JPWO2006018952A1 - 多モード光伝送装置 - Google Patents

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Abstract

光送信回路(2)は、多モード発振光を情報信号で変調し、多モード発振光における少なくとも1つの発振モード光に対して、所定の操作を施した後、光伝送路に送出する。光受信回路(8)は、光伝送路を介して伝送される光信号を受信し、所定の操作と逆の操作を施すことによって、所定の操作を施される前の光信号を復元し、復元した光信号を電気信号に変換して、情報信号を再生する。

Description

本発明は、データを光信号に変換して伝送し、伝送された光信号を受信してデータに変換する光伝送装置に関し、より特定的には、光が物理的性質として備える雑音成分を利用して、正規受信者以外の第三者によるデータの盗み見/盗聴を著しく抑制し、高い秘匿性を有するデータの暗号通信を実現する光伝送装置に関する。
図19は、暗号通信に対応する従来の光伝送装置91の構成を示す図である。図19において、本光伝送装置91は、光源95と、光情報変調部94と、暗号化部93と、光伝送路993と、復号化部98と、光強度検出部97とを備える。光源95と、光情報変調部94と、暗号化部93とによって、光送信回路92が構成される。復号化部98と、光強度検出部97とによって、光受信回路96が構成される。なお、図中には、本光伝送装置91の動作説明のため、傍受者光強度検出部992と、暗号解読部991とを構成要素とする傍受者光受信回路99を併せて示している。
上記のように構成された光伝送装置91について、図19を用いて、その動作を説明する。光送信回路92において、暗号化部93は、光受信回路96内の復号化部98との間で、「暗号鍵」として予め源符号Kiを共有している。暗号化部93は、伝送すべき情報信号Diを源符号Kiを用いて暗号化し、出力する。光情報変調部94は、光源95から出力された光を、暗号化部93から出力された暗号化情報信号によって光変調し、光伝送路993に送出する。光強度検出部97は、光伝送路993を介して伝送される光変調信号を入力して、当該光強度変調成分を検出し、電気信号に変換し、出力する。復号化部98は、源符号Kiを用いて、光強度検出部97からの出力信号を復号化し、情報信号Diを再生する。
以上のような従来の光伝送装置では、送信者と受信者との間で所定の符号を「秘密鍵」として共有する。送信側は、情報信号に対して、当該符号を用いて所定の手順の計算処理を施して暗号化する。伝送後、受信側は、同様の符号を用いて略逆手順の計算処理を施すことで復号化し、元の情報信号を再生する。これにより、「秘密鍵」を保有する正規の受信者以外の第三者による復号化が不可能となり、盗聴を著しく困難とし、秘匿性の高いデータ通信を実現することが可能となる。
特開平9−205420号公報
しかしながら、従来のように、計算処理に基づく従来の暗号通信方式は、電子計算機の発達に伴い、いずれ数学的に解読される危険性を常に含んでおり、高い安全性を長期間保証することができないという課題を有している。即ち、盗聴者側の傍受者光受信回路99は、光伝送路993を伝搬する光信号の一部を分岐して取り出し、正規受信者側の光受信回路96と同等もしくはそれに匹敵する品質の光信号を傍受者光強度検出部992に入力して、電気信号に変換し、暗号解読部991で、元の情報信号Diを復元することができる。暗号解読部991は、主に、高速の計算機等で構成され、「秘密鍵」を所持していなくても、充分な品質の信号が入力しさえすれば、計算処理によって暗号を解読することができる。
それ故に、本発明の目的は、物理的性質(自然現象)として光が備える、予測不能の雑音成分を利用して、計算機処理による解析・解読が不可能な暗号通信を実現することができる光伝送装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明は以下のような特徴と有する。本発明の第1の局面は、伝送すべき情報信号で変調された多モードの光信号を伝送するための多モード光伝送装置であって、多モード発振光を情報信号で変調し、多モード発振光における少なくとも1つの発振モード光に対して、所定の操作を施した後、光伝送路に送出する光送信回路と、光伝送路を介して伝送される光信号を受信し、所定の操作と逆の操作を施すことによって、所定の操作を施される前の光信号を復元し、復元した光信号を電気信号に変換して、情報信号を再生する光受信回路とを備えることを特徴とする。
本発明の第1の局面によれば、多モード発振光における少なくとも1つの発振モード光に対して、所定の操作を施して発振モード光成分間の光強度または光位相の相関関係を変更する。これによって、物理的性質(自然現象)として光が備える、予測不能の雑音成分が発生することとなる。盗聴が行われる場合、傍受者光受信回路が受信する光信号は、上記予測不能の雑音成分によって、信号対雑音比が劣化しているので、光送信回路が送信した光信号を正確に再生することができない。よって、上記予測不能の雑音成分を利用して、計算機処理による解析・解読が不可能な秘匿性の高い暗号通信を実現することができる光伝送装置が提供されることとなる。
本発明の第2の局面において、光送信回路は、所定の操作として、多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作を施して、光伝送路に送出し、光受信回路は、光伝送路を介して伝送される光を受信し、発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作と逆の操作を施すことによって所定の操作を施される前の光信号を復元し、発振モード光の群の総光強度変化を検出し、電気信号に変換して、情報信号を再生するとよい。
本発明の第2の局面により、光送信回路は、多モード発振する光の各発振モード光に対して、所定の操作を施して発振モード光成分間の光強度または光位相の相関関係を変更する。これによって、物理的性質(自然現象)として光が備える、予測不能の雑音成分が発生することとなる。正規の光受信回路と光送信回路とは、発振モード光成分間の光強度または光位相の変更パターンを「秘密鍵」として共有する。光受信回路は、当該秘密鍵に基づいて、光送信回路が施した所定の操作とは逆の関係にある操作を施すことによって、雑音成分を除去する。これにより、光受信回路は、光送信回路が送信した光信号に準じた光スペクトルを有する光信号を再生することができる。盗聴が行われる場合、傍受者光受信回路が受信する光信号は、上記予測不能の雑音成分によって、信号対雑音比が劣化しているので、光送信回路が送信した光信号を正確に再生することができない。よって、上記予測不能の雑音成分を利用して、計算機処理による解析・解読が不可能な秘匿性の高い暗号通信を実現することができる光伝送装置が提供されることとなる。
好ましくは、光送信回路は、多モード発振する光を出力する多モード光源と、多モード光源から出力される光を情報信号で変調し、変調された光信号を出力する光情報変調部と、光情報変調部から出力される光信号を入力し、光信号の複数の発振モード光の群に対して、所定の符号に対応した第1の操作を施し、光伝送路に送出するモード符号化部とを含み、光受信回路は、光伝送路を介して伝送される光信号を入力し、光信号の複数の発振モード光の群に対して、所定の符号に対応した第1の操作と逆の関係にある第2の操作を施し、出力するモード復号化部と、モード復号化部から出力される光信号の総光強度変化を検出し、電気信号に変換して、情報信号を再生する光強度検出部とを含むとよい。
これにより、複数モードで発振する光を構成する各成分に対して、それぞれ独立な操作を施すことで発生する雑音を利用することとなるので、送受信者間では、一意な符号化・復号化操作を共有して、高い受信信号品質を確保すると共に、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
たとえば、モード符号化部における第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の強度変化を与える操作であり、モード復号化部における第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の強度変化と逆の極性を有する強度変化を与える操作であるとよい。
たとえば、モード符号化部における第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の位相変化を与える操作であり、モード復号化部における第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の位相変化と逆の極性を有する位相変化を与える操作であるとよい。
たとえば、モード符号化部における第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の偏向変化を与える操作であり、モード復号化部における第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の偏向変化と逆の極性を有する偏向変化を与える操作であるとよい。
たとえば、モード符号化部における第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の周波数変化を与える操作であり、モード復号化部における第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の周波数変化と逆の極性を有する周波数変化を与える操作であるとよい。
これらにより、複数モードで発振する光を構成する各成分の物理パラメータに対して、それぞれ独立な操作を施すことで発生する雑音を利用することとなるので、送受信者間では、一意な符号化・復号化操作を共有して、高い受信信号品質を確保すると共に、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
好ましくは、多モード光源は、互いに光強度および光位相に相関性を有し、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の強度および/または位相を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
好ましくは、多モード光源は、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、複数光源から出力される光の位相変化を同期させる光位相同期部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の強度を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
好ましくは、多モード光源は、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、複数光源から出力される光の強度変化を同期させる光強度同期部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の位相を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
これらにより、当該光強度変動および光位相変動において互いに相関性を有する多モード光を生成し、当該各光成分に対して、それぞれ独立な操作を施すことで発生する雑音を利用することとなるので、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
たとえば、多モード光源は、LED(Light Emission Diode)であったり、FP(Fabry−Perot)レーザであったり、RC(Resonant Cabity)−LEDであったり、VCSEL(Vertical Cabity Surface Emitting Laser)であったり、SLD(Super Luminescent Diode)であったりする。
これらにより、当該光強度変動および光位相変動において互いに相関性を有する多モード光源を使用し、当該各光成分に対して、それぞれ独立な操作を施すことで発生する雑音を利用することとなるので、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
好ましくは、複数対の光送信回路と光受信回路とを有し、各光送信回路から出力される光信号成分を合成し、光伝送路に送出する光合波部と、光伝送路を介して伝送される光信号成分を分岐し、対応する光受信回路に出力する光分岐部とを備え、光送信回路と光受信回路との各対は、それぞれ、複数の発振モード光の群に対して、互いに異なる所定の符号に対応した第1の操作および第2の操作を施すとよい。
これより、複数モードで発振する光を構成する各成分に対して、それぞれ独立な操作を施すことで発生する雑音を利用することとなるので、複数の送受信者対の間の情報漏洩や干渉を防いで、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
たとえば、光伝送路は、光ファイバ、光導波路、または自由空間であるとよい。
本発明の第3の局面において、光送信回路は、所定の操作として、多モード発振光から所定の発振モード光を抽出して、光伝送路に送出し、光受信回路は、光伝送路を介して伝送される光を受信し、抽出された所定の発振モード光と同一の光もしくは所定の発振モード光に準じた光とを合成した後、自乗検波して、前記情報信号を再生するとよい。
本発明の第3の局面により、多モード発振する光から所定の発振モード光が除去された光が送信され、所定の発振モード光が除去されている光を検波するために、所定の発振モード光と同一の光もしくは所定の発振モード光に準じた光が必要となる。したがって、第三者が盗聴を試みて所定の発振モード光が除去された光を受信した場合、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音(モードパーティションノイズ)が発生することとなり、信号対雑音電力比が著しく劣化し、第三者は、正しく検波することができない。このように、本発明では、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音(モードパーティションノイズ)を利用し、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を提供することができる。
好ましくは、光送信回路は、多モード発振する光を出力する多モード光源と、多モード光源から出力される光を情報信号で変調し、光信号を出力する光情報変調部と、光情報変調部から出力される光信号を入力し、光信号における複数の発振モード光の内、所定の発振モード光を分離して副光伝送路に送出すると共に、光信号における所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を主光伝送路に送出する光分離部とを含み、光受信回路は、主光伝送路を介して伝送される光信号成分と、副光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光とを合成し、自乗検波して、情報信号を再生する光強度検出部を含むとよい。
好ましくは、光送信回路は、多モード発振する光を出力する多モード光源と、多モード光源から出力される光を情報信号で変調し、光信号を出力する光情報変調部と、光情報変調部から出力される光信号を入力し、光信号における複数の発振モード光の内、所定の発振モード光を分離して副光伝送路に送出すると共に、光信号における所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を主光伝送路に送出する光分離部とを含み、光受信回路は、副光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光を入力し、所定の発振モード光に準じた光として、当該発振モード光と物理的性質を同じくする局部発振光を発生する局発光発生部と、主光伝送路を介して伝送される光信号成分と、局発光発生部から出力される局部発振光とを合成し、自乗検波して、情報信号を再生する光強度検出部とを含むとよい。
好ましくは、光送信回路は、多モード発振する光を出力する多モード光源と、多モード光源から出力される光を情報信号で変調し、光信号を出力する光情報変調部と、光情報変調部から出力される光信号を入力し、光信号における複数の発振モード光の内、所定の発振モード光を分離すると共に、光信号における所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を光伝送路に送出する光分離部と、光分離部によって分離された所定の発振モード光を入力し、当該所定の発振モード光の物理的性質を検出し、検出信号を伝送路に送出する光検出部とを含み、光受信回路は、伝送路を介して伝送される検出信号に基づき、所定の発振モード光に準じた光として、所定の発振モード光と物理的性質を同じくする局部発振光を発生する局発光発生部と、光伝送路を介して伝送される光信号成分と、局発光発生部から出力される局部発振光とを合成し、自乗検波して、情報信号を再生する光強度検出部とを含むとよい。
これらにより、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、正規受信者は、当該発振モード光を共有して、高い受信信号品質を確保すると共に、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
好ましくは、さらに、複数対の光送信回路と光受信回路と、各光送信回路から出力される所定の発振モード光以外の光信号成分を合成し、主光伝送路に送出する主光合波部と、主光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光以外の光信号成分を分岐し、対応する光受信回路に出力する主光分岐部とを備えるとよい。
好ましくは、さらに、複数対の光送信回路と光受信回路と、各光送信回路から出力される所定の発振モード光を合成し、副光伝送路に送出する副光合波部と、副光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光を分岐し、対応する光受信回路に出力する副光分岐部とを備えるとよい。
好ましくは、さらに、複数対の光送信回路と光受信回路と、各光送信回路から出力される所定の発振モード光以外の光信号成分を合成し、主光伝送路に送出する主光合波部と、主光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光以外の光信号成分を分岐し、対応する光受信回路に出力する主光分岐部と、各光送信回路から出力される所定の発振モード光を合成し、副光伝送路に送出する副光合波部と、副光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光を分岐し、対応する光受信回路に出力する副光分岐部とを備えるとよい。
好ましくは、さらに、複数対の光送信回路と光受信回路と、各光送信回路から出力される検出信号を合成し、伝送路に送出する合成部と、伝送路を介して伝送される検出信号を分岐し、対応する光受信回路に出力する分岐部とを備えるとよい。
これらにより、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、複数の送受信者対の間の情報漏洩や干渉を防いで、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
好ましくは、複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する所定の発振モード光以外の光信号成分が、互いに異なる波長を有するとよい。
好ましくは、複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する所定の発振モード光が、互いに異なる波長を有するとよい。
好ましくは、複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する所定の発振モード光以外の光信号成分が、互いに同じ波長成分有し、複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する所定の発振モード光が、互いに異なる波長を有するとよい。
これらにより、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、複数の送受信者対の間の情報漏洩や干渉を防ぎながら、光伝送路を簡略化して、秘匿性の高い光伝送装置を経済的に実現できる。
たとえば、多モード光源は、互いに光強度および光位相に相関性を有し、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の強度および/または位相を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
たとえば、多モード光源は、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、複数光源から出力される光の位相変化を同期させる光位相同期部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の強度を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
たとえば、多モード光源は、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、複数光源から出力される光の強度変化を同期させる光強度同期部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の位相を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
このように、当該光強度変動および光位相変動において互いに相関性を有する多モード光を生成し、当該所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用することで、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
たとえば、多モード光源は、LED(Light Emission Diode)であってもよいし、FP(Fabry−Perot)レーザであってもよいし、RC(Resonant Cabity)−LEDであってもよいし、VCSEL(Vertical Cabity Surface Emitting Laser)であってもよいし、SLD(Super Luminescent Diode)であってもよい。
このように、当該光強度変動および光位相変動において互いに相関性を有する多モード光源を使用し、当該所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用することで、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
