JP2010068672A - モータ駆動制御回路及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ駆動制御回路及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】安価に製造可能なモータ駆動制御回路及び電動パワーステアリング装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のモータ駆動制御回路40では、3相の給電ライン42U,42V,42Wにそれぞれ設けられた非常用スイッチ素子59の両端の電位差からU,V,Wの各相の電流Iu1,Iu2,Iv1,・・・を検出すると共に、モータ駆動回路43と直流電源91の負極(GND)との間に非常用スイッチ素子59より正確に電流を検出可能なシャント抵抗45を1つ設けておき、各非常用スイッチ素子59による電流Iu1,Iu2,Iv1・・・の検出結果とシャント抵抗45による電流Isの検出結果とから生成した補正係数Ku1,Ku2,Kv1,・・・によって、各非常用スイッチ素子59による電流検出結果を補正する。これにより高精度な相電流検出素子を1つだけにすることができ、モータ駆動制御回路40を安価に製造することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、多相交流モータを駆動制御するモータ駆動制御回路及びそのモータ駆動制御回路を有した電動パワーステアリング装置に関する。
従来のこの種のモータ駆動制御回路には、直流電源の直流出力から多相交流電流を生成して多相交流モータに通電するためのブリッジ回路が備えられ、そのブリッジ回路は、直流電源における正負の電極の間に並列接続される複数のスイッチ直列回路を備えている。そして、多相交流電流をフィードバック制御するために、各スイッチ直列回路に相電流検出素子(例えば、シャント抵抗)を直列に接続して、各相電流を検出していた(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−98564号公報(段落[0013]、第1図)
しかしながら、上述した従来のモータ駆動制御回路では、各相電流を正確に検出するために、高精度な相電流検出素子が相に応じた数だけ設けられていたためにモータ駆動制御回路が高価になっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、安価に製造可能なモータ駆動制御回路及び電動パワーステアリング装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るモータ駆動制御回路(40)は、直流電源(91)の正負の電極間に並列接続される複数のスイッチ直列回路(43U,43V,43W)と、各スイッチ直列回路(43U,43V,43W)が有する1対のスイッチ素子(UH,UL,VH,VL,WH,WL)の間から分岐し、多相交流モータ(19)の各相巻線(19U,19V,19W)に接続される複数の分岐回路(42U,42V,42W)とからなるブリッジ回路(43)と、複数の分岐回路(42U,42V,42W)に設けられ、各分岐回路(42U,42V,42W)に流れる電流を検出可能な複数の相電流検出素子(51,52,59)と、直流電源(91)の直流出力から多相交流電流(Iu,Iv,Iw)を生成して多相交流モータ(19)に付与するために、各スイッチ素子(UH,UL,VH,VL,WH,WL)をオンオフすると共に、相電流検出素子(51,52,59)にて検出した電流検出結果を取得して多相交流電流(Iu,Iv,Iw)をフィードバック制御する制御回路(44)とを備えたモータ駆動制御回路(40)において、一端に直流電源(91)の正負の一方の電極が接続される一方、他端に複数のスイッチ直列回路(43U,43V,43W)が共通接続され、相電流検出素子(51,52,59)より正確に電流を検出可能な補正用電流検出素子(45)と、多相交流モータ(19)に対する1の分岐回路(42U,42V,42W)の電流の向きと、それ以外の他の分岐回路(42U,42V,42W)の電流の向きとが逆になる特定位相での補正用電流検出素子(45)による電流検出結果から、1の分岐回路(42U,42V,42W)に備えた相電流検出素子(51,52,59)の電流検出結果を補正するための補正係数(Ku1,Ku2,Kv1,Kv2,Kw1,Kw2)を生成する補正係数生成手段(S113,S123,S133,S143,S153,S163)とを備え、補正係数生成手段(S113,S123,S133,S143,S153,S163)により各相電流検出素子用の補正係数(Ku1,Ku2,Kv1,Kv2,Kw1,Kw2)を生成し、それら補正係数(Ku1,Ku2,Kv1,Kv2,Kw1,Kw2)を用いて特定位相以外の位相における各相電流検出素子(51,52,59)による電流検出結果を補正するところに特徴を有する。
なお、本発明において、「補正係数を用いて特定位相以外の位相における相電流検出素子による電流検出結果を補正する」とは、「補正係数を用いて特定位相における相電流検出素子による電流検出結果を補正する」ことを排除するものではない。
請求項2の発明は、請求項1に記載のモータ駆動制御回路(40)において、複数の分岐回路(42U,42V,42W)には、異常発生時に、ブリッジ回路(43)から多相交流モータ(19)を切り離すための非常用スイッチ素子(51,52,59)がそれぞれ設けられ、非常用スイッチ素子(51,52,59)を相電流検出素子(51,52,59)に兼用したところに特徴を有する。
請求項3の発明に係る電動パワーステアリング装置(11)は、請求項1又は2に記載のモータ駆動制御回路(40)を有し、多相交流モータ(19)を駆動源として備えたところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
