JP3607855B2 - 電力増幅器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力増幅器および通信装置に関し、特に、低歪増幅を必要とする無線通信装置等で使用される送信用電力増幅器および当該電力増幅器を備える通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の移動体通信システムに例を見るごとく、準マイクロ波、マイクロ波帯の無線通信システムが急速に普及している。これは、携帯端末の軽量化、低消費電力化が大いに寄与している。
【0003】
携帯端末の軽量化のためには、使用するバッテリをより軽量の小容量タイプにすることが効果的である。しかしながら、一般に小容量タイプを使用すると電池切れまでの使用時間が短くなる。このため、送信時に端末の消費電力のほとんどを占める送信用電力増幅器に関しては、低消費電力化、すなわち電力効率の向上が強く求められている。
【0004】
従来のFM変復調方式を用いた等振幅アナログ変復調システムでは、電力増幅器を飽和状態で動作させることが可能であったため電力増幅器の高効率化が比較的容易であった。これに対し最近では、周波数利用効率の高いQPSK変調等を用いたデジタル変復調を採用する通信システムが主流になりつつある。
【0005】
これらのデジタル変復調方式では、信号の振幅および位相の両方で情報が搬送されるため、電力増幅器は入力信号を線形増幅することが要求される。一般に、入力電力の増大に伴う出力電力の増大が飽和に近づくほど電力増幅器の歪および電力効率は大きくなるため、電力効率と低歪性とはトレードオフの関係にある。したがって、歪補償回路を付加し、高入力電力でも低歪動作をさせることによって電力効率の向上を図る場合が多い。その一例が、「高周波増幅回路(特開平9−260964号公報)」に記載されている(以下、文献1と記す)。
【0006】
図15は、文献1に開示された電力増幅器の回路構成を示す図である。図15を参照して、電力増幅器900は、電力増幅用のバイポーラトランジスタTr90、ダイオードD90、キャパシタC90、バイアス抵抗R91,R92を備える。ダイオードD90およびキャパシタC90は、歪補償回路を構成する。バイアス電圧Vbが与えられると、バイポーラトランジスタTr90のベースバイアス条件は、バイアス抵抗R91、R92およびダイオードD90の直流特性によって決定される。
【0007】
キャパシタC90は、電力増幅器900の動作周波数において高周波的には接地された状態とみなされる容量を有しており、バイポーラトランジスタTr90のベース端からダイオードD90側を見たときのインピーダンスは、高周波的にはダイオードD90が有する抵抗成分および容量成分のみとなる。また、高周波的には、当該インピーダンスは、バイポーラトランジスタTr90のベース−エミッタ間に並列に接続されたものと等価である。
【0008】
入力信号によって、バイポーラトランジスタTr90のベース−エミッタ間の瞬時電圧は時間的に変動する。しかし、ベース−エミッタ間はダイオード特性を有するため、無信号時の電圧を基準とした場合、当該瞬時電圧の高電圧側での変動と低電圧側での変動とは対称にならず、入力電力によって平均電圧が変動する。具体的には、ダイオードの特性上、両端電圧が高くなり電流が増加するとインピーダンスが低下するため、高電圧側の電圧振幅は小さく、入力信号によって平均電圧は低電圧側にシフトする。また、当該シフト量は入力電力が増大するに従って大きくなる。
【0009】
ダイオードが有する容量成分は、ダイオードの両端にかかる電圧に依存する(両端電圧依存性)。このため、入力電力の増大による上記電圧シフトにより、バイポーラトランジスタTr90のベース−エミッタ間の容量が変化する。このためベース端から見たバイポーラトランジスタTr90のリアクタンス成分が変化するため、信号の通過位相が変化する。これは、いわゆる振幅−位相歪であり、電力増幅器の歪要因となる。
【0010】
図15に示す電力増幅器900では、ダイオードD90とキャパシタC90とで構成される歪補償回路を付加することによって、バイポーラトランジスタTr90のベース−エミッタ間容量の非線形性に起因する位相歪を補償している。
【0011】
すなわち、入力電力の増大によって、バイポーラトランジスタTr90のダイオード部分(ベース−エミッタ間)の平均電圧は低下するが、同時にバイポーラトランジスタTr90のベース−エミッタと高周波的に並列接続されたダイオードD90の両端平均電圧が増大する。このため、入力電力の増減によるバイポーラトランジスタTr90のベース−エミッタ間におけるダイオード容量値の変化とダイオードD90の容量値の変化とが打消し合い、電力増幅器における通過位相の入力電力依存性が緩和される。これにより、バイポーラトランジスタTr90は、実効的により飽和に近い入力電力でも線形性を維持できる。したがって、電力効率が向上することになる。
【0012】
また、バイアス電源VbとバイポーラトランジスタTr90のベースとの間が固定抵抗のみで接続されている場合には、入力電力が増大しベース電力が大きくなるほど当該固定抵抗部分での電圧低下によるベース電流増大抑制効果は高くなる。このためコレクタ電流の増大も抑制され、入力電力の増大による利得の減少、いわゆる振幅−振幅歪が生じることになる。これに対し、電力増幅器900では、ダイオードD90に流れるベース電流が大きいほどダイオードD90における抵抗成分が低下し、電圧降下が緩和されるため、振幅−振幅歪も低減することが可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、電力増幅器の低歪化のためには、振幅−位相歪特性と振幅−振幅特性の補償とが必要となる。しかしながら、上記の電力増幅器900における歪補償方法では、ダイオードD90の抵抗成分と容量成分との非線形性のみを用いて歪み補償を行なうため、一旦使用するダイオードD90が決定されるとその抵抗成分および容量成分の非線形性が同時に固定され、これらの非線形性を個別に最適値に設定することができない。
【0014】
したがって、振幅−位相歪または振幅−振幅歪のどちらか一方しか補償できない場合や、一方の歪補償することによって他方の歪がかえって悪化するという場合も生じ得るという問題がある。また、振幅−位相歪補償と振幅−振幅歪補償とを同時に実現しようとすると、いずれの歪の補償も不十分なものになってしまう場合も生じるという問題が発生する。
【0015】
このような電力増幅器では、低歪みを維持するためにバイアス電流を大きくして動作させたりする必要がある。したがって、低歪みを実現すると電力効率が低下すなわち消費電力が増大するため、バッテリ駆動の通信端末に当該電力増幅器を使用すると、電池切れまでの通信時間が短くなってしまう。
【0016】
そこで、本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、低歪でかつ電力効率が高い電力増幅器を提供すること、および当該電力増幅器を備える低消費電力の通信装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明のある局面による電力増幅器は、エミッタ接地型の第1のバイポーラトランジスタを含む電力増幅素子と、第1のバイポーラトランジスタのベースにバイアス電圧を供給する電圧供給手段と、電力増幅素子の歪みを補償する歪補償回路とを備え、歪補償回路は、電圧供給手段と第1のバイポーラトランジスタのベースとの間に配置される可変インピーダンス素子と、第1のバイポーラトランジスタから可変インピーダンス素子をみたときのリアクタンス成分および抵抗成分の少なくともいずれかを調整するための調整回路とを含む。
【0018】
したがって、上記電力増幅器によれば、増幅用バイポーラトランジスタのベース端から可変インピーダンス素子側を見たときのリアクタンス成分および抵抗成分のそれぞれを個別に調整することができる。したがって、個別に振幅−振幅歪および振幅−位相歪の補償を行なうことが可能となる。この結果、電力増幅器の低歪化が実現される。
【0019】
好ましくは、電力増幅器は、一方の端子が電圧供給手段に接続される抵抗素子と、抵抗素子の他方の端子と接地電位との間に接続されるキャパシタンス素子とを含む。