以上のように、本発明によれば、多モード発振光における少なくとも1つの発振モード光に対して、所定の操作を施して発振モード光成分間の光強度または光位相の相関関係を変更する。これによって、物理的性質(自然現象)として光が備える、予測不能の雑音成分が発生することとなる。盗聴が行われる場合、傍受者光受信回路が受信する光信号は、上記予測不能の雑音成分によって、信号対雑音比が劣化しているので、光送信回路が送信した光信号を正確に再生することができない。よって、上記予測不能の雑音成分を利用して、計算機処理による解析・解読が不可能な秘匿性の高い暗号通信を実現することができる光伝送装置が提供されることとなる。
なお、本発明における装置および回路の用語は、規模の大小には関係なく、場合によっては、システム等の意味に解釈してもよい。
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る光伝送装置1の概念的な構成を示す機能ブロックである。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置100の構成を示す図である。 図3Aは、光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。 図3Bは、光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。 図3Cは、光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。 図3Dは、光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。 図3Eは、光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。 図4Aは、光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。 図4Bは、光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。 図4Cは、光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。 図4Dは、光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。 図4Eは、光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。 図5は、第1の実施形態に関する第1の変形例の構成を示す図である。 図6は、第1の実施形態に関する第2の変形例の構成を示す図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係る光伝送装置200の構成を示す図である。 図8は、本発明の第3の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置200の構成を示す図である。 図9Aは、図8に示す光伝送装置200の主要部における光(光信号)のスペクトルを表す模式図である。 図9Bは、図8に示す光伝送装置200の主要部における光(光信号)のスペクトルを表す模式図である。 図9Cは、図8に示す光伝送装置200の主要部における光(光信号)のスペクトルを表す模式図である。 図10は、第3の実施形態に関する第1の変形例に係る光伝送装置200aの構成を示す図である。 図11は、第3の実施形態に関する第2の変形例に係る光伝送装置200bの構成を示す図である。 図12は、第3の実施形態の他の例に係る光伝送装置200構成を示す図である。 図13は、本発明の第4の実施形態に係る光伝送装置500の構成を示す図である。 図14は、本発明の第5の実施形態に係る光伝送装置700の構成を示す図である。 図15は、本発明の第6の実施形態に係る光伝送装置800の構成を示す図である。 図16は、第1および第2の光信号が、互いに異なる波長帯に設定される場合に副光伝送路205を共通化したときの光伝送装置800aの構成を示す図である。 図17は、本発明の第7の実施形態に係る光伝送装置800cの構成を示す図である。 図18は、本発明の第8の実施形態に係る光伝送装置800bの構成を示す図である。 図19は、暗号通信に対応する従来の光伝送装置91の構成を示す図である。
符号の説明
1,100,100a,100b,200,200a,500,700,800,800a,800b,800c 光伝送装置
3,101,101a,101b,201,201a,201b 多モード光源
4,102,202 光情報変調部
5 スペクトル処理部
6 スペクトル復元部
7 光電気変換部
103 モード符号化部
9,104 光伝送路
105 モード復号化部
106 光強度検出部
1052 傍受者モード復号化部
1062,2062 傍受者光強度検出部
2,1001,1001a,1001b,2001,2001a,2001b,8001 光送信回路
8,1002,2002,7002,8002 光受信回路
1003,2003 傍受者光受信回路
4011 第1の光源
4012 第2の光源
4013 第3の光源
402 光モード合成部
403 符号発生部
5001,6001 第1の符号発生部
5002,6002 第2の符号発生部
5011,6011 第1の光位相変調部
5012,6012 第2の光位相変調部
5013,6013 第3の光位相変調部
609 光合波部
610 光分岐部
203 光分離部
204 主光伝送路
205 副光伝送路
206 光強度検出部
507 符号発生部
705 副伝送路
707 局発光発生部
708 光検出部
709 主光合成部
710 主光分岐部
809 副光合成部
810 副光分岐部
図1は、本発明の実施形態に係る光伝送装置1の概念的な構成を示す機能ブロック図である。図1において、光伝送装置1は、光送信回路2と、光受信回路8とを備える。光送信回路2は、多モード光源3と、光情報変調部4と、スペクトル処理部5とを含む。光受信回路8は、スペクトル復元部6と、光電気変換部7とを含む。
多モード光源3は、多モード発振光を出力する。光情報変調部4は、伝送すべき情報信号Diで、多モード光源3から出力された多モード発振光を変調して、光信号として出力する。スペクトル処理部5は、光情報変調部4から出力される光信号に対して、多モード発振光における少なくとも1つの発振モード光に対して、入力される鍵情報Kiに基づき、所定の操作を施して、光伝送路9に送出する。当該所定の操作としては、以下の実施形態で開示する様々なスペクトル処理が考え得る。
スペクトル復元部6は、光伝送路9を介して伝送される光信号を受信し、入力される鍵情報Kiに基づき、光送信回路での所定の操作と逆の操作を施すことによって、当該所定の操作を施される前の光信号を復元する。スペクトル復元部6における当該逆の操作としては、以下の実施形態で開示する様々な処理が考え得る。光電気変換部7は、スペクトル復元部6によって復元された光信号を電気信号に変換して、情報信号Diを再生する。
以下、図1に示す光伝送装置1を実現するための実施形態について、図面を参照しながら、具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置100の構成を示す図である。図3A〜3Eは、光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。図4A〜4Eは、光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。
図1において、本実施形態の光伝送装置100は、多モード光源101と、光情報変調部102と、モード符号化部103と、光伝送路104と、モード復号化部105と、光強度検出部106とを備える。多モード光源101と、光情報変調部102と、モード符号化部103とによって、光送信回路1001が構成される。モード復号化部105と、光強度検出部106とによって、光受信回路1002が構成される。なお、本実施形態の動作説明のため、図1には、傍受者モード復号化部1052と、傍受者光強度検出部1062とを構成要素とする傍受者光受信回路1003が、併せて図示されている。なお、光送信回路1001と光受信回路1002とを接続する光伝送路104は、光ファイバであってもよいし、光導波路であってもよし、自由空間であってもよい。
次に、図1に示す本実施形態の動作を説明する。光送信回路1001において、多モード光源101は、図3Aに示すような複数のモード(図3Aでは8つの波長m1〜m8を複数のモードとしている)で発振する光源で構成され、複数のモードを有する光を出力する。このような多モード発振光源の具体例は、LED(Light Emission Diode)や、FP(Fabry−Perot)レーザ、RC(Resonant Cabity)−LED、VCSEL(Vertical Cabity Surface Emitting Laser)、SLD(Super Luminescent Diode)、あるいは面発光レーザである。これらの出力光スペクトルにおける個々の発振モード光は、光強度、光位相等のパラメータが高速に変動する。これらの光源において、個々の発振モード光における光強度変動成分および光位相変動成分は、他の発振モード光における光強度変動成分および光位相変動成分と相関しながらも、多モード光源101から出力される光の総光強度は、略一定値を示す性質を有している。
光情報変調部102は、伝送すべき情報信号Diで、多モード光源101から出力される光を変調して、光信号として出力する。
モード符号化部103は、光情報変調部102から出力される光信号を入力し、光受信回路1002内のモード復号化部105との間で予め共有している所定の源符号Kiに基づいて、スペクトル処理として、当該発振モード光のそれぞれに対して一意な所定の符号化操作を施した後、光伝送路104に出力する。すなわち、モード符号化部103は、複数の発振モード光の群に対して、所定の符号に対応した所定の操作(第1の操作)を施した光を出力する。具体的には、例えば図3Bに示すように、モード符号化部103は、各発振モード光に対して、源符号Kiによって定まる所定のパターンの光強度透過率を定義しておく。そして、モード符号化部103は、第1の操作として、複数の発振モード光のそれぞれに対して所定量の強度変化を与える操作を施して、第1の操作を施した光を光伝送路104に送出する。これにより、物理的性質(自然現象)として光が備える、予測不能の雑音成分(モードパーティションノイズ)が発生することとなり、モード符号化部103は、入力される光信号(図3A)とは異なる光スペクトルを有する光信号(図3C)を作成し、出力することとなる。
光受信回路1002において、モード復号化部105は、光伝送路104を介して伝送される光信号を入力し、光送信回路1001内のモード符号化部103との間で予め共有している所定の源符号Kiに基づいて、当該発振モード光のそれぞれに対して一意であり、かつ上記所定の符号化操作と逆の関係(相補的な関係)にある復号化操作を施した後、出力する。すなわち、モード復号化部105は、複数の発振モード光の群に対して、所定の符号に対応した所定の操作(第1の操作)と逆の操作である第2の操作を施した光を出力する。具体的には、例えば図3Dに示すように、モード復号化部105は、各発振モード光に対して、図3Bに示す所定のパターンと逆の関係(相補的な関係)にある逆パターンの光強度透過率を源符号Kiに基づいて定義しておく。そして、モード復号化部105は、複数の発振モード光のそれぞれに対して、上記所定量の強度変化と逆の極性を有する強度変化を与える操作を第2の操作として施して、第2の操作を施した光を光強度検出部106に入力する。これにより、上記モードパーティションノイズが除去されることとなり、モード復号化部105は、光伝送路104を介して伝送された光信号(図3C)を、光情報変調部102から出力された光信号(図3A)に準じた光スペクトルを有する光信号(図3E)に変換して、出力することとなる。
光強度検出部106は、モード復号化部105から出力される光信号を自乗検波して、総光強度の変化を検出することによって変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
次に、本実施形態において、第三者(傍受者光受信回路1003)による盗聴が行われる場合について図4A〜4Eを用いて説明する。図4Aは、光情報変調部102から出力される光信号の光スペクトルを表しており図3Aと同様である。図4Bは、モード符号化部103における所定のパターンの光強度透過率を表しており図3Bと同様である。図4Cは、モード符号化部103から出力される光信号の光スペクトルを表しており図3Cと同様である。図4Dは、傍受者モード復号化部1052における光強度透過率を表している。図4Eは、傍受者モード復号化部1052から出力される光信号の光スペクトルを表している。
盗聴が行われる場合、傍受者光受信回路1003は、光伝送路104を伝搬する光信号の一部を分岐して、傍受者モード復号化部1052に入力する。傍受者モード復号化部1052は、モード符号化部103と源符号Kiを共有していないため、源符号Kiとは異なる符号Kjに基づいて、入力光信号の発振モード光のそれぞれに対して一意な所定の操作を施した後、出力する。具体的には、例えば図4Dに示すように、傍受者モード復号化部1052は、モード復号化部105が各発振モード光に対して与える光強度透過率(図3D)とは異なるパターンの光強度透過率を与え、光信号を出力する。この光信号は、図4Eに示すように、光情報変調部102が出力する光信号(図4A)と異なる光スペクトルである。そのため、傍受者モード復号化部1052から出力される光信号は、コヒーレント性が変質しており、過剰な雑音を含んでいる。よって、傍受者光強度検出部1062は、情報信号Diを再生することができない。このように、傍受者光受信回路1003における受信信号品質(SNR:信号対雑音比)は、正規受信者(光受信回路1002)に比較して劣化しているので、光伝送装置100は、高い秘匿性を確保することができる。
なお、本実施形態では、多モード光源101は、8つのモードで発振する光を出力し、モード符号化部103は、当該8つの発振モード光に対して所定パターンの光強度透過率を与えることとしたが、当該モード数は、8以外のいずれの複数であってもよい。この場合、多モード光源101は、8以外のいずれの複数のモードで発振すればよい。また、モード符号化部103は、多モード光源101が発振するモードの数に応じた所定パターンの光強度透過率を有していればよい。
なお、本実施形態では、モード符号化部103およびモード復号化部105は、各発振モード光に対して、所定パターンの光強度透過率を与える構成としたが、所定パターンの光位相変動を与える構成としても、ほぼ同様の効果を得ることができる。この場合、具体的には、モード符号化部103は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量分の位相変化を第1の操作として施す。モード復号化部105は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、上記所定の符号に対応した上記所定量分の位相変化とは逆の極性を有する位相変化を第2の操作として施す。
また、モード符号化部103およびモード復号化部105が、各発振モード光に対して、所定パターンの偏向変化を与えても、ほぼ同様の効果が得られる。この場合、具体的には、モード符号化部103は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量分の偏向変化を第1の操作として施す。モード復号化部105は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、上記所定の符号に対応した上記所定量分の偏向変化とは逆の極性を有する偏向変化を第2の操作として施す。
また、モード符号化部103およびモード復号化部105が、各発振モード光に対して、所定パターンの周波数変化を与えても、ほぼ同様の効果が得られる。この場合、具体的には、モード符号化部103は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量分の周波数変化を第1の操作として施す。モード復号化部105は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、上記所定の符号に対応した上記所定量分の周波数変化とは逆の極性を有する周波数変化を第2の操作として施す。
また、モード符号化部103およびモード復号化部105が、各発振モード光に対して、所定パターンの遅延時間を与えても、ほぼ同様の効果が得られる。この場合、具体的には、モード符号化部103は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、第1の操作として、所定の符号に対応した所定量分の遅延時間を与える。モード復号化部105は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、第2の操作として、上記所定の符号に対応した上記所定量分の遅延時間とは逆の極性を有する遅延時間を与える。
(第1の変形例)
次に、第1の実施形態に関する第1の変形例について説明する。図5は、第1の実施形態に関する第1の変形例の構成を示す図である。図5において、光伝送装置100aの光送信回路1001aは、図1に示す光送信回路1001の多モード光源101を多モード光源101aに置き換えたものである。
多モード光源101aは、第1の光源4011と、第2の光源4012と、第3の光源4013と、光モード合成部402と、符号発生部403とを含む。本構成において、第1〜第3の光源4011〜4013は、それぞれ異なる波長を有し、かつ所定の関係で互いに位相同期された単一モード光を発振し、出力する。光モード合成部402は、第1〜第3の光源4011〜4013からの出力光を合成し、出力する。符号発生部403は、第1〜第3の光源4011〜4013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を変調信号として発生し、光モード合成部402から出力される総光強度が一定となるように、第1〜第3の光源4011〜4013の光強度を略ランダムに変調する。これにより、多モード光源101aは、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、図2の多モード光源101から出力される光に準じた光を出力することができる。
また、第1の変形例では、位相同期された単一モード光を複数作成し、それぞれ独立に光強度変調する構成としたが、光強度変動を同期させ、あるいは光強度を一定値に安定化させ、それぞれ独立に略ランダムな光位相変調を施す構成としても、ほぼ同様の効果を有する。この場合、具体的には、第1〜第3の光源4011〜4013として、それぞれ異なる波長を有し、かつ所定の関係で互いに光強度が同期された単一モード光が光位相変調された状態で発振し出力する光源を用いる。符号発生部403は、第1〜第3の光源4011〜4013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を変調信号として発生し、光モード合成部402から出力される総光強度が一定となるように、第1〜第3の光源4011〜4013の光位相を略ランダムに変調する。これにより、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、図1の多モード光源101から出力される光に準じた光を出力することができる。
なお、第1の変形例において、三つの光源を用いることとしたが、二つまたは四つ以上の光源を用いてもよい。この場合も、符号発生部403は、各光源に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、光モード合成部402から出力される総光強度が一定となるように、各光源の光強度を略ランダムに変調すればよい。これにより、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した際に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
(第2の変形例)
次に、第1の実施形態に関する第2の変形例について説明する。図6は、第1の実施形態に関する第2の変形例の構成を示す図である。図6において、光伝送装置100bの光送信回路1001bは、図2に示す光送信回路1001の多モード光源101を多モード光源101bに置き換えたものである。
多モード光源101bは、第1の光源4011と、第2の光源4012と、第3の光源4013と、光モード合成部402と、第1の符号発生部5001と、第2の符号発生部5002と、第1の光位相変調部5011と、第2の光位相変調部5012と、第3の光位相変調部5013とを含む。本構成において、第1〜第3の光源4011〜4013は、それぞれ互いに異なる波長の単一モード光を発振し、出力する。第1〜第3の光位相変調部5011〜5013は、第1〜第3の光源4011〜4013に対応して設けられ、第1〜第3の光源4011〜4013からの出力光の位相をそれぞれ変調し、出力する。光モード合成部402は、第1〜第3の光位相変調部5011〜5013から出力された光信号を合成し、出力する。第1の符号発生部5001は、第1〜第3の光源4011〜4013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を変調信号として発生し、当該符号列に基づいて第1〜第3の光源4011〜4013からの出力光強度を略ランダムとなるように変調する。第2の符号発生部5002は、第1〜第3の光位相変調部5011〜5013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列D1〜D3を発生し、当該符号列に基づいて第1〜第3の光位相変調部5011〜5012からの出力光の位相を位相変化が同期するように変調し、かつ光モード合成部402からの総出力光強度が一定となるようにする。第1〜第3の光位相変調部5011〜5013および第2の符号発生部5002は、第1〜第3の光源4011〜4013から出力される光の位相変化を同期させる光位相同期部といえる。また、第1の符号発生部5001は、光モード合成部402から出力される光の総強度を一定とし、かつ第1〜第3の光源4011〜4013から出力される光の強度を略ランダムに変調するための変調信号である符号を各光源に供給する符号発生部であるといえる。このように、第2の変形例において、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、図2の多モード光源101から出力される光に準じた光を出力することができる。
