JP2010062632A - 量子鍵配送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】光子数分岐攻撃に対して強固な量子鍵配送システムを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態によれば、送信機は、一定の時間間隔Tで発生する光パルス列の各パルスを{0,π}または{π/2,3π/2}で位相変調し、パルス当り平均1光子未満の光パルス列として送出する。受信機は、送信機からの光パルス列を受信し、各パルスを{0,π/2}で位相変調し、遅延時間Tの分岐・遅延・合波回路で合波する。合波したパルス列のパルスの位相差が0のとき、第1の検出器で、位相差がπのとき、第2の検出器で光子が検出される。受信機は、光子を検出した時刻と、光子を検出したパルスの変調位相差Δθを送信機に知らせ、送信機は、光子が検出されたパルスの変調位相差Δθが{0,π}または{π/2,3π/2}のいずれの組であったかを受信機に知らせる。これにより、送信機と受信機は、共通のビット値を生成することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、量子鍵配送システムに関する。
絶対に安全な暗号通信を実現する技術として、量子鍵配送の研究が進められている。これは、暗号通信を行なうための秘密鍵を、量子力学の原理を利用して離れた2者に安全に供給するシステムである。ここでは、通信としてはデジタル通信を前提としており、秘密鍵の実体は、ランダムな「0」「1」のビット列である。
量子鍵配送にもいくつかの方式があるが、BB84プロトコルは、量子鍵配送として最初に提案された方式であり、現在でも広く研究されている(非特許文献1)。BB84の中にも複数の方式がある。ここでは従来技術として、ファイバ伝送に適した方式である「位相エンコードBB84」について説明する。
図1は、位相エンコードBB84による量子鍵配送システム100の基本構成図である。送信機110は、単一光子光源111からの出力される単一光子をビームスプリッタBS−A1により二分岐し、一方を遅延線112に通した後、ビームスプリッタBS−A2により再び合波して、伝送路120に送り出す。遅延線112上には位相変調器113が備えられており、遅延される光に対してθ={0,π}のいずれか、または{π/2,3π/2}のいずれかの位相変調を加えるものとする。これにより、送信機110からは位相差が変調された2パルスが送出される。なお、単一光子光源111は1パルスに光子1個を発生する光源であるが、そのような光源を実装することは難しく、レーザ光を平均光子数が1光子/パルス以下まで減衰させた光で代用することが多い。
受信機130は、送信機110からの信号光を、送信機110と同じ構成の分岐・遅延・合波回路に入力する。但し、遅延線131上の位相変調器132で加える位相変調θは{0,π/2}のいずれかとする。分岐・遅延・合波回路の2つの出力ポートには、それぞれ光子検出器PD−1,PD−2が備えられており、これにより光子を検出する。
以上の構成において、受信機の光子検出器は3つの時刻で光子を検出し得る。すなわち、(1)送信機/受信機ともに短経路を通ったパルスから光子を検出する場合、(2)送信機の短経路及び受信機の長経路を通ったパルス、および、送信機の長経路及び受信機の短経路を通ったパルス、から光子を検出する場合、(3)送信機/受信機ともに長経路を通ったパルスから光子を検出する場合、の3つである。ここで、真ん中の時刻では、2つの異なる経路を経たパルスが重なり合って干渉する。干渉の結果、2つの検出器のどちらかで光子が検出される。
干渉の仕方は、2経路を経たパルスの位相差によって決まる。検出器PD−1へ到達するパルスについてみると、送信機の短経路から受信機の長経路を経るパルスの位相はπ/2+θ、送信機の長経路から受信機の短経路を経るパルスの位相はπ/2+θ+π/2+π/2=θ+3π/2となる。したがって、2パルスの位相差ΔθはΔθ=θ−θ−πとなる。なおここで、光はビームスプリッタでの反射の際にπ/2の位相シフトを受けることを考慮に入れ、また、共通的な伝搬位相は省略した。一方、検出器PD−2については、送信機の短経路から受信機の長経路を経るパルスの位相はπ/2+θ+π/2=θ+π、送信機の長経路から受信機の短経路を経るパルスの位相はπ/2+θ+π/2=θ+πとなる。したがって、2パルスの位相差ΔθはΔθ=θ−θとなる。上記考察は、ΔθとΔθはπだけ異なっていることを示している。
