JP2021106376A - 電力増幅回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲインディスパージョンの特性を改善する電力増幅回路を提供する。【解決手段】電力増幅回路10は、可変電源電圧Vcc2が供給される第1端子とRF信号が供給される第2端子を有し、RF信号を増幅する第1トランジスタQ2と、第1トランジスタの第2端子にバイアス電流又は電圧を供給するバイアス回路60と、電源端子から供給される可変電源電圧に応じてバイアス電流又は電圧を調整する調整回路70と、を備える。バイアス回路は、バイアス制御電圧又は電流が供給され、接地間に縦積みに接続された第1、第2ダイオードD61、D62と、第1端子に電源電圧が供給され、第2端子が第1ダイオードのアノードと接続され、第3端子が第1トランジスタの第2端子に接続されるバイアストランジスタQ60を含む。調整回路は、第1抵抗器R71と、第1ダイオードのアノード、第2ダイオードのアノードに接続される調整トランジスタQ70と、を含む。【選択図】図2

Description

本開示は、電力増幅回路に関する。
携帯電話などの移動通信端末においては、基地局へ送信するRF(Radio Frequency)信号を増幅する電力増幅回路が用いられている。電力増幅回路は、RF信号を増幅するトランジスタと、トランジスタのバイアスポイントを制御するバイアス回路とを備えている。この種のバイアス回路として、例えば、特許文献1に記載されているように、トランジスタにバイアス信号を供給するエミッタフォロワトランジスタと、このエミッタフォロワトランジスタのコレクタに供給される定電圧を生成するための定電圧生成回路と、を備えたものが知られている。
特開2014−171170号公報
近年、トランジスタを高効率に動作させるため、送信信号の包絡線に応じて電源電圧を制御する包絡線追跡(ET:Envelope Tracking)方式が注目されている。このようなET方式においては、トランジスタに供給される電源電圧の変化に対する利得の差(ゲインディスパージョン)を設けることにより、線形性が維持され得る。しかしながら、特許文献1に記載のバイアス回路では、ゲインディスパージョンの特性が顧客の要求する特性を満たさないことがある。
そこで、本開示は、ゲインディスパージョンの特性を改善することのできる電力増幅回路を提案することを目的とする。
本発明の一側面に係る電力増幅回路は、可変電源電圧に応じた電圧が供給される第1端子と、RF信号が供給される第2端子と、を有し、RF信号を増幅する第1トランジスタと、第1トランジスタの第2端子にバイアス電流を供給するバイアス回路と、電源端子から供給される可変電源電圧に応じてバイアス電流を調整する調整回路と、を備え、バイアス回路は、バイアス制御電圧または電流がアノードに供給される第1ダイオードと、アノードが第1ダイオードのカソードに接続され、カソードが接地に接続される第2ダイオードと、第1端子に電源電圧が供給され、第2端子が前記第1ダイオードのアノードと接続され、第3端子が第1トランジスタの第2端子に接続されるバイアストランジスタと、を含み、調整回路は、第1抵抗器と、第1抵抗器を通じて電源端子に接続される第1端子と、第1ダイオードのアノードに接続される第2端子と、第2ダイオードのアノードに接続される第3端子と、を有する調整トランジスタと、を含む。
本開示によれば、ゲインディスパージョンの特性を改善することのできる電力増幅回路を提供することができる。
本実施形態に係る電力増幅回路を含む電力増幅モジュールの構成の概要を示す図である。 本実施形態に係る電力増幅回路の構成の一例を示す図である。 可変電源電圧Vcc1と、電流Isub_cとの関係を表すグラフである。 可変電源電圧Vcc1と、電圧Vceとの関係を表すグラフである。 可変電源電圧Vcc1と、電流Idstkとの関係を表すグラフである。 可変電源電圧Vcc1と、電流Ibef_pwrとの関係を表すグラフである。 可変電源電圧Vcc1と、電流Icc2との関係を表すグラフである。 本実施形態に係る電力増幅回路の出力電力と利得との関係を表すグラフである。 比較例に係る電力増幅回路の出力電力と利得との関係を表すグラフである。 変形例に係る電力増幅回路の構成の一例を示す図である。 変形例に係る電力増幅回路の構成の一例を示す図である。 比較例に係る電力増幅回路の構成を示す図である。 比較例に係る電力増幅回路における電流Ief_pwrの改善状況を示すグラフである。 比較例に係る電力増幅回路における電流Icc2の改善状況を示すグラフである。 比較例に係る電力増幅回路における電流Isubを示すグラフである。 変形例に係る電力増幅回路の構成の一例を示す図である。 可変電源電圧Vcc1と、電流Isub_cとの関係を表すグラフである。 可変電源電圧Vcc1と、電流Idstkとの関係を表すグラフである。 可変電源電圧Vcc1と、電流Icc2との関係を表すグラフである。 可変電源電圧Vcc1と、電流Icc2との関係を表すグラフである。 変形例に係る電力増幅回路における出力電力と利得との関係を表すグラフである。 本実施形態に係る電力増幅回路における出力電力と利得との関係を表すグラフである。 変形例に係る電力増幅回路の構成の一例を示す図である。
以下、各図を参照しながら本開示の各実施形態について説明する。ここで、同一符号の回路素子は、同一の回路素子を示すものとし、重複する説明を省略する。
===電力増幅モジュール1の構成===
図1は、本実施形態に係る電力増幅回路10を含む電力増幅モジュール1の構成の概要を示す図である。電力増幅モジュール1は、例えば、携帯電話等の移動体通信機に搭載され、入力信号RFinの電力を基地局に送信するために必要なレベルまで増幅し、これを増幅信号RFoutとして出力する。入力信号RFinは、例えばRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)等により所定の通信方式に応じて変調された無線周波数(RF : Radio Frequency)信号である。入力信号RFinの通信規格は、例えば2G(第2世代移動通信システム)、3G(第3世代移動通信システム)、4G(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)−FDD(Frequency Division Duplex)、LTE−TDD(Time Division Duplex)、LTE−Advanced、又はLTE−Advanced Pro等を含み、周波数は、例えば数百MHz〜数十GHz程度である。なお、入力信号RFinの通信規格及び周波数はこれらに限られない。
