JP2006109265A - 量子暗号通信方法、および量子暗号通信装置、並びに量子暗号通信システム - Google Patents

量子暗号通信方法、および量子暗号通信装置、並びに量子暗号通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 量子暗号通信における有効情報の増加、効率的なデータ共有を可能とした装置および方法を提供する。
【解決手段】 量子暗号に基づく通信処理において、受信側が行った測定の種類に従って、送信側の送信した2π/Mの整数倍各々に対する量子状態に対してビット情報を設定し、これらをデータ送受信側で共有し、共有されたビット情報を例えば秘密鍵の構成データとして適用する。例えば、送信側の位相変調量を4状態、受信側の位相変調基底を2基底とした処理例では、信側位相変調量を4状態すべてにビット情報が割り当てられ100%のデータ、すなわち送信側の適用した位相変調量4状態全てが有効なビット情報としてデータ送受信側双方で共有できる。
【選択図】 図11

Description

本発明は、量子暗号通信方法、および量子暗号通信装置、並びに量子暗号通信システムに関する。さらに詳細には、量子暗号を用いた秘密情報の通信、共有処理において、効率的な情報通信処理および情報共有処理を可能とした量子暗号通信方法、および量子暗号通信装置、並びに量子暗号通信システムに関する。
昨今、ネットワーク通信、電子商取引の発展に伴い、通信におけるセキュリティ確保が重要な問題となっている。セキュリティ確保の1つの方法が暗号技術であり、様々な暗号化手法を用いた通信が行なわれている。
暗号化方式には、大別して共通鍵方式、公開鍵方式がある。共通鍵方式は、対称暗号方式ともよばれ、発信者、受信者の双方で共通の秘密鍵を保有する。共通鍵方式の代表的な方法として、DES(Data Encryption Standard)がある。DESアルゴリズムの特徴は、暗号化と復号化とをほぼ同じアルゴリズムで実行可能なことである。
この共通鍵暗号に対して、発信者と受信者の鍵を異なるものとした構成が公開鍵方式または非対称暗号方式である。公開鍵暗号方式では、暗号化、復号化に共通の秘密鍵を用いる共通鍵暗号方式と異なり、秘密に保つ必要のある秘密鍵は、特定の1人が持てばよいため鍵の管理において有利である。ただし、公開鍵暗号方式は共通鍵暗号方式に比較してデータ処理速度が遅く、一般には、秘密鍵の配送、ディジタル署名等のデータ量の少ない対象に多く用いられている。公開鍵暗号方式の代表的なものにはRSA(Rivest-Shamir-Adleman)暗号がある。これは非常に大きな2つの素数(例えば150桁)の積を用いるものであり、大きな2つの素数(例えば150桁)の積の素因数分解する処理の困難さを利用している。
しかし、量子力学の原理を利用する量子コンピュータを用いれば計算の困難さは解消されることが証明されているほか、計算の困難さについての情報理論的な証明は存在しないので、現在のコンピュータを利用する効率的なアルゴリズムが発見される可能性もあり、公開鍵暗号方式の安全性には疑問がある。
一方、秘密鍵を共有する共通鍵方式では、第3者に知られないように秘密鍵を共有する必要がある。例えばネットワークを介して秘密鍵の共有処理を行なう場合には、ネットワークの盗聴などに対して十分な対策を講じることが必要となる。
量子暗号を適用することで、物理法則を利用して安全に秘密鍵を共有することが可能になる。量子暗号を用いた秘密情報の通信は、例えば光ファイバーを介した微弱な信号光(例えば光子数が1個程度)の送信によって行なわれる。量子暗号を用いた秘密情報の通信における安全性は、量子暗号を適用した通信チャネルからの信号検出において微弱な光の状態を一回の測定で正確に決定することができないということに基づく。
量子暗号を用いた秘密情報の通信の概要について説明する。秘密データの共有は、送信側において光に対する偏光処理、あるいは位相変調処理を施して送信し、受信側でこれを検出することを基本として行なわれる。
位相変調処理を適用した秘密情報の通信処理例について、図を参照して説明する。図1に示すように、送信者(Alice)10から、受信者(Bob)20に対して例えば光ファイバー等のデータ通信路30を介して光信号が送信される。
送信者(Alice)10側では、変調器11を適用して、{0,π/2,π,3π/2}のいずれかの位相変調をコヒーレント光に対して施して出力する。例えば、図に示すように、ビット0に対しては、0またはπ/2の位相変調光とし、ビット1に対しては、π,または3π/2の位相変調光として出力する。
例えば、図1の下段に示す表において選択ビット列が(a)のビット系列である場合、変調器11から出力される位相変調光は(b)に示すような位相変調系列信号として受信者(Bob)20側に送信される。なお、ここでは、(a)の選択ビット系列の設定の後、選択ビット系列に対応する変調処理を行なう設定例を説明するが、(a)の選択ビット系列の設定を行うことなく、ランダムなシーケンスで変調を行なってもよい。すなわち、(a)の選択ビット系列の設定を行うことなく、(b)に示す位相変調をランダムに実行し、その後、変調系列データに対応するビット列、すなわち(a)の選択ビット列を導く構成でもよい。
次に、受信者(Bob)20側の処理について、図2を参照して説明する。受信者(Bob)20側では、観測器21において、{0,π/2}のいずれかをランダムに選択して位相変調を行い干渉を測定する。干渉測定により、干渉の検出が可能なケースは、下記の2つのケースである。
(1)データ送信側の位相変調=0,π→観測器21において0の位相変調を行なった場合
(2)データ送信側の位相変調=π/2,3π/2→観測器21においてπ/2の位相変調を行なった場合
である。
それ以外の組み合わせでは、干渉に基づくビット検出はできない。例えば、受信者(Bob)20側の観測器21において、図2の下段の表に示す(c)の位相変調処理を実行した場合、(d)に示すビット検出が可能となる。(d)干渉に基づく確認ビットに示すデータにおいて、[0],[1]が、上記条件(1)または(2)を満足する組み合わせであり、ビットの識別が実行できた部分であり、[×]は、上記条件(1),(2)を満足しない組み合わせであり、ビットの識別が実行できなかった部分である。
次に、受信者(Bob)20は、図3に示すように、受信者(Bob)20側の観測器21において適用した変調系列情報、すなわち図の下段の表の(c)の情報列を送信者(Alice)10側に通知する。図に示す{0,0,π/2,π/2,0・・}である。
送信者(Alice)10は、受信者(Bob)20から受領した変調系列情報に基づいて、ビット検出に適応した正しい変調が行なわれた部位、すなわち上記条件(1)または(2)を満足する組み合わせである部位と、正しくない変調が行なわれた部位、すなわち上記条件(1),(2)を満足しない組み合わせである部位を示す情報を生成して受信者(Bob)20に送信する。すなわち図の下段の表の(e)の情報列を受信者(Bob)20側に通知する。図に示す{○,×,○,×,○,○・・}である。
なお、図3に示す受信者(Bob)20側からの変調系列情報{0,0,π/2,π/2,0・・}、送信者(Alice)10側からの情報{○,×,○,×,○,○・・}は公開通信路を適用してよい。
次に、図4に示すように、受信者(Bob)20は、観測器21において検出されたビット情報列を送信者(Alice)10側に通知する。図に示す{0,0,1,0・・}である。一方、送信者(Alice)10は、上記条件(1)または(2)を満足する組み合わせである部位のみの構成ビット列情報を受信者(Bob)20に通知する。図に示す{0,0,1,0・・}である。これは、図の下段の表において、(a)の送信ビットから(e)送受信側の変調適合において[○]が設定されたもののみを選択したビット系列である。これらの通知処理も公開通信路を介して実行してよい。
データ通信路30において通信データの盗聴が行なわれていない場合は、図4に示すビットの相互通知処理において、すべての確認ビットが一致する。しかし、データ通信路30において通信データの盗聴が行なわれると、図5に示すように、ビットの相互通知処理において、相互の通知ビットのずれが発生する。これは、データ通信路30の盗聴により、変調状態が変化してしまうことによる。データ通信路30における盗聴がない場合には、相互の通知ビットのずれは発生することがない。
このようなデータ通信により、例えば共通鍵暗号方式における秘密鍵などの秘密情報を共有することが可能となる。なお、例えば秘密鍵nビットを共有する場合は、図4を参照して説明した相互通知処理のなされたビットが互いに一致することを確認した後、予め相互に通知済みの共通のビット選択処理により、上記処理によって共有できたmビット(m>n)からnビットを選択するなどの処理が実行される。
なお、上述の量子暗号を適用したデータ通信においては、正規の受信者は、送信者から送信される微弱なパルス光を検出することが必要となる。微弱なパルス光を検出する方法としては、単一光子検出法とホモダイン検出法がある。ホモダイン検出法は微弱な信号光(S)(平均光子数が1個程度)と比較的強度の強い参照光(L)(典型的な平均光子数は10程度)を重ね合わせて信号光の状態を測定する方法である。
ホモダイン検出法の利点は、室温での動作が可能で、現在の技術でも理論的な限界に近い測定が可能であること、直交位相振幅の確率分布関数のように測定状態についてのより詳細な情報が得られることなどがある。なお、量子暗号における各種の信号検出手法については、非特許文献1,2、および特許文献1に記載されている。
ホモダイン検出法を用いた量子暗号法は単一光子検出を想定した方法のアナロジーとしての4状態を用いる符号化方法を採用している。そのため基底の不一致により2回に1回は検出結果が秘密鍵に貢献しない。つまり、送信した信号の半分は情報の担い手として利用することができないため、符号化効率は1/2より大きくはできない。
図6を参照して、従来のホモダイン検出法を用いた量子暗号法における符号化効率について説明する。図6(1)は、送信側の位相変調処理によって得られる4つの変調信号としての量子状態(コヒーレント状態)51〜54と、受信側の観測系として適用される2つの位相変調処理に対応する基底X1,71と、基底X2,72を示している。
受信側の観測系として基底(受信側適用位相変調)X1,71を適用した場合には、送信側の位相変調処理によって得られる4つの量子状態(コヒーレント状態)号51〜54中、0度位相変調信号である量子状態51と、180度(π)位相変調信号である量子状態53の判別のみが可能となり、90度(π/2)位相変調信号である量子状態52と、270度(3π/2)位相変調信号である量子状態54の判別はできない。また、受信側の観測系として基底(受信側適用位相変調)X2,72を適用した場合には、送信側の位相変調処理によって得られる4つの変調信号である量子状態51〜54中、90度(π/2)位相変調信号である量子状態52と、270度(3π/2)位相変調信号である量子状態54の判別のみが可能となり、0度位相変調信号である量子状態51と、180度(π)位相変調信号である量子状態53の判別はできない。
この状態別の対応を示したのが、図6(2)の表である。図6(2)に示す表において、上段から順に(A)データ送信側位相変調量(ΦA)、(B)データ受信側位相変調量(ΦB)、(C)検出ビットと基底の一致、不一致、(D)検出可能ビット率(基底一致率)の各データを示している。
(A)データ送信側位相変調量(ΦA)は、図6(1)に示す送信側の位相変調処理によって得られる4つの変調信号である量子状態51〜54のいずれか、すなわち、
0度位相変調信号である量子状態51、
90度(π/2)位相変調信号である量子状態52、
180度(π)位相変調信号である量子状態53、
270度(3π/2)位相変調信号である量子状態54、
のいずれかである。
(B)データ受信側位相変調量(ΦB)は、図6(1)に示す受信側の観測系として適用される2つの基底(受信側適用位相変調)、すなわち、
基底(受信側適用位相変調)X1,71、
基底(受信側適用位相変調)X2,72、
のいずれかである。
送信側で任意に4つの位相変調信号をランダムに選択し、受信側においても2つの観測系をランダムに選択した場合、図6(2)に示す8通りの組み合わせが均等に発生することになる。
図6(2)の(C)は、検出ビットと基底の一致、不一致のデータを示している。前述したように、受信側の観測系として基底(受信側適用位相変調)X1,71を適用した場合には、送信側の0度位相変調信号である量子状態51と、180度(π)位相変調信号である量子状態53の判別のみが可能となり、受信側の観測系として基底(受信側適用位相変調)X2,72を適用した場合には、送信側の90度(π/2)位相変調信号である量子状態52と、270度(3π/2)位相変調信号である量子状態54の判別のみが可能となる。
受信側で適用する観測系を受信側位相変調基底と呼ぶ。受信側においてビット値を判別可能な場合を「基底の一致」、受信側においてビット値を判別不可能な場合を「基底の不一致」とする。図から理解されるように、全8パターン中、基底一致の組み合わせは4通り、基底不一致の組み合わせは4通りである。結果として、図6(2)の(D)検出可能ビット率(基底一致率)に示すように、データ送受信側において基底が一致し、ビット値の検出可能となる確率は1/2(50%)となる。
基底の一致、不一致の態様について図7を参照して、さらに説明する。図7(a)は、基底が一致する場合、図7(b)は基底不一致の場合の例である。図7(a1)は、基底一致の場合の送信側の位相変調量と受信側の位相変調量の組み合わせを示している。
すなわち、
受信側位相変調量:ΦB=π/2の場合、
送信側位相変調量:ΦA=π/2、3π/2
と、
受信側位相変調量:ΦB=0の場合、
送信側位相変調量:ΦA=0、π
の4通りである。
これらの場合、受信側では、図7(a2)に示すように、信号を区分して判別することができる。すなわち、判別用の信号として、得られるデータは、
Φ=|ΦA−ΦB|
であり、
Φ=0、またはΦ=πのいずれかの検出信号を得ることで、ビット値判別が可能となる。このような場合が基底一致状態である。
一方、図7(b)は基底不一致の場合の例である。図7(b1)は、基底不一致の場合の送信側の位相変調量と受信側の位相変調量の組み合わせを示している。
すなわち、
受信側位相変調量:ΦB=0の場合、
送信側位相変調量:ΦA=π/2、3π/2
と、
受信側位相変調量:ΦB=π/2の場合、
送信側位相変調量:ΦA=0、π
の4通りである。
これらの場合、受信側では、図7(b2)に示すように、信号を区分して判別することができない。すなわち、判別用の信号として、得られるデータは、
Φ=ΦA−ΦB
であり、
