JP2005176331A - 増幅器ならびにそれを用いた送信機および通信機器 - Google Patents

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森本  滋
Hisashi Adachi
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Abstract

【課題】 トランジスタの内部容量による利得低下を抑制し、広い周波数帯域に渡って利得の平坦性を改善すること。
【解決手段】 本発明は、高周波信号を増幅して出力する増幅器100である。当該増幅器100は、バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタである増幅素子110と、増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間に接続されたインダクタ124とを備える。インダクタ124のインダクタンスは、所定の周波数帯域において、増幅素子110の寄生キャパシタ123と増幅素子110のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタ111とで並列共振する値に設定されている。
【選択図】 図1A

Description

本発明は、増幅器ならびにそれを用いた送信機および通信機器に関し、より特定的には、高周波で動作する増幅器ならびにそれを用いた送信機および通信機器に関する。
携帯電話の送信部などに用いる電力増幅器には、数Wクラスの信号を高利得で増幅することが要求される。
図10は、弱い受信信号を増幅するための従来の受信信号用の増幅器900の構成例を示す図である(例えば、非特許文献1参照)。
図10に記載の増幅器900では、端子901から入力された信号は、トランジスタ910のベースから入力されて増幅され、コレクタを通って出力端子902から取り出される。ベースには、抵抗921を介してバイアスVbが供給されている。コレクタには、インダクタ922を介してバイアスVcが供給されている。なお、コレクタバイアスとベースバイアスとを分離するために、基本周波数fcで十分小さなインピーダンスを示す結合キャパシタ920がベース側に接続されている。
トランジスタ910のベースとコレクタとの間には、寄生キャパシタ923(容量はCpであるとする)が存在する。インダクタ924(リアクタンスはLxであるとする)は、寄生キャパシタ923に対して並列に接続されている。ここで、インダクタ924のリアクタンスLxは、増幅したい周波数fcにおいて寄生キャパシタ923と並列共振し、周波数fc(角周波数ω=2πfc)で、
Lx×Cp=1/ω2 …(式1)
の関係を満たしているとする。このようなリアクタンスをインダクタ924が有することによって、インダクタ924と寄生キャパシタ923とは、ベース・コレクタ間で並列共振し、インピーダンスが最大となる。これによって、電力の帰還が抑制されることとなるので、トランジスタの利得の低下を防ぐことができる。以上のようにトランジスタの利得の低下を抑制することによって増幅器の電力付加効率の低下を抑制できる。
図11は、増幅器の動作効率を積極的に向上することができる極座標変調(Polar変調)動作の送信機930の構成例を示す図である(例えば、特許文献1参照)。図11に示す送信機930において、π/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調されたデジタルベースバンド信号が、DSP(Digital Signal Processor)とDAC(Digital to Analog Converter)とからなる信号生成部931に入力される。信号生成部931は、デジタルベースバンド信号から位相成分を抽出し位相制御信号Eph(t)として出力し、デジタルベースバンド信号から振幅成分を抽出し振幅変調信号Emag(t)として出力する。
位相制御信号Eph(t)は、直交変調器932に入力される。直交変調器932は、位相制御信号Eph(t)に基づいて、周波数f0のキャリア信号を変調し、一定の包絡線を有するように、位相制御信号Eph(t)が重畳された位相変調信号を出力する。フィルタ933は、位相変調信号から不必要な信号を除去する。フィルタ933から出力された信号は、ドライバ段増幅器934、段間増幅器935、終段増幅器936の順に、直列接続された3段構成の電力増幅段に入力される。
ドライバ段増幅器934には、電源端子937に電池を介して一定電圧が印加されている。ドライバ段増幅器934は、位相変調信号を増幅し、段間増幅器935に入力する。
一方、振幅変調信号Emag(t)は、高効率なD級動作増幅器938で増幅される。フィルタ939は、D級動作増幅器938から出力される信号の不必要な成分を除去して、振幅変調信号Efm(t)として出力する。振幅変調信号Efm(t)は、2分配される。振幅変調信号Efm(t)は、それぞれ、段間増幅器935の電源部(図示せず)と終段増幅器936の電源部(図示せず)とに入力される。
段間増幅器935は、ドライバ段増幅器934から出力される位相変調信号を、電源部に入力される振幅変調信号Efm(t)に応じて、増幅または減衰する。
終段増幅器936は、段間増幅器935から出力される位相変調信号と電源部に入力される振幅変調信号Efm(t)とを混合して、キャリア信号に重畳されたπ/4シフトQPSK変調信号を出力する。このπ/4シフトQPSK変調信号の包絡線の電圧をEo(t)とする。
このように、デジタルベースバンド信号に基づいて位相変調信号と振幅変調信号とが生成され、終段増幅器936の電源部に入力される振幅変調信号と位相変調信号とが混合されることによって、デジタルベースバンド信号によって極座標変調(Polar変調)された信号が出力されることとなる。
