JP2010073445A - 電気導体及びその製造方法並びに集電用インターコネクター - Google Patents

電気導体及びその製造方法並びに集電用インターコネクター Download PDF

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Abstract

【課題】電気導体と半導体とのはんだを用いた接続による半導体面内の応力を緩和し、半導体の反りや接続界面、半導体の破壊を抑制する電気導体、その製造方法及び集電用インターコネクターを提供する。
【解決手段】芯材が面心立方構造を有する長尺金属からなり、前記芯材の任意の断面において、面心立方金属の<100>方位が、前記芯材の長さ方向に対して±10°以内の角度を有する領域が面積比で75%以上を占め、前記芯材周面の少なくとも一部が融点250℃以下の金属で被覆されていることを特徴とする電気導体により、半導体の反りや接続界面、半導体の破壊を抑制するようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気導体及びその製造方法並びに集電用インターコネクターに関するものである。
太陽電池は、無尽蔵な太陽エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電方式であるため、エネルギー問題を大幅に軽減する技術として、近年技術開発が活発になり、市場も大きく伸びている。
現在主流となっている単結晶、又は多結晶型シリコン基板を用いた太陽電池は、数10cm角程度のセルと呼ばれる基板を並べて、これらを集電ケーブルとして電気導線で接続して集電する形態をとっている。基板と電気導線との接続は、ハンダによる溶融液相接合が主流であり、集電用配線材としては、はんだ被覆された銅平角線が用いられている。
一方、太陽電池がエネルギーデバイスであることから、集電ケーブル自体の断面積や集電ケーブルとセルとの接続面積も、電流量に相応した面積が必要である。
多結晶型シリコン基板を用いた構造の場合、集電ケーブルを構成する主たる構造体である銅の熱膨張係数が、セルの主たる構造体であるシリコンの熱膨張係数の約5倍である。このことから、昇温して液相接合してから室温に冷却する時に熱応力が生じ、セルを変形、破損させる原因となっている。近年のシリコン材料の逼迫もあり、セルに使用される基板の厚さの低減が図られ、現在は厚さ180μmのシリコン基板も使用されるようになってきている。このように、熱応力によるセルの破損問題は、大きな課題になっている。
この問題を解決するために、集電ケーブルの0.2%耐力(降伏応力)を軽減し、柔らかく改質する試みがなされている(例えば、非特許文献1参照)。一方、通常の焼鈍による軟化では、今後の厳しい使用状況に対応することが困難であると予想され、インターコネクターの構造や実装構造を変えることによって、対応することが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1に記載の発明は、インターコネクターの長さ方向に波うち構造を設け、その蛇腹部分で応力を逃がすようにする発明である。また、特許文献2に記載の発明は、セルの電極の長さ方向に対して、任意の間隔で電極を形成しない非接続部を設け、非接触部分に対面するインターコネクターにノッチを加えることにより、応力を緩和するようにする発明である。
特開2006−80217号公報 特開2008−21831号公報 特開2006−319002号公報 遠藤裕寿、他、日立電線:2007年、26巻1号、p15
前記特許文献1及び2に記載されているような構造によって応力を緩和する手法は大変有効な手段であるが、特許文献1に記載の方法では、必要なインターコネクターが長くなり、材料費、電気抵抗が大きくなってしまう。また、接合面積が小さくなることによって接続抵抗が増加し、さらには、ノッチ部分の電気抵抗が増加してしまう問題点がある。また、特許文献2に記載の方法でも同様に接続抵抗及び電気抵抗が増加してしまう。したがって、上記の構造による方法とは別に、インターコネクター自体に対して、さらにヤング率を低下させたり、降伏応力を低下させたりすることによって特性改善することが強く求められている。
多結晶型シリコン基板を用いた太陽電池以外にも多くのタイプの太陽電池が提案され、実用化されているが、集電ケーブルとは材料が異なることから、同様な問題が生じるものと考えられる。一方、近年、半導体ウエハにバンプとして金属線を接合するワイヤバンプが提案されており(例えば、特許文献3参照)、はんだによる接続を行う場合も、同様の問題が生じることが予想される。
本発明は前述の問題点に鑑み、電気導体と半導体とのはんだを用いた接続による半導体面内の応力を緩和し、半導体の反りや接続界面、半導体の破壊を抑制する電気導体、その製造方法及び集電用インターコネクターを提供することを目的としている。