Φ=±(π/2)の検出信号のみしか得ることができず、ビット値判別が不可能となる。このような場合が基底不一致状態である。
基底不一致の場合は、データ送信側と受信側の共有秘密情報を構成するビット値として適用できないので、破棄されることになる。データ送信側と受信側の共有秘密情報を構成するビット値は、基底一致の場合のみとなる。すなわち、送信側で位相変調処理を実行して受信側に送信した信号中、最大1/2が有効情報として利用可能であるが、残りの1/2の信号が無駄になってしまうことになる。
このように、これまでに提案されている量子暗号を適用した秘密情報の通信装置および方法では、送信側から受信側へ送信していた位相変調信号中、1/2の信号が有効情報として利用することができず、転送信号の大きな無駄が発生していた。
特開2000−101570 Quantum cryptography using pulsed homodyne detection, T. Hirano, H. Yamanaka, M. Ashikaga, T. Konishi, and R. Namiki, Phys. Rev. A 68, 042331−1−7 (2003). Security of quantum cryptography using balanced homodyne detection, R. Namiki, T. Hirano, Physical Review A 67, 022308 (2003).
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、量子暗号を適用した秘密情報の通信において送信側から受信側に対して送信する位相変調信号に無駄を発生させることなく、より多くの信号を有効情報として適用、すなわち、送信側と受信側においてより多くの情報を共有する秘密情報として適用することを可能とした量子暗号通信方法、および量子暗号通信装置、並びに量子暗号通信システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、
量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信方法であり、
データ送信装置において、
複数の異なる位相変調量を持つ複数の量子状態をランダムに選択した信号列を送信するデータ送信ステップと、
データ受信装置において、
前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量に対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行する検出ステップと、
適用した基底情報としての適用位相変調態様情報をデータ送信側に通知する通知ステップと、
データ送信装置において、
データ受信装置から通知された適用位相変調態様情報に応じて、データ送信装置において設定した複数の異なる量子状態に対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知する情報共有ステップと、
を有する量子暗号通信方法にある。
さらに、本発明の量子暗号通信方法の一実施態様において、前記データ送信装置におけるデータ送信ステップは、有限個の量子状態(コヒーレント状態)の設定処理ステップとして、M≧2の整数を選択するステップと、位相変調量を2π/Mの整数倍からランダムに選択するステップとを含み、選択位相変調量に基づく位相変調処理を実行して送信するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信方法の一実施態様において、前記データ送信装置における情報共有ステップは、データ受信装置から通知された適用位相変調態様情報に応じて、データ送信装置において設定した有限個の複数の異なる量子状態に対応するビット値を割り振る処理を実行するとともに、データ受信側において適用した基底(受信側適用位相変調処理)による測定が困難と判定される量子状態を、ビット割り当て対象から排除する処理を行なうステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信方法の一実施態様において、前記データ送信装置におけるデータ送信ステップは、さらに、複数の異なる量子状態に、平均光子数の異なる量子状態が含まれる場合は、光子数調整(強度変調)処理を実行するステップを含むことを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信方法の一実施態様において、データ受信装置における検出ステップは、ホモダイン検出処理による検出情報に対するしきい値を設定した信号判別処理を実行するステップを含むことを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信方法の一実施態様において、データ送信装置におけるデータ送信ステップは、45°,135°,225°,315°のいずれかの位相変調量による変調処理を施した量子状態をランダムに選択した信号列を送信するステップであり、データ受信装置における検出ステップは、前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量として、0°,90°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行するステップであり、データ送信装置における情報共有ステップは、データ受信装置から通知された2種類の適用位相変調態様と、データ送信装置において設定した45°,135°,225°,315°の4種類の位相変調量の組み合わせ全8通りに全てに対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信方法の一実施態様において、データ送信装置におけるデータ送信ステップは、0°,120°,240°のいずれかの位相変調量による変調処理を施した量子状態をランダムに選択した信号列を送信するステップであり、データ受信装置における検出ステップは、前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量として、90°,−30°,−150°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行するステップであり、データ送信装置における情報共有ステップは、データ受信装置から通知された3種類の適用位相変調態様と、データ送信装置において設定した0°,120°,240°の3種類の位相変調量の組み合わせ全9通り中、6通りに対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信方法の一実施態様において、データ送信装置におけるデータ送信ステップは、0°,60°,120°,180°,240,300°のいずれかの位相変調量による変調処理を施した量子状態をランダムに選択した信号列を送信するステップであり、データ受信装置における検出ステップは、前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量として、90°,−30°,−150°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行するステップであり、データ送信装置における情報共有ステップは、データ受信装置から通知された3種類の適用位相変調態様と、データ送信装置において設定した0°,60°,120°,180°,240,300°の6種類の位相変調量の組み合わせ全18通り中、12通りに対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信方法の一実施態様において、データ送信装置におけるデータ送信ステップは、0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°のいずれかの位相変調量による変調処理を施した量子状態をランダムに選択した信号列を送信するステップであり、データ受信装置における検出ステップは、前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量として、0°,90°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行するステップであり、データ送信装置における情報共有ステップは、データ受信装置から通知された2種類の適用位相変調態様と、データ送信装置において設定した0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°の8種類の位相変調量の組み合わせ全16通り中、12通りに対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信方法の一実施態様において、前記データ送信装置におけるデータ送信ステップは、さらに、0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°の8種類の位相変調量の異なる量子状態の設定において、光子数調整(強度変調)処理を実行するステップを含むことを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信方法の一実施態様において、データ送信装置におけるデータ送信ステップは、22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5°,337.5°のいずれかの位相変調量による変調処理を施した量子状態をランダムに選択した信号列を送信するステップであり、データ受信装置における検出ステップは、前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量として、0°,45°,90°,135°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行するステップであり、データ送信装置における情報共有ステップは、データ受信装置から通知された4種類の適用位相変調態様と、データ送信装置において設定した22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5°,337.5°の8種類の位相変調量の組み合わせ全32通りに、対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の第2の側面は、
量子暗号に基づくデータ送信処理を実行する量子暗号通信装置であり、
光源と、
前記光源からの出力光を分離し、参照光と位相変調部への入力光を生成するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタにおいて分離された一方の光に対する位相変調処理を実行する位相変調部と、
前記位相変調部において位相変調のなされた変調光の減衰処理を実行し信号光を生成する減衰部とを有し、
前記位相変調部は、
2π/M(ただしMはM≧2の整数)の整数倍からランダムに選択された位相変調量に相当する位相変調処理を実行する構成であることを特徴とする量子暗号通信装置にある。
さらに、本発明の量子暗号通信装置の一実施態様において、前記位相変調部は、45°,135°,225°,315°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信装置の一実施態様において、前記位相変調部は、0°,120°,240°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信装置の一実施態様において、前記位相変調部は、0°,60°,120°,180°,240,300°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信装置の一実施態様において、前記位相変調部は、0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信装置の一実施態様において、前記位相変調部は、22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5°,337.5°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の第3の側面は、
量子暗号処理データの受信および検出処理を実行する量子暗号通信装置であり、
量子暗号処理データに対するホモダイン検出処理を実行するホモダイン検出部を有し、
前記ホモダイン検出部は、
受信信号に対して複数の異なる基底としての位相変調量をランダムに選択した位相変調処理を実行する位相変調部を含み、各選択基底による位相変調処理に基づくホモダイン検出処理各々において、少なくとも2つの量子状態の判別を実行する構成であることを特徴とする量子暗号通信装置にある。
さらに、本発明の量子暗号通信装置の一実施態様において、前記位相変調部は、複数の異なる位相変調量として、0°,90°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信装置の一実施態様において、前記位相変調部は、複数の異なる位相変調量として、90°,−30°,−150°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号通信装置の一実施態様において、前記位相変調部は、複数の異なる位相変調量として、0°,45°,90°,135°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の第4の側面は、
量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信システムであり、
量子暗号に基づくデータ送信処理を実行するデータ送信装置であり、
光源と、前記光源からの出力光を分離し、参照光と位相変調部への入力光を生成するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにおいて分離された一方の光に対する位相変調処理を実行する位相変調部と、前記位相変調部において位相変調のなされた変調光の減衰処理を実行し信号光を生成する減衰部とを有し、前記位相変調部は、2π/M(ただしMはM≧2の整数)の整数倍からランダムに選択された位相変調量に相当する位相変調処理を実行する構成を有するデータ送信装置と、
量子暗号処理データの受信処理を実行するデータ受信装置であり、
量子暗号処理データに対するホモダイン検出処理を実行するホモダイン検出部を有し、
前記ホモダイン検出部は、受信信号に対して、複数の異なる基底としての位相変調量をランダムに選択した位相変調処理を実行する位相変調部を含み、
各選択基底による位相変調処理に基づくホモダイン検出処理各々において、少なくとも2つの量子状態の判別を実行する構成を有するデータ受信装置と、
