JP2010070378A - エレベータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行開始前に三相交流モータの欠相異常を確実に検出して、安全かつ信頼性の高い運転制御を行う。
【解決手段】乗りかご2が走行を開始する直前に電流チェック指令「ICHK」をオンして、インバータ4から三相交流モータ1の各相に欠相確認用の電流を流すための電圧を供給する。そのときに各相に流れる電流値を電流検出器10a,10bにて検出し、予め欠相判定用に設定された基準値と比較する。この基準値よりも低い場合には欠相しているものと判定し、乗りかご2の走行開始動作を直ちに禁止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、三相交流モータを備えたエレベータの制御装置に係り、特に三相交流モータの欠相異常を検出するエレベータの制御装置に関する。
通常、エレベータでは、三相交流モータを乗りかごの駆動手段として備えている。この三相交流モータは、三相の巻線を有し、これらを順に励磁していくことで回転する。ところが、振動等の何らかの原因で三相のうちの一相でも欠相すると、所定の速度で回転制御できなくなる。このため、乗りかごが異常な速度で走行してしまい、危険な状態になる。
そこで、従来は、乗りかごの走行中に規定値以上の異常な速度を検出した場合に、三相交流モータが欠相しているものと判定して、乗りかごを急停止させている。
なお、乗りかごの走行開始前に異常検出を行うものとして、例えば特許文献1が知られている。この特許文献1では、電力供給系に設けられたコンバータの出力電圧を監視し、その出力電圧が所定レベル以上の場合に三相交流電源が欠相しているものと判定する。
特許第2501109号明細書
上述したような乗りかごの走行開始中に三相交流モータの欠相異常を検出する方法では、異常を検出したときに急停止によって乗りかご内の乗客が転倒する可能性があり、危険を伴う。また、上記特許文献1のように、乗りかごの走行開始前に異常を検知するものがあるが、これは三相交流電源の欠相異常を検出するものであって、三相交流モータを対象としたものではない。
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、走行開始前に三相交流モータの欠相異常を確実に検出して、安全かつ信頼性の高い運転制御を行うことのできるエレベータの制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエレベータの制御装置は、三相交流モータの駆動により乗りかごを昇降動作させるエレベータの制御装置において、上記乗りかごの走行開始前に、上記三相交流モータの各相に対して欠相確認用の電流を流すための電圧を供給する電圧供給手段と、この電圧供給手段による電圧供給動作に伴い、上記三相交流モータの各相に流れる電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段によって検出された各相の電流値に基づいて、上記三相交流モータの欠相異常を検出する欠相異常検出手段と、この欠相異常検出手段によって欠相異常が検出された場合に、上記乗りかごの走行開始動作を直ちに禁止する走行制御手段とを具備したことを特徴とする。
本発明によれば、乗りかごの走行開始前に三相交流モータの各相に欠相確認用の電流を流すことにより、三相交流モータの欠相異常を確実に検出して、安全かつ信頼性の高い運転制御を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。なお、図中のDE1〜3は減算器、AD1〜2は加算器を示している。また、「SPC」は速度制御指令、「WTC」は荷重吊り合いトルク電流指令、「ICHK」は電流チェック指令である。これらは、主制御装置に相当する走行制御部30から出力される。
本装置では、電動機として三相交流モータ1を備え、そのモータ駆動手段として、インバータ4を含む各制御機器が設けられている。三相交流モータ1は、U相,V相,W相の三相の巻線を有し、これらを順に励磁することで回転する。なお、図1の例では、U相が欠相した状態が示されている。
この三相交流モータ1の回転軸にシーブ1aが回転自在に取り付けられ、そのシーブ1aと三相交流モータ1をつなぐ回転シャフトを制動するように電磁ブレーキ1bが配設されている。このシーブ1aにはロープ1cが巻き掛けられており、そのロープ1cの一端には乗りかご2、他端には吊り合い重り(カウンタウエイト)3が連結されている。