なお、本実施形態では、複数の単一モード光を光強度変調した後、光位相変調する構成としたが、光位相変調後、光強度変調する構成としても、ほぼ同様の効果を有する。この場合、具体的には、多モード光源は、互いに異なる波長の光を位相変調して出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を強度変調する複数の光強度変調部と、複数の光強度変調部から出力される光信号を合成する光モード合成部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の位相を略ランダムに変調するための変調信号である符号を各光源に入力する第1の符号発生部と、複数の光強度変調部からの出力光の強度変化を同期させるための符号を各光強度変調部に入力する第2の符号発生部とを備えるとよい。これにより、光強度変調部と第2の符号発生部とが、複数の光源から出力される光の強度変化を同期させるための光強度同期部として機能することとなる。このような構成によって、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、図2の多モード光源101から出力される光に準じた光を出力することができる。
なお、第2の変形例において、三つの光源を用いることとしたが、二つまたは四つ以上の光源を用いてもよい。この場合、光源の数に応じて、光位相変調部が設けられなければならない。また、第1の符号発生部5001は、各光源に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、当該符号列に基づいて各光源らの出力光強度を変調する。第2の符号発生部5002は、各光位相変調部に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、当該符号列に基づいて各光位相変調部からの出力光の位相を変調し、かつ光モード合成部402からの総出力光強度が一定となるようにする。これにより、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、図2の多モード光源101から出力される光に準じた光を出力することができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、多モード発振する光において、発振モード光成分間の光強度または光位相の相関関係を変更した際に生じる雑音を利用し、当該発振モード光成分間の光強度または光位相の変更パターンを「秘密鍵」として、送信者と正規受信者との間で共有することにより、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を提供することができる。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置200の構成を示す図である。図7において、本実施形態の光伝送装置200は、図2中の光送信回路1001および光受信回路1002を、複数組(図7では2組)備えた構成に相当する。光伝送装置200は、第1および第2の多モード光源101と、第1および第2の光情報変調部102と、第1および第2のモード符号化部103と、光合波部609と、光伝送路104と、光分岐部610と、第1および第2のモード復号化部105と、第1および第2の光強度検出部106とを備える。なお、第1(第2)の多モード光源101と、第1(第2)の光情報変調部102と、第1(第2)のモード符号化部103とによって、第1(第2)の光送信回路1001が構成される。第1(第2)のモード復号化部105と、第1(第2)の光強度検出部106とによって、第1(第2)の光受信回路1002が構成される。
次に、図7に示す本実施形態の動作を説明する。本実施形態の構成は、前述の第1の実施形態(図2)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。その構成において、本実施形態の光伝送装置200は、光送信回路1001および光受信回路1002を2組備える。第1および第2の光情報変調部102は、第1および第2の情報信号(D1およびD2)で、対応する第1および第2の多モード光源101から出力される光を変調して、第1および第2の光信号としてそれぞれ出力する。第1および第2のモード符号化部103は、互いに異なる源符号K1およびK2に基づいて、対応する第1および第2の光信号に対して、所定パターンの符号化操作(第1の操作)を施す。光合波部609は、第1および第2の光送信回路1001から出力される各光信号成分を合成し、光伝送路104に送出する。光分岐部610は、光伝送路104を介して伝送される光信号成分を分岐し、対応する光受信回路1002に出力する。第1および第2のモード復号化部105は、光分岐部610から出力される光信号を入力し、対応する第1および第2のモード符号化部103とそれぞれ共有する源符号K1およびK2に基づいて、所定パターンの復号化操作(第2の操作)を施し、出力する。第1および第2の光強度検出部106は、対応する第1および第2のモード復号化部105から出力される光信号を自乗検波して、第1および第2の情報信号(D1およびD2)をそれぞれ再生する。
なお、第1および第2の光信号は、互いに異なる波長帯に設定されても、その光スペクトルの全部または一部が同じ波長帯に設定されてもよい。
また、本実施形態では、第1および第2の光信号を多重伝送する構成としたが、当該多重数は、2以外のいずれの複数であってもよい。
さらに、第2の実施形態で用いる多モード光源は、図5または図6に示すような多モード光源であってもよい。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、複数の送受信回路対のそれぞれにおいて、発振モード光成分間の光強度または光位相の相関関係を変更した際に生じる雑音を利用し、当該発振モード光成分間の光強度または光位相の変更パターンを「秘密鍵」として、送信者と正規受信者との間で共有する。これにより、互いの干渉、情報漏洩を著しく抑圧し、秘匿性の高い光伝送装置を容易に提供することができる。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置200の構成を示す図である。図9A〜9Cは、図8に示す光伝送装置200の主要部における光(光信号)のスペクトルを表す模式図である。
図8において、本実施形態の光伝送装置200は、多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203と、主光伝送路204と、副光伝送路205と、光強度検出部206とを備える。多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203とによって、光送信回路2001が構成される。光強度検出部206によって、光受信回路2002が構成される。なお、図8では、本実施形態の動作説明のため、傍受者光強度検出部2062を構成要素とする傍受者光受信回路2003が併せて図示されている。
次に、図8に示す本実施形態の動作を説明する。多モード光源201は、図9Aに示すような所定の波長帯域に亘り複数の(縦)モード(図9Aでは8つ:m1〜m8)で発振する光源で構成され、このような光を出力する。このような多モード発振光源の具体例は、LED(Light Emission Diode)や、FP(Fabry−Perot)レーザ、RC(Resonant Cabity)−LED、VCSEL(Vertical Cabity Surface Emitting Laser)、SLD(Super Luminescent Diode)である。これらの出力光スペクトルにおいて、個々の発振モード光における光強度および光位相の両パラメータは、高速に変動している。これらの光源において、個々の発振モード光における光強度変動成分および光位相変動成分は、他の発振モード光における光強度変動成分および光位相変動成分と相関しながらも、多モード光源201から出力される光の総光強度は、略一定値を示す性質を有している。
光情報変調部202は、伝送すべき情報信号Diで、多モード光源201から出力される光を変調して、光信号として出力する。
光分離部203は、光情報変調部202から出力される光信号を入力し、複数の発振モード光の内、所定のモード光のみを抽出して分離し、副光伝送路205に送出すると共に、残りの光信号成分を主光伝送路204に送出する。例えば、図9Bに示すように、光分離部203は、6番目の発振モード光(m6)を抽出して分離し副光伝送路205に送出する。さらに、図9Cに示すように、光分離部203は、残りの光信号成分(m1〜m5、m7、m8)を抽出して分離し主光伝送路204に送出する。
光強度検出部206は、主光伝送路204を介して伝送される光信号成分と、副光伝送路205を介して伝送される所定の発振モード光とを合成した後、自乗検波して、総光強度の変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
次に、本実施形態において、第三者(傍受者光受信回路2003)による盗聴が不可能である根拠について説明する。
ここで、傍受者光受信回路2003は、副光伝送路205を介して伝搬される所定の発振モード光を受信することなく、主光伝送路204を伝搬する光信号の一部を分岐して、傍受者光強度検出部2062に入力したと想定する。傍受者光強度検出部2062は、入力光信号を電気信号に変換し、出力する。傍受者光強度検出部2062は、副光伝送路205を介して別途伝搬される所定の発振モード光を受信しないとしているので、当該発振モード光を除いた残りの光信号成分(図9C)のみを自乗検波することとなる。即ち、傍受者光強度検出部2062は、光強度変動成分および光位相変動成分が互いに相関性を有しながら発振する多モード光の内、一部の発振モード光を欠如した状態で、総光強度の変調成分を検出することとなる。したがって、各発振モード光の変動成分が検出信号に現れることとなり、モードパーティションノイズが発生する。よって、盗聴者の受信信号品質(SNR:信号対雑音電力比)は、正規受信者(光受信回路2002)に比較して、劣化することとなる。ゆえに、高い秘匿性を確保することができる。
なお、上記第3の実施形態では、六つのモードが利用されることとしたが、最低限二つ以上のモードが利用されればよい。
なお、上記第1の実施形態では、光分離部203で一つの発振モード光(図9Bでは、m6)が分離、抽出されることとしたが、二つ以上の発振モード光が分離、抽出されてもよい。
(第1の変形例)
次に、第3の実施形態に係る第1の変形例について説明する。図10は、第3の実施形態に関する第1の変形例に係る光伝送装置200aの構成を示す図である。図10において、光伝送装置200aの光送信回路2001aは、図8に示す多モード光源201を、多モード光源201aに置き換えた構成を有する。光伝送装置200aにおけるそれ以外の構成は、図1の場合と同様である。多モード光源201aは、第1の光源3011と、第2の光源3012と、第3の光源3013と、光モード合成部302と、符号発生部303とを含む。
本構成において、第1〜第3の光源3011〜3013は、それぞれ異なる波長を有し、かつ所定の関係で互いに位相同期された単一モード光を発振し、出力する。光モード合成部302は、第1〜第3の光源3011〜3013からの出力光を合成し、出力する。符号発生部303は、第1〜第3の光源3011〜3013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を発生し、光モード合成部302から出力される総光強度が一定となるように、第1〜第3の光源3011〜3013の光強度を略ランダムに変調する。これにより、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した際に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
また、第1の変形例では、位相同期された単一モード光を複数作成し、それぞれ独立に光強度変調する構成としたが、光強度変動を同期させ、あるいは光強度を一定値に安定化させ、それぞれ独立に略ランダムな光位相変調を施す構成としても、ほぼ同様の効果を有する。この場合、具体的には、第1〜第3の光源3011〜3013として、それぞれ異なる波長を有し、かつ所定の関係で互いに光強度が同期された単一モード光が光位相変調された状態で発振し出力する光源を用いる。符号発生部303は、第1〜第3の光源3011〜3013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を発生し、光モード合成部302から出力される総光強度が一定となるように、第1〜第3の光源3011〜3013の光位相を略ランダムに変調する。これにより、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した際に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
なお、第1の変形例において、三つの光源を用いることとしたが、二つまたは四つ以上の光源を用いてもよい。この場合も、符号発生部303は、各光源に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、光モード合成部302から出力される総光強度が一定となるように、各光源の光強度を略ランダムに変調すればよい。これにより、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した際に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
(第2の変形例)
次に、第1の実施形態に係る第2の変形例について説明する。図11は、第3の実施形態に関する第2の変形例に係る光伝送装置200bの構成を示す図である。図11において、光伝送装置200bの光送信回路2001bは、図8に示す多モード光源201を、多モード光源201bに置き換えた構成を有する。光伝送装置200bにおけるそれ以外の構成は、図8の場合と同様である。多モード光源201bは、第1の光源3011と、第2の光源3012と、第3の光源3013と、光モード合成部302と、第1の符号発生部6001と、第2の符号発生部6002と、第1の光位相変調部6011と、第2の光位相変調部6012と、第3の光位相変調部6013とを含む。
本構成において、第1〜第3の光源3011〜3013は、それぞれ互いに異なる波長の単一モード光を発振し、出力する。第1〜第3の光位相変調部6011〜6013は、第1〜第3の光源3011〜3013に対応して設けられ、第1〜第3の光源3011〜3013からの出力光の位相をそれぞれ変調し、出力する。光モード合成部302は、第1〜第3の光位相変調部6011〜6013から出力された光信号を合成し、出力する。第1の符号発生部6001は、第1〜第3の光源3011〜3013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を発生し、当該符号列に基づいて第1〜第3の光源3011〜3013からの出力光強度を略ランダムとなるように変調する。第2の符号発生部6002は、第1〜第3の光位相変調部6011〜6013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列D1〜D3を発生し、当該符号列に基づいて第1〜第3の光位相変調部6011〜6012からの出力光の位相を位相変化が同期するように変調し、かつ光モード合成部302からの総出力光強度が一定となるようにする。第1〜第3の光位相変調部6011〜6013および第2の符号発生部は、第1〜第3の光源3011〜3013から出力される光の位相変化を同期させる光位相同期部といえる。また、第1の符号発生部6001は、光モード合成部302から出力される光の総強度を一定とし、かつ第1〜第3の光源3011〜3013から出力される光の強度を略ランダムに変調するための変調信号である符号を各光源に供給する符号発生部であるといえる。このように、第2の変形例において、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した場合に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
また、本実施形態では、複数の単一モード光を光強度変調した後、光位相変調する構成としたが、光位相変調後、光強度変調する構成としても、ほぼ同様の効果を有する。この場合、具体的には、光伝送装置は、互いに異なる波長の光を位相変調して出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を強度変調する複数の光強度変調部と、複数の光強度変調部から出力される光信号を合成する光モード合成部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の位相を略ランダムに変調するための変調信号である符号を各光源に入力する第1の符号発生部と、複数の光強度変調部からの出力光の強度変化を同期させるための符号を各光強度変調部に入力する第2の符号発生部とを備えるとよい。これにより、光強度変調部と第2の符号発生部とが、複数の光源から出力される光の強度変化を同期させるための光強度同期部として機能することとなる。このような構成によって、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した場合に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
なお、第2の変形例において、三つの光源を用いることとしたが、二つまたは四つ以上の光源を用いてもよい。この場合、光源の数に応じて、光位相変調部が設けられなければならない。また、第1の符号発生部6001は、各光源に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、当該符号列に基づいて各光源らの出力光強度を変調する。第2の符号発生部6002は、各光位相変調部に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、当該符号列に基づいて各光位相変調部からの出力光の位相を変調し、かつ光モード合成部302からの総出力光強度が一定となるようにする。これにより、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した場合に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、当該所定の発振モード光を「秘密鍵」として、送信者と正規受信者との間で共有することにより、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を提供することができる。
なお、ここでは、図9Bに示すように、ある発振モード光の全電力を抽出することとしたが、ある発振モード光の一部電力のみが抽出されて、残りの光信号成分が光受信回路に送信されても良い。
なお、図12に示すように、光分離部203で抽出された発振モード光に準じた光が、何らかの手段によって、副光伝送路205を介することなく光強度検出部206に入力されてもよい。
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置500の構成を示す図である。図13において、本実施形態の光伝送装置500は、多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203と、主光伝送路204と、副光伝送路205と、光強度検出部206と、局発光発生部507とを備える。第2の実施形態に係る光伝送装置500は、図8の構成に対して、局発光発生部507を新たに備える点と、接続関係とが異なる。多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203とによって、光送信回路2001が構成される。光強度検出部206と、局発光発生部507とによって、光受信回路7002が構成される。また、図13では、図8と同様に、本実施形態の動作説明のため、傍受者光強度検出部2062を構成要素とする傍受者光受信回路2003が、併せて図示されている。
次に、図13に示す本実施形態の動作を説明する。本実施形態の構成は、前述の第1の実施形態(図8)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
本実施形態の光伝送装置500において、局発光発生部507は、副光伝送路205を介して伝送される所定の発振モード光を入力し、光強度変動情報および光位相変動情報に関して同一の情報を有する局発光を生成し、出力する。具体的には、局発光発生部507は、半導体レーザに所定の発振モード光を注入する光注入同期の構成によって、所定の発振モード光と同じ物理的性質を有する局発光(所定の発振モード光に準じた光という)を生成する。光強度検出部206は、主光伝送路204を介して伝送される光信号成分と、局発光発生部507から出力される局発光を合成後、自乗検波することで、総光強度の変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
本実施形態において、傍受者光受信回路2003を用いた盗聴を行った場合、図8と同様、傍受者光強度検出部2062には、所定の発振モード光を除いた残りの光信号成分のみが入力されるため、モードパーティションノイズが発生し、当該受信信号品質は、光受信回路7002に比べて劣化し、高い秘匿性を確保することが可能である。
以上説明したように、第4の実施形態によれば、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、当該所定の発振モード光と物理的性質を同じくする光を「秘密鍵」として、送信者と正規受信者の間で共有することにより、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を容易に提供することができる。
なお、第4の実施形態において、多モード光源201は、第1の変形例で示したように、複数の単一モードの光源からなる多モード光源201a(図10参照)に置き換えられてもよいし、複数の単一モードの光源および光位相変調部からなる多モード光源201b(図11参照)に置き換えられてもよい。
(第5の実施形態)
