JP2010063969A - 排ガス浄化触媒及びエンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のセル孔が形成された担体11と、このセル孔に担持された複数の触媒層と、をそなえ、複数の触媒層は、主触媒が活性温度に達する前の低温時に該排ガス中のNOxを吸蔵する遷移金属元素を含んだゼオライトを主成分とする補助触媒からなる内層12と、この内層の表面側に隣接して配置され、ロジウムを含む主触媒からなる外層13と、を有するように構成する。
【選択図】 図1
Description
このようなコールドフェイズにおけるHC(炭化水素)の浄化に関しては、例えば特許文献1に開示されているように、エンジン始動直後のようなエンジン及び触媒が共に低温状態のときに排出されるHCを一旦トラップ(吸着)して、その後、エンジン及び触媒が温まってくると離脱浄化するHCトラップ触媒が知られている。
さらに、コールドフェイズにおけるNOx(窒素酸化物)の浄化に関して、例えば特許文献3には、ゼオライトとゼオライト中のアルミニウム元素に対してモル比で0.05〜0.3の量でイオン交換担持された鉄元素とからなる鉄ゼオライト触媒に、酸素過剰状態の排気ガスを接触させて排気ガス中の窒素酸化物を浄化する技術が開示されている。
この点、特許文献2,3の遷移金属を含有したゼオライト触媒を適用することにより、低温時においても、発生したNOxをトラップする技術はNOxの浄化に有効であるが、この場合、トラップしたNOxがゼオライト触媒から脱離(パージ)する際に、如何にしてこれを浄化するかが課題となる。
あるいは、該外層は、ロジウム,白金及びパラジウムを主成分とする触媒からなり、該内層に接近する側にロジウムが偏在されていることが好ましい(請求項3)。
本発明のエンジンの制御装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒を排気通路に備え、制御手段により該エンジンを制御するエンジンの制御装置であって、該制御手段による該エンジンの運転モードに、該低温時における暖機時において、空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定すると共に該主触媒を昇温させるだけの燃料量を供給する低温時運転モードを有していることを特徴としている(請求項5)。
そして、本発明のエンジンの制御装置(請求項5)のように、コールドフェイズに、触媒の暖機時のために、空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定すると共に、主触媒を昇温させるだけの燃料量を供給すると、リーン運転によってHCの発生を抑えながら主触媒を昇温させてコールドフェイズの期間を短縮させることができ、HCの排出を抑制する上で有効である反面、排ガス中のNOxの発生が大幅に増大するが、本発明の排ガス浄化触媒を適用することにより、かかるNOxの大気放出を大幅に削減することができ、HCトラップ触媒を用いなくても、コールドフェイズにおけるHC及びNOxの大気放出を大幅に削減することができる。
[第1実施形態]
図1〜図4は本発明の第1実施形態の排ガス浄化触媒を示す図であり、図1はその要部断面図、図2はその排ガス浄化触媒をそなえたエンジン及びその排気系を示す構成図、図3はその作用を説明するフローチャート、図4はその作用を説明するグラフである。
まず、本排ガス浄化触媒(排ガス浄化装置)をそなえたエンジン及びその排気系について説明すると、図2に示すように、エンジンは、自動車に搭載される車両用エンジンであって、燃焼室を有するエンジン本体1と、エンジン本体1での燃焼により発生する排ガスを排出する排ガス通路2とをそなえ、排ガス通路2に、本排ガス浄化触媒(排ガス浄化装置)10が介装されている。
排ガス浄化触媒10は、キャタリストケース内部に、例えばハニカム構造により多数のセル孔を有する担体が装備され、この担体内に、コールドフェイズ時の排ガス浄化のための補助触媒と、コールドフェイズ後の排ガス浄化のための主触媒とがそなえられている。
一般的に、ゼオライトはxM2/nO・Al2O3・ySiO2・zH2O(但しnは陽イオンの原子価、xは0.8〜1.2の範囲の数、yは2以上の数、zは0以上の数)の組成を有するが、鉄ゼオライト触媒の場合、ゼオライト中のアルミニウム元素に対して鉄元素をイオン交換担持させたものである。なお、遷移金属元素を含んだゼオライトとは、ゼオライト中のアルミニウム元素に対して遷移金属元素をイオン交換担持させたものである。