本発明のモータ駆動回路では、ブリッジ回路における複数のスイッチ直列回路のスイッチ素子をオンオフすることで、ブリッジ回路における複数の分岐回路及び多相交流モータの相巻線に多相交流電流が流れる。その多相交流電流に含まれる各相電流は、複数の分岐回路に備えた複数の相電流検出素子によって検出されて、フィードバック制御される。また、本発明では、複数の相電流検出素子に対し、それら相電流検出素子より正確に電流を検出可能な1つの補正用電流検出素子がブリッジ回路における複数のスイッチ直列回路の共通接続部分と直流電源との間に設けられている。ここで、モータに対する1の分岐回路とそれ以外の他の分岐回路の電流の向きとが互いに逆向きになる特定位相では、その1の分岐回路に流れる電流とスイッチ直列回路の共通接続部分に流れる電流とが一致する。これにより、同じ電流を、1の分岐回路に備えた相電流検出素子と、補正用電流検出素子とによってそれぞれ検出し、そのズレを補正するための補正係数を生成することができる。そして、複数の分岐回路の間で特定位相になる分岐回路は切り替わるので、1つの補正用電流検出素子で複数の相電流検出素子にそれぞれ固有の補正係数を生成することができる。そして、その補正係数を利用して、特定位相以外の位相における各相電流検出素子の電流検出結果を補正するので、各相電流の検出精度が高くなり、安定したフィードバック制御を行うことができる。
このように、本発明のモータ駆動制御回路では、直流電源とブリッジ回路との間に、相電流検出素子より正確に電流を検出可能な補正用電流検出素子を設けておき、複数の相電流検出素子による電流検出結果を、その1つの補正用電流検出素子の電流検出結果に基づいて補正するように構成したので、補正用電流検出素子の電流検出精度が高精度であれば、複数の分岐回路に設けられた複数の相電流検出素子は、精度の低い廉価なものにすることができる。つまり、従来はブリッジ回路の相に応じた数だけ必要であった高精度な電流検出素子を、相の数とは関係なく1つだけにすることができるので、モータ駆動制御回路を従来よりも安価に製造することができる。
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、複数の分岐回路には、異常発生時に、ブリッジ回路から多相交流モータを切り離すための非常用スイッチ素子がそれぞれ設けられ、それら非常用スイッチ素子を相電流検出素子に兼用したので、非常用スイッチ素子とは別に相電流検出素子を各分岐回路に設けた場合に比較して、更なるコストダウンを図ることができかつ、モータ駆動制御回路を小型化することができる。
[請求項3の発明]
請求項3の電動パワーステアリング装置によれば、請求項1又は2に記載のモータ駆動制御回路を有したので、電動パワーステアリング装置を安価に製造することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1に示された車両10は、電動パワーステアリング装置11を備え、運転者によるステアリング操作を操舵アシストモータとしての三相交流モータ19(以下、単に「モータ19」という)で補助して転舵輪12,12を転舵することができる。具体的には、1対の転舵輪12,12の間には、転舵輪間シャフト13が差し渡され、その転舵輪間シャフト13は、筒形ハウジング15の内部に挿通されている。転舵輪間シャフト13の両端は、タイロッド14,14を介して各転舵輪12,12に連結され、筒形ハウジング15は、車両10の本体10Hに固定されている。また、筒形ハウジング15の軸方向の中間部分には大径部が備えられ、その大径部にモータ19が内蔵されている。モータ19は、筒形ハウジング15の内面に嵌合固定されたステータ20と、ステータ20の内側に遊嵌された筒状のロータ21とを備えてなる。そして、転舵輪間シャフト13がロータ21の内側を貫通している。また、筒形ハウジング15のうち大径部の一端には、ロータ21の回転位置θ1を検出するための回転位置センサ25(例えば、レゾルバ)が設けられている。
ロータ21の内面には、ボールネジナット22が組み付けられている。また、転舵輪間シャフト13の軸方向の中間部分にはボールネジ部23が形成されている。これらボールネジナット22とボールネジ部23とからボールネジ機構が構成され、ロータ21と共にボールネジナット22が回転すると、筒形ハウジング15に対してボールネジ部23が直動し、これにより転舵輪12,12が転舵する。
転舵輪間シャフト13の一端部側には、ラック24が形成され、ステアリングシャフト16の下端部に備えたピニオン18がこのラック24に噛合している。ステアリングシャフト16の上端部には、ステアリング17が取り付けられている。
ステアリングシャフト16には、舵角センサ34とトルクセンサ35とが取り付けられ、ステアリング17の操舵角θ2を検出すると共に、ステアリングシャフト16にかかる操舵トルクTfを検出している。また、転舵輪12の近傍には、転舵輪12の回転に基づいて車速Vを検出するための車速センサ36が設けられている。
上記モータ19を駆動制御するために、本発明に係るモータ駆動制御回路40が車両10に搭載されている。図2に示すように、モータ駆動制御回路40は、イグニッションスイッチ94のオンにより、バッテリ92に導通接続されて起動する。モータ駆動制御回路40は、モータ駆動回路43(本発明の「ブリッジ回路」に相当する)とモータ制御回路44(本発明の「制御回路」に相当する)とを有している。また、モータ制御回路44は、指令値決定部41とインバータ制御部42とからなる。