【0020】
したがって、上記電力増幅器によれば、増幅用バイポーラトランジスタのベース端から可変インピーダンス素子側を見たときのリアクタンス成分および抵抗成分のそれぞれを、抵抗素子とキャパシタンス素子とで個別に調整することが可能となる。特に、抵抗成分が小さいほど当該抵抗成分での信号電力消費によって電力増幅器の利得が低下するが、抵抗成分の調整よりもリアクタンス成分の調整による歪補償の方が効果が大きい場合などでは、抵抗素子を付加することによって抵抗成分の増大が可能であり、電力増幅器の利得向上を可能とする。
【0021】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、電圧供給手段と接続されるアノードと、第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるカソードとを有するダイオード素子で構成される。
【0022】
したがって、上記電力増幅器によれば、可変インピーダンス素子として特にダイオードを用いるため、可変インピーダンス素子の両端電圧依存性と増幅用のバイポーラトランジスタのベース−エミッタ間のダイオード部分におけるインピーダンスの両端電圧依存性とが同型となる。これにより、広範囲の入力電力に対する歪補償に対し特に効果を奏することが可能となる。
【0023】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、電圧供給手段と第1のバイポーラトランジスタのベースとの間で、PN接合を形成するように構成される第2のバイポーラトランジスタを含む。
【0024】
したがって、上記電力増幅器によれば、バイポーラトランジスタのダイオード部分を可変インピーダンス素子として用いることにより、増幅用バイポーラトランジスタと同一の製造工程で可変インピーダンス素子を製造することが可能となる。また、電力増幅器で用いられる半導体素子の種類をバイポーラトランジスタ1種に限定することができるため、電力増幅器で使用する回路素子の回路設計用デバイスパラメータ抽出作業が簡素化される。さらに、可変インピーダンス素子を含む電力増幅器回路を半導体基板上にモノリシック化できるため、電力増幅器の小型化が可能となる。
【0025】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるエミッタと、電圧供給手段と接続されるベースと、抵抗素子とキャパシタンス素子との接続ノードに接続されるコレクタとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される。
【0026】
したがって、上記電力増幅器によれば、第2のバイポーラトランジスタのエミッタ電流はベース電流とコレクタ電流との和になるが、このコレクタ電流はベース電流にほぼ比例するため、エミッタ電流もバイアス電圧に対してはダイオード的な電流−電圧特性を有することになる。したがって、第2のバイポーラトランジスタは可変インピーダンス素子として機能する。
【0027】
この結果、コレクタ電流が抵抗素子によって可変であるため、エミッタ電流も抵抗素子によって可変となる。したがって、使用する可変インピーダンス素子であるバイポーラトランジスタを選定した後であっても、抵抗素子によってバイポーラトランジスタの可変抵抗特性を調節することが可能となる。この結果、歪補償の調整自由度が広がる。
【0028】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるコレクタと、電圧供給手段と接続されるベースと、抵抗素子とキャパシタンス素子との接続ノードに接続されるエミッタとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される。
【0029】
したがって、上記電力増幅器によれば、第2のバイポーラトランジスタのコレクタ電流は、バイアス電圧に対してはダイオード的な電流−電圧特性になり、可変インピーダンス素子として機能する。この場合、エミッタ電流が抵抗素子によって可変であるため、コレクタ電流も抵抗素子によって可変となる。したがって、使用する第2のバイポーラトランジスタを選定した後であっても、抵抗素子によって第2のバイポーラトランジスタにおける可変抵抗特性を調整することが可能となり、歪補償の調整自由度が広がる。
【0030】
好ましくは、調整回路は、一方の端子が電圧供給手段に接続され、他方の端子が可変インピーダンス素子と接続される抵抗素子と、電圧供給手段と接地電位との間に接続されるキャパシタンス素子とを含む。
【0031】
したがって、上記電力増幅器によれば、増幅用バイポーラトランジスタのベース端から可変インピーダンス素子側を見たときのリアクタンス成分および抵抗成分を抵抗素子およびキャパシタンス素子のそれぞれで個別に調整することが可能となる。したがって、振幅−振幅歪および振幅−位相歪の補償を両立させることが可能となり、増幅器の低歪化が可能となる。
【0032】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるエミッタと、電圧供給手段と接続されるコレクタと、抵抗素子の他方の端子に接続されるベースとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される。
【0033】
したがって、上記電力増幅器によれば、第2のバイポーラトランジスタのエミッタ電流はベース電流とコレクタ電流との和になるが、コレクタ電流がベース電流にほぼ比例するため、エミッタ電流もバイアス電圧に対してはダイオード的な電流−電圧特性を有することになる。したがって、第2のバイポーラトランジスタは可変インピーダンス素子として機能する。この結果、ベース電流が抵抗素子によって可変であるため、コレクタ電流、エミッタ電流も抵抗素子によって可変となる。したがって、使用する第2のバイポーラを選定した後であっても、抵抗素子によって第2のバイポーラトランジスタ部における可変抵抗特性を調節することが可能となり、歪補償の調整自由度が広がる。
【0034】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるコレクタと、電圧供給手段と接続されるエミッタと、抵抗素子の他方の端子に接続されるベースとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される。
【0035】
したがって、上記電力増幅器によれば、第2のバイポーラトランジスタにおけるコレクタ電力は、バイアス電圧に対してはダイオード的な電流−電圧特性を有することになるため、第2のバイポーラトランジスタが可変インピーダンス素子として機能する。この場合、ベース電流が抵抗素子によって可変となるため、エミッタ電流、コレクタ電流も抵抗素子によって可変となる。したがって、使用する第2のバイポーラトランジスタを選定した後であっても、抵抗素子によって第2のバイポーラトランジスタ部の可変抵抗特性を調整することが可能となり、歪補償の調整自由度が広がる。
【0036】
より好ましくは、第1のバイポーラトランジスタおよび可変インピーダンス素子を、同一の半導体基板上に形成する。
【0037】
したがって、上記電力増幅器によれば、同一基板上に形成される増幅用のバイポーラトランジスタと可変インピーダンス素子とをモノリシック化できるため、電力増幅器自体の小型化が可能となる。
【0038】
また、増幅用バイポーラトランジスタと同一の製造工程で可変インピーダンス素子(第2のバイポーラトランジスタ)を製造可能となる。また、電力増幅器で用いられる半導体素子の種類をバイポーラトランジスタ1種だけに限定することができるため、電力増幅器で使用する回路素子の回路設計用デバイスパラメータ抽出作業が簡素化される。
【0039】
好ましくは、第1のバイポーラトランジスタは、B級またはAB級で動作させる。
【0040】
したがって、上記電力増幅器によれば、可変インピーダンス素子と調整回路とを用いることにより、振幅−振幅歪および振幅−位相歪の補償を行なうことが可能となるため、増幅用バイポーラトランジスタをB級またはAB級付近のバイアス電流で動作させることが可能となる。この結果、線形増幅器における高効率化が実現される。