電力増幅モジュール1は、例えば、電力増幅回路10及び電源回路40を備える。
電力増幅回路10は、増幅器20,30、バイアス回路50,60、調整回路70及び整合回路80〜82を備える。
増幅器20,30は、それぞれ、入力されるRF信号を増幅して出力する。初段(ドライバ段)の増幅器20は、入力端子から整合回路80を経由して入力される入力信号RFinを増幅して、RF信号RF1を出力する。後段(パワー段)の増幅器30は、増幅器20から整合回路81を経由して供給されるRF信号RF1を増幅して、RF信号RF2を出力する。RF信号RF2は、整合回路82を経由して増幅信号RFoutとして出力される。増幅器20,30は、それぞれ、例えばヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT : Heterojunction Bipolar Transistor)などのトランジスタにより構成される。なお、増幅器20,30は、HBTの代わりに電界効果トランジスタ(MOSFET : Metal-oxide-semiconductor Field-Effect Transistor)で構成されてもよい。この場合、コレクタ、ベース、エミッタを、それぞれ、ドレイン、ゲート、ソースに読み替えればよい。なお、以下では、特に記載のない限り、トランジスタがHBTにより構成される場合を例として説明する。
バイアス回路50,60は、それぞれ、増幅器20,30にバイアス電流またはバイアス電圧を供給する
調整回路70は、可変電源電圧Vcc1が供給され、可変電源電圧Vcc1に応じて増幅器30に供給されるバイアス電流またはバイアス電圧を調整する。
増幅器30、バイアス回路60、および調整回路70の構成の詳細については後述する。
整合回路(MN : Matching Network)80は、前段に設けられる回路(不図示)と増幅器20のインピーダンスを整合させる。整合回路81は、増幅器20と増幅器30のインピーダンスを整合させる。整合回路82は、増幅器30と後段に設けられる回路(不図示)のインピーダンスを整合させる。整合回路80〜82は、それぞれ、例えばインダクタおよびキャパシタを含んで構成される。
電源回路40は、RF信号の包絡線に応じて制御された可変電源電圧Vcc1,Vcc2を生成し、増幅器20,30にそれぞれ供給する。このように、電力増幅モジュール1は、いわゆるエンベロープトラッキング(ET : Envelope Tracking)方式に従って動作する。電力増幅モジュール1がET方式に従うことにより、例えば平均電力トラッキング(APT : Average Power Tracking)方式に従う場合に比べて電力効率が向上する。なお、電源回路40は、電力増幅モジュール1に含まれてもよく、含まれなくてもよい。
==電力増幅回路10の構成==
<<本実施形態に係る電力増幅回路10>>
図2は、本実施形態に係る電力増幅回路10の構成の一例を示す図である。
増幅器20,30は、それぞれ、トランジスタQ1,Q2を備える。トランジスタQ1は、コレクタに可変電源電圧Vcc1が供給され、ベースに整合回路80を通じて入力信号RFinが供給され、エミッタが接地される。そして、トランジスタQ1のコレクタから、入力信号RFinを増幅したRF信号RF1が出力される。トランジスタQ2(第1トランジスタ)は、コレクタ(第1端子)に可変電源電圧Vcc2(すなわち可変電源電圧Vcc1に応じた電圧)が供給され、ベース(第2端子)に整合回路81を通じてRF信号RF1が供給され、エミッタが接地される。そして、トランジスタQ2のコレクタから、RF信号RF1を増幅したRF信号RF2が出力される。
バイアス回路50は、トランジスタQ1のバイアスポイントを制御するバイアス電流またはバイアス電圧を、抵抗素子R1を通じてトランジスタQ1のベースに供給する。具体的に、バイアス回路50は、ダイオードD51,D52と、トランジスタQ50と、抵抗素子R50と、キャパシタC50と、電源端子51と、を備える。
ダイオードD51とダイオードD52は直列接続される。ダイオードD51,D52は、それぞれ、例えばダイオード接続されたバイポーラトランジスタにより構成されてもよい。ダイオード接続とは、バイポーラトランジスタのベースとコレクタとを接続することである。ダイオード接続されたバイポーラトランジスタは、ダイオードと等価な2極素子として振る舞う。ダイオード接続されたバイポーラトランジスタの二つの端子のうち、順方向バイアス時に電位の高い方を「アノード」と呼び、電位の低い方を「カソード」と呼ぶ。もっとも、ダイオードD51,D52は、ダイオード接続されたバイポーラトランジスタの代わりに、PN接合ダイオードで構成されてもよい。
ダイオードD51のアノードには、抵抗素子R50を通じて電源端子51から一定の電圧または電流が供給されるとともに、キャパシタC50を通じて接地に接続される。ダイオードD52のアノードはダイオードD51のカソードに接続され、ダイオードD52のカソードは接地される。
トランジスタQ50は、コレクタにバッテリ電圧(電源電圧)が供給され、ベースがダイオードD51のアノードに接続される。また、トランジスタQ50のエミッタは、抵抗素子R1を通じてトランジスタQ1のベースに接続される。これにより、トランジスタQ1のベースにバイアス電流が供給される。
バイアス回路60は、トランジスタQ2のバイアスポイントを制御するバイアス電流またはバイアス電圧を、抵抗素子R2を通じてトランジスタQ2のベースに供給する。具体的に、バイアス回路60は、ダイオードD61,D62と、トランジスタQ60と、抵抗素子R60と、キャパシタC60と、電源端子61と、を備える。以下、説明の便宜上、バイアス回路60は、トランジスタQ2にバイアス電流を供給することとする。
