JP2010079163A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
親水性樹脂(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、分子内に芳香族環を有するカルボキシル基変性セルロース(C)、及び光ラジカル重合開始剤(D)を含有するアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物(Q)である。
【選択図】 なし
Description
フォトソルダーレジストとは回路導体のはんだ付けする部分を除いた全面に被膜が形成されるもので、プリント配線基板に電子部品を配線する際、はんだが不必要な部分に付着するのを防ぐとともに、回路が直接空気に暴露されるのを防止する保護被膜として使用されるものである。
現在プリント配線基板用のフォトソルダーレジストとしては高精度化、高密度化、及び環境問題対応の点から、液状のフォトソルダーレジストが広く使用されている。
しかしながら、アルカリ現像性には優れるものの硬化収縮による反りの低減が不十分であった。
上述の通り、アルカリ現像性に優れ、硬化収縮による反りが極めて小さいフォトソルダーレジストは、まだ得られてはいなかった。
すなわち、本発明は、親水性樹脂(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、分子内に芳香族環を有するカルボキシル基変性セルロース(C)、及び光ラジカル重合開始剤(D)を含有することを特徴とするアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物(Q)である。
親水性樹脂(A)のHLB値は、親水性樹脂(A)の樹脂骨格(例えば、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂など)によって好ましい範囲が異なるが、通常4〜19、好ましくは5〜18、さらに好ましくは6〜17である。
4以上であればアルカリ現像を行う際に、現像性がさらに良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。
なお、本発明におけるHLBは、小田法によるHLB値であり、親水性−疎水性バランス値のことであり、有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
また、無機性の値および有機性の値は、文献「界面活性剤の合成とその応用」(槇書店発行、小田、寺村著)の501頁;または、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の198頁に詳しく記載されている。
親水性樹脂(A)の酸価は、通常10〜50mgKOH/g、好ましくは20〜40mgKOH/gである。
10mgKOH/g以上であると、アルカリ現像性がさらに良好に発揮されやすく、50mgKOH/g以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好に発揮できる。
方法は以下の通りである。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン溶液[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30秒続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
酸価(mgKOH/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数。
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取量(g)
これらのうち、得られる硬化物の硬度の観点と、製造のし易さの観点から、好ましいのは親水性ビニル系樹脂(A1)、親水性エポキシ系樹脂(A2)である。
充分な現像性を発揮するためには、側鎖に親水基、特にカルボキシル基を有するものが好ましい。また、親水性ビニル系樹脂(A1)は硬化性を向上させる目的で(メタ)アクリロイル基を含有させてもよい。
(a1)水酸基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど]、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]、アルキロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど]、ヒドロキシスチレンおよび2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテルなどが挙げられる。
(a1)のうち好ましいのはアルカリ現像性の観点からヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸および桂皮酸など]、不飽和多価(2〜4価)カルボン酸[(無水)マレイン酸、イタコン酸、フマル酸およびシトラコン酸など]、不飽和多価カルボン酸アルキル(炭素数1〜10のアルキル基)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステルおよびシトラコン酸モノアルキルエステルなど]、並びにこれらの塩[アルカリ金属塩(ナトリウム塩およびカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩等)、アミン塩およびアンモニウム塩等]が挙げられる。
(a2)のうち好ましいのは親水性の観点から不飽和モノカルボン酸、さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸である。
1級アミノ基含有(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレートおよびアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキル(メタ)アクリレート]、2級アミノ基含有(メタ)アクリレート[N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびN−メチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのモノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
例えば、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらの塩が挙げられる。塩としてはアルカリ金属(ナトリウムおよびカリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)塩、第1〜3級アミン塩、アンモニウム塩および第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(炭素数1〜6)またはジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびN,N−ジベンジルアクリルアミドなど)、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、桂皮酸アミドおよび環状アミド(N−ビニルピロリドン、N−アリルピロリドン等)が挙げられる。
炭素数6〜50(好ましくは8〜20)の第3級アミノ基含有ビニルモノマーの4級化物(4級化剤としては、メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライドおよびジメチルカーボネート等)、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの4級化物およびジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの4級化物などが挙げられる。
アルコキシ(アルコキシ基の炭素数1〜8)ポリアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4)グリコールモノ(メタ)アクリレート[メトキシポリエチレングリコール(重合度2〜40)モノ(メタ)アクリレートおよびメトキシポリプロピレングリコール(重合度2〜30)モノ(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。
アルキル基の炭素数1〜20のアルキル(メタ)アクリレート[例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど];脂環基含有(メタ)アクリレート[ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シジクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートなど];
スチレン骨格を有する炭化水素モノマー[例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレンおよびベンジルスチレン]およびビニルナフタレンなどが挙げられる。
炭素数4〜50のもの、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ビニルなどが挙げられる。
(b4)ビニルエーテル系モノマー;
炭素数3〜50(好ましくは6〜20)のもの、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどが挙げられる。
(b5)ビニルケトン系モノマー;
炭素数4〜50のもの、例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンおよびビニルフェニルケトンなどが挙げられる。
(b6)ハロゲン原子含有モノマー;
炭素数2〜50(好ましくは2〜20)のもの、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、クロルスチレンおよびブロムスチレンなどが挙げられる。
側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有させる方法としては、例えば下記の(1)および(2)の方法が挙げられる。
(1) (a)のうちの少なくとも一部にイソシアネート基と反応しうる基(水酸基または1級もしくは2級アミノ基など)を有するモノマー[(a1)及び/又は(a3)]を使用して重合体を製造し、その後(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物(アクリロイルエチルイソシアネートなど)を反応させる方法、
(2) 重合体中の親水基と、(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(グリシジルアクリレートなど)を反応させる方法。
親水性ビニル系樹脂(A1)の酸価は、10mgKOH/g以上であると、現像性がさらに良好に発揮されやすく、また、硬化しやすい。また、50mgKOH/g以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好に発揮できる。
ラジカル重合は、例えば、必要により有機溶剤 を使用し、モノマーをラジカル重合開始剤によって重合することで行われる。
有機溶剤としては、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテルおよびプロピレングリコールモノアルキルエーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンなど)、およびエステル類(ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートなど)が挙げられる。有機溶剤のうち好ましいのはケトン類およびエステル類である。
有機溶剤を使用する場合、その使用量は特に限定されないが、モノマーの合計重量に基づいて通常、1〜400重量%、好ましくは5〜300重量%、特に好ましくは10〜200重量%である。
有機溶剤は、重合終了後に加熱留去などの方法で除去してもよいが、そのまま残して、後述の感光性樹脂組成物で含有してもよいとされる有機溶剤の一部としてもよい。
過酸化物としては、無機過酸化物(例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど)、および有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウリルパーオキシドなど)などが挙げられる。アゾ化合物としては、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩(例えば塩酸塩など)、およびアゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライドなどが挙げられる。好ましいものとしては、アゾ化合物である。重合開始剤の使用量としては、モノマーの合計重量に基づいて、通常、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。反応温度および反応時間は、ラジカル重合開始剤の種類により適宜決定される。
親水性エポキシ系樹脂(A2)に含まれる親水基としては、親水性ビニル系樹脂(A1)で挙げたものと同様に、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基、ポリエーテル基およびこれらのうちの2種以上の併用などが挙げられる。充分な現像性を発揮するためには、特にカルボキシル基を有するものが好ましい。←
エポキシ樹脂(A20)のうち好ましいのは硬化性の観点から芳香族エポキシ樹脂である。
親水性エポキシ系樹脂(A2)の製造における、アクリル酸/エポキシ樹脂(A20)の仕込み重量比は、好ましいのは親水性エポキシ系樹脂(A2)のアクリロイル基の濃度が1.0mmol/g以上となるようなアクリル酸の仕込み重量比である。アクリル酸/エポキシ樹脂(A20)の重量比は上記の観点から、好ましくは0.072以上/1、さらに好ましくは0.079〜0.72/1である。