【0041】
好ましくは、電力増幅器は、電圧供給手段の出力電圧を制御することにより利得制御がなされる。
【0042】
したがって、上記電力増幅器によれば、歪補償回路が第1のバイポーラトランジスタのバイアス回路も兼ねているため、電圧供給手段の出力電圧を制御することにより第1のバイポーラトランジスタのバイアス電流を制御することが可能になる。これにより、歪補償の機能を有しつつ、電力増幅器の利得制御が可能になる。したがって、特に、W−CDMA(Wide Band−Code Division Multiple Access)やIS−95(interim standard 95)のように、電力増幅器の低歪みと広いダイナミックレンジでの利得制御とが要求される通信システムで用いられる電力増幅器の電力効率の向上が可能になる。
【0043】
好ましくは、電力増幅器は、電圧供給手段からの出力電圧を制御することにより、歪補償回路における歪補償量を制御する。
【0044】
したがって、上記電力増幅器によれば、電圧供給手段の出力電圧を制御することにより歪補償回路に含まれる可変インピーダンス素子の直流的な両端電圧が制御できるため、可変インピーダンス素子のインピーダンスを制御することが可能になる。したがって、当該歪補償回路における歪補償量が調整できるため、第1のバイポーラトランジスタで生じる歪の度合に応じた歪補償が可能になる。この結果、電圧供給手段の出力電圧が固定である場合に比べて、歪補償の自由度が広がることになる。
【0045】
本発明のさらなる局面による通信装置は、信号を増幅するためのエミッタ接地型の第1のバイポーラトランジスタを含む電力増幅素子と、電力増幅素子の歪みを補償する歪補償回路とを有する電力増幅器と、第1のバイポーラトランジスタのベースにバイアス電圧を供給する電圧供給手段とを備え、歪補償回路は、電圧供給手段と第1のバイポーラトランジスタのベースとの間に配置される可変インピーダンス素子と、第1のバイポーラトランジスタから可変インピーダンス素子をみたときのリアクタンス成分および抵抗成分の少なくともいずれかを調整するための調整回路とを含む。
【0046】
好ましくは、調整回路は、一方の端子が電圧供給手段に接続される抵抗素子と、抵抗素子の他方の端子と接地電位との間に接続されるキャパシタンス素子とを含む。
【0047】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、電圧供給手段と接続されるアノードと、第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるカソードとを有するダイオード素子で構成される。
【0048】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、電圧供給手段と第1のバイポーラトランジスタのベースとの間で、PN接合を形成するように構成される第2のバイポーラトランジスタを含む。
【0049】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるエミッタと、電圧供給手段と接続されるベースと、抵抗素子とキャパシタンス素子との接続ノードに接続されるコレクタとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される。
【0050】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるコレクタと、電圧供給手段と接続されるベースと、抵抗素子とキャパシタンス素子との接続ノードに接続されるエミッタとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される。
【0051】
好ましくは、調整回路は、一方の端子が電圧供給手段に接続され、他方の端子が可変インピーダンス素子と接続される抵抗素子と、電圧供給手段と接地電位との間に接続されるキャパシタンス素子とを含む。
【0052】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるエミッタと、電圧供給手段と接続されるコレクタと、抵抗素子の他方の端子に接続されるベースとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される。
【0053】
より好ましくは、可変インピーダンス素子は、第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるコレクタと、電圧供給手段と接続されるエミッタと、抵抗素子の他方の端子に接続されるベースとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される。
【0054】
より好ましくは、第1のバイポーラトランジスタおよび可変インピーダンス素子は、同一の半導体基板上に形成される。
【0055】
好ましくは、第1のバイポーラトランジスタは、B級またはAB級で動作させる。
【0056】
好ましくは、電力増幅器は、電圧供給手段からの出力電圧を制御することにより利得制御がなされる。
【0057】
好ましくは、電圧供給手段からの出力電圧を制御することにより、歪補償回路における歪補償量が制御される。
【0058】
したがって、上記通信装置によれば、送信用電力増幅器が低歪みかつ高効率であるため、通信装置の消費電力が低減される。特に、バッテリ動作の通信装置であれば、電池切れまでの通信時間を伸ばすことが可能になる。また、従来と同一の通信時間を確保するのであれば、より小型のバッテリを使用することが可能になり、通信端末の小型化あるいは軽量化が可能になる。
【0059】
好ましくは、通信装置は、送信信号が振幅変調成分を含む通信システムで使用される。送信信号が振幅変調成分を含む場合、送信信号を増幅して規定のアンテナ出力レベルまで増幅する増幅段で送信信号の波形が乱れると、送信情報を受信側で正しく復調できなくなる。したがって、このような通信システムでは、送信電力用電力増幅器として、入力信号波形を忠実に増幅して出力する低歪電力増幅器が必要になる。このような通信システムとして、W−CDMA,IS−95,PDC(personal digital cellular)、PHS(personal handy−phone system)、IMT−2000(international mobile telecommunications 2000),5GHz帯の無線LANなどがある。
【0060】
したがって、上記通信装置によれば、送信用として低歪電力増幅器を有するため、送信信号の波形が乱れることなく正確な情報を受信側に送信することができる。
【0061】
送信用電力増幅器について隣接チャネル漏洩電力規定に代表される厳しい低歪特定が要求されるW−CDMA,IS−95,PDC,PHS,IMT−2000等の通信システムに上記通信装置を使用した場合、低歪みと高効率との両立が可能になる。また、通信装置の消費電力を低減することができるため、特に、バッテリ動作の通信装置であれば、電池切れまでの通信時間を伸ばすことが可能になる。また、従来と同一の通信時間を確保するのであれば、より小型のバッテリを使用することが可能になり、通信端末の小型化あるいは軽量化が可能になる。
【0062】
好ましくは、通信装置は、電力増幅器に入力される信号電力レベルまたは電力増幅器から出力される信号電力レベルを検出する検出回路と、検出回路により検出される信号電力レベルに応じて、電圧供給手段の出力電圧を制御する制御回路をさらに備える。
【0063】
したがって、上記通信装置によれば、低歪の信号増幅が必要とされる通信システムにおいても、検出される入力信号レベルまたは出力信号レベルに応じて、所定の利得あるいは既定値内の歪みで消費電力が最小になるように電圧供給手段の出力電圧を制御することにより、電力増幅器の利得あるいは歪補償量を制御することが可能になる。したがって、通信装置の消費電力が低減され、特に、バッテリ動作の通信装置であれば、電池切れまでの通信時間を伸ばすことが可能になる。また、従来と同一の通信時間を確保するのであれば、より小型のバッテリを使用することが可能になり、通信端末の小型化あるいは軽量化が可能になる。