直流電源91は、バッテリ92に昇圧回路93を接続してなり、バッテリ92の出力電圧を昇圧回路93で昇圧してモータ駆動回路43に付与している。また、バッテリ92は、エンジンに連動するオルタネータ(図示せず)から受電している。
モータ駆動回路43は、バッテリ92に接続された昇圧回路93の正極と負極(GND)との間に、U、V、W相の各スイッチ直列回路43U,43V,43Wが並列接続された三相ブリッジ回路になっている。U相のスイッチ直列回路43Uには、上段側のスイッチ素子UH、下段側のスイッチ素子ULとが直列接続して備えられ、それら両スイッチ素子UH,ULの中間から分岐した給電ライン42Uにモータ19のU相巻線19Uが接続されている。これと同様に、V相のスイッチ直列回路43Vには、上段側のスイッチ素子VH及び下段側のスイッチ素子VLが備えられ、それらの中間から分岐した給電ライン42Vにモータ19のV相巻線19Vが接続されており、W相のスイッチ直列回路43Wには、上段側のスイッチ素子WH及び下段側のスイッチ素子WLが備えられ、それらの中間から分岐した給電ライン42Wにモータ19のW相巻線19Wが接続されている。また、スイッチ素子群UH,UL,VH,・・・は、例えば、Nチャンネル型のMOSFETで構成され、それらMOSFETのゲートがモータ制御回路44(インバータ制御部42)に接続されている。なお、給電ライン42U,42V,42Wは、それぞれ本発明の「分岐回路」に相当する。
モータ制御回路44のうち、指令値決定部41は、トルクセンサ35、舵角センサ34及び車速センサ36から各検出結果(操舵トルクTf、ステアリング17の操舵角θ2、車速V)を取得し、モータ19に対するモータ駆動電流の指令値Iq1*を決定する。
インバータ制御部42は、指令値決定部41からモータ駆動電流の指令値Iq1*を取得して、モータ駆動回路43のスイッチ素子UH,UL,VH,・・・をオンオフ駆動する。そのためにインバータ制御部42では、図4(A)に示した三角波Kを生成すると共に、指令値Iq1*に基づいて指令値Vu1*,Vv1*,Vw1*を生成する。なお、モータ駆動電流の指令値Iq1*から指令値Vu1*,Vv1*,Vw1*を生成する方法については公知であるので(例えば、特開2006−340551号公報を参照)、詳細な説明は省略する。
モータ制御回路44は、指令値Vu1*,Vv1*,Vw1*と三角波Kとに基づいて、所謂、「三角波比較方式」のPWM制御を行う。これにより、図4(B)に示すように、例えば、互いに120度ずつ位相がずれた正弦波形で示される三相交流電流Iu,Iv,Iwが各給電ライン42U,42V,42Wを介してモータ駆動回路43からモータ19の各相巻線19U,19V,19Wへと出力される。なお、本実施形態のモータ19は、図2に示すようにY結線(スター結線)になっている。
各種センサ25,34〜36やスイッチ素子UH,UL,VH,・・・等の異常により、モータ19に給電不可能な場合には、ハンドル17の操舵によりモータ19が連れ回りして発電機として機能し、直流電源91がモータ19に接続された状態のままであると、直流電源91を充電するために、ハンドル17の操舵抵抗が増すことになる。これに対し、本実施形態のモータ駆動回路43では、3相の給電ライン42U,42V,42Wの全てに1つずつ非常用スイッチ素子59が設けられ、非常時に、モータ19から直流電源91を切り離す構成になっている。具体的には、非常用スイッチ素子59は、Nチャンネル型のMOSFETであり、全ての非常用スイッチ素子59の寄生ダイオード59Dが、モータ19に対して同じ向きに配置されている。即ち、図2に示すように、非常用スイッチ素子59としてのMOSFETのドレインがモータ19の相巻線19U,19V,19Wにそれぞれ接続され、寄生ダイオード59Dには、モータ19へと流れ込む電流のみが通電可能な配置になっている。
各非常用スイッチ素子59は、イグニッションスイッチ94のオンと共にモータ制御回路44からゲート電圧を受けてオン状態に保持される。これにより、3相の給電ライン42U,42V,42Wに電流を通電することが可能になる。また、イグニッションスイッチ94がターンオフされると非常用スイッチ素子59もターンオフされる。さらに、各種センサ25,34〜36やスイッチ素子UH,UL,VH,・・・等の異常時には、イグニッションスイッチ94がオン状態であっても、所定のタイミングで全ての非常用スイッチ素子59にモータ制御回路44からゲート電圧が付与されなくなり、全ての非常用スイッチ素子59がターンオフされる。
以下、非常用スイッチ素子59を区別する場合には、U相の給電ライン42Uに設けられたものを「非常用スイッチ素子59U」といい、V相の給電ライン42Vに設けられたものを「非常用スイッチ素子59V」といい、W相の給電ライン42Wに設けられたものを「非常用スイッチ素子59W」という。
モータ制御回路44は、全ての非常用スイッチ素子59をオンした後、図示しないメモリに記憶された操舵制御プログラム(図示せず)を繰り返して実行し、車速センサ36、舵角センサ34、回転位置センサ25及びトルクセンサ35の各検出結果(V,θ2,θ1,Tf)に基づいて、モータ駆動電流の指令値(q軸電流指令値)Iq1*を決定する。そして、指令値Iq1*に応じた三相交流電流Iu,Iv,Iwを、回転位置センサ25の検出結果に基づいて決定し、その三相交流電流Iu,Iv,Iwがモータ駆動回路43の給電ライン42U,42V,42Wに通電されるように、モータ駆動回路43のスイッチ素子群UH,UL,VH,・・・をオンオフ制御する。