前述のように、θは0もしくはπ/2、またはπもしくは3π/2、θは0またはπ/2である。したがって、ΔθとΔθの値は、〈1〉{Δθ=0,Δθ=π}、〈2〉{Δθ=π/2,Δθ=3π/2}、〈3〉{Δθ=π,Δθ=0}、または〈4〉{Δθ=3π/2,Δθ=π/2}となる。〈1〉の場合は検出器PD−1が、〈3〉の場合は検出器PD−2が、それぞれ光子を検出する。〈2〉〈4〉の場合には、半分ずつの確率(50%)で検出器PD−1またはPD−2のどちらかで光子が検出される。表1は、以上の光子検出特性をまとめたものである。ここでは、検出器PD−1による光子検出を「1」、検出器PD−2による光子検出を「2」、半分ずつの確率で検出される場合を「1/2」、で表わしている。
Figure 2010062632
以上の構成及び光子検出特性を利用して、送信機と受信機は、次の手順により同じの「0」「1」のビット列すなわち秘密鍵を得る。(1)光子を送受信後、送信機は、加えた変調位相が{0,π}であったか{π/2,3π/2}であったかを受信機に知らせる。ここで知らせるのはどちらの組であったかだけであり、位相値そのものを知らせない。(2)受信機は、光子を検出した時刻が真ん中の時刻であったか否か、及び、加えた変調位相が0であったかπ/2であったか、を送信機に知らせる。(3)送信機は、光子検出時刻が真ん中の時刻である場合について、受信機の変調位相が0かつ自身の変調位相がπ、または、受信機の変調位相がπ/2かつ自身の変調位相がπ/2、ならばビット「0」とする。また、受信機の変調位相が0かつ自身の変調位相が0、または、受信機の変調位相がπ/2かつ自身の変調位相が3π/2、ならばビット「1」とする。(4)受信機は、光子検出時刻が真ん中の時刻である場合について、送信機の変調位相が{0,π}かつ自身の変調位相が0なら、検出器PD−1による光子検出をビット「0」、検出器PD−2による光子検出をビット「1」とする。また、送信機の変調位相が{π/2,3π/2}かつ自身の変調位相がπ/2なら、検出器PD−1による光子検出をビット「0」、検出器PD−2による光子検出をビット「1」とする。表1に示した光子検出特性より、以上のようにして生成したビット値は、送信機と受信機で一致する。上記では、1つのビットについて説明したが、光子の送受信を連続して行ない、各光子検出事象について上記手順を行なうことにより、送受信機は同一のビット列を得る。
上記ビット列生成手順において、送信機は変調位相θが{0,π}であったか{π/2,3π/2}であったかを受信機に知らせ、受信機は変調位相θを送信機に知らせているが、盗聴者がこれらの情報を盗聴したとしても、送受信機のビット値はわからない。したがって、上記により生成したビット列は暗号通信のための秘密鍵となる。
Bennet et al., "QUANTUM CRYPTOGRAPHY: PUBLIC KEY DISTRIBUTION AND COIN TOSSING," International Conference on Computers, Systems & Signal Processing, Bangalore, India, December 10-12, 1984
上記システムには、送信機の単一光子光源111として弱めたレーザ光を用いる場合に、「光子数分岐攻撃」と呼ばれる盗聴に対して脆弱であるという課題がある。以下、光子数分岐攻撃について説明する。
レーザ光の光子数は本質的に揺らぎを伴っている。そのため、平均的には光子数1個以下である強度に光を弱めても、有限の確率で光子数が2個以上となることがある。量子力学の理論によると、平均光子数μのパルスの光子数が2以上である確率は、μ<<1の場合、近似的にμ/2であることが知られている。このレーザ光の光子数揺らぎを利用して、盗聴者は次のような盗聴を行うことができる。
図2及び3は、光子数分岐攻撃を説明するための図である。盗聴者は、送信機の直後で伝送信号の光子数を測定する(図2の211)。但し、通常の光子検出のように電気信号に変換するのではなく、光の状態は変えずに光子数を測定するものとする。このような測定は量子非破壊測定と呼ばれる。測定の結果、ひとつの信号について光子数が2以上であった場合は、そのうちの1個を分岐器212で抜き出してメモリ213に保存する。そして、残りの光子は無損失伝送路220を介して受信機に送信する。一方、光子数が1または0の場合は、受信機に届く光子数を変えない範囲で、その信号をブロックする(図2の214)。
ここで、「受信機に届く光子数を変えない範囲で」というのは次のような意味である。盗聴が発覚しないためには、受信機に届く光子数を変えない必要がある。送信機の1信号あたりの送信平均光子数をμ、伝送路透過率をTとすると、正常時に受信機に届く平均光子数はμTである。一方、上記盗聴が行われた場合、光子数が2以上である信号から光子が抜き出され残りが受信機に到達する確率は、盗聴者が無損失伝送路を使用することより、光子数が2以上である確率に等しくμ/2である。そこで、μ/2<μTのときには、受信光子数を変えないために、(μT−μ/2)分は1光子信号のブロックを解除する。逆に、μ/2>μTのときには、受信光子数を変えないように、1光子信号に加え2光子信号の一部もブロックする。
