JP2010074542A - 電力増幅器、電力増幅器の制御方法、および無線通信装置 - Google Patents

電力増幅器、電力増幅器の制御方法、および無線通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低歪みかつ高効率の電力増幅器の実現に伴う、飽和出力電力の低下の虞を低減することが可能な電力増幅器を提供する。
【解決手段】電力増幅器1は、後段の信号増幅用バイポーラトランジスタ202の飽和出力電力が最大となるように、バイアス回路212の出力インピーダンスの値を設定する歪補償回路220と、飽和出力電力が最大となった後段の信号増幅用バイポーラトランジスタ202の、入力電力に対する出力電力の歪み特性と、前段の信号増幅用バイポーラトランジスタ201の、入力電力に対する出力電力の歪み特性と、により、電力増幅器1の、入力電力に対する出力電力の歪みを相殺するように、バイアス回路211の出力インピーダンスの値を設定する歪補償回路230と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯端末などの無線通信装置において、デジタル信号の変調波を、低歪みかつ高効率に電力増幅する電力増幅器、電力増幅器の制御方法、および無線通信装置に関するものである。
例えば、携帯端末をはじめとする無線通信装置の送信側において使用される電力増幅器では、振幅変調および位相変調といったデジタル変調が行われた信号(デジタル信号の変調波)を取り扱うために、出力信号の線形性向上、即ち、低歪み化が要求されている。
また同時に、電力増幅器では、無線通信装置に備えられたバッテリーの寿命を延ばすため、低消費電力化、即ち、高効率化が要求されている。
電力増幅器における低歪み化は、出力段をA級動作させることにより実現可能である。
しかしながら、A級動作の電力増幅器を無線通信装置に備えた場合には、無線通信装置の無信号時の電流(いわゆる、アイドル電流)が、B級動作の電力増幅器を無線通信装置に備えた場合よりも大きくなる。
そのため、A級動作の電力増幅器を備えた無線通信装置では、消費電力が大きくなってしまい、低消費電力化の実現が困難となる。
そこで、低消費電力化を実現するために、無線通信装置の電力増幅器は、出力段を、A級動作とB級動作との中間の特性で動作させる、いわゆる出力段をAB級動作とする技術が主流になっている。
A級動作の電力増幅器の利得は一般的に、出力電力が該電力増幅器自身の飽和出力電力付近となる場合まで、概ね一定にすることができる。
一方、AB級動作の電力増幅器の利得は一般的に、出力電力の上昇に依存して大きく変動してしまう。そして、これにより、AB級動作の電力増幅器では、A級動作の電力増幅器と比較して、線形性が大きく悪化する。
線形性が悪化したAB級動作の電力増幅器で、デジタル変調が行われた信号を電力増幅すると、電力増幅器の出力電力のスペクトラムは広大化する。そして、電力増幅器の出力電力のスペクトラムが広大化してしまうと、この出力電力は、所望のチャンネルに隣接するチャンネルへの妨害波となるため、好ましくない。
そこで、従来、低歪みかつ高効率の電力増幅を目的とした電力増幅器としては、特許文献1に開示された電力増幅器が存在する。
特許文献1に開示された電力増幅器では、出力段をAB級動作とする電力増幅器において、線形性の悪化を抑制するために、以下の技術が採用されている。
図13は、特許文献1に係る電力増幅器の回路構成を示す図である。
図13に示す電力増幅器は、抵抗4およびキャパシタ5が直列に接続された歪補償回路(調整回路)21が、可変インピーダンス素子2を介して、後段の信号増幅用バイポーラトランジスタ102(以下、「トランジスタ102」と称する)のベース端子に接続されている。
具体的に、トランジスタ102のベース端子は可変インピーダンス素子2の一端に接続されており、可変インピーダンス素子2の他端は抵抗4の一端に接続されており、抵抗4の他端はキャパシタ5の一端に接続されており、キャパシタ5の他端は接地されている。
なお、その他、図13に示す電力増幅器は、電源電圧端子1、抵抗3を備えた直流電流調整素子22、前段の信号増幅用バイポーラトランジスタ101(以下、「トランジスタ101」と称する)、入力端子103、出力端子104、入力整合回路105、段間整合回路106、出力整合回路107、2つの電源電圧端子108、および電源電圧端子109を備える。
図13に示す電力増幅器は、歪補償回路21による歪補償が行われない、トランジスタ101のベースバイアス点を、A級またはA級に近いAB級に設定する。
一方、図13に示す電力増幅器は、歪補償回路21による歪補償が行われる、トランジスタ102のベースバイアス点を、B級またはB級に近いAB級に設定する。
トランジスタ101は、A級またはA級に近いAB級により動作するため、入力される電力が上昇して、トランジスタ101の飽和出力電力に近づくと、利得が減少するという特性を有する。
一方、トランジスタ102は、B級またはB級に近いAB級により動作するため、入力される電力が上昇して、トランジスタ102の飽和出力電力に近づくと、利得が増加するという特性を有する。
これにより、前段と後段とでは、入力電力に対する出力電力の歪み特性が互いに、概ね逆の特性を呈するため、電力増幅器全体では、前段と後段とでそれぞれ発生している歪みを相殺することができる。
結果、特許文献1に係る電力増幅器では、入力電力に対する出力電力の歪み特性を改善することができる。
なお、上記歪みの相殺度合の調整は、トランジスタ102のバイアス回路の一部として備えられた歪補償回路21の、抵抗4の抵抗値および/またはキャパシタ5の静電容量を調整することにより実施可能である。ここでバイアス回路とは、トランジスタ102のベース端子(ベースバイアス点)に所定のバイアス電流を供給するための回路であり、歪補償回路21に加え、可変インピーダンス素子2および直流電流調整素子22により構成される。
以上の構成により、特許文献1に係る電力増幅器では、低消費電力、かつ、低歪みの(出力電力に対する利得偏差の小さい)電力増幅器を実現している。
特開2002−84144号公報(2002年3月22日公開)
しかしながら、特許文献1に開示された電力増幅器では、低歪みかつ高効率の電力増幅器を実現したときに、電力増幅器の飽和出力電力が低下してしまう虞があるという問題が発生する。
以下では、上記問題について、図13を参照して説明する。
図13に示す電力増幅器の飽和出力電力は、出力段となるトランジスタ102のベース端子から見た、バイアス回路の出力インピーダンスに依存する。
一般的に、上記バイアス回路の出力インピーダンスが大きい場合、トランジスタ102のベース端子には、入力される電力が上昇してベース電流が増加したときに、該インピーダンスに起因した電圧降下が発生する。この電圧降下が発生すると、トランジスタ102のベース電圧は低下し、これに伴い、トランジスタ102の出力電力は低下する。この結果、電力増幅器の出力段の利得は低下するため、飽和出力電力の低下が発生する。
このことから、トランジスタ102のベース電圧の低下を抑制し、図13に示す電力増幅器の飽和出力電力の低下を抑制するためには、バイアス回路のインピーダンスをできるだけ小さくするのが好ましい。
ここで、図13に示す電力増幅器において、電源電圧端子1のインピーダンスを無限大とし、可変インピーダンス素子2のインピーダンスをZd、歪補償回路21のインピーダンスをZcとすると、バイアス回路のインピーダンスZbは、下記の数式(1)で表される。
Zb=Zc+Zd ・・・(1)