ここで、モータ駆動回路43とモータ19との間で流れる電流の通電パターンには、以下の2つのパターンがある。即ち、U,V,Wの3相のうち何れか1相から他の2相へと電流が流れる第1の通電パターン(本実施形態ではロータ21の電気角θ1が、60<θ1<120[deg]、180<θ1<240[deg]、300<θ1<360[deg]のとき)と、3相のうちの何れか2相から他の1相へと電流が流れる第2の通電パターン(本実施形態では電気角θ1が、0<θ1<60[deg]、120<θ1<180[deg]、240<θ1<300[deg]のとき)である。
図3は第1の通電パターンの一例であり、同図における破線矢印は、ロータ21の電気角θ1が、300<θ1<360[deg]の場合の三相交流電流Iu,Iv,Iwの流れを示している。この場合、U相のスイッチ直列回路43Uから給電ライン42Uを通ってモータ19のU相巻線19Uに電流Iuが流れ込み、その電流Iuが、U相電流になる。また、U相巻線19Uを流れる電流Iuがモータ19のV,Wの相巻線19V,19Wに分かれてそれぞれV相電流IvとW相電流Iwになる。相巻線19V,19Wを流れる電流Iv,Iwは、給電ライン42V,42Wを通ってV,W相のスイッチ直列回路43V,43Wへと流れ込み、途中で合流して直流電源91の負極(GND)へと流れる。
以下、モータ駆動回路43から給電ライン42U,42V,42Wを通ってモータ19へと向かう電流を「正の電流」といい、モータ19から給電ライン42U,42V,42Wを通ってモータ駆動回路43へと向かう電流を「負の電流」という。
ところで、モータ駆動制御回路40は、モータ19に出力する三相交流電流Iu,Iv,Iwをフィードバック制御する。そのために、本実施形態では、図2に示すように、各給電ライン42U,42V,42Wに接続された非常用スイッチ素子59U,59V,59Wの両端における電位差Vu,Vv,Vwが、モータ駆動回路43に備えた増幅回路44P,44P,44Pを通してモータ制御回路44に入力されている。モータ制御回路44は、これら電位差Vu,Vv,Vwと非常用スイッチ素子59U,59V,59Wのオン抵抗値Ronとから、各給電ライン42U,42V,42Wに実際に流れたU,V,Wの各相の電流Iu,Iv,Iwを演算する。
ここで、MOSFETである非常用スイッチ素子59U,59V,59Wのオン抵抗値Ronは、温度による変動が比較的大きく、同じ製品間でもオン抵抗値Ronのばらつきがあるため、非常用スイッチ素子59U,59V,59Wによる電流Iu,Iv,Iwの検出結果には誤差が生じ易い。
そこで本実施形態では、非常用スイッチ素子59U,59V,59Wによる電流Iu,Iv,Iwの検出結果を補正するために、モータ駆動回路43と直流電源91の負極(GND)との間に、電流検出精度の高いシャント抵抗45(本発明の「補正用電流検出素子」に相当する)が1つ設けられ、そのシャント抵抗45の両端における電位差Vsがモータ駆動回路43に備えた増幅回路45Pを通してモータ制御回路44に入力されている(図2参照)。このシャント抵抗45は、各非常用スイッチ素子59よりも抵抗の温度係数が小さくなっており、正確に電流を検出することが可能である。
本実施形態の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態のモータ駆動制御回路40では、通常、車両10の走行中は、モータ駆動回路43で生成したU,V,W相の電流Iu,Iv,Iwからなる三相交流電流をフィードバック制御しながら各給電ライン42U,42V,42Wを通してモータ19に通電することでモータ19を駆動し、操舵を補助する。
具体的には、モータ制御回路44は、図示しないCPU,ROM,RAMを備え、そのROMに記憶された電流検出プログラムPG1(図5参照)をCPUが所定周期で実行する。電流検出プログラムPG1が実行されると、まず、モータ19に備えた回転位置センサ25からロータ21の電気角θ1を取得する(S100)。
次いで、電気角θ1が0<θ1<60[deg]であるか否かを判別する(S110)。即ち、2相の給電ライン42U,42Vに前記「正の電流」が流れかつ、給電ライン42Wに他の2相とは逆向きの「負の電流」が流れる「W相にとっての特定位相」であるか否かを判別する。
電気角θ1が0<θ1<60[deg]ではない場合(S110:NO)には、ステップS120に移行する。一方、電気角θ1が0<θ1<60[deg]である場合(S110:YES)には、W相の給電ライン42Wに設けられた非常用スイッチ素子59Wの電位差Vwを取得し、その電位差Vwと、所定の基準条件における非常用スイッチ素子59Wのオン抵抗値Ronとから給電ライン42W(W相巻線19W)に流れる電流Iw1を演算する(S111)。
次いで、シャント抵抗45の電位差Vsを取得し、その電位差Vsとシャント抵抗45の抵抗値Rsとから、「W相にとっての特定位相」でシャント抵抗45に流れる電流Isを演算する(S112)。シャント抵抗45による電流Isの検出結果は、非常用スイッチ素子59Wの電位差Vwとオン抵抗値Ronとから演算された電流Iw1の検出結果よりも正確である。また、「W相にとっての特定位相」では、W相の給電ライン42W(非常用スイッチ素子59W)に流れる電流とシャント抵抗45に流れる電流とが一致する。つまり、上記ステップS111,S112では、同じ電流を非常用スイッチ素子59Wとシャント抵抗45とによってそれぞれ検出する。
そして、それら電流Iw1,Isの検出結果から、非常用スイッチ素子59Wによる電流Iw1の検出結果を補正するための補正係数を生成する(S113)。具体的には、シャント抵抗45による電流検出結果を非常用スイッチ素子59Wの電流検出結果で除した比を演算し、その演算結果を給電ライン42Wに「負の電流」が流れている場合の非常用スイッチ素子59W用の補正係数Kw1(以下「負電流補正係数Kw1」という)とする。