ベザド ラザヴィ(Behzad Razavi)著,「アールエフ マイクロエレクトロニクス(RF Microelectronics)」、プレンティス ホール(Prentice−Hall)、1997年11月1日,p.169 米国特許第6256482号明細書
図10に記載の増幅器の課題について説明する。実際には、トランジスタは、寄生キャパシタの他に、本質的に、トランジスタ内部にベース・コレクタ間容量(真性キャパシタ(真性容量)という)を有している。
図12は、図10におけるトランジスタ910の等価回路を示す概略図である。ベース・エミッタ間には、抵抗912とキャパシタ913とが存在する。コレクタ・エミッタ間には、定電流源914と出力抵抗915とが存在する。さらに、ベース・コレクタ間には、真性キャパシタ(ベース・コレクタ間容量)911が存在する。
送信信号用の増幅器は、受信信号用の増幅用と異なり、一般に大電力信号を出力するために、サイズの大きなトランジスタを有する。結果として、真性キャパシタ911の容量は、大きくなる。真性キャパシタ911の容量は、図10に示す寄生キャパシタ923の容量よりも支配的となる。よって、非特許文献1で示されるように、図10の寄生キャパシタ923に共振するインダクタ924を設けただけでは、共振周波数がずれて所望の周波数において利得低下を十分抑制することはできなくなる。これが、第1の課題である。
近年の通信方式では広い周波数帯域に渡って増幅器が一定の利得を有することが求められる。図10に示す増幅器900において、インダクタ924と寄生キャパシタ923とからなる並列共振回路のQ値は、抵抗成分が低いため高くなる。Q値が高いと共振回路のインピーダンスが周波数によって大きく異なることとなり、広い周波数帯域に渡って増幅器での利得を均一にすることができない。これが、第2の課題である。
次に、図11に示した送信機の課題について説明する。まず、終段増幅器936の動作を詳細に説明する。一般に、携帯電話の送信機は、基地局との距離に応じて、出力電力の大きさをコントロールしなければならない。以下、出力電力の大きさをコントロールすることをパワーコントロールという。したがって、出力電力の大きさを調整するために、送信機は、広いダイナミックレンジを有していなければならない。ここでは、10dBmから30dBmまでの20dBmに渡って、出力変調信号の平均出力電力を変化させなければならないとする。
図13は、図11に示す終段増幅器936における電源電圧Vccと出力電圧Voとの関係を示す図である。終段増幅器936が常に飽和領域で動作していれば、基本的には、図13の点線に示すように、出力電圧Voは、電源電圧Vccに比例して増加する。
π/4QPSK変調信号は、時間とともに振幅が変化する信号である。π/4QPSK変調信号の振幅は、平均電力に対して、+3dBから−15dBまでの約18dBのダイナミックレンジを有する。
振幅変調信号Efm(t)を電源電圧Vccとして範囲Aで変化させることによって、最大平均電力が30dBmの変調信号を出力させることができる。範囲Aにおいて、出力電圧Voは、電源電圧Vccに対して、線形に変化する。したがって、終段増幅器936は、振幅変調信号Efm(t)に比例した正確な振幅情報として、包絡線Eo(t)を有するπ/4シフトQPSK変調信号を出力する。
一方、振幅変調信号Efm(t)を電源電圧Vccとして範囲Bで変化させることによって、最小平均電力が10dBmの変調信号を出力させることができる。範囲Bにおいて、出力電力Voは、電源電圧Vccに対して、線形に変化しない。したがって、出力される変調信号は、歪んでしまう。つまり、包絡線Eo(t)は、不正確な振幅情報を有することになる。結果として、通信品質が低下する。
電源電圧Vccに対して線形に出力電圧Voが変化しない原因について説明する。
線形に出力電圧Voが変化するためには、終段増幅器936は、完全に飽和領域で動作していなくてはならない。
図13における領域X,Yは、終段増幅器936が飽和領域で動作しないために、出力電圧Voが線形に変化しなくなっている領域である。
領域Xでは、入力電力は、電源電圧Vccに対して相対的に小さい。そのため、終段増幅器936は、飽和しない。よって、電源電圧Vccが増加しても、出力電圧Voが変化しない。
段間増幅器935の電源電圧は、終段増幅器936の電源電圧と同電位で変化する。したがって、領域Yにおいて、段間増幅器935は、終段増幅器936を十分飽和させるための電力を出力することができない。
領域Zは、終段増幅器936が飽和領域で動作しているにも関わらず、出力電圧Voが線形に変化していない領域である。領域Zでは、入力電力は、電源電圧Vccに対して、相対的に非常に大きくなる。したがって、終段増幅器936の有する寄生キャパシタおよび真性キャパシタを介して、出力側に電力が漏れてしまうので、領域Yでは、出力電力が変化しない。
以上のように、三つの領域X,Y,Zが原因となって、図11に示す送信機は、ダイナミックレンジが狭いという第3の課題を有することとなる。
今後、無線通信が高速大容量化するに従って、送信回路には、従来にも増して、さらに低い出力レベルから高い出力レベルまで広いダイナミックレンジに渡って、高い効率で歪みなく変調信号を増幅することが求められる。上述のように、図11に示す送信機には、ダイナミックレンジが狭いという第3の課題があった。加えて、図11に示す送信機には、高い変調速度の場合に、さらにダイナミックレンジが狭くなるという第4の課題がある。理由は以下のようである。振幅変調信号Efm(t)は2分配されるので、各振幅変調信号Efm(t)は、段間増幅器935の電源部と終段増幅器936の電源部とに入力される。しかし、変調速度が高くなると、段間増幅器935から出力される信号において振幅が変動するタイミングと終段増幅器936が振幅変調するタイミングとがずれてしまう。結果、ダイナミックレンジがさらに狭くなってしまう。