図14は、本発明の第5の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置700の構成を示す図である。図14において、本実施形態の光伝送装置700は、多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203と、主光伝送路204と、光強度検出部206と、副伝送路705と、局発光発生部707と、光検出部708とを備える。第5の実施形態に係る光伝送装置700は、図8の構成に対して、副光伝送路205に代えて、副伝送路705を備える点、局発光発生部707と光検出部708とを新たに備える点、および接続関係が異なる。多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203と、光検出部708とによって、光送信回路8001が構成される。光強度検出部206と、局発光発生部707とによって、光受信回路8002が構成される。また、図14では、図8と同様に、本実施形態の動作説明のため、傍受者光強度検出部2062を構成要素とする傍受者光受信回路2003が、併せて図示されている。
次に、図14に示す本実施形態の動作を説明する。本実施形態の構成は、前述の第1の実施形態(図8)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
本実施形態の光伝送装置700において、光検出部708は、光分離部203によって分離、抽出された所定の発振モード光を検波し、当該光強度変動情報および光位相変動情報を検出し、副伝送路705に送出する。局発光発生部707は、副伝送路705を介して伝送される光強度変動情報および光位相変動情報に基づいて、当該情報を備えた局発光(所定の発振モード光に準じた光)を生成し、出力する。光強度検出部206は、主光伝送路204を介して伝送される光信号成分と、局発光発生部707から出力される局発光を合成後、自乗検波することで、総光強度の変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
本実施形態において、傍受者光受信回路2003を用いた盗聴を行った場合、図8と同様、傍受者光強度検出部2062には、所定の発振モード光を除いた残りの光信号成分のみが入力されるため、モードパーティションノイズが発生し、当該受信信号品質は、光受信回路8002に比べて劣化し、高い秘匿性を確保することが可能である。
以上説明したように、第5の実施形態によれば、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、当該所定の発振モード光と物理的性質を同じくする光を「秘密鍵」として、送信者と正規受信者の間で共有することにより、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を容易に提供することができる。
なお、第5の実施形態において、多モード光源201は、第1の変形例で示したように、複数の単一モードの光源からなる多モード光源201a(図10参照)に置き換えられてもよいし、複数の単一モードの光源および光位相変調部からなる多モード光源201b(図11参照)に置き換えられてもよい。
(第6の実施形態)
図15は、本発明の第6の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置800の構成を示す図である。図15において、本実施形態の光伝送装置800は、図13中の光送信回路2001および光受信回路7002を、複数組(図15では2組)備えた構成である。光伝送装置800は、第1および第2の多モード光源201と、第1および第2の光情報変調部202と、第1および第2の光分離部203と、主光伝送路204と、第1および第2の副光伝送路205と、第1および第2の光強度検出部206と、第1および第2の局発光発生部507と、主光合成部709と、主光分岐部710とを備える。主光合成部709と、主光分岐部710とを新たに備える点が図13の構成と異なる。なお、第1(第2)の多モード光源201と、第1(第2)の光情報変調部202と、第1(第2)の光分離部203とによって、第1(第2)の光送信回路2001が構成される。第1(第2)の光強度検出部206と、第1(第2)の局発光発生部507とによって、第1(第2)の光受信回路7002が構成される。
次に、図15に示す本実施形態の動作を説明する。本実施形態の構成は、前述の第4の実施形態(図13)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
本実施形態の光伝送装置800は、光送信回路2001および光受信回路7002を2組備える。第1および第2の光情報変調部202は、第1および第2の情報信号(D1およびD2)で、対応する第1および第2の多モード光源201から出力される光を変調して、第1および第2の光信号としてそれぞれ出力する。第1および第2の光分離部203は、対応する第1および第2の光情報変調部202から出力される第1および第2の光信号を入力し、当該複数の発振モード光の内、それぞれ所定のモード光を分離、抽出して、第1および第2の副光伝送路205に送出すると共に、残りの光信号成分を主光合成部709に出力する。主光合成部709は、第1および第2の光分離部203から出力される光信号成分を合成して、主光伝送路204に送出する。主光分岐部710は、主光伝送路204を介して伝送される光信号成分を分岐して、第1および第2の光強度検出部206にそれぞれ入力する。第1および第2の光強度検出部206は、主光分岐部710から出力される光信号成分と、対応する第1および第2の局発光発生部507から出力される所定の発振モード光を合成後、自乗検波して、総光強度の変調成分を検出し、第1および第2の情報信号(D1およびD2)をそれぞれ再生する。
さらに、第1および第2の光情報変調部202から出力される第1および第2の光信号、ならびに第1および第2の光分離部203によって抽出される所定の発振モード光の各波長設定について説明する。第1および第2の光信号は、互いに異なる波長帯に設定されていてもよいし、その光スペクトルの全部または一部が同じ波長帯に設定されていてもよい。
第1および第2の光信号が、互いに異なる波長帯に設定される場合、第1および第2の光分離部203によって抽出される所定の発振モード光は、複数のモードの内、いずれのモードであってもよい。第1および第2の光信号が、互いに異なる波長帯に設定される場合、副光伝送路205を共通化することができる。図16は、第1および第2の光信号が、互いに異なる波長帯に設定される場合に副光伝送路205を共通化したときの光伝送装置800aの構成を示す図である。図16に示すように、光伝送装置800aは、副光合成部809および副光分岐部810を用いて、所定の発振モード光を波長多重/分離することで、一つの副光伝送路205で所定の発振モード光を伝送することができる。
また、第1および第2の光信号の光スペクトルの全部または一部が同じ波長帯に設定される場合で、かつ第1および第2の光信号のそれぞれから抽出される所定の発振モード光が同じ波長帯である場合には、光伝送装置は、別々の副光伝送路205を介して所定の発振モード光をそれぞれ伝送する。一方、第1および第2の光信号の光スペクトルの全部または一部が同じ波長帯に設定される場合で、かつ第1および第2の光信号のそれぞれから抽出される所定の発振モード光が互いに異なる波長帯である場合には、光伝送装置は、別々の副光伝送路205を介して伝送するか、もしくは、図16に示すように、一つの副光伝送路205を介して伝送する。
以上説明したように、第6の実施形態によれば、複数の送受信回路対において、それぞれ、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、当該所定の発振モード光と物理的性質を同じくする光を「秘密鍵」として、送信者と正規受信者の間で共有することにより、互いの干渉、情報漏洩を著しく抑圧し、秘匿性の高い光伝送装置を容易に提供することができる。
なお、図8に示す構成においても、複数対の光送信回路と光受信回路とを備えるようにして、各所定の発振モード光および/または各所定の発振モード光を抽出した残りの光信号を合成/分岐して伝送するようにしてもよい。また、図14に示す構成においても、複数対の光送信回路と光受信回路とを備えるようにして、各光検出部が出力する検出信号を合成/分岐して伝送するようにしてもよい。
なお、第6の実施形態において、第1および/または第2の多モード光源201は、第1の変形例で示したように、複数の単一モードの光源からなる多モード光源201a(図10参照)に置き換えられてもよいし、複数の単一モードの光源および光位相変調部からなる多モード光源201b(図10参照)に置き換えられてもよい。
(第7の実施形態)
図17は、本発明の第7の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置800cの構成を示す図である。図17において、図1に示す第1の実施形態と同様の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、説明を省略する。また、図8に示す第3の実施形態と同様の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、説明を省略する。図17において、光伝送装置800cは、光送信回路9001と、光受信回路9002とを備える。光送信回路9001は、多モード光源101と、光情報変調部102と、モード符号化部103と、光分離部203とを含む。光受信回路9002と、モード復号化部9003と、光強度検出部9004とを含む。
モード符号化部103からは、発振モード光のそれぞれに対して、一意な所定の符号化操作が施された光信号が出力される。光分離部は、モード符号化部103から出力される光信号の内、すくとも1つの発振モード光を抽出して、副光伝送路205に送出すると共に、残りの光信号成分を主光伝送路204に送出する。モード復号化部9003は、主光伝送路204からの光信号と副光伝送路205からの光信号とを合成して、モード符号化部103での第1の操作と逆の関係にある復号化操作(第2の操作)を施した光を出力する。光強度検出部9004は、モード復号化部9003から出力される光信号を自乗検波して、総光強度の変化を検出することによって変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
このように、第7の実施形態では、光送信回路9001は、所定の操作として、多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作をモード符号化部103によって施し、所定の発振モード光を光分離部203によって分離して副光伝送路205に送出すると共に、所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を主光伝送路204に送出する。光受信回路9002は、主光伝送路204を介して伝送される光信号成分と、副光伝送路205を介して伝送される所定の発振モード光とをモード復号化部9003によって合成し、当該発振モード光の群に対して当該所定の符号に対応した操作と逆の操作をモード復号化部9003によって施して、当該所定の操作を施される前の光信号を復元する。このように、第1の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせることによっても、秘匿性に優れた光通信装置を実現することができる。
なお、第7の実施形態においても、上述したあらゆる変形例を適用することができることは言うまでもない。
(第8の実施形態)
図18は、本発明の第8の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置800bの構成を示す図である。図18において、図1に示す第1の実施形態と同様の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、説明を省略する。また、図8に示す第3の実施形態と同様の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、説明を省略する。図18において、光伝送装置800bは、光送信回路9005と、光受信回路9006とを備える。光送信回路9005は、多モード光源101と、光情報変調部102fと、第1のモード符号化部103fと、第2のモード符号化部103gとを含む。光受信回路9006は、光強度検出部9007を含む。
光情報変調部102fは、伝送すべき情報信号Diで、多モード光源101から出力される光を変調して、2分岐して出力する。
光情報変調部102fからの一方の光信号は、第1のモード符号化部103fに入力される。第1のモード符号化部103fは、光情報変調部102から出力される光信号を入力し、所定の源符号Kiに基づいて、スペクトル処理として、当該発振モード光のそれぞれに対して一意な所定の符号化操作を施した後、主光伝送路204に出力する。
光情報変調部102fからの他方の光信号は、第2のモード符号化部103gに入力される。第2のモード符号化部103fは、所定の源符号Kiに基づいて、スペクトル処理として、当該発振モード光のそれぞれに対して一意であり、かつ第1のモード符号化部103fで施された所定の符号化操作と逆の関係(相補的な関係)にある符号化操作を施した後、副光伝送路205に出力する。
光強度検出部9007は、主光伝送路204を伝送された光信号と副光伝送路205を伝送された光信号とを合成して、自乗検波して、総光強度の変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
このように、第8の実施形態において、光送信回路9005は、所定の操作として、多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作を第1のモード符号化部103fによって施し主光伝送路204に送出する。一方、第2のモード符号化部103gは、多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して当該所定の符号に対応した操作と逆の操作を施して副光伝送路205に送出する。光受信回路9006は、主光伝送路204を介して伝送される光信号と副光伝送路205を介して伝送される光信号とを合成することによって、所定の操作を施される前の光信号を復元する。このように、互いに逆の関係にある発振モード光を伝送して、合成することによっても、秘匿性の優れた光通信装置を実現することができる。
なお、第8の実施形態においても、上述したあらゆる変形例を適用することができることは言うまでもない。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明に係る光伝送装置は、物理的性質(自然現象)として光が備えている予測不能の雑音成分を利用して、計算機処理による解析・解読が不可能な暗号通信を実現することができ、通信分野等に有用である。
本発明は、データを光信号に変換して伝送し、伝送された光信号を受信してデータに変換する光伝送装置に関し、より特定的には、光が物理的性質として備える雑音成分を利用して、正規受信者以外の第三者によるデータの盗み見/盗聴を著しく抑制し、高い秘匿性を有するデータの暗号通信を実現する光伝送装置に関する。
図19は、暗号通信に対応する従来の光伝送装置91の構成を示す図である。図19において、本光伝送装置91は、光源95と、光情報変調部94と、暗号化部93と、光伝送路993と、復号化部98と、光強度検出部97とを備える。光源95と、光情報変調部94と、暗号化部93とによって、光送信回路92が構成される。復号化部98と、光強度検出部97とによって、光受信回路96が構成される。なお、図中には、本光伝送装置91の動作説明のため、傍受者光強度検出部992と、暗号解読部991とを構成要素とする傍受者光受信回路99を併せて示している。
上記のように構成された光伝送装置91について、図19を用いて、その動作を説明する。光送信回路92において、暗号化部93は、光受信回路96内の復号化部98との間で、「暗号鍵」として予め源符号Kiを共有している。暗号化部93は、伝送すべき情報信号Diを源符号Kiを用いて暗号化し、出力する。光情報変調部94は、光源95から出力された光を、暗号化部93から出力された暗号化情報信号によって光変調し、光伝送路993に送出する。光強度検出部97は、光伝送路993を介して伝送される光変調信号を入力して、当該光強度変調成分を検出し、電気信号に変換し、出力する。復号化部98は、源符号Kiを用いて、光強度検出部97からの出力信号を復号化し、情報信号Diを再生する。
以上のような従来の光伝送装置では、送信者と受信者との間で所定の符号を「秘密鍵」として共有する。送信側は、情報信号に対して、当該符号を用いて所定の手順の計算処理を施して暗号化する。伝送後、受信側は、同様の符号を用いて略逆手順の計算処理を施すことで復号化し、元の情報信号を再生する。これにより、「秘密鍵」を保有する正規の受信者以外の第三者による復号化が不可能となり、盗聴を著しく困難とし、秘匿性の高いデータ通信を実現することが可能となる。
特開平9−205420号公報
しかしながら、従来のように、計算処理に基づく従来の暗号通信方式は、電子計算機の発達に伴い、いずれ数学的に解読される危険性を常に含んでおり、高い安全性を長期間保証することができないという課題を有している。即ち、盗聴者側の傍受者光受信回路99は、光伝送路993を伝搬する光信号の一部を分岐して取り出し、正規受信者側の光受信回路96と同等もしくはそれに匹敵する品質の光信号を傍受者光強度検出部992に入力して、電気信号に変換し、暗号解読部991で、元の情報信号Diを復元することができる。暗号解読部991は、主に、高速の計算機等で構成され、「秘密鍵」を所持していなくても、充分な品質の信号が入力しさえすれば、計算処理によって暗号を解読することができる。
それ故に、本発明の目的は、物理的性質(自然現象)として光が備える、予測不能の雑音成分を利用して、計算機処理による解析・解読が不可能な暗号通信を実現することができる光伝送装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明は以下のような特徴と有する。本発明の第1の局面は、伝送すべき情報信号で変調された多モードの光信号を伝送するための多モード光伝送装置であって、多モード発振光を情報信号で変調し、多モード発振光における少なくとも1つの発振モード光に対して、所定の操作を施した後、光伝送路に送出する光送信回路と、光伝送路を介して伝送される光信号を受信し、所定の操作と逆の操作を施すことによって、所定の操作を施される前の光信号を復元し、復元した光信号を電気信号に変換して、情報信号を再生する光受信回路とを備えることを特徴とする。
本発明の第1の局面によれば、多モード発振光における少なくとも1つの発振モード光に対して、所定の操作を施して発振モード光成分間の光強度または光位相の相関関係を変更する。これによって、物理的性質(自然現象)として光が備える、予測不能の雑音成分が発生することとなる。盗聴が行われる場合、傍受者光受信回路が受信する光信号は、上記予測不能の雑音成分によって、信号対雑音比が劣化しているので、光送信回路が送信した光信号を正確に再生することができない。よって、上記予測不能の雑音成分を利用して、計算機処理による解析・解読が不可能な秘匿性の高い暗号通信を実現することができる光伝送装置が提供されることとなる。
本発明の第2の局面において、光送信回路は、所定の操作として、多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作を施して、光伝送路に送出し、光受信回路は、光伝送路を介して伝送される光を受信し、発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作と逆の操作を施すことによって所定の操作を施される前の光信号を復元し、発振モード光の群の総光強度変化を検出し、電気信号に変換して、情報信号を再生するとよい。
本発明の第2の局面により、光送信回路は、多モード発振する光の各発振モード光に対して、所定の操作を施して発振モード光成分間の光強度または光位相の相関関係を変更する。これによって、物理的性質(自然現象)として光が備える、予測不能の雑音成分が発生することとなる。正規の光受信回路と光送信回路とは、発振モード光成分間の光強度または光位相の変更パターンを「秘密鍵」として共有する。光受信回路は、当該秘密鍵に基づいて、光送信回路が施した所定の操作とは逆の関係にある操作を施すことによって、雑音成分を除去する。これにより、光受信回路は、光送信回路が送信した光信号に準じた光スペクトルを有する光信号を再生することができる。盗聴が行われる場合、傍受者光受信回路が受信する光信号は、上記予測不能の雑音成分によって、信号対雑音比が劣化しているので、光送信回路が送信した光信号を正確に再生することができない。よって、上記予測不能の雑音成分を利用して、計算機処理による解析・解読が不可能な秘匿性の高い暗号通信を実現することができる光伝送装置が提供されることとなる。
好ましくは、光送信回路は、多モード発振する光を出力する多モード光源と、多モード光源から出力される光を情報信号で変調し、変調された光信号を出力する光情報変調部と、光情報変調部から出力される光信号を入力し、光信号の複数の発振モード光の群に対して、所定の符号に対応した第1の操作を施し、光伝送路に送出するモード符号化部とを含み、光受信回路は、光伝送路を介して伝送される光信号を入力し、光信号の複数の発振モード光の群に対して、所定の符号に対応した第1の操作と逆の関係にある第2の操作を施し、出力するモード復号化部と、モード復号化部から出力される光信号の総光強度変化を検出し、電気信号に変換して、情報信号を再生する光強度検出部とを含むとよい。
これにより、複数モードで発振する光を構成する各成分に対して、それぞれ独立な操作を施すことで発生する雑音を利用することとなるので、送受信者間では、一意な符号化・復号化操作を共有して、高い受信信号品質を確保すると共に、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
たとえば、モード符号化部における第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の強度変化を与える操作であり、モード復号化部における第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の強度変化と逆の極性を有する強度変化を与える操作であるとよい。
たとえば、モード符号化部における第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の位相変化を与える操作であり、モード復号化部における第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の位相変化と逆の極性を有する位相変化を与える操作であるとよい。
たとえば、モード符号化部における第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の偏向変化を与える操作であり、モード復号化部における第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の偏向変化と逆の極性を有する偏向変化を与える操作であるとよい。