盗聴者が上記のような信号ブロック操作を行うと、μ/2≧μTの場合には、受信機が受け取る信号群と全く同じ信号群が盗聴者に保有されることになる。この条件はμ/2≧Tと書き換えられ、伝送路透過率Tが小さいほど、すなわち伝送距離が長いほど満たされやすい。
送受信機は、光信号送受信後、変調位相に関する情報を交換し合う。盗聴者はこれを盗聴し、メモリ213に保存しておいた信号を受信機の変調位相に応じて測定する(図3)。具体的には、保存していた2パルス信号の第1パルスと第2パルスを光スイッチ311により別の経路に分離し、一方を遅延線312で遅延させた後に再び合波して光子検出する。この際、受信機の変調位相が0であった場合には遅延線312上の位相変調器313の位相を0、π/2であった場合には位相変調器313の位相をπ/2とする。このようにすると、盗聴者は光子検出器PD−1,PD−2で受信機と同じ光子検出結果を得ることができる。これにより、盗聴者は受信機と同じビット列が得られて盗聴に成功する。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、光子数分岐攻撃に対して強固な量子鍵配送システムを提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、送信機と受信器を備えた量子鍵配送システムであって、前記送信機は、一定の時間間隔Tの光パルス列を送出する光源と、前記光源から送出された前記光パルス列の各パルスを{0,π}または{π/2,3π/2}で位相変調する第1の位相変調手段と、前記第1の位相変調手段で位相変調された前記光パルス列を、パルス当り平均1光子未満の光パルス列として送出する光減衰手段とを備え、前記受信機は、前記送信機の前記光減衰手段から送出された前記光パルス列を受信し、前記光パルス列の各パルスを{0,π/2}で位相変調する第2の位相変調手段と、前記第2の位相変調手段で位相変調された前記光パルス列を、第1の光パルス列と第2の光パルス列とに分岐する分岐手段と、前記第1の光パルス列を前記第2の光パルス列に対して、前記時間間隔Tだけ遅延させる遅延手段と、前記遅延手段で遅延させられた前記第1の光パルス列と前記第2の光パルス列とを合波する合波手段と、前記合波手段で合波した前記第1の光パルス列のパルスと前記第2の光パルス列のパルスとの位相差が0のとき、前記合波したパルスの光子を検出する第1の光検出手段と、前記合波手段で合波した前記第2の光パルス列のパルスと前記第2の光パルス列のパルスとの位相差がπのとき、前記合波したパルスの光子を検出する第2の光検出手段とを備え、前記受信機は、前記合波したパルスの光子を検出した時刻と、前記光子を検出したパルスについて前記第2の位相変調手段で付与した変調位相差Δθとを前記送信機に知らせ、前記送信機は、前記受信機で光子が検出されたパルスについて、前記第1の位相変調手段で付与した変調位相差Δθが{0,π}または{π/2,3π/2}のいずれの組であったかを前記受信機に知らせることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の量子鍵配送システムであって、前記受信機で光子が検出されたパルスについて、前記送信機は、Δθ=0かつΔθ=0、Δθ=π/2かつΔθ=3π/2、またはΔθ=−π/2かつΔθ=π/2のとき、ビットを0とし、Δθ=0かつΔθ=π、Δθ=π/2かつΔθ=π/2、またはΔθ=−π/2かつΔθ=3π/2のとき、ビットを1とし、前記受信機は、前記光子を検出したのが前記第1の光検出手段であって、Δθ={0,π}かつΔθ=0、Δθ={π/2,3π/2}かつΔθ=π/2、またはΔθ={π/2,3π/2}かつΔθ=−π/2のとき、ビットを0とし、前記光子を検出したのが前記第2の光検出手段であって、Δθ={0,π}かつΔθ=0、Δθ={π/2,3π/2}かつΔθ=π/2、またはΔθ={π/2,3π/2}かつΔθ=−π/2のとき、ビットを1とすることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、送信機と受信器を備えた量子鍵配送システムであって、前記送信機は、一定の時間間隔Tの光パルス列を送出する光源と、前記光源から送出された前記光パルス列の各パルスを{0,π}または{π/2,3π/2}で位相変調する位相変調手段と、前記位相変調手段で位相変調された前記光パルス列を、パルス当り平均1光子未満の光パルス列として送出する光減衰手段とを備え、前記受信機は、前記送信機の前記光減衰手段から送出された前記光パルス列を受信し、第1の光パルス列と第2の光パルス列とに分岐する第1の分岐手段と、前記第1の光パルス列を第3の光パルス列と第4の光パルス列とに分岐する第2の分岐手段と、前記第2の光パルス列を第5の光パルス列と第6の光パルス列とに分岐する第3の分岐手段と、前記第3の光パルス列を前記第4の光パルス列に対して、前記時間間隔Tだけ遅延させ、位相0を付与する第1の遅延・位相付与手段と、前記第5の光パルス列を前記第6の光パルス列に対して、前記時間間隔Tだけ遅延させ、位相π/2を付与する第2の遅延・位相付与手段と、前記第1の遅延・位相付与手段からの前記第3の光パルス列と前記第4の光パルス列とを合波する第1の合波手段と、前記第2の遅延・位相付与手段からの前記第5の光パルス列と前記第6の光パルス列とを合波する第2の合波手段と、前記第1の合波手段で合波した前記第3の光パルス列のパルスと前記第4の光パルス列のパルスとの位相差が0のとき、前記合波したパルスの光子を検出する第1の光検出手段と、前記第1の合波手段で合波した前記第3の光パルス列のパルスと前記第4の光パルス列のパルスとの位相差がπのとき、前記合波したパルスの光子を検出する第2の光検出手段と、前記第2の合波手段で合波した前記第5の光パルス列のパルスと前記第6の光パルス列のパルスとの位相差が3π/2のとき、前記合波したパルスの光子を検出する第3の光検出手段と、前記第2の合波手段で合波した前記第5の光パルス列のパルスと前記第6の光パルス列のパルスとの位相差がπ/2のとき、前記合波したパルスの光子を検出する第4の光検出手段とを備え、前記受信機は、前記合波したパルスの光子を検出した時刻と、前記光子を検出したのが前記第1もしくは第2の光検出手段であったか、または前記第3もしくは第4の光検出手段であったかを前記送信機に知らせ、前記送信機は、前記光子を検出したパルスについて前記位相変調手段で付与した変調位相差Δθが{0,π}または{π/2,3π/2}のいずれの組であったかを前記受信機に知らせることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の量子鍵配送システムであって、前記受信機で光子が検出されたパルスについて、前記送信機は、前記光子を検出したのが前記第1もしくは第2の光検出手段であり、かつΔθ=0、または前記光子を検出したのが前記第3もしくは第4の光検出手段であり、かつΔθ=3π/2のとき、ビットを0とし、前記光子を検出したのが前記第1もしくは第2の光検出手段であり、かつΔθ=π、前記光子を検出したのが前記第3もしくは第4の光検出手段であり、かつΔθ=π/2のとき、ビットを1とし、前記受信機は、前記光子を検出したのが前記第1の光検出手段であり、かつΔθ={0,π}、または前記光子を検出したのが前記第3の光検出手段であり、かつΔθ={π/2,3π/2}のとき、ビットを0とし、前記光子を検出したのが前記第2の光検出手段であり、かつΔθ={0,π}、前記光子を検出したのが前記第4の光検出手段であり、かつΔθ={π/2,3π/2}のとき、ビットを1とすることを特徴とする。
本発明によれば、従来技術よりも安全性の高い量子鍵配送システムが実現できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図4に、本発明の第1の実施形態に係る量子鍵配送システム400の構成例を示す。送信機410は、コヒーレントパルス光源611から一定時間間隔Tの可干渉性のある(コヒーレントな)光パルス列を発生させ、位相変調器412において、各パルスをθ={0,π}のいずれか、または{π/2,3π/2}のいずれかで位相変調する。そして、光減衰器413において、光強度を平均1光子/パルス未満(例えば、0.2光子/パルス)まで減衰させてから伝送路420を介して受信機430へ送信する。受信機430は、位相変調器431において、送られてきた各パルスをθ={0,π/2}のいずれかで位相変調する。次に、位相変調した光パルス列をビームスプリッタBS−1により2分岐し、遅延線432で一方にパルス列の時間間隔Tに等しい遅延を与えた後、2×2のビームスプリッタBS−2により再び合波する。そして、2×2ビームスプリッタBS−2の出力ポートで光子検出器PD−1,PD−2により光子を検出する。
この構成において、受信機の光子検出器PD−1,PD−2では、前後のパルスが重なり合って干渉し、その結果に応じて光子が検出される。ただし、送られてくるのが、平均1光子/パルス未満のパルス列なので、すべてのパルスについて光子が検出されるわけではなく、ごくまれに光子は検出される。光子が検出される場合の特性は、次のようになる。
