JP2010071040A - 防草構造体及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防草シートが、柱状ブロックに接続する少なくとも1つの第一端部を有し、第一端部が、略直線状の辺を有し、柱状ブロックの長さが、第一端部の辺の長さより短い長さであり、防草シートが、所定の第二端部及び第三端部をさらに有し、第三端部を除く防草シートの表面が、無機質粒子を有し、無機質粒子を有する表面と有しない表面との境界が、第三端部境界を形成し、第二端部の辺の1点と、第二端部の辺の1点を通り第一端部の辺と平行な直線上の第三端部の辺の1点との距離が、第一端部の辺の長さに等しく、第二端部の辺の1点と、第二端部の辺の1点を通り第一端部の辺と平行な直線上の第三端部境界の1点との距離が、柱状ブロックの長さに等しい、防草用コンポーネントである。
【選択図】図1
Description
(1)防草シートの平面形状が、略長方形であり、防草シートが、1つの第一端部を有する。
(2)防草シートの平面形状が、略長方形であり、防草シートが、2つの第一端部を有し、一つの第一端部の辺が、他の第一端部の辺と略平行である。
(3)防草シートが、耐貫通型防草シートである。
(4)柱状ブロックが、角柱のコンクリート製ブロックである。
(1)複数の防草用コンポーネントの柱状ブロックを、既設の構造物に接するように配置する。
(2)既設の構造物が、U字溝又はコンクリート壁である。
図1に、本発明の防草用コンポーネント40の一例の平面模式図を示す。また、図2にその断面模式図を示す。図1及び図2に示す本発明の防草用コンポーネント40は、防草シート10と、柱状ブロック41とを含む。本明細書では、防草シート10の端部のうち、柱状ブロック41に接続する端部を、「第一端部13」という。なお、第一端部13は、略直線状の辺を有する。また、本発明の防草用コンポーネント40は、一つ又は複数の柱状ブロック41を有することができる。したがって、防草シート10は、一つ又は複数の第一端部13を有することができる。
次に、本発明は防草用コンポーネント40を用いた防草構造体の施工方法について説明する。
次に、本発明の防草構造体に用いることが特に好ましい防草シートについて説明する。本明細書及び特許請求の範囲では、ここで説明する防草シートのことを「耐貫通型防草シート」という。耐貫通型防草シートは、改質アスファルト系防草シートの一種である。耐貫通型防草シートは、硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れるため、本発明の防草構造体に用いることが特に好ましい。
耐貫通型防草シートは、(a)無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層、(b)改質アスファルト層、(c)基材層、(d)改質アスファルト層及び(e)合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む裏面層の少なくとも5層をこの順で積層した耐貫通型防草シートであって、(c)基材層が、織布、編み布及び不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つである基材Aと、スクリムを有する基材Bとを含み、基材Aの織布、編み布及び不織布が、芯部と鞘部とを有する芯鞘構造の繊維を含み、芯部が融点200℃以上の繊維及び鞘部が融点200℃以上の樹脂であり、(e)裏面層の合成樹脂が硬質合成樹脂である耐貫通型防草シートである。
(1)(e)裏面層の硬質合成樹脂が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル及びポリハロゲン化ポリビニルからなる群より選択される少なくとも一つの合成樹脂である。
(2)(e)裏面層が、厚さ10〜50μmの二軸延伸成形ポリプロピレンフィルムである。
(3)(c)基材層が、基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に積層し、接着された、若しくは熱融着された三層構造を有する。
(4)芯部と鞘部とが、熱融着されている。
(5)基材Bが、複数の互いに平行な略等間隔の高強度繊維の繊維束からなる組を2組以上有し、異なった組の繊維束は、略等角度で互いに交差しあうスクリムである。
(6)基材Aと、基材Bとの接触部の少なくとも一部が、融点200℃以上の樹脂及び/又は200℃で熱分解しない接着剤により接着されている、若しくは熱融着されている。
(7)(c)基材層が、75〜500g/m2の目付量を有する。
(8)(a)表面層が、天然スレート、タルク及びマイカからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の、扁平状の無機質粒子を含む。
耐貫通型防草シートにより、道路、線路、河川、公園及び造林園など並びにこれらの周辺などの地面、表面、特に法面での草の成育を防止ための、遮光性を有し、耐候性、機械的特性、不透水性に優れ、さらに硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れる防草シートを得ることができる。
図16に、耐貫通型防草シートの模式的断面図を示す。耐貫通型防草シートは、(a)無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層1、(b)改質アスファルト層2、(c)基材層3、(d)改質アスファルト層4及び(e)合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂である裏面層5の少なくとも5層を、この順で積層した耐貫通型防草シートである。耐貫通型防草シートは、道路、線路、河川、公園及び造林園など並びにこれらの周辺などの地面、表面、特に法面での草の成育を防止するための、遮光性を有し、耐候性、機械的特性、不透水性に優れ、さらに硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れる。以下、耐貫通型防草シートを詳細に説明する。