特に、歪補償回路21のインピーダンスZcは、抵抗値Rcなる抵抗4と、静電容量Ccなるキャパシタ5と、の直列回路のインピーダンスになる。
バイアス回路のインピーダンスZbを最小とするためには、可変インピーダンス素子2のインピーダンスZdを可能な限り小さくし、かつ、歪補償回路21のインピーダンスZcを最小とする必要がある。なお、歪補償回路21のインピーダンスZcを最小とするためには、理想的には、抵抗4の抵抗値Rcを0とし、キャパシタ5の静電容量Ccを無限大とすればよい。
ところが、その一方で、歪補償回路21はそもそも、低歪みかつ高効率の電力増幅器の実現に際して、前段(トランジスタ101)と後段(トランジスタ102)とでそれぞれ発生している歪みを相殺するために、抵抗4の抵抗値Rcおよび/またはキャパシタ5の静電容量Ccをある特定の最適値に調整する必要がある。
従って、飽和出力電力と振幅歪みとを同時に最適化することは困難である。
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたものであり、その目的は、低歪みかつ高効率の電力増幅器の実現に伴う、飽和出力電力の低下の虞を低減することが可能な電力増幅器を提供することにある。
本発明に係る電力増幅器は、上記の問題を解決するために、バイポーラトランジスタからなる増幅段を、複数有しており、複数の上記増幅段における出力段を構成する、出力段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された出力段バイアス回路と、出力段よりも前段の増幅段を構成する、前段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された前段バイアス回路と、を備える電力増幅器であって、上記出力段バイポーラトランジスタの飽和出力電力が最大となるように、上記出力段バイアス回路の出力インピーダンスを低く設定する出力段歪補償回路と、上記飽和出力電力が最大となった上記出力段バイポーラトランジスタの、入力電力に対する出力電力の振幅歪み特性と、上記前段バイポーラトランジスタの、該振幅歪み特性と、により、上記電力増幅器の、入力電力に対する出力電力の振幅歪みを相殺するように、上記前段バイアス回路の出力インピーダンスを設定する前段歪補償回路と、を備えることを特徴としている。
また、本発明に係る電力増幅器の制御方法は、上記の問題を解決するために、バイポーラトランジスタからなる増幅段を、複数有しており、複数の上記増幅段における出力段を構成する、出力段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された出力段バイアス回路と、出力段よりも前段の増幅段を構成する、前段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された前段バイアス回路と、を備える電力増幅器の制御方法であって、上記出力段バイポーラトランジスタの飽和出力電力が最大となるように、上記出力段バイアス回路の出力インピーダンスを低く設定し、上記飽和出力電力が最大となった上記出力段バイポーラトランジスタの、入力電力に対する出力電力の振幅歪み特性と、上記前段バイポーラトランジスタの、該振幅歪み特性と、により、上記電力増幅器の、入力電力に対する出力電力の振幅歪みを相殺するように、上記前段バイアス回路の出力インピーダンスを調整することを特徴としている。
上記の構成によれば、出力段バイアス回路の出力インピーダンスは、出力段を構成する出力段バイポーラトランジスタの飽和出力電力が最大となるような値、即ち、該出力インピーダンスが十分低い値に設定される。これにより、出力段バイポーラトランジスタの飽和出力電力の低下は、抑制することができる。
そして、出力段バイポーラトランジスタの飽和出力電力を最大とすることで、電力増幅器の飽和出力電力の低下を抑制したうえで、前段バイアス回路の出力インピーダンスを調整する。このとき、前段バイアス回路の出力インピーダンスは、出力段バイポーラトランジスタの、入力電力に対する出力電力の振幅歪み特性と、前段バイポーラトランジスタの、該振幅歪み特性と、により、上記電力増幅器全体の、入力電力に対する出力電力の歪みを相殺するような、動作電圧となるように設定する。これにより、電力増幅器の飽和出力電力の低下を抑制しつつ、従来技術に係る電力増幅器と同様に、低歪みかつ高効率の電力増幅器の実現が可能となる。
また、本発明に係る電力増幅器は、上記前段バイポーラトランジスタは、出力電力の上昇に伴い利得が減少する、上記振幅歪み特性を有している一方、上記出力段バイポーラトランジスタは、出力電力の上昇に伴い利得が増加する、上記振幅歪み特性を有していることを特徴としている。
また、本発明に係る電力増幅器の制御方法は、さらに、上記前段バイポーラトランジスタの動作方式を、A級またはAB級とし、かつ、上記出力段バイポーラトランジスタの動作方式を、B級またはAB級とすることを特徴としている。
上記の構成によれば、前段バイポーラトランジスタの出力電力を、出力段バイポーラトランジスタで増幅して外部に出力することで、簡単な構成で、広い出力電力の範囲にわたって、利得が一定化された電力増幅器を実現することができる。
そして、各上記歪み特性を得るためには、上記前段バイポーラトランジスタの動作方式を、A級またはA級に近いAB級とし、かつ、上記出力段バイポーラトランジスタの動作方式を、B級またはB級に近いAB級とするのが好ましい。
また、本発明に係る電力増幅器は、上記前段歪補償回路および/または上記出力段歪補償回路は、抵抗およびキャパシタの直列回路であり、該抵抗の抵抗値および該キャパシタの静電容量の少なくとも一方を変化させることで、対応する上記前段バイアス回路および/または上記出力段バイアス回路の出力インピーダンスを所望の値に設定するものであることを特徴としている。
上記の構成によれば、前段バイアス回路および/または出力段バイアス回路の出力インピーダンスを、抵抗の抵抗値および/またはキャパシタの静電容量に応じて、所望の値に設定できる。また、出力段歪補償回路が上記直列回路である場合は、理想的には、抵抗の抵抗値を0とし、キャパシタの静電容量を無限大とすれば、出力段バイアス回路の出力インピーダンスを0とすることでき、出力段バイポーラトランジスタの飽和出力電力を最大とすることができる。
また、本発明に係る電力増幅器は、上記直列回路は、出力段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された出力段ベースバラスト抵抗、および/または、前段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された前段ベースバラスト抵抗に対して並列に接続されているのが好ましい。
上記の構成によれば、上記直列回路を、ベースバラスト抵抗に対して並列接続となるように付加することにより、該ベースバラスト抵抗による、対応する前段バイポーラトランジスタ、および/または、出力段バイポーラトランジスタへ印加されるベース電圧の低下を抑制して、上記飽和出力電力の低下をさらに抑制することができる。
なお、上記いずれかの電力増幅器と、上記電力増幅器からの出力信号を受信し、外部に出力する送信アンテナと、を備えた無線通信装置であれば、無線通信装置において、上述と同様の効果を得ることができる。