から構成されることを特徴とする量子暗号通信システムにある。
さらに、本発明の第5の側面は、
量子暗号に基づくデータ生成処理を実行する量子暗号データ生成方法であり、
光源からの出力光を分離し、参照光と位相変調部への入力光を生成し、一方の光に対する位相変調処理を実行する位相変調ステップと、
前記位相変調ステップにおいて位相変調のなされた変調光の減衰処理を実行し信号光を生成する減衰ステップとを有し、
前記位相変調ステップは、
2π/M(ただしMはM≧2の整数)の整数倍からランダムに選択された位相変調量に相当する位相変調処理を実行するステップであることを特徴とする量子暗号データ生成方法にある。
さらに、本発明の量子暗号データ生成方法の一実施態様において、前記位相変調ステップは、45°,135°,225°,315°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号データ生成方法の一実施態様において、前記位相変調ステップは、0°,120°,240°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号データ生成方法の一実施態様において、前記位相変調ステップは、0°,60°,120°,180°,240,300°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号データ生成方法の一実施態様において、前記位相変調ステップは、0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号データ生成方法の一実施態様において、前記位相変調ステップは、22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5°,337.5°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の第6の側面は、
量子暗号処理データの受信および検出処理を実行する量子暗号データ検出方法であり、
量子暗号処理データに対するホモダイン検出処理を実行するホモダイン検出ステップを有し、
前記ホモダイン検出ステップは、受信信号に対して、複数の異なる基底としての位相変調量をランダムに選択した位相変調処理を実行する位相変調ステップを含み、各選択基底による位相変調処理に基づくホモダイン検出処理各々において、少なくとも2つの量子状態の判別を実行することを特徴とする量子暗号データ検出方法にある。
さらに、本発明の量子暗号データ検出方法の一実施態様において、前記位相変調ステップは、複数の異なる位相変調量として、0°,90°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行することを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号データ検出方法の一実施態様において、前記位相変調ステップは、複数の異なる位相変調量として、90°,−30°,−150°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行することを特徴とする。
さらに、本発明の量子暗号データ検出方法の一実施態様において、前記位相変調ステップは、複数の異なる位相変調量として、0°,45°,90°,135°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行することを特徴とする。
本発明は、データ送信装置において、複数の異なる位相変調量を持つ複数の量子状態をランダムに選択した信号列を送信し、データ受信装置において、複数の異なる位相変調量に対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行する検出する量子暗号通信構成において、データ受信側が適用した基底情報としての適用位相変調情報をデータ送信側に通知し、データ送信側において、通知情報に基づいて送信側の設定した複数の異なる量子状態に対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知して情報を共有する構成とした。具体的には、受信側が行った測定の種類に従って、送信側の送信した2π/Mの整数倍各々に対する量子状態に対して、ビット情報を設定し、これらをデータ送受信側で共有し、共有されたビット情報を例えば秘密鍵の構成データとして適用することを可能とした。本発明の構成によれば、例えば、送信側の位相変調量を4状態、受信側の位相変調基底を2基底とした処理例では、信側位相変調量を4状態すべてにビット情報が割り当てられ100%のデータ、すなわち送信側の適用した位相変調量4状態全てが有効なビット情報としてデータ送受信側双方で共有できるなど、より多くの量子状態に対応してビット情報の共有が可能となりデータ送信効率が向上する。また、適用する位相変調処理、すなわち量子状態の増加により盗聴の困難性を高めることが可能となり、安全性が向上する。
以下、本発明の量子暗号通信方法、および量子暗号通信装置、並びに量子暗号通信システムの詳細について説明する。
図8は本発明の量子暗号通信システムの一実施形態を示す図である。データ送信側装置としての量子暗号通信装置100およびデータ受信側装置としての量子暗号通信装置200間で、光ファイバーなどからなる通信路300を介して秘密情報を送信する。送信秘密情報は、例えば共通鍵暗号方式において適用される共有秘密鍵などの秘密情報である。なお、通信路300には光ファイバーもしくは自由空間を用いることができる。自由空間を通信路とするときには、望遠鏡を使用して通信路における光ビームの径を大きくすることにより、光の回折の影響を小さくすることができる。
データ送信側装置としての量子暗号通信装置100は、光源101、ビームスプリッタ102、位相変調器103、鏡104、減衰器105を有する。光源101には半導体レーザーを用いることができる。通信路300に長距離の光ファイバーを用いる場合には、波長1.55μmの半導体レーザーを用いることにより光損失の影響を小さくすることができる。光源はパルス光を発生するように、半導体レーザーへの注入電流をパルス的に変調するか、吸収型光変調器(EAM)を用いる。半導体レーザーとしてはファブリーペロー型を用いることもできるが、DFBレーザーを用いると光源のスペクトル幅を狭くすることができる。
光源101から出た光は、ビームスプリッタ102で分割される。分割される光信号の片方を参照光(L)、もう一方を信号光(S)と呼ぶ。信号光(S)は、位相変調器103により、所定量(例えば45°,135°,225°,315°のいずれかをランダムに選択)の位相変調がなされ、鏡104で反射され、さらに、減衰器105により強度を減少し、典型的な強度が光子1個程度となるようにした後、出力する。一方、参照光(L)の典型的な強度は光子1千万個程度となるようにして出力する。
なお、本発明において、位相変調器103による位相変調処理は、従来の装置における処理とは異なる手法が採用される。この位相変調処理については後段で詳細に説明する。
データ受信側装置としての量子暗号通信装置200は、鏡201、位相変調器202、ビームスプリッタ203、フォトダイオード204,205、減算処理部206、増幅器207、および電圧測定器208を有する。データ受信側装置としての量子暗号通信装置200は、ビームスプリッタ203、フォトダイオード204,205、減算処理部206、増幅器207、および電圧測定器208を用いて、信号光(S)と参照光(L)とに基づく平衡型ホモダイン検出を行う。
ホモダイン検出法は微弱な信号光(S)(平均光子数が1個程度)と比較的強度の強い参照光(L)(典型的な平均光子数は10程度)を重ね合わせて信号光の状態を測定する方法である。量子暗号通信装置200は、信号光(S)および参照光(L)を受信すると、参照光(L)を鏡201を介して位相変調器202に入力し、所定の位相量(例えば0°,90°のいずれかをランダムに選択)の変調処理を施して信号光(S)と参照光(L)との相対的な位相差を変化させる。その後、ビームスプリッタ203によって信号光(S)と参照光(L)とを重ね合わせる。ビームスプリッタ203からの2つの出力光はフォトダイオード204,205に入力され、それぞれ電気信号に変換する。
フォトダイオード204,205には、光波長が可視域もしくは近赤外の場合にはSiを、波長が1.3μm〜1.6μmの場合にはGeもしくはInGaAsを用いることができる。2つのフォトダイオード204,205の出力は、減算処理部206に入力され、差信号が生成される。生成した差信号を増幅器207において増幅し、この出力を電圧測定器208に入力して電圧を測定する。増幅器207にはチャージセンシティブアンプを用い、その典型的な利得は30V/pC(ピコクーロン)なので、差信号に1万個の電子が含まれているときの出力電圧は50mV程度となる。この計測値を規格化して信号光(S)の位相振幅情報を得る。この位相振幅情報に基づいて対応付けられるビット値を通信秘密情報、例えば秘密鍵の構成ビット情報を得る。
以下、量子状態として設定する位相変調量の種類の数に応じて、4状態、6状態、8状態の位相変調量を適用した量子暗号通信処理それぞれの実施例について順次、説明する。
[(1)送信側位相変調量を4状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例]
図8を参照して説明した量子暗号通信システムにおいて、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調処理と、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理の対応を図9を参照して説明する。
図9(a)は、本発明の第1実施例であり、送信側位相変調量を4状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例を示し、送信するコヒーレント状態(レーザ光)の揺らぎの複素表示を示してある。図に示す4つの円は、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調量に対応し、45°変調データ321、135°変調データ322、225°変調データ323、315°変調データ324の4つの変調処理対応データの量子状態(コヒーレント状態)を示している。原点から各円の中心までの距離は、表示するコヒーレント状態の平均の光子数の平方根に比例している。また、2つの円に注目した場合、円の中心と原点をそれぞれ結んでできる2直線がなす角度は、2つのコヒーレント状態の位相差を表す。また、円の大きさは量子状態の持つ揺らぎを表す。
平衡型ホモダイン検出を用いる図8の量子暗号通信システムにおいて、送信側は位相変調器103において{45°,135°,225°,315°}のいずれかの変調をかけた4種類のコヒーレント状態を送信し、受信側は位相変調器202において{0°,90°}いずれかの位相変調を行い、フォトダイオード204,205、増幅器207、電圧測定器208においてホモダイン検出をおこなう。
図9に示すコヒーレント状態表示について、図10を参照して説明する。レーザー光の量子状態がコヒーレント状態であり、コヒーレント状態は、以下に示すウィグナー関数と呼ばれる2次元平面上の関数で表現できる。
W(x,y)=(2/π)exp[−2(x−X)−2(x−Y)
このとき、
α=X+iYを
コヒーレント状態の複素振幅とよぶ。
tanΦ=X/Yとすれば、α=|α|eiΦと書き表せる。
光パルスに位相変調を加えることは、位相Φの値を変化させることに相当し、また、強度変調を加えることはαの大きさ|α|の値を変化させることに相当する。n=|α|は、コヒーレント状態の平均光子数に相当し、パルス光に平均して含まれる光子数を示し、パルス光の強度、エネルギーを表す。
コヒーレント状態は、ウィグナー関数の等高線によって模式的に示すことができる。図10に示すように、ウィグナー関数が定義されている2次元平面において、円351は、揺らぎを考慮したある量子状態の範囲を示す等高線であり、この円351に含まれるコヒーレント状態が|α〉として示される。この円351の中心における位相は、位相=Φ、原点から円351の中心までの距離は、コヒーレント状態の複素振幅の大きさ|α|であり、コヒーレント状態の平均光子数の平方根に比例している。
図9に戻り、本発明の第1実施例であり、送信側位相変調量を4状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例についての説明を続ける。図9(a)に示す4つの円は、本発明の構成において、送信側の送信するコヒーレント状態(レーザ光)の揺らぎの複素表示である。変調データ321〜324に対応する円は、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調量に対応し、各々45°変調データ321、135°変調データ322、225°変調データ323、315°変調データ324の4つの変調処理対応データの量子状態(コヒーレント状態)を示している。原点から各円の中心までの距離は、表示するコヒーレント状態の平均光子数の平方根に比例している。また、2つの円に注目した場合、円の中心と原点をそれぞれ結んでできる2直線がなす角度は、2つのコヒーレント状態の位相差を表す。また、円の大きさは量子状態の持つ揺らぎを表す。
受信側の量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理は、{0°,90°}いずれかの位相変調処理であり、この2つの位相変調処理は、図に示す直行軸X1,X2によって示される基底(受信側位相変調処理)に相当する。すなわち、
0°位相変調処理に相当する基底X1,311
90°位相変調処理に相当する基底X2,312
である。
本明細書では、受信側で適用する観測系を受信側位相変調基底と呼ぶ。本実施例では、受信側位相変調基底は2基底となる。本実施例は、送信側位相変調量を4状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例である。
なお、参考のために、図9(b)に先に図6、図7を参照して説明した従来型のシステムにおける位相変調処理構成を示してある。図9(a)と図9(b)を対比して理解されるように、従来の構成では、送信側の送信側は位相変調器において{0°,90°,180°,270°}のいずれかの変調をかけた4種類のコヒーレント状態を送信し、受信側は位相変調器において{0°,90°}いずれかの位相変調を行い、ホモダイン検出をおこなう構成であるが、本発明の構成における位相変調処理では、送信側は、図9(a)の各円で示すように、図8に示す位相変調器103において{45°,135°,225°,315°}のいずれかの変調をかけた4種類のコヒーレント状態を送信する。受信側は位相変調器202において{0°,90°}いずれかの位相変調を行い、フォトダイオード204,205、増幅器207、電圧測定器208においてホモダイン検出をおこなう。