ステップS110でNOの場合には、電気角θ1が60<θ1<120[deg]であるか否かを判別する(S120)。即ち、2相の給電ライン42U,42Wに負の電流が流れかつ、給電ライン42Vに他の2相とは逆向きの正の電流が流れる「V相にとっての特定位相」であるか否かを判別する。
電気角θ1が、60<θ1<120[deg]ではない場合(S120:NO)には、ステップS130に移行する。一方、電気角θ1が、60<θ1<120[deg]である場合(S120:YES)には、V相の給電ライン42Vに設けられた非常用スイッチ素子59Vの電位差Vvを取得し、その電位差Vvと、所定の基準条件における非常用スイッチ素子59Vのオン抵抗値Ronとから給電ライン42V(V相巻線19V)に流れる電流Iv2を演算する(S121)。
次いで、シャント抵抗45の電位差Vsを取得し、その電位差Vsとシャント抵抗45の抵抗値Rsとから、「V相にとっての特定位相」でシャント抵抗45に流れる電流Isを演算する(S122)。シャント抵抗45による電流Isの検出結果は、非常用スイッチ素子59Vの電位差Vvとオン抵抗値Ronとから演算された電流Iv2の検出結果よりも正確である。また、「V相にとっての特定位相」では、V相の給電ライン42V(非常用スイッチ素子59V)に流れる電流とシャント抵抗45に流れる電流とが一致する。つまり、上記ステップS121,S122では、同じ電流を非常用スイッチ素子59Vとシャント抵抗45とによってそれぞれ検出する。
そして、シャント抵抗45による電流検出結果を非常用スイッチ素子59Vの電流検出結果で除した比を演算し、その演算結果を給電ライン42Vに「正の電流」が流れている場合の非常用スイッチ素子59V用の補正係数Kv2(以下、「正電流補正係数Kv2」という)とする(S123)。
ステップS120でNOの場合には、電気角θ1が120<θ1<180[deg]であるか否かを判別する(S130)。即ち、2相の給電ライン42V,42Wに正の電流が流れかつ、給電ライン42Uに他の2相とは逆向きの負の電流が流れる「U相にとっての特定位相」であるか否かを判別する。
電気角θ1が、120<θ1<180[deg]ではない場合(S130:NO)には、ステップS140に移行する。一方、電気角θ1が、120<θ1<180[deg]である場合(S130:YES)には、U相の給電ライン42Uに設けられた非常用スイッチ素子59Uの電位差Vuを取得し、その電位差Vuと、所定の基準条件における非常用スイッチ素子59Uのオン抵抗値Ronとから給電ライン42U(U相巻線19U)に流れる電流Iu1を演算する(S131)。
次いで、シャント抵抗45の電位差Vsを取得し、その電位差Vsとシャント抵抗45の抵抗値Rsとから、「U相にとっての特定位相」でシャント抵抗45に流れる電流Isを演算する(S132)。シャント抵抗45による電流Isの検出結果は、非常用スイッチ素子59Uの電位差Vuとオン抵抗値Ronとから演算された電流Iu1の検出結果よりも正確である。また、「U相にとっての特定位相」では、U相の給電ライン42U(非常用スイッチ素子59U)に流れる電流とシャント抵抗45に流れる電流とが一致する。つまり、上記ステップS131,S132では、同じ電流を非常用スイッチ素子59Uとシャント抵抗45とによってそれぞれ検出する。
そして、シャント抵抗45による電流検出結果を非常用スイッチ素子59Uの電流検出結果で除した比を演算し、その演算結果を給電ライン42Uに「負の電流」が流れている場合の非常用スイッチ素子59U用の補正係数Ku1(以下、「負電流補正係数Ku1」という)とする(S133)。
ステップS130でNOの場合には、電気角θ1が180<θ1<240[deg]であるか否かを判別する(S140)。即ち、2相の給電ライン42U,42Vに負の電流が流れかつ、給電ライン42Wに他の2相とは逆向きの正の電流が流れる「W相にとっての特定位相」か否かを判別する。
電気角θ1が180<θ1<240[deg]ではない場合(S140:NO)には、ステップS150に移行する。一方、電気角θ1が180<θ1<240[deg]である場合(S140:YES)には、W相の給電ライン42Wに設けられた非常用スイッチ素子59Wの電位差Vwを取得し、その電位差Vwと、所定の基準条件における非常用スイッチ素子59Wのオン抵抗値Ronとから給電ライン42W(W相巻線19W)に流れる電流Iw2を演算する(S141)。
次いで、シャント抵抗45の電位差Vsを取得し、その電位差Vsとシャント抵抗45の抵抗値Rsとから、「W相にとっての特定位相」でシャント抵抗45に流れる電流Isを演算する(S142)。つまり、上記ステップS141,S142では、同じ電流を非常用スイッチ素子59Wとシャント抵抗45とによってそれぞれ検出する。
そして、シャント抵抗45による電流検出結果を非常用スイッチ素子59Wの電流検出結果で除した比を演算し、その演算結果を給電ライン42Wに「正の電流」が流れている場合の非常用スイッチ素子59W用の補正係数Kw2(以下、「正電流補正係数Kw2」という)とする(S143)。
ステップS140でNOの場合には、電気角θ1が240<θ1<300[deg]であるか否かを判別する(S150)。即ち、2相の給電ライン42U,42Wに正の電流が流れかつ、給電ライン42Vに他の2相とは逆向きの負の電流が流れる「V相にとっての特定位相」か否かを判別する。
電気角θ1が、240<θ1<300[deg]ではない場合(S150:NO)には、ステップS160に移行する。一方、電気角θ1が、240<θ1<300[deg]である場合(S150:YES)には、V相の給電ライン42Vに設けられた非常用スイッチ素子59Vの電位差Vvを取得し、その電位差Vvと、所定の基準条件における非常用スイッチ素子59Vのオン抵抗値Ronとから給電ライン42V(V相巻線19V)に流れる電流Iv1を演算する(S151)。