ダイオードD61(第1ダイオード)とダイオードD62(第2ダイオード)は直列接続される。ダイオードD61,D62は、それぞれ、例えばダイオード接続されたバイポーラトランジスタにより構成されてもよい。なお、ダイオードD61,D62は、ダイオード接続されたバイポーラトランジスタの代わりに、PN接合ダイオードで構成されてもよい。
ダイオードD61のアノードには、抵抗素子R60を通じて電源端子61から一定の電圧または電流が供給されるとともに、キャパシタC60を通じて接地に接続される。ダイオードD62のアノードはダイオードD61のカソードに接続され、ダイオードD62のカソードは接地される。ここで、ダイオードD61のアノードに電源端子61から供給される電流をIdstkとする。
ダイオードD62のアノードには、後述する調整回路70のトランジスタQ70のエミッタ(第3端子)が接続される。すなわち、ダイオードD62のアノードには、トランジスタQ70から電流Isubが供給される。
トランジスタQ60(バイアストランジスタ)は、コレクタにバッテリ電圧(電源電圧)が供給され、ベースがダイオードD61のアノードに接続される。また、トランジスタQ60のエミッタは、抵抗素子R2を通じてトランジスタQ2のベースに接続される。これにより、トランジスタQ2のベースにバイアス電流が供給される。ここで、トランジスタQ60のベースに供給される電流をIbef_pwrとする。
調整回路70は、トランジスタQ2のベースに供給されるバイアス電流を可変電源電圧Vcc1に応じて調整する。具体的に、調整回路70は、トランジスタQ70および抵抗器R71〜R73を備える。
トランジスタQ70(調整トランジスタ)のコレクタ(第1端子)は、抵抗器R71(第1抵抗器)を通じてトランジスタQ1のコレクタに接続される。これにより、トランジスタQ70のコレクタには、抵抗器R71を通じて可変電源電圧Vcc1が供給される。トランジスタQ70のベース(第2端子)は、抵抗器R72(第2抵抗器)を通じてトランジスタQ60のベースに接続される。トランジスタQ70のエミッタ(第3端子)は、抵抗器R73(第3抵抗器)を通じてダイオードD61のカソードに接続される。本実施形態において、トランジスタQ70は、例えばエミッタとベースとがヘテロ接合を形成するヘテロ接合バイポーラトランジスタである。トランジスタQ70のコレクタ・エミッタ間の電圧をVceとする。
ここで、抵抗器R71,R72,R73をそれぞれ流れる電流をIsub_c,Isub_b,Isubとする。また、トランジスタQ60のエミッタから出力される電流をIef_pwrとする。すなわち、電流Ief_pwrは、トランジスタQ2のベースに供給されるバイアス電流となる。以下、電流Ief_pwrを「バイアス電流」と呼ぶことがある。また、トランジスタQ2のコレクタに流れる電流をIcc2とする。
以下、比較例に係る電力増幅回路100について説明する。比較例に係る電力増幅回路100は、本実施形態に係る電力増幅回路10の理解を助けるために示すものである。
<<比較例に係る電力増幅回路100>>
図11は、比較例に係る電力増幅回路100の構成を示す図である。電力増幅回路100は、増幅器20,30、バイアス回路50,160、調整回路170及び整合回路80〜82を備える。以下、便宜上、電力増幅回路100においては、電力増幅回路10と異なる構成のみを説明する。具体的には、電力増幅回路100における、バイアス回路160、および調整回路170について説明する。
バイアス回路160は、トランジスタQ2のバイアスポイントを制御するバイアス電流またはバイアス電圧を、抵抗素子R2を通じてトランジスタQ2のベースに供給する。具体的に、バイアス回路160は、ダイオードD161,D162と、トランジスタQ160と、抵抗素子R160と、キャパシタC160と、電源端子161と、を備える。
ダイオードD161とダイオードD162は直列接続される。ダイオードD161,D162は、それぞれ、例えばダイオード接続されたバイポーラトランジスタにより構成されてもよい。
ダイオードD161のアノードには、抵抗素子R160を通じて電源端子161から一定の電圧または電流が供給されるとともに、キャパシタC160を通じて接地に接続される。ダイオードD162のアノードはダイオードD161のカソードに接続され、ダイオードD162のカソードは接地される。
トランジスタQ160は、コレクタにバッテリ電圧(電源電圧)が供給され、ベースがダイオードD161のアノードに接続される。また、トランジスタQ160のエミッタは、抵抗素子R2を通じてトランジスタQ2のベースに接続される。これにより、トランジスタQ2のベースにバイアス電流が供給される。
調整回路170は、トランジスタQ2のベースに供給されるバイアス電流を可変電源電圧Vcc1に応じて調整する。具体的に、調整回路170は、トランジスタQ170及び可変抵抗器R171〜R173を備える。
トランジスタQ170のコレクタは、可変抵抗器R171を通じて可変電源電圧Vcc1が供給される。トランジスタQ170のベースは、可変抵抗器R172を通じてトランジスタQ160のベースに接続される。トランジスタQ170のエミッタは、可変抵抗器R173及び抵抗素子R2を通じてトランジスタQ2のベースに接続される。また、トランジスタQ170のエミッタは、可変抵抗器R173を通じてトランジスタQ160のエミッタに接続される。ここで、トランジスタQ170は、例えば、そのエミッタとベースとがヘテロ接合を形成するヘテロ接合バイポーラトランジスタであり、エミッタのバンドギャップは、ベースのバンドギャップより大きいものとする。
ここで、図11に示すように、トランジスタQ2に供給されるバイアス電流をIbiasとし、トランジスタQ160のエミッタから供給される電流をIef_pwrとし、トランジスタQ170のエミッタから供給される電流をIsubとする。電流Ibiasは、電流Ief_pwrと電流Isubとの和で決定される。
以下、図12、図13を参照しながら、比較例に係る電力増幅回路100において、ゲインディスパージョンを改善する仕組みについて説明する。