三相交流モータ1が駆動されると、シーブ1aが回転し、それに伴いロープ1cを介して乗りかご2と吊り合い重り3がつるべ式に昇降動作する。なお、このとき、電磁ブレーキ1bはシーブ1aから離間した状態にある。
また、三相交流モータ1の回転軸には回転位相検出器5が取り付けられている。この回転位相検出器5は、三相交流モータ1の回転子の位相(以下、回転位相θ0と称す)を検出する。この回転位相検出器5によって検出された回転位相θ0は、微分器6にて微分され、現在速度を示す速度信号Vとして速度制御系にフィードバックされる。
速度制御器8は、微分器6から出力される速度信号Vと速度指令演算器7から出力される速度指令「V」の目標速度との差分信号に基づいて、三相交流モータ1の回転速度を目標速度に追従させるためのトルク電流を算出し、これをトルク電流指令「Iq」として電流制御器9に出力する。電流制御器9は、速度制御器8で算出されたトルク電流に対応した電圧を三相交流モータ1に供給するための電圧指令「Vq」を出力する。
一方、三相交流モータ1を構成するU相,V相,W相のうちの任意の二相(ここではU相とW相)に電流検出器10a,10bが設けられている。インバータ4の電圧供給によって三相交流モータ1が駆動されると、U相とW相に流れる電流「Iu」,「Iw」が電流検出器10a,10bにて検出される。
なお、三相交流モータ1では、三相の電流値を合計するとゼロになる特性を有する。したがって、V相の電流「Iv」については、下記の(1)式に従って算出することができる。
Iv=−Iu−Iw …(1)
3軸/2軸変換器11は、電流検出器10a,10bにて検出された電流「Iu」、「Iw」と、三相交流モータ1の各相に流れる電流の位相(以下、電流位相θと称す)に基づいて、U相,V相,W相に対する3軸電流をトルク電流Iqとその直行軸電流「Id」の2軸電流に変換する。このときの変換式を下記の(2)式に示す。
Figure 2010070378
この2軸電流のうち、「Id」はId(=0)に追従するように、「Iq」は速度制御器8からのトルク電流指令「Iq」に追従するように、電流制御器9で2軸電圧指令「Vd」、「Vq」が演算される。
また、2軸/3軸変換器12は、上記2軸電圧指令「Vd」,「Vq」を3軸電圧指令「Vu」,「Vv」,「Vw」に変換してインバータ4に出力する。このときの変換式を下記の(3)式に示す。
Figure 2010070378
インバータ4は、例えばPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)などの方式を用いて三相交流モータ1に対して所要の電圧を供給する。
また、乗りかご2の下部には、かご内の積載荷重を検出するための荷重検出器13が設置されている。この荷重検出器13にて検出された荷重信号Wtは、重量比較器14に与えられる。重量比較器14では、この荷重信号Wtに基づいて乗りかご2と吊り合い重り3との重量差を算出する。荷重吊り合いトルク電流指令「WTC」がオンすると、上記重量差に応じたアンバランストルクが1次遅れローパスフィルタ15を通して吊り合いトルク電流指令「Ibl」として出力される。
さらに、本装置には、三相交流モータ1の欠相異常を検出するための構成要素として、位相切替器20、d軸電流指令切替器21、1次遅れローパスフィルタ22、欠相異常検出器23が備えられている。
位相切替器20は、電流チェック指令「ICHK」がオンしたときに電流位相θを0°に切替える。d軸電流指令切替器21は、電流チェック指令「ICHK」がオンしたときにd軸電流指令を一定電流値「Ichk0」に切替える。1次遅れローパスフィルタ22は、この一定電流値「Ichk0」の位相を遅延させるためにある。
このような構成において、本装置では、エレベータの走行開始前、つまり、乗りかご2が各階で走行を開始する直前に、三相交流モータ1の全相に対してゼロ以外の一定電流を流すための電圧を供給する。そして、この電圧供給の開始から一定時間経過後に、三相交流モータ1の各相の電流値が予め欠相判定用に設定された基準値より低いか否かをチェックする。
電圧供給の開始から一定時間が経過するのを待つのは、三相交流モータ1の各相に流れる電流が安定した状態でチェックするためである。チェックの結果、各相のいずれか1つでも基準値より低い場合には、三相交流モータ1が欠相しているものと判定して、乗りかご2の走行開始動作を直ちに禁止する。
