JP5170586B2 - Yuen暗号用光送信装置及び受信装置、Yuen暗号光送信方法及び受信方法、並びに暗号通信システム - Google Patents
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Description
上記(図2)の信号配置を用いるYuen暗号は、暗号文単独攻撃に対して情報理論的安全性が保証され、既知平文攻撃に対しては部分的な安全性を持つことが証明されているが、十分とは言えない。Yuen暗号は物理暗号の特徴として、既知平文攻撃を実施する多数の方法の中で、正規受信者と同じ方式の受信機を用いた最も原理的な既知平文攻撃を実施するには少なくとも100億×100億×100億以上の回路要素が必要となる。この数値は将来にわたっても物理的に実現不可能である。このように天文学的な構成要素を持つ回路は実現不可能という条件の下では、その他の既知平文攻撃手法に対する完全な情報理論的安全性の実現可能性は否定されていない。
図4に示した伝送情報データ系列ランダム化装置50の構成を用いて、情報データ系列のランダム化を説明する。本発明の実施形態では以下のように情報データ系列をランダム化する。
すなわち、既知平文攻撃が可能な状況でありながら、平文にあたる情報データと暗号文の対応関係がランダムになり、暗号文単独攻撃と同じ状況になる。上記システムは暗号文単独攻撃に対して情報理論的安全性を持つので、このシステムは既知平文攻撃に対しても完全な情報理論的安全性を持つことになる。
11、41 搬送波発生部
12、42 M−ary強度変調部
13、24、43、64 擬似乱数発生部
14、25、44、65 基底選択制御部
15、46 送信データ発生部
20 光受信装置
21、61 フォトダイオード
22、62 強度判定部
23、63 信号判定部
30、80 光通信路
40 光送信装置(伝送情報データランダム化付き)
50 伝送情報データ系列ランダム化装置
51 伝送情報データ入力部
52 データ系列ブロック化部
53 順序番号付加部
54 電気雑音発生部
55 デジタル化部
56 順序変換部
60 光受信装置(伝送情報データランダム化解除付き)
70 受信データ系列再構築装置
71 順序番号判定部
72 順序再構成部
Claims (5)
- 光強度変調方式によるY−00プロトコルを実装するYuen暗号光送信装置であって、
入力情報を一以上のブロックに分割し、前記ブロックに番号を付加してパケット化し、前記パケットの順番を電気雑音発生器の出力系列を用いてランダム化して並べ替えて送信情報を生成する伝送情報データ系列ランダム化装置と、
初期鍵から擬似乱数列を発生する擬似乱数発生部と、
多数の基底から構成される基底群を保持し、前記擬似乱数列にしたがって当該基底群から1つの基底を選択する基底選択制御部と、
前記選択された1つの基底に対応する2つの光強度を用いて、前記送信情報に基づいた光変調信号を生成する強度光変調部とを備え、
前記基底群を構成する全ての基底において、各基底に対応する2つの光信号の強度は、最大強度と最小強度の中間点を挟んで上と下に値を持ち、
前記中間点の上にある信号群の強度は、前記中間点から十分離れた光強度周辺に集中的に配置され、
前記中間点の下にある信号群の強度は、前記中間点から十分離れた光強度付近に集中的に配置され、
前記中間点の上にある前記信号群及び前記中間点の下にある前記信号群の強度が集中的に配置されるそれぞれの強度の範囲は、前記信号群の強度近傍のエネルギーに比例して出現する量子ショット雑音によって全て隠されるように設定されることを特徴とする
Yuen暗号光送信装置。 - 請求項1に記載の光送信装置から出力される光信号を受信する光受信装置であって、
受信した2値光強度信号の最大受信強度と最小受信強度との中間点を識別しきい値として信号強度を判定して判定値を出力する強度判定部と、
前記判定値に対して、前記光送信装置の前記初期鍵を用いて擬似乱数列を発生する擬似乱数発生部と、
多数の基底から構成される基底群を保持し、前記擬似乱数列にしたがって当該基底群から1つの基底を選択する基底選択制御部と、
前記基底選択制御部により選択された前記基底を用いて情報ビットの0と1を判定する信号判定部と、
前記信号判定部により判定された前記情報ビットからなるデータ系列を前記光送信装置において設定されたブロックの長さにブロック化し、前記ブロックに付加された番号の順序に再構成した受信データ系列を生成する受信データ系列再構築装置と、を備えることを特徴とする
Yuen暗号光受信装置。 - 光強度変調方式によるY−00プロトコルを用いるYuen暗号光送信方法であって、