図12は、比較例に係る電力増幅回路100における電流Ief_pwrの改善状況を示すグラフである。図12において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電流Ief_pwrを示す。図12の符号1201は、電力増幅回路100における電流Ief_pwrと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示している。図12の符号1202は、電力増幅回路100が調整回路170を備えない場合の、可変電源電圧Vcc1と電流Ief_pwrとの関係を表すグラフを示している。
図13は、比較例に係る電力増幅回路100における電流Icc2の改善状況を示すグラフである。図13において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸はトランジスタQ2のコレクタに流れる電流Icc2を示す。図13の符号1301は、電力増幅回路100における電流Icc2と可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示す。図13の符号1302は、電力増幅回路100が調整回路170を備えない場合の、電流Icc2と可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示している。
図12に示すように、調整回路170の作用により、可変電源電圧Vcc1が低電位領域(例えば「2V未満」、以下同じ。)では、電力増幅回路100の電流Ief_pwrが減少している。これにより、図13に示すように、トランジスタQ2のベースに入力される電流Ief_pwrの値に応じて増減する電流Icc2は、可変電源電圧Vcc1が低電位領域では減少する。
したがって、可変電源電圧Vcc1が低電位領域では必要な程度にバイアス電流Ief_pwrを減少させることができる。これにより、可変電源電圧Vcc1が低電位領域において電流Icc2の線形性を得ることができるため、ゲインディスパージョンの特性を改善できる。
しかしながら、図13に示すように、電流Icc2には、電圧Vcc1に対する電流Icc2の変化の割合(傾き)が緩やかになる電流変化点Xが生じる。これは、可変電源電圧Vcc1の高電位領域(例えば「2V以上」、以下同じ。)において、電流Ief_pwrが、調整回路170を備えない電力増幅回路100の電流Ief_pwrに比べて増大しないため、電流Icc2の線形性が維持できないためである。すなわち、調整回路170を設けても、可変電源電圧Vcc1の高電位領域では、トランジスタQ2のベースに供給されるバイアス電流は増大しないことがわかる。これにより、ゲインディスパージョンの特性が悪化する。
ここで、トランジスタQ2のベースに供給されるバイアス電流Ibiasを増大させるための手段につき説明する。上述したように、バイアス電流Ibiasは、電流Ief_pwrと電流Isubとの和で決定される。すなわち、バイアス電流Ibiasを増大させるためには、電流Ief_pwrまたは電流Isubを増大させることを要する。
図14は、比較例に係る電力増幅回路100における電流Isubを示すグラフである。図14において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電流Isubを示す。図14の符号1401は、電力増幅回路100における電流Isubと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示す。トランジスタQ170に流れる電流Isubは、トランジスタQ170のサイズで決まる。しかしながら、トランジスタQ170のサイズを大きくすると、調整回路のレイアウト面積が大きくなってしまう。
また、トランジスタQ170のエミッタに接続されている抵抗器R2の影響によって、トランジスタQ170のエミッタ電圧が増大する。すなわち、トランジスタQ170のサイズを大きくしたとしても、トランジスタQ170のベース・コレクタ間の電圧Vbcが増大しにくく、電流Isub_cが増大しにくい。すなわち、電力増幅回路100では、トランジスタQ170のサイズを大きくしたとしても、電流Isubを増大させにくい。なお、抵抗器R2については、電力増幅回路100の周波数特性を基準に定まるため、ゲインディスパージョンの調整につき、調整することができない。
==電力増幅回路10の動作==
次に、図3から図7を参照しながら、電力増幅回路10の動作について説明する。
図3は、可変電源電圧Vcc1と、電流Isub_cとの関係を表すグラフである。図3において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電流Isub_cを示す。図3の符号301は、電力増幅回路10における電流Isub_cと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示し、符号302は、比較例の電力増幅回路100における電流Isub_cと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示している。図4は、可変電源電圧Vcc1と、電圧Vceとの関係を表すグラフである。図4において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電圧Vceを示す。図4の符号401は、電力増幅回路10におけるトランジスタQ70のコレクタ・エミッタ間の電圧Vceと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示し、符号402は、比較例の電力増幅回路100におけるトランジスタQ170のコレクタ・エミッタ間の電圧Vceと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示している。 図5において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電流Idstkを示す。