以上のとおり、本発明に係る電力増幅器は、バイポーラトランジスタからなる増幅段を、複数有しており、複数の上記増幅段における出力段を構成する、出力段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された出力段バイアス回路と、出力段よりも前段の増幅段を構成する、前段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された前段バイアス回路と、を備える電力増幅器であって、上記出力段バイポーラトランジスタの飽和出力電力が最大となるように、上記出力段バイアス回路の出力インピーダンスを低く設定する出力段歪補償回路と、上記飽和出力電力が最大となった上記出力段バイポーラトランジスタの、入力電力に対する出力電力の振幅歪み特性と、上記前段バイポーラトランジスタの、該振幅歪み特性と、により、上記電力増幅器の、入力電力に対する出力電力の振幅歪みを相殺するように、上記前段バイアス回路の出力インピーダンスを設定する前段歪補償回路と、を備える。
また、本発明に係る電力増幅器の制御方法は、上記の問題を解決するために、バイポーラトランジスタからなる増幅段を、複数有しており、複数の上記増幅段における出力段を構成する、出力段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された出力段バイアス回路と、出力段よりも前段の増幅段を構成する、前段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された前段バイアス回路と、を備える電力増幅器の制御方法であって、上記出力段バイポーラトランジスタの飽和出力電力が最大となるように、上記出力段バイアス回路の出力インピーダンスを低く設定し、上記飽和出力電力が最大となった上記出力段バイポーラトランジスタの、入力電力に対する出力電力の振幅歪み特性と、上記前段バイポーラトランジスタの、該振幅歪み特性と、により、上記電力増幅器の、入力電力に対する出力電力の振幅歪みを相殺するように、上記前段バイアス回路の出力インピーダンスを調整する。
従って、低歪みかつ高効率の電力増幅器の実現に伴う、飽和出力電力の低下の虞を低減することが可能になるという効果を奏する。
〔前提となる技術〕
ここでは、本発明に係る電力増幅器の、前提となる技術について、説明を行う。
図8は、本発明に係る電力増幅器、および、上述した特許文献1に係る電力増幅器等の、一般的な電力増幅器の基本回路構成を示す図である。
図8に示す電力増幅器は、前段の信号増幅用バイポーラトランジスタ(前段バイポーラトランジスタ)201および後段の信号増幅用バイポーラトランジスタ(出力段バイポーラトランジスタ)202を備える。
なお便宜上、以下では、前段の信号増幅用バイポーラトランジスタ201をトランジスタ201と、後段の信号増幅用バイポーラトランジスタ202をトランジスタ202と、それぞれ称するものとする。
トランジスタ201は、NPN型のバイポーラトランジスタであり、電力増幅器における増幅段の前段を構成する、電力増幅用の素子である。
トランジスタ202は、NPN型のバイポーラトランジスタであり、電力増幅器における増幅段の出力段を構成する、電力増幅用の素子である。
つまり、図8に示す電力増幅器は、電力増幅用の素子としてのバイポーラトランジスタを複数個備え、かつ、複数個の該バイポーラトランジスタの各々が、該電力増幅器に入力された信号を順次増幅していく、即ち、各バイポーラトランジスタが電力増幅器において互いに異なる増幅段として機能する、複数の増幅段を有する電力増幅器である。
図8に示す電力増幅器の場合は、トランジスタ201(前段)および202(後段、出力段)の各々が、互いに異なる増幅段として設けられている、2段の増幅段を有する電力増幅器であると解釈することができる。
トランジスタ201および202はいずれも、エミッタ端子が接地されている。トランジスタ201および202におけるその他の接続関係については、他の部材との接続関係と併せて、後述する。
また、図8に示す電力増幅器は、入力端子203、出力端子204、入力整合回路205、段間整合回路206、出力整合回路207、電源電圧入力端子208Aおよび208B、電源電圧端子209および210、および、バイアス回路(ベースバイアス回路)211および212を備える構成である。
入力端子203は、例えばデジタル変調が行われた信号(デジタル信号の変調波)といった、電力増幅器による電力増幅が行われる対象となる信号が入力される端子である。本願では、入力端子203から、電力増幅器に入力される電力信号を、入力電力Pinと称する。
出力端子204は、電力増幅器による電力増幅が行われた信号を、電力増幅器の外部に出力するための端子である。本願では、出力端子204から、電力増幅器の外部に出力される電力信号を、出力電力Poutと称する。
入力整合回路205は、入力端子203と、トランジスタ201のベース端子と、の間に接続されている。この入力整合回路205は、自身と入力端子203との間での、信号の反射を防止するために設けられた回路であり、これらの間のインピーダンス整合を行っている。
段間整合回路206は、トランジスタ201のコレクタ端子と、トランジスタ202のベース端子と、の間に接続されている。この段間整合回路206は、トランジスタ201の最適化された負荷インピーダンスとトランジスタ202の入力インピーダンスの間で、インピーダンス整合を行っている。
出力整合回路207は、トランジスタ202のコレクタ端子と、出力端子204と、の間に接続されている。この出力整合回路207は、トランジスタ202の最適化されたインピーダンスと出力端子204のインピーダンス(通常は50Ω)との間で、インピーダンス整合を行っている。
電源電圧入力端子208Aは、トランジスタ201のコレクタ端子に設けられている。電源電圧入力端子208Aに、図示しない電圧源からの電源電圧Vcc1が入力されると、該電源電圧Vcc1は、トランジスタ201のコレクタ端子に印加される。
電源電圧入力端子208Bは、トランジスタ202のコレクタ端子に設けられている。電源電圧入力端子208Bに、図示しない電圧源からの電源電圧Vcc2が入力されると、該電源電圧Vcc2は、トランジスタ202のコレクタ端子に印加される。
電源電圧端子209は、バイアス回路(前段バイアス回路)211を介して、入力整合回路205と、トランジスタ201のベース端子と、の間に接続されている。電源電圧端子209に、図示しない電圧源からの電圧Vbb1が入力されると、該電圧Vbb1は、バイアス回路211に印加される。バイアス回路211は、電圧Vbb1に応じたベースバイアス電流を生成し、該ベースバイアス電流をトランジスタ201のベース端子に供給する。
電源電圧端子210は、バイアス回路(出力段バイアス回路)212を介して、段間整合回路206と、トランジスタ202のベース端子と、の間に接続されている。電源電圧端子210に、図示しない電圧源からの電圧Vbb2が入力されると、該電圧Vbb2は、バイアス回路212に印加される。バイアス回路212は、電圧Vbb2に応じたベースバイアス電流を生成し、該ベースバイアス電流をトランジスタ202のベース端子に供給する。
〔比較例〕
ここでは、本発明に対する比較例としての、上述した特許文献1に開示されている電力増幅器(以下、「従来型電力増幅器」と称する)の、上記図8に示す電力増幅器の基本回路構成に基づくシミュレーション回路、および、該シミュレーション回路により測定した、出力電力特性のシミュレーション結果について説明を行う。
図9は、上記従来型電力増幅器のシミュレーション回路の構成を示す図である。