入力情報を一以上のブロックに分割し、前記ブロックに番号を付加してパケット化し、前記パケットの順番を電気雑音発生器の出力系列を用いてランダム化して並べ替えて送信情報を生成する伝送情報データ系列ランダム化処理と、
初期鍵から擬似乱数列を発生する擬似乱数発生処理と、
多数の基底から構成される基底群を保持し、前記擬似乱数列にしたがって当該基底群から1つの基底を選択する基底選択制御処理と、
前記選択された1つの基底に対応する2つの光強度を用いて、前記送信情報に基づいた光変調信号を生成する強度光変調処理とを含み、
前記基底群を構成する全ての基底において、各基底に対応する2つの光信号の強度は、最大強度と最小強度の中間点を挟んで上と下に値を持ち、
前記中間点の上にある信号群の強度は、前記中間点から十分離れた光強度周辺に集中的に配置され、
前記中間点の下にある信号群の強度は、前記中間点から十分離れた光強度付近に集中的に配置され、
前記中間点の上にある前記信号群及び前記中間点の下にある前記信号群の強度が集中的に配置されるそれぞれの強度の範囲は、前記信号群の強度近傍のエネルギーに比例して出現する量子ショット雑音によって全て隠されるように設定されることを特徴とする、
Yuen暗号光送信方法。 - 請求項3に記載のYuen暗号光送信方法を用いて送信された光信号を受信するYuen暗号光受信方法であって、
受信した2値光強度信号の最大受信強度と最小受信強度との中間点を識別しきい値として信号強度を判定して判定値を出力する強度判定処理と、
前記判定値に対して、前記光送信装置の前記初期鍵を用いて擬似乱数列を発生する擬似乱数発生処理と、多数の基底から構成される基底群を保持し、前記擬似乱数列にしたがって当該基底群から1つの基底を選択する基底選択制御処理と、
前記基底選択制御部により選択された前記基底を用いて情報ビットの0と1を判定する信号判定処理と、
前記信号判定処理により判定された前記情報ビットからなるデータ系列を前記光送信方法において設定されたブロックの長さにブロック化し、前記ブロックに付加された番号の順序に再構成した受信データ系列を生成する受信データ系列再構築処理と、を含む
Yuen暗号光受信方法。 - 光強度変調方式によるY−00プロトコルを実装するYuen暗号通信システムであって、前記Yuen暗号通信システムは、Yuen暗号光送信装置と、Yuen暗号光受信装置とを有し、前記Yuen暗号光送信装置は、
入力情報を一以上のブロックに分割し、前記ブロックに番号を付加してパケット化し、前記パケットの順番を電気雑音発生器の出力系列を用いてランダム化して並べ替えて送信情報を生成する伝送情報データ系列ランダム化装置と、
初期鍵から擬似乱数列を発生する送信機擬似乱数発生部と、
多数の基底から構成される基底群を保持し、前記擬似乱数列にしたがって当該基底群から1つの基底を選択する送信機基底選択制御部と、
前記選択された1つの基底に対応する2つの光強度を用いて、前記送信情報に基づいた光変調信号を生成する強度光変調部とを備え、
前記基底群を構成する全ての基底において、各基底に対応する2つの光信号の強度は、最大強度と最小強度の中間点を挟んで上と下に値を持ち、
前記中間点の上にある信号群の強度は、前記中間点から十分離れた光強度周辺に集中的に配置され、
前記中間点の下にある信号群の強度は、前記中間点から十分離れた光強度付近に集中的に配置され、
前記中間点の上にある前記信号群及び前記中間点の下にある前記信号群の強度が集中的に配置されるそれぞれの強度の範囲は、前記信号群の強度近傍のエネルギーに比例して出現する量子ショット雑音によって全て隠されるように設定され、
前記Yuen暗号光受信装置は、
受信した2値光強度信号の最大受信強度と最小受信強度との中間点を識別しきい値として信号強度を判定して判定値を出力する強度判定部と、
前記判定値に対して、前記光送信装置の前記初期鍵を用いて擬似乱数列を発生する受信機擬似乱数発生部と、
多数の基底から構成される基底群を保持し、前記擬似乱数列にしたがって当該基底群から1つの基底を選択する受信機基底選択制御部と、
前記受信機基底選択制御部により選択された前記基底を用いて情報ビットの0と1を判定する信号判定部と、
前記信号判定部により判定された前記情報ビットからなるデータ系列を前記Yuen暗号光送信装置において設定された前記ブロックの長さにブロック化し、前記ブロックに付加された前記番号の順序に再構成した受信データ系列を生成する受信データ系列再構築装置と、を備える、
Yuen暗号通信システム。
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