JP2019068404A - 電力増幅回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い帯域においてゲインの線形性劣化が抑制される電力増幅回路を提供する。【解決手段】電力増幅回路100は、第1信号RF1を増幅して第2信号RF2を出力する第1トランジスタQ1と、第2信号に応じた信号を増幅して第3信号RF3を出力する第2トランジスタQ2と、第1トランジスタのベースに第1バイアス電流Ibias1又は電圧Vbbを供給する第3トランジスタQ5と、第2トランジスタのベースに第2バイアス電流Ibias2を供給する第4トランジスタQ8とを備える。第1トランジスタのエミッタ面積に対する第3トランジスタのエミッタ面積の比率は、第2トランジスタのエミッタ面積に対する第4トランジスタのエミッタ面積の比率より大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、電力増幅回路に関する。
携帯電話等の移動体通信機においては、基地局へ送信する無線周波数(RF:Radio‐Frequency)信号の電力を増幅するために電力増幅回路が用いられる。電力増幅回路では、電力増幅用のトランジスタにバイアス電流を供給するためのバイアス回路が用いられる。例えば、特許文献1には、エミッタフォロアにより構成されたバイアス回路を用いた電力増幅回路が開示されている。当該バイアス回路では、バイアス電流供給用のトランジスタのエミッタから、増幅用のトランジスタのベースに向かってバイアス電流が出力される。
特開2016−213557号公報
上述のようにエミッタフォロアにより構成されたバイアス回路においては、バイアス電流の電流量がRF信号の影響を受ける。具体的には、RF信号のレベルが大きくなると、バイアス電流に負の電流(増幅用のトランジスタのベースからバイアス電流供給用のトランジスタのエミッタ側への電流)が発生する。このとき、バイアス電流供給用のトランジスタのベース・エミッタ間のPN接合の整流特性によって、当該負の電流がカットされてしまう。これにより、正の方向にバイアス電流が流れる割合が増加し、バイアス電流の平均値が高くなる。従って、電力増幅回路のゲインが上昇し、結果として電力増幅回路におけるゲインの線形性劣化を招く。
この問題に対処するため、特許文献1に開示される構成では、バイアス電流供給用のトランジスタのベース・エミッタ間に負の電流を通す電流経路を設けることにより、バイアス電流の負の部分がカットされないようにしている。これにより、RF信号のレベルが大きくても、バイアス電流の平均値の上昇が抑制される。
しかしながら、上記の構成では負の電流を通す経路としてキャパシタが用いられているため、当該経路が周波数特性を有することとなる。これにより、例えばマルチバンド技術に見られるようにRF信号の周波数帯域が広範囲にわたる場合、周波数に応じて特性が変動してしまうという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、広い帯域においてゲインの線形性劣化が抑制される電力増幅回路を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の一側面に係る電力増幅回路は、第1信号を増幅して第2信号を出力する第1トランジスタと、第2信号に応じた信号を増幅して第3信号を出力する第2トランジスタと、第1トランジスタのベースに第1バイアス電流又は電圧を供給する第3トランジスタと、第2トランジスタのベースに第2バイアス電流又は電圧を供給する第4トランジスタと、を備え、第1トランジスタのエミッタ面積に対する第3トランジスタのエミッタ面積の比率は、第2トランジスタのエミッタ面積に対する第4トランジスタのエミッタ面積の比率より大きい。
本発明によれば、広い帯域においてゲインの線形性劣化が抑制される電力増幅回路を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電力増幅回路の構成例を示す図である。 トランジスタQ1を構成する1つのセルの構造を示した平面図である。 本発明の一実施形態に係る電力増幅回路における電圧Vbbのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る電力増幅回路における前段のゲインのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。 