図9(b)に示す従来構成では、先に説明したように、基底一致の場合にのみ情報の共有が可能となり、送信側の位相変調量(ΦA)と受信側の位相変調量(ΦB)の組み合わせとして、
受信側位相変調量:ΦB=π/2の場合、
送信側位相変調量:ΦA=π/2、3π/2
と、
受信側位相変調量:ΦB=0の場合、
送信側位相変調量:ΦA=0、π
の4通りのみにおいて
情報共有が可能となり、その他の組み合わせでは、基底不一致となり情報が共有できないという状態であった。
本発明の構成では、受信側の位相変調量は、{0°,90°}いずれかであり、従来と変更はないが、送信側の位相変調量は、{45°,135°,225°,315°}のいずれかであり、従来とは異なる。
データ送信側では、送信データとして、有限個の量子状態(コヒーレント状態)として、{45°,135°,225°,315°}を設定し、これらのいずれかをランダムに選択して、選択位相変調量に基づく位相変調処理を、図8を参照して説明したデータ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行して送信する。例えばデータ送信側では、{0,1,2,3}の4種類の数値からなるランダム数列を設定し、0〜3の各数値を、{45°,135°,225°,315°}の各位相変調量に対応付けて、ランダム数列に基づいて変調量を順次決定して変調処理を行って送信するなどの処理が可能である。
一方、データ受信側では、データ送信側から送信されるデータとしての有限個のコヒーレント状態を観測する処理を行なうことになる。観測処理は、
a)観測系として複数の基底、すなわち位相変調量{0°,90°}の基底(受信側適用位相変調処理)を設定
b)設定した複数の観測系、すなわち位相変調量{0°,90°}の基底をランダムに選択して、ホモダイン検出処理を実行
上述の観測処理は、図8を参照して説明したデータ受信側装置としての量子暗号通信装置200の位相変調器202においてランダムに選択した複数の基底(異なる複数の位相変調処理)を適用し、ホモダイン検出による検出処理として実行される。
さらに、データ受信側は、測定態様情報として、適用した観測系、すなわち適用基底(受信側適用位相変調処理)情報をデータ送信側に通知し、データ送信側は、受信側において適用した位相変調処理に応じて、送信した複数の量子状態(コヒーレント状態)、すなわち、データ送信側で適用した{45°,135°,225°,315°}に相当する4種類の量子状態(コヒーレント状態)各々に対して、ビット値を割り当てて、この割り当て情報をデータ受信側に通知する。
本実施例の構成では、受信側が変調量0°(位相振幅のX1)で測定した場合、送信側は{45°,315°}のコヒーレント状態をビット1、{135°,225°}のコヒーレント状態をビット0としてビット値を割り振る。すなわち、受信側が図9(a)に示す0°位相変調処理X1,311を適用した測定を行なった場合は、送信側は、45°変調データ321と、315°変調データ324の2つの態様のコヒーレント状態をビット1とし、残りの135°変調データ322と、225°変調データ323の2つの態様のコヒーレント状態をビット0とする。
送信側は、受信側からの測定態様情報をデータ送信後に受け取り、受信側において適用した位相変調処理に応じて、上述のようなビット割り振りを行なう、なお、上述のビット0と1の割り振り例は一例であり、上述の割り振りの逆の態様での割り振り処理を行ってもよい。
このように受信側が行った測定の種類に従って、4つの状態のそれぞれに2種類のビット値を割り振るという符号化を行うことで、送信側と受信側の基底の不一致によって送信側と受信側で共有できなくなる情報、例えば、共有秘密鍵に貢献しない情報をゼロとすることができる。
図11を参照して、本発明の構成における量子暗号法における符号化効率について説明する。図11(1)は、受信側が変調量0°(位相振幅のX1)で測定した場合の例であり、円321〜324は、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調量に対応し、各々45°変調データ321、135°変調データ322、225°変調データ323、315°変調データ324の4つの変調処理対応データを示している。受信側が変調量0°(位相振幅のX1)で測定した場合、
45°変調データ321=ビット1
315°変調データ324=ビット1
としてビット値が対応付けられ、
135°変調データ322=ビット0、
225°変調データ323=ビット0、
としてビット値が対応付けられる。
図11(2)は、受信側が変調量90°(位相振幅のX2)で測定した場合の例であり、この場合、
45°変調データ321=ビット1
135°変調データ322=ビット1、
としてビット値が対応付けられ、
225°変調データ323=ビット0、
315°変調データ324=ビット0
としてビット値が対応付けられる。
この状態別の対応を示したのが、図11(3)の表である。図11(3)に示す表において、上段から順に(A)データ送信側位相変調量(ΦA)、(B)データ受信側位相変調量(ΦB)、(C)共有ビット、(D)共有可能情報率の各データを示している。
(A)データ送信側位相変調量(ΦA)は、図11(1)(2)に示す送信側の位相変調処理によって得られる4つの変調信号、すなわち45°変調データ321、135°変調データ322、225°変調データ323、315°変調データ324の4つの変調処理データを示している。
(B)データ受信側位相変調量(ΦB)は、図11(1)(2)に示す受信側の観測系として適用される2つの位相変調量、すなわち、
位相変調量=0°
位相変調量=90°
のいずれかである。
送信側で任意に4つの位相変調信号(ΦA=45°,135°,225°,315°)をランダムに選択し、受信側においても2つの観測系としての2つの位相変調量(ΦB=0°,90°)をランダムに選択した場合、図11(3)に示す8通りの組み合わせが均等に発生することになる。
図11(3)の(C)は、送信側と受信側で共有することとなるビット情報を示している。前述したように、受信側の観測系に応じてビット値の対応を変更しており、8種類の全ての組み合わせにおいてビット値共有を可能としている。すなわち、送信側の4つ種類の位相変調と受信側の2種類の位相変調による全ての8種類の全ての組み合わせにおいてビット値共有が可能となり、(D)に示すように共有可能情報率は100%とすることができる。
なお、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200では、図12に示すように、信号を区分して判別する。すなわち、判別用の信号として適用するデータは、データ送信側位相変調量(ΦA)とデータ受信側位相変調量(ΦB)の差分データ、
Φ=|ΦA−ΦB|
であり、
Φ=0、またはΦ=πのいずれかの検出信号を得ることで、ビット値判別が可能となる。なお、図12示すように、しきい値(X0,−X0)を定め,観測した値としきい値をもとにビット値の決定および共有を行なう。
[(2)送信側位相変調量を3状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例]
次に、図8を参照して説明した量子暗号通信システムにおいて、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調処理と、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理の第2実施例として、送信側位相変調量を3状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例について説明する。
図13に、送信側から送信するコヒーレント状態(レーザ光)の揺らぎの複素表示を示す。図13に示す3つの円で示す変調データ401〜403は、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調量に対応し、それぞれ0°変調データ401、120°変調データ402、240°変調データ403の3つの変調処理対応データの量子状態(コヒーレント状態)を示している。原点から各円の中心までの距離は、表示するコヒーレント状態の光子数の平方根に比例している。また、円の大きさは量子状態の持つ揺らぎを表す。
受信側の量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理は、{90°,−30°,−150°}いずれかの位相変調処理であり、この3つの位相変調処理は、図に軸として示す基底(受信側位相変調処理)421(ΦB=90°)、基底(受信側位相変調処理)422(ΦB=−30°)、基底(受信側位相変調処理)423(ΦB=−150°)に相当する。
平衡型ホモダイン検出を用いる図8の量子暗号通信システムにおいて、送信側は位相変調器103において{0°,120°,240°}のいずれかの変調をかけた3種類のコヒーレント状態をランダムに選択して送信し、受信側は位相変調器202において{90°,−30°,−150°}いずれかの位相変調量に対応する基底をランダムに選択して位相変調行い、フォトダイオード204,205、増幅器207、電圧測定器208においてホモダイン検出をおこなう。
さらに、データ受信側は、測定態様情報として、適用した観測系、すなわち適用基底(受信側適用位相変調処理)情報をデータ送信側に通知し、データ送信側は、受信側において適用した位相変調処理に応じて、送信した複数の量子状態(コヒーレント状態)、すなわち、データ送信側で適用した{0°,120°,240°}に相当する各量子状態(コヒーレント状態)各々に対して、ビット値を割り当てて、この割り当て情報をデータ受信側に通知する。
本実施例では、受信側が変調量90°(位相振幅のX2)で測定した場合、送信側は{120°}のコヒーレント状態をビット1、{240°}のコヒーレント状態をビット0としてビット値を割り振る。すなわち、受信側が図13に示す90°位相変調処理軸(ΦB=90°)に相当する基底(受信側位相変調処理)421を適用した測定を行なった場合は、送信側は、120°変調データ402の態様のコヒーレント状態をビット1とし、240°変調データ403のコヒーレント状態をビット0とする。0°変調データ401の態様のコヒーレント状態については、検出不能、すなわち基底不一致として処理する。
また、受信側が変調量−30°で測定、すなわち、図13に示す−30°位相変調処理軸(ΦB=−30°)に相当する基底(受信側位相変調処理)422を適用した測定を行なった場合は、送信側は、0°変調データ401の態様のコヒーレント状態をビット1とし、120°変調データ402のコヒーレント状態をビット0とする。240°変調データ403の態様のコヒーレント状態については、検出不能、すなわち基底不一致として処理する。
さらに、受信側が変調量−150°で測定、すなわち、図13に示す−150°位相変調処理軸(ΦB=−150°)423に相当する基底(受信側位相変調処理)を適用した測定を行なった場合は、送信側は、240°変調データ403の態様のコヒーレント状態をビット1とし、0°変調データ401のコヒーレント状態をビット0とする。120°変調データ402の態様のコヒーレント状態については、検出不能、すなわち基底不一致として処理する。
送信側は、受信側からの測定態様情報をデータ送信後に受け取り、受信側において適用した位相変調処理に応じて、上述のようなビット割り振りを行なう、なお、上述のビット0と1の割り振り例は一例であり、上述の割り振りの逆の態様での割り振り処理を行ってもよい。
このように受信側が行った測定の種類に従って、送信側の送信した3つの量子状態中の2つに異なるビット値を割り振るという符号化を行うことで、3つの量子状態中2つが有効な共有情報として設定可能であり、送信側と受信側の基底の不一致によって送信側と受信側で共有できなくなる情報、例えば、共有秘密鍵に貢献しない情報を1/3に削減することができる。
図14を参照して、本実施例の符号化効率について説明する。図14に示す表において、上段から順に(A)データ送信側位相変調量(ΦA)、(B)データ受信側位相変調量(ΦB)、(C)共有ビット、(D)共有可能情報率の各データを示している。
(A)データ送信側位相変調量(ΦA)は、図13に示す送信側の位相変調処理によって得られる3つの変調信号、すなわち0°変調データ401、120°変調データ402、240°変調データ403の3つの変調処理データを示している。
(B)データ受信側位相変調量(ΦB)は、図13に示す受信側の観測系として適用される3つの位相変調量、すなわち、
位相変調量=90°
位相変調量=−30°
位相変調量=−150°
のいずれかである。
送信側で任意に3つの位相変調信号(ΦB=0°,120°,240°)をランダムに選択し、受信側においても3つの位相変調量(ΦA=90°,−30°,−150°)をランダムに選択した場合、図14に示す9通りの組み合わせが均等に発生することになる。
図14の(C)は、送信側と受信側で共有することとなるビット情報を示している。前述したように、受信側の観測系に応じてビット値の対応を変更しており、9種類中、6個の組み合わせにおいてビット値共有を可能としている。すなわち、送信側の3つ種類の位相変調と受信側の3種類の位相変調による全ての9種類中、6個の組み合わせにおいてビット値共有が可能となり、残りの3個の組み合わせにおいてのみ、基底不一致によりビット値共有が不可となり、(D)に示すように共有可能情報率は2/3とすることができる。
なお、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200では、先に図12を参照して説明したように、信号を区分して判別する。すなわち、判別用の信号として適用するデータは、データ送信側位相変調量(ΦA)とデータ受信側位相変調量(ΦB)の差分データ、
Φ=|ΦA−ΦB|
であり、
Φmod2π=π/6、またはΦmod2π=5π/6のいずれかの検出信号を得ることで、ビット値判別が可能となる。なお、図12示すように、しきい値(X0,−X0)を定め,観測した値としきい値をもとにビット値の決定および共有を行なう。
本実施例においては、図14(D)に示すように、データ送信側と受信側とで、ビット値を共有することの可能性を2/3とすることが可能であり、先に、図6、図7を参照して説明した1/2の有効情報率を向上させることが可能となる。このように受信側の測定の種類に従って、3つの状態のそれぞれに2種類のビット値を割り振るという符号化を行うことで、基底の不一致により秘密鍵に寄与しない測定結果は全体の1/3となる。つまり、全体の2/3は秘密鍵の生成に貢献し、従来の方法よりも効率が向上する。