次いで、シャント抵抗45の電位差Vsを取得し、その電位差Vsとシャント抵抗45の抵抗値Rsとから、「V相にとっての特定位相」でシャント抵抗45に流れる電流Isを演算する(S152)。つまり、上記ステップS151,S152では、同じ電流を非常用スイッチ素子59Vとシャント抵抗45とによってそれぞれ検出する。
そして、シャント抵抗45による電流検出結果を非常用スイッチ素子59Vの電流検出結果で除した比を演算し、その演算結果を給電ライン42Vに「負の電流」が流れている場合の非常用スイッチ素子59V用の補正係数Kv1(以下、「負電流補正係数Kv1」という)とする(S153)。
ステップS150でNOの場合には、電気角θ1が300<θ1<360[deg]であるか否かを判別する(S160)。即ち、2相の給電ライン42V,42Wに負の電流が流れかつ、給電ライン42Uに他の2相とは逆向きの正の電流が流れる「U相にとっての特定位相」か否かを判別する。
電気角θ1が、300<θ1<360[deg]ではない場合(S160:NO)には、ステップS170に移行する。一方、電気角θ1が、300<θ1<360[deg]である場合(S160:YES)には、U相の給電ライン42Uに設けられた非常用スイッチ素子59Uの電位差Vuを取得し、その電位差Vuと、所定の基準条件における非常用スイッチ素子59Uのオン抵抗値Ronとから給電ライン42U(U相巻線19U)に流れる電流Iu2を演算する(S161)。
次いで、シャント抵抗45の電位差Vsを取得し、その電位差Vsとシャント抵抗45の抵抗値Rsとから、「U相にとっての特定位相」でシャント抵抗45に流れる電流Isを演算する(S162)。つまり、上記ステップS161,S162では、同じ電流を非常用スイッチ素子59Uとシャント抵抗45とによってそれぞれ検出する。
そして、シャント抵抗45による電流検出結果を非常用スイッチ素子59Uの電流検出結果で除した比を演算し、その演算結果を給電ライン42Uに「正の電流」が流れている場合の非常用スイッチ素子59U用の補正係数Ku2(以下、「正電流補正係数Ku2」という)とする(S163)。ここで、上記したステップS113,S123,S133,S143,S153,S163の処理は、本発明の「補正係数生成手段」に相当する。
続くステップS170では、W相の給電ライン42Wに接続された非常用スイッチ素子59Wの電位差Vwを取得し、その電位差Vwと非常用スイッチ素子59Wのオン抵抗値Ronとから給電ライン42Wに流れる電流Iwを演算する。次いで、検出された電流Iwが「正の電流」か否かを判定し(S171)、正の電流である場合(S171:YES)には、検出された電流Iwに正電流補正係数Kw2を乗じて、非常用スイッチ素子59Wによる電流Iwの検出結果を補正する(S173)。一方、正の電流ではない場合(S171:NO)には、検出された電流Iwに負電流補正係数Kw1を乗じて、非常用スイッチ素子59Wによる電流Iwの検出結果を補正する(S172)。
次いで、V相の給電ライン42Vに接続された非常用スイッチ素子59Vの電位差Vvを取得し、その電位差Vvと非常用スイッチ素子59Vのオン抵抗値Ronとから給電ライン42Vに流れる電流Ivを演算する(S180)。検出された電流Ivが「正の電流」か否かを判定し(S181)、正の電流である場合(S181:YES)には、検出された電流Ivに正電流補正係数Kv2を乗じて、非常用スイッチ素子59Vによる電流Ivの検出結果を補正する(S183)。一方、正の電流ではない場合(S181:NO)には、検出された電流Ivに負電流補正係数Kv1を乗じて、非常用スイッチ素子59Vによる電流Ivの検出結果を補正する(S182)。
次いで、U相の給電ライン42Uに接続された非常用スイッチ素子59Uの電位差Vuを取得し、その電位差Vuと非常用スイッチ素子59Uのオン抵抗値Ronとから給電ライン42Uに流れる電流Iuを演算する(S190)。検出された電流Iuが「正の電流」か否かを判定し(S191)、正の電流である場合(S191:YES)には、検出された電流Iuに正電流補正係数Ku2を乗じて、非常用スイッチ素子59Uによる電流Iuの検出結果を補正する(S193)。一方、正の電流ではない場合(S191:NO)には、検出された電流Iuに負電流補正係数Ku1を乗じて、非常用スイッチ素子59Uによる電流Iuの検出結果を補正する(S192)。
以上が電流検出プログラムPG1の説明であり、モータ制御回路44は、非常用スイッチ素子59により実際に検出されかつ、電流検出プログラムPG1により補正されたU,V,W相の電流Iu,Iv,Iwの検出結果に基づいて、3相の各給電ライン42U,42V,42W、即ち、モータ19の相巻線19U,19V,19Wに流す電流Iu,Iv,Iwをフィードバック制御する。
このように、本実施形態のモータ駆動制御回路40では、3相の給電ライン42U,42V,42Wにそれぞれ設けられた非常用スイッチ素子59の両端の電位差からU,V,Wの各相の電流Iu,Iv,Iwを検出すると共に、モータ駆動回路43と直流電源91の負極との間に非常用スイッチ素子59より正確に電流を検出可能なシャント抵抗45を1つ設けておき、各非常用スイッチ素子59による電流Iu,Iv,Iwの検出結果とシャント抵抗45による電流Isの検出結果とから生成した補正係数Ku1,Ku2,Kv1,Kv2,Kw1,Kw2によって、各非常用スイッチ素子59による電流Iu,Iv,Iwの検出結果を補正するので、シャント抵抗45の電流検出精度が高精度であれば、3相の給電ライン42U,42V,42Wにそれぞれ接続された相電流検出素子としての非常用スイッチ素子59は、電流検出精度の低い廉価なものにすることができる。つまり、従来はモータ駆動回路43の相に応じた数だけ必要であった高精度な相電流検出素子を、相の数とは関係なく1つだけにすることができるので、モータ駆動制御回路40及び電動パワーステアリング装置11を安価に製造することができる。