【0064】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1における電力増幅器100の構成の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における電力増幅器100の構成を示す図である。図1を参照して、電力増幅器100は、エミッタ接地型のバイポーラトランジスタTr1、可変インピーダンス素子1、抵抗素子Rxおよびキャパシタンス素子Cxを備える。トランジスタTr1は、増幅用のエミッタ接地型バイポーラトランジスタであり、可変インピーダンス素子1、抵抗素子Rxおよびキャパシタンス素子Cxは、歪補償回路を構成する。
【0065】
可変インピーダンス素子1は、電圧端子VbとバイポーラトランジスタTr1のベースとの間に接続される。抵抗素子Rxは、電圧端子Vbとキャパシタンス素子Cxの一方の端子との間に接続される。キャパシタンス素子Cxの他方の端子は接地電位と接続される。なお、電圧端子Vbから電源側を見た高周波的なインピーダンスは、キャパシタンス素子Cx、抵抗素子Rxの一部として組込まれていると考えてもよい。キャパシタンス素子Cxの一例としては、MIMキャパシタ素子が挙げられる。
【0066】
入力信号は、バイポーラトランジスタTr1のベースから入力し、コレクタ側から信号が出力される。電力増幅器100では、可変インピーダンス素子1のリアクタンス成分あるいは抵抗成分の非線形性、および抵抗素子Rx、キャパシタンス素子Cxを用いて電力増幅器の歪補償を行なう。
【0067】
可変インピーダンス素子1を、可変容量Cd、可変抵抗Rdの並列接続で表わすと、可変インピーダンス素子の両端の抵抗成分Rz、およびリアクタンス成分Bzは、式(1)〜(2)で表わされる。
【0068】
Rz=Rd/[1+(w・Cd・Rd)] …(1)
Bz=−w・Cd・Rd2/[1+(w・Cd・Rd)] …(2)
なお、式(1)〜(2)において、w=2πf(ただしfは、信号周波数)である。
【0069】
増幅用バイポーラトランジスタTr1のベース端から可変インピーダンス素子1側を見たインピーダンス(Zt=Rt+jBt)のリアクタンス成分Btおよび抵抗成分Rtは、式(3)〜(4)で表現される。
【0070】
Bt=Bz−1/(w・Cx) …(3)
Rt=Rz+Rx …(4)
すなわち、リアクタンス成分Btの値、およびリアクタンス成分Bzの変化によるリアクタンス成分Btの変化率は、キャパシタンス素子Cxの容量によっても調整することが可能となる。また、抵抗成分Rtの値、および可変抵抗Rdの変化による抵抗成分Rtの変化率は、抵抗素子Rxの抵抗値によっても調整することが可能となる。
【0071】
すなわち、使用する可変インピーダンス素子1が設定され、当該可変インピーダンス素子1の抵抗成分および容量成分の非線形特性が固定された後であっても、増幅用バイポーラトランジスタTr1のベース端から可変インピーダンス素子側を見たインピーダンスZtのリアクタンス成分Btおよび可変抵抗成分Rtの非線形特性は、抵抗素子Rxおよびキャパシタンス素子Cxによって個別に調整することが可能となる。
【0072】
したがって、抵抗素子Rx、キャパシタンス素子Cxによって振幅−振幅歪および振幅−位相歪の補償を両立することが可能となり、電力増幅器の低歪化が実現される。
【0073】
また、抵抗成分Rtが小さいほど抵抗成分での信号電力消費によって電力増幅器の利得が低下するが、抵抗成分Rtの調整よりもリアクタンス成分Btの調整による歪補償の方が効果が大きい場合などでは、抵抗素子Rxを付加することにより抵抗成分Rtを増大させることが可能となる。これにより電力増幅器の利得向上が図られる。
【0074】
また、増幅用バイポーラトランジスタTr1のベース側から可変インピーダンス素子1側を見たインピーダンスZtがバイポーラトランジスタTr1の入力インピーダンスより小さくなりすぎると、歪み補償の度合いが強すぎてかえって電力増幅器の歪を増加させてしまう。また、逆にインピーダンスZtがバイポーラトランジスタTr1の入力インピーダンスより大きくなりすぎると、歪み補償の効果が小さく、電力増幅器の歪を十分低減できない。したがって、抵抗素子Rxの抵抗値には最適な値の領域があり、実験的には概ねバイポーラトランジスタTr1の入力インピーダンス程度が好ましい。
【0075】
たとえば、現在の移動体通信システムで使用される1ワット程度の出力の電力増幅器においては、最終段のトランジスタの入力インピーダンスは数オームから数十オームであるため、抵抗素子Rxは、10〜100オーム程度のものを用いることが好ましい。
【0076】
なお、図2は、本発明の実施の形態1における電力増幅器の他の構成の一例を示す図である。図2に示す電力増幅器150は、電力増幅器100の構成に加えて、さらに抵抗R3を含む。抵抗R3は、電圧端子Vbと可変インピーダンス素子1との間に配置される。このように、バイアス調整や付加的な歪補償の目的で、可変インピーダンス素子1と電圧端子Vbとの間に抵抗R3を付加するように構成してもよい。なお、以下に示す電力増幅器についても同様である。
【0077】
なお、電力増幅器の高効率化のためには、増幅用のバイポーラトランジスタTr1をB級(コレクタ−エミッタ間電圧が正弦波、コレクタ電流が半波整流波形になるように直流バイアスを設定する)モードやAB級(B級モードとコレクタ−エミッタ間電圧、およびコレクタ電流がともに正弦波となるように直流バイアスを設定するA級モードとの間に直流バイアスを設定する)モード付近で動作させることが効果的である。通常では、これらのバイアス点で動作させると出力波形に歪が生じやすい。これに対し、本発明の実施の形態1に係る構成によると歪みが抑えられる。このため、AB級モードやB級モード付近で動作させることで、高効率の電力増幅器を実現することが可能となる。
【0078】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2における電力増幅器の構成の概要について説明する。図3は、本発明の実施の形態2における電力増幅器200の構成を示す図である。図3を参照して、電力増幅器200は、増幅用のエミッタ接地型バイポーラトランジスタTr1、抵抗素子Rx、キャパシタンス素子Cxおよびダイオード素子D1を備える。図3に示すように、本発明の実施の形態2においては、可変インピーダンス素子(図1における素子1)として、ダイオード素子D1を用いる。ダイオード素子D1のアノードは、電圧端子Vbに接続され、カソードは、バイポーラトランジスタTr1のベースに接続されている。
【0079】
可変インピーダンス素子であるダイオードD1の両端電圧依存性は、バイポーラトランジスタTr1のベース−エミッタ間におけるダイオード部分のインピーダンスの両端電圧依存性が同型となる。これにより、広範囲の入力電圧に対して広範囲の入力電力に対応する場合に、歪補償の効果が特に顕著となる。
【0080】
ここで、ダイオードを用いた場合の動作特性に関する実験結果を、図4〜図7を用いて説明する。図4は、本発明に係る電力増幅器と従来型の電力増幅器との動作特性を比較した実験の結果を示す図である。図5は、本発明に係る電力増幅器におけるキャパシタンス素子と動作特性との関係を示す図であり、図6は、本発明に係る電力増幅器における抵抗素子と動作特性との関係を調べた実験の結果を示す図である。図7は、実験条件について説明するための概念図であり、図7(a)は本発明に係る電力増幅器1000に対応し、図7(b)は、対比のために構成した従来型の電力増幅器2000に対応している。
【0081】
図4に示す実験では、本発明に係る電力増幅器1000の位相歪みと従来型の電力増幅器2000との位相歪みが同程度になるように実験条件を決定した。具体的には、周波数を1.95GHzとし、バイポーラトランジスタTr1、Tr90として単位トランジスタを60個並列接続したものを使用した。本発明に係る電力増幅器1000はさらに、20Ωの抵抗素子Rx、4.5pFのキャパシタンス素子Cx、単位トランジスタを4個並列につなげたダイオードD1を使用した。一方、従来型の電力増幅器2000はさらに、100pFのキャパシタンス素子C90、単位トランジスタを36個つなげたダイオードD90を使用した。なお、図5、図6の実験では、図7(a)のキャパシタンス素子Cx、抵抗素子Rxをそれぞれ変えて行なった。