例えば、i番目のパルスと(i+1)番目のパルスの干渉を考えると、検出器で重なり合うのは、分岐・遅延・合波回路の長経路を通ったi番目パルスと短経路を通った(i+1)番目パルスである。i番目パルスは、送信機でθa(i)、受信機でθb(i)、の位相変調をそれぞれ受けている。ここで添え字の(i)はi番目パルスに対するものであることを表わす。ビームスプリッタでの反射の際にπ/2の位相シストを受けることを考慮に入れると、長経路を経て検出器PD−1及びPD−2に到達するi番目パルスの位相はそれぞれ、θa(i)+θb(i)+π/2及びθa(i)+θb(i)+πとなる。一方、短経路を通る(i+1)番目パルスについては、検出器PD−1での位相はθa(i+1)+θb(i+1)+π/2、検出器PD−2での位相はθa(i+1)+θb(i+1)である。したがって、2つのパルスの位相差は、検出器PD−1においては{θa(i)+θb(i)+π/2}−{θa(i+1)+θb(i+1)+π/2}=Δθ+Δθ、検出器PD−2においてはΔθ+Δθ+πとなる。なおここで、Δθ=θa(i)−θa(i+1)、Δθ=θb(i)−θb(i+1)とおいた。ここで、検出器PD−1に着目し、2パルスの位相差が0ならば両者は同相となり光子が検出される。位相差πであれば逆相となり光子は検出されない。その中間の位相差のときには、検出される場合もあればされない場合もある。
前述のように、送受信機での変調位相は、θ={0,π}または{π/2,3π/2}およびθ={0,π/2}であるので、Δθは0、π/2、πまたは3π/2、Δθは0、π/2、または−π/2である。したがって、Δθ+Δθは0、π/2、π、または3π/2となる。Δθ+Δθ=0ならば検出器PD−1で、Δθ+Δθ=πならば検出器PD−2で、それぞれ光子が検出される。Δθ+Δθ=π/2または3π/2のときは、検出器PD−1で検出される場合もあれば検出器PD−2で検出される場合もある。以上の光子検出特性をまとめると、表2のようになる。表において、「1」「2」「1/2」の意味は表1と同様である。
Figure 2010062632
以上の構成及び光子検出特性を利用して、送信機と受信機は、次の手順により同じ「0」「1」のビット列すなわち秘密鍵を得る。(1)光パルス列の送受信後、受信機は、光子を検出した時刻、及び、対応するパルスに対して加えた変調位相差Δθ(0、π/2、または−π/2)を送信機に知らせる。(2)送信機は、光子が検出されたパルスに対して加えた変調位相差Δθが{0,π}であったか{π/2,3π/2}であったかを受信機に知らせる。ここで知らせるのはどちらの組であったかだけであり、位相値そのものを知らせない。(3)送信機は、光子検出されたパルスについて、受信機の変調位相差がΔθ=0かつ自身の変調位相差がΔθ=0、または、受信機の変調位相差がΔθ=π/2かつ自身の変調位相差がΔθ=3π/2、または、受信機の変調位相差がΔθ=−π/2かつ自身の変調位相差がΔθ=π/2ならばビット「0」とする。また、受信機の変調位相差がΔθ=0かつ自身の変調位相差がΔθ=π、または、受信機の変調位相差がΔθ=π/2かつ自身の変調位相差がΔθ=π/2、または、受信機の変調位相差がΔθ=−π/2かつ自身の変調位相差がΔθ=3π/2ならばビット「1」とする。(4)受信機は、光子検出したパルスについて、送信機の変調位相差がΔθ={0,π}かつ自身の変調位相差がΔθ=0で光子を検出したのが検出器PD−1、送信機の変調位相差がΔθ={π/2,3π/2}かつ自身の変調位相差がΔθ=π/2で光子検出したのが検出器PD−1、または送信機の変調位相差がΔθ={π/2,3π/2}かつ自身の変調位相差がΔθ=−π/2で光子検出したのが検出器PD−1ならばビット「0」とする。また、送信機の変調位相差がΔθ={0,π}かつ自身の変調位相差がΔθ=0で光子検出したのが検出器PD−2、送信機の変調位相差がΔθ={π/2,3π/2}かつ自身の変調位相差がΔθ=π/2で光子検出したのが検出器PD−2、または送信機の変調位相差がΔθ={π/2,3π/2}かつ自身の変調位相差がΔθ=−π/2で光子検出したのが検出器PD−2ならばビット「1」とする。表2に示した光子検出特性より、以上のようにして生成したビット値は、送信機と受信機で一致する。
上記ビット列生成手順において、送信機は変調位相差Δθが{0,π}であったか{π/2,3π/2}であったかを受信機に知らせ、受信機は変調位相差Δθを送信機に知らせているが、盗聴者がこれらの情報を盗聴したとしても、これだけでは送受信機のビット値はわからない。そこで、上記により生成したビット列を暗号通信のための秘密鍵とする。
次に、図5を参照して、本実施形態が光子数分岐攻撃に対して強固であることを説明する。
光子数分岐攻撃においては、盗聴者520は、光子数が2以上である信号から光子1個を抜き出した残りを受信機530に送り、光子数が1以下である信号はブロックする。すると、盗聴者から受信機へ送られる信号は、連続したパルス列ではなく、例えば、2連続パルスが間欠的に存在する状態となる。