(c)基材層は、織布、編み布及び不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つである基材Aと、スクリムを有する基材Bとを含む。
基材Aを構成する織布、編み布及び不織布は、芯部と鞘部とを有する芯鞘構造の繊維を含むものである。本明細書で「繊維」とは、単繊維、2本以上の繊維、2本以上の繊維の束(繊維束)、及び2本以上の繊維によりをかけたもの(糸)を包含する。
(c)基材層の基材Aとして用いることのできる芯鞘構造の繊維とは、一つの成分(鞘部)がもう一つの成分(芯部)の少なくとも一部の表面を包む状態の構造を有する繊維を意味する。芯鞘構造の繊維は、鞘部が芯部の表面を、50%以上、さらに70%以上、特に90%以上包む状態の構造であることが好ましい。特に、芯鞘構造の繊維は、鞘部が芯部の表面を完全に包む状態の構造の繊維であることが最も好ましい。
また、基材Aとして、融点200℃以上の繊維からなる織布、編み布及び/又は不織布を用いることもできる。この融点200℃以上の繊維からなる織布、編み布及び/又は不織布は、芯部が融点200℃以上の繊維と、鞘部が融点200℃以上の樹脂とからなる芯鞘構造の繊維からなる織布、編み布及び/又は不織布と組み合わせて用いることが、基材Aとして好ましい。融点200℃以上の繊維としては、融点200℃以上の天然、半合成及び合成樹脂の繊維や無機のガラスなどの融点200℃以上の有機質繊維や無機質繊維などにより構成されるものを用いることができる。
防草シートの機械的強度を増加させるという点から、耐貫通型防草シートにおいて、(c)基材層の基材Bは、融点200℃以上の繊維からなるスクリムを有していることが好ましい。スクリムとは、あらい平織り又は綾織りの織布のことを意味する。すなわち、スクリムとは、複数の互いに平行な略等間隔の繊維及び/又は糸を有する組を2組以上有し、異なった組の繊維及び/又は糸は、略等角度で互いに交差しあう形状である。一例として、2組の複数の互いに平行な略等間隔の繊維及び/又は糸が、互いにほぼ直角に交差しあう形状のスクリムを用いることができる。また、3組が互いに約60度の角度で交差しあうスクリムを用いることもできる。繊維及び/又は糸の間隔の下限は、スクリムの重量及びコストを抑制するという点から、好ましくは3mm以上、さらに好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上、特に好ましくは6mm以上のスクリムが好ましい。また、繊維及び/又は糸の間隔の上限は、必要な機械的強度の点から、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは20mm以下、より好ましくは18mm以下のスクリムが好ましい。
(c)基材層は、基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に積層した三層構造を有することが好ましい。「三層構造」とは、基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に並べて接着した構造のことをいう。なお、基材Bはスクリムを有するため、繊維及び/又は糸が存在しない部分があるが、本明細書では、そのような部分も含めて「三層構造」という。(c)基材層が、三層構造を有することによって、中間に位置する基材Bの上面側と下面側とが均質構造となり、この(c)基材層を用いた耐貫通型防草シートを敷設した場合に良好な平面性が得られ、防草シート端部の反り返りを回避することができる。
(a)表面層は、無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む層である。(a)表面層は、無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂からなる層であることが好ましい。(a)表面層に用いられる無機質粒子としては、天然スレート砂、マイカ及びタルクなどの鉱物質の扁平状無機質粒子を用いることができる。無機質粒子は、一種類又は複数種を組み合わせて用いることができる。耐貫通型防草シートでは、(a)表面層に扁平状の無機質粒子を用いることによって、耐候性塗料の塗着に頼ることなく長期供用においても耐貫通型防草シート全面が剥離することなく、変色や退色も小さく、耐貫通型防草シートの施工直後の状態を維持することができる。
(b)層及び(d)層の改質アスファルトとしては、アスファルト及びポリマーを含むもの、アスファルト、ポリマー及び無機充填材の3成分を含むものなどを用いることができる。(b)層及び(d)層の改質アスファルトとしては、アスファルト100重量部に対し、ポリマー10〜40重量部、及び無機充填材0〜20重量部を含むものを用いることが好ましい。
耐貫通型防草シートは、(e)裏面層が、合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む。(e)裏面層は、合成樹脂フィルム又は無機質粒子を含有する合成樹脂フィルムであることが好ましい。
次に、耐貫通型防草シートの製造方法について説明する。
本発明に用いる耐貫通型防草シート及びその他の防草シートは、下記の特性を有することが好ましい。
<参考実施例>
1.引張強度、引張伸び率、引裂強度:JIS A6013:2005に準拠して、万能材料試験機[オリエンテック(株)製UTM−10T]を用い、引張速度100mm/分、サンプル幅50mm、チャック間100mm、試験温度22℃の条件下で一軸引張強度を測定した。