本発明は、上記従来技術の問題を解決するために鋭意検討した結果、以下の構成を要旨とする。
(1) 芯材が面心立方構造を有する長尺金属からなり、前記芯材の任意の断面において、面心立方金属の<100>方位が、前記芯材の長さ方向に対して±10°以内の角度を有する領域が面積比で75%以上を占め、前記芯材の周面の少なくとも一部において、リフロー時の融点が250℃以下の金属で被覆されていることを特徴とする電気導体。
(2) 前記芯材がテープ状導体であることを特徴とする(1)に記載の電気導体。
(3) 前記芯材の長手方向のヤング率が85GPa以下であり、0.2%耐力が85MPa以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電気導体。
(4) 前記芯材が純度99mass%以上の銅であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電気導体。
(5) 前記被覆されている金属が錫を主体とする金属であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の電気導体。
(6) 前記被覆されている金属が錫を主体とする金属であって、少なくとも1〜4質量%の銀を含有することを特徴とする(5)に記載の電気導体。
(7) 前記被覆されている金属が、さらに、0.4〜1.0質量%の銅を含有することを特徴とする(6)に記載の電気導体。
(8) 面心立方構造を有する芯材を塑性加工し、前記塑性加工の加工率が断面減少率で50%以上の冷間加工を施した後、180℃以上前記芯材の融点以下の熱処理を施してから、前記芯材の少なくとも一部にリフロー時の融点が250℃以下の金属を被覆することを特徴とする電気導体の製造方法。
(9) 面心立方構造を有する芯材を塑性加工し、前記塑性加工の加工率が断面減少率で50%以上の冷間加工を施した後、180℃以上前記芯材の融点以下の熱処理を施しながら、前記芯材の少なくとも一部にリフロー時の融点が250℃以下の金属を被覆することを特徴とする電気導体の製造方法。
(10) 前記冷間加工が箔圧延であり、前記冷間加工の後、前記180℃以上前記芯材の融点以下の熱処理を行う工程又は前記リフロー時の融点が250℃以下の金属を被覆する工程の前後のいずれかの工程として、前記冷間加工によって加工された金属箔を圧延方向に平行にスリット加工を施し、所定の幅のテープ状導体とすることを特徴とする(8)又は(9)に記載の電気導体の製造方法。
(11) 太陽電池セルの受光面、又はその裏面の少なくとも一方に、(1)〜(7)のいずれかに記載の電気導体からなるケーブルの長さ方向に平行な面を、前記電気導体の表面の被覆金属を介して接続してなることを特徴とする集電用インターコネクター。
(12) 前記電気導体の幅が1mm以上10mm以下、厚さが50μm超500μm以下であることを特徴とする(11)に記載の集電用インターコネクター。
(13) 前記電気導体表面の被覆金属厚みが、1μm以上、50μm以下であることを特徴とする(11)又は(12)に記載の集電用インターコネクター。
本発明によれば、同じ物質で構成された電気導体に比較して、長さ方向のヤング率と降伏応力との両方を著しく小さくすることが可能である。これにより、対向してはんだ接続される半導体にかかる応力を小さくすることが可能になり、半導体の反りや接続界面、半導体の破壊を抑制する。
本発明は、太陽電池セル等の半導体表面と長尺の電気導体の周面とを線状に接続し、集電、電気信号回路を形成する実装形態を想定しており、発明を実施するための最良の形態として、以下の要件、あるいは望ましい形態が挙げられる。説明のために、半導体表面と長尺の電気導体の周面を線状に接続し、集電、電気信号回路を形成する実装形態を線実装と呼称し、図1に示すように、線実装時のインターコネクター2の長さ方向をRD方向3、太陽電池セル1の半導体表面との法線をND方向4、RD方向3とND方向4とのいずれにも直交する方向をTD方向5とする。
線実装用の電気導体に必要な物性としては、高い電気導電率が必要である。電気抵抗が高いと電気導体の断面積を大きく取る必要があり、その結果、半田接続を行った後に半導体に大きな熱歪が加わるためである。したがって、芯材の材料としては、銅、銀、アルミニウム、金等の面心立方金属が適する。面心立方金属であることは、本発明の必須の集合組織を形成させる上でも必要である。
面心立方金属の中では、特に銅は導電率が高く、また、熱膨張率が比較的小さく、さらに、価格が安い点から最もバランスが良く、本発明における芯材の材料として最も想定し得る材料である。また、その中でも導電率と後述する集合組織形成との点から、純度99mass%以上の純銅が望ましく、工業材料としては、タフピッチ銅や無酸素銅が適する。