このような信号を受信機520が合波・遅延・分岐回路に通して受信すると、受信機は3つの時刻で光子を検出し得る。(1)第1パルスが短経路を経た時刻、(2)第1パルスが長経路を経た時刻=第2パルスが短経路を経た時刻、(3)第2パルスが長経路を経た時刻の3つである。このうち、最初と最後の時刻では、干渉する相手がいないままに光子が検出される。この場合、光子は検出器PD−1またはPD−2でランダムに検出される。すると、この検出事象から正規の手順に従って受信機がビットを生成すると、送信機の作るビット値とは異なることになる。
そこで、送受信機は、ビット列を生成後、そのうちのいくつかをテストビットとして互いに照合する。光子数分岐攻撃が行われていたとすれば、上記のようにビット不一致が生じ、これより盗聴されていたことが検知できる。逆に言うと、ビット不一致がなければ、盗聴されていない安全な秘密鍵であることが保証されたことになる。
(第2の実施形態)
図6に、本発明の第2の実施形態に係る量子鍵配送システム600の構成例を示す。送信機610の構成は第1実施形態と同様であり、これにより送信機610からは、各パルスが{0,π}のいずれか、または{π/2,3π/2}のいずれかで位相変調され、平均光子数が1光子/パルス未満であるコヒーレントパルス列が送出される。受信機630は、送られてきた信号をビームスプリッタBS−1により2分岐し、それぞれを実施形態1と同様の分岐・遅延・合波回路に入力する。但し、長経路と短経路の位相差を、一方の回路では0、他方の回路ではπ/2とする。位相差0の回路の出力ポートには光子検出器PD−11とPD−12が、位相差π/2の回路の出力ポートには光子検出器PD−21とPD−22が、それぞれ備えられており、これにより光子を検出する。
光子検出器では、第1の実施形態と同様にして、前後のパルスが干渉し合い、その結果に応じて光子が検出される。i番目のパルスと(i+1)番目のパルスについて考えると、検出器では長経路を経たi番目パルスと短経路を経た(i+1)番目パルスが干渉する。各検出器における2パルスの位相差は、検出器PD−11では、i番目パルスの位相はθa(i)+π/2、(i+1)番目パルスの位相はθa(i+1)+π/2であり、よって2つのパルスの位相差はΔθである。検出器PD−12では、i番目パルスの位相はθa(i)+π、(i+1)番目パルスの位相はθa(i+1)であり、よって2つのパルスの位相差はΔθ+πである。検出器PD−21では、i番目のパルスの位相はθa(i)+π/2+π/2+π/2=θa(i)+3π/2、(i+1)番目パルスの位相はθa(i+1)+π/2+π/2=θa(i+1)+πであり、よって2つのパルスの位相差はΔθ+π/2である。検出器PD−22では、i番目パルスの位相はθa(i)+π/2+π/2+π/2+π/2=θa(i)+2π、(i+1)番目パルスの位相はθa(i+1)+π/2であり、よって2つのパルスの位相差はΔθ+3π/2である。なお、Δθの意味は第1の実施形態と同様である。
2つのパルスの位相差が0であれば光子が検出され、πであれば検出されない。その中間の値のときは、検出される場合もあればされない場合もある。Δθの値によって、どの検出器が光子を検出されるかをまとめると、表3のようになる。表において、「〇」は「検出する」、「×」は「検出しない」、「△」は「検出する場合もあればしない場合もある」ことを表わしている。
Figure 2010062632
以上の構成及び光子検出特性を利用して、送信機と受信機は、次の手順により同じビット列すなわち秘密鍵を得る。(1)光パルス列の送受信後、受信機は、光子を検出した時刻、及び、光子を検出したのが位相差0の分岐・遅延・合波回路の出力ポートであったか位相差π/2の回路の出力ポートであったかを送信機に知らせる。(2)送信機は、光子が検出されたパルスに対して加えた変調位相差Δθが{0,π}であったか{π/2,3π/2}であったかを受信機に知らせる。ここで知らせるのはどちらの組であったかだけであり、位相値そのものを知らせない。(3)送信機は、光子検出されたパルスについて、検出されたのが位相差0の分岐・遅延・合波回路の出力ポートでありかつ自身の変調位相差がΔθ=0、または、検出されたのが位相差π/2の回路の出力ポートでありかつ自身の変調位相差がΔθ=3π/2ならばビット「0」とする。また、検出されたのが位相差0の分岐・遅延・合波回路の出力ポートでありかつ自身の変調位相差がΔθ=π、または、検出されたのが位相差π/2の回路の出力ポートでありかつ自身の変調位相がΔθ=π/2、ならばビット「1」とする。(4)受信機は、光子検出したパルスについて、送信機の変調位相差が{0,π}かつ光子検出したのが検出器PD−11、または、送信機の変調位相差がΔθ={π/2,3π/2}かつ光子検出したのが検出器PD−21、ならばビット「0」とする。また、送信機の変調位相差がΔθ={0,π}かつ光子検出したのが検出器PD−12、または、送信機の変調位相差がΔθ={π/2,3π/2}かつ光子検出したのが検出器PD−22ならばビット「1」とする。表3に示した光子検出特性より、以上のようにして生成したビット値は、送信機と受信機で一致する。