図9に示すとおり、上記従来型電力増幅器は、シミュレーション回路として表すと、上記図8に示す電力増幅器の基本回路構成において、バイアス回路211として、ダイオードD1およびD2、抵抗R1およびR2、およびバイポーラトランジスタT1を備え、バイアス回路212として、ダイオードD3およびD4、抵抗R3、バイポーラトランジスタT2、および、抵抗221とキャパシタ222とを備えた歪補償回路(出力段歪補償回路)220を備える構成であると解釈することができる。
抵抗R1の一端は、電源電圧端子209に接続されている。抵抗R1の他端は、ダイオードD2のアノードと、バイポーラトランジスタT1のベース端子と、に接続されている。ダイオードD2のカソードは、ダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1のカソードは、接地されている。バイポーラトランジスタT1のコレクタ端子は、電源電圧端子213を介して、直流電源電圧Vdc1を供給するための、図示しない直流電源に接続されている。バイポーラトランジスタT1のエミッタ端子は、トランジスタ201の熱暴走防止のための安定化抵抗である抵抗(前段ベースバラスト抵抗)R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は、入力整合回路205とトランジスタ201のベース端子との間に接続されている。
抵抗R3の一端は、電源電圧端子210に接続されている。抵抗R3の他端は、ダイオードD4のアノードと、バイポーラトランジスタT2のベース端子と、に接続されている。ダイオードD4のカソードは、ダイオードD3のアノードに接続されている。ダイオードD3のカソードは、接地されている。バイポーラトランジスタT2のコレクタ端子は、電源電圧端子214を介して、直流電源電圧Vdc2を供給するための、図示しない直流電源に接続されている。バイポーラトランジスタT2のエミッタ端子は、段間整合回路206とトランジスタ202のベース端子との間に接続されている。
さらに、バイポーラトランジスタT2のベース端子には、歪補償回路220が接続されている。歪補償回路220は、抵抗221の一端がバイポーラトランジスタT2のベース端子に接続されており、抵抗221の他端がキャパシタ222の一端に接続されており、キャパシタ222の他端が接地されている、抵抗221およびキャパシタ222の直列回路である。
ここで、バイアス回路211および212における、ベースバイアス電流の生成要領についての説明を行う。
まずは、直流動作(DC動作)から説明する。トランジスタ201と、トランジスタ201に対してベース電流を供給するバイポーラトランジスタT1のコレクタ端子と、には、電圧が印加される。このとき、バイアス回路211に電圧Vbb1がさらに印加されると、バイポーラトランジスタT1は導通するため、トランジスタ201には、ベース電流が流れ込む。なお、トランジスタ201には、そのベース電流値に応じたコレクタ電流(アイドル電流)が流れる。同様に、トランジスタ202と、トランジスタ202に対してベース電流を供給するバイポーラトランジスタT2のコレクタ端子と、には、電圧が印加される。このとき、バイアス回路212に電圧Vbb2がさらに印加されると、バイポーラトランジスタT2は導通するため、トランジスタ202には、ベース電流が流れ込む。なお、トランジスタ202には、そのベース電流値に応じたコレクタ電流(アイドル電流)が流れる。ここで、バイポーラトランジスタT1およびT2のそれぞれからのアイドル電流は、電圧Vbb1およびVbb2の各電圧値によって変わるが、通常、バイアス電圧が特定の値(たとえば2.8V)に決まっているため、抵抗R1およびR3の各抵抗値に応じて、各アイドル電流は決定され、このアイドル電流の大きさで、トランジスタ201および202の各々の動作点(A、AB級、またはB級)が決定される。なお、直流動作であるため、この動作点は、歪補償回路のインピーダンスに影響されない。
次に上記直流動作中に、入力端子203より変調信号(入力信号Pin)を入力した場合の動作(AC動作)について説明する。トランジスタ201および202にはそれぞれ、自身のコレクタ端子から見た各負荷インピーダンスに応じた各コレクタ電流が流れ、各コレクタ電流に応じた各ベース電流が、バイアス回路211および212の各々より供給される。トランジスタ202のベース端子に接続されたバイアス回路212には、歪補償回路220が付加されており、AC動作時には、歪補償回路220のインピーダンスが影響する、即ち、バイアス回路212の出力インピーダンスが、歪補償回路220のインピーダンスに依存する。例えば、トランジスタ202の飽和出力電力を最大にできる、歪補償回路220の条件、即ち、後に詳述するが、抵抗221の抵抗値Rx=0Ω、キャパシタ222の静電容量Cx=無限大の場合は、バイポーラトランジスタT2のベース端子のインピーダンスは、AC的に接地されていることになるため、バイアス回路212の出力インピーダンスは非常に小さくなる。
ここで、図9に示す従来型電力増幅器では、歪補償回路220による歪補償が行われない、トランジスタ201のベースバイアス点が、A級またはA級に近いAB級に設定されている。このとき、トランジスタ201は、図10(a)に示すとおり、出力電力の上昇に伴い利得が減少する、上記歪み特性を有する(即ち、利得はマイナス方向に歪む)。
また、図9に示す従来型電力増幅器では、歪補償回路220による歪補償が行われる、トランジスタ202のベースバイアス点が、B級またはB級に近いAB級に設定される。このとき、トランジスタ202は、図10(a)に示すとおり、出力電力の上昇に伴い利得が増加する、上記歪み特性を有する(即ち、利得はプラス方向に歪む)。
なお、トランジスタ201および202が、上記の各歪み特性を有する理由は、下記の通りである。
図11(a)は、トランジスタの動作点を、B級、AB級、およびA級へと変化させたときの、該トランジスタの、出力電力(横軸)と利得(縦軸)との関係を示したグラフである。
図11(b)は、トランジスタの動作点を、B級、AB級、およびA級へと変化させたときの、該トランジスタの、出力電力(横軸)と流れるコレクタ電流の電流密度(縦軸)との関係を示したグラフである。
一般に、トランジスタの利得は、コレクタ端子に流れる電流の電流密度(単位エミッタ面積あたりの電流値)に依存しており、該電流密度が大きいほど、利得が大きくなるという特性を有している。
A級動作であるトランジスタ201では、図11(b)に示すとおり、出力電力が小さい領域から、十分大きな電流密度(約5kA/cm)のコレクタ電流が流れるため、図11(a)に示すとおり、小信号(低い出力電力)領域から大信号(高い出力電力)領域までの広い出力電力の範囲において、ほぼ一定の利得が得られる。しかしながら、トランジスタ201への入力電力が上昇し、トランジスタ201に流れるベース電流が増加すると、バイアス回路211の内部抵抗に起因した電圧降下により、トランジスタ201のベース電圧は低下する。なお、該ベース電圧の低下度合は、バイアス回路211の内部抵抗(出力インピーダンス)の大きさに依存する。このため、出力電力が大きくなると、トランジスタ201の利得はわずかながら減少する(図11(a)参照)。つまり、A級動作であるトランジスタ201は、出力電力の上昇に伴い利得が減少する、上記歪み特性を有する。
一方、AB級動作であるトランジスタ202では、出力電力が小さい領域では、図11(b)に示すとおり、コレクタ電流密度が約2〜3kA/cmと小さいため、図11(a)に示すとおり、出力電力の小さい小信号領域では利得が低いが、出力電力の大きい大信号領域になるとコレクタ電流が徐々に大きくなるため、それに伴い電流密度が高くなり、利得が増加する特性となる。