また、親水性エポキシ系樹脂(A2)のSP値は、親水性ビニル系樹脂(A1)の場合と同様に、好ましくは7〜14、さら好ましくは9〜13、特に好ましくは11〜13である。7以上であるとさらに現像性が良好に発揮でき、14以下であると硬化物の耐水性がさらに良好である。
その際の「親水性樹脂(A)のHLB値」とは、使用した各種(A)のHLB値を重量比率の相加平均を計算することにより、求めることができる。
同様に、2種以上の親水性樹脂を併用した場合の本発明の「親水性樹脂(A)のSP値」とは、使用した各種(A)のSP値を重量比率の相加平均を計算することにより、求めることができる。
なお、本発明における「固形分」とは、溶剤以外の成分を指す。
多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)としては、公知の多官能(メタ)アクリレートモノマーであれば、とくに限定されずに用いられ、2官能(メタ)アクリレート(B1)、3官能(メタ)アクリレート(B2)および4〜6官能(メタ)アクリレート(B3)が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)中の感光性アクリルオリゴマー(B4)の含有量は、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
10%以上であれば、硬化物の硬度がさらに好ましくなり、60%以下であれば、さらに現像性が良好になる。
この(C)は、下記一般式(1)で表される変性セルロースである。
例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP:信越化学工業(株)製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP:信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
変性セルロース(C)の酸価は、10〜90mgKOH/gが好ましい。10mgKOH/g以上であると、現像性がさらに良好に発揮されやすく、90mgKOH/g以下であれば相溶性がさらに良好に発揮できる。
光ラジカル重合開始剤(D)としては、特に限定されないが、例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、イソプロピルチオキサントン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、tert−ブチルアントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ミヒラーズケトン、ベンジル−2,4,6−(トリハロメチル)トリアジン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9ーアクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、ジメチルベンジルケタール、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、トリブロモメチルフェニルスルホンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。(D)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(E)としては、無機微粒子(E1)、増感剤(E2)、重合禁止剤(E3)、顔料(E4)、溶剤(E5)並びにその他の添加剤(例えば、レベリング剤、シランカップリング剤、密着性付与剤、粘度調整剤、マット化剤、染料、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、消泡剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤および、防かび剤等)が挙げられるが、これらに限定されない。
金属酸化物(E11)としては、公知のもの、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等が挙げられる。
金属塩(E12)としては、公知のもの、例えば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム等が挙げられる。
これらのうちで、生産性とコストの観点から、金属塩(E12)が好ましく、さらに好ましくは、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム、特に硫酸バリウムが好ましい。
無機微粒子(E1)は、体積平均粒子径が好ましくは1〜5,000nm、さらに好ましくは10〜30,000nm、特に好ましくは100〜2,000nmのものである。
体積平均粒子径の測定は、例えばトルエンを溶媒にしてレーザー散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所(株)製)で行うことができる。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)をフォトソルダーレジストとして用いるために基板上に塗布する方法としては、スクリーン印刷機、ロールコーター、カーテンコーターなどで塗布する方法、スプレー、刷毛、ヘラ等で塗る方法、及び浸漬する方法が挙げられる。好ましくはスクリーン印刷機、ロールコーターを用いて塗布する方法である。膜厚としては、通常0.5〜500μm、好ましくは5〜100μmである。
乾燥温度としては、通常60℃〜90℃が好ましく、乾燥時間としては、通常30秒〜5分が好ましい。
乾燥時の圧力としては、減圧、常圧どちらでもよいが、減圧の方が好ましい。
露光に用いる活性光線としては、本発明の感光性樹脂組成物を硬化させることができれば特に限定されることはないが、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハロゲンランプ、電子線照射装置、X線照射装置、レーザー(アルゴンレーザー、色素レーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミウムレーザー等)等がある。これらのうち、好ましくは高圧水銀灯及び超高圧水銀灯である。
露光における光線の照射量としては、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)および光ラジカル重合開始剤(D)などの量により適宜選択されるが、好ましくは20〜300mJ/cm2である。
現像方法としては、ディップ方式、シャワー方式、及びスプレー方式があるが、スプレー方式の方が好ましい。現像液の温度は、好ましくは25〜40℃で使用される。現像時間は、膜厚やレジストの溶解性に応じて適宜決定される。現像後、通常は水洗し乾燥する。
後加熱温度としては、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは150〜240℃、特に好ましくは180〜230℃である。後加熱時間は5分〜6時間、好ましくは15分〜4時間、特に好ましくは30分〜3時間である。また、塗膜中の硬化収縮を抑えるため、加熱温度および加熱時間を二段階または三段階に分けることも好ましい。