【0082】
図4において、黒塗りの丸印が付された線は、本発明に係る電力増幅器1000の振幅歪みに、白抜きの丸印が付された点線は、従来型の電力増幅器2000の振幅歪みにそれぞれ対応している。また、黒塗りの三角印が付された線は、本発明に係る電力増幅器1000の位相歪みに、白抜きの三角印が付された点線は、従来型の電力増幅器2000の位相歪みにそれぞれ対応している。
【0083】
位相歪みを同程度に調整すると、図4に示されるように従来の電力増幅器2000は、入力電力を上げると利得が低下する。すなわち、従来の電力増幅器は、位相歪みは調整できても、振幅歪みに対する補償能力が低い。一方、本発明に係る電力増幅器2000では、入力電力に依らず利得が一定となる領域が拡大されている。すなわち、本発明に係る電力増幅器は、位相歪みおよび振幅歪みの両者を同時に補償することが可能であることがわかる。
【0084】
図5において、黒塗りの丸印が付された線は、2.5pF、白抜きの三角印が付された線は、4.5pF、*印が付された線は、10pFとした場合にそれぞれ対応している。また、図5において、Aグループは、振幅歪みに、Bグループは、位相歪みにそれぞれ対応している。
【0085】
図6において、黒塗りの丸印が付された線は、5Ω、白抜きの三角印が付された線は、20Ω、*印が付された線は、50Ωとした場合にそれぞれ対応している。また、図6において、Aグループは、振幅歪みに、Bグループは、位相歪みにそれぞれ対応している。
【0086】
図5〜図6に示されるように、いずれの値をとっても、位相歪みと振幅歪みとがともに補償されていることがわかる。
【0087】
なお、本発明の実施の形態2に係る構成によっても歪みを抑えることが可能であるため、AB級やB級モード付近で動作させることができる。これにより、高効率化の電力増幅器を実現することが可能となる。
【0088】
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3における電力増幅器の構成の概要について説明する。図8は、本発明の実施の形態3における電力増幅器300の構成を示す図である。図8を参照して、電力増幅器300は、増幅用のエミッタ接地型バイポーラトランジスタTr1、抵抗素子Rx、キャパシタンス素子CxおよびバイポーラトランジスタTr2を備える。本発明の実施の形態3においては、可変インピーダンス素子1として、バイポーラトランジスタTr2におけるベース−エミッタ間のPN接合(ダイオード)を用いる。バイポーラトランジスタTr2のエミッタを増幅用のバイポーラトランジスタTr1のベースに接続する。バイポーラトランジスタTr2のベースは、電圧端子Vbと接続する。
【0089】
なお、本発明の実施の形態3においては、バイポーラトランジスタTr2のコレクタ端子は使用されていないが、増幅用バイポーラトランジスタTr1のベースにバイポーラトランジスタTr2のコレクタを接続し、バイポーラトランジスタTr2のベース−コレクタ間のPN接合を可変インピーダンス素子(ダイオード素子)として使用するように構成してもよい。
【0090】
バイポーラトランジスタTr2のベース−エミッタ間(あるいはベース−コレクタ間)のダイオード部分を可変インピーダンス素子として用いることにより、増幅用バイポーラトランジスタTr1とバイポーラトランジスタTr2とを同一製造工程で製造することが可能となる。また、電力増幅器で用いられている半導体素子の種類をバイポーラトランジスタ1種に限定することができるため、電力増幅器で使用する回路素子の回路設計用デバイスパラメータ抽出作業が簡素化される。さらに、可変インピーダンス素子を含む電力増幅器回路を半導体基板上にモノリシック化できるため、電力増幅器自体の小型化が可能となる。
【0091】
なお、本発明の実施の形態3に係る構成によっても歪みを抑えることが可能であるため、AB級モードやB級モード付近で動作させることができる。これにより、高効率の電力増幅器を実現することが可能となる。
【0092】
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4に係る電力増幅器の構成の概要について説明する。図9は、本発明の実施の形態4における電力増幅器400の構成を説明するための図である。図9を参照して、電力増幅器400は、増幅用のエミッタ接地型バイポーラトランジスタTr1、抵抗素子Rx、キャパシタンス素子CxおよびバイポーラトランジスタTr2を備える。抵抗素子Rxとキャパシタンス素子Cxとは、電圧端子Vbと接地電位との間に直列に接続される。バイポーラトランジスタTr2のコレクタは、抵抗素子Rxとキャパシタンス素子Cxの接続ノードに接続され、ベースは、電圧端子Vbと接続され、エミッタは、増幅用バイポーラトランジスタTr1のベースと接続される。
【0093】
バイポーラトランジスタTr2のエミッタ電流をIe2、ベース電流をIb2、コレクタ電流をIc2とすると、エミッタ電流Ie2は、ベース電流Ib2とコレクタ電流Ic2との和になるが、コレクタ電流Ic2は、ベース電流Ib2にほぼ比例する。このため、エミッタ電流Ie2も電圧Vbに対してはダイオード的な電流−電圧特性を示す。すなわち、バイポーラトランジスタTr2は、可変インピーダンス素子として機能する。
【0094】
本発明の実施の形態1における電力増幅器100では、抵抗素子Rxの一端は、直流的には解放状態にあるため、抵抗素子Rxは可変インピーダンス素子1としてバイポーラトランジスタを使用した場合であっても当該バイポーラトランジスタのバイアス状態には影響を与えない。一方、本発明の実施の形態4においては、抵抗素子Rxは、電圧端子VbとバイポーラトランジスタTr2のコレクタとの間に直列的に接続されており、コレクタ電流Ic2が抵抗素子Rxによって可変である。このため、エミッタ電流Ie2も抵抗素子Rxによって可変となる。したがって、使用するバイポーラトランジスタTr2を選定した後であっても、抵抗素子RxによってバイポーラトランジスタTr2における可変抵抗特性を調整することも可能となり、歪補正の調整自由度が広がる。
【0095】
なお、本発明の実施の形態4に係る構成によっても歪みを抑えることが可能であるため、AB級モードやB級モード付近で動作させることができる。これにより、高効率の電力増幅器を実現することが可能となる。
【0096】
[実施の形態5]
本発明の実施の形態5における電力増幅器の概要について説明する。図10は本発明の実施の形態5における電力増幅器500の構成を示す図である。図10を参照して、電力増幅器500は、増幅用のエミッタ接地型バイポーラトランジスタTr1、抵抗素子Rx、キャパシタンス素子CxおよびバイポーラトランジスタTr2を備える。キャパシタンス素子Cxは、電圧端子Vbと接地電位との間に接続される。抵抗Rxは、電圧端子VbとバイポーラトランジスタTr2のベースとの間に接続される。バイポーラトランジスタTr2のコレクタは、電圧端子Vbと接続され、エミッタは、バイポーラトランジスタTr1のベースと接続される。
【0097】
バイポーラトランジスタTr2のエミッタ電流をIe2、ベース電流をIb2、コレクタ電流をIc2とすると、エミッタ電流Ie2は、ベース電流Ib2とコレクタ電流Ic2との和になるが、コレクタ電流Ic2は、ベース電流Ib2にほぼ比例する。このため、エミッタ電流Ie2は、電圧Vbに対してダイオード的な電流−電圧特性を有する。したがって、バイポーラトランジスタTr2は、可変インピーダンス素子として機能する。
【0098】
この場合、ベース電流Ib2が、抵抗素子Rxによって可変であるため、コレクタ電流Ic2、エミッタ電流Ie2も抵抗素子Rxによって可変となる。したがって、使用するバイポーラトランジスタTr2を選定した後であっても、抵抗素子RxによってバイポーラトランジスタTr2における可変抵抗特性を調整することが可能となる。この結果、歪補正の調整自由度を広げることが可能となる。
【0099】
なお、本発明の実施の形態5に係る構成によっても歪みを抑えることが可能であるため、AB級モードやB級モード付近で動作させることができる。これにより、高効率の電力増幅器を実現することが可能となる。