また、異常発生時に、モータ駆動回路43からモータ19を切り離すための非常用スイッチ素子59が、電流Iu,Iv,Iwを検出するための相電流検出素子を兼ねているので、非常用スイッチ素子59とは別に相電流検出素子を設けた場合に比較して、更なるコストダウンを図ることができかつ、モータ駆動制御回路40を小型化することができる。
つまり、本実施形態によれば、モータ19に実際に流れる三相交流電流Iu,Iv,Iwを正確に検出することができかつ、異常時にモータ駆動回路43とモータ19との間を切り離すことが可能なモータ駆動制御回路40及び電動パワーステアリング装置11を低コストで提供することができる。
[第2実施形態]
本実施形態は、図6〜図7に示されており、モータ駆動回路43のうちV相とW相の各給電ライン42V,42Wの途中には、それぞれ非常スイッチ直列回路53が設けられている。各非常スイッチ直列回路53は、1対の非常用スイッチ素子51,52を直列接続してなる。非常用スイッチ素子51,52としては、Nチャンネル型のMOSFETが用いられており、例えば、両非常用スイッチ素子51,52のソース同士が接続されて、寄生ダイオード51D,52Dが互いに逆向きになっている。
非常用スイッチ素子51,52は、イグニッションスイッチ94のオンと共にモータ制御回路44からゲート電圧を受けてオン状態に保持される。これにより、各給電ライン42U,42V,42Wに電流を通電することが可能になる。また、イグニッションスイッチ94がターンオフされると非常用スイッチ素子51,52もターンオフされる。これに対し、異常発生時には、イグニッションスイッチ94がオン状態であっても、所定のタイミングで非常用スイッチ素子51,52にモータ制御回路44からゲート電圧が付与されなくなり、両非常用スイッチ素子51,52がターンオフされる。
ここで、非常スイッチ直列回路53が仮に1つの非常用スイッチ素子しか備えていないとすると、その非常用スイッチ素子をオフしていてもその寄生ダイオードを介して給電ライン42V(42W)の一方向に電流が流れ得る。これに対し、本実施形態では、各給電ライン42V,42W毎に1対の非常用スイッチ素子51,52を備え、それらの寄生ダイオード51D,52Dを互いに逆向きにしたので、両非常用スイッチ素子51,52が共にオフになると、給電ライン42V,42Wが完全に非導通状態になる。これにより、モータ19におけるU,V,Wの相巻線19U,19V,19Wのうち2相の相巻線19V,19Wが通電不能に遮断され、モータ19とモータ駆動回路43とが電気的に切り離される。
ところで、本実施形態では、各給電ライン42V,42Wに接続された非常スイッチ直列回路53,53の両端における電位差Vv,Vwが、モータ駆動回路43に備えた増幅回路44P,44Pを通してモータ制御回路44に入力されている。モータ制御回路44は、電位差Vv,Vwから2相の給電ライン42V,42Wに実際に流れたV,W相の電流Iv,Iwを演算し、さらにその演算結果に基づいて、残りの1相の給電ライン42Uに流れたU相の電流Iuを演算して、三相交流電流Iu,Iv,Iwをフィードバック制御する。
本実施形態の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態のモータ制御回路44が実行する電流検出プログラムPG2は、図7に示されている。この電流検出プログラムPG2は、前記第1実施形態で説明した電流検出プログラムPG1におけるステップS130〜S133、ステップS160〜S163、ステップ190〜S193の処理を無くした上で、ステップS182,S183に続くステップS200を追加したものである。
このステップS200では、三相交流電流Iu,Iv,Iwの総和は「0」(Iu+Iv+Iw=0)になるという関係を利用して、W相の電流Iwの検出結果とV相の電流Ivの検出結果とから、U相の電流Iuを演算により求める。
その他の構成に関しては、第1実施形態と同様であるので、重複部分に関しては第1実施形態と同一符号を付して重複した説明は省略する。本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1及び第2実施形態では、ボールネジ機構で筒型のモータ19と転舵輪間シャフト13とを連結した所謂ラック電動パワーステアリング装置用のモータ駆動制御回路40に本発明を適用した例を示したが、ラックアンドピニオン機構でモータを転舵輪間シャフトに連結したピニオン電動パワーステアリング装置用のモータ駆動制御回路に本発明を適用してもよいし、ステアリングシャフトの途中にモータをギヤ連結したコラム電動パワーステアリング装置用のモータ駆動制御回路に本発明を適用してもよい。
(2)前記第1及び第2実施形態において、モータ駆動回路43のスイッチ素子群UH,UL,VH,・・・及び非常用スイッチ素子51,52,59は、Nチャンネル型のMOSFETであったが、Pチャンネル型のMOSFETであってもよい。
(3)前記第1及び第2実施形態では、補正用電流検出素子としてシャント抵抗45を用いていたが、MOSFETである非常用スイッチ素子51,52,59より正確に電流を検出可能であればシャント抵抗に限定するものではなく、その他の電流検出素子(例えば、ホール素子やカレント・トランス)でもよい。
(4)前記第2実施形態では、U,V,W相の給電ライン42U,42V,42Wのうち、V相とW相の給電ライン42V,42Wに非常スイッチ直列回路53を設けていたが、他の2相(U相とV相又は、U相とW相)の給電ラインに非常スイッチ直列回路53を設けてもよいし、全部の給電ライン42U,42V,42Wに非常スイッチ直列回路53を設けてもよい。