たとえば、モード符号化部における第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の周波数変化を与える操作であり、モード復号化部における第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量の周波数変化と逆の極性を有する周波数変化を与える操作であるとよい。
これらにより、複数モードで発振する光を構成する各成分の物理パラメータに対して、それぞれ独立な操作を施すことで発生する雑音を利用することとなるので、送受信者間では、一意な符号化・復号化操作を共有して、高い受信信号品質を確保すると共に、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
好ましくは、多モード光源は、互いに光強度および光位相に相関性を有し、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の強度および/または位相を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
好ましくは、多モード光源は、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、複数光源から出力される光の位相変化を同期させる光位相同期部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の強度を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
好ましくは、多モード光源は、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、複数光源から出力される光の強度変化を同期させる光強度同期部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の位相を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
これらにより、当該光強度変動および光位相変動において互いに相関性を有する多モード光を生成し、当該各光成分に対して、それぞれ独立な操作を施すことで発生する雑音を利用することとなるので、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
たとえば、多モード光源は、LED(Light Emission Diode)であったり、FP(Fabry−Perot)レーザであったり、RC(Resonant Cabity)−LEDであったり、VCSEL(Vertical Cabity Surface Emitting Laser)であったり、SLD(Super Luminescent Diode)であったりする。
これらにより、当該光強度変動および光位相変動において互いに相関性を有する多モード光源を使用し、当該各光成分に対して、それぞれ独立な操作を施すことで発生する雑音を利用することとなるので、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
好ましくは、複数対の光送信回路と光受信回路とを有し、各光送信回路から出力される光信号成分を合成し、光伝送路に送出する光合波部と、光伝送路を介して伝送される光信号成分を分岐し、対応する光受信回路に出力する光分岐部とを備え、光送信回路と光受信回路との各対は、それぞれ、複数の発振モード光の群に対して、互いに異なる所定の符号に対応した第1の操作および第2の操作を施すとよい。
これより、複数モードで発振する光を構成する各成分に対して、それぞれ独立な操作を施すことで発生する雑音を利用することとなるので、複数の送受信者対の間の情報漏洩や干渉を防いで、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
たとえば、光伝送路は、光ファイバ、光導波路、または自由空間であるとよい。
本発明の第3の局面において、光送信回路は、所定の操作として、多モード発振光から所定の発振モード光を抽出して、光伝送路に送出し、光受信回路は、光伝送路を介して伝送される光を受信し、抽出された所定の発振モード光と同一の光もしくは所定の発振モード光に準じた光とを合成した後、自乗検波して、前記情報信号を再生するとよい。
本発明の第3の局面により、多モード発振する光から所定の発振モード光が除去された光が送信され、所定の発振モード光が除去されている光を検波するために、所定の発振モード光と同一の光もしくは所定の発振モード光に準じた光が必要となる。したがって、第三者が盗聴を試みて所定の発振モード光が除去された光を受信した場合、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音(モードパーティションノイズ)が発生することとなり、信号対雑音電力比が著しく劣化し、第三者は、正しく検波することができない。このように、本発明では、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音(モードパーティションノイズ)を利用し、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を提供することができる。
好ましくは、光送信回路は、多モード発振する光を出力する多モード光源と、多モード光源から出力される光を情報信号で変調し、光信号を出力する光情報変調部と、光情報変調部から出力される光信号を入力し、光信号における複数の発振モード光の内、所定の発振モード光を分離して副光伝送路に送出すると共に、光信号における所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を主光伝送路に送出する光分離部とを含み、光受信回路は、主光伝送路を介して伝送される光信号成分と、副光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光とを合成し、自乗検波して、情報信号を再生する光強度検出部を含むとよい。
好ましくは、光送信回路は、多モード発振する光を出力する多モード光源と、多モード光源から出力される光を情報信号で変調し、光信号を出力する光情報変調部と、光情報変調部から出力される光信号を入力し、光信号における複数の発振モード光の内、所定の発振モード光を分離して副光伝送路に送出すると共に、光信号における所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を主光伝送路に送出する光分離部とを含み、光受信回路は、副光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光を入力し、所定の発振モード光に準じた光として、当該発振モード光と物理的性質を同じくする局部発振光を発生する局発光発生部と、主光伝送路を介して伝送される光信号成分と、局発光発生部から出力される局部発振光とを合成し、自乗検波して、情報信号を再生する光強度検出部とを含むとよい。
好ましくは、光送信回路は、多モード発振する光を出力する多モード光源と、多モード光源から出力される光を情報信号で変調し、光信号を出力する光情報変調部と、光情報変調部から出力される光信号を入力し、光信号における複数の発振モード光の内、所定の発振モード光を分離すると共に、光信号における所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を光伝送路に送出する光分離部と、光分離部によって分離された所定の発振モード光を入力し、当該所定の発振モード光の物理的性質を検出し、検出信号を伝送路に送出する光検出部とを含み、光受信回路は、伝送路を介して伝送される検出信号に基づき、所定の発振モード光に準じた光として、所定の発振モード光と物理的性質を同じくする局部発振光を発生する局発光発生部と、光伝送路を介して伝送される光信号成分と、局発光発生部から出力される局部発振光とを合成し、自乗検波して、情報信号を再生する光強度検出部とを含むとよい。
これらにより、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、正規受信者は、当該発振モード光を共有して、高い受信信号品質を確保すると共に、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
好ましくは、さらに、複数対の光送信回路と光受信回路と、各光送信回路から出力される所定の発振モード光以外の光信号成分を合成し、主光伝送路に送出する主光合波部と、主光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光以外の光信号成分を分岐し、対応する光受信回路に出力する主光分岐部とを備えるとよい。
好ましくは、さらに、複数対の光送信回路と光受信回路と、各光送信回路から出力される所定の発振モード光を合成し、副光伝送路に送出する副光合波部と、副光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光を分岐し、対応する光受信回路に出力する副光分岐部とを備えるとよい。
好ましくは、さらに、複数対の光送信回路と光受信回路と、各光送信回路から出力される所定の発振モード光以外の光信号成分を合成し、主光伝送路に送出する主光合波部と、主光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光以外の光信号成分を分岐し、対応する光受信回路に出力する主光分岐部と、各光送信回路から出力される所定の発振モード光を合成し、副光伝送路に送出する副光合波部と、副光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光を分岐し、対応する光受信回路に出力する副光分岐部とを備えるとよい。
好ましくは、さらに、複数対の光送信回路と光受信回路と、各光送信回路から出力される検出信号を合成し、伝送路に送出する合成部と、伝送路を介して伝送される検出信号を分岐し、対応する光受信回路に出力する分岐部とを備えるとよい。
これらにより、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、複数の送受信者対の間の情報漏洩や干渉を防いで、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
好ましくは、複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する所定の発振モード光以外の光信号成分が、互いに異なる波長を有するとよい。
好ましくは、複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する所定の発振モード光が、互いに異なる波長を有するとよい。
好ましくは、複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する所定の発振モード光以外の光信号成分が、互いに同じ波長成分有し、複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する所定の発振モード光が、互いに異なる波長を有するとよい。
これらにより、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、複数の送受信者対の間の情報漏洩や干渉を防ぎながら、光伝送路を簡略化して、秘匿性の高い光伝送装置を経済的に実現できる。
たとえば、多モード光源は、互いに光強度および光位相に相関性を有し、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の強度および/または位相を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
たとえば、多モード光源は、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、複数光源から出力される光の位相変化を同期させる光位相同期部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の強度を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
たとえば、多モード光源は、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、複数光源から出力される光の強度変化を同期させる光強度同期部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の位相を略ランダムに変調するような変調信号を各光源に供給する符号発生部とからなるとよい。
このように、当該光強度変動および光位相変動において互いに相関性を有する多モード光を生成し、当該所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用することで、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
たとえば、多モード光源は、LED(Light Emission Diode)であってもよいし、FP(Fabry−Perot)レーザであってもよいし、RC(Resonant Cabity)−LEDであってもよいし、VCSEL(Vertical Cabity Surface Emitting Laser)であってもよいし、SLD(Super Luminescent Diode)であってもよい。
このように、当該光強度変動および光位相変動において互いに相関性を有する多モード光源を使用し、当該所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用することで、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を実現できる。
以上のように、本発明によれば、多モード発振光における少なくとも1つの発振モード光に対して、所定の操作を施して発振モード光成分間の光強度または光位相の相関関係を変更する。これによって、物理的性質(自然現象)として光が備える、予測不能の雑音成分が発生することとなる。盗聴が行われる場合、傍受者光受信回路が受信する光信号は、上記予測不能の雑音成分によって、信号対雑音比が劣化しているので、光送信回路が送信した光信号を正確に再生することができない。よって、上記予測不能の雑音成分を利用して、計算機処理による解析・解読が不可能な秘匿性の高い暗号通信を実現することができる光伝送装置が提供されることとなる。
なお、本発明における装置および回路の用語は、規模の大小には関係なく、場合によっては、システム等の意味に解釈してもよい。
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る光伝送装置1の概念的な構成を示す機能ブロック図である。図1において、光伝送装置1は、光送信回路2と、光受信回路8とを備える。光送信回路2は、多モード光源3と、光情報変調部4と、スペクトル処理部5とを含む。光受信回路8は、スペクトル復元部6と、光電気変換部7とを含む。
多モード光源3は、多モード発振光を出力する。光情報変調部4は、伝送すべき情報信号Diで、多モード光源3から出力された多モード発振光を変調して、光信号として出力する。スペクトル処理部5は、光情報変調部4から出力される光信号に対して、多モード発振光における少なくとも1つの発振モード光に対して、入力される鍵情報Kiに基づき、所定の操作を施して、光伝送路9に送出する。当該所定の操作としては、以下の実施形態で開示する様々なスペクトル処理が考え得る。
スペクトル復元部6は、光伝送路9を介して伝送される光信号を受信し、入力される鍵情報Kiに基づき、光送信回路での所定の操作と逆の操作を施すことによって、当該所定の操作を施される前の光信号を復元する。スペクトル復元部6における当該逆の操作としては、以下の実施形態で開示する様々な処理が考え得る。光電気変換部7は、スペクトル復元部6によって復元された光信号を電気信号に変換して、情報信号Diを再生する。
以下、図1に示す光伝送装置1を実現するための実施形態について、図面を参照しながら、具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置100の構成を示す図である。図3A〜3Eは、光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。図4A〜4Eは、光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図である。
において、本実施形態の光伝送装置100は、多モード光源101と、光情報変調部102と、モード符号化部103と、光伝送路104と、モード復号化部105と、光強度検出部106とを備える。多モード光源101と、光情報変調部102と、モード符号化部103とによって、光送信回路1001が構成される。モード復号化部105と、光強度検出部106とによって、光受信回路1002が構成される。なお、本実施形態の動作説明のため、図1には、傍受者モード復号化部1052と、傍受者光強度検出部1062とを構成要素とする傍受者光受信回路1003が、併せて図示されている。なお、光送信回路1001と光受信回路1002とを接続する光伝送路104は、光ファイバであってもよいし、光導波路であってもよし、自由空間であってもよい。
次に、図に示す本実施形態の動作を説明する。光送信回路1001において、多モード光源101は、図3Aに示すような複数のモード(図3Aでは8つの波長m1〜m8を複数のモードとしている)で発振する光源で構成され、複数のモードを有する光を出力する。このような多モード発振光源の具体例は、LED(Light Emission Diode)や、FP(Fabry−Perot)レーザ、RC(Resonant Cabity)−LED、VCSEL(Vertical Cabity Surface Emitting Laser)、SLD(Super Luminescent Diode)、あるいは面発光レーザである。これらの出力光スペクトルにおける個々の発振モード光は、光強度、光位相等のパラメータが高速に変動する。これらの光源において、個々の発振モード光における光強度変動成分および光位相変動成分は、他の発振モード光における光強度変動成分および光位相変動成分と相関しながらも、多モード光源101から出力される光の総光強度は、略一定値を示す性質を有している。
光情報変調部102は、伝送すべき情報信号Diで、多モード光源101から出力される光を変調して、光信号として出力する。
モード符号化部103は、光情報変調部102から出力される光信号を入力し、光受信回路1002内のモード復号化部105との間で予め共有している所定の源符号Kiに基づいて、スペクトル処理として、当該発振モード光のそれぞれに対して一意な所定の符号化操作を施した後、光伝送路104に出力する。すなわち、モード符号化部103は、複数の発振モード光の群に対して、所定の符号に対応した所定の操作(第1の操作)を施した光を出力する。具体的には、例えば図3Bに示すように、モード符号化部103は、各発振モード光に対して、源符号Kiによって定まる所定のパターンの光強度透過率を定義しておく。そして、モード符号化部103は、第1の操作として、複数の発振モード光のそれぞれに対して所定量の強度変化を与える操作を施して、第1の操作を施した光を光伝送路104に送出する。これにより、物理的性質(自然現象)として光が備える、予測不能の雑音成分(モードパーティションノイズ)が発生することとなり、モード符号化部103は、入力される光信号(図3A)とは異なる光スペクトルを有する光信号(図3C)を作成し、出力することとなる。
光受信回路1002において、モード復号化部105は、光伝送路104を介して伝送される光信号を入力し、光送信回路1001内のモード符号化部103との間で予め共有している所定の源符号Kiに基づいて、当該発振モード光のそれぞれに対して一意であり、かつ上記所定の符号化操作と逆の関係(相補的な関係)にある復号化操作を施した後、出力する。すなわち、モード復号化部105は、複数の発振モード光の群に対して、所定の符号に対応した所定の操作(第1の操作)と逆の操作である第2の操作を施した光を出力する。具体的には、例えば図3Dに示すように、モード復号化部105は、各発振モード光に対して、図3Bに示す所定のパターンと逆の関係(相補的な関係)にある逆パターンの光強度透過率を源符号Kiに基づいて定義しておく。そして、モード復号化部105は、複数の発振モード光のそれぞれに対して、上記所定量の強度変化と逆の極性を有する強度変化を与える操作を第2の操作として施して、第2の操作を施した光を光強度検出部106に入力する。これにより、上記モードパーティションノイズが除去されることとなり、モード復号化部105は、光伝送路104を介して伝送された光信号(図3C)を、光情報変調部102から出力された光信号(図3A)に準じた光スペクトルを有する光信号(図3E)に変換して、出力することとなる。
光強度検出部106は、モード復号化部105から出力される光信号を自乗検波して、総光強度の変化を検出することによって変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
次に、本実施形態において、第三者(傍受者光受信回路1003)による盗聴が行われる場合について図4A〜4Eを用いて説明する。図4Aは、光情報変調部102から出力される光信号の光スペクトルを表しており図3Aと同様である。図4Bは、モード符号化部103における所定のパターンの光強度透過率を表しており図3Bと同様である。図4Cは、モード符号化部103から出力される光信号の光スペクトルを表しており図3Cと同様である。図4Dは、傍受者モード復号化部1052における光強度透過率を表している。図4Eは、傍受者モード復号化部1052から出力される光信号の光スペクトルを表している。
盗聴が行われる場合、傍受者光受信回路1003は、光伝送路104を伝搬する光信号の一部を分岐して、傍受者モード復号化部1052に入力する。傍受者モード復号化部1052は、モード符号化部103と源符号Kiを共有していないため、源符号Kiとは異なる符号Kjに基づいて、入力光信号の発振モード光のそれぞれに対して一意な所定の操作を施した後、出力する。具体的には、例えば図4Dに示すように、傍受者モード復号化部1052は、モード復号化部105が各発振モード光に対して与える光強度透過率(図3D)とは異なるパターンの光強度透過率を与え、光信号を出力する。この光信号は、図4Eに示すように、光情報変調部102が出力する光信号(図4A)と異なる光スペクトルである。そのため、傍受者モード復号化部1052から出力される光信号は、コヒーレント性が変質しており、過剰な雑音を含んでいる。よって、傍受者光強度検出部1062は、情報信号Diを再生することができない。このように、傍受者光受信回路1003における受信信号品質(SNR:信号対雑音比)は、正規受信者(光受信回路1002)に比較して劣化しているので、光伝送装置100は、高い秘匿性を確保することができる。