外層13は、内層12の表面に隣接して配置され、ロジウム(Rh)を含む主触媒からなっている。なお、本実施形態では、外層13は、内層12の表面側に隣接して配置されてロジウムを主成分とする触媒からなる第1外層13aと、この第1外層13aの表面側に配置されて白金(Pt)及びパラジウム(Pd)を主成分とする触媒からなる第2外層13bとから構成されている。
本発明の第1実施形態にかかる排ガス浄化触媒は上述のように構成されているので、コールドフェイズにおける排ガスの浄化は、例えば、図3に示すように行なわれる。
ここで、コールドフェイズで且つエンジンがアイドリング状態であれば、エンジン運転モードをリーン運転に設定し、且つ、主触媒を昇温させるだけの燃料量を供給して(エンジン出力の確保)エンジンの燃焼熱を増大させる(これによりエンジン回転数も増大する)(ステップS20)。また、これに加えて、点火時期をリタードさせて主触媒の暖機を促進させる。
このようなエンジン制御は、HCの排出を抑制する上で有効である反面、排ガス中のNOxの発生が大幅に増大するが、鉄ゼオライト触媒は、トラップ上限温度(通常、100℃程度)以下の低温時には(ステップS30のYESルート)、NOxをトラップする(ステップS40)ので、NOxの大気放出が抑制される。
図4は本発明にかかるエンジンを搭載した車両について、エンジンの冷態始動後、所定の運転モード(設定車速Vs)にしたがって運転して、その際に、主触媒(三元触媒)のみの場合、本発明のように主触媒(三元触媒)を含む外層13に補助触媒(鉄ゼオライト触媒)を含む内層12が付いた場合、においてそれぞれ発生するNOx量を、空燃比(A/F)と、触媒温度と共に示すグラフである。
図5は本発明の第2実施形態の排ガス浄化触媒を示す要部断面図である。
図5に示すように、本実施形態の排ガス浄化触媒(排ガス浄化装置)10´は、第1実施形態と同様に、担体11に、補助触媒としての機能を有する内層12と、主触媒としての機能を有する外層13´とが、この順で層状にそなえられている。
本発明の第2実施形態にかかる排ガス浄化触媒は上述のように構成されているので、第1実施形態とほぼ同様に、HCトラップ触媒を用いなくても、コールドフェイズにおけるHC及びNOxの大気放出を大幅に削減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更しうるものである。
また、各実施形態ではガソリンエンジンを例に説明したが本発明はディーゼルエンジンにも適用可能である。
2 排ガス通路
10,10´ 排ガス浄化触媒(排ガス浄化装置)
11 担体
12 内層
13,13´ 外層
13a 第1外層
13b 第2外層
20 制御装置(制御手段)
21 エンジン制御手段
22 運転モード設定手段
31 温度センサ
Claims (5)
- エンジンの排ガスを浄化する排ガス浄化触媒であって、
複数のセル孔が形成された担体と、
該セル孔に担持された複数の触媒層と、をそなえ、
該複数の触媒層は、主触媒が活性温度に達する前の低温時に該排ガス中のNOxを吸蔵する遷移金属元素を含んだゼオライトを主成分とする補助触媒からなる内層と、該内層の表面側に隣接して配置され、ロジウムを含む該主触媒からなる外層と、を有する
ことを特徴とする、排ガス浄化触媒。 - 該外層は、該内層の表面側に隣接して配置されてロジウムを主成分とする触媒からなる第1外層と、該第1外層の表面側に配置されて白金及びパラジウムを主成分とする触媒からなる第2外層と、から構成される
ことを特徴とする、請求項1記載の排ガス浄化触媒。 - 該外層は、ロジウム,白金及びパラジウムを主成分とする触媒からなり、該内層に接近する側にロジウムが偏在されている
ことを特徴とする、請求項1記載の排ガス浄化触媒。 - 該内層は、該遷移金属元素として鉄を含んだゼオライトを主成分とする触媒からなる
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒を排気通路に備え、制御手段により該エンジンを制御するエンジンの制御装置であって、
該制御手段による該エンジンの運転モードに、該低温時における暖機時において、空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定すると共に該主触媒を昇温させるだけの燃料量を供給する低温時運転モードを有している
ことを特徴とする、エンジンの制御装置。
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2008
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