なお、三相交流モータ1は、誘導電動機であっても良いし、永久磁石を備えた同期電動機であっても良い。ただし、上記同期電動機の場合、欠相確認時に流す電流の位相によって、永久磁石にトルクが発生することがある。
具体的には、Iu=I,Iv=−I/2,Iw=−I/2の電流を流すと、電流位相θ=0°のときに永久磁石に最大のトルクが発生する。このトルク発生により、乗りかご2が振動し、乗客に不快感を与えてしまう。
そこで、本装置では、欠相確認時に三相交流モータ1の各相に流す電流の位相を1次遅れローパスフィルタ22によって遅らせることで、トルクの発生を抑えるようにしている。
以下に、本装置の処理動作について詳しく説明する。
図2はエレベータ走行時の処理の流れを説明するためのフローチャート、図3は欠相確認処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、これらのフローチャートで示される処理は、基本的に主制御装置である走行制御部30の下で実行される。
(a)三相交流モータ1が欠相していない場合
図4は三相交流モータ1が欠相していない場合のエレベータ走行時の各信号のタイミングチャート、図5は三相交流モータ1が欠相していない場合の欠相確認時の各信号のタイミングチャートである。
今、エレベータの乗りかご2がある階で停止しているものとする。このとき、乗りかご2がアンバランス方向に動かないように、電磁ブレーキ1bがシーブ1aに当接している。この状態で、図2のフローチャートに示すように、走行制御部30から走行開始指令「RUN」が出力されると(ステップS101)、電流チェック指令「ICHK」がオンして(ステップS102)、欠相確認処理が実行される。
図3のフローチャートに示すように、欠相確認処理では、まず、初期設定として、図1の位相切替器20によって三相交流モータ1の電流位相θを0°に切り替えておく(ステップS201)。これは、三相交流モータ1の特性上、電流位相θを0°にしておくことで、各相に均等に電流を流すためである。
続いて、d軸電流指令切替器21によって、三相交流モータ1に流す電流を一定電流値「Ichk0」に切り替える。その際、上述したトルク発生を防ぐために、一定電流値「Ichk0」を1次遅れローパスフィルタ22を通して、欠相検出電流指令「Ichk」として速度制御系に出力する(ステップS202)。
この欠相検出電流指令「Ichk」は、d軸電流指令「Id」として電流制御器9に与えられる。また、q軸電流指令「Iq」は0である。これにより、電流制御器9、2軸/3軸変換器12、インバータ4を介して三相交流モータ1に一定電流を流すために必要な電圧が供給される(ステップS203)。
このとき、三相交流モータ1を構成するU相,V相,W相の各巻線には、Iu=I,Iv=−I/2,Iw=−I/2の電流が流れる。その際、三相交流モータ1が永久磁石を備えた同期電動機であれば、その永久磁石の位相(つまり回転位相θ)が0°または180°に近ければトルクが発生するが、90°または270°に近ければトルクが発生することはない。
欠相検出電流指令「Ichk」の出力開始から一定時間「tchk」が経過した後(ステップS204のYes)、U相,V相,W相それぞれの電流の絶対値に対して、欠相検出電流指令「Ichk」の10%未満の値になっているか否かを確認する(ステップS205,S207,S209)。
ここで、三相全ての電流値が欠相検出電流指令「Ichk」の10%以上の値を有していれば、三相交流モータ1が欠相していないものと判定し、各相のエラー信号「IU_ERR」,「IV_ERR」,「IW_ERR」のすべてをオフにする(ステップS211)。そして、電流位相θを回転位相検出器5の検出値に戻すと共に(ステップS212)、d軸電流指令「Id」の値を0に収束させて(ステップS213)、欠相確認動作を完了する。
なお、図中の「磁極位相」とは、永久磁石が存在する位相(位置)を示すものである。基本的には「回転位相」と同じで、物理的な位置を示す位相である。また、「電流位相」は「磁極位相」と同期するように制御されるので、「制御位相」とも呼ばれることがある。
欠相確認の終了に伴い、電流チェック指令「ICHK」がオフすると、図2に示すように、荷重吊り合いトルク電流指令「WTC」がオンする(ステップS104)。これに伴い、乗りかご2と吊り合い重り3との重量差に応じたアンバランストルクが1次遅れローパスフィルタ15を通して吊り合いトルク電流指令「Ibl」として出力される(ステップS105)。