図9に戻って、歪補償回路220は、抵抗221の抵抗値Rxおよび/またはキャパシタ222の静電容量Cxを変化させることで、バイアス回路212の出力インピーダンスの値を適宜変化させる。バイアス回路212の出力インピーダンス値の変化により、歪補償回路220は、トランジスタ202における、入力電力に対する出力電力の歪み特性を変化させるものである。
具体的に、歪補償回路220は、図10(a)に示すトランジスタ202の上記振幅歪み特性と、図10(a)に示すトランジスタ201の該振幅歪み特性と、を合成することで、従来型電力増幅器全体としての、入力電力に対する出力電力の歪みが相殺されるように、トランジスタ202のベース端子に接続されたバイアス回路212の出力インピーダンスの値を設定して、トランジスタ202の上記歪み特性を調整するものである。換言すれば、歪補償回路220は、トランジスタ202の上記歪み特性を、トランジスタ201の該歪み特性と略反対となるように変化させる。これにより、増幅段前段を構成するトランジスタ201と、増幅段後段(出力段)を構成するトランジスタ202と、でそれぞれ発生している歪みは相殺される。結果、図9に示す従来型電力増幅器全体では、図10(b)に示すとおり、出力電力Poutの振幅の歪みが概ねキャンセルされる、即ち、広い出力電力Poutの振幅の範囲において、利得偏差が概ね0dBとなっている。
図12(a)〜(d)は、図9の従来型電力増幅器における出力電力特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
なお、図12(a)〜(d)等、以下で説明する、出力電力特性のシミュレーション結果を示す各グラフは、縦軸を電力増幅器の利得偏差dGain1(単位:dB)、横軸を電力増幅器の出力電力Pout(単位:dBm)としている。
利得偏差とは、小信号(出力電力Poutが低い)時の利得を基準(0dB)としたとき、出力電力Poutが増加した時の利得の変化を表している。線形電力増幅器では、この利得偏差が、出力電力Poutが大きくなっても変化しない、つまり振幅歪みが小さい特性が望ましい。また、一般的に線形電力増幅器の利得偏差の出力電力Poutに対する依存性は、ある出力電力Poutまで一定に推移するが、やがて入力電力Pinをいくら大きくしても増加しなくなる。この時の最大出力電力を飽和出力電力という。線形電力増幅器では、この飽和出力電力ができるだけ大きいことが望ましい。
図12(a)は歪補償回路220のキャパシタ222の静電容量Cxを4pFに固定して、抵抗221の抵抗値Rxを、50Ω、150Ω、250Ω、および350Ωに変化させた場合の利得偏差dGain1の出力電力依存性を示す。図12(b)は、同図(a)に示すグラフにおいて、出力電力Poutの27dBm〜33dBmの範囲を拡大して示したグラフである。
図12(c)は歪補償回路220の抵抗221の抵抗値Rxを50Ωに固定して、キャパシタ222の静電容量Cxを、1pF、2pF、3pF、および4pFに変化させた場合の利得偏差dGain1の出力電力依存性を示す。図12(d)は、同図(c)に示すグラフにおいて、出力電力Poutの27dBm〜33dBmの範囲を拡大して示したグラフである。
例えば、図12(a)および(b)に示すグラフにおいて、歪補償回路220の抵抗221の抵抗値Rx=50Ωの場合の飽和出力電力は約32.6dBmとなる。ここで、抵抗値Rxを、上記の50Ωから、150Ω、250Ω、さらには、350Ωへと、順次大きくすると、グラフにあるように利得偏差dGain1が変化する。つまり、歪補償回路220の抵抗221の抵抗値Rxを変化させることで、上記従来型電力増幅器では、出力電力Poutに対する利得偏差dGain1を調整することができ、電力増幅器の低歪み化が可能となる。図12(a)に示すグラフによれば、歪補償回路220の抵抗221の抵抗値Rxを250Ωとした場合、図9に示す従来型電力増幅器の振幅歪みは最も小さくなると言える。
一方、従来型電力増幅器の飽和出力電力は、歪補償回路220の抵抗221の抵抗値Rxが大きくなる程に、低下している。特に、歪補償回路220の抵抗221の抵抗値Rxを350Ωとした場合、該飽和出力電力は、図12(b)に示すとおり、約31.4dBmにまで低下してしまい、抵抗値Rxを50Ωとした時と比較すると、約1.2dBも小さくなっている。
また、例えば、図12(c)および(d)に示すグラフにおいて、歪補償回路220のキャパシタ222の静電容量Cx=4pFの場合の飽和出力電力は、約32.6dBmとなる。ここで、静電容量Cxを、上記の4pFから、3pF、2pFさらには、1pFへと、順次小さくすると、グラフにあるように利得偏差dGain1は変化する。つまり、歪補償回路220のキャパシタ222の静電容量Cxを変化させることで、上記従来型電力増幅器では、出力電力Poutに対する利得偏差dGain1を調整することができ、電力増幅器の低歪み化が可能となる。この場合、図12(c)に示すグラフによれば、歪補償回路220のキャパシタ222の静電容量Cxを2pFとした場合、図9に示す従来型電力増幅器の振幅歪みは最も小さくなると言える。
一方、従来型電力増幅器の飽和出力電力は、歪補償回路220のキャパシタ222の静電容量Cxが小さくなる程に、低下している。特に、歪補償回路220のキャパシタ222の静電容量Cxを1pFとした場合、該飽和出力電力は、図12(d)に示すとおり、約32.1dBmにまで低下してしまい、静電容量Cxを4pFとした時と比較すると、約0.5dB小さくなっている。
以上のように、上記従来型電力増幅器において、歪補償回路220による歪補償を実施することで、低歪みかつ高効率の電力増幅器を実現するためには、抵抗221の抵抗値Rxと、キャパシタ222の静電容量Cxと、の少なくとも一方を、最適な値に調整する必要がある。しかしながら、上記従来型電力増幅器において、飽和出力電力の低下をできるだけ抑制するためには、理想的には、抵抗221の抵抗値Rxは0とし、キャパシタ222の静電容量Cxを無限大としなければならない。そして、該調整に伴い、抵抗221の抵抗値Rxが大きくなってしまったり、キャパシタ222の静電容量Cxが小さくなってしまったりした場合には、従来型電力増幅器全体の飽和出力電力が低下してしまうという問題が発生する。
〔実施の形態1〕
ここでは、本発明の一実施の形態に係る、電力増幅器のシミュレーション回路、および、該シミュレーション回路により測定した、出力電力特性のシミュレーション結果について説明を行う。
図1は、本発明の一実施の形態に係る電力増幅器のシミュレーション回路の構成を示す図である。
図1に示すとおり、シミュレーション回路として表すと、本発明に係る電力増幅器1は、図9に示す上記従来型電力増幅器のシミュレーション回路の構成において、バイアス回路211に歪補償回路(前段歪補償回路)230をさらに備える構成である。歪補償回路230は、抵抗231とキャパシタ232との直列回路であり、該直列回路は、好ましくは図1に示すとおり、抵抗R2に対して並列に接続される。
なお、図1に示す電力増幅器1は、歪補償回路230を、ベースバラスト抵抗としての抵抗R2に対して並列接続となるように付加することにより、キャパシタ232のバイパス効果により、抵抗R2によるトランジスタ201のベース電圧の低下を抑制して、トランジスタ201の飽和出力電力の低下をさらに抑制している。この場合、歪補償回路230は、バイアス回路211の出力インピーダンスを調整するときには、抵抗R2に対して並列に接続するのが好ましい。