【0100】
[実施の形態6]
本発明の実施の形態6における電力増幅器の構成の概要について説明する。図11は、本発明の実施の形態6における電力増幅器600の構成を示す図である。図11を参照して、電力増幅器600は、増幅用のエミッタ接地型バイポーラトランジスタTr1、抵抗素子Rx、キャパシタンス素子CxおよびバイポーラトランジスタTr2を備える。抵抗素子Rxとキャパシタンス素子Cxとは、電圧端子Vbと接地電位との間に直列に接続される。バイポーラトランジスタTr2のエミッタは、抵抗素子Rxとキャパシタンス素子Cxの接続ノードに接続され、コレクタは、バイポーラトランジスタTr1のベースと接続され、ベースは電圧端子Vbと接続される。実施の形態4による電力増幅器400と電力増幅器600との相違点は、エミッタとコレクタとの接続関係が逆になっている点にある。
【0101】
トランジスタは、エミッタとコレクタとの接続関係を逆にしてもトランジスタ動作を行なう。したがって、この場合も、コレクタ電流Ic2は、ベース電流Ib2にほぼ比例するため、コレクタ電流Ic2は、電圧Vbに対してダイオード的な電流−電圧特性を有するようになる。すなわち、バイポーラトランジスタTr2は、可変インピーダンス素子として機能する。また、コレクタ電流Ic2、エミッタ電流Ie2が、抵抗素子Rxによって可変であるため、使用するバイポーラトランジスタTr2を選定した後であっても、抵抗素子RxによってバイポーラトランジスタTr2における可変抵抗特性を調整することが可能となる。この結果、歪補償の調整自由度が広がる。
【0102】
なお、本発明の実施の形態6に係る構成によっても歪みを抑えることが可能であるため、AB級モードやB級モード付近で動作させることができる。これにより、高効率の電力増幅器を実現することが可能となる。
【0103】
[実施の形態7]
本発明の実施の形態7における電力増幅器の構成の概要について説明する。図12は、本発明の実施の形態7における電力増幅器700の構成を示す図である。図12を参照して、電力増幅器700は、増幅用のエミッタ接地型バイポーラトランジスタTr1、抵抗素子Rx、キャパシタンス素子CxおよびバイポーラトランジスタTr2を備える。キャパシタンス素子Cxは、電圧端子Vbと接地電位との間に接続される。抵抗素子Rxは、電圧端子VbとバイポーラトランジスタTr2のベースとの間に接続される。バイポーラトランジスタTr2のエミッタは、電圧端子Vbと接続され、これは、バイポーラトランジスタTr1のベースと接続される。実施の形態5による電力増幅器500と電力増幅器700との相違点は、エミッタとコレクタとの接続関係が逆になっている点にある。
【0104】
トランジスタは、エミッタとコレクタとの接続関係を逆にしてもトランジスタ動作を行なう。したがって、この場合も、コレクタ電流Ic2は、ベース電流Ib2にほぼ比例するため、コレクタ電流Ic2は、電圧Vbに対してダイオード的な電流−電圧特性を有することになる。すなわち、バイポーラトランジスタTr2は、可変インピーダンスとして機能することが可能となる。また、コレクタ電流Ic2、エミッタ電流Ie2も抵抗素子Rxによって可変となる。この結果、使用するバイポーラトランジスタTr2を選定した後であっても、抵抗素子Rxによって、バイポーラトランジスタTr2における可変抵抗特性を調整することが可能となり、歪補正の調整自由度を広げることが可能となる。
【0105】
なお、本発明の実施の形態7に係る構成によっても歪みを抑えることが可能であるため、AB級モードやB級モード付近で動作させることができる。これにより、高効率の電力増幅器を実現することが可能となる。
【0106】
さらに、本発明の実施の形態1〜7におけるバイアス電圧Vbは、後述するように電圧供給回路1005から供給する。この際、電圧供給回路の出力電圧Vbを制御することにより電力増幅器の利得を制御してもよい。歪補償回路が第1のバイポーラトランジスタ(バイポーラトランジスタTr1)のバイアス回路も兼ねているため、前記出力電圧を制御することにより第1のバイポーラトランジスタのバイアス電流を制御することが可能になる。この結果、歪補償の機能を有しつつ、電力増幅器の利得を制御することが可能になる。
【0107】
特に、W−CDMAやIS−95のように電力増幅器に低歪みと広いダイナミックレンジでの利得制御とが要求される通信システムにおける電力増幅器の電力効率の向上が可能となる。
【0108】
また、本発明の実施の形態1〜7において、電圧供給回路の出力電圧を制御することにより前記歪補償回路における歪補償量を制御することができる。電力供給手回路の出力電圧を制御することにより歪補償回路に含まれる可変インピーダンス素子の直流的な両端電圧が制御できるため、可変インピーダンス素子のインピーダンスを制御することが可能になる。これにより、当該歪補償回路における歪補償量が調整できる、第1のバイポーラトランジスタで生じる歪の度合いに応じた歪補償が可能になる。したがって、電圧供給回路の出力電圧を制御することにより、電圧供給回路の出力電圧が固定である場合に比べて、歪み補償の自由度が広がる。
【0109】
[実施の形態8]
本発明の実施の形態8における通信装置の構成の概要について説明する。図13は、本発明の実施の形態8における通信装置1001の主要部の構成を示す図である。
【0110】
図13を参照して、通信装置1001は、電力増幅器1002、電力増幅器1002の出力レベルを検出する出力電力レベル検出回路1003、出力電力レベル検出回路1003の出力に応じて電圧供給回路1005を制御する制御回路1004、制御回路1004の制御に基づき電力増幅器1002にバイアス電圧を供給する電圧供給回路1005、および通信装置の各回路部を駆動する主電源としてのバッテリ1006を備える。
【0111】
電力増幅器1002には、本発明の実施の形態1〜7で説明した電力増幅器を用いる。電力増幅器1002に含まれるバイポーラトランジスタTr1のベースは、電圧供給回路1005からバイアス電圧が供給される。
【0112】
通信装置1001はさらに、周波数変換部1009、受信用RF部1010、IF/ベースバンド部1011、送信用RF部1014、デュプレクサ1012およびアンテナ1013を備える(RF:Radio Frequency)。
【0113】
周波数変換部1009は、ミキサ1020および1021、ならびにVCO1022(Voltage Controlled Oscillator)を含む。ミキサ1020は、IF/ベースバンド部1011の出力とVCO1022の出力とを混合する。ミキサ1021は、受信用RF部1010の出力とVCO1022の出力とを混合する。
【0114】
送信用RF部1014は、ドライバ増幅器やフィルタ等を含む。図においては、送信用RF部1014の構成要素として、ドライバ増幅器1008と、ドライバ増幅器1008の出力を受けるフィルタ1007とが代表的に記載されている。この例では、ドライバ増幅器1008は、ミキサ1020の出力を受け、電力増幅器1002は、フィルタ1007の出力を増幅する。
【0115】
受信用RF部1010は、低雑音増幅器やフィルタ等を含む。図においては、受信用RF部1010の構成要素として、低雑音増幅器1024と、低雑音増幅器1024の出力を受けるフィルタ1025とが代表的に記載されている。この例では、低雑音増幅器1024は、デュプレクサ1012の出力を受け、ミキサ1021には、フィルタ1025の出力が与えられる。
【0116】
アンテナ1013は、送受信用に使用される。デュプレクサ1012により、送信RF信号と受信RF信号とを分離する。
【0117】
受信RF信号は、受信用RF部1010を通過後、周波数変換部1009でIF信号に変換される(IF:Intermediate Frequency)。当該IF信号は、IF/ベースバンド部1011で信号処理される。
【0118】
IF/ベースバンド部1011から出力される信号は、周波数変換部1009でRF信号に変換される。当該RF信号は、送信用RF部1014を通過後、電力増幅器1002で増幅される。そして、電力増幅器1002の出力は、アンテナ1013から出力される。
