nは1以上の整数、Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示し、さらにR、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R、Rの組み合わせで環構造を形成する場合も含む。]
    で表されることを特徴とする請求項1記載の電極活物質。
  3. 前記有機化合物は、一般式
    Figure 2010080343
    [式中、M、Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示し、R、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R、Rの組み合わせで環構造を形成する場合も含む。]
    で表されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電極活物質。
  4. 前記有機化合物は、一般式
    Figure 2010080343
    [式中、M〜Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示し、R、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R、Rの組み合わせで環構造を形成する場合も含む。]
    で表されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電極活物質。
  5. 前記有機化合物は、一般式
    Figure 2010080343
    [式中、mは0以上の整数を示し、R〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のシクロアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアシル基、及び置換若しくは非置換のアシルオキシ基のいずれかを示し、R〜R12の組み合わせで環構造を形成する場合も含む。]
    で表されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電極活物質。
  6. 前記有機化合物は、一般式
    Figure 2010080343
    [式中、X〜Xは炭素原子及び窒素原子のうちのいずれかを示し、M、Mは2価原子及び2価架橋原子を有する基のうちのいずれかを示す。〕
    で表されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電極活物質。
  7. 前記有機化合物は、1.2〜4.2Vvs.Li/Liの範囲に2つ以上の酸化還元電位を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電極活物質。
  8. 電池電極反応により充放電を行う二次電池であって、
    前記請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電極活物質が、前記電池電極反応の少なくとも放電反応における反応出発物、生成物及び中間生成物のうちのいずれかに含まれることを特徴とする二次電池。
  9. 前記放電反応は、少なくとも2つ以上の放電電圧を有することを特徴とする請求項8記載の二次電池。
  10. 正極、負極、及び電解質を有し、前記正極が、前記電極活物質を主体としていることを特徴とする請求項8又は請求項9記載の二次電池。
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