以上の第1および第2の課題を鑑みて、本発明の第1の目的は、大きなサイズのトランジスタを用いた送信信号用の増幅器において、高い利得を得ることができ、広い周波数帯域に渡って利得を均一にすることができる増幅器を提供することである。
以上の第3および第4の課題を鑑みて、本発明の第2の目的は、複雑な制御なしに広いダイナミックレンジに渡って、高い効率で歪みなく変調信号を増幅することが可能な小型で安価な極座標変調動作の増幅器または送信機を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、高周波信号を増幅して出力する増幅器であって、バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタである増幅素子と、増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間に接続されたインダクタとを備え、インダクタのインダクタンスは、所定の周波数帯域において、増幅素子の寄生キャパシタと増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとで並列共振する値に設定されている。
好ましくは、インダクタに直列に接続された抵抗をさらに備えるとよい。
好ましくは、インダクタに並列に接続されたキャパシタをさらに備えるとよい。
好ましくは、キャパシタの容量は、所定の周波数帯域において、寄生キャパシタとベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとインダクタとで並列共振する値に設定されているとよい。
好ましくは、キャパシタの容量は、所定の周波数帯域において、寄生キャパシタとバイアスによって時間的に変化するベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとインダクタとで並列共振するように変動するとよい。
好ましくは、インダクタのインダクタンスは、所定の周波数帯域において、寄生キャパシタとバイアスによって時間的に変化するベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとキャパシタとで並列共振するように変化するとよい。
好ましくは、インダクタを含む位相調整回路をさらに備え、位相調整回路のインピーダンスは、寄生キャパシタ、真性キャパシタ、および当該位相調整回路からなる回路を介した漏れ信号と増幅素子から増幅または減衰されて出力される増幅信号との位相差が−2/3πから2/3πとなるように設定されているとよい。
好ましくは、増幅素子は、飽和領域で動作し、インダクタのインダクタンスは、飽和領域において、寄生キャパシタとベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとで並列共振する値に設定されているとよい。
好ましくは、増幅素子は、ベース端子またはゲート端子に入力される位相変調信号と、コレクタ端子またはドレイン端子に入力される振幅変調信号とを混合して、変調信号を出力するとよい。
また、本発明は、高周波信号を増幅器で増幅して送信する通信機器であって、増幅器は、バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタである増幅素子と、増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間に接続されたインダクタとを備え、インダクタのインダクタンスは、所定の周波数帯域において、増幅素子の寄生キャパシタと増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとで並列共振する値に設定されている。
また、本発明は、高周波信号を送信する送信機であって、ベースバンド信号の位相成分に基づいて位相制御信号を出力すると共に、ベースバンド信号の位相成分に基づいて振幅変調信号を出力する信号生成部と、信号生成部から出力される位相制御信号に基づいて、キャリア信号を変調して、位相変調信号を出力する直交変調器と、振幅変調信号をバイアス電圧とすることによって、位相変調信号と振幅変調信号とを混合して送信信号を出力する終段増幅器とを備え、終段増幅器は、バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタである増幅素子と、増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間に接続されたインダクタとを備え、インダクタのインダクタンスは、所定の周波数帯域において、増幅素子の寄生キャパシタと増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとで並列共振する値に設定されている。
好ましくは、さらに、直交変調器が出力する位相変調信号を増幅して出力するドライバ段増幅器と、ドライバ段増幅器から出力される増幅された位相変調信号を増幅して出力する段間増幅器とを備え、前記振幅変調信号は、前記バイアス電圧として、前記終段増幅器にのみ入力され、かつ、前記終段増幅器は、前記段間増幅器から出力される位相変調信号と前記振幅変調信号とを混合して送信信号を出力する。
本発明によれば、大きなサイズのトランジスタを用いた送信信号用の増幅器でも、送信周波数において、ベース・コレクタ間のインピーダンスを大きくすることができる。したがって、送信時の電力の帰還が抑制されることとなり、高い利得を得ることが可能となる。さらに、広い周波数帯域に渡って利得を均一にすることが可能となる上、電力増幅器のダイナミックレンジを向上することが可能な、小型で安価な増幅器、送信機、および通信機器が提供されることとなる。
インダクタに対して抵抗を直列に接続することによって、広い周波数帯域に渡って利得を均一(平坦)にすることができる。