図5の符号501は、電力増幅回路10における電流Idstkと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示し、符号502は、比較例の電力増幅回路100における電流Idstkと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示している。図6において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電流Ibef_pwrを示す。図6の符号601は、電力増幅回路10における電流Ibef_pwrと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示し、符号602は、比較例の電力増幅回路100における電流Ibef_pwrと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示している。図7において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電流Icc2を示す。図7の符号701は、電力増幅回路10における電流Icc2と可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示し、符号702は、比較例の電力増幅回路100における電流Icc2と可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示している。
まず、図3を参照しながら、本実施形態の電力増幅回路10の電流Isub_cが、比較例の電力増幅回路100の電流Isub_cと比較して増大する原理について説明する。
電力増幅回路10では、上述したようにトランジスタQ70のエミッタがダイオードD62のアノードに接続されている。これにより、電力増幅回路100と比較して、トランジスタQ70のエミッタ電位を小さくできるため、ベース・エミッタ間の電圧Vbeを高くできる。このため、電力増幅回路10では、図3に示すように、電力増幅回路100と比較して、トランジスタQ70のコレクタに入力される電流Isub_cを増大できる。
また、異なる観点から説明すると、調整回路70のトランジスタQ70のエミッタが抵抗器R73を通じてダイオードD62のアノードに接続されるため、トランジスタQ70のコレクタに入力される電流Isub_cは、トランジスタQ70とダイオードD61とのエミッタのサイズの比に基づいて決定される。すなわち、ダイオードD61のサイズに比べて、トランジスタQ70のサイズが大きければ、電流Isub_cを増大させることができる。一方、比較例の電力増幅回路100では、トランジスタQ160、トランジスタQ170、およびトランジスタQ2の接続関係から、トランジスタQ160のサイズがトランジスタQ170のサイズよりも小さいと、電流IbiasのほとんどがトランジスタQ160から供給される電流Ief_pwrとなる。すなわち、電力増幅回路10は、トランジスタQ70のサイズを変えずに電流Isub_cを増大できる。
また、電力増幅回路10では、トランジスタQ70のエミッタがダイオードD62のアノードに接続されているため、抵抗器R2に関係なく、抵抗器R73を調整することにより、電流Isub_cを調整できる。
次に、図3、図4を参照しながら、調整回路70のトランジスタQ70の飽和領域を、比較例の電力増幅回路100と比べて、可変電源電圧Vcc1の高電位領域まで広げる原理について説明する。
電力増幅回路10では、上述したようにトランジスタQ70のコレクタに入力される電流Isub_cを大きくできる。したがって、抵抗器R72の電圧降下が大きくなり、トランジスタQ70のコレクタ・エミッタ間の電圧Vceが小さくなる。これにより、トランジスタQ70が飽和領域において動作する。飽和領域においては、図3に示すように、可変電源電圧Vcc1が増大することに従って、トランジスタQ70のコレクタに入力される電流Isub_cも増大する(例えばVcc1が4.5V以下の領域)。すなわち、電流Isub_cが可変電源電圧Vcc1に対して依存性を有する。これにより、可変電源電圧Vcc1がさらに増大すると、電流Isub_cも増大するため、抵抗器R71の電圧降下がさらに大きくなる。この作用により、図4に示すように、トランジスタQ70の飽和領域を、可変電源電圧Vcc1の高電位領域まで広げることができる。すなわち、電力増幅回路10では、電力増幅回路100と比較して、トランジスタQ70のVceの電圧変化点Y1を電圧変化点Y2に移行できる。
次に、図5乃至図7を参照しながら、調整回路70のトランジスタQ70の飽和領域を、可変電源電圧Vcc1の高電位領域まで広げたことによって、後述する電流Icc2の電流変化点Z1をVcc1の高電位領域に移行させる原理について説明する。
上述したように、トランジスタQ70の飽和領域では、可変電源電圧Vcc1を増大していくと、電流Isub_cが増大する。ここで、電力増幅回路10では、電流Isub_cに依存する電流IsubをダイオードD62のアノードに入力している。バイアス回路60では、電流Idstkによって、ダイオードD62のベース・エミッタ間の電圧Vbeを上げる。すなわち、電流IsubをダイオードD62のアノードに入力すると、図5に示すように、ダイオードD62の電圧Vbeを上げるための電流Idstkを、電流Isub_cで補うことができる。したがって、図6に示すように、バイアス回路60において、電流Idstkを補った電流Isubに応じて、電流Idstkの一部が、トランジスタQ60のベースに入力されるIbef_pwrに加算される。これにより、図7に示すように、トランジスタQ70の飽和領域において、可変電源電圧Vcc1に対する電流Icc2の変化の割合(傾き)を大きくできるため、電流変化点Z1を電流変化点Z2に移行できる。すなわち、電力増幅回路10では、電流Icc2の電流変化点を、トランジスタQ70のVceの電圧変化点と同様に、高電位領域に移行できる。
次に、図8A,図8Bを参照して、電力増幅回路のゲインディスパージョンの特性が改善されることを説明する。図8Aは、本実施形態の電力増幅回路10における出力電力と利得との関係を表すグラフである。図8Bは、比較例の電力増幅回路100における出力電力と利得との関係を表すグラフである。各図の横軸は出力電力Pout(dBm)を示し、縦軸は利得(dB)を示す。