(5)前記第2実施形態では、1対の非常用スイッチ素子51,52を直列接続した非常スイッチ直列回路53の両端における電位差を取得していたが、1対の非常用スイッチ素子51,52の何れか一方における電位差を取得するようにしてもよい。
(6)前記第1及び第2実施形態では、異常時に、モータ駆動回路43とモータ19との間を断絶するための非常用スイッチ素子50及び非常スイッチ直列回路53(非常用スイッチ素子51,52)が、給電ライン42U,42V,42Wを流れる電流を検出するための相電流検出素子に兼用されていたが、非常用スイッチ素子50及び非常スイッチ直列回路53とは別に、相電流検出素子を各給電ライン(詳細には、3つの給電ライン42U,42V,42Wのうちの少なくとも2つ)に設けてもよい。また、非常用スイッチ素子50及び非常スイッチ直列回路53を設けずに、シャント抵抗45より電流検出精度の低い廉価な相電流検出素子だけを各給電ラインに設けてもよい。
(7)前記第1実施形態では、非常用スイッチ素子59をMOSFETとしていたが、メカニカルスイッチでもよい。この場合、3相の給電ライン42U,42V,42Wのうち、何れか2相にメカニカルスイッチを設ければ、異常発生時に、モータ19とモータ駆動回路43とを電気的に切り離すことができかつ、3相の給電ライン42U,42V,42Wに流れる電流を直接及び演算により検出することができる。
(8)前記第1及び第2実施形態において、U,V,Wの各相にとっての特定位相のときは、補正係数により補正された電流Iu,Iv,Iwの検出結果が、シャント抵抗45による電流Isの検出結果と一致するので、シャント抵抗45による検出結果を、そのまま特定位相である相に流れる電流の検出結果としてもよい。即ち、相電流検出素子(非常用検出素子59、非常スイッチ直列回路53)による電流検出結果に補正係数を乗じて電流検出結果を補正するという処理(図5及び図7におけるステップS172,S173,S182,S183,S192,S193)を省いてもよい。
(9)前記第1及び第2実施形態では、モータ19の結線がスター結線であったが、デルタ結線でもよい。
(10)前記第1及び第2実施形態では、三相交流モータ19のモータ駆動制御回路40に本発明を適用していたが、三相以外の多相交流モータのモータ駆動制御回路に本発明を適用してもよい。
本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置を搭載した車両の概念図 電動パワーステアリング装置の回路図 モータ駆動回路とモータとの結線を示した回路図 (A)正弦波状の指令値と三角波とを示したグラフ、(B)PWM制御によって生成される電流の波形を示したグラフ 電流検出プログラムのフローチャート 第2実施形態の電動パワーステアリング装置の回路図 電流検出プログラムのフローチャート
符号の説明
11 電動パワーステアリング装置
19 三相交流モータ(多相交流モータ)
19U,19V,19W 相巻線
40 モータ駆動制御回路
42U,42V,42W 給電ライン(分岐回路)
43 モータ駆動回路(ブリッジ回路)
43U,43V,43W スイッチ直列回路
44 モータ制御回路(制御回路)
45 シャント抵抗(補正用電流検出素子)
51,52,59 非常用スイッチ素子(相電流検出素子)
91 直流電源
Iu,Iv,Iw 三相交流電流
Ku1,Ku2,Kv1,Kv2,Kw1,Kw2 補正係数
UH,UL,VH,VL,WH,WL スイッチ素子

Claims (3)

  1. 直流電源の正負の電極間に並列接続される複数のスイッチ直列回路と、前記各スイッチ直列回路が有する1対のスイッチ素子の間から分岐し、多相交流モータの各相巻線に接続される複数の分岐回路とからなるブリッジ回路と、
    前記複数の分岐回路に設けられ、前記各分岐回路に流れる電流を検出可能な複数の相電流検出素子と、
    前記直流電源の直流出力から多相交流電流を生成して前記多相交流モータに付与するために、前記各スイッチ素子をオンオフすると共に、前記相電流検出素子にて検出した電流検出結果を取得して前記多相交流電流をフィードバック制御する制御回路とを備えたモータ駆動制御回路において、
    一端に前記直流電源の正負の一方の電極が接続される一方、他端に前記複数のスイッチ直列回路が共通接続され、前記相電流検出素子より正確に電流を検出可能な補正用電流検出素子と、
    前記多相交流モータに対する1の前記分岐回路の電流の向きと、それ以外の他の前記分岐回路の電流の向きとが逆になる特定位相での前記補正用電流検出素子による電流検出結果から、前記1の分岐回路に備えた前記相電流検出素子の電流検出結果を補正するための補正係数を生成する補正係数生成手段とを備え、
    前記補正係数生成手段により前記各相電流検出素子用の前記補正係数を生成し、それら補正係数を用いて前記特定位相以外の位相における前記各相電流検出素子による電流検出結果を補正することを特徴とするモータ駆動制御回路。
  2. 前記複数の分岐回路には、異常発生時に、前記ブリッジ回路から前記多相交流モータを切り離すための非常用スイッチ素子がそれぞれ設けられ、
    前記非常用スイッチ素子を前記相電流検出素子に兼用したことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御回路。
  3. 請求項1又は2に記載の前記モータ駆動制御回路を有し、前記多相交流モータを駆動源として備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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