吊り合いトルク電流指令「Ibl」は、q軸電流指令「Iq」として電流制御器9に与えられる。この吊り合いトルク電流指令「Ibl」が確立すると、速度制御指令「SPC」がオンする(ステップS106)。これにより、速度指令演算器7と速度制御器8が起動され、三相交流モータ1が所定の速度で駆動される(ステップS107)。このとき、電磁ブレーキ1bは開放状態にあり、三相交流モータ1の駆動に伴い、乗りかご2がロープ1cを介して上昇方向または下降方向に移動する。
乗りかご2が目的階に到着して停止すると(ステップS108のYes)、走行開始指令「RUN」,荷重吊り合いトルク電流指令「WTC」,速度制御指令「SPC」をオフして、次の走行に備える(ステップS109)。
(b)三相交流モータ1が欠相している場合
図6は三相交流モータ1が欠相している場合のエレベータ走行時の各信号のタイミングチャート、図7は三相交流モータ1が欠相している場合の欠相確認時の各信号のタイミングチャートである。
上述したように、エレベータが走行するとき、走行制御部30から走行開始指令「RUN」が出力されると(ステップS101)、電流チェック指令「ICHK」がオンして(ステップS102)、欠相確認処理が実行される。
欠相確認処理では、まず、初期設定として、図1の位相切替器20によって三相交流モータ1の電流位相θを0°に切り替える(ステップS201)。続いて、d軸電流指令切替器21によって三相交流モータ1に流す電流を一定電流値「Ichk0」に切り替え、これを1次遅れローパスフィルタ22を通して欠相検出電流指令「Ichk」として速度制御系に出力する(ステップS202)。
この欠相検出電流指令「Ichk」は、d軸電流指令「Id」として電流制御器9に与えられる。q軸電流指令「Iq」は0である。これにより、電流制御器9、2軸/3軸変換器12、インバータ4を介して三相交流モータ1に一定電流を流すために必要な電圧が供給される(ステップS203)。
欠相検出電流指令「Ichk」の出力開始から一定時間「tchk」が経過した後(ステップS204のYes)、U相,V相,W相それぞれの電流の絶対値に対して、欠相検出電流指令「Ichk」の10%未満の値になっているか否かを確認する(ステップS205,S207,S209)。
ここで、例えばU相の電流「Iu」の絶対値が欠相検出電流指令「Ichk」の10%未満であった場合には(ステップS205のYes)、U相が欠相しているものと判定し、エラー信号「IU_ERR」をオンにする(ステップS206)。
また、W相の電流「Iw」の絶対値が欠相検出電流指令「Ichk」の10%未満であった場合には(ステップS209のYes)、W相が欠相しているものと判定し、エラー信号「IW_ERR」をオンにする(ステップS210)。
なお、V相が欠相に対しては、V相に電流検出器がなくても、三相交流モータ1の「Iu」+「Iv」+「Iw」=0の特性から|Iv|=|Iu+Iw|として算出できる。したがって、|Iu+Iw|の値が欠相検出電流指令「Ichk」の10%未満であった場合には(ステップS207のYes)、V相が欠相しているものと判定し、エラー信号「IV_ERR」をオンにする(ステップS208)。
三相交流モータ1の欠相異常を検出した後は、電流位相θを回転位相検出器5の検出値に戻すと共に(ステップS212)、d軸電流指令「Id」を0に収束させた後(ステップS213)、次回以降の走行開始動作を禁止する(ステップS214,S215)。このとき、三相交流モータ1が欠相していることをメッセージ表示や音声等により警告することが好ましい。
このように、各階において、乗りかご2が走行を開始する前に、三相交流モータ1の各相に電流を流して欠相異常を事前に確認することにより、三相交流モータ1が欠相している状態で走行してしまう危険を回でき、安全で信頼性の高い運転制御を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、欠相確認時に三相交流モータ1の電流位相θを0°に初期設定した。しかし、上述したように、三相交流モータ1として永久磁石を備えた同期電動機を用いた場合には、欠相確認時に流す電流の位相によっては永久磁石にトルクが発生することがある。そこで、第2の実施形態では、三相交流モータ1の回転位相θ0の値に応じて電流位相θを選択して、トルクの発生を最小限に抑える構成とする。
図8は本発明の第2の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。なお、上記第1の実施形態における図1の構成と同じ部分には同一符号を付して、その説明は省略するものとする。