本発明の比較例に係る電力増幅回路におけるACLR特性のシミュレーション結果の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る電力増幅回路におけるACLR特性のシミュレーション結果の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電力増幅回路の構成例を示す図である。図1に示される電力増幅回路100は、例えば、携帯電話等の移動体通信機に搭載され、基地局に送信する無線周波数(RF:Radio−Frequency)信号の電力を増幅するために用いられる。電力増幅回路100は、例えば、2G(第2世代移動通信システム)、3G(第3世代移動通信システム)、4G(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)−FDD(Frequency Division Duplex)、LTE−TDD(Time Division Duplex)、LTE−Advanced、LTE−Advanced Pro等の通信規格の信号の電力を増幅する。また、電力増幅回路100は、例えば複数の異なる周波数帯域の信号の電力を増幅する。RF信号の周波数は、例えば数百MHz〜数十GHz程度である。なお、電力増幅回路100が増幅する信号の通信規格及び周波数はこれらに限られない。
電力増幅回路100は、例えば増幅器110,111及びバイアス回路120,121を備える。
増幅器110,111は、2段の増幅器を構成している。前段(ドライブ段)の増幅器110は、RF信号RF1(第1信号)を増幅して、RF信号RF2(第2信号)を出力する。後段(パワー段)の増幅器111は、RF信号RF2をさらに増幅して、RF信号RF3(第3信号)を出力する。なお、増幅器の段数は2段に限られず、3段以上であってもよい。
バイアス回路120,121は、それぞれ、増幅器110,111にバイアス電流又は電圧を供給する。具体的には、バイアス回路120(第1バイアス回路)は、バイアス電流Ibias1(第1バイアス電流)を前段の増幅器110に供給する。また、バイアス回路121(第2バイアス回路)は、バイアス電流Ibias2(第2バイアス電流)を後段の増幅器111に供給する。バイアス電流Ibias1,Ibias2の電流量によって増幅器110,111のゲインが制御される。
なお、図示は省略されているが、電力増幅回路100は、各増幅器110,111の前段及び後段に、回路間のインピーダンスを整合させる整合回路を備えていてもよい。
次に、増幅器110,111及びバイアス回路120,121の具体的な構成例について説明する。
前段の増幅器110は、例えば、トランジスタQ1、キャパシタC1及び抵抗素子R1を備える。同様に、後段の増幅器111は、例えば、トランジスタQ2、キャパシタC2及び抵抗素子R2を備える。
トランジスタQ1(第1トランジスタ)及びトランジスタQ2(第2トランジスタ)は、例えばヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:Heterojunction Bipolar Transistor)等のバイポーラトランジスタである。トランジスタQ1は、ベースにRF信号RF1及びバイアス電流Ibias1が供給され、コレクタに電源電圧が供給され、エミッタが接地される。これにより、トランジスタQ1は、RF信号RF1を増幅して、コレクタからRF信号RF2を出力する。トランジスタQ2は、ベースにRF信号RF2及びバイアス電流Ibias2が供給され、コレクタに電源電圧が供給され、エミッタが接地される。これにより、トランジスタQ2は、RF信号RF2をさらに増幅して、コレクタからRF信号RF3を出力する。
なお、図示は省略されているが、トランジスタQ1,Q2のコレクタには、チョークインダクタを経由して電源電圧が供給されていてもよい。
キャパシタC1,C2は、それぞれ、入力されるRF信号に含まれる直流成分を遮断し、交流成分を通過させるカップリングコンデンサである。
抵抗素子R1,R2は、それぞれ、バイアス回路120,121とトランジスタQ1,Q2のベースとの間に接続される。バイアス電流Ibias1,Ibias2が抵抗素子R1,R2を経由して供給されることにより、トランジスタQ1,Q2の温度上昇によるバイアス電流Ibias1,Ibias2の増加が抑制される。
図2は、トランジスタQ1を構成する1つのセルの構造を示した平面図である。なお、トランジスタQ2は、同図に示されるセルと同様のセルにより構成することができる。