雑草を刈り取った地面の表面に、下記の合成樹脂フィルムを敷設して2ヵ月後に防草効果を確認した。
1)合成樹脂フィルム
・合成樹脂フィルムa : PEフィルム(ポリエチレンフィルム)、厚さ=30μm、1m×1m。
・合成樹脂フィルムb : OPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)、厚さ=20μm、1m×1m。
・合成樹脂フィルムc : OPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)、厚さ=60μm、1m×1m。
以下の手順にしたがって、表2に示す条件で防草シートを製造した。なお、実験例3〜7は、耐貫通型防草シートに該当する。
2)複合不織布
・複合不織布A : AKZO・NOBEL社製、製品名:colback;品種:SNS155(不織布−スクリム−不織布の三層構造)、上層及び下層の不織布:芯鞘構造、鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル、中間層:ガラス繊維束のスクリム(シートの長さ方向と、長さ方向の垂直方向に2方向補強)、目付量=155g/m2、1m×6m。
・複合不織布B : AKZO・NOBEL社製、製品名:colback;品種:SNS125(不織布−スクリム−不織布の三層構造)、上層及び下層の不織布:芯鞘構造、鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル、中間層:ガラス繊維束のスクリム(シートの長さ方向と、長さ方向の垂直方向に2方向補強)、目付量=125g/m2、1m×6m。
・複合不織布C : フロイデンベルグ社製、製品名:TERBOND・R150(不織布−ガラス繊維束の2層構造)、上層の不織布:芯鞘構造、鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル、下層:ガラス繊維束(シートの長さ方向に1方向補強)、目付量=150g/m2、1m×6m。
3)合成樹脂フィルム
・合成樹脂フィルムd : HDPEフィルム(高密度ポリエチレン)、厚さ=20μm。
・合成樹脂フィルムe : OPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレン)、厚さ=20μm。
2 : 改質アスファルト層
3 : 基材層
4 : 改質アスファルト層
5 : 裏面層
6 : 測定用治具
7 : 測定用治具の先端部
8 : 試験用防草シート
9 : シート部
10 : 防草シート
13、13a、13b : 第一端部
14 : 第二端部
15 : 第三端部
16 : 第三端部境界
17 : 鉄筋
18 : 固定用ピン
25 : U字溝
30 : 法面
40 : 防草用コンポーネント
41、41a、41b : 柱状ブロック
50 : 防草構造体
L : 防草シートの第一端部の全体の長さ
Z : 柱状ブロックの長さ
d1 : 第一端部及び第二端部が形成する頂点と、柱状ブロックとの間の距離
d2 : 第三端部の幅
A : 第二端部の辺の任意の1点
B : 点Aを通り第一端部の辺と平行な直線上の第三端部の辺の1点
C : 点Aを通り第一端部の辺と平行な直線上の第三端部境界の1点
Claims (9)
- 防草シートと、少なくとも1つの柱状ブロックとを含む防草用コンポーネントであって、
防草シートが、柱状ブロックに接続する少なくとも1つの第一端部を有し、第一端部が、略直線状の辺を有し、
柱状ブロックの長さが、第一端部の辺の長さより短い長さであり、
防草シートが、第一端部の辺に隣り合う辺を有する第二端部をさらに有し、
防草シートが、第一端部の辺に隣り合う辺であって第二端部とは異なる辺を有する第三端部をさらに有し、
第三端部を除く防草シートの表面が、無機質粒子を有し、無機質粒子を有する表面と有しない表面との境界が、第三端部境界を形成し、
第二端部の辺の任意の1点と、第二端部の辺のその1点を通り第一端部の辺と平行な直線上の第三端部の辺の1点との距離が、第一端部の辺の長さに等しく、
第二端部の辺の任意の1点と、第二端部の辺のその1点を通り第一端部の辺と平行な直線上の第三端部境界の1点との距離が、柱状ブロックの長さに等しい、防草用コンポーネント。 - 防草シートの平面形状が、略長方形であり、防草シートが、1つの第一端部を有する、請求項1記載の防草用コンポーネント。
- 防草シートの平面形状が、略長方形であり、防草シートが、2つの第一端部を有し、一つの第一端部の辺が、他の第一端部の辺と略平行である、請求項1記載の防草用コンポーネント。
- 防草シートが、耐貫通型防草シートである、請求項1〜3のいずれか1項記載の防草用コンポーネント。
- 柱状ブロックが、角柱のコンクリート製ブロックである、請求項1〜4のいずれか1項記載の防草用コンポーネント。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の防草用コンポーネントを用いた防草構造体の施工方法であって、
柱状ブロックが長さ方向に直列に接するように、複数の防草用コンポーネントを配置する工程と、
一つの防草シートの第二端部の裏面が、他の防草シートの第三端部の表面を覆って接するように接着する工程と
を含む、防草構造体の施工方法。 - 複数の防草用コンポーネントの柱状ブロックを、既設の構造物に接するように配置する、請求項6記載の防草構造体の施工方法。
- 既設の構造物が、U字溝又はコンクリート壁である、請求項7記載の防草構造体の施工方法。
- 請求項6〜8のいずれか1項記載の施工方法によって設置された防草構造体。
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