半田による線実装時の半導体との熱膨張差による熱歪を緩和するためには、電気導体の長さ方向のヤング率、0.2%耐力(降伏応力)を下げることが極めて有効である。半田が溶融凝固した後、半導体と電気導体との熱収縮量が異なることによって熱歪が発生するが、電気導体の長さ方向のヤング率、降伏応力が小さいほど、半導体にかかる応力は小さくなり、反り大きさや割れが発生する頻度が小さくて済む。
金属の巨視的な弾性率は、結晶格子の弾性異方性の影響を受ける。立方晶であっても面方位によって弾性率に差があり、面心立方金属の場合<100>方位が最も小さくなる。銅や銀の場合、面心立方金属の中でも面方位による異方性が大きい。ここで、<100>方位とは、(100)面と垂直な方位である。
本発明の電気導体は、組織制御により、線材、あるいはテープ材の長さ方向に対して、<100>方位から±10°以内の角度を有する方位をなす領域が面積比で75%以上を占める強い集合組織を形成させることを要件とする。これにより線実装時のRD方位のヤング率を大きく低減できる。また、<100>方位は、この方向の降伏応力も同時に低減される。したがって、線材、あるいはテープ材の長さ方向が<100>方位になるように強く配向させることにより、ヤング率と降伏応力とを低下させることができ、その結果、半導体に加わる引張応力を低く抑えられ、反りや割れを防止することができる。
理想的には、電気導体が完全単結晶線材であり、長さ方向と<100>方位とが一致している形態が最も望ましい。本発明における電気導体は、特に技術的に難しい厚さ200μm以下で大きさが150mm角を超えるような太陽電池セルの線実装に適用可能な電気導体を基準とした。後述する実施例からこの基準を満たす組織の要件が、線材、あるいはテープ材の<100>方位から±10°以内の角度を有する方位を有する領域が長さ方向に面積比で75%以上を占めることである。
このような電気導体は、より微細な半導体の線実装用導体としても極めて有用である。また、本発明の電気導体は、芯材を純銅として基準を決めているが、他の面心立方金属でも本発明のような強い<100>集合組織を形成させることによって、線実装時に熱歪を緩和することに関して大きな効果を得ることができる。
面心立方金属は、圧延や伸線によって、再結晶組織が長さ方向に<100>方位に配向することが知られているが、本発明の電気導体のような強い集合組織を形成させるためには、後述するような加工と熱処理の条件制御とが必要である。
接合する2つの材料の熱収縮差にもよるが、半導体シリコンと銅、アルミニウム、銀のような面心立方金属の良導体とを250℃で加熱する場合、金属が受ける歪は通常弾性限界を超える。したがって、熱応力を小さくするためには、弾性率と降伏応力との両方を低下させることが必要である。本発明の基準における電気導体材料の特性の要件は、後述する実施例から芯材長手方向のヤング率が85GPa以下、0.2%耐力が85MPa以下である2つの条件を同時に満たす必要がある。
電気導体として一般的に使用されるタフピッチ銅や無酸素銅の場合、上述した集合組織を形成することによって、線実装時のRD方位3のヤング率を85GPa以下とすることが可能である。このヤング率は、無配向性の多結晶銅の121〜128GPaより著しく低い。一般的には、銅線は加工によって強化されており、長さ方向に<111>配向しているのが一般的であり、ヤング率は無配向性の多結晶銅より高く、これを良く焼鈍した材料でも後述するような工夫をしない限りは、本発明の電気導体のような低弾性率の材料にはならない。
弾性率及び降伏応力が比較的小さいアルミニウムや銀は、この条件を満足させることは銅と比較して容易である。ところが、熱膨張係数が大きいため、集合組織は、線材、あるいはテープ材の<100>方位から±10°以内の角度を有する方位を有する領域が長さ方向に面積比で75%以上を占める必要がある。
本発明で被覆される金属は、線実装時に生じる熱歪を低減するためにも融点が低い方が望ましく、被覆金属の融点は250℃以下である必要がある。被覆金属は単相でなくても良く、線実装時、即ちリフロー時に250℃以下で溶融すればよい。結晶シリコン型の太陽電池のインターコネクターで使用される電気導体の場合、セルを封止するエチレンビニルアセテート等の充填材の重合温度で再溶融しないことが必要であり、180℃以上の融点であることが望ましい。
上記条件を満たす被覆金属として、鉛系、錫系半田が挙げられる。特に環境問題を考慮すると、本発明の電気導体に被覆される材料として錫系半田が最も望ましい。錫の融点は、232℃であるが、銀を添加することにより、最大221℃まで融点を下げることができる。この時の銀の組成は3.5質量%であるが、他の添加元素や接合性、接合強度を考慮して、1〜4質量%の範囲で銀を添加することができる。また、さらに銅を添加することにより、最大217℃まで融点を下げることができる。この時の三元共晶組成は、錫に3.8質量%の銀と0.5質量%の銅とを添加したものであるが、他の添加元素や接合性、接合強度を考慮して0.4〜1.0質量%の銅を添加することができる。また、必要に応じて第4元素、第5元素が添加されていてもよい。
本発明の電気導体のような強い集合組織を形成させるためには、加工と再結晶とを利用する。面心立方金属は、適当な加工、再結晶条件を選ぶと加工方向に<100>集合組織を形成する。しかし、他の競合方位の形成もあることから、本発明のような極めて低いヤング率を実現するような強い集合組織を形成させるためには、特定の処理が必要である。
長さ方向に<100>集合組織を形成させるためには、強い加工を施して長さ方向に加工による加工集合組織を形成させた後に、十分な温度で再結晶させる。本発明の電気導体のような強い集合組織を形成させるためには、望ましくは90%以上の冷間加工が必要である。ただし、冷間加工前に、後の再結晶集合組織を形成させるのに有利な組織形成をさせておけば、再結晶集合組織を形成する前の冷間加工は、50%以上であれば良い。
加工率の上限は、材料が加工に耐えるまで上げることは可能である。冷間加工の主体が伸線加工である場合、銅や金は99.999%までの減面に耐えることが可能である。但し、半導体実装用の電気導体で直径あるいは厚さが、概ね100μm以下である材料では、その後の再結晶集合組織の形成が阻害される場合があり、加工率は99%以下にすることが望ましい。
一般的に、熱処理後の最終冷間加工前に加工と中間焼鈍とを繰り返したり、ECAP(Equal-Channel Angular Pressing)加工やECAE(Equal-Channel Angular Extrusion)加工で、屈曲した貫通孔に材料を1回以上通過させる加工工程を経た後に、再結晶焼鈍を施したりすることで、加工性のある細粒組織を形成することが可能である。この後、冷間加工を施すことにより、最終的に本発明に最も適した<100>再結晶集合組織を形成するための前駆の加工集合組織とすることができる。
最終冷間加工は、最終形状が線である場合は引抜加工であり、テープである場合は圧延加工、又は異型ダイスを使用した引抜加工である。この加工により、引抜加工では歪エネルギーの蓄積された<111>方位と<100>方位とを主体とした加工集合組織となり、一方、圧延加工では、{110}<112>、{123}<634>、{112}<111>のいずれか、もしくはこれらが混合した組織を主体とする加工集合組織となる。ここで、{}は板の面方位、<>は圧延方位を示す。
最終冷間加工を行った後、芯材の断面は本発明の最終形状となるが、上記の集合組織の長さ方向のヤング率は等方的な多結晶体よりも高く、この組織を残留させたまま使用すると、線実装時に半導体にかかる熱応力が極めて高くなる。
上記の加工集合組織を呈した中間材は、再結晶焼鈍を施すことにより、<100>方位が顕著に発達する。再結晶焼鈍に必要な温度は、物質、純度にもよるが、商用高純度材料の銅、アルミニウム、銀の再結晶温度は180℃程度であるため、少なくとも最終冷間加工を行った後に180℃以上で焼鈍する必要がある。ここでいう再結晶温度は、等温保持した場合の温度であり、ラインで連続的に熱処理を行う場合は、より高い炉温が必要である。再結晶熱処理の上限温度は、材料の融点であるが、本発明の電気導体は線材、またはテープ材であることから、連続焼鈍が効率良く、熱処理炉内で適度なテンションをかける必要がある。したがって、材料の融点の80%以下の温度であることが望ましい。また、材料の酸化、熱処理コストの観点からは、材料が十分な再結晶する必要最小限の加熱が望ましい。
本発明の電気導体は、インターコネクターとして半導体上に線実装する際に、被覆金属の融点以上に加熱して接続することになるが、この接続のための加熱は、半田と電極材料、芯材との反応による脆い金属間化合物の生成を避けるため、極力短時間で終了させた方が望ましい。そこで、この熱処理によって十分に再結晶は進行しないため、線実装前に芯材の再結晶熱処理を終了しておく必要がある。
前記芯材への被覆金属の被覆方法は、溶融めっき、電気めっきが挙げられる。この工程は、最終冷間加工工程の後に実施してもよいし、被覆した後に被覆金属ごと加工を加えてもよい。最終冷間加工工程の後に溶融めっきを施し、この工程と再結晶焼鈍とを兼ねてもよいが、めっき槽内の滞留時間が長く、さらに溶融めっき槽の温度が高いと、芯材と被覆金属との間に硬脆な金属間化合物が生成して成長する場合があるため注意が必要である。
上述した錫系の溶融半田めっき行う場合、槽の温度は250℃以下、滞留時間は10秒以内であることが望ましい。この場合、材料によっては、十分に再結晶集合組織が形成されない場合があることが想定される。したがって、この点から再結晶焼鈍工程は、溶融めっき工程の前に行う方が望ましい。
但し、溶融めっき工程における芯材熱履歴を精密に制御する他、溶融めっき工程に入る前に芯材表面に反応を抑制する層を被覆したり、半田組成を金属間化合物の成長速さを抑制する組成にしたりする等の措置を取ることにより、溶融めっき工程が芯材の再結晶工程を兼ねる方法も取ることは可能である。