上記第1の実施形態との違いは、位相切替器20の前段に電流位相選択器24が設けられていることである。この電流位相選択器24は、回転位相検出器5によって検出された三相交流モータ1の回転位相θ0の値に応じて欠相確認時の電流位相θを選択し、3軸/2軸変換器11に与える。
以下では、上記第1の実施形態との相違とその効果のみを説明する。
図9は第2の実施形態における欠相確認時の電流位相選択処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートは、図3のステップS201に代えて実行される。
すなわち、電流チェック指令「ICHK」がオンしたとき(ステップS301)、回転位相検出器5にて検出される回転位相θ0の値に応じて、d軸電流指令「Id」の出力に必要な電流位相θを以下のように選択する(ステップS303〜S308)。なお、電流チェック指令「ICHK」がオフの場合には、回転位相検出器5にて検出される回転位相θ0がそのまま適用される(ステップS309)。
・−30°≦θ0 <30°のとき、
θ=270°(Iu=I,Iv=−I/2,Iw=−I/2)
・30°≦θ0 <90°のとき、
θ=330°(Iu=I/2,Iv=−I/2,Iw=−I)
・90°≦θ0 <150°のとき、
θ=30°(Iu=−I/2,Iv=I,Iw=−I/2)
・150°≦θ0 <210°のとき、
θ=90°(Iu=−I,Iv=I/2,Iw=I/2)
・210°≦θ0 <270°のとき、
θ=150°(Iu=−I/2,Iv=−I/2,Iw=I)
・270°≦θ0 <330°のとき、
θ=210°(Iu=I/2,Iv=−I,Iw=I/2)
このようにして、電流位相θを選択することにより、三相交流モータ1の全相に対して欠相確認用の電流を流しながら、トルクの発生を最小限に抑えることができる。
図10および図11を参照して詳しく説明する。
今、理解を容易にするために、図10に示すような2極モータを例とする。図中の100は永久磁石であり、U,V,Wの各相を順に励磁することで回転する。「Iu+」と「Iu−」、「Iv+」と「Iv−」、「Iw」+と「Iw−」の組み合わせが、それぞれU,V,Wの各相の巻線を示している。
電流位相θ=0°の状態では、U相にIu=I、V相にIv=−I/2、W相にIw=−I/2の電流が流れる。通常、電流位相θ=0°の状態で、永久磁石100がU相巻線に近い位置にあれば、回転子である永久磁石100に回転トルクが発生する。一方、永久磁石100がU相の巻線から最も遠い位置、つまり、回転位相検出器5によって検出される回転位相θ0(永久磁石100の位相)と電流位相θが90°ずれている状態であれば、回転トルクは発生しない。位相差が0°〜90°になれば、回転トルクは減少し、90°で回転トルク=0の極少値をとる。
ここで、図11(a)〜(d)に示すように、U,V,Wの各相のいずれかの一相に対して電流I、その他の二相に対して逆符号のI/2の電流を流す場合に、永久磁石100の位相θ0との位相差が60°〜120°の間になるように電流位相θを選択すれば、トルクの発生を最小限に抑えることができる。
このように、三相交流モータ1の回転位相θ0(永久磁石100の位相)の値に応じて電流位相θを選択することにより、トルクの発生を最小限に抑えることができる。したがって、欠相確認の度に乗りかご2を振動させて、乗客に不快感を与えることなく、事前に三相交流モータ1の欠相異常を検出して安全を確保することができる。
なお、上記第1の実施形態では、欠相検出電流指令「Ichk」の10%の電流値が欠相判定の基準値として設定されていたが(図3のステップS205,S207,S209参照)、10%以外の任意の値に設定することでも良い。欠相異常検出器23には、その設定された電流値を記憶するための記憶部を有する。
要するに、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の形態を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