後加熱は、減圧、常圧どちらでもよいが、減圧の方が好ましい。
また、空気中、不活性ガス中どちらで行ってもよいが、不活性ガス中が好ましい。
加熱冷却・攪拌装置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、イソボルニルメタクリレート56部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36部、メタクリル酸8部、およびシクロヘキサノン250部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたアゾビスイソブチロニトリル(V−60:和光純薬製、以下AIBNと称す)5部をシクロヘキサノン50部に溶解した溶液55部を80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させ、親水性樹脂(数平均分子量(Mn):8,800、SP値:11.86、HLB値:11.98、酸価:50mgKOH/g)のシクロヘキサノン溶液(A−1)を得た(固形分含有量は25%)。
また、SP値、HLB値、酸価は、前述のようにして求めた。
以下の製造例および比較例についても同様の測定法である。
加熱冷却・攪拌装置、環流冷却管、および窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、メトローズ60SH(信越化学工業(株)製)98部、無水トリメリット酸2.5部、およびN,N−ジメチルホルムアミド900部を仕込み、均一に溶解させた。溶解後、系内の気相部分を窒素で置換したのち、80℃まで加熱した。トリエチルアミン0.5部を加え、同温度で8時間反応させた。冷却した後、ジエチルエーテルで再沈殿させ、再度ジエチルエーテルで洗浄することにより、白色固体の変性セルロース(C−3)85部を得た。
製造例2において、無水トリメリット酸を無水ピロメリット酸1.5部に変えた以外は同様にして、変性セルロース(C−4)84部を得た。
紫外線にさらされない環境下において、ガラス製の容器に、上記の親水性樹脂溶液(A−1)、および下記の原材料を表1の配合例に従い仕込み、均一になるまで攪拌し、さらに三本ロールミルにより混錬して実施例1の感光性樹脂組成物溶液(Q0−1)を調製した。
(B−2):「KAYARAD DPCA−30」(ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:日本化薬(株)製)
(C−1):「HPMCP」(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート:信越化学工業(株)製)
(C−2):「HPMCAP」(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート:信越化学工業(株)製)
(C’−1):「信越 AQOAT」(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート:信越化学工業(株)製)
(C’−2):「セルロース,微結晶」(セルロース:和光純薬工業(株)製)
(D−1):「イルガキュア907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、
(E−1):「W−1」(硫酸バリウム:竹原化学工業(株)製)
(E−2):「アノン」(シクロヘキサノン:三協化学(株)製)
ただし、比較例3の(Q0’−3)については、撹拌後に均一溶解しなかったため、以下に示す現像性および反りの評価は実施できなかった。
感光性樹脂組成物溶液(Q0−1)〜(Q0−4)、(Q0’−1)、(Q0’−2)、(Q0’−4)それぞれについて、スピンコート法により乾燥後の膜厚が20μmとなるように銅板に塗布し、80℃で30分間、熱風循環式乾燥機を用いて乾燥させた。
次に、紫外線露光装置(型式:HMW−661−F−01(株)オーク製作所製)を用いて200mJ/cm2の照射量で線幅20μmのマスクを使用し露光した。その後、室温にて1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて20秒間40kPaの圧力でスプレー現像を行なった。その後、30℃のイオン交換水で、現像時間と同時間、60kPaの圧力でスプレー洗浄しテストピース(Q1−1)〜(Q1−4)、(Q1’−1)、(Q1’−2)、(Q1’−4)を作成した。各テストピースに関し、以下の判定基準 ←<下と同様に修正しました。>にて判定した。
○:目視により残留物無し。
△:目視により残留物やや有り。
×:目視により残留物が多く、パターン形成不十分。
基材厚さ60μm、銅箔厚さ12μmであるガラスエポキシFR−4基板(JIS C6480:「プリント配線板用銅張積層板通則」記載のGE4F規格適合品)に、前記の感光性樹脂組成物溶液(Q0−1)〜(Q0−4)、(Q0’−1)、(Q0’−2)、(Q0’−4)それぞれについて、スピンコート法により乾燥後の膜厚が30μmとなるように銅板に塗布し、80℃で60分間、熱風循環式乾燥機を用いて乾燥させた。前述の紫外線露光装置により500mJ/cm2の照射量で全面露光し、前述の方法で現像した後、熱硬化してテストピース(Q2−1)〜(Q2−4)、(Q2’−1)、(Q2’−2)、(Q2’−4)を作成した。
このテストピース(400mm×300mm)を試験片とし、平面上でテストピースの4隅の平面からの高さを測定し、その値の合計を反り変形量として、以下の判定基準により判定した。
○:20mm以下
△:20mm〜40mm
×:40mm以上
Claims (6)
- 親水性樹脂(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、分子内に芳香族環を有するカルボキシル基変性セルロース(C)、及び光ラジカル重合開始剤(D)を含有するアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物(Q)。
- 該変性セルロース(C)の含有量が、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて3〜25重量%である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 該変性セルロース(C)の酸価が10〜90mgKOH/gである請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
- 該親水性樹脂(A)のHLB値が4〜19である請求項1〜3いずれか記載の感光性樹脂組成物。
- 該親水性樹脂(A)の溶解度パラメーター(SP値)が7〜14である請求項1〜4いずれか記載の感光性樹脂組成物。
- プリント配線板に使用されるフォトソルダーレジスト用である請求項1〜5いずれか記載の感光性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
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