[(3)送信側位相変調量を6状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例]
次に、図8を参照して説明した量子暗号通信システムにおいて、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調処理と、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理の第3実施例として、送信側位相変調量を6状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例について説明する。
図15に、送信側から送信するコヒーレント状態(レーザ光)の揺らぎの複素表示を示す。図15に示す6つの円431〜436は、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調量に対応し、それぞれ0°変調データ431、60°変調データ432、120°変調データ433、180°変調データ434、240°変調データ435、300°変調データ436の6つの変調処理対応データに相当する量子状態(コヒーレント状態)を示している。原点から各円の中心までの距離は、表示するコヒーレント状態の光子数の平方根に比例している。また、円の大きさは量子状態の持つ揺らぎを表す。
受信側の量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理は、{90°,−30°,−150°}いずれかの位相変調処理であり、この3つの位相変調処理は、図に軸として示す基底(受信側位相変調処理)441(ΦB=90°)、基底(受信側位相変調処理)442(ΦB=−30°)、基底(受信側位相変調処理)443(ΦB=−150°)に相当する。
平衡型ホモダイン検出を用いる図8の量子暗号通信システムにおいて、送信側は位相変調器103において{0°,60°,120°,180°,240,300°}のいずれかの変調をかけた6種類のコヒーレント状態をランダムに選択して送信し、受信側は位相変調器202において{90°,−30°,−150°}いずれかの位相変調量に対応する基底をランダムに選択して位相変調行い、フォトダイオード204,205、増幅器207、電圧測定器208においてホモダイン検出をおこなう。
さらに、データ受信側は、測定態様情報として、適用した観測系、すなわち適用基底(受信側適用位相変調処理)情報をデータ送信側に通知し、データ送信側は、受信側において適用した位相変調処理に応じて、送信した複数の量子状態(コヒーレント状態)、すなわち、データ送信側で適用した{0°,60°,120°,180°,240,300°}に相当する各量子状態(コヒーレント状態)各々に対して、ビット値を割り当てて、この割り当て情報をデータ受信側に通知する。
本実施例では、受信側が変調量90°(位相振幅のX2)で測定した場合、送信側は{60°,120°}のコヒーレント状態をビット1、{240°、300°}のコヒーレント状態をビット0としてビット値を割り振る。すなわち、受信側が図13に示す90°位相変調処理軸(ΦB=90°)に相当する基底(受信側位相変調処理)441を適用した測定を行なった場合は、送信側は、60°変調データ432と、120°変調データ433の2つの態様のコヒーレント状態をビット1とし、240°変調データ435と、300°変調データ436の2つのコヒーレント状態をビット0とする。0°変調データ431と、180°変調データ434の態様のコヒーレント状態については、検出不能、すなわち基底不一致として処理する。
また、受信側が変調量−30°で測定、すなわち、図15に示す−30°位相変調処理軸(ΦB=−30°)に相当する基底(受信側位相変調処理)442を適用した測定を行なった場合は、送信側は、0°変調データ431、300°変調データ436の態様のコヒーレント状態をビット1とし、120°変調データ433、180°変調データ434のコヒーレント状態をビット0とする。60°変調データ432と、240°変調データ435の態様のコヒーレント状態については、検出不能、すなわち基底不一致として処理する。
さらに、受信側が変調量−150°で測定、すなわち、図15に示す−150°位相変調処理軸(ΦB=−150°)に相当する基底(受信側位相変調処理)443を適用した測定を行なった場合は、送信側は、180°変調データ434、240°変調データ435の態様のコヒーレント状態をビット1とし、0°変調データ431と、60°変調データ432のコヒーレント状態をビット0とする。120°変調データ433、300°変調データ436の態様のコヒーレント状態については、検出不能、すなわち基底不一致として処理する。
送信側は、受信側からの測定態様情報をデータ送信後に受け取り、受信側において適用した位相変調処理に応じて、上述のようなビット割り振りを行なう、なお、上述のビット0と1の割り振り例は一例であり、上述の割り振りの逆の態様での割り振り処理を行ってもよい。
このように受信側が行った測定の種類に従って、送信側の送信した6つの量子状態中の4つにそれぞれビット値を割り振るという符号化を行うことで、6つの量子状態中4つが有効な共有情報として設定可能であり、送信側と受信側の基底の不一致によって送信側と受信側で共有できなくなる情報、例えば、共有秘密鍵に貢献しない情報を1/3に削減することができる。
図16を参照して、本実施例の符号化効率について説明する。図16に示す表において、上段から順に(A)データ送信側位相変調量(ΦA)、(B)データ受信側位相変調量(ΦB)、(C)共有ビット、(D)共有可能情報率の各データを示している。
(A)データ送信側位相変調量(ΦA)は、図15に示す送信側の位相変調処理によって得られる6つの変調信号、すなわち0°変調データ431、60°変調データ432、120°変調データ433、180°変調データ434、240°変調データ435、300°変調データ436、の6つの変調処理データを示している。
(B)データ受信側位相変調量(ΦB)は、図15に示す受信側の観測系として適用される3つの位相変調量、すなわち、
位相変調量=90°
位相変調量=−30°
位相変調量=−150°
のいずれかである。
送信側で任意に6つの位相変調信号(ΦB=0°,60°,120°,180°,240,300°)をランダムに選択し、受信側においても3つの位相変調量(ΦA=90°,−30°,−150°)をランダムに選択した場合、図16に示す18通りの組み合わせが均等に発生することになる。
図16の(C)は、送信側と受信側で共有することとなるビット情報を示している。前述したように、受信側の観測系に応じてビット値の対応を変更しており、18種類中、12個の組み合わせにおいてビット値共有を可能としている。すなわち、送信側の6つ種類の位相変調と受信側の3種類の位相変調による全ての18種類中、12個の組み合わせにおいてビット値共有が可能となり、残りの6個の組み合わせにおいてのみ、基底不一致によりビット値共有が不可となり、(D)に示すように共有可能情報率は2/3とすることができる。
なお、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200では、先に図12を参照して説明したように、信号を区分して判別する。すなわち、判別用の信号として適用するデータは、データ送信側位相変調量(ΦA)とデータ受信側位相変調量(ΦB)の差分データ、
Φ=|ΦA−ΦB|
であり、
Φmodπ=π/6、またはΦmodπ=5π/6のいずれかの検出信号を得ることで、ビット値判別が可能となる。なお、図12示すように、しきい値(X0,−X0)を定め,観測した値としきい値をもとにビット値の決定および共有を行なう。
本実施例においては、図16(D)に示すように、データ送信側と受信側とで、ビット値を共有することの可能性を2/3とすることが可能であり、先に、図6、図7を参照して説明した1/2の有効情報率を向上させることが可能となる。
[(4)送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例]
次に、図8を参照して説明した量子暗号通信システムにおいて、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調処理と、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理の第4実施例として、送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例について説明する。
図17に、送信側から送信するコヒーレント状態(レーザ光)の揺らぎの複素表示を示す。図17に示す8つの円521〜528は、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調量に対応し、それぞれ0°変調データ521、45°変調データ522、90°変調データ523、135°変調データ524、180°変調データ525、225°変調データ526、270°変調データ527、315°変調データ528の8つの変調処理対応データに対応する量子状態(コヒーレント状態)を示している。原点から各円の中心までの距離は、表示するコヒーレント状態の光子数の平方根に比例している。また、円の大きさは量子状態の持つ揺らぎを表す。
受信側の量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理は、{0°,90°}いずれかの位相変調処理であり、この2つの位相変調処理は、図に示す軸x1(ΦB=0°)に相当する基底(受信側位相変調処理)541、基底(受信側位相変調処理)x2(ΦB=90°)542に相当する。
原点から各円の中心までの距離は、各コヒーレント状態の平均光子数の平方根に相当するが、本例では、8つの変調データ中、0°変調データ521、90°変調データ523、180°変調データ525、270°変調データ527の4つの変調データの原点からの距離と、45°変調データ522、135°変調データ524、225°変調データ526、315°変調データ528の4つの変調処理対応データの原点からの距離が異なり、これらのコヒーレント状態は2つの異なる平均光子数に設定することが必要となる。
従って、データ送信側の量子暗号通信装置100は、図17に示す8つのコヒーレント状態を生成するための構成として、光子数を変更するための構成を持つことが必要となる。図18を参照して、図17に示す8つのコヒーレント状態を生成する量子暗号通信装置600の構成について説明する。
図18(A)に示す量子暗号通信装置600は、先に図8を参照してデータ送信側の量子暗号通信装置100と異なり、位相変調器103の後段にアッテネータ601を有する点である。アッテネータ601は、信号光(S)を含む光信号の位相変調器103による位相変調処理後の信号の光強度、具体的には光子数を調整する処理を実行する。すなわち、図18(B)に示す8つのコヒーレント状態を設定するための調整処理を実行する。
具体的には、図18(C)に示すように、位相変調器103の位相変調量が、
0°,90°,180°,270°の場合は、1/2倍とする光子数調整を実行し、
45°,135°,225°,315°の場合は、1倍(処理なし)とする光子数調整を実行する。これらの結果として、図18(B)、すなわち図17に示す8つのコヒーレント状態が設定される。
このような位相変調および強度(光子数)変調を実行した信号光と参照光とが送信される。データ受信側の構成は、図8に示す構成と同様の構成である。本実施例において、送信側は位相変調器103において{0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°}のいずれかの変調をかけ、またアッテネータ601において強度(光子数)変調を施した8種類のコヒーレント状態をランダムに選択して送信し、受信側は位相変調器202(図8参照)において{0°,90°}いずれかの位相変調量に対応する基底をランダムに選択して位相変調行い、フォトダイオード204,205、増幅器207、電圧測定器208においてホモダイン検出をおこなう。
さらに、データ受信側は、測定態様情報として、適用した観測系、すなわち適用基底(受信側適用位相変調処理)情報をデータ送信側に通知し、データ送信側は、受信側において適用した位相変調処理に応じて、送信した複数の量子状態(コヒーレント状態)、すなわち、データ送信側で適用した{0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°}に相当する各量子状態(コヒーレント状態)各々に対して、ビット値を割り当てて、この割り当て情報をデータ受信側に通知する。
本実施例では、受信側が図17に示す0°位相変調処理軸(ΦB=0°)に相当する基底(受信側位相変調処理)541を適用した測定を行なった場合は、送信側は、0°変調データ521と、45°変調データ522と、315°変調データ528の3つの態様のコヒーレント状態をビット1とし、135°変調データ524と、180°変調データ525と、225°変調データ526の3つのコヒーレント状態をビット0とする。90°変調データ523と、270°変調データ527の態様のコヒーレント状態については、検出不能、すなわち基底不一致として処理する。
また、受信側が図17に示す90°位相変調処理軸(ΦB=90°)に相当する基底(受信側位相変調処理)542を適用した測定を行なった場合は、送信側は、45°変調データ522、90°変調データ523と、135°変調データ524の態様のコヒーレント状態をビット1とし、225°変調データ526と、270°変調データ527と、315°変調データ528のコヒーレント状態をビット0とする。0°変調データ521と、180°変調データ525の態様のコヒーレント状態については、検出不能、すなわち基底不一致として処理する。
送信側は、受信側からの測定態様情報をデータ送信後に受け取り、受信側において適用した位相変調処理に応じて、上述のようなビット割り振りを行なう、なお、上述のビット0と1の割り振り例は一例であり、上述の割り振りの逆の態様での割り振り処理を行ってもよい。
このように受信側が行った測定の種類に従って、送信側の送信した8つの量子状態中の6つにそれぞれビット値を割り振るという符号化を行うことで、8つの量子状態中6つが有効な共有情報として設定可能であり、送信側と受信側の基底の不一致によって送信側と受信側で共有できなくなる情報、例えば、共有秘密鍵に貢献しない情報を1/4に削減することができる。
図19を参照して、本実施例の符号化効率について説明する。図19に示す表において、上段から順に(A)データ送信側位相変調量(ΦA)、(B)データ受信側位相変調量(ΦB)、(C)共有ビット、(D)共有可能情報率の各データを示している。