図8Aの符号801,802,803,804,805,806,807,808,809,810は、可変電源電圧Vcc1を、それぞれ、5.0V,4.5V,4.0V,3.5V,3.0V,2.5V,2.0V,1.5V,1.0V,0.6Vとしたときの電力増幅回路10における利得と出力電力との関係を示す。図8Bの符号901,902,903,904,905,906,907,908,909,910は、可変電源電圧Vcc1を、それぞれ、5.0V,4.5V,4.0V,3.5V,3.0V,2.5V,2.0V,1.5V,1.0V,0.6Vとしたときの比較例の電力増幅回路100における利得と出力電力との関係を示す。
図8Aに示すシミュレーション結果において、電力増幅回路10においては、ゲインディスパージョンが4.5dB程度であることが示されている。図8Bに示すシミュレーション結果において、比較例の電力増幅回路100においては、ゲインディスパージョンが3.0dB程度であることが示されている。したがって、電力増幅回路10は、比較例の電力増幅回路100よりも、1.5dB程度、ゲインディスパージョンを拡大できる。
もっとも、図3から図8に示すように、トランジスタQ2のコレクタに供給される可変電源電圧Vcc1の範囲は、必ずしもこのシミュレーションの範囲に限られるものではない。また、上記の説明では可変電源電圧Vcc1が用いられているが、本実施形態において可変電源電圧Vcc1と可変電源電圧Vcc1は共通しており、可変電源電圧Vcc1についての言及は可変電源電圧Vcc1にも同様に当てはまるものとする。
==変形例に係る電力増幅回路==
図9,図10は、変形例に係る電力増幅回路10A,10Bの構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、上述の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については逐次言及しない。
図9に示されるように、電力増幅回路10Aは、図2に示される電力増幅回路10に比べて、調整回路70AのトランジスタQ70Aのベース(第2端子)に抵抗器R72(第2抵抗器)が接続されておらず、エミッタ(第3端子)に抵抗器R73(第3抵抗器)が接続されていないことが異なる。なお、電力増幅回路10Aは、抵抗器R72および抵抗器R73のいずれか一つが設けられていない構成でもよい。これにより、電流Isub_cの値を調整することにより、電流Icc2の値を調整することが可能となり、ゲインディスパージョンのレンジを調整できる。
具体的には、調整回路70AのトランジスタQ70のベース(第2端子)に抵抗器R72(第2抵抗器)が接続されていない場合、図2の電力増幅回路10に比べて、トランジスタQ70のベースに供給される電流Ibef_pwrが増大し、電流Isub_cが増大する。これにより、トランジスタQ70のコレクタ・エミッタ間の電圧Vceが低下し、電流Icc2を増大させる。このようにして、ゲインディスパージョンの特性を調整できる。
調整回路70AのトランジスタQ70のベース(第2端子)に抵抗器R72(第2抵抗器)が接続されていない場合、図2の電力増幅回路10に比べて、ダイオードD62のアノードに供給される電流Isubが増大する。これにより、ダイオードD61に供給される電流Idstkを減少させ、電流Ibef_pwrを増大し、電流Icc2が増大させる。このようにして、ゲインディスパージョンの特性を調整できる。
図10に示されるように、電力増幅回路10Bは、図2に示される電力増幅回路10に比べて、調整回路70BのトランジスタQ70に供給される電圧の供給元が異なる。具体的に、電力増幅回路10Bでは、トランジスタQ2に供給される可変電源電圧Vcc2から可変抵抗器R71を通じてトランジスタQ70のコレクタに供給される。すなわち、本変形例においては、バイアス回路60から可変抵抗器R72、トランジスタQ70のベース・コレクタ間、及び可変抵抗器R71を通じて、可変電源電圧Vcc2に至る経路を形成する。
このような構成であっても、電力増幅回路10Bは、上述の電力増幅回路10と同様の効果を得ることができる。電力増幅回路10Bでは、例えば初段のトランジスタQ1に供給される電源電圧が固定された電圧であり、後段のトランジスタQ2に供給される電源電圧が可変電源電圧である場合であっても、同効果を得ることができる。トランジスタQ1に供給される固定された電圧とは、RF信号の包絡線に応じて変動しない電圧であり、例えばAPT方式に従う電圧であってもよい。
==その他の変形例に係る電力増幅回路==
図15は、変形例に係る電力増幅回路10Cの構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、上述の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については逐次言及しない。
図15に示されるように、電力増幅回路10Cは、図2に示される電力増幅回路10に比べて、アノードが抵抗器R71を通じて可変電源電圧Vcc1を供給するための電源端子に接続され、カソードが調整トランジスタQ70のコレクタに接続される、ダイオードD74をさらに含む。これにより、電力増幅回路10Cは、低電位領域においてゲインエクスパンションを抑制できる。ゲインエクスパンションとは、出力レベルが増加に伴い、ゲイン(利得)も大きくなる現象である。
なお、電力増幅回路10Cは、ダイオードD74のアノードが電源端子に接続され、そのカソードが抵抗器R71を通じて調整トランジスタQ70のコレクタに接続されていてもよい。なお、ダイオードD74は、トランジスタによるダイオード接続で実現しても良い。
以下、図16〜図22を参照しつつ、電力増幅回路10CがダイオードD74を備えることにより、低電位領域において、ゲインエクスパンションを抑制する原理について説明する。