同図に示されるように、1つのセルは、半導体基板10の主面の平面視において、当該主面に形成されたベース層20と、ベース層20の両外側にそれぞれ形成された2つのエミッタ層30a,30bと、2つのエミッタ層30a,30bの両外側にそれぞれ形成されたコレクタ層40a,40bと、を含む。これにより、1個の単位トランジスタが構成される。なお、「単位トランジスタ」とは、少なくともベース層、コレクタ層及びエミッタ層を含み、トランジスタとして機能する最小単位の構成のことを指す。
また、図2においては図示が省略されているが、各セルにおいては、上述の単位トランジスタに加えて、キャパシタC1及び抵抗素子R1に相当する素子もまた一体的に形成されてもよい。図1では、各増幅器110,111に含まれる各素子が1つの回路記号により図示されているが、本実施形態における増幅器110,111は、それぞれ、複数のセルを含んで構成される。そして、複数のセル間において、各単位トランジスタのコレクタ同士、エミッタ同士及びベース同士は互いに電気的に接続される。これにより、複数のセルは並列接続された構成となり、全体として1つの増幅器として動作する。増幅器を構成するセル数は特に限定されないが、電力増幅回路100においては、後段は前段に比べて電力の増幅レベルが大きいため、後段のセル数(例えば20個)は、前段のセル数(例えば4個)よりも多い。
以下では、各セルにおいて、半導体基板10の主面の平面視におけるエミッタ層の面積の合計(図2ではエミッタ層30a,30bの面積の合計)を「セルのエミッタ面積」とも呼ぶ。また、増幅器を構成する複数のセルのエミッタ面積の合計を、「増幅器のエミッタ面積(又はトランジスタのエミッタ面積)」とも呼ぶ。例えば、増幅器110が4個のセルにより構成される場合、エミッタ層30aの面積を1とすると、当該増幅器110(トランジスタQ1)のエミッタ面積は、1×2個×4セル=8となる。なお、1個のセルに含まれるエミッタ層の数は2個に限られず、例えば4個であってもよい。エミッタ層が4個である場合、4個のエミッタ層と3個のベース層が交互に並んで形成されていてもよい。
図1に戻り、バイアス回路120は、例えば、トランジスタQ3〜Q5、抵抗素子R3及びキャパシタC3を備える。
トランジスタQ3〜Q5は、例えばHBTである。トランジスタQ3は、コレクタとベースが接続され(以下、「ダイオード接続」とも呼ぶ。)、コレクタに抵抗素子R3を経由して電圧Vb1が供給され、エミッタがトランジスタQ4のコレクタに接続される。トランジスタQ4は、ダイオード接続され、コレクタがトランジスタQ3のエミッタに接続され、エミッタが接地される。これにより、トランジスタQ3のコレクタに、所定レベルの電圧(例えば2.6V程度)が生成される。
トランジスタQ5(第3トランジスタ)は、コレクタにバッテリ電圧Vbattが供給され、ベースがトランジスタQ3のベースと接続され、エミッタが抵抗素子R1を経由してトランジスタQ1のベースに接続される。これにより、トランジスタQ5のエミッタからバイアス電流Ibias1が出力される。トランジスタQ5は、上述のトランジスタQ1,Q2と同様に、例えば複数のセルにより構成される。図1においては例として、トランジスタQ5が3個のセルにより構成されることが模式的に示されている。
抵抗素子R3は、一端に電圧Vb1が供給され、他端がトランジスタQ3のコレクタに接続される。なお、抵抗素子R3の一端には、電圧Vb1の代わりに電流源から電流Ib1が供給されてもよい。
キャパシタC3は、一端がトランジスタQ3のコレクタに接続され、他端が接地される。キャパシタC3は、交流成分を接地に流すことにより、RF信号の検波に起因するトランジスタQ3のベースの電圧振幅を抑制する。
バイアス回路121は、例えば、トランジスタQ6〜Q8、抵抗素子R4及びキャパシタC4を備える。なお、トランジスタQ6,Q7、抵抗素子R4及びキャパシタC4の構成は、それぞれ、バイアス回路120におけるトランジスタQ3,Q4、抵抗素子R3及びキャパシタC3の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
トランジスタQ8(第4トランジスタ)は、コレクタにバッテリ電圧Vbattが供給され、ベースがトランジスタQ6のベースと接続され、エミッタが抵抗素子R2を経由してトランジスタQ2のベースに接続される。これにより、トランジスタQ8のエミッタからバイアス電流Ibias2が出力される。トランジスタQ8は、上述のトランジスタQ1,Q2と同様に、例えば複数のセルにより構成されてもよい。図1においては例として、トランジスタQ8が1個のセルにより構成されることが模式的に示されている。
なお、バイアス回路120,121は、それぞれ、電圧Vb1,Vb2の電圧値(あるいは、電流Ib1,Ib2の電流値)の調整によりバイアス電流Ibias1,Ibias2の電流量が制御されてもよい。