(A)データ送信側位相変調量(ΦA)は、図17に示す送信側の位相変調処理によって得られる8つの変調信号、すなわち0°変調データ521、45°変調データ522、90°変調データ523、135°変調データ524、180°変調データ525、225°変調データ526、270°変調データ527、315°変調データ528の8つの変調処理データを示している。
(B)データ受信側位相変調量(ΦB)は、図17に示す受信側の観測系として適用される2つの位相変調量、すなわち、
位相変調量=0°
位相変調量=90°
のいずれかである。
送信側で任意に8つの位相変調信号(ΦB=0°,45°,90°,135°,180°,225°,270,315°)をランダムに選択し、受信側においても2つの位相変調量(ΦA=0°,90°)をランダムに選択した場合、図19に示す16通りの組み合わせが均等に発生することになる。
図19の(C)は、送信側と受信側で共有することとなるビット情報を示している。前述したように、受信側の観測系に応じてビット値の対応を変更しており、16種類中、12個の組み合わせにおいてビット値共有を可能としている。すなわち、送信側の8つ種類の位相変調と受信側の2種類の位相変調による全ての16種類中、12個の組み合わせにおいてビット値共有が可能となり、残りの4個の組み合わせにおいてのみ、基底不一致によりビット値共有が不可となり、(D)に示すように共有可能情報率は3/4とすることができる。
なお、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200では、先に図12を参照して説明したように、信号を区分して判別する。すなわち、判別用の信号として適用するデータは、データ送信側位相変調量(ΦA)とデータ受信側位相変調量(ΦB)の差分データ、
Φ=|ΦA−ΦB|
であり、
Φmodπ=0、π/4、またはΦmodπ=3π/4のいずれかの検出信号を得ることで、ビット値判別が可能となる。なお、図12示すように、しきい値(X0,−X0)を定め,観測した値としきい値をもとにビット値の決定および共有を行なう。
本実施例においては、図19(D)に示すように、データ送信側と受信側とで、ビット値を共有することの可能性を3/4とすることが可能であり、先に、図6、図7を参照して説明した1/2の有効情報率を向上させることが可能となる。
[(5)送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を4基底とした処理例]
次に、送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を4基底とした処理例について説明する。上述した実施例で説明した送信側適用位相変調量を8状態とした構成と同様、送信側位相変調量を8状態とするが、本実施例は、光子数の調整、すなわち強度変調処理を行わない構成例である。本例は、図8を参照して説明した量子暗号通信システムに変更を加えることなく実施可能となる。
図20に、送信側から送信するコヒーレント状態(レーザ光)の揺らぎの複素表示を示す。図20に示す8つの円601〜608は、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調量に対応し、それぞれ22.5°変調データ601、67.5°変調データ602、112.5°変調データ603、157.5°変調データ604、202.5°変調データ605、247.5°変調データ606、292.5°変調データ607、337.5°変調データ628の8つの変調処理対応データに対応する量子状態(コヒーレント状態)を示している。原点から各円の中心までの距離は、表示するコヒーレント状態の平均光子数の平方根に比例している。また、円の大きさは量子状態の持つ揺らぎを表す。
受信側の量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理は、{0°,45°,90°,135°}いずれかの位相変調処理であり、この4つの位相変調処理は、図に軸として示す基底(受信側位相変調処理)x1(ΦB=0°)621、基底(受信側位相変調処理)x1/2(ΦB=45°)622、基底(受信側位相変調処理)x2(ΦB=90°)623、基底(受信側位相変調処理)x3/2(ΦB=135°)624に相当する。本実施例では原点から各円の中心までの距離は、すべて等しく設定され、これらのコヒーレント状態は同一の光子数とすることが可能でありアッテネータは不要である。
本実施例において、送信側は位相変調器103において{22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5°,337.5°}のいずれかの変調をかけた8種類のコヒーレント状態をランダムに選択して送信し、受信側は位相変調器202(図8参照)において{0°,45°,90°,135°}いずれかの位相変調量に対応する基底をランダムに選択して位相変調を行い、フォトダイオード204,205、増幅器207、電圧測定器208においてホモダイン検出をおこなう。
さらに、データ受信側は、測定態様情報として、適用した観測系、すなわち適用基底(受信側適用位相変調処理)情報をデータ送信側に通知し、データ送信側は、受信側において適用した位相変調処理に応じて、送信した複数の量子状態(コヒーレント状態)、すなわち、データ送信側で適用した{22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5°,337.5°}に相当する各量子状態(コヒーレント状態)各々に対して、ビット値を割り当てて、この割り当て情報をデータ受信側に通知する。
本実施例では、受信側が図20に示す0°位相変調処理軸(ΦB=0°)に相当する基底(受信側位相変調処理)621を適用した測定を行なった場合は、送信側は、22.5°変調データ601、67.5°変調データ602、292.5°変調データ607、337.5°変調データ608の4つの態様のコヒーレント状態をビット1とし、112.5°変調データ603、157.5°変調データ604、202.5°変調データ605、247.5°変調データ606の4つのコヒーレント状態をビット0とする。
また、受信側が図20に示す45°位相変調処理軸(ΦB=45°)に相当する基底(受信側位相変調処理)622を適用した測定を行なった場合は、送信側は、22.5°変調データ601、67.5°変調データ602、112.5°変調データ603、337.5°変調データ608の4つの態様のコヒーレント状態をビット1とし、157.5°変調データ604、202.5°変調データ605、247.5°変調データ606、292.5°変調データ607、の4つのコヒーレント状態をビット0とする。
また、受信側が図20に示す90°位相変調処理軸(ΦB=90°)に相当する基底(受信側位相変調処理)623を適用した測定を行なった場合は、送信側は、22.5°変調データ601、67.5°変調データ602、112.5°変調データ603、157.5°変調データ604の2つの態様のコヒーレント状態をビット1とし、202.5°変調データ605、247.5°変調データ606、292.5°変調データ607、337.5°変調データ608の4つのコヒーレント状態をビット0とする。
さらに、受信側が図20に示す135°位相変調処理軸(ΦB=135°)に相当する基底(受信側位相変調処理)624を適用した測定を行なった場合は、送信側は、67.5°変調データ602、112.5°変調データ603、157.5°変調データ604、202.5°変調データ605の4つの態様のコヒーレント状態をビット1とし、22.5°変調データ601、247.5°変調データ606、292.5°変調データ607、337.5°変調データ608の4つのコヒーレント状態をビット0とする。
送信側は、受信側からの測定態様情報をデータ送信後に受け取り、受信側において適用した位相変調処理に応じて、上述のようなビット割り振りを行なう、なお、上述のビット0と1の割り振り例は一例であり、上述の割り振りの逆の態様での割り振り処理を行ってもよい。
このように受信側が行った測定の種類に従って、送信側の送信した8つの量子状態中の8つ全てにそれぞれビット値を割り振るという符号化を行うことで、すべての量子状態を有効な共有情報として設定可能となる。送信側と受信側の基底の不一致によって送信側と受信側で共有できなくなる情報、例えば、共有秘密鍵に貢献しない情報をゼロとすることができる。
図21を参照して、本実施例の符号化効率について説明する。図21に示す表において、上段から順に(A)データ送信側位相変調量(ΦA)、(B)データ受信側位相変調量(ΦB)、(C)共有ビット、(D)共有可能情報率の各データを示している。
(A)データ送信側位相変調量(ΦA)は、図20に示す送信側の位相変調処理によって得られる8つの変調信号、すなわち22.5°変調データ601、67.5°変調データ602、112.5°変調データ603、157.5°変調データ604、202.5°変調データ605、247.5°変調データ606、292.5°変調データ607、337.5°変調データ608の8つの変調処理データを示している。
(B)データ受信側位相変調量(ΦB)は、図20に示す受信側の観測系として適用される4つの位相変調量、すなわち、
位相変調量=0°
位相変調量=45°
位相変調量=90°
位相変調量=135°
のいずれかである。
送信側で任意に8つの位相変調信号(ΦB=22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5,337.5°)をランダムに選択し、受信側においても4つの位相変調量(ΦA=0°,45°,90°,135°)をランダムに選択した場合、図21に示す32通りの組み合わせが均等に発生することになる。
図21の(C)は、送信側と受信側で共有することとなるビット情報を示している。前述したように、受信側の観測系に応じてビット値の対応を変更しており、32種類全組み合わせにおいてビット値共有を可能としている。すなわち、送信側の8つ種類の位相変調と受信側の4種類の位相変調による全32種類中、全組み合わせにおいてビット値共有が可能となり、(D)に示すように共有可能情報率は100%とすることができる。共有秘密情報に貢献しない情報をゼロとすることができる上、状態と測定法が増えるため、盗聴者の攻撃法がより複雑になり、盗聴の困難性を増加させることが可能であり、盗聴される可能性が従来手法より低くなることで、安全性が向上する。
[(6)適用位相変調量をN状態とした一般化処理例]
上述した実施例においては、
(1)送信側位相変調量を4状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例
(2)送信側位相変調量を3状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例
(3)送信側位相変調量を6状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例
(4)送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例
(5)送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を4基底とした処理例
の各実施例について説明してきた。しかし、本発明の適用は、これらの各実施例に限定されるものではなく、他にも様々な態様が設定可能である。以下、これらの処理例について説明する。
(A)送信側位相変調量を4N状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例
図8を参照して説明した量子暗号通信システムにおいて、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調処理と、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理各々について、送信側位相変調量を4N状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例について説明する。
Nを正の整数(N=1,2,・・・)とする。
データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103は、
j=0,1,・・・,4N−1
からランダムに選択した値jを適用して、
位相変調量:(π/2N)j+(π/4N)
の位相変調処理を実行する。
一方、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200の位相変調器202は、{0°,90°}いずれかの位相変調処理を適用したホモダイン検出を実行する。
本処理例は、たとえばN=1とした場合、先に説明した(1)送信側位相変調量を4状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例に相当する処理となり、先の実施例において図11を参照して説明したように、データ送受信両側において転送データから共有化なビット情報の割り合い、すなわち共有可能情報率を100%とすることが可能となり、無駄な送信データを全く発生させることがない。
(B)送信側位相変調量を4N状態、受信側位相変調基底を2N基底とした処理例
図8を参照して説明した量子暗号通信システムにおいて、データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行する位相変調処理と、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200における量子暗号通信装置200の位相変調器202において実行する位相変調処理各々について、送信側位相変調量を4N状態、受信側位相変調基底を2N基底とした処理例について説明する。
Nを正の整数(N=1,2,・・・)とする。
データ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103は、
j=0,1,・・・,4N−1
からランダムに選択した値jを適用して、
位相変調量:(π/2N)j+(π/4N)
の位相変調処理を実行する。
一方、データ受信側装置としての量子暗号通信装置200の位相変調器202は、
k=0,1,・・・,2N−1
からランダムに選択した値kを適用して、
{(π/2N)k°}の位相変調処理を適用したホモダイン検出を実行する。
本処理例は、たとえばN=1とした場合、先に説明した(1)送信側位相変調量を4状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例に相当する処理となり、先の実施例において図11を参照して説明したように、データ送受信両側において転送データから共有化なビット情報の割り合い、すなわち共有可能情報率を100%とすることが可能となり、無駄な送信データを全く発生させることがない。