図16は、可変電源電圧Vcc1と、電流Isub_cとの関係を表すグラフである。図16において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電流Isub_cを示す。図16の符号301は、電力増幅回路10における電流Isub_cと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示す。符号303は、電力増幅回路10Cにおける電流Isub_cと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示す。
図17は、可変電源電圧Vcc1と、電流Idstkとの関係を表すグラフである。図17において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電流Idstkを示す。図17の符号501は、電力増幅回路10における電流Idstkと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示す。符号503は、電力増幅回路10Cにおける電流Idstkと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示す。
図18は、可変電源電圧Vcc1と、電流Ibef_prwとの関係を表すグラフである。図18において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電流Ibef_pwrを示す。図18の符号601は、電力増幅回路10における電流Ibef_pwrと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示す。符号603は、電力増幅回路10Cにおける電流Ibef_pwrと可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示す。
図19は、可変電源電圧Vcc1と、電流Icc2との関係を表すグラフである。図19において、横軸は可変電源電圧Vcc1を示し、縦軸は電流Icc2を示す。図19の符号701は、電力増幅回路10における電流Icc2と可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示し、符号703は、電力増幅回路10Cにおける電流Icc2と可変電源電圧Vcc1との関係を表すグラフを示す。
図20は、電力増幅回路10Cにおける出力電力と利得との関係を表すグラフである。図20の符号2001,2002,2003,2004,2005,2006,2007は、可変電源電圧Vcc1を、それぞれ、5.5V,4.5V,3.8V,2.0V,1
.4V,1.2V,1.0Vとしたときの電力増幅回路10Cにおける利得と出力電力との関係を示す。
図21は、電力増幅回路10における出力電力と利得との関係を表すグラフである。各図の横軸は出力電力Pout(dBm)を示し、縦軸は利得(dB)を示す。図21の符号2101,2102,2103,2104,2105,2106,2107は、可変電源電圧Vcc1を、それぞれ、5.5V,4.5V,3.8V,2.0V,1.4V,1
.2V,1.0Vとしたときの電力増幅回路10における利得と出力電力との関係を示す。
電力増幅回路10では、低電位領域において、トランジスタQ70のVceが小さくなり、トランジスタのコレクタ電圧Vcがベース電圧Vbよりも小さくなると、ベースからコレクタに向かって負の電流Isub_cが流れる。これにより、電流Ibef_pwrが急激に減少し、トランジスタQ2のバイアス電流を減少させる。これにより、低電位領域でゲインエクスパンションが生じる。
さらに、電力増幅回路10においては、トランジスタQ70のVceが非線形領域に入る程度に小さくなると、Isub_cがVcc1に対して変化する。Isub_cがVcc1に対して変化し始めると、Icc2がVcc1に対して変化し始める。この低電位領域におけるIcc2のVcc1に対する変化により、ゲインディスパーションを広げる。
電力増幅回路10Cは、低電位領域において、負の電流Isub_cが流れるのを阻止して、Icc2のVcc1に対する変化の割合を抑制するための、ダイオードD74を備える。
ダイオードD74は、トランジスタQ70のコレクタ電圧Vcを、電力増幅回路10のそれと比較して、ダイオードD74にかかる電圧Vdi(例えば1.3V程度)分下げる。すなわち、トランジスタQ70は、電力増幅回路10のそれと比較して、電圧Vdiだけ高くにシフトして動作する。
具体的には、図16に示すように、トランジスタQ70のコレクタに入力する電流Isub_cは、電圧Vdiだけ高電位側にシフトする。ここで、電流Isub_cは、ダイオードD74により、負の値を示さない。そして、トランジスタQ70のエミッタから供給される電流Isubも、同様に、電圧Vdiだけ高電位側にシフトする。
そして、図17に示すように、電源端子61からダイオードD61のアノードに供給される電流Idstkは、電圧Vdiだけシフトするとともに、電流Isub_cが流れない低電位領域においては一定の値を示す。
そうすると、図18に示すように、電流Ibef_pwrは、低電位領域において、おおよそ一定の電流値を示す。
これにより、図19に示すように、電流Icc2は、低電位領域(例えば1.0V〜1.4V)において、おおよそ一定の電流値を示す。
よって、図20に示す電圧Vcc1の低電位領域(例えば1.0V〜1.4V)のゲインは、図21に示す電圧Vcc1の低電位領域と比較して、一定の値を示すようにゲインエクスパンションが改善される。
図22は、変形例に係る電力増幅回路10Dの構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、上述の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については逐次言及しない。
図22に示すように、電力増幅回路10Dは、トランジスタQ70のエミッタがトランジスタQ2のベースに接続される構成を有する。そして、電力増幅回路10Dは、アノードが抵抗器R71に接続され、カソードが調整トランジスタQ70のコレクタに接続されるダイオードD74が含まれるよう構成されていてもよい。電力増幅回路10Dは、電力増幅回路10Cと同様に、可変電源電圧の低電位領域においてゲインエクスパンションを改善できる。