【0119】
本発明の実施の形態8における電力増幅器1002は、送信部の最終段の構成要素である。ところで、送信部の最終段に位置する電力増幅器は、通信装置内で最大の信号電力を増幅する必要があるため消費電力が大きい。たとえば、携帯電話等のバッテリ動作の通信装置では、通話時には当該電力増幅器における消費電力が通信装置全体の消費電力の大半を占めている。
【0120】
そこで、電力増幅器1002として本発明の実施の形態1〜7における低歪かつ高効率の電力増幅器を用いる。これにより、通信装置全体の低消費電力化が図れる。特に、バッテリ動作での電池切れまでの通信時間を引き伸ばすことが可能になる。また、従来と同一の通信時間を確保するのであれば、より小型のバッテリを使用することが可能になるため、通信端末の小型化あるいは軽量化が可能になる。
【0121】
さらに、送信用電力増幅器1002が低歪みおよび高効率の両立が実現であるため、本発明の実施の形態8における通信装置1001をW−CDMA、IS−95、PDC、PHS、IMT−2000等の送信用電力増幅器に隣接チャネル漏洩電力規定に代表される厳しい低歪み特性が要求される通信システムで使用することは、本発明の望ましい実施形態となる。
【0122】
送信信号が振幅変調成分を含んでいる場合、送信信号を増幅して規定のアンテナ出力レベルまで増幅する増幅段で送信信号の波形が乱れると、送信情報を受信側で正しく復調できなくなる。このような通信システム(W−CDMA,IS−95,PDC,PHS,IMT−2000,5GHz帯の無線LAN(local area network))では、送信電力用電力増幅器として、入力信号波形を忠実に増幅して出力する低歪電力増幅器が必要になる。したがって、通信装置1001によれば、送信用として低歪電力増幅器1002を備えるため、振幅変調成分を含む送信信号を正確に受信側に送信することができる。
【0123】
また、出力電力レベル検出回路1003により電力増幅器1002の出力信号レベルを検出し、検出された出力信号レベルに応じて、制御回路1004を介して、電圧供給回路1005の出力電圧を制御することにより、電力増幅器1002の利得または歪補償回路の歪補償量を制御するように構成してもよい。
【0124】
電力増幅器1002に含まれる歪補償回路が第1のバイポーラトランジスタ(バイポーラトランジスタTr1)のバイアス回路も兼ねているため、電圧供給回路1005の出力電圧を制御することにより第1のバイポーラトランジスタのバイアス電流を制御することが可能になる。したがって、歪補償の機能を有しつつ、電力増幅器の利得制御が可能になる。したがって、電力増幅器1002を使用した場合、W−CDMAやIS−95のように電力増幅器の低歪みと広いダイナミックレンジでの利得制御が要求される通信システムにおける電力増幅器の電力効率の向上が可能になる。したがって、電圧供給回路1005の出力電圧を制御することにより、通信端末の消費電力低減が可能になる。
【0125】
また、電圧供給回路1005の出力電圧を制御することにより歪補償回路に含まれる可変インピーダンス素子の直流的な両端電圧が制御できるため、可変インピーダンス素子のインピーダンスを制御することが可能になる。この結果、当該歪補償回路における歪補償量が調整できるため、第1のバイポーラトランジスタで生じる歪みの度合いに応じた歪補償が可能になる。したがって、電圧供給回路1005の出力電圧を制御した場合、電圧供給回路の出力電圧が固定である場合に比べて、歪補償の自由度が広がる。
【0126】
なお、図13では、電力増幅器1002の出力端で出力電力レベルを検出しているが、電力増幅器1002からアンテナ1013に至る径路(図示しないが、フィルタやアイソレータ等が付加される場合もある)の任意の個所で電圧レベルを検出するようにしてもよい。
【0127】
さらに、図14に示されるように、出力電力レベル検出回路1003に代わって電力増幅器1002の入力側の信号レベルを検出する入力電力レベル検出回路1023を配置してもよい。この場合、制御回路1004は、入力電力レベル検出回路1023の出力に応じて電圧供給回路1005を制御することになる。このように、入力電力レベル検出回路1023によって電力増幅器1002の利得または歪補償量の制御を行なってもよい。
【0128】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0129】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る歪補償回路を有する電力増幅器を用いることにより、振幅−振幅歪、および振幅−位相歪を各々低減し、電力増幅器の低歪化を可能とすることが可能となる。また、より飽和領域に近くあるいはよりB級動作に近い動作を可能とすることにより電力効率の向上を図ることが可能となる。
【0130】
さらに本発明に係る上記通信装置によれば、送信用電力増幅器が低歪みかつ高効率であるため、通信装置の消費電力が低減される。特に、バッテリ動作の通信装置であれば、電池切れまでの通信時間を伸ばすことが可能になる。また、従来と同一の通信時間を確保するのであれば、より小型のバッテリを使用することが可能になり、通信端末の小型化あるいは軽量化が可能になる。
送信信号が振幅変調成分を含む場合、送信信号を増幅して規定のアンテナ出力レベルまで増幅する増幅段で送信信号の波形が乱れると、送信情報を受信側で正しく復調できなくなる。したがって、このような通信システムでは、送信電力用電力増幅器として、入力信号波形を忠実に増幅して出力する低歪電力増幅器が必要になる。このような通信システムとして、W−CDMA,IS−95,PDC,PHS,IMT−2000,50GHz帯の無線LANなどがある。
【0131】
したがって、上記通信装置によれば、送信用として低歪電力増幅器を有するため、送信信号の波形が乱れることなく正確な情報を受信側に送信することができる。
【0132】
送信用電力増幅器について隣接チャネル漏洩電力規定に代表される厳しい低歪特定が要求されるW−CDMA,IS−95,PDC,PHS,IMT−2000等の通信システムに上記通信装置を使用した場合、低歪みと高効率との両立が可能になる。また、通信装置の消費電力を低減することができるため、特に、バッテリ動作の通信装置であれば、電池切れまでの通信時間を伸ばすことが可能になる。また、従来と同一の通信時間を確保するのであれば、より小型のバッテリを使用することが可能になり、通信端末の小型化あるいは軽量化が可能になる。
【0133】
さらに、上記通信装置によれば、低歪の信号増幅が必要とされる通信システムにおいても、検出される入力信号レベルまたは出力信号レベルに応じて、所定の利得あるいは既定値内の歪みで消費電力が最小になるように電圧供給手段の出力電圧を制御することにより、電力増幅器の利得あるいは歪補償量を制御することが可能になる。したがって、通信装置の消費電力が低減され、特に、バッテリ動作の通信装置であれば、電池切れまでの通信時間を伸ばすことが可能になる。また、従来と同一の通信時間を確保するのであれば、より小型のバッテリを使用することが可能になり、通信端末の小型化あるいは軽量化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電力増幅器100の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1における電力増幅器の他の構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2における電力増幅器200の構成を示す図である。
【図4】本発明に係る電力増幅器と従来の電力増幅器との動作特性を比較した実験の結果を示す図である。
【図5】本発明に係る電力増幅器におけるキャパシタンス素子と動作特性との関係を調べた実験の結果を示す図である。
【図6】本発明に係る電力増幅器における抵抗素子の抵抗値と動作特性との関係を調べた実験結果を示す図である。
【図7】実験条件について説明するための概念図である。