次に、バイアス電流Ibias1,Ibias2の電流量の変動の抑制について、前段(増幅器110及びバイアス回路120)を例として説明する。
一般的に、エミッタフォロアにより構成されたバイアス回路においては、バイアス電流の電流量がRF信号の影響を受けて変動し得る。具体的には、図1に示される符号を便宜的に用いると、トランジスタQ1のベースに供給されるRF信号RF1のレベルが大きい場合、バイアス電流に負の電流(トランジスタQ1のベースからトランジスタQ5のエミッタ側へと流れる電流)が発生する。当該負の電流は、トランジスタQ5のエミッタからベース方向へ流れようとするものの、トランジスタQ5のベース・エミッタ間のPN接合の整流特性によってカットされる。このように、バイアス電流の負の部分はカットされるため、RF信号のレベルの増大に伴ってトランジスタQ5のエミッタ電圧(電圧Vbb)の平均値が上昇し、バイアス電流Ibias1の平均値も上昇してしまう。
この問題に対し、例えば特許文献1に開示される構成では、バイアス電流を供給するトランジスタをカスコード接続とし、上段のトランジスタ(図1におけるトランジスタQ5に相当)に流れ込む負の電流の一部を下段のトランジスタに流そうとしている。しかしながら、当該構成では、上段のトランジスタのエミッタから見た下段のトランジスタのコレクタのインピーダンスが非常に高くなる。従って、下段のトランジスタには電流が流れにくいと考えられる。
また、特許文献1に開示される構成では、上段のトランジスタのベース・エミッタ間に負の電流を通す電流経路を設けることにより、バイアス電流の負の部分がカットされないようにしている。しかしながら、上記の構成では負の電流を通す経路としてキャパシタが用いられているため、当該経路が周波数特性を有することとなる。従って、例えばマルチバンド技術に見られるように、RF信号の周波数帯域が広範囲にわたる場合、周波数に応じて特性が変動してしまうと考えられる。
この点、電力増幅回路100では、前段のトランジスタQ1のエミッタ面積に対するトランジスタQ5のエミッタ面積の比率が、後段のトランジスタQ2のエミッタ面積に対するトランジスタQ8のエミッタ面積の比率より大きくなるように設計されている。ここでの面積の比率とは、バイアス電流供給用のトランジスタ(トランジスタQ5,Q8に相当)のエミッタ面積を、増幅用のトランジスタ(トランジスタQ1,Q2に相当)のエミッタ面積で割った値を指す。例えば、前段では、トランジスタQ1のセル数が4個であるのに対し、トランジスタQ5のセル数が3個であるとする。一方、後段では、例えば、トランジスタQ2のセル数が20個であるのに対し、トランジスタQ8のセル数が1個であるとする。この時、各セルのエミッタ面積が等しいとすると、エミッタ面積の比率は、前段では(トランジスタQ5/トランジスタQ1)=3/4であり、後段では(トランジスタQ8/トランジスタQ2)=1/20である。このように、本実施形態では、後段に比べて前段の方が、増幅用のトランジスタのエミッタ面積に対するバイアス電流供給用のトランジスタのエミッタ面積の比率が大きい。
ここで、エミッタフォロア構成のトランジスタの出力インピーダンスはエミッタ電流の電流量に反比例することが知られている。従って、エミッタ電流の総量が一定である場合、トランジスタのエミッタ面積が広いほど、エミッタの単位面積当たりに流れる電流が減少するため、出力インピーダンスが高くなる。本実施形態においては、トランジスタQ1のエミッタ面積に対するトランジスタQ5のエミッタ面積の比率が、トランジスタQ2のエミッタ面積に対するトランジスタQ8のエミッタ面積の比率より大きいため、エミッタ電流の総量が一定の場合、当該トランジスタQ5の出力インピーダンスが高くなる。従って、RF信号RF1のレベルが大きく、トランジスタQ1のベースにおける交流的な振幅が大きくても、トランジスタQ5のエミッタにおける電流の交流的な変動が抑制される。このように、本実施形態ではトランジスタQ5のRF信号の検波性能が低下するため、負の電流の発生が抑制され、結果としてバイアス電流Ibias1の電流量の平均値の上昇が抑制される。また、これに伴い、トランジスタQ5のエミッタにおける電圧Vbbの上昇も抑制される。
すなわち、電力増幅回路100では、カスコード接続やベース・エミッタ間に接続されるキャパシタを用いることなく、バイアス電流Ibias1の電流量の変動を抑制することができる。従って、電力増幅回路100は、特許文献1に開示される構成に比べて、RF信号の帯域によらず、広い帯域においてゲインの線形性劣化を抑制することができる。