===まとめ===
本開示の例示的な実施形態に係る電力増幅回路10は、可変電源電圧に応じた電圧Vcc1が供給されるコレクタ(第1端子)と、RF信号が供給されるベース(第2端子)と、を有し、RF信号を増幅するトランジスタQ2(第1トランジスタ)と、トランジスタQ2(第1トランジスタ)のベース(第2端子)にバイアス電流または電圧を供給するバイアス回路60と、電源端子から供給される可変電源電圧Vcc1に応じてバイアス電流または電圧を調整する調整回路70と、を備え、バイアス回路60は、バイアス制御電圧または電流がアノードに供給されるダイオードD61(第1ダイオード)と、アノードがダイオードD61(第1ダイオード)のカソードに接続され、カソードが接地に接続されるダイオードD62(第2ダイオード)と、コレクタ(第1端子)に電源電圧が供給され、ベース(第2端子)がダイオードD61(第1ダイオード)のアノードと接続され、エミッタ(第3端子)がトランジスタQ2(第1トランジスタ)のベース(第2端子)に接続されるトランジスタQ60(バイアストランジスタ)と、を含み、調整回路70は、第1抵抗器R71と、第1抵抗器R71を通じて可変電源電圧Vcc1を供給するための電源端子に接続されるコレクタ(第1端子)と、ダイオードD61(第1ダイオード)のアノードに接続されるベース(第2端子)と、ダイオードD62(第2ダイオード)のアノードに接続されるエミッタ(第3端子)と、を有するトランジスタQ70(調整トランジスタ)と、を含む。これにより、電流Icc2の電流変化点Z1を電圧Vcc1における高電位領域(電流変化点Z2)に移行できるため、ゲインディスパージョンの特性を改善できる。
また、電力増幅回路10のトランジスタQ70(調整トランジスタ)のベース(第2端子)は、第2抵抗器R72を通じてダイオードD61(第1ダイオード)のアノードに接続される。これにより、トランジスタQ2のベースに供給するバイアス電流または電圧を調整できるため、所望のゲインディスパージョンの特性を得ることができる。
また、電力増幅回路10のトランジスタQ70(調整トランジスタ)のエミッタ(第3端子)は、第3抵抗器を通じてダイオードD62(第2ダイオード)のアノードに接続される。これにより、トランジスタQ2のベースに供給するバイアス電流を調整できるため、所望のゲインディスパージョンの特性を得ることができる。
また、電力増幅回路10BのトランジスタQ70(調整トランジスタ)のコレクタ(第1端子)は、第1抵抗器R71を通じてトランジスタQ2(第1トランジスタ)のコレクタ(第1端子)に接続される。これにより、初段のトランジスタQ1に供給される電源電圧が固定された電圧であっても、電力増幅回路10Bのゲインディスパージョンの特性を改善できる。
また、電力増幅回路10Cは、抵抗器R71(第1抵抗器)と直接接続されたダイオードD74をさらに備え、調整トランジスタQ70のコレクタ(第1端子)は、抵抗器R71及びダイオードD74を通じて可変電源電圧Vcc1を供給するための電源端子に接続される。これにより、電力増幅回路10Cの可変電源電圧の低電位領域のゲインエクスパンションを改善できる。
以上説明した実施形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく、変更又は改良され得るとともに、本開示にはその等価物も含まれる。すなわち、実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。実施形態が備える素子及びその配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
1…電力増幅モジュール、10,10A,10B…電力増幅回路、20,30…増幅器、40…電源回路、50,60…バイアス回路、51,61…電源端子、70…調整回路、80〜82…整合回路。

Claims (5)

  1. 可変電源電圧に応じた電圧が供給される第1端子と、RF信号が供給される第2端子と、を有し、前記RF信号を増幅する第1トランジスタと、
    前記第1トランジスタの第2端子にバイアス電流または電圧を供給するバイアス回路と、
    電源端子から供給される前記可変電源電圧に応じて前記バイアス電流または電圧を調整する調整回路と、
    を備え、
    前記バイアス回路は、
    バイアス制御電圧または電流がアノードに供給される第1ダイオードと、
    アノードが前記第1ダイオードのカソードに接続され、カソードが接地に接続される第2ダイオードと、
    第1端子に電源電圧が供給され、第2端子が前記第1ダイオードのアノードと接続され、第3端子が前記第1トランジスタの第2端子に接続されるバイアストランジスタと、
    を含み、
    前記調整回路は、
    第1抵抗器と、
    前記第1抵抗器を通じて前記電源端子に接続される第1端子と、前記第1ダイオードのアノードに接続される第2端子と、前記第2ダイオードのアノードに接続される第3端子と、を有する調整トランジスタと、を含む、
    電力増幅回路。
  2. 前記調整トランジスタの第2端子は、第2抵抗器を通じて前記第1ダイオードのアノードに接続される、
    請求項1に記載の電力増幅回路。
  3. 前記調整トランジスタの第3端子は、第3抵抗器を通じて前記第2ダイオードのアノードに接続される、
    請求項1または請求項2に記載の電力増幅回路。
  4. 前記調整トランジスタの第1端子は、前記第1抵抗器を通じて前記第1トランジスタの第1端子に接続される、
    請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電力増幅回路。
  5. 前記第1抵抗器と直列接続された第3ダイオードをさらに備え、
    前記調整トランジスタの前記第1端子は、前記第1抵抗器及び前記第3ダイオードを通じて前記電源端子に接続される、
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電力増幅回路。
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