再結晶焼鈍工程に次いで、溶融めっき工程を行う場合は、再結晶焼鈍工程から連続して溶融めっき工程を行うことにより、エネルギーを節減することができる。また、この段階では、電気導体の長さが長くなっていることから、連続工程とすることによって、巻取り、及び段取り回数を一回省略でき、工程短縮の観点から利点が大きい。
電気めっきは、半田層の厚さが薄い場合に適している。錫合金めっきとしては、1質量%〜3質量%の銅を含有する合金が一般的であるが、この限りではない。また、合金の場合、合金単相を被覆する必要はなく、例えば、錫、銅、銀を所定の組成比になるように別々に被覆し、線実装時に合金化されるようにしてもよい。電気めっきの利点は、膜厚の制御が容易である点である。成膜が遅いため、最終焼鈍と連続して工程を組むことにより工程時間を大幅に短縮することが可能である。
太陽電池用のインターコネクターで使用されるテープ材の場合、圧延で幅広の箔を製造した後にスリット加工してもよいし、伸線によって条材を製造し、これに圧延を施してテープ状の材料としてもよい。本発明では、RD方向に<100>方位が高度に発達していればよく、他の方位関係は問わないが、圧延工程の比率が高い場合、圧延面法線方向と圧延面法線と圧延方向と直角の方向にも<001>方位を有する直交方位が形成される。この方位を有する箔の場合、圧延方向にスリット加工を施すことによって、本発明において、RD方向が<001>方位になるテープ材を製造することができる。箔からテープ材を切り出す場合、圧延方向にスリット加工を施すように加工するのが最も歩留まりが良く、箔からテープを切り出して本発明の電気導体を製造する場合、圧延とその他のプロセスとを最適化して、直交方位を形成するような工程を取ることが望ましい。
本発明の電気導体は、太陽電池セルで生じる起電力を集電し、セル同士を接続して送電するインターコネクターに最も適している。このインターコネクターは、図1に示すように、太陽電池セル1の面上で線実装される。
本発明において、電気導体の断面形状、大きさ、被覆金属の厚さは、用途に応じて適宜決定させるべきものであるが、結晶シリコン型の太陽電池のインターコネクターで使用する場合、面心立方金属の芯材が、幅1mm以上10mm以下、厚さ50μm超500μm以下の範囲にあることが好ましい。
比較的小さい10cm角の結晶シリコン型太陽電池のセルでも4A程度の電流を集電し、通電する必要がある。したがって、集電のためにTD方向の幅は、少なくても1mm以上は必要である。一方、TD方向の幅があまり広いと受光面積が小さくなってしまうため、上限は10mmである。一方、電流容量としては、銅や銀等の最も電気抵抗の低い材料を電気導体として使用した場合でも8A/mm2以下である必要があり、少なくてもND方向の厚さは、50μmを超える必要がある。電流容量の点から厚さの上限はないが、500μmを超える厚さは、現行の結晶型太陽電池の厚さを考慮した場合、現実的ではない。
更に、表面の被覆金属の膜厚が、1μm以上、50μm以下、望ましくは、10μm以上、40μm以下であることが望ましい。太陽電池セル上の電極が銀に代表される粉末を焼成したものであり、凹凸がありポーラスである場合が多く、十分に溶着するためには、最低限1μm、望ましくは10μm以上の膜厚が必要である。一方、膜厚が必要以上に厚いと半田が溶融した時に電極以外のセル表面に半田が漏れ、特性劣化や電極同士が短絡する危険性が高まるためである。したがって、セル電極の凹凸や気孔率にもよるが、上限値は50μmである。また、通常、低融点被覆金属の弾性率は小さいが、芯材の厚さが薄い場合は、金属導体の長さ方向のヤング率にも影響を与えるため、特に薄型の太陽電池セルの接続用インターコネクターの被覆金属の膜厚は40μm以下であることが望ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、これは本発明の好適な一例を示すものであり、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、半田被覆された銅テープ材6種類を異なる手法で作製し、太陽電池用インターコネクターの実装を模擬した試験を実施した。
材料Aは、純度99.999mass%の直径20mmの棒状の高純度銅から作製した。原料である棒材をスエージング加工にてφ9.9mmまで加工した後、φ10mmの孔径を有し、1箇所が90°屈曲した貫通孔を有する金型を通過させる工程を棒材の中心軸の周りに45°回転させて4回施した。その後、V溝(カリバー)圧延機で約3mm角まで圧延し、次いで伸線ダイスを用いてφ1.8mmまで伸線し、これをアルゴン気流中で180℃、30分間加熱、熱処理を施した。そして、圧延によって幅2mm、厚さ180μmのテープ材を作製した。この時、焼鈍からの断面減少率は85.9%であった。