インダクタに対してキャパシタを並列に接続することによって、インダクタを小さくすることができ、小型の増幅器が提供されることとなる。当該キャパシタの容量を変化させることによって、真性キャパシタが時間的に変化するような場合であっても、高い利得の増幅器を提供することができる。
また、インダクタのインダクタンスを変化させることによって、真性キャパシタが時間的に変化するような場合であっても、高い利得の増幅器を提供することができる。
位相調整回路を設けることによって、ダイナミックレンジを広くすることができる。
また、トランジスタを飽和領域で動作させることによって、電力付加効率を高くすることができる。
本発明の増幅器を極座標変調する送信機に用いることによって、終段増幅器にのみ振幅変調信号を入力すればよいので、高い変調速度の場合にも広いダイナミックレンジを維持することができる。
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
(第1の実施形態)
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る増幅器100の構成を示す図である。図1Aにおいて、増幅器100は、入力端子101と、出力端子102と、トランジスタ110と、結合キャパシタ120と、抵抗121と、インダクタ122と、インダクタ124とを備える。
図1Aに記載の増幅器100では、入力端子101から入力された高周波信号は、トランジスタ110のベースから入力されて増幅され、コレクタを通って出力端子102から送信信号として取り出される。ベースには抵抗121を介してバイアスVbが供給される。コレクタにはインダクタ122を介してバイアスVcが供給される。
トランジスタ110のベースとコレクタとの間には、寄生キャパシタ123と真性キャパシタ111とが各々並列に存在する。さらに、トランジスタ110のベースとコレクタとの間には、インダクタ124(インダクタンスはLxであるとする)が接続されている。本来、真性キャパシタ111は、トランジスタ110の内部に存在しているベース・コレクタ間容量であるが、ここでは理解しやすいようにあえてトランジスタ110の外に記述しておく。なお、本明細書において、寄生キャパシタとは、トランジスタをパッケージ化したときに寄生する容量のことをいい、ベース・コレクタ間容量とは異なるものである。
なお、コレクタバイアスとベースバイアスとを分離するために、基本周波数fcで十分小さなインピーダンスを示す結合キャパシタ120が、ベース側に接続されている。
インダクタ124のインダクタンスLxは、増幅したい周波数帯域fcにおいて寄生キャパシタ123(容量はCpであるとする)と真性キャパシタ111(容量はCbcであるとする)とで並列共振するように設定されている。すなわち、基本周波数fc(角周波数ω=2πfc)において、
Lx×(Cbc+Cp)=1/ω2 …(式2)
の関係を満たすようにリアクタンスLxが設定されている。
図1Bは、各周波数における増幅器100の利得を模式的に示す図である。図1Bにおいて、実線は、(式2)の関係を満たすようにインダクタンスLxの値を設定したとき、すなわち、インダクタ124が寄生キャパシタ123と真性キャパシタ111とで並列共振するように設定したときの増幅器100における利得を示す。点線は、(式1)の関係を満たすようにインダクタLxの値を設定したとき、すなわち、インダクタ124が寄生キャパシタ123にのみ共振するように設定したときの利得を示す。図1Bに示すように、通信周波数をfcとした場合、周波数fcにおいて実線の方が点線より高い利得が実現できていることが分かる。
このように、インダクタ124が寄生キャパシタ123と真性キャパシタ111とに並列共振するように設定することによって、送信周波数において、ベース・コレクタ間のインピーダンスを大きくすることができるので、送信時の電力の帰還が抑制されることとなり、増幅器の利得の低下を防ぐことができる。したがって、本実施形態に係る増幅器は、送信信号の増幅器として、有用である。
(第2の実施形態)
図2Aは、本発明の第2の実施形態に係る増幅器200の構成を示す図である。図2Aに記載の増幅器200では、図1Aの増幅器100のベース・コレクタ間にさらにキャパシタ201(容量はCxであるとする)を接続している以外は、第1の実施形態における増幅器100の構成と同様である。
キャパシタ201が寄生キャパシタ123(容量Cp)と真性キャパシタ111(容量Cbc)とに並列接続することによって、全体の容量値が大きくなる。したがって、
Lx×(Cbc+Cp+Cx)=1/ω2 …(式3)
の関係を満たすようなリアクタンスLxの値は、(式2)の関係を満たすLxよりも小さくなる。
Lxの値が小さくなると、それだけインダクタの物理的大きさを小さくできるので、したがって、第2の実施形態では、(式3)の関係を満たすリアクタンスLxを有するインダクタ124を用いることによって、第1の実施形態に比べて、回路を小型化できるという効果が生じる。
図2Bは、インダクタ124の一例を示す図である。図2Bでは、図2Aに記載の増幅器200のインダクタ124をスパイラルインダクタで形成している例を示している。スパイラルインダクタでは面積や巻き数が大きいほど大きなインダクタンスが得られる。従って、増幅器200では、より面積の小さなインダクタ124で共振条件が実現できるため、回路を小型化できる。
(第3の実施形態)
図3Aは、本発明の第3の実施形態に係る増幅器300の構成を示す図である。図3Bは、増幅器300の利得の周波数特性を示す図である。図3Aに記載の増幅器300では、インダクタ124に対して直列に抵抗301が接続されている以外は、図2Aに示す構成と同様である。