なお、本実施形態では、多モード光源101は、8つのモードで発振する光を出力し、モード符号化部103は、当該8つの発振モード光に対して所定パターンの光強度透過率を与えることとしたが、当該モード数は、8以外のいずれの複数であってもよい。この場合、多モード光源101は、8以外のいずれの複数のモードで発振すればよい。また、モード符号化部103は、多モード光源101が発振するモードの数に応じた所定パターンの光強度透過率を有していればよい。
なお、本実施形態では、モード符号化部103およびモード復号化部105は、各発振モード光に対して、所定パターンの光強度透過率を与える構成としたが、所定パターンの光位相変動を与える構成としても、ほぼ同様の効果を得ることができる。この場合、具体的には、モード符号化部103は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量分の位相変化を第1の操作として施す。モード復号化部105は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、上記所定の符号に対応した上記所定量分の位相変化とは逆の極性を有する位相変化を第2の操作として施す。
また、モード符号化部103およびモード復号化部105が、各発振モード光に対して、所定パターンの偏向変化を与えても、ほぼ同様の効果が得られる。この場合、具体的には、モード符号化部103は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量分の偏向変化を第1の操作として施す。モード復号化部105は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、上記所定の符号に対応した上記所定量分の偏向変化とは逆の極性を有する偏向変化を第2の操作として施す。
また、モード符号化部103およびモード復号化部105が、各発振モード光に対して、所定パターンの周波数変化を与えても、ほぼ同様の効果が得られる。この場合、具体的には、モード符号化部103は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、所定の符号に対応した所定量分の周波数変化を第1の操作として施す。モード復号化部105は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、上記所定の符号に対応した上記所定量分の周波数変化とは逆の極性を有する周波数変化を第2の操作として施す。
また、モード符号化部103およびモード復号化部105が、各発振モード光に対して、所定パターンの遅延時間を与えても、ほぼ同様の効果が得られる。この場合、具体的には、モード符号化部103は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、第1の操作として、所定の符号に対応した所定量分の遅延時間を与える。モード復号化部105は、入力される光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、第2の操作として、上記所定の符号に対応した上記所定量分の遅延時間とは逆の極性を有する遅延時間を与える。
(第1の変形例)
次に、第1の実施形態に関する第1の変形例について説明する。図5は、第1の実施形態に関する第1の変形例の構成を示す図である。図5において、光伝送装置100aの光送信回路1001aは、図1に示す光送信回路1001の多モード光源101を多モード光源101aに置き換えたものである。
多モード光源101aは、第1の光源4011と、第2の光源4012と、第3の光源4013と、光モード合成部402と、符号発生部403とを含む。本構成において、第1〜第3の光源4011〜4013は、それぞれ異なる波長を有し、かつ所定の関係で互いに位相同期された単一モード光を発振し、出力する。光モード合成部402は、第1〜第3の光源4011〜4013からの出力光を合成し、出力する。符号発生部403は、第1〜第3の光源4011〜4013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を変調信号として発生し、光モード合成部402から出力される総光強度が一定となるように、第1〜第3の光源4011〜4013の光強度を略ランダムに変調する。これにより、多モード光源101aは、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、図2の多モード光源101から出力される光に準じた光を出力することができる。
また、第1の変形例では、位相同期された単一モード光を複数作成し、それぞれ独立に光強度変調する構成としたが、光強度変動を同期させ、あるいは光強度を一定値に安定化させ、それぞれ独立に略ランダムな光位相変調を施す構成としても、ほぼ同様の効果を有する。この場合、具体的には、第1〜第3の光源4011〜4013として、それぞれ異なる波長を有し、かつ所定の関係で互いに光強度が同期された単一モード光が光位相変調された状態で発振し出力する光源を用いる。符号発生部403は、第1〜第3の光源4011〜4013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を変調信号として発生し、光モード合成部402から出力される総光強度が一定となるように、第1〜第3の光源4011〜4013の光位相を略ランダムに変調する。これにより、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、図1の多モード光源101から出力される光に準じた光を出力することができる。
なお、第1の変形例において、三つの光源を用いることとしたが、二つまたは四つ以上の光源を用いてもよい。この場合も、符号発生部403は、各光源に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、光モード合成部402から出力される総光強度が一定となるように、各光源の光強度を略ランダムに変調すればよい。これにより、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した際に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
(第2の変形例)
次に、第1の実施形態に関する第2の変形例について説明する。図6は、第1の実施形態に関する第2の変形例の構成を示す図である。図6において、光伝送装置100bの光送信回路1001bは、図2に示す光送信回路1001の多モード光源101を多モード光源101bに置き換えたものである。
多モード光源101bは、第1の光源4011と、第2の光源4012と、第3の光源4013と、光モード合成部402と、第1の符号発生部5001と、第2の符号発生部5002と、第1の光位相変調部5011と、第2の光位相変調部5012と、第3の光位相変調部5013とを含む。本構成において、第1〜第3の光源4011〜4013は、それぞれ互いに異なる波長の単一モード光を発振し、出力する。第1〜第3の光位相変調部5011〜5013は、第1〜第3の光源4011〜4013に対応して設けられ、第1〜第3の光源4011〜4013からの出力光の位相をそれぞれ変調し、出力する。光モード合成部402は、第1〜第3の光位相変調部5011〜5013から出力された光信号を合成し、出力する。第1の符号発生部5001は、第1〜第3の光源4011〜4013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を変調信号として発生し、当該符号列に基づいて第1〜第3の光源4011〜4013からの出力光強度を略ランダムとなるように変調する。第2の符号発生部5002は、第1〜第3の光位相変調部5011〜5013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列D1〜D3を発生し、当該符号列に基づいて第1〜第3の光位相変調部5011〜5012からの出力光の位相を位相変化が同期するように変調し、かつ光モード合成部402からの総出力光強度が一定となるようにする。第1〜第3の光位相変調部5011〜5013および第2の符号発生部5002は、第1〜第3の光源4011〜4013から出力される光の位相変化を同期させる光位相同期部といえる。また、第1の符号発生部5001は、光モード合成部402から出力される光の総強度を一定とし、かつ第1〜第3の光源4011〜4013から出力される光の強度を略ランダムに変調するための変調信号である符号を各光源に供給する符号発生部であるといえる。このように、第2の変形例において、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、図2の多モード光源101から出力される光に準じた光を出力することができる。
なお、本実施形態では、複数の単一モード光を光強度変調した後、光位相変調する構成としたが、光位相変調後、光強度変調する構成としても、ほぼ同様の効果を有する。この場合、具体的には、多モード光源は、互いに異なる波長の光を位相変調して出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を強度変調する複数の光強度変調部と、複数の光強度変調部から出力される光信号を合成する光モード合成部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の位相を略ランダムに変調するための変調信号である符号を各光源に入力する第1の符号発生部と、複数の光強度変調部からの出力光の強度変化を同期させるための符号を各光強度変調部に入力する第2の符号発生部とを備えるとよい。これにより、光強度変調部と第2の符号発生部とが、複数の光源から出力される光の強度変化を同期させるための光強度同期部として機能することとなる。このような構成によって、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、図2の多モード光源101から出力される光に準じた光を出力することができる。
なお、第2の変形例において、三つの光源を用いることとしたが、二つまたは四つ以上の光源を用いてもよい。この場合、光源の数に応じて、光位相変調部が設けられなければならない。また、第1の符号発生部5001は、各光源に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、当該符号列に基づいて各光源らの出力光強度を変調する。第2の符号発生部5002は、各光位相変調部に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、当該符号列に基づいて各光位相変調部からの出力光の位相を変調し、かつ光モード合成部402からの総出力光強度が一定となるようにする。これにより、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、図2の多モード光源101から出力される光に準じた光を出力することができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、多モード発振する光において、発振モード光成分間の光強度または光位相の相関関係を変更した際に生じる雑音を利用し、当該発振モード光成分間の光強度または光位相の変更パターンを「秘密鍵」として、送信者と正規受信者との間で共有することにより、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を提供することができる。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置200の構成を示す図である。図7において、本実施形態の光伝送装置200は、図2中の光送信回路1001および光受信回路1002を、複数組(図7では2組)備えた構成に相当する。光伝送装置200は、第1および第2の多モード光源101と、第1および第2の光情報変調部102と、第1および第2のモード符号化部103と、光合波部609と、光伝送路104と、光分岐部610と、第1および第2のモード復号化部105と、第1および第2の光強度検出部106とを備える。なお、第1(第2)の多モード光源101と、第1(第2)の光情報変調部102と、第1(第2)のモード符号化部103とによって、第1(第2)の光送信回路1001が構成される。第1(第2)のモード復号化部105と、第1(第2)の光強度検出部106とによって、第1(第2)の光受信回路1002が構成される。
次に、図7に示す本実施形態の動作を説明する。本実施形態の構成は、前述の第1の実施形態(図2)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。その構成において、本実施形態の光伝送装置200は、光送信回路1001および光受信回路1002を2組備える。第1および第2の光情報変調部102は、第1および第2の情報信号(D1およびD2)で、対応する第1および第2の多モード光源101から出力される光を変調して、第1および第2の光信号としてそれぞれ出力する。第1および第2のモード符号化部103は、互いに異なる源符号K1およびK2に基づいて、対応する第1および第2の光信号に対して、所定パターンの符号化操作(第1の操作)を施す。光合波部609は、第1および第2の光送信回路1001から出力される各光信号成分を合成し、光伝送路104に送出する。光分岐部610は、光伝送路104を介して伝送される光信号成分を分岐し、対応する光受信回路1002に出力する。第1および第2のモード復号化部105は、光分岐部610から出力される光信号を入力し、対応する第1および第2のモード符号化部103とそれぞれ共有する源符号K1およびK2に基づいて、所定パターンの復号化操作(第2の操作)を施し、出力する。第1および第2の光強度検出部106は、対応する第1および第2のモード復号化部105から出力される光信号を自乗検波して、第1および第2の情報信号(D1およびD2)をそれぞれ再生する。
なお、第1および第2の光信号は、互いに異なる波長帯に設定されても、その光スペクトルの全部または一部が同じ波長帯に設定されてもよい。
また、本実施形態では、第1および第2の光信号を多重伝送する構成としたが、当該多重数は、2以外のいずれの複数であってもよい。
さらに、第2の実施形態で用いる多モード光源は、図5または図6に示すような多モード光源であってもよい。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、複数の送受信回路対のそれぞれにおいて、発振モード光成分間の光強度または光位相の相関関係を変更した際に生じる雑音を利用し、当該発振モード光成分間の光強度または光位相の変更パターンを「秘密鍵」として、送信者と正規受信者との間で共有する。これにより、互いの干渉、情報漏洩を著しく抑圧し、秘匿性の高い光伝送装置を容易に提供することができる。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置200の構成を示す図である。図9A〜9Cは、図8に示す光伝送装置200の主要部における光(光信号)のスペクトルを表す模式図である。
図8において、本実施形態の光伝送装置200は、多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203と、主光伝送路204と、副光伝送路205と、光強度検出部206とを備える。多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203とによって、光送信回路2001が構成される。光強度検出部206によって、光受信回路2002が構成される。なお、図8では、本実施形態の動作説明のため、傍受者光強度検出部2062を構成要素とする傍受者光受信回路2003が併せて図示されている。
次に、図8に示す本実施形態の動作を説明する。多モード光源201は、図9Aに示すような所定の波長帯域に亘り複数の(縦)モード(図9Aでは8つ:m1〜m8)で発振する光源で構成され、このような光を出力する。このような多モード発振光源の具体例は、LED(Light Emission Diode)や、FP(Fabry−Perot)レーザ、RC(Resonant Cabity)−LED、VCSEL(Vertical Cabity Surface Emitting Laser)、SLD(Super Luminescent Diode)である。これらの出力光スペクトルにおいて、個々の発振モード光における光強度および光位相の両パラメータは、高速に変動している。これらの光源において、個々の発振モード光における光強度変動成分および光位相変動成分は、他の発振モード光における光強度変動成分および光位相変動成分と相関しながらも、多モード光源201から出力される光の総光強度は、略一定値を示す性質を有している。
光情報変調部202は、伝送すべき情報信号Diで、多モード光源201から出力される光を変調して、光信号として出力する。
光分離部203は、光情報変調部202から出力される光信号を入力し、複数の発振モード光の内、所定のモード光のみを抽出して分離し、副光伝送路205に送出すると共に、残りの光信号成分を主光伝送路204に送出する。例えば、図9Bに示すように、光分離部203は、6番目の発振モード光(m6)を抽出して分離し副光伝送路205に送出する。さらに、図9Cに示すように、光分離部203は、残りの光信号成分(m1〜m5、m7、m8)を抽出して分離し主光伝送路204に送出する。
光強度検出部206は、主光伝送路204を介して伝送される光信号成分と、副光伝送路205を介して伝送される所定の発振モード光とを合成した後、自乗検波して、総光強度の変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
次に、本実施形態において、第三者(傍受者光受信回路2003)による盗聴が不可能である根拠について説明する。
ここで、傍受者光受信回路2003は、副光伝送路205を介して伝搬される所定の発振モード光を受信することなく、主光伝送路204を伝搬する光信号の一部を分岐して、傍受者光強度検出部2062に入力したと想定する。傍受者光強度検出部2062は、入力光信号を電気信号に変換し、出力する。傍受者光強度検出部2062は、副光伝送路205を介して別途伝搬される所定の発振モード光を受信しないとしているので、当該発振モード光を除いた残りの光信号成分(図9C)のみを自乗検波することとなる。即ち、傍受者光強度検出部2062は、光強度変動成分および光位相変動成分が互いに相関性を有しながら発振する多モード光の内、一部の発振モード光を欠如した状態で、総光強度の変調成分を検出することとなる。したがって、各発振モード光の変動成分が検出信号に現れることとなり、モードパーティションノイズが発生する。よって、盗聴者の受信信号品質(SNR:信号対雑音電力比)は、正規受信者(光受信回路2002)に比較して、劣化することとなる。ゆえに、高い秘匿性を確保することができる。
なお、上記第3の実施形態では、六つのモードが利用されることとしたが、最低限二つ以上のモードが利用されればよい。
なお、上記第の実施形態では、光分離部203で一つの発振モード光(図9Bでは、m6)が分離、抽出されることとしたが、二つ以上の発振モード光が分離、抽出されてもよい。
(第1の変形例)
次に、第3の実施形態に係る第1の変形例について説明する。図10は、第3の実施形態に関する第1の変形例に係る光伝送装置200aの構成を示す図である。図10において、光伝送装置200aの光送信回路2001aは、図8に示す多モード光源201を、多モード光源201aに置き換えた構成を有する。光伝送装置200aにおけるそれ以外の構成は、図1の場合と同様である。多モード光源201aは、第1の光源3011と、第2の光源3012と、第3の光源3013と、光モード合成部302と、符号発生部303とを含む。
本構成において、第1〜第3の光源3011〜3013は、それぞれ異なる波長を有し、かつ所定の関係で互いに位相同期された単一モード光を発振し、出力する。光モード合成部302は、第1〜第3の光源3011〜3013からの出力光を合成し、出力する。符号発生部303は、第1〜第3の光源3011〜3013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を発生し、光モード合成部302から出力される総光強度が一定となるように、第1〜第3の光源3011〜3013の光強度を略ランダムに変調する。これにより、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した際に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
また、第1の変形例では、位相同期された単一モード光を複数作成し、それぞれ独立に光強度変調する構成としたが、光強度変動を同期させ、あるいは光強度を一定値に安定化させ、それぞれ独立に略ランダムな光位相変調を施す構成としても、ほぼ同様の効果を有する。この場合、具体的には、第1〜第3の光源3011〜3013として、それぞれ異なる波長を有し、かつ所定の関係で互いに光強度が同期された単一モード光が光位相変調された状態で発振し出力する光源を用いる。符号発生部303は、第1〜第3の光源3011〜3013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を発生し、光モード合成部302から出力される総光強度が一定となるように、第1〜第3の光源3011〜3013の光位相を略ランダムに変調する。これにより、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した際に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
なお、第1の変形例において、三つの光源を用いることとしたが、二つまたは四つ以上の光源を用いてもよい。この場合も、符号発生部303は、各光源に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、光モード合成部302から出力される総光強度が一定となるように、各光源の光強度を略ランダムに変調すればよい。これにより、光変動成分においても互いに所定の同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した際に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
(第2の変形例)