この材料を、管状電気炉を用いて、アルゴン気流中炉温420℃、10m/minで連続加熱熱処理工程を経て、そのまま250℃に加熱したSn−1.2mass%Ag−0.5mass%Cu合金の溶融半田槽を通過させ、スキンパスを施して厚さ240μm、幅2mmのデープ材からなる材料Aを作製した。テープ材の長さ方向に垂直な断面観察したところ、テープ幅広面の半田層の厚さは、30μmであり、スキンパスによる銅の断面減少は殆どなかった。
比較材として、管状電気炉による熱処理を実施しないで、テープ材Aと同じ条件で半田被覆処理を実施した材料Bを作製した。
次に、厚さ10mm、幅30mmのタフピッチ銅板を5mmまで冷間圧延し、次いでアルゴン中で450℃、30分間の中間焼鈍を施した。そして、さらに、2mmまで冷間圧延し、その後アルゴン中で450℃、30分間の中間焼鈍を施し、これを180μmまで最終冷間圧延を施した。次に、このシート材を圧延方向に幅2mmでスリット加工を行い、このテープ材を連続熱処理炉においてアルゴン気流中で520℃、10m/minの焼鈍処理を施し、最後に電気めっきにて30μmのSn−3mass%Agの被覆を施して材料Cを作製した。この結果、材料Cの断面減少率は、91.0%であった。
比較材として、連続熱処理炉による熱処理を実施しないで、テープ材Cと同じ条件で半田被覆処理を実施した材料Dを作製した。
次に、厚さ10mm、幅30mmの無酸素銅板を2mmまで冷間圧延し、その後真空中で450℃、30分間の中間焼鈍を施した。そして、再度0.75mmまで冷間圧延し、その後アルゴン中で300℃、30分間の中間焼鈍を施し、さらに180μmまで冷間圧延を施した。次に、これを圧延方向に幅2mmでスリット加工を行い、その後、連続熱処理炉を用いてアルゴン気流中で400℃、1m/minの焼鈍処理を施す工程を経た後、酸洗浴を経由してそのまま電気めっきにて30μmのSn−1mass%Cuの被覆を施した材料Eを作製した。このように、最終焼鈍工程と電気めっき工程とは連続工程として行った。この結果、材料Eの断面減少率は、76.0%であった。
比較材として、厚さ10mm、幅30mmの無酸素銅板を2mmまで冷間圧延し、その後真空中で450℃、30分間の中間焼鈍を施した。そして、再度0.35mmまで冷間圧延し、その後、アルゴン中で300℃、30分間の中間焼鈍を施し、さらに180μmまで冷間圧延を施した。次に、これを圧延方向に幅2mmでスリット加工を行い、その後、連続熱処理炉を用いて、アルゴン気流中で400℃、1m/minの焼鈍処理を施す工程を経た後、酸洗浴を経由してそのまま電気めっきにて30μmのSn−1mass%Cuの被覆を施した材料Fを作製した。このように、最終焼鈍工程と電気めっき工程とは連続工程として行った。材料Eと材料Fとのプロセス上の違いは、2回目の中間焼鈍工程の板厚であり、材料Fの断面減少率は、48.6%であった。
以上のような手順で作製したこれらの材料A〜Fを、多結晶型シリコンの太陽電池用ウエハに線実装し、ウエハの反り量とクラックの有無とを評価した。以下の表1に、材料A〜材料Fの断面減少率(%)、長さ方向の<100>配向度、ヤング率、0.2%耐力、及び実装後の評価結果を示す。ここで、断面減少率は、最終焼鈍工程前の冷間加工率である。
Figure 2010073445
各材料の長さ方向の<100>配向度は、後方弾性散乱電子線回折法(EBSD法:Electron Back-scattering Diffraction法)で測定した。テープ材の幅広面を研磨で銅を露出させ、コロイダルシリカを用いて最終仕上げ研磨を行い、800μm×1600μmの領域を2μmの間隔で方位測定をした。EBSD法はX線回折法と異なり、一つの面から3次元の結晶方位を解析することが可能であり、長さ方向の<100>配向度は、長さ方向に<100>方位から±10°以内の角度を有する方位を有する点の全測定点に対する割合(%)で定義した。測定間隔が十分細かいため、この割合は、長さ方向に<100>方位から±10°以内の角度を有する方位を有する面積率を示すものとなる。また、表1に示した配向度は、表面から深さの異なる任意の3つの領域の平均値であり、3つの領域から得られた配向度の差は、表1に示す配向度の平均値から1%以内であった。
テープ材のヤング率は超音波共振法によって得られた物であり、0.2%耐力は引張試験によって得られたものである。また、いずれの値もテープ材の長さ方向に対しての値である。めっきで被覆した材料について、同じ熱履歴を有する銅芯材を作製して機械的特性を評価した結果、被覆の有無による機械的特性の差は5%以内であり、これらの機械的特性は殆ど銅芯材によって決まることが判った。
多結晶型シリコンの太陽電池ウエハは156mm角、厚さ200μmであり、ウエハの一辺に平行なウエハ中心線から対象に間隔80mmで2本の平行電極が設けられている。電極は銀ペーストが焼き付けられたものであり、厚さは約10μmである。
本実施例では、溶着(リフロー)によりテープ材の電気導体を電極に沿ってこのウエハに線実装した。リフローはアルゴン熱処理炉を用いて行い、インターコネクターをウエハに設置し、自重で接合した。リフロー温度は250℃である。