ここで、増幅器300における寄生キャパシタ123(容量Cp)と真性キャパシタ111(容量Cbc)とインダクタ124(リアクタンスLx)とキャパシタ201(容量Cx)とからなる並列共振回路302が抵抗成分を持たないと仮定する。この場合、並列共振回路302のQ値は、非常に大きくなるので、周波数軸でのインピーダンスの変化は急峻となる。例えば、通信帯域f1からf2において均一の利得を得たい場合、共振特性が急峻すぎると図3Bでの点線に示すように利得が周波数によって大きく変化することとなり、広い周波数帯に渡って利得を均一にするという目的を達成できない。
そのため、第3の実施形態では、インダクタ124に直列に抵抗301を接続することによって、並列共振回路302のQ値を低下させて、周波数に対する共振特性が緩やかになるようにしている。これによって、図3Bでの実線に示すように、通信帯域f1からf2において利得の変化を小さくすることができ、広い周波数帯に渡って利得を均一にするという目的を達成することができる。
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係る増幅器400の構成を示す図である。図4に記載の増幅器400は、図3に示す増幅器300におけるインダクタ124およびキャパシタ201を可変インダクタ401および可変キャパシタ402に置き換えた構成である。なお、ここでは、インダクタ124およびキャパシタ201が、それぞれ、可変インダクタ401および可変キャパシタ402に置き換えられた構成を示しているが、いずれか一方が置き換わった構成であってもよい。すなわち、インダクタ124のみが可変インダクタ401に置き換わった構成であってもよいし、キャパシタ201のみが可変キャパシタ402に置き換わった構成であってもよい。
外部の制御部(図示せず)は、バイアスの時間的変化に応じてベース・コレクタ間で生じる電圧Vbc(t)(tは時間を示す)の時間変化に応じて、可変インダクタ401または可変キャパシタ402の値を変化させる。ベース・コレクタ間電圧Vbc(t)が変化すれば、真性キャパシタ111の容量Cbc(t)も変化する。そのため、各時間で共振回路の共振条件が変化してしまい、高い利得が得られなくなってしまう。そこで、制御部は、可変キャパシタ402の容量Cx(t)を、ベース・コレクタ間電圧Vbc(t)の変化に応じて、変化させることによって、送信に用いる所定の周波数帯において、共振条件を満たすようにすることができる。これによって、時間的にベース・コレクタ間電圧が変化するような場合でも、高い利得の増幅器を提供することができる。また、可変インダクタ401のリアクタンスLx(t)をベース・コレクタ間電圧Vbc(t)の変化に応じて、変化させるようにしてもよい。この場合も、送信に用いる所定の周波数帯において、共振条件を満たすようにすることができ、時間的にベース・コレクタ間電圧が変化するような場合でも、高い利得の増幅器を提供することができる。また、抵抗301が接続されているので、広い周波数帯に渡って利得を平坦に保つことができる。
たとえば、コレクタ電圧Vc(t)を振幅変動させて、増幅器400で振幅変調を行う場合を考える。この場合、変調速度に応じてベース・コレクタ間電圧Vbc(t)が変化し、トランジスタ110の真性キャパシタ111(容量Cbc(t))もベース・コレクタ間電圧Vbc(t)に応じて変化する。その結果、各時間で共振回路の共振条件が変化し、高い利得が得られなくなってしまう。そこで、可変インダクタ401のインダクタンスLx(t)を、真性キャパシタ111の容量Cbc(t)に応じて変化させて、寄生キャパシタ123とバイアスによって時間的に変化する真性キャパシタ111と可変キャパシタ402とで並列共振するようにすることにより、基本周波数fcでの並列共振条件を保持し、高い利得を実現することができる。また、同様の効果は、可変キャパシタ402の容量Cx(t)を容量Cbc(t)に応じて変化させ、寄生キャパシタ123とバイアスによって時間的に変化する真性キャパシタ111と可変インダクタ401とで並列共振するようにすることにより、共振条件を保持させることによっても実現することが可能である。このような場合、たとえば、制御部は、コレクタ電圧Vc(t)の大きさに応じて、可変キャパシタ402または可変インダクタ401の値を制御するようにすればよい。
(第5の実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態に係る増幅器600の構成を示す図である。図5に記載の増幅器600は、インダクタ124を含む位相調整回路701を備える。それ以外は、第1の実施形態と同様である。
位相調整回路701のインピーダンスは、寄生キャパシタ123、真性キャパシタ111、および当該位相調整回路701からなる回路を介した漏れ信号とトランジスタ110から増幅または減衰されて出力される増幅信号との位相差が−2/3πから2/3πとなるように設定されている。より好ましくは、位相調整回路701のインピーダンスは、寄生キャパシタ123、真性キャパシタ111、および位相調整回路701からなる回路を介した漏れ信号とトランジスタ110から増幅または減衰されて出力される増幅信号との位相差がπとなるように設定されているとよい。
図6Aおよび図6Bは、寄生キャパシタ123、真性キャパシタ111、および当該位相調整回路701からなる回路を介した漏れ信号とトランジスタ110から増幅または減衰されて出力される増幅信号との位相関係を示す図である。図6A,6Bでは、増幅信号のベクトルをベクトルAとし、漏れ信号のベクトルをベクトルBとし、漏れ信号と増幅信号との合成信号のベクトルを合成ベクトルCとしている。図6Aでは、漏れ信号と増幅信号との位相差が−2/3πから2/3πの場合(ベクトルAに対するベクトルBの成す角度が−2/3πから2/3πの範囲内)が示されている。図6Bでは、漏れ信号と増幅信号との位相差が−2/3πから2/3π以外の場合(ベクトルAに対するベクトルBの成す角度が−2/3πから2/3π以外の範囲内)が示されている。
まず、高出力の場合、すなわち、ベクトルAの大きさが大きい場合を考える。この場合、図6A,Bに示すように、ベクトルBの大きさは、合成ベクトルCの大きさに、殆ど影響を与えない。