次に、第の実施形態に係る第2の変形例について説明する。図11は、第3の実施形態に関する第2の変形例に係る光伝送装置200bの構成を示す図である。図11において、光伝送装置200bの光送信回路2001bは、図8に示す多モード光源201を、多モード光源201bに置き換えた構成を有する。光伝送装置200bにおけるそれ以外の構成は、図8の場合と同様である。多モード光源201bは、第1の光源3011と、第2の光源3012と、第3の光源3013と、光モード合成部302と、第1の符号発生部6001と、第2の符号発生部6002と、第1の光位相変調部6011と、第2の光位相変調部6012と、第3の光位相変調部6013とを含む。
本構成において、第1〜第3の光源3011〜3013は、それぞれ互いに異なる波長の単一モード光を発振し、出力する。第1〜第3の光位相変調部6011〜6013は、第1〜第3の光源3011〜3013に対応して設けられ、第1〜第3の光源3011〜3013からの出力光の位相をそれぞれ変調し、出力する。光モード合成部302は、第1〜第3の光位相変調部6011〜6013から出力された光信号を合成し、出力する。第1の符号発生部6001は、第1〜第3の光源3011〜3013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列C1〜C3を発生し、当該符号列に基づいて第1〜第3の光源3011〜3013からの出力光強度を略ランダムとなるように変調する。第2の符号発生部6002は、第1〜第3の光位相変調部6011〜6013に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列D1〜D3を発生し、当該符号列に基づいて第1〜第3の光位相変調部6011〜6012からの出力光の位相を位相変化が同期するように変調し、かつ光モード合成部302からの総出力光強度が一定となるようにする。第1〜第3の光位相変調部6011〜6013および第2の符号発生部は、第1〜第3の光源3011〜3013から出力される光の位相変化を同期させる光位相同期部といえる。また、第1の符号発生部6001は、光モード合成部302から出力される光の総強度を一定とし、かつ第1〜第3の光源3011〜3013から出力される光の強度を略ランダムに変調するための変調信号である符号を各光源に供給する符号発生部であるといえる。このように、第2の変形例において、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した場合に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
また、本実施形態では、複数の単一モード光を光強度変調した後、光位相変調する構成としたが、光位相変調後、光強度変調する構成としても、ほぼ同様の効果を有する。この場合、具体的には、光伝送装置は、互いに異なる波長の光を位相変調して出力する複数の光源と、複数の光源から出力される光を強度変調する複数の光強度変調部と、複数の光強度変調部から出力される光信号を合成する光モード合成部と、光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ複数の光源から出力される光の位相を略ランダムに変調するための変調信号である符号を各光源に入力する第1の符号発生部と、複数の光強度変調部からの出力光の強度変化を同期させるための符号を各光強度変調部に入力する第2の符号発生部とを備えるとよい。これにより、光強度変調部と第2の符号発生部とが、複数の光源から出力される光の強度変化を同期させるための光強度同期部として機能することとなる。このような構成によって、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した場合に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
なお、第2の変形例において、三つの光源を用いることとしたが、二つまたは四つ以上の光源を用いてもよい。この場合、光源の数に応じて、光位相変調部が設けられなければならない。また、第1の符号発生部6001は、各光源に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、当該符号列に基づいて各光源らの出力光強度を変調する。第2の符号発生部6002は、各光位相変調部に対応して、それぞれ略ランダムに変化する所定の符号列を発生し、当該符号列に基づいて各光位相変調部からの出力光の位相を変調し、かつ光モード合成部302からの総出力光強度が一定となるようにする。これにより、光変動において互いに同期関係にある多モード光を人為的に作成し、いずれかの単一モード光が欠如した場合に、上記モードパーティションノイズに準じた雑音を発生させることができる。
以上説明したように、第の実施形態によれば、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、当該所定の発振モード光を「秘密鍵」として、送信者と正規受信者との間で共有することにより、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を提供することができる。
なお、ここでは、図9Bに示すように、ある発振モード光の全電力を抽出することとしたが、ある発振モード光の一部電力のみが抽出されて、残りの光信号成分が光受信回路に送信されても良い。
なお、図12に示すように、光分離部203で抽出された発振モード光に準じた光が、何らかの手段によって、副光伝送路205を介することなく光強度検出部206に入力されてもよい。
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置500の構成を示す図である。図13において、本実施形態の光伝送装置500は、多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203と、主光伝送路204と、副光伝送路205と、光強度検出部206と、局発光発生部507とを備える。第の実施形態に係る光伝送装置500は、図8の構成に対して、局発光発生部507を新たに備える点と、接続関係とが異なる。多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203とによって、光送信回路2001が構成される。光強度検出部206と、局発光発生部507とによって、光受信回路7002が構成される。また、図13では、図8と同様に、本実施形態の動作説明のため、傍受者光強度検出部2062を構成要素とする傍受者光受信回路2003が、併せて図示されている。
次に、図13に示す本実施形態の動作を説明する。本実施形態の構成は、前述の第の実施形態(図8)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
本実施形態の光伝送装置500において、局発光発生部507は、副光伝送路205を介して伝送される所定の発振モード光を入力し、光強度変動情報および光位相変動情報に関して同一の情報を有する局発光を生成し、出力する。具体的には、局発光発生部507は、半導体レーザに所定の発振モード光を注入する光注入同期の構成によって、所定の発振モード光と同じ物理的性質を有する局発光(所定の発振モード光に準じた光という)を生成する。光強度検出部206は、主光伝送路204を介して伝送される光信号成分と、局発光発生部507から出力される局発光を合成後、自乗検波することで、総光強度の変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
本実施形態において、傍受者光受信回路2003を用いた盗聴を行った場合、図8と同様、傍受者光強度検出部2062には、所定の発振モード光を除いた残りの光信号成分のみが入力されるため、モードパーティションノイズが発生し、当該受信信号品質は、光受信回路7002に比べて劣化し、高い秘匿性を確保することが可能である。
以上説明したように、第4の実施形態によれば、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、当該所定の発振モード光と物理的性質を同じくする光を「秘密鍵」として、送信者と正規受信者の間で共有することにより、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を容易に提供することができる。
なお、第4の実施形態において、多モード光源201は、第1の変形例で示したように、複数の単一モードの光源からなる多モード光源201a(図10参照)に置き換えられてもよいし、複数の単一モードの光源および光位相変調部からなる多モード光源201b(図11参照)に置き換えられてもよい。
(第5の実施形態)
図14は、本発明の第5の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置700の構成を示す図である。図14において、本実施形態の光伝送装置700は、多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203と、主光伝送路204と、光強度検出部206と、副伝送路705と、局発光発生部707と、光検出部708とを備える。第5の実施形態に係る光伝送装置700は、図8の構成に対して、副光伝送路205に代えて、副伝送路705を備える点、局発光発生部707と光検出部708とを新たに備える点、および接続関係が異なる。多モード光源201と、光情報変調部202と、光分離部203と、光検出部708とによって、光送信回路8001が構成される。光強度検出部206と、局発光発生部707とによって、光受信回路8002が構成される。また、図14では、図8と同様に、本実施形態の動作説明のため、傍受者光強度検出部2062を構成要素とする傍受者光受信回路2003が、併せて図示されている。
次に、図14に示す本実施形態の動作を説明する。本実施形態の構成は、前述の第1の実施形態(図8)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
本実施形態の光伝送装置700において、光検出部708は、光分離部203によって分離、抽出された所定の発振モード光を検波し、当該光強度変動情報および光位相変動情報を検出し、副伝送路705に送出する。局発光発生部707は、副伝送路705を介して伝送される光強度変動情報および光位相変動情報に基づいて、当該情報を備えた局発光(所定の発振モード光に準じた光)を生成し、出力する。光強度検出部206は、主光伝送路204を介して伝送される光信号成分と、局発光発生部707から出力される局発光を合成後、自乗検波することで、総光強度の変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
本実施形態において、傍受者光受信回路2003を用いた盗聴を行った場合、図8と同様、傍受者光強度検出部2062には、所定の発振モード光を除いた残りの光信号成分のみが入力されるため、モードパーティションノイズが発生し、当該受信信号品質は、光受信回路8002に比べて劣化し、高い秘匿性を確保することが可能である。
以上説明したように、第5の実施形態によれば、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、当該所定の発振モード光と物理的性質を同じくする光を「秘密鍵」として、送信者と正規受信者の間で共有することにより、第三者による盗聴を著しく妨げ、秘匿性の高い光伝送装置を容易に提供することができる。
なお、第5の実施形態において、多モード光源201は、第1の変形例で示したように、複数の単一モードの光源からなる多モード光源201a(図10参照)に置き換えられてもよいし、複数の単一モードの光源および光位相変調部からなる多モード光源201b(図11参照)に置き換えられてもよい。
(第6の実施形態)
図15は、本発明の第6の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置800の構成を示す図である。図15において、本実施形態の光伝送装置800は、図13中の光送信回路2001および光受信回路7002を、複数組(図15では2組)備えた構成である。光伝送装置800は、第1および第2の多モード光源201と、第1および第2の光情報変調部202と、第1および第2の光分離部203と、主光伝送路204と、第1および第2の副光伝送路205と、第1および第2の光強度検出部206と、第1および第2の局発光発生部507と、主光合成部709と、主光分岐部710とを備える。主光合成部709と、主光分岐部710とを新たに備える点が図13の構成と異なる。なお、第1(第2)の多モード光源201と、第1(第2)の光情報変調部202と、第1(第2)の光分離部203とによって、第1(第2)の光送信回路2001が構成される。第1(第2)の光強度検出部206と、第1(第2)の局発光発生部507とによって、第1(第2)の光受信回路7002が構成される。
次に、図15に示す本実施形態の動作を説明する。本実施形態の構成は、前述の第4の実施形態(図13)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
本実施形態の光伝送装置800は、光送信回路2001および光受信回路7002を2組備える。第1および第2の光情報変調部202は、第1および第2の情報信号(D1およびD2)で、対応する第1および第2の多モード光源201から出力される光を変調して、第1および第2の光信号としてそれぞれ出力する。第1および第2の光分離部203は、対応する第1および第2の光情報変調部202から出力される第1および第2の光信号を入力し、当該複数の発振モード光の内、それぞれ所定のモード光を分離、抽出して、第1および第2の副光伝送路205に送出すると共に、残りの光信号成分を主光合成部709に出力する。主光合成部709は、第1および第2の光分離部203から出力される光信号成分を合成して、主光伝送路204に送出する。主光分岐部710は、主光伝送路204を介して伝送される光信号成分を分岐して、第1および第2の光強度検出部206にそれぞれ入力する。第1および第2の光強度検出部206は、主光分岐部710から出力される光信号成分と、対応する第1および第2の局発光発生部507から出力される所定の発振モード光を合成後、自乗検波して、総光強度の変調成分を検出し、第1および第2の情報信号(D1およびD2)をそれぞれ再生する。
さらに、第1および第2の光情報変調部202から出力される第1および第2の光信号、ならびに第1および第2の光分離部203によって抽出される所定の発振モード光の各波長設定について説明する。第1および第2の光信号は、互いに異なる波長帯に設定されていてもよいし、その光スペクトルの全部または一部が同じ波長帯に設定されていてもよい。
第1および第2の光信号が、互いに異なる波長帯に設定される場合、第1および第2の光分離部203によって抽出される所定の発振モード光は、複数のモードの内、いずれのモードであってもよい。第1および第2の光信号が、互いに異なる波長帯に設定される場合、副光伝送路205を共通化することができる。図16は、第1および第2の光信号が、互いに異なる波長帯に設定される場合に副光伝送路205を共通化したときの光伝送装置800aの構成を示す図である。図16に示すように、光伝送装置800aは、副光合成部809および副光分岐部810を用いて、所定の発振モード光を波長多重/分離することで、一つの副光伝送路205で所定の発振モード光を伝送することができる。
また、第1および第2の光信号の光スペクトルの全部または一部が同じ波長帯に設定される場合で、かつ第1および第2の光信号のそれぞれから抽出される所定の発振モード光が同じ波長帯である場合には、光伝送装置は、別々の副光伝送路205を介して所定の発振モード光をそれぞれ伝送する。一方、第1および第2の光信号の光スペクトルの全部または一部が同じ波長帯に設定される場合で、かつ第1および第2の光信号のそれぞれから抽出される所定の発振モード光が互いに異なる波長帯である場合には、光伝送装置は、別々の副光伝送路205を介して伝送するか、もしくは、図16に示すように、一つの副光伝送路205を介して伝送する。
以上説明したように、第6の実施形態によれば、複数の送受信回路対において、それぞれ、多モード発振する光から所定の発振モード光を除去した際に生じる雑音を利用し、当該所定の発振モード光と物理的性質を同じくする光を「秘密鍵」として、送信者と正規受信者の間で共有することにより、互いの干渉、情報漏洩を著しく抑圧し、秘匿性の高い光伝送装置を容易に提供することができる。
なお、図8に示す構成においても、複数対の光送信回路と光受信回路とを備えるようにして、各所定の発振モード光および/または各所定の発振モード光を抽出した残りの光信号を合成/分岐して伝送するようにしてもよい。また、図14に示す構成においても、複数対の光送信回路と光受信回路とを備えるようにして、各光検出部が出力する検出信号を合成/分岐して伝送するようにしてもよい。
なお、第6の実施形態において、第1および/または第2の多モード光源201は、第1の変形例で示したように、複数の単一モードの光源からなる多モード光源201a(図10参照)に置き換えられてもよいし、複数の単一モードの光源および光位相変調部からなる多モード光源201b(図10参照)に置き換えられてもよい。
(第7の実施形態)
図17は、本発明の第7の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置800cの構成を示す図である。図17において、図1に示す第1の実施形態と同様の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、説明を省略する。また、図8に示す第3の実施形態と同様の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、説明を省略する。図17において、光伝送装置800cは、光送信回路9001と、光受信回路9002とを備える。光送信回路9001は、多モード光源101と、光情報変調部102と、モード符号化部103と、光分離部203とを含む。光受信回路9002と、モード復号化部9003と、光強度検出部9004とを含む。
モード符号化部103からは、発振モード光のそれぞれに対して、一意な所定の符号化操作が施された光信号が出力される。光分離部は、モード符号化部103から出力される光信号の内、すくとも1つの発振モード光を抽出して、副光伝送路205に送出すると共に、残りの光信号成分を主光伝送路204に送出する。モード復号化部9003は、主光伝送路204からの光信号と副光伝送路205からの光信号とを合成して、モード符号化部103での第1の操作と逆の関係にある復号化操作(第2の操作)を施した光を出力する。光強度検出部9004は、モード復号化部9003から出力される光信号を自乗検波して、総光強度の変化を検出することによって変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
このように、第7の実施形態では、光送信回路9001は、所定の操作として、多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作をモード符号化部103によって施し、所定の発振モード光を光分離部203によって分離して副光伝送路205に送出すると共に、所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を主光伝送路204に送出する。光受信回路9002は、主光伝送路204を介して伝送される光信号成分と、副光伝送路205を介して伝送される所定の発振モード光とをモード復号化部9003によって合成し、当該発振モード光の群に対して当該所定の符号に対応した操作と逆の操作をモード復号化部9003によって施して、当該所定の操作を施される前の光信号を復元する。このように、第1の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせることによっても、秘匿性に優れた光通信装置を実現することができる。
なお、第7の実施形態においても、上述したあらゆる変形例を適用することができることは言うまでもない。
(第8の実施形態)
図18は、本発明の第8の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置800bの構成を示す図である。図18において、図1に示す第1の実施形態と同様の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、説明を省略する。また、図8に示す第3の実施形態と同様の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、説明を省略する。図18において、光伝送装置800bは、光送信回路9005と、光受信回路9006とを備える。光送信回路9005は、多モード光源101と、光情報変調部102fと、第1のモード符号化部103fと、第2のモード符号化部103gとを含む。光受信回路9006は、光強度検出部9007を含む。
光情報変調部102fは、伝送すべき情報信号Diで、多モード光源101から出力される光を変調して、2分岐して出力する。
光情報変調部102fからの一方の光信号は、第1のモード符号化部103fに入力される。第1のモード符号化部103fは、光情報変調部102から出力される光信号を入力し、所定の源符号Kiに基づいて、スペクトル処理として、当該発振モード光のそれぞれに対して一意な所定の符号化操作を施した後、主光伝送路204に出力する。
光情報変調部102fからの他方の光信号は、第2のモード符号化部103gに入力される。第2のモード符号化部103は、所定の源符号Kiに基づいて、スペクトル処理として、当該発振モード光のそれぞれに対して一意であり、かつ第1のモード符号化部103fで施された所定の符号化操作と逆の関係(相補的な関係)にある符号化操作を施した後、副光伝送路205に出力する。
光強度検出部9007は、主光伝送路204を伝送された光信号と副光伝送路205を伝送された光信号とを合成して、自乗検波して、総光強度の変調成分を検出し、元の情報信号Diを再生する。
このように、第8の実施形態において、光送信回路9005は、所定の操作として、多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作を第1のモード符号化部103fによって施し主光伝送路204に送出する。一方、第2のモード符号化部103gは、多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して当該所定の符号に対応した操作と逆の操作を施して副光伝送路205に送出する。光受信回路9006は、主光伝送路204を介して伝送される光信号と副光伝送路205を介して伝送される光信号とを合成することによって、所定の操作を施される前の光信号を復元する。このように、互いに逆の関係にある発振モード光を伝送して、合成することによっても、秘匿性の優れた光通信装置を実現することができる。