実装後、室温(25℃)まで自然冷却したところ、ウエハには、線実装のRD方向、テープ材側を内側に反りが見られた。これは、熱膨張係数がシリコンウエハよりテープ材の方が大きく、リフロー後室温に戻した時の熱収縮量に差が生じた結果である。しかし、反りの程度はテープ材によって大きく異なり、その量は表1に示した通りである。
また、反り以外にクラックの評価を行った。クラックの評価は、インターコネクターとウエハとの接合断面を研磨して、光学顕微鏡で観察し、ウエハ、及びウエハとインターコネクター界面の両方共クラックが観察されない状態を◎、接合界面で小さなクラックが認められるものの、使用上問題がないと考えられるものを○、クラックが接合界面の一部で剥離が認められるが、初期特性劣化はないと考えられるものを△、ウエハの一部にクラックが入り、特性劣化が起こっていると考えられるものを×とした。
最も反りが大きかったのは材料Dのテープ材であり、最大約3mmの反りが認められた。断面を研磨して顕微鏡で観察したところ、ウエハ、及びテープ材とウエハ界面に大きなクラックが観察された。この反り量及びクラックの程度を基準とし、他のテープ材で実装した太陽電池ウエハを評価した。
反り及びクラックの程度は、ヤング率と0.2%耐力との相関が明確に認められ、これらの値が小さいほど、反り及びクラックの程度が小さかった。即ち、同じ熱歪が加わった場合でも、ヤング率と降伏応力とが小さいため、シリコンウエハやウエハとテープ材界面にかかる応力が小さくなり、反り及びクラックの程度が小さかったと解釈することができる。
また、ヤング率及び0.2%耐力は、テープ材の長さ方向の<100>配向度と相関があることが判った。一般的にヤング率と降伏応力との間には、特定の相関はないが、テープ材を長さ方向の<100>方向に配向させることによって、これらのヤング率及び0.2%耐力を低減できることが判った。
なお、本実施例で使用した太陽電池用ウエハは、現在使用されている結晶シリコン型の太陽電池の中では比較的薄い方の部類に入る。また、想定される電流値から、発熱によるロスを考えた場合、導体の断面積は、下限界に近い。現行想定される線実装応用としては、熱歪の点で最も厳しい部類のスペックである。
材料Bのテープ材を使用した場合、シルコンウエハとインターコネクターとの間に僅かにクラックと剥離とが観察された。一方、材料Eのテープ材よりも強い<100>配向組織を有する材料を使用した場合はクラックの発生がなく、反りも小さかった。なお、材料Bのテープ材を使用した場合でも実用上は問題がないと予想されるが、上述したウエハのような厳しい使用条件で安定的に使用可能で、今後のシリコンウエハの薄肉化に対応できる電気導体の材料組織学的な要件としては、少なくともクラック評価結果の○と△との間、即ち、芯材部が、長さ方向に<100>方位から±10°以内の角度を有する方位を有する領域が面積比で75%以上を占める材料組織になっている必要がある。
冷間圧延や伸線加工後の面心立方金属の再結晶集合組織の安定方位の一つが<100>方位であるが、このような強い集合組織を形成するためには、一定の要件が必要である。材料Eと材料Fとの比較から、第一のプロセス条件として、再結晶焼鈍前の冷間加工率が断面減少率で少なくとも50%以上取ることが必要であることがわかる。これは、加工前の冷間加工率が大きい方が、再結晶の駆動力が大きくなるためである。
また、第二のプロセス条件として、一定以上の温度で加熱して十分に再結晶を進行させることであることがわかる。材料Aと材料Bとで使用された高純度銅は、比較的低い温度で再結晶が起きる材料である。ところが、材料Aと材料Bとでは、冷間加工後の熱履歴に差がある。
材料Aでは、管状電気炉を使用して、アルゴン気流中において炉温420℃、10m/min.で連続加熱熱処理を実施し、その後、250℃に加熱した溶融半田槽を通過させた。これに対し、材料Bでは、250℃に加熱した溶融半田槽を通過させただけである。この熱履歴を等温保持した温度に換算するため、冷間加工後の材料を30分間等温保持し、材料A及び材料Bと同じ<100>配向度、ヤング率、0.2%耐力となる温度を見積もったところ、材料Aが180℃であり、材料Bが170℃であった。したがって、一般的な純銅材料で十分な再結晶を起こさせて<100>方向に配向させるためには、少なくとも180℃以上の最終熱処理を施す必要があることがわかる。
また、材料A及び材料Cは、長さ方向に極めて強い<100>配向が実現されており、長さ方向のヤング率及び0.2%耐力が共に極めて小さい特異な材料であり、本発明の線実装用の電気導体としては、最も適した材料であった。このような強い再結晶集合組織を得るためには、冷間加工前の加工、あるいは熱処理が重要となる。これらの材料の冷間加工後の圧延集合組織をEBSD法で調べたところ、{110}<112>、{123}<634>の圧延による加工集合組織のみならず、{001}<100>が混在した集合組織を呈していた。この集合組織が、強い<100>再結晶組織を形成する前駆組織として重要であり、このような加工集合組織を形成するためには、最終冷間圧延加工前にECAP法やECAE法等の加工と焼鈍処理、加工と焼鈍処理の繰り返し処理が効果的であることが判った。