次に、低出力の場合、すなわち、ベクトルAの大きさが小さい場合を考える。図6Aに示すように、ベクトルAとベクトルBとの角度差が−2/3πから2/3πである場合(漏れ信号と増幅信号との位相差が−2/3πから2/3πである場合)と、図6Bに示すように、ベクトルAとベクトルBとの角度差が−2/3πから2/3π以外である場合(漏れ信号と増幅信号との位相差が−2/3πから2/3π以外である場合)とを比較すると、ベクトルAとベクトルBとの角度差が−2/3πから2/3πである場合の方が、合成ベクトルCの大きさが顕著に小さくなる。
したがって、ベクトルAとベクトルBとの角度差が−2/3πから2/3πとなるように、すなわち、漏れ信号と増幅信号との位相差が−2/3πから2/3πとなるように、位相調整回路701のインピーダンスが設定されていることによって、トランジスタの電源電圧(コレクタまたはドレイン電圧)を低下して低電力を出力する場合、より低いレベルまで出力電力を低下させることが可能となる。その結果、ベクトルBに起因する低出力側のダイナミックレンジの低下を抑制することができる。したがって、ダイナミックレンジが広くなる。また、漏れ信号と増幅信号との位相差がπとなるように設定されていれば、必ず、合成信号を増幅信号よりも小さくすることができるので、ダイナミックレンジが広くなる。
上記のような位相調整回路701は、以下のようにして設計すればよい。まず、寄生キャパシタ123、真性キャパシタ111を介した漏れ信号が抑圧されるように、真性キャパシタ111と並列共振するインダクタ124を選択する。次に、選択されたインダクタ124によって、寄生キャパシタ123、真性キャパシタ111、および位相調整回路を介した漏れ信号の位相がどの程度回転しているかを調べる。漏れ信号の位相と増幅信号の位相との差が、−2/3πから2/3πであれば、位相調整回路701は、インダクタ124のみで構成可能である。一方、漏れ信号の位相と増幅信号の位相との差が、−2/3πから2/3πでないならば、漏れ信号の位相を−2/3πから2/3πとするために、キャパシタまたはインダクタをインダクタ124に直列または並列に接続する。このようにして、位相調整回路701が設計される。
なお、第2〜第4の実施形態においても、位相調整回路を設けるようにしてもよい。
なお、トランジスタ110は、高出力で動作する時に最も電力を消費する。したがって、トランジスタ110が飽和領域で動作し、かつ利得が高いと、総合的に、電力付加効率は、高くなる。したがって、第1〜第5の実施形態において、トランジスタ110に接続するインダクタ124または401のインダクタンスは、トランジスタ110が飽和領域で動作している場合の真性キャパシタ111の容量Cbcに並列共振するように設定されるのが好ましい。
なお、第1〜第5の実施形態において、本発明において、トランジスタ110としては、バイポーラトランジスタに代えて電界効果トランジスタ等の増幅素子を用いてもかまわない。トランジスタ110として、電界効果トランジスタを用いる場合には、真性キャパシタは、ゲート・ドレイン間容量となる。
(第6の実施形態)
図7は、本発明の第6の実施形態に係る極座標変調動作の送信機500の構成を示す図である。図7において、送信機500は、信号生成部501と、直交変調器502と、フィルタ503と、ドライバ段増幅器504と、段間増幅器505と、終段増幅器506と、D級動作増幅器507と、フィルタ508とを備える。
図7に示す送信機500において、π/4シフトQPSK変調されたデジタルベースバンド信号が、DSPとDACとからなる信号生成部501に入力される。信号生成部501は、デジタルベースバンド信号から位相成分を抽出し位相制御信号Eph(t)を出力し、デジタルベースバンド信号から振幅成分を抽出し振幅変調信号Emag(t)を出力する。
位相制御信号Eph(t)は、直交変調器502に入力される。直交変調器502は、位相制御信号Eph(t)に基づいて、周波数f0のキャリア信号を変調し、一定の包絡線を有するように、位相制御信号Eph(t)が重畳された位相変調信号を出力する。フィルタ503は、位相変調信号から不必要な信号を除去する。フィルタ503から出力された信号は、ドライバ段増幅器504、段間増幅器505、終段増幅器506の順に、直列接続した3段構成の電力増幅段に入力される。
ドライバ段増幅器504および段間増幅器505には、電源端子509に電池等の電源部(図示せず)を介して一定電圧が印加されている。ドライバ段増幅器504および段間増幅器505は、位相変調信号を増幅して、増幅した位相変調信号を終段増幅器506に入力する。
一方、振幅変調信号Emag(t)は、高効率なD級動作増幅器507で増幅される。フィルタ508は、D級動作増幅器507から出力される信号の不必要な成分を除去して、振幅変調信号Efm(t)として出力する。振幅変調信号Efm(t)は、終段増幅器506の電源部に入力される。
終段増幅器506は、第1〜第5の実施形態に係るいずれかの増幅器である。終段増幅器506は、段間増幅器505から出力される位相変調信号と電源部に入力される振幅変調信号Efm(t)とを混合して、キャリア信号に重畳されたπ/4シフトQPSK変調信号を出力する。このπ/4シフトQPSK変調信号の包絡線の電圧をEo(t)とする。
このように、デジタルベースバンド信号に基づいて位相変調信号と振幅変調信号とが生成され、終段増幅器506の電源部に入力される振幅変調信号と位相変調信号とが混合されることによって、デジタルベースバンド信号によって極座標変調(Polar変調)された信号が出力されることとなる。
次に、終段増幅器506に第1〜第5の実施形態に係るいずれかの増幅器を用いることによって広いダイナミックレンジに渡って、歪み無く変調信号を増幅することができる原理について説明する。ここでは、変調信号の出力電力が−10dBmから+30dBmまでの40dBmに渡ってパワーコントロールされると想定する。