歪補償回路230は、抵抗231の抵抗値Ryおよびキャパシタ232の静電容量Cyの変化に応じて、トランジスタ201のベース端子に接続された、バイアス回路211の出力インピーダンスを適宜変化させる。このバイアス回路211の出力インピーダンスの変化により、歪補償回路230は、トランジスタ201における、入力電力に対する出力電力の歪み特性を変化させるものである。
図1に示す電力増幅器1では、まず、図9に示す従来型電力増幅器と同じく、トランジスタ201のベースバイアス点を、A級またはA級に近いAB級に設定し、かつ、トランジスタ202のベースバイアス点を、B級またはB級に近いAB級に設定する。このとき、トランジスタ201は、出力電力の上昇に伴い利得が減少する、上記歪み特性を有する一方、トランジスタ202は、出力電力の上昇に伴い利得が増加する、上記歪み特性を有する。
続いて、図1に示す電力増幅器1では、歪補償回路220の、抵抗221の抵抗値Rxを0とし、キャパシタ222の静電容量Cxを無限大とする。これにより、歪補償回路220は、トランジスタ202の飽和出力電力が最大となるように、バイアス回路212の出力インピーダンスの値を設定することとなる。なお、厳密に言えば、電力増幅器1および後述する電力増幅器2(図3参照)において、キャパシタ222の静電容量Cxは、入力電力Pinが有する周波数において、該静電容量Cxのインピーダンスの値が十分に大きくなる(即ち、バイアス回路212のインピーダンスが、十分小さくなる)値、例えば、電力増幅器1および後述する電力増幅器2の動作周波数が2GHz以上の場合は、10pF程度であればよい。
そして、その後、図1に示す電力増幅器1では、歪補償回路230の、抵抗231の抵抗値Ryおよび/またはキャパシタ232の静電容量Cyを適宜変化させて、バイアス回路211の出力インピーダンスの値を設定して、トランジスタ201の上記歪み特性を調整する。
具体的に、歪補償回路230は、飽和出力電力が最大となったトランジスタ202の上記歪み特性と、トランジスタ201の該歪み特性と、を合成することで、電力増幅器1の、入力電力に対する出力電力の歪みが相殺されるように、バイアス回路211の出力インピーダンスの値を設定して、トランジスタ201の上記振幅歪み特性を調整する。
図2(a)〜(d)は、図1に示す上記シミュレーション回路により測定した、電力増幅器1における出力電力特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
なお、図2(a)に示すグラフは、縦軸を電力増幅器1の利得偏差dGain1、横軸を電力増幅器1の出力電力Poutの振幅として、歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ryを、0Ω、10Ω、20Ω、30Ω、および40Ωに変化させた場合のそれぞれにおける、電力増幅器1全体での利得偏差dGain1と出力電力Poutの振幅との関係を示している。また、図2(b)に示すグラフは、同図(a)に示すグラフにおいて、出力電力Poutの振幅が27dBm〜33dBmに該当する範囲を拡大して示したグラフである。ここで、図2(a)および(b)において、歪補償回路230のキャパシタ232の静電容量Cyは、いずれも同一の値(4pF)であるものとする。
また、図2(c)に示すグラフは、縦軸を電力増幅器1の利得偏差dGain1、横軸を電力増幅器1の出力電力Poutの振幅として、歪補償回路230のキャパシタ232の静電容量Cyを、1pF、2pF、3pF、および4pFに変化させた場合のそれぞれにおける、電力増幅器1全体での利得偏差dGain1と出力電力Poutの振幅との関係を示している。また、図2(d)に示すグラフは、同図(c)に示すグラフにおいて、出力電力Poutの振幅が27dBm〜33dBmに該当する範囲を拡大して示したグラフである。ここで、図2(c)および(d)において、歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ryは、いずれも同一の値(0Ω)であるものとする。
さらに、図2(a)〜(d)に示すグラフにおいてはいずれも、図1に示す電力増幅器1において、歪補償回路220の、抵抗221の抵抗値Rxが0Ωであり、キャパシタ222の静電容量Cxが無限大である場合を示すものとする。
例えば、図2(a)および(b)に示すグラフにおいて、歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ry=0Ωの場合の飽和出力電力は約32.7dBmとなる。ここで、抵抗値Ryを、上記の0Ωから、10Ω、20Ω、30Ωさらには、40Ωへと、順次大きくすると、グラフにあるように利得偏差dGain1が変化する。つまり、歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ryを変化させることで、電力増幅器1では、出力電力Poutに対する利得偏差dGain1を調整することができ、電力増幅器1の低歪み化が可能となる。図2(a)に示すグラフによれば、歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ryを30Ωとした場合、電力増幅器1の振幅歪みは最も小さくなると言える。一方、飽和出力電力は歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ryが変化しても、ほぼ一定(約32.6〜約32.7dBm)となっている。
以上のとおり、予め、歪補償回路220の、抵抗221の抵抗値Rxが0Ωであり、キャパシタ222の静電容量Cxが無限大である、図1に示す電力増幅器1では、歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ryの大小に関らず、図2(b)に示すとおり、約32.6dBm〜約32.7dBmの高い飽和出力電力を得ることができる。
また、例えば、図2(c)および(d)に示すグラフにおいて、歪補償回路230のキャパシタ232の静電容量Cy=4pFの場合の飽和出力電力は32.7dBmとなる。ここで、静電容量Cyを、上記の4pFから、3pF、2pFさらには、1pFへと、順次小さくすると、グラフにあるように利得偏差dGain1が変化する。つまり、歪補償回路230のキャパシタ232の静電容量Cyを変化させることで、電力増幅器1では、出力電力Poutに対する利得偏差dGain1を調整することができ、電力増幅器1の低歪み化が可能となる。図2(c)に示すグラフによれば、歪補償回路230のキャパシタ232の静電容量Cyを2pFとした場合、電力増幅器1の振幅歪みは最も小さくなると言える。一方、飽和出力電力は歪補償回路230のキャパシタ232の静電容量Cyが変化しても、ほぼ一定(約32.7dBm)となっている。
以上のとおり、予め、歪補償回路220の、抵抗221の抵抗値Rxが0Ωであり、キャパシタ222の静電容量Cxが無限大である、図1に示す電力増幅器1では、歪補償回路230のキャパシタ232の静電容量Cyの大小に関らず、図2(d)に示すとおり、約32.7dBmの高い飽和出力電力を得ることができる。
〔実施の形態2〕
ここでは、本発明の別の実施の形態に係る、電力増幅器のシミュレーション回路、および、該シミュレーション回路により測定した、出力電力特性のシミュレーション結果について説明を行う。
図3は、本発明の別の実施の形態に係る電力増幅器のシミュレーション回路の構成を示す図である。