【図8】本発明の実施の形態3における電力増幅器300の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態4における電力増幅器400の構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態5における電力増幅器500の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態6における電力増幅器600の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態7における電力増幅器700の構成を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態8における通信装置の1001の主要部の構成を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態8における通信装置の1001の主要部の他の構成例を示す図である。
【図15】文献1に記載される電力増幅器の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 可変インピーダンス素子、Tr1 増幅用のエミッタ接地型バイポーラトランジスタ、Tr2 バイポーラトランジスタ、Rx 抵抗素子、Cx キャパシタンス素子、D1 ダイオード、100,150,200〜700,900,1000 電力増幅器、1001 通信装置、1002 電力増幅器、1003出力電力レベル検出回路、1004 制御回路、1005 電圧供給回路、1006 バッテリ、1007,1025 フィルタ、1008 ドライバ増幅器、1009 周波数変換部、1010 受信用RF部、1011 IF/ベースバンド部、1012 デュプレクサ、1013 アンテナ、1014 送信用RF部、1020,1021 ミキサ、1023 入力電力レベル検出回路、1024 低雑音増幅器。

Claims (15)

  1. エミッタ接地型の第1のバイポーラトランジスタを含む電力増幅素子と、
    前記第1のバイポーラトランジスタのベースにバイアス電圧を供給する電圧供給手段と、
    前記電力増幅素子の歪みを補償する歪補償回路とを備え、
    前記歪補償回路は、
    前記電圧供給手段と前記第1のバイポーラトランジスタのベースとの間に配置される可変インピーダンス素子と、
    前記第1のバイポーラトランジスタのベースから前記可変インピーダンス素子をみたときのインピーダンスを構成するリアクタンス成分および抵抗成分の少なくともいずれかを調整するために配置される調整回路とを含む、電力増幅器。
  2. 前記調整回路は、
    一方の端子が前記電圧供給手段に接続される抵抗素子と、
    前記抵抗素子の他方の端子と接地電位との間に接続されるキャパシタンス素子とを含む、請求項1に記載の電力増幅器。
  3. 前記可変インピーダンス素子は、
    前記電圧供給手段と接続されるアノードと、前記第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるカソードとを有するダイオード素子で構成される、請求項2に記載の電力増幅器。
  4. 前記可変インピーダンス素子は、
    前記電圧供給手段と前記第1のバイポーラトランジスタのベースとの間で、PN接合を形成するように構成される第2のバイポーラトランジスタを含む、請求項2に記載の電力増幅器。
  5. 前記可変インピーダンス素子は、
    前記第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるエミッタと、前記電圧供給手段と接続されるベースと、前記抵抗素子と前記キャパシタンス素子との接続ノードに接続されるコレクタとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される、請求項2に記載の電力増幅器。
  6. 前記可変インピーダンス素子は、
    前記第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるコレクタと、前記電圧供給手段と接続されるベースと、前記抵抗素子と前記キャパシタンス素子との接続ノードに接続されるエミッタとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される、請求項2に記載の電力増幅器。
  7. 前記調整回路は、
    一方の端子が前記電圧供給手段に接続され、他方の端子が前記可変インピーダンス素子と接続される抵抗素子と、
    前記電圧供給手段と接地電位との間に接続されるキャパシタンス素子とを含む、請求項1に記載の電力増幅器。
  8. 前記可変インピーダンス素子は、
    前記第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるエミッタと、前記電圧供給手段と接続されるコレクタと、前記抵抗素子の他方の端子に接続されるベースとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される、請求項7に記載の電力増幅器。
  9. 前記可変インピーダンス素子は、
    前記第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるコレクタと、前記電圧供給手段と接続されるエミッタと、前記抵抗素子の他方の端子に接続されるベースとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される、請求項7に記載の電力増幅器。
  10. 前記第1のバイポーラトランジスタおよび前記可変インピーダンス素子は、同一の半導体基板上に形成される、請求項4、5、6、8または請求項9のいずれかに記載の電力増幅器。
  11. 前記第1のバイポーラトランジスタは、
    B級またはAB級で動作させる、請求項1に記載の電力増幅器。
  12. 前記電圧供給手段からの出力電圧を制御することにより利得制御がなされる、請求項1から11のいずれかに記載の電力増幅器。
  13. 前記電圧供給手段からの出力電圧を制御することにより、前記歪補償回路における歪補償量が制御される、請求項1から12のいずれかに記載の電力増幅器。
  14. エミッタ接地型の第1のバイポーラトランジスタを含む電力増幅素子と、
    前記第1のバイポーラトランジスタのベースにバイアス電圧を供給する電圧供給手段と、
    前記電力増幅素子の歪みを補償する歪補償回路とを備え、
    前記歪補償回路は、
    前記電圧供給手段と前記第1のバイポーラトランジスタのベースとの間に配置される可変インピーダンス素子と、
    容量素子および抵抗素子を有し、その少なくともいずれかの値を調整することによって前記電力増幅素子の前記歪を補償する調整回路とを含み、
    前記可変インピーダンス素子は、
    前記第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるエミッタと、前記電圧供給手段と接続されるベースと、前記調整回路の前記容量素子および前記抵抗素子の接続ノードに接続されるコレクタとを有する第2のバイポーラトランジスタで構成される、電力増幅器。
  15. エミッタ接地型の第1のバイポーラトランジスタを含む電力増幅素子と、
    前記第1のバイポーラトランジスタのベースにバイアス電圧を供給する電圧供給手段と、
    前記電圧供給手段と前記第1のバイポーラトランジスタのベースとの間に配置され、前記電力増幅素子の歪みを補償する歪補償回路とを備え、
    前記歪補償回路は、
    前記電圧供給手段と前記第1のバイポーラトランジスタのベースとの間に配置される可変インピーダンス素子と、
    容量素子および抵抗素子を有し、その少なくともいずれかの値を調整することによって前記電力増幅素子の前記歪を補償する調整回路とを含み、
    前記可変インピーダンス素子は、
    前記電圧供給手段と接続されるアノードと、前記第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されるカソードとを有するダイオード素子で構成される、電力増幅器。
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