なお、前段において、トランジスタQ5のエミッタ面積は特に限定されないが、例えば増幅用のトランジスタQ1のエミッタ面積の2分の1以上であることが好ましい。すなわち、例えばトランジスタQ1のセル数が4個である場合、トランジスタQ5のセル数が2個以上であることが好ましい。
また、後段においては、バイアス回路121のトランジスタQ8のエミッタ面積を過度に大きくすると、増幅用のトランジスタQ2の電力の増幅レベルに対してパワーが不足し得る。従って、後段のトランジスタQ8のエミッタ面積は、例えば前段のトランジスタQ5のエミッタ面積より小さいことが好ましい。トランジスタQ8のエミッタ面積が小さいと、RF信号のレベルの増大に伴いバイアス電流の平均値が上昇し、ゲインが上昇し得る。ここで、後段におけるゲインの上昇が打ち消されるように前段においてゲインを低下させることにより、前段及び後段を合わせた際の線形性を向上させることができる。
なお、電力増幅回路100は例えば3段の増幅器を備えていてもよい。その場合、例えば2段目の増幅器(第1トランジスタ)に上述のバイアス回路120の構成を適用し、3段目の増幅器(第2トランジスタ)に上述のバイアス回路121の構成を適用することにより、3段目の増幅器におけるゲインの上昇を打ち消してもよい。あるいは、1段目の増幅器(第1トランジスタ)に上述のバイアス回路120の構成を適用し、3段目の増幅器(第2トランジスタ)に上述のバイアス回路121の構成を適用することにより、3段目の増幅器におけるゲインの上昇を打ち消してもよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る電力増幅回路における電圧Vbbのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。具体的には、図3に示されるグラフは、トランジスタQ1とトランジスタQ5のセル数を、(Q1:Q5)=(4:0.5)、(4:1)、(4:2)、(4:3)、(4:4)、(4:5)、(4:6)とした場合に、トランジスタQ5のエミッタにおける電圧Vbbと出力電力Poutとの関係を示している。ここで、トランジスタQ1を構成する各セルは2個のエミッタ層を含み、各セルのエミッタ面積は3.0×40×2個=240μm2であるものとする。他方、トランジスタQ5を構成する各セルは4個のエミッタ層を含み、各セルのエミッタ面積は3.0×20×4個=240μm2であるものとする。なお、トランジスタQ5のセル数が0.5とは、そのエミッタ面積が3.0×20×2個=120μm2であるものとした場合の計算結果である。図3に示されるグラフにおいて、横軸は出力電力Pout(dBm)を示し、縦軸は電圧Vbb(V)を示す。
図3に示されるように、トランジスタQ1のセル数4個に対してトランジスタQ5のセル数が2個以上となると、出力電力の増大に伴う電圧Vbbの上昇が抑制されている。このことから、トランジスタQ5のエミッタ面積が、トランジスタQ1のエミッタ面積の2分の1以上であることが好ましいと言える。
図4は、本発明の一実施形態に係る電力増幅回路における前段のゲインのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。具体的には、図4に示されるグラフは、トランジスタQ1とトランジスタQ5のセル数を、(Q1:Q5)=(4:0.5)、(4:1)、(4:2)、(4:3)、(4:4)、(4:5)、(4:6)とし、トランジスタQ2とトランジスタQ8のセル数を、(Q2:Q8)=(20:2)とした場合に、前段のトランジスタQ1におけるゲインと出力電力Poutとの関係を示している。ここで、トランジスタQ2を構成する各セルは2個のエミッタ層を含み、各セルのエミッタ面積が3.0×40×2個=240μm2であるものとする。他方、トランジスタQ8を構成する各セルは4個のエミッタ層を含み、各セルのエミッタ面積が3.0×20×4個=240μm2であるものとする。なお、トランジスタQ1とトランジスタQ5については、上述の図3に示されるシミュレーションと同条件である。図4に示されるグラフにおいて、横軸は出力電力Pout(dBm)を示し、縦軸はトランジスタQ1のゲイン(dB)を示す。なお、参考として、後段のトランジスタQ2のゲインの一例が破線によって示されている。
図4に示されるように、トランジスタQ5のエミッタ面積がいずれの場合においても、前段のトランジスタQ1は出力電力の増大に伴ってゲインが緩やかに低下している。一方、後段のトランジスタQ2は、図4に示されるように出力電力の増大に伴ってゲインが上昇するように設定することができる。従って、これらのゲイン特性を合わせることにより、電力増幅回路100のゲインの線形性劣化を抑制することができると言える。