なお、第8の実施形態においても、上述したあらゆる変形例を適用することができることは言うまでもない。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明に係る光伝送装置は、物理的性質(自然現象)として光が備えている予測不能の雑音成分を利用して、計算機処理による解析・解読が不可能な暗号通信を実現することができ、通信分野等に有用である。
本発明の実施形態に係る光伝送装置1の概念的な構成を示す機能ブロック 本発明の第1の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置100の構成を示す図 光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図 光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図 光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図 光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図 光伝送装置100の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図 光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図 光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図 光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図 光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図 光伝送装置100または傍受者光受信回路1003の主要部における光(光信号)のスペクトルの一例を表す模式図 第1の実施形態に関する第1の変形例の構成を示す図 第1の実施形態に関する第2の変形例の構成を示す図 本発明の第2の実施形態に係る光伝送装置00の構成を示す図 本発明の第3の実施形態に係る暗号通信対応の光伝送装置200の構成を示す図 図8に示す光伝送装置200の主要部における光(光信号)のスペクトルを表す模式図 図8に示す光伝送装置200の主要部における光(光信号)のスペクトルを表す模式図 図8に示す光伝送装置200の主要部における光(光信号)のスペクトルを表す模式図 第3の実施形態に関する第1の変形例に係る光伝送装置200aの構成を示す図 第3の実施形態に関する第2の変形例に係る光伝送装置200bの構成を示す図 第3の実施形態の他の例に係る光伝送装置200構成を示す図 本発明の第4の実施形態に係る光伝送装置500の構成を示す図 本発明の第5の実施形態に係る光伝送装置700の構成を示す図 本発明の第6の実施形態に係る光伝送装置800の構成を示す図 第1および第2の光信号が、互いに異なる波長帯に設定される場合に副光伝送路205を共通化したときの光伝送装置800aの構成を示す図 本発明の第7の実施形態に係る光伝送装置800cの構成を示す図 本発明の第8の実施形態に係る光伝送装置800bの構成を示す図 暗号通信に対応する従来の光伝送装置91の構成を示す図
符号の説明
1,100,100a,100b,200,200a,500,700,800,800a,800b,800c 光伝送装置
3,101,101a,101b,201,201a,201b 多モード光源
4,102,202 光情報変調部
5 スペクトル処理部
6 スペクトル復元部
7 光電気変換部
103 モード符号化部
9,104 光伝送路
105 モード復号化部
106 光強度検出部
1052 傍受者モード復号化部
1062,2062 傍受者光強度検出部
2,1001,1001a,1001b,2001,2001a,2001b,8001 光送信回路
8,1002,2002,7002,8002 光受信回路
1003,2003 傍受者光受信回路
4011 第1の光源
4012 第2の光源
4013 第3の光源
402 光モード合成部
403 符号発生部
5001,6001 第1の符号発生部
5002,6002 第2の符号発生部
5011,6011 第1の光位相変調部
5012,6012 第2の光位相変調部
5013,6013 第3の光位相変調部
609 光合波部
610 光分岐部
203 光分離部
204 主光伝送路
205 副光伝送路
206 光強度検出部
507 符号発生部
705 副伝送路
707 局発光発生部
708 光検出部
709 主光合成部
710 主光分岐部
809 副光合成部
810 副光分岐部

Claims (36)

  1. 伝送すべき情報信号で変調された多モードの光信号を伝送するための多モード光伝送装置であって、
    多モード発振光を前記情報信号で変調し、前記多モード発振光における少なくとも1つの発振モード光に対して、所定の操作を施した後、光伝送路に送出する光送信回路と、
    前記光伝送路を介して伝送される光信号を受信し、前記所定の操作と逆の操作を施すことによって、前記所定の操作を施される前の光信号を復元し、復元した光信号を電気信号に変換して、前記情報信号を再生する光受信回路とを備えることを特徴とする、多モード光伝送装置。
  2. 前記光送信回路は、前記所定の操作として、前記多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作を施して、前記光伝送路に送出し、
    前記光受信回路は、前記光伝送路を介して伝送される光を受信し、前記発振モード光の群に対して前記所定の符号に対応した操作と逆の操作を施すことによって前記所定の操作を施される前の光信号を復元し、前記発振モード光の群の総光強度変化を検出し、電気信号に変換して、前記情報信号を再生することを特徴とする、請求項1に記載の多モード光伝送装置。
  3. 前記光送信回路は、前記所定の操作として、前記多モード発振光から所定の発振モード光を抽出して、前記光伝送路に送出し、
    前記光受信回路は、前記光伝送路を介して伝送される光を受信し、抽出された前記所定の発振モード光と同一の光もしくは前記所定の発振モード光に準じた光とを合成した後、自乗検波して、前記情報信号を再生することを特徴とする、請求項1に記載の光伝送装置。
  4. 前記光送信回路は、
    多モード発振する光を出力する多モード光源と、
    前記多モード光源から出力される光を情報信号で変調し、変調された光信号を出力する光情報変調部と、
    前記光情報変調部から出力される前記光信号を入力し、前記光信号の複数の発振モード光の群に対して、前記所定の符号に対応した第1の操作を施し、前記光伝送路に送出するモード符号化部とを含み、
    前記光受信回路は、
    前記光伝送路を介して伝送される光信号を入力し、前記光信号の複数の発振モード光の群に対して、前記所定の符号に対応した前記第1の操作と逆の関係にある第2の操作を施し、出力するモード復号化部と、
    前記モード復号化部から出力される光信号の総光強度変化を検出し、電気信号に変換して、前記情報信号を再生する光強度検出部とを含む、請求項2に記載の多モード光伝送装置。
  5. 前記モード符号化部における前記第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、前記所定の符号に対応した所定量の強度変化を与える操作であり、
    前記モード復号化部における前記第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、前記所定の符号に対応した前記所定量の強度変化と逆の極性を有する強度変化を与える操作であることを特徴とする、請求項4に記載の多モード光伝送装置。
  6. 前記モード符号化部における前記第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、前記所定の符号に対応した所定量の位相変化を与える操作であり、
    前記モード復号化部における前記第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、前記所定の符号に対応した前記所定量の位相変化と逆の極性を有する位相変化を与える操作であることを特徴とする、請求項4に記載の多モード光伝送装置。
  7. 前記モード符号化部における前記第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、前記所定の符号に対応した所定量の偏向変化を与える操作であり、
    前記モード復号化部における前記第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、前記所定の符号に対応した前記所定量の偏向変化と逆の極性を有する偏向変化を与える操作であることを特徴とする、請求項4に記載の多モード光伝送装置。
  8. 前記モード符号化部における前記第1の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、前記所定の符号に対応した所定量の周波数変化を与える操作であり、
    前記モード復号化部における前記第2の操作は、入力光信号の複数の発振モード光のそれぞれに対して、前記所定の符号に対応した前記所定量の周波数変化と逆の極性を有する周波数変化を与える操作であることを特徴とする、請求項4に記載の多モード光伝送装置。
  9. 複数対の前記光送信回路と前記光受信回路とを有し、
    各前記光送信回路から出力される光信号成分を合成し、前記光伝送路に送出する光合波部と、
    前記光伝送路を介して伝送される光信号成分を分岐し、対応する前記光受信回路に出力する光分岐部とを備え、
    前記光送信回路と前記光受信回路との各対は、それぞれ、複数の発振モード光の群に対して、互いに異なる所定の符号に対応した第1の操作および第2の操作を施すことを特徴とする、請求項4に記載の多モード光伝送装置。
  10. 前記光送信回路は、
    多モード発振する光を出力する多モード光源と、
    前記多モード光源から出力される光を前記情報信号で変調し、光信号を出力する光情報変調部と、
    前記光情報変調部から出力される前記光信号を入力し、前記光信号における複数の発振モード光の内、前記所定の発振モード光を分離して副光伝送路に送出すると共に、前記光信号における前記所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を主光伝送路に送出する光分離部とを含み、
    前記光受信回路は、
    前記主光伝送路を介して伝送される前記光信号成分と、前記副光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光とを合成し、自乗検波して、前記情報信号を再生する光強度検出部を含む、請求項3に記載の光伝送装置。
  11. さらに、複数対の前記光送信回路と前記光受信回路と、
    各前記光送信回路から出力される前記所定の発振モード光を合成し、前記副光伝送路に送出する副光合波部と、
    前記副光伝送路を介して伝送される前記所定の発振モード光を分岐し、対応する光受信回路に出力する副光分岐部とを備える、請求項10に記載の光伝送装置。
  12. 前記複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する前記所定の発振モード光が、互いに異なる波長を有することを特徴とする、請求項11に記載の光伝送装置。
  13. さらに、複数対の前記光送信回路と前記光受信回路と、
    各前記光送信回路から出力される前記所定の発振モード光以外の光信号成分を合成し、前記主光伝送路に送出する主光合波部と、
    前記主光伝送路を介して伝送される前記所定の発振モード光以外の光信号成分を分岐し、対応する前記光受信回路に出力する主光分岐部と、
    各前記光送信回路から出力される前記所定の発振モード光を合成し、前記副光伝送路に送出する副光合波部と、
    前記副光伝送路を介して伝送される前記所定の発振モード光を分岐し、対応する光受信回路に出力する副光分岐部とを備える、請求項10に記載の光伝送装置。
  14. 前記複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する前記所定の発振モード光以外の光信号成分が、互いに同じ波長成分有し、
    前記複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する前記所定の発振モード光が、互いに異なる波長を有することを特徴とする、請求項13に記載の光伝送装置。
  15. 前記複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する前記所定の発振モード光以外の光信号成分が、互いに異なる波長を有することを特徴とする、請求項13に記載の光伝送装置。
  16. 前記光送信回路は、
    多モード発振する光を出力する多モード光源と、
    前記多モード光源から出力される光を前記情報信号で変調し、光信号を出力する光情報変調部と、
    前記光情報変調部から出力される前記光信号を入力し、前記光信号における複数の発振モード光の内、前記所定の発振モード光を分離して副光伝送路に送出すると共に、前記光信号における前記所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を主光伝送路に送出する光分離部とを含み、
    前記光受信回路は、
    前記副光伝送路を介して伝送される前記所定の発振モード光を入力し、前記所定の発振モード光に準じた光として、当該発振モード光と物理的性質を同じくする局部発振光を発生する局発光発生部と、
    前記主光伝送路を介して伝送される前記光信号成分と、前記局発光発生部から出力される前記局部発振光とを合成し、自乗検波して、前記情報信号を再生する光強度検出部とを含む、請求項3に記載の光伝送装置。
  17. さらに、複数対の前記光送信回路と前記光受信回路と、
    各前記光送信回路から出力される前記所定の発振モード光を合成し、前記副光伝送路に送出する副光合波部と、
    前記副光伝送路を介して伝送される前記所定の発振モード光を分岐し、対応する光受信回路に出力する副光分岐部とを備える、請求項16に記載の光伝送装置。
  18. 前記複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する前記所定の発振モード光が、互いに異なる波長を有することを特徴とする、請求項17に記載の光伝送装置。
  19. さらに、複数対の前記光送信回路と前記光受信回路と、
    各前記光送信回路から出力される前記所定の発振モード光以外の光信号成分を合成し、前記主光伝送路に送出する主光合波部と、
    前記主光伝送路を介して伝送される前記所定の発振モード光以外の光信号成分を分岐し、対応する前記光受信回路に出力する主光分岐部と、
    各前記光送信回路から出力される前記所定の発振モード光を合成し、前記副光伝送路に送出する副光合波部と、
    前記副光伝送路を介して伝送される前記所定の発振モード光を分岐し、対応する光受信回路に出力する副光分岐部とを備える、請求項16に記載の光伝送装置。
  20. 前記複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する前記所定の発振モード光以外の光信号成分が、互いに同じ波長成分有し、
    前記複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する前記所定の発振モード光が、互いに異なる波長を有することを特徴とする、請求項19に記載の光伝送装置。
  21. 前記複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する前記所定の発振モード光以外の光信号成分が、互いに異なる波長を有することを特徴とする、請求項19に記載の光伝送装置。
  22. 前記光送信回路は、
    多モード発振する光を出力する多モード光源と、
    前記多モード光源から出力される光を前記情報信号で変調し、光信号を出力する光情報変調部と、
    前記光情報変調部から出力される前記光信号を入力し、前記光信号における複数の発振モード光の内、前記所定の発振モード光を分離すると共に、前記光信号における前記所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を光伝送路に送出する光分離部と、
    前記光分離部によって分離された前記所定の発振モード光を入力し、当該所定の発振モード光の物理的性質を検出し、検出信号を伝送路に送出する光検出部とを含み、
    前記光受信回路は、
    前記伝送路を介して伝送される検出信号に基づき、前記所定の発振モード光に準じた光として、前記所定の発振モード光と物理的性質を同じくする局部発振光を発生する局発光発生部と、
    前記光伝送路を介して伝送される光信号成分と、前記局発光発生部から出力される局部発振光とを合成し、自乗検波して、前記情報信号を再生する光強度検出部とを含む、請求項3に記載の光伝送装置。
  23. さらに、複数対の前記光送信回路と前記光受信回路と、
    各前記光送信回路から出力される検出信号を合成し、前記伝送路に送出する合成部と、
    前記伝送路を介して伝送される検出信号を分岐し、対応する前記光受信回路に出力する分岐部とを備える、請求項22に記載の光伝送装置。
  24. さらに、複数対の前記光送信回路と前記光受信回路と、
    各前記光送信回路から出力される前記所定の発振モード光以外の光信号成分を合成し、前記主光伝送路に送出する主光合波部と、
    前記主光伝送路を介して伝送される前記所定の発振モード光以外の光信号成分を分岐し、対応する前記光受信回路に出力する主光分岐部とを備える、請求項3に記載の光伝送装置。
  25. 前記複数対の光送信回路と光受信回路とが送受信する前記所定の発振モード光以外の光信号成分が、互いに異なる波長を有することを特徴とする、請求項24に記載の光伝送装置。
  26. 前記光送信回路は、前記所定の操作として、前記多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作を施し、所定の発振モード光を分離して副光伝送路に送出すると共に、前記所定の発振モード光以外の残りの光信号成分を主光伝送路に送出し、
    前記光受信回路は、前記主光伝送路を介して伝送される前記光信号成分と、前記副光伝送路を介して伝送される所定の発振モード光とを合成し、前記発振モード光の群に対して前記所定の符号に対応した操作と逆の操作を施すことによって前記所定の操作を施される前の光信号を復元し、前記発振モード光の群の総光強度変化を検出し、電気信号に変換して、前記情報信号を再生することを特徴とする、請求項1に記載の多モード光伝送装置。
  27. 前記光送信回路は、前記所定の操作として、前記多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して所定の符号に対応した操作を施して主光伝送路に送出し、前記多モード発振光における複数の発振モード光の群に対して前記所定の符号に対応した操作と逆の操作を施して副光伝送路に送出し、
    前記光受信回路は、前記主光伝送路を介して伝送される光と前記副光伝送路を介して伝送される光とを合成することによって、前記所定の操作を施される前の光信号を復元し、前記発振モード光の群の総光強度変化を検出し、電気信号に変換して、前記情報信号を再生することを特徴とする、請求項1に記載の光伝送装置。
  28. 前記光送信回路で用いられる多モード光源は、
    互いに光強度および光位相に相関性を有し、互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、
    前記複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、
    前記光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ前記複数の光源から出力される光の強度および/または位相を略ランダムに変調するような変調信号を各前記光源に供給する符号発生部とからなることを特徴とする、請求項1に記載の多モード光伝送装置。
  29. 前記送信回路で用いられる多モード光源は、
    互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、
    前記複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、
    前記複数光源から出力される光の位相変化を同期させる光位相同期部と、
    前記光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ前記複数の光源から出力される光の強度を略ランダムに変調するような変調信号を各前記光源に供給する符号発生部とからなることを特徴とする、請求項1に記載の多モード光伝送装置。
  30. 前記送信回路で用いられる多モード光源は、
    互いに異なる波長の光を出力する複数の光源と、
    前記複数の光源から出力される光を合成し、出力する光モード合成部と、
    前記複数光源から出力される光の強度変化を同期させる光強度同期部と、
    前記光モード合成部から出力される光の総強度を一定とし、かつ前記複数の光源から出力される光の位相を略ランダムに変調するような変調信号を各前記光源に供給する符号発生部とからなることを特徴とする、請求項1に記載の多モード光伝送装置。
  31. 前記送信回路で用いられる多モード光源は、LED(Light Emission Diode)であることを特徴とする、請求項1に記載の光伝送装置。
  32. 前記多モード光源は、FP(Fabry−Perot)レーザであることを特徴とする、請求項1に記載の光伝送装置。
  33. 前記多モード光源は、RC(Resonant Cabity)−LEDであることを特徴とする、請求項1に記載の光伝送装置。
  34. 前記多モード光源は、VCSEL(Vertical Cabity Surface Emitting Laser)であることを特徴とする、請求項1に記載の光伝送装置。
  35. 前記多モード光源は、SLD(Super Luminescent Diode)であることを特徴とする、請求項1に記載の光伝送装置。
  36. 前記光伝送路は、光ファイバ、光導波路、または自由空間であることを特徴とする、請求項1に記載の多モード光伝送装置。
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