図3に示す電力増幅器2は、図1に示す電力増幅器1の構成において、さらに、バイアス回路212に、抵抗241およびキャパシタ242の直列回路である歪補償回路(出力段歪補償回路)240と、抵抗(出力段ベースバラスト抵抗)R12と、を備える。抵抗R12は、トランジスタ202のベース端子とバイポーラトランジスタT2のエミッタ端子との間に備えられており、トランジスタ202の熱暴走防止のためのバラスト抵抗である。
図3に示す電力増幅器2は、図1に示す電力増幅器1の構成において、歪補償回路230と同様の構成(抵抗241およびキャパシタ242の直列回路)および機能を有している歪補償回路240を、ベースバラスト抵抗としての抵抗R12に対して並列接続となるように付加することにより、キャパシタ242のバイパス効果により、抵抗R12によるトランジスタ202のベース電圧の低下を抑制して、トランジスタ202の飽和出力電力の低下をさらに抑制することができる。
図4は、図3に示す上記シミュレーション回路により測定した、電力増幅器2における出力電力特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
なお、図4に示すグラフは、縦軸を電力増幅器2の利得偏差dGain1、横軸を電力増幅器2の出力電力Poutとして、歪補償回路220の、抵抗221の抵抗値Rxを0Ω、キャパシタ222の静電容量Cxを10pF(無限大)とし、歪補償回路230の、抵抗231の抵抗値Ryを0Ω、キャパシタ232の静電容量Cyを10pFとし、歪補償回路240の、抵抗241の抵抗値Rzを0Ω、キャパシタ242の静電容量Czを10pFとした場合における、該電力増幅器2全体での利得偏差dGain1と出力電力Poutの振幅との関係を示している。換言すれば、図4に示すグラフは、図3に示す電力増幅器2において、トランジスタ201および202の両方を、飽和出力電力が最大となるように設定した場合の、電力増幅器2全体での利得偏差dGain1と出力電力Poutの振幅との関係を示している。
図4に示すグラフでは、利得偏差dGain1が約0.0dB〜約0.7dBの間に維持されている。また、電力増幅器2の飽和出力電力は、約33.0dBmである。
図5は、図3に示す上記シミュレーション回路により測定した、電力増幅器2における出力電力特性の、別のシミュレーション結果を示すグラフである。
なお、図5に示すグラフは、縦軸を電力増幅器2の利得偏差dGain1、横軸を電力増幅器2の出力電力Poutの振幅として、歪補償回路220の、抵抗221の抵抗値Rxを0Ωまたは180Ω(即ち、抵抗値Rxを調整する)、キャパシタ222の静電容量Cxを10pFとし、歪補償回路230の、抵抗231の抵抗値Ryを0Ω、キャパシタ232の静電容量Cyを10pFとし、歪補償回路240の、抵抗241の抵抗値Rzを0Ω、キャパシタ242の静電容量Czを10pFとした場合における、該電力増幅器2全体での利得偏差dGain1と出力電力Poutの振幅との関係を示している。
図5に示すグラフにおいて、歪補償回路220の抵抗221の抵抗値Rxが0Ωである場合は、図4に示すグラフと同じ電力増幅器2の条件となる。
一方、図5に示すグラフにおいて、歪補償回路220の抵抗221の抵抗値Rxが180Ωである場合は、出力電力Poutが約10dBm〜約30dBmの範囲において、利得偏差dGain1が、約0dBに維持される。即ち、該範囲において、電力増幅器2の振幅は、ほとんど歪んでいない。しかしながら、図5に示すグラフにおいて、歪補償回路220の抵抗221の抵抗値Rxが180Ωである場合は、電力増幅器2の飽和出力電力は、約32.0dBmであり、歪補償回路220の抵抗221の抵抗値Rxが0Ωである場合(約33.0dBm)と比較して1dB程低下している。
図6は、図3に示す上記シミュレーション回路により測定した、電力増幅器2における出力電力特性の、さらに別のシミュレーション結果を示すグラフである。
なお、図6に示すグラフは、縦軸を電力増幅器2の利得偏差dGain1、横軸を電力増幅器2の出力電力Poutの振幅として、歪補償回路220の、抵抗221の抵抗値Rxを0Ω、キャパシタ222の静電容量Cxを10pFとし、歪補償回路230の、抵抗231の抵抗値Ryを0Ωまたは70Ω(即ち、抵抗値Ryを調整する)、キャパシタ232の静電容量Cyを10pFとし、歪補償回路240の、抵抗241の抵抗値Rzを0Ω、キャパシタ242の静電容量Czを10pFとした場合における、該電力増幅器2全体での利得偏差dGain1と出力電力Poutの振幅との関係を示している。
図6に示すグラフにおいて、歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ryが0Ωである場合は、図4に示すグラフと同じ電力増幅器2の条件となる。
一方、図6に示すグラフにおいて、歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ryが70Ωである場合は、出力電力Poutの振幅が約10dBm〜約30dBmの範囲において、利得偏差dGain1が、約0.0dB〜約0.2dBに維持される。即ち、該範囲において、電力増幅器2の利得は、歪みが大幅に低減されている。さらに、図6に示すグラフにおいて、電力増幅器2の飽和出力電力は、約33.0dBmであり、歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ryが0Ωである場合と比較してほとんど変化がない。
つまり、図6に示すグラフにおいて、歪補償回路230の抵抗231の抵抗値Ryが70Ωである場合は、低歪みかつ高効率の電力増幅器2の実現に伴い、電力増幅器2の飽和出力電力の低下が抑制されている。
なお、上記の各実施の形態では、増幅素子としてのトランジスタを2個備えた、増幅段が2段の電力増幅器について説明を行ってきたが、増幅段の段数はこれに限定されず、本発明は、増幅素子としてのトランジスタを3個以上備えた、増幅段が3段以上の電力増幅器においても適用可能である。
増幅段が3段以上の電力増幅器において、本発明を適用する場合は、該増幅段における出力段(最も後段)を構成するトランジスタの飽和出力電力を最大とし、該出力段よりも前段の増幅段を構成する、少なくとも1個のトランジスタの上記歪み特性を、前段歪補償回路により変化させて、上述した要領で、電力増幅器の、入力電力に対する出力電力の歪みを相殺すればよい。
〔実施の形態3〕
図7は、本発明に係る電力増幅器を備えた無線通信装置の構成を示す回路ブロック図である。
図7に示す無線通信装置30は、電力増幅器36からの出力信号(出力電力Pout)を外部に出力するアンテナ(送信アンテナ)31と、上記アンテナ31が接続されたアンテナ共用器32と、上記アンテナ共用器32の出力端子に接続された受信回路33と、上記アンテナ共用器32の入力端子に接続された送信回路34と、上記受信回路33からの受信信号を受信するものであり、変復調器およびベースバンド回路等を有する回路ブロック35と、上記回路ブロック35からの送信信号を受信する前段回路37と、上記前段回路37からの送信信号を増幅して、アンテナ共用器32に出力する電力増幅器36と、を備える構成である。なお、無線通信装置30は、上記電力増幅器36と前段回路37とで、機能ブロックとしての送信回路34を構成している。
上記電力増幅器36としては、電力増幅器1(図1参照)または電力増幅器2(図3参照)を使用することによって、無線通信装置30の送信時の特性を低歪みかつ高効率にすることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、低歪みかつ高効率の電力増幅器の実現に伴う、飽和出力電力の低下の虞を低減することが可能になるという効果を奏するものである。このため、本発明は、携帯端末などの無線通信装置において、デジタル信号の変調波を、低歪みかつ高効率に電力増幅する電力増幅器、電力増幅器の制御方法、および無線通信装置に適用することできる。