図5は、本発明の比較例に係る電力増幅回路におけるACLR特性のシミュレーション結果の一例を示すグラフである。また、図6は、本発明の一実施形態に係る電力増幅回路におけるACLR特性のシミュレーション結果の一例を示すグラフである。比較例とは、図1に示されるトランジスタQ5のベース・エミッタ間にキャパシタが接続された構成である。図5及び図6は、室温下において電源電圧を3.4Vとし、RF信号の周波数を824MHz、849MHz、880MHz、915MHzとした場合における隣接チャネル漏洩電力比(Adjacent Channel Leakage Ratio:ACLR)特性と出力電力Poutとの関係を示している。図5及び図6に示されるグラフにおいて、横軸は出力電力Pout(dBm)を示し、縦軸はACLR(dBc)を示す。
図5に示されるように、比較例においては、RF信号の周波数帯域に応じてACLR特性にばらつきが生じていることが分かる。特に出力電力のレベルが小中程度の領域において特性のばらつきが顕著であり、線形性の劣化が認められる。
一方、図6に示されるように、電力増幅回路100においては、いずれの周波数帯域であっても同様のACLR特性を示しており、比較例に比べてACLR特性のばらつきが低減していることが分かる。また、出力電力のレベルが小中程度の領域において、比較例に比べてACLRが小さく、線形性が向上していることが分かる。このように、本実施形態によると、広い帯域において線形性の劣化を抑制することができる。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。電力増幅回路100は、増幅用のトランジスタQ1,Q2及びバイアス電流供給用のトランジスタQ5,Q8を備え、トランジスタQ1のエミッタ面積に対するトランジスタQ5のエミッタ面積の比率は、トランジスタQ2のエミッタ面積に対するトランジスタQ8のエミッタ面積の比率より大きい。これにより、トランジスタQ5の出力インピーダンスが高くなるため、キャパシタ等の周波数特性を有する素子を用いずに、トランジスタQ5のRF信号の検波性能を低下させることができる。従って、電力増幅回路100によると、広い帯域においてゲインの線形性劣化を抑制することができる。
また、電力増幅回路100において、トランジスタQ5のエミッタ面積はトランジスタQ1のエミッタ面積の2分の1以上である。これにより、出力電力の増大に伴うトランジスタQ5のエミッタにおける電圧Vbbの上昇が抑制される。従って、ゲインの線形性劣化を抑制することができる。
また、電力増幅回路100において、トランジスタQ5のエミッタ面積は、トランジスタQ8のエミッタ面積より大きい。これにより、後段において必要なパワーを維持しつつ、前段のトランジスタQ1及び後段のトランジスタQ2のゲイン特性を合わせて、線形性を向上させることができる。
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更又は改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
100…電力増幅回路、110,111…増幅器、120,121…バイアス回路、Q1〜Q8…トランジスタ、R1〜R4…抵抗素子、C1〜C4…キャパシタ、10…半導体基板、20…ベース層、30a,30b…エミッタ層、40a,40b…コレクタ層

Claims (3)

  1. 第1信号を増幅して第2信号を出力する第1トランジスタと、
    前記第2信号に応じた信号を増幅して第3信号を出力する第2トランジスタと、
    前記第1トランジスタのベースに第1バイアス電流又は電圧を供給する第3トランジスタと、
    前記第2トランジスタのベースに第2バイアス電流又は電圧を供給する第4トランジスタと、
    を備え、
    前記第1トランジスタのエミッタ面積に対する前記第3トランジスタのエミッタ面積の比率は、前記第2トランジスタのエミッタ面積に対する前記第4トランジスタのエミッタ面積の比率より大きい、
    電力増幅回路。
  2. 前記第3トランジスタのエミッタ面積は、前記第1トランジスタのエミッタ面積の2分の1以上である、
    請求項1に記載の電力増幅回路。
  3. 前記第3トランジスタのエミッタ面積は、前記第4トランジスタのエミッタ面積より大きい、
    請求項1又は2に記載の電力増幅回路。
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