図1は本発明の第1の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。 図2は同実施形態におけるエレベータ走行時の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 図3は同実施形態における欠相確認処理の流れを説明するためのフローチャートである。 図4は同実施形態における三相交流モータが欠相していない場合のエレベータ走行時の各信号のタイミングチャートである。 図5は同実施形態における三相交流モータが欠相していない場合の欠相確認時の各信号のタイミングチャートである。 図6は同実施形態における三相交流モータが欠相している場合のエレベータ走行時の各信号のタイミングチャートである。 図7は同実施形態における三相交流モータが欠相している場合の欠相確認時の各信号のタイミングチャートである。 図8は本発明の第2の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。 図9は同実施形態における欠相確認時の電流位相選択処理の流れを説明するためのフローチャートである。 図10は同実施形態における三相交流モータの構成を説明するための図である。 図11は同実施形態における三相交流モータの回転位相θ0と電流位相θとの関係を説明するための図である。
符号の説明
1…三相交流モータ、1a…シーブ、1b…電磁ブレーキ、1c…ロープ、2…乗りかご、3…吊り合い重り、4…インバータ、5…回転位相検出器、6…微分器、7…速度指令演算器、8…速度制御器、9…電流制御器、10a,10b…電流検出器、11…3軸/2軸変換器、12…2軸/3軸変換器、13…荷重検出器、14…重量比較器、15…1次遅れローパスフィルタ、20…位相切替器、21…d軸電流指令切替器、22…1次遅れローパスフィルタ、23…欠相異常検出器、24…電流位相選択器、30…走行制御部、100…永久磁石、DE1〜3…減算器、AD1〜2…加算器、RUN…走行開始指令、SPC…速度制御指令、WTC…荷重吊り合いトルク電流指令、ICHK…電流チェック指令。

Claims (8)

  1. 三相交流モータの駆動により乗りかごを昇降動作させるエレベータの制御装置において、
    上記乗りかごの走行開始前に、上記三相交流モータの各相に対して欠相確認用の電流を流すための電圧を供給する電圧供給手段と、
    この電圧供給手段による電圧供給動作に伴い、上記三相交流モータの各相に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    この電流検出手段によって検出された各相の電流値に基づいて、上記三相交流モータの欠相異常を検出する欠相異常検出手段と、
    この欠相異常検出手段によって欠相異常が検出された場合に、上記乗りかごの走行開始動作を直ちに禁止する走行制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 上記欠相異常検出手段は、上記電流検出手段によって検出された各相の電流値をチェックし、少なくとも1つの相の電流値が予め設定された基準値よりも低い場合に上記三相交流モータが欠相しているものと判定することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  3. 上記基準値は、欠相確認時に上記三相交流モータの各相に流す電流の10%に設定されていることを特徴とする請求項2記載のエレベータの制御装置。
  4. 上記欠相異常検出手段は、上記電圧供給手段による電圧供給動作を開始してから一定時間が経過した後に、上記電流検出手段によって検出された各相の電流値をチェックすることを特徴とする請求項2または3記載のエレベータの制御装置。
  5. 上記三相交流モータは、永久磁石を備えた同期電動機であることを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  6. ローパスフィルタを備え、
    記三相交流モータの各相に流す欠相確認の電流の位相を上記ローパスフィルタに通して遅らせることで、上記永久磁石に発生するトルクを抑えることを特徴とする請求項5記載のエレベータの制御装置。
  7. 上記永久磁石の位相を検出する位相検出手段と、
    この位相検出手段によって検出された上記永久磁石の位相に応じて、トルクの発生を最小限に抑える電流の位相を選択する電流位相選択手段とを備え、
    上記電流位相選択手段によって選択された位相付近で上記三相交流モータの各相に欠相確認用の電流を流すことを特徴とする請求項5または6記載のエレベータの制御装置。
  8. 上記三相交流モータは、誘導電動機であることを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
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