また、本処理例は、N=2とした場合、先に説明した(5)送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を4基底とした処理例に相当する処理となり、先の実施例において図21を参照して説明したように、データ送受信両側において転送データから共有可能なビット情報の割り合い、すなわち共有可能情報率を100%とすることができ、さらに、転送データのコヒーレント状態と測定法が増えるため、盗聴者の攻撃法がより複雑になり、盗聴の困難性を増加させることが可能であり、盗聴される可能性が従来手法より低くなることで、安全性が向上する。
上述した実施例(1)〜(5)には、上述の(A),(B)の手法によって定義されない処理例も含まれる。本発明の処理構成を、より一般化して定義すると以下のようにまとめることができる。
まず、データ送信側では、送信データとして、有限個の量子状態(コヒーレント状態)を設定する。
有限個の量子状態(コヒーレント状態)の設定処理は、
a)M≧2の整数を選択
b)位相変調量を2π/Mの整数倍からランダムに選択
c)上記の選択位相変調量に基づく位相変調処理を図8を参照して説明したデータ送信側装置としての量子暗号通信装置100の位相変調器103において実行して送信する。
以上の処理が、データ送信側の処理となる。なお、先に図17、図18を参照して説明したように、異なる光子数の量子状態(コヒーレント状態)を設定することが必要となる場合は、アッテネータを適用した光子数調整(強度変調)処理を実行する。
一方、データ受信側では、データ送信側から送信されるデータとしての有限個のコヒーレント状態を観測する処理を行なうことになる。観測処理は、
a)観測系として2以上の複数の基底(異なる複数の位相変調処理)を設定
b)設定した複数の観測系をランダムに選択して、ホモダイン検出処理を実行
上述の観測処理は、図8を参照して説明したデータ受信側装置としての量子暗号通信装置200の位相変調器202においてランダムに選択した複数の基底(異なる複数の位相変調処理)を適用し、ホモダイン検出による検出処理として実行される。
さらに、データ受信側は、測定態様情報として、適用した観測系、すなわち適用基底(受信側適用位相変調処理)情報をデータ送信側に通知し、データ送信側は、受信側において適用した位相変調処理に応じて、送信した複数の量子状態(コヒーレント状態)、すなわち、データ送信側で適用した[M:M≧2の整数]に応じた2π/Mの整数倍に相当する複数個の量子状態(コヒーレント状態)各々に対して、ビット値を割り当てて、この割り当て情報をデータ受信側に通知する。ただし、データ受信側において適用した基底(受信側適用位相変調処理)による測定が困難と判定される量子状態は、ビット割り当て対象から排除する処理を行なう。
この処理によって、例えば、上述した処理例各々について、以下の情報共有が可能となる。
(1)送信側位相変調量を4状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例
この処理例では、送信側位相変調量を4状態すべてにビット情報が割り当てられ100%のデータ、すなわち送信側の適用した位相変調量4状態全てが有効なビット情報としてデータ送受信側双方で共有できる(図11参照)。
(2)送信側位相変調量を3状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例
この処理例では、送信側位相変調量3状態中、2/3の量子状態にビット情報が割り当てられ2/3のデータ、すなわち送信側の適用した位相変調量3状態中、2/3が有効なビット情報としてデータ送受信側双方で共有できる(図14参照)。
(3)送信側位相変調量を6状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例
この処理例では、送信側位相変調量6状態中、2/3の量子状態にビット情報が割り当てられ2/3のデータ、すなわち送信側の適用した位相変調量6状態中、2/3が有効なビット情報としてデータ送受信側双方で共有できる(図16参照)。
(4)送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例
この処理例では、送信側位相変調量8状態中、3/4の量子状態にビット情報が割り当てられ3/4のデータ、すなわち送信側の適用した位相変調量8状態中、3/4が有効なビット情報としてデータ送受信側双方で共有できる(図19参照)。
(5)送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を4基底とした処理例
この処理例では、送信側位相変調量8状態中、全ての量子状態にビット情報が割り当てられ、全ての状態が有効なビット情報としてデータ送受信側双方で共有できる(図21参照)。この例では、情報共有率は100%である。また、状態と測定法が増えるため,盗聴者の攻撃法がより複雑になり、盗聴の困難性を増加させることが可能であり、盗聴される可能性が従来手法より低くなり、安全性が向上する。
このように、本発明の構成では、受信側が行った測定の種類に従って、送信側の送信した2π/Mの整数倍各々に対する量子状態に対して、ビット情報が設定され、これらをデータ送受信側で共有し、共有されたビット情報が例えば秘密鍵の構成データとして適用され、より多くの量子状態に対応してビット情報の共有が可能となりデータ送信効率が向上する。また、適用する位相変調処理、すなわち量子状態の増加により盗聴の困難性を高めることが可能となり、安全性が向上する。
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
本発明は、データ送信装置において、複数の異なる位相変調量を持つ複数の量子状態をランダムに選択した信号列を送信し、データ受信装置において、複数の異なる位相変調量に対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行する検出する量子暗号通信構成において、データ受信側が適用した基底情報としての適用位相変調情報をデータ送信側に通知し、データ送信側において、通知情報に基づいて送信側の設定した複数の異なる量子状態に対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知して情報を共有する構成とした。具体的には、受信側が行った測定の種類に従って、送信側の送信した2π/Mの整数倍各々に対する量子状態に対して、ビット情報を設定し、これらをデータ送受信側で共有し、共有されたビット情報を例えば秘密鍵の構成データとして適用することを可能とした。本発明の構成によれば、例えば、送信側の位相変調量を4状態、受信側の位相変調基底を2基底とした処理例では、信側位相変調量を4状態すべてにビット情報が割り当てられ100%のデータ、すなわち送信側の適用した位相変調量4状態全てが有効なビット情報としてデータ送受信側双方で共有できるなど、より多くの量子状態に対応してビット情報の共有が可能となりデータ送信効率が向上する。また、適用する位相変調処理、すなわち量子状態の増加により盗聴の困難性を高めることが可能となり、安全性が向上する。
量子暗号処理を適用した情報通信処理について説明する図(その1)である。 量子暗号処理を適用した情報通信処理について説明する図(その2)である。 量子暗号処理を適用した情報通信処理について説明する図(その3)である。 量子暗号処理を適用した情報通信処理について説明する図(その4)である。 量子暗号処理を適用した情報通信処理について説明する図(その5)である。 従来の量子暗号処理を適用した情報通信処理において有効な情報として共有可能なデータについて説明する図である。 従来の量子暗号処理を適用した情報通信処理において有効な情報として共有可能なデータ、基底の一致、不一致について説明する図である。 本発明に係る量子暗号通信システムの構成を示す図である。 本発明に係る量子暗号通信において、送信側位相変調量を4状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例に対応するデータ送信側位相変調処理と、データ受信側の位相変調処理について説明する図である。 図9に示すコヒーレント状態表示について説明する図である。 送信側位相変調量を4状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例おける符号化効率について説明する図である。 データ受信側の検出処理におけるしきい値を適用したビット判別処理について説明する図である。 本発明に係る量子暗号通信において、送信側位相変調量を3状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例に対応するデータ送信側位相変調処理と、データ受信側の位相変調処理について説明する図である。 送信側位相変調量を3状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例おける符号化効率について説明する図である。 本発明に係る量子暗号通信において、送信側位相変調量を6状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例に対応するデータ送信側位相変調処理と、データ受信側の位相変調処理について説明する図である。 送信側位相変調量を6状態、受信側位相変調基底を3基底とした処理例おける符号化効率について説明する図である。 本発明に係る量子暗号通信において、送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例に対応するデータ送信側位相変調処理と、データ受信側の位相変調処理について説明する図である。 本発明に係る量子暗号通信において、送信側において光子数調整(強度変調)処理を実行する送信装置構成について説明する図である。 送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を2基底とした処理例おける符号化効率について説明する図である。 本発明に係る量子暗号通信において、送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を4基底とした処理例に対応するデータ送信側位相変調処理と、データ受信側の位相変調処理について説明する図である。 送信側位相変調量を8状態、受信側位相変調基底を4基底とした処理例おける符号化効率について説明する図である。
符号の説明
10 送信者
11 変調器
20 受信者
21 観測器
30 通信路
51〜54 量子状態(コヒーレント状態)
71,72 基底
100 量子暗号通信装置
101 光源
102 ビームスプリッタ
103 位相変調器
104 鏡
105 減衰器
200 量子暗号通信装置
201 鏡
202 位相変調器
203 ビームスプリッタ
204,205 フォトダイオード
206 減算処理部
207 増幅器
208 電圧測定器
300 通信路
311,312 基底(受信側位相変調処理)
321〜324 変調データ
351 円
401〜403 変調データ
421〜423 基底(受信側位相変調処理)
431〜436 変調データ
441〜443 基底(受信側位相変調処理)
521〜528 変調データ
541,542 基底(受信側位相変調処理)
601〜608 変調データ
621〜624 基底(受信側位相変調処理)

Claims (32)

  1. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信方法であり、
    データ送信装置において、
    複数の異なる位相変調量を持つ複数の量子状態をランダムに選択した信号列を送信するデータ送信ステップと、
    データ受信装置において、
    前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量に対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行する検出ステップと、
    適用した基底情報としての適用位相変調態様情報をデータ送信側に通知する通知ステップと、
    データ送信装置において、
    データ受信装置から通知された適用位相変調態様情報に応じて、データ送信装置において設定した複数の異なる量子状態に対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知する情報共有ステップと、
    を有する量子暗号通信方法。
  2. 前記データ送信装置におけるデータ送信ステップは、
    有限個の量子状態(コヒーレント状態)の設定処理ステップとして、
    M≧2の整数を選択するステップと、
    位相変調量を2π/Mの整数倍からランダムに選択するステップとを含み、
    選択位相変調量に基づく位相変調処理を実行して送信するステップであることを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信方法。
  3. 前記データ送信装置における情報共有ステップは、
    データ受信装置から通知された適用位相変調態様情報に応じて、データ送信装置において設定した有限個の複数の異なる量子状態に対応するビット値を割り振る処理を実行するとともに、データ受信側において適用した基底(受信側適用位相変調処理)による測定が困難と判定される量子状態を、ビット割り当て対象から排除する処理を行なうステップであることを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信方法。
  4. 前記データ送信装置におけるデータ送信ステップは、さらに、
    複数の異なる量子状態に、平均光子数の異なる量子状態が含まれる場合は、光子数調整(強度変調)処理を実行するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信方法。
  5. データ受信装置における検出ステップは、
    ホモダイン検出処理による検出情報に対するしきい値を設定した信号判別処理を実行するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信方法。
  6. データ送信装置におけるデータ送信ステップは、
    45°,135°,225°,315°のいずれかの位相変調量による変調処理を施した量子状態をランダムに選択した信号列を送信するステップであり、
    データ受信装置における検出ステップは、