図8Aは、終段増幅器506として、入出力間にインダクタを接続しない従来の増幅器を用いた場合において、入力電力を大きくしたときの電源電圧Vccと出力電力Voとの関係を示す図である。図8Bは、終段増幅器506として、入出力間にインダクタを接続しない従来の増幅器を用いた場合において、入力電力を小さくしたときの電源電圧Vccと出力電力Voとの関係を示す図である。図8Cは、終段増幅器506として、入出力間にインダクタが接続された第1〜第5の実施形態に係る増幅器を用いた場合において、電源電圧Vccと出力電力Voとの関係を示す図である。なお、電源電圧Vccは、振幅変調信号Efm(t)に相当する。
終段増幅器506の入出力間にインダクタを接続しない場合、利得が低くなる。よって、所望の高い出力電圧(+30dBm相当)以上を実現するためには、終段増幅器506への入力電力を大きくしなければならない。入力電力を大きくすると、出力電圧が低い領域において、大きな入力電力が、終段増幅器506の真性キャパシタを介して漏れる。したがって、図8Aに示すように、電源電圧Vccを低くしても、所望の低い電圧値(−10dBm相当)より高い出力電圧Voが出力されてしまう。逆に、終段増幅器506への入力電力を低くすれば、図8Bに示すように、所望の低い電圧値(−10dBm相当)より低い出力電圧Voが実現される。しかし、所望の高い出力電圧(+30dBm相当)以上は得られない。このように、終段増幅器506の入出力間にインダクタを接続しない場合、ダイナミックレンジが狭くなる。
一方、終段増幅器506の入出力間にインダクタを接続した場合、利得が高くなる。よって、入力電力を図8Bに示すようなレベルに低くしたとしても、所望の高い出力電圧((+30dBm相当)以上が得られる。あわせて、所望の低い電圧値(−10dBm相当)より低い出力電圧Voが得られる。
このように、終段増幅器506の入出力間にインダクタを接続することによって、ダイナミックレンジが広くなる。
また、ダイナミックレンジが広くなるので、終段増幅器506だけに振幅変調信号Efm(t)を入力すればよい。よって、高い変調速度の場合にも広いダイナミックレンジを維持することができる。
なお、第1〜第5の実施形態に係る増幅器は、極座標変調動作する送信機以外の通信機器に用いられてもよい。また、通信機器以外に用いてもよいことは言うまでもない。
なお、本発明の増幅器が適用される通信機器として、例えば、携帯電話がある。図9は、本発明の増幅器を適用した携帯電話の正面図である。本発明の増幅器は送信信号用の増幅器として適用され、当該増幅器を備えた、たとえば図7に示す本発明の送信機500が、当該携帯電話に適用される。これにより、広いダイナミックレンジ、低歪み、高効率な通信機器が実現される。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明にかかる増幅器によれば高い利得を得ることができ、通信機器の送信信号増幅器などに有用である。さらに、広いダイナミックレンジ、低歪み、かつ高効率な送信機を容易に実現することができるので、無線通信機器の送信機などに有用である。
本発明の第1の実施形態に係る増幅器100の構成を示す図 各周波数における増幅器100の利得を模式的に示す図 本発明の第2の実施形態に係る増幅器200の構成を示す図 インダクタ124の一例を示す図 本発明の第3の実施形態に係る増幅器300の構成を示す図 増幅器300の利得の周波数特性を示す図 本発明の第4の実施形態に係る増幅器400の構成を示す図 本発明の第5の実施形態に係る増幅器600の構成を示す図 寄生キャパシタ123、真性キャパシタ111、および当該位相調整回路701からなる回路を介した漏れ信号とトランジスタ110から増幅または減衰されて出力される増幅信号との位相関係(漏れ信号と増幅信号との位相差が−2/3πから2/3πの場合)を示す図 寄生キャパシタ123、真性キャパシタ111、および当該位相調整回路701からなる回路を介した漏れ信号とトランジスタ110から増幅または減衰されて出力される増幅信号との位相関係(漏れ信号と増幅信号との位相差が−2/3πから2/3π以外の場合)を示す図 本発明の第6の実施形態に係る極座標変調動作の送信機500の構成を示す図 終段増幅器506として、入出力間にインダクタを接続しない従来の増幅器を用いた場合において、入力電力を大きくしたときの電源電圧Vccと出力電力Voとの関係を示す図 終段増幅器506として、入出力間にインダクタを接続しない従来の増幅器を用いた場合において、入力電力を小さくしたときの電源電圧Vccと出力電力Voとの関係を示す図 終段増幅器506として、入出力間にインダクタが接続された第1〜第5の実施形態に係る増幅器を用いた場合において、電源電圧Vccと出力電力Voとの関係を示す図 本発明の増幅器を適用した携帯電話の正面図 弱い受信信号を増幅するための従来の受信信号用の増幅器900の構成例を示す図 増幅器の動作効率を積極的に向上することができる極座標変調(Polar変調)動作の送信機930の構成例を示す図 図10におけるトランジスタ910の等価回路を示す概略図 図11に示す終段増幅器936における電源電圧Vccと出力電圧Voとの関係を示す図
符号の説明
100,200,300,400,600 増幅器
101 入力端子
102 出力端子
110 トランジスタ
111 真性キャパシタ
120,201 キャパシタ
121,301 抵抗
122,124 インダクタ
123 寄生キャパシタ
124 インダクタ
302 並列共振回路
401 可変インダクタ
402 可変キャパシタ
701 位相調整回路
500 送信機
501 信号生成部
502 直交変調器
503,508 フィルタ
504 ドライバ段増幅器
505 段間増幅器
506 終段増幅器
507 D級動作増幅器