上記ビット列生成手順において、送信機は変調位相差Δθが{0,π}であったか{π/2,3π/2}であったかを受信機に知らせ、受信機は光子検出したのが位相差0の分岐・遅延・合波回路の出力ポートであったか位相差π/2の分岐・遅延・合波回路の出力ポートであったかを送信機に知らせているが、盗聴者がこれらの情報を盗聴したとしても、送受信機のビット値はわからない。そこで、上記により生成したビット列を暗号通信のための秘密鍵とする。
本実施形態では、送信機が平均光子数が1光子/パルス未満である連続パルス列を送り、受信機がそれを分岐・遅延・分岐回路を通して光子検出し、干渉の結果から秘密鍵ビットを生成するという点では第1の実施形態と同じである。したがって、第1の実施形態と同様に、光子数分岐攻撃に対して強固な秘密鍵配送システムとなっている。
以上、本発明について、具体的にいくつかの実施形態について説明したが、本発明の原理を適用できる多くの実施可能な形態に鑑みて、ここに記載した実施形態は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。ここに例示した実施形態は、本発明の趣旨から逸脱することなくその構成と詳細を変更することができる。さらに、説明のための構成要素および手順は、本発明の趣旨から逸脱することなく変更、補足、またはその順序を変えてもよい。
位相エンコードBB84による従来の量子鍵配送システムの構成例を示す図である。 従来の量子鍵配送システムに対する光子数分岐攻撃を説明するための図である。 従来の量子鍵配送システムに対する光子数分岐攻撃を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る量子鍵配送の構成例を示す図である。 本発明による量子鍵配送システムに対する光子数分岐攻撃を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る量子鍵配送の構成例を示す図である。
符号の説明
100,400,600 量子鍵配送システム
112,131,312,432 遅延線
120,420 伝送路
413,613 光減衰器
BS,BS−1,BS−2,BS−3,BS−4,BS−5,BS−A1,BS−A2,BS−B1,BS−B2 ビームスプリッタ
PD−1,PD−2,PD−11,PD−12,PD−21,PD−22 光子検出器

Claims (4)

  1. 送信機と受信器を備えた量子鍵配送システムであって、
    前記送信機は、
    一定の時間間隔Tの光パルス列を送出する光源と、
    前記光源から送出された前記光パルス列の各パルスを{0,π}または{π/2,3π/2}で位相変調する第1の位相変調手段と、
    前記第1の位相変調手段で位相変調された前記光パルス列を、パルス当り平均1光子未満の光パルス列として送出する光減衰手段と
    を備え、
    前記受信機は、
    前記送信機の前記光減衰手段から送出された前記光パルス列を受信し、前記光パルス列の各パルスを{0,π/2}で位相変調する第2の位相変調手段と、
    前記第2の位相変調手段で位相変調された前記光パルス列を、第1の光パルス列と第2の光パルス列とに分岐する分岐手段と、
    前記第1の光パルス列を前記第2の光パルス列に対して、前記時間間隔Tだけ遅延させる遅延手段と、
    前記遅延手段で遅延させられた前記第1の光パルス列と前記第2の光パルス列とを合波する合波手段と、
    前記合波手段で合波した前記第1の光パルス列のパルスと前記第2の光パルス列のパルスとの位相差が0のとき、前記合波したパルスの光子を検出する第1の光検出手段と、
    前記合波手段で合波した前記第2の光パルス列のパルスと前記第2の光パルス列のパルスとの位相差がπのとき、前記合波したパルスの光子を検出する第2の光検出手段と
    を備え、
    前記受信機は、前記合波したパルスの光子を検出した時刻と、前記光子を検出したパルスについて前記第2の位相変調手段で付与した変調位相差Δθとを前記送信機に知らせ、
    前記送信機は、前記受信機で光子が検出されたパルスについて、前記第1の位相変調手段で付与した変調位相差Δθが{0,π}または{π/2,3π/2}のいずれの組であったかを前記受信機に知らせることを特徴とする量子鍵配送システム。
  2. 請求項1に記載の量子鍵配送システムであって、