本発明の一実施の形態に係る電力増幅器のシミュレーション回路の構成を示す図である。 図2(a)〜(d)は、図1に示すシミュレーション回路により測定した、上記電力増幅器における出力電力特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の別の実施の形態に係る電力増幅器のシミュレーション回路の構成を示す図である。 図3に示すシミュレーション回路により測定した、上記電力増幅器における出力電力特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 図3に示すシミュレーション回路により測定した、上記電力増幅器における出力電力特性の、別のシミュレーション結果を示すグラフである。 図3に示すシミュレーション回路により測定した、上記電力増幅器における出力電力特性の、さらに別のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明に係る電力増幅器を備えた無線通信装置の構成を示す回路ブロック図である。 一般的な電力増幅器の基本回路構成を示す図である。 従来技術に係る電力増幅器のシミュレーション回路の構成を示す図である。 図10(a)は、前段バイポーラトランジスタと出力段バイポーラトランジスタとの、出力電力に対する利得の関係(歪み特性)を示すグラフであり、図10(b)は、図9に示す電力増幅器の、出力電力に対する利得の関係(歪み特性)を示すグラフである。 図11(a)は、トランジスタの動作点を、B級、AB級、およびA級へと変化させたときの、出力電力と利得との関係を示したグラフであり、図11(b)は、トランジスタの動作点を、B級、AB級、およびA級へと変化させたときの、出力電力と流れるコレクタ電流の電流密度との関係を示したグラフである。 図12(a)〜(d)は、図9に示すシミュレーション回路により測定した、従来技術に係る電力増幅器における出力電力特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 従来技術に係る電力増幅器の回路構成を示す図である。
符号の説明
1、2、36 電力増幅器
30 無線通信装置
31 アンテナ(送信アンテナ)
201 トランジスタ(前段バイポーラトランジスタ)
202 トランジスタ(出力段バイポーラトランジスタ)
211 バイアス回路(前段バイアス回路)
212 バイアス回路(出力段バイアス回路)
220 歪補償回路(出力段歪補償回路)
230 歪補償回路(前段歪補償回路)
240 歪補償回路(出力段歪補償回路)
Cx キャパシタ222の静電容量
Cy キャパシタ232の静電容量
Cz キャパシタ242の静電容量
R2 抵抗(前段ベースバラスト抵抗)
R12 抵抗(出力段ベースバラスト抵抗)
Rx 抵抗221の抵抗値
Ry 抵抗231の抵抗値
Rz 抵抗241の抵抗値

Claims (9)

  1. バイポーラトランジスタからなる増幅段を、複数有しており、
    複数の上記増幅段における出力段を構成する、出力段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された出力段バイアス回路と、出力段よりも前段の増幅段を構成する、前段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された前段バイアス回路と、を備える電力増幅器であって、
    上記出力段バイポーラトランジスタの飽和出力電力が最大となるように、上記出力段バイアス回路の出力インピーダンスを低く設定する出力段歪補償回路と、
    上記飽和出力電力が最大となった上記出力段バイポーラトランジスタの、入力電力に対する出力電力の振幅歪み特性と、上記前段バイポーラトランジスタの、該振幅歪み特性と、により、上記電力増幅器の、入力電力に対する出力電力の振幅歪みを相殺するように、上記前段バイアス回路の出力インピーダンスを設定する前段歪補償回路と、を備えることを特徴とする電力増幅器。
  2. 上記前段バイポーラトランジスタは、出力電力の上昇に伴い利得が減少する、上記振幅歪み特性を有している一方、
    上記出力段バイポーラトランジスタは、出力電力の上昇に伴い利得が増加する、上記振幅歪み特性を有していることを特徴とする請求項1に記載の電力増幅器。
  3. 上記前段歪補償回路は、抵抗およびキャパシタの直列回路であり、該抵抗の抵抗値および該キャパシタの静電容量の少なくとも一方を変化させることで、上記前段バイアス回路の出力インピーダンスを所望の値に設定するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電力増幅器。
  4. 上記前段歪補償回路は、上記前段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された前段ベースバラスト抵抗に対して並列に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の電力増幅器。
  5. 上記出力段歪補償回路は、抵抗およびキャパシタの直列回路であり、該抵抗の抵抗値および該キャパシタの静電容量の少なくとも一方を変化させることで、上記出力段バイアス回路の出力インピーダンスを所望の値に設定するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力増幅器。
  6. 上記出力段歪補償回路は、上記出力段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された出力段ベースバラスト抵抗に対して並列に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の電力増幅器。
  7. バイポーラトランジスタからなる増幅段を、複数有しており、
    複数の上記増幅段における出力段を構成する、出力段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された出力段バイアス回路と、出力段よりも前段の増幅段を構成する、前段バイポーラトランジスタのベース端子に接続された前段バイアス回路と、を備える電力増幅器の制御方法であって、
    上記出力段バイポーラトランジスタの飽和出力電力が最大となるように、上記出力段バイアス回路の出力インピーダンスを低く設定し、
    上記飽和出力電力が最大となった上記出力段バイポーラトランジスタの、入力電力に対する出力電力の振幅歪み特性と、上記前段バイポーラトランジスタの、該振幅歪み特性と、により、上記電力増幅器の、入力電力に対する出力電力の振幅歪みを相殺するように、上記前段バイアス回路の出力インピーダンスを調整することを特徴とする電力増幅器の制御方法。
  8. さらに、上記前段バイポーラトランジスタの動作方式を、A級またはAB級とし、かつ、上記出力段バイポーラトランジスタの動作方式を、B級またはAB級とすることを特徴とする請求項7に記載の電力増幅器の制御方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力増幅器と、
    上記電力増幅器からの出力信号を受信し、外部に出力する送信アンテナと、を備えた無線通信装置。
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