    前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量として、0°,90°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行するステップであり、
    データ送信装置における情報共有ステップは、
    データ受信装置から通知された2種類の適用位相変調態様と、データ送信装置において設定した45°,135°,225°,315°の4種類の位相変調量の組み合わせ全8通りに全てに対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知するステップであることを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信方法。
  7. データ送信装置におけるデータ送信ステップは、
    0°,120°,240°のいずれかの位相変調量による変調処理を施した量子状態をランダムに選択した信号列を送信するステップであり、
    データ受信装置における検出ステップは、
    前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量として、90°,−30°,−150°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行するステップであり、
    データ送信装置における情報共有ステップは、
    データ受信装置から通知された3種類の適用位相変調態様と、データ送信装置において設定した0°,120°,240°の3種類の位相変調量の組み合わせ全9通り中、6通りに対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知するステップであることを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信方法。
  8. データ送信装置におけるデータ送信ステップは、
    0°,60°,120°,180°,240,300°のいずれかの位相変調量による変調処理を施した量子状態をランダムに選択した信号列を送信するステップであり、
    データ受信装置における検出ステップは、
    前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量として、90°,−30°,−150°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行するステップであり、
    データ送信装置における情報共有ステップは、
    データ受信装置から通知された3種類の適用位相変調態様と、データ送信装置において設定した0°,60°,120°,180°,240,300°の6種類の位相変調量の組み合わせ全18通り中、12通りに対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知するステップであることを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信方法。
  9. データ送信装置におけるデータ送信ステップは、
    0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°のいずれかの位相変調量による変調処理を施した量子状態をランダムに選択した信号列を送信するステップであり、
    データ受信装置における検出ステップは、
    前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量として、0°,90°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行するステップであり、
    データ送信装置における情報共有ステップは、
    データ受信装置から通知された2種類の適用位相変調態様と、データ送信装置において設定した0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°の8種類の位相変調量の組み合わせ全16通り中、12通りに対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知するステップであることを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信方法。
  10. 前記データ送信装置におけるデータ送信ステップは、さらに、
    0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°の8種類の位相変調量の異なる量子状態の設定において、光子数調整(強度変調)処理を実行するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の量子暗号通信方法。
  11. データ送信装置におけるデータ送信ステップは、
    22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5°,337.5°のいずれかの位相変調量による変調処理を施した量子状態をランダムに選択した信号列を送信するステップであり、
    データ受信装置における検出ステップは、
    前記信号列を受信し、複数の異なる位相変調量として、0°,45°,90°,135°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択して、選択基底によるホモダイン検出処理を実行するステップであり、
    データ送信装置における情報共有ステップは、
    データ受信装置から通知された4種類の適用位相変調態様と、データ送信装置において設定した22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5°,337.5°の8種類の位相変調量の組み合わせ全32通りに、対応するビット値を割り振り、データ受信装置に通知するステップであることを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信方法。
  12. 量子暗号に基づくデータ送信処理を実行する量子暗号通信装置であり、
    光源と、
    前記光源からの出力光を分離し、参照光と位相変調部への入力光を生成するビームスプリッタと、
    前記ビームスプリッタにおいて分離された一方の光に対する位相変調処理を実行する位相変調部と、
    前記位相変調部において位相変調のなされた変調光の減衰処理を実行し信号光を生成する減衰部とを有し、
    前記位相変調部は、
    2π/M(ただしMはM≧2の整数)の整数倍からランダムに選択された位相変調量に相当する位相変調処理を実行する構成であることを特徴とする量子暗号通信装置。
  13. 前記位相変調部は、
    45°,135°,225°,315°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行する構成であることを特徴とする請求項12に記載の量子暗号通信装置。
  14. 前記位相変調部は、
    0°,120°,240°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行する構成であることを特徴とする請求項12に記載の量子暗号通信装置。
  15. 前記位相変調部は、
    0°,60°,120°,180°,240,300°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行する構成であることを特徴とする請求項12に記載の量子暗号通信装置。
  16. 前記位相変調部は、
    0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行する構成であることを特徴とする請求項12に記載の量子暗号通信装置。
  17. 前記位相変調部は、
    22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5°,337.5°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行する構成であることを特徴とする請求項12に記載の量子暗号通信装置。
  18. 量子暗号処理データの受信および検出処理を実行する量子暗号通信装置であり、
    量子暗号処理データに対するホモダイン検出処理を実行するホモダイン検出部を有し、
    前記ホモダイン検出部は、
    受信信号に対して複数の異なる基底としての位相変調量をランダムに選択した位相変調処理を実行する位相変調部を含み、各選択基底による位相変調処理に基づくホモダイン検出処理各々において、少なくとも2つの量子状態の判別を実行する構成であることを特徴とする量子暗号通信装置。
  19. 前記位相変調部は、
    複数の異なる位相変調量として、0°,90°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行する構成であることを特徴とする請求項18に記載の量子暗号通信装置。
  20. 前記位相変調部は、
    複数の異なる位相変調量として、90°,−30°,−150°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行する構成であることを特徴とする請求項18に記載の量子暗号通信装置。
  21. 前記位相変調部は、
    複数の異なる位相変調量として、0°,45°,90°,135°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行する構成であることを特徴とする請求項18に記載の量子暗号通信装置。
  22. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信システムであり、
    量子暗号に基づくデータ送信処理を実行するデータ送信装置であり、
    光源と、前記光源からの出力光を分離し、参照光と位相変調部への入力光を生成するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにおいて分離された一方の光に対する位相変調処理を実行する位相変調部と、前記位相変調部において位相変調のなされた変調光の減衰処理を実行し信号光を生成する減衰部とを有し、前記位相変調部は、2π/M(ただしMはM≧2の整数)の整数倍からランダムに選択された位相変調量に相当する位相変調処理を実行する構成を有するデータ送信装置と、
    量子暗号処理データの受信処理を実行するデータ受信装置であり、
    量子暗号処理データに対するホモダイン検出処理を実行するホモダイン検出部を有し、
    前記ホモダイン検出部は、受信信号に対して、複数の異なる基底としての位相変調量をランダムに選択した位相変調処理を実行する位相変調部を含み、
    各選択基底による位相変調処理に基づくホモダイン検出処理各々において、少なくとも2つの量子状態の判別を実行する構成を有するデータ受信装置と、
    から構成されることを特徴とする量子暗号通信システム。
  23. 量子暗号に基づくデータ生成処理を実行する量子暗号データ生成方法であり、
    光源からの出力光を分離し、参照光と位相変調部への入力光を生成し、一方の光に対する位相変調処理を実行する位相変調ステップと、
    前記位相変調ステップにおいて位相変調のなされた変調光の減衰処理を実行し信号光を生成する減衰ステップとを有し、
    前記位相変調ステップは、
    2π/M(ただしMはM≧2の整数)の整数倍からランダムに選択された位相変調量に相当する位相変調処理を実行するステップであることを特徴とする量子暗号データ生成方法。
  24. 前記位相変調ステップは、
    45°,135°,225°,315°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行するステップであることを特徴とする請求項23に記載の量子暗号データ生成方法。
  25. 前記位相変調ステップは、
    0°,120°,240°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行するステップであることを特徴とする請求項23に記載の量子暗号データ生成方法。
  26. 前記位相変調ステップは、
    0°,60°,120°,180°,240,300°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行するステップであることを特徴とする請求項23に記載の量子暗号データ生成方法。
  27. 前記位相変調ステップは、
    0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行するステップであることを特徴とする請求項23に記載の量子暗号データ生成方法。
  28. 前記位相変調ステップは、
    22.5°,67.5°,112.5°,157.5°,202.5°,247.5°,292.5°,337.5°のいずれかの位相変調量に相当する位相変調処理をランダムに実行するステップであることを特徴とする請求項23に記載の量子暗号データ生成方法。
  29. 量子暗号処理データの受信および検出処理を実行する量子暗号データ検出方法であり、
    量子暗号処理データに対するホモダイン検出処理を実行するホモダイン検出ステップを有し、
    前記ホモダイン検出ステップは、受信信号に対して、複数の異なる基底としての位相変調量をランダムに選択した位相変調処理を実行する位相変調ステップを含み、各選択基底による位相変調処理に基づくホモダイン検出処理各々において、少なくとも2つの量子状態の判別を実行することを特徴とする量子暗号データ検出方法。
  30. 前記位相変調ステップは、
    複数の異なる位相変調量として、0°,90°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行することを特徴とする請求項29に記載の量子暗号データ検出方法。
  31. 前記位相変調ステップは、
    複数の異なる位相変調量として、90°,−30°,−150°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行することを特徴とする請求項29に記載の量子暗号データ検出方法。
  32. 前記位相変調ステップは、
    複数の異なる位相変調量として、0°,45°,90°,135°のいずれかに対応する複数の基底をランダムに選択した位相変調処理を実行することを特徴とする請求項29に記載の量子暗号データ検出方法。
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