Claims (12)

  1. 高周波信号を増幅して出力する増幅器であって、
    バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタである増幅素子と、
    前記増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間に接続されたインダクタとを備え、
    前記インダクタのインダクタンスは、所定の周波数帯域において、前記増幅素子の寄生キャパシタと前記増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとで並列共振する値に設定されていることを特徴とする、増幅器。
  2. 前記インダクタに直列に接続された抵抗をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の増幅器。
  3. 前記インダクタに並列に接続されたキャパシタをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の増幅器。
  4. 前記キャパシタの容量は、前記所定の周波数帯域において、前記寄生キャパシタと前記ベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタと前記インダクタとで並列共振する値に設定されていることを特徴とする、請求項3に記載の増幅器。
  5. 前記キャパシタの容量は、前記所定の周波数帯域において、前記寄生キャパシタとバイアスによって時間的に変化する前記ベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタと前記インダクタとで並列共振するように変動することを特徴とする、請求項3に記載の増幅器。
  6. 前記インダクタのインダクタンスは、前記所定の周波数帯域において、前記寄生キャパシタとバイアスによって時間的に変化する前記ベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタと前記キャパシタとで並列共振するように変化することを特徴とする、請求項4に記載の増幅器。
  7. 前記インダクタを含む位相調整回路をさらに備え、
    前記位相調整回路のインピーダンスは、前記寄生キャパシタ、前記真性キャパシタ、および当該位相調整回路からなる回路を介した漏れ信号と前記増幅素子から増幅または減衰されて出力される増幅信号との位相差が−2/3πから2/3πとなるように設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の増幅器。
  8. 前記増幅素子は、飽和領域で動作し、
    前記インダクタのインダクタンスは、前記飽和領域において、前記寄生キャパシタと前記ベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとで並列共振する値に設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の増幅器。
  9. 前記増幅素子は、ベース端子またはゲート端子に入力される位相変調信号と、コレクタ端子またはドレイン端子に入力される振幅変調信号とを混合して、変調信号を出力することを特徴とする、請求項1に記載の増幅器。
  10. 高周波信号を増幅器で増幅して送信する通信機器であって、
    前記増幅器は、
    バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタである増幅素子と、
    前記増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間に接続されたインダクタとを備え、
    前記インダクタのインダクタンスは、所定の周波数帯域において、前記増幅素子の寄生キャパシタと前記増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとで並列共振する値に設定されていることを特徴とする、通信機器。
  11. 高周波信号を送信する送信機であって、
    ベースバンド信号の位相成分に基づいて位相制御信号を出力すると共に、前記ベースバンド信号の振幅成分に基づいて振幅変調信号を出力する信号生成部と、
    前記信号生成部から出力される位相制御信号に基づいて、キャリア信号を変調して、位相変調信号を出力する直交変調器と、
    前記振幅変調信号をバイアス電圧とすることによって、前記位相変調信号と前記振幅変調信号とを混合して送信信号を出力する終段増幅器とを備え、
    前記終段増幅器は、
    バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタである増幅素子と、
    前記増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間に接続されたインダクタとを備え、
    前記インダクタのインダクタンスは、所定の周波数帯域において、前記増幅素子の寄生キャパシタと前記増幅素子のベース・コレクタ間またはゲート・ドレイン間の真性キャパシタとで並列共振する値に設定されていることを特徴とする、送信機。
  12. さらに、前記直交変調器が出力する前記位相変調信号を増幅して出力するドライバ段増幅器と、
    前記ドライバ段増幅器から出力される増幅された前記位相変調信号を増幅して出力する段間増幅器とを備え、
    前記振幅変調信号は、前記バイアス電圧として、前記終段増幅器にのみ入力され、
    かつ、前記終段増幅器は、前記段間増幅器から出力される位相変調信号と前記振幅変調信号とを混合して送信信号を出力することを特徴とする、請求項11に記載の送信機。
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