    前記受信機で光子が検出されたパルスについて、
    前記送信機は、Δθ=0かつΔθ=0、Δθ=π/2かつΔθ=3π/2、またはΔθ=−π/2かつΔθ=π/2のとき、ビットを0とし、Δθ=0かつΔθ=π、Δθ=π/2かつΔθ=π/2、またはΔθ=−π/2かつΔθ=3π/2のとき、ビットを1とし、
    前記受信機は、前記光子を検出したのが前記第1の光検出手段であって、Δθ={0,π}かつΔθ=0、Δθ={π/2,3π/2}かつΔθ=π/2、またはΔθ={π/2,3π/2}かつΔθ=−π/2のとき、ビットを0とし、前記光子を検出したのが前記第2の光検出手段であって、Δθ={0,π}かつΔθ=0、Δθ={π/2,3π/2}かつΔθ=π/2、またはΔθ={π/2,3π/2}かつΔθ=−π/2のとき、ビットを1とすることを特徴とする量子鍵配送システム。
  3. 送信機と受信器を備えた量子鍵配送システムであって、
    前記送信機は、
    一定の時間間隔Tの光パルス列を送出する光源と、
    前記光源から送出された前記光パルス列の各パルスを{0,π}または{π/2,3π/2}で位相変調する位相変調手段と、
    前記位相変調手段で位相変調された前記光パルス列を、パルス当り平均1光子未満の光パルス列として送出する光減衰手段と
    を備え、
    前記受信機は、
    前記送信機の前記光減衰手段から送出された前記光パルス列を受信し、第1の光パルス列と第2の光パルス列とに分岐する第1の分岐手段と、
    前記第1の光パルス列を第3の光パルス列と第4の光パルス列とに分岐する第2の分岐手段と、
    前記第2の光パルス列を第5の光パルス列と第6の光パルス列とに分岐する第3の分岐手段と、
    前記第3の光パルス列を前記第4の光パルス列に対して、前記時間間隔Tだけ遅延させ、位相0を付与する第1の遅延・位相付与手段と、
    前記第5の光パルス列を前記第6の光パルス列に対して、前記時間間隔Tだけ遅延させ、位相π/2を付与する第2の遅延・位相付与手段と、
    前記第1の遅延・位相付与手段からの前記第3の光パルス列と前記第4の光パルス列とを合波する第1の合波手段と、
    前記第2の遅延・位相付与手段からの前記第5の光パルス列と前記第6の光パルス列とを合波する第2の合波手段と、
    前記第1の合波手段で合波した前記第3の光パルス列のパルスと前記第4の光パルス列のパルスとの位相差が0のとき、前記合波したパルスの光子を検出する第1の光検出手段と、
    前記第1の合波手段で合波した前記第3の光パルス列のパルスと前記第4の光パルス列のパルスとの位相差がπのとき、前記合波したパルスの光子を検出する第2の光検出手段と、
    前記第2の合波手段で合波した前記第5の光パルス列のパルスと前記第6の光パルス列のパルスとの位相差が3π/2のとき、前記合波したパルスの光子を検出する第3の光検出手段と、
    前記第2の合波手段で合波した前記第5の光パルス列のパルスと前記第6の光パルス列のパルスとの位相差がπ/2のとき、前記合波したパルスの光子を検出する第4の光検出手段と
    を備え、
    前記受信機は、前記合波したパルスの光子を検出した時刻と、前記光子を検出したのが前記第1もしくは第2の光検出手段であったか、または前記第3もしくは第4の光検出手段であったかを前記送信機に知らせ、
    前記送信機は、前記光子を検出したパルスについて前記位相変調手段で付与した変調位相差Δθが{0,π}または{π/2,3π/2}のいずれの組であったかを前記受信機に知らせることを特徴とする量子鍵配送システム。
  4. 請求項3に記載の量子鍵配送システムであって、
    前記受信機で光子が検出されたパルスについて、
    前記送信機は、前記光子を検出したのが前記第1もしくは第2の光検出手段であり、かつΔθ=0、または前記光子を検出したのが前記第3もしくは第4の光検出手段であり、かつΔθ=3π/2のとき、ビットを0とし、前記光子を検出したのが前記第1もしくは第2の光検出手段であり、かつΔθ=π、前記光子を検出したのが前記第3もしくは第4の光検出手段であり、かつΔθ=π/2のとき、ビットを1とし、
    前記受信機は、前記光子を検出したのが前記第1の光検出手段であり、かつΔθ={0,π}、または前記光子を検出したのが前記第3の光検出手段であり、かつΔθ={π/2,3π/2}のとき、ビットを0とし、前記光子を検出したのが前記第2の光検出手段であり、かつΔθ={0,π}、前記光子を検出したのが前記第4の光検出手段であり、かつΔθ={π/2,3π/2}のとき、ビットを1とすることを特徴とする量子鍵配送システム。
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