材料Cは、長さ方向と直交する2つの方位に対しても強い<100>配向が実現されており、シート段階で長さ方向とシート面内で直角方向にスリット加工を施しても同様のテープ材が得られるが、長尺の電気導体を得るためには、長さ方向にスリット加工した方が望ましい。本実施例では、スリット加工は半田被覆前に施されているが、シートの段階で熱処理工程と半田被覆工程とを経て、最後にスリット加工を施しても同様の材料が得られた。
線実装時に電気導体と接合する相手にかかる熱応力、あるいは熱歪は、電気導体の断面形状、接合する相手の材料の材質、厚さ、線実装の長さに依存するが、実証してきたように、長さ方向に<100>配向させることにより、長さ方向のヤング率と0.2%耐力(降伏応力)との両方が著しく小さい電気導体とすることができる。本実施例で作製した材料を使用することにより、薄肉化が求められ、かつ比較的大きな電流を集電する必要のある太陽電池用インターコネクターのような厳しい線実装にも十分効果があることが判った。
本発明における線実装の一形態である結晶型太陽電池のインターコネクターの実装する直前の状態を示す模式図である。
符号の説明
1 太陽電池セル
2 インターコネクター
3 RD方向
4 ND方向
5 TD方向

Claims (13)

  1. 芯材が面心立方構造を有する長尺金属からなり、前記芯材の任意の断面において、面心立方金属の<100>方位が、前記芯材の長さ方向に対して±10°以内の角度を有する領域が面積比で75%以上を占め、前記芯材の周面の少なくとも一部において、リフロー時の融点が250℃以下の金属で被覆されていることを特徴とする電気導体。
  2. 前記芯材がテープ状導体であることを特徴とする請求項1に記載の電気導体。
  3. 前記芯材の長手方向のヤング率が85GPa以下であり、0.2%耐力が85MPa以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気導体。
  4. 前記芯材が純度99mass%以上の銅であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気導体。
  5. 前記被覆されている金属が錫を主体とする金属であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気導体。
  6. 前記被覆されている金属が錫を主体とする金属であって、少なくとも1〜4質量%の銀を含有することを特徴とする請求項5に記載の電気導体。
  7. 前記被覆されている金属が、さらに、0.4〜1.0質量%の銅を含有することを特徴とする請求項6に記載の電気導体。
  8. 面心立方構造を有する芯材を塑性加工し、前記塑性加工の加工率が断面減少率で50%以上の冷間加工を施して、180℃以上前記芯材の融点以下の熱処理を施した後、前記芯材の少なくとも一部にリフロー時の融点が250℃以下の金属を被覆することを特徴とする電気導体の製造方法。
  9. 面心立方構造を有する芯材を塑性加工し、前記塑性加工の加工率が断面減少率で50%以上の冷間加工を施した後、180℃以上前記芯材の融点以下の熱処理を施しながら、前記芯材の少なくとも一部にリフロー時の融点が250℃以下の金属を被覆することを特徴とする電気導体の製造方法。
  10. 前記冷間加工が箔圧延であり、前記冷間加工の後、前記180℃以上前記芯材の融点以下の熱処理を行う工程又は前記リフロー時の融点が250℃以下の金属を被覆する工程の前後のいずれかの工程として、前記冷間加工によって加工された金属箔を圧延方向に平行にスリット加工を施し、所定の幅のテープ状導体とすることを特徴とする請求項8又は9に記載の電気導体の製造方法。
  11. 太陽電池セルの受光面、又はその裏面の少なくとも一方に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気導体からなるケーブルの長さ方向に平行な面を、前記電気導体の表面の被覆金属を介して接続してなることを特徴とする集電用インターコネクター。
  12. 前記電気導体の幅が1mm以上10mm以下であり、厚さが50μm超500μm以下であることを特徴とする請求項11に記載の集電用インターコネクター。
  13. 前記電気導体表面の被覆金属厚みが、1μm以上、50μm以下であることを特徴とする請求項11又は12に記載の集電用インターコネクター。
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