JP4849710B2 - 暗号鍵配布方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子または電波、光を媒体とする通信路を利用して暗号鍵の配布を行う装置に関し、特に送信信号と雑音との関係をあらかじめ定められた盗聴対策基準を満たすように保持しながら信号の増幅を行い、長距離の鍵配布を実現する機能を有することを特徴とする暗号鍵配布方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、公開鍵暗号方式、量子暗号、Yuen暗号を説明する。現在広く普及している暗号方式として公開鍵暗号方式があげられる。よく知られているように公開鍵暗号方式は、大きな数の素因数分解が現在のコンピュータでは実時間で実現できないという事実に基づく、計算量の観点から安全性を保証された暗号である。しかし、1994年P.W.Shorによって素因数分解量子計算アルゴリズムが発見され、以後公開鍵暗号方式への不安感が高まるとともに、量子暗号への期待が高まった。量子暗号は量子力学の原理により安全性を保証された暗号であり、現在までいくつかの通信プロトコルが提案されている(C.H.Bennet,G.Brassard,Proceedings of IEEE International Conference on Computers, System and Signal Processing,Bangalore,India(IEEE New York,1984)175)。しかし、量子暗号で絶対安全性を保証するには単一光子を制御する必要があり現在の技術では実現は非常に困難である。また、単一光子の替わりに非常に微弱な光を用いて通信するとしても、従来の増幅器は原理上使えないため、現在のところ数10km程度の距離の鍵配布実験しか成功していない。このことは、量子暗号の実用化を進める上で大きな障害となっている。
【0003】
これに対しNorthwestern大学のH.P.YuenとA.M.Kimは、古典的な雑音を用いることによって量子暗号とほぼ同等の機能を実現する暗号方式(Yuen暗号)を提案した(H.P.Yuen,A.M.Kim,”Classical noise−based cryptography similar to two−state quantum cryptograpy”,Physics Letter A.241,135−138(1998))。以下、Yuen暗号について説明する。
【0004】
図4はYuen暗号のシステム構成を表すブロック図であり、暗号伝送のプロトコルに従って’0’,’1’のビット列を生成する等暗号配布のための処理を行う送信側暗号処理部206と、送信側暗号処理部206から渡されたビット列に基づいて変調を行う変調器204と、変調された信号を光信号として送信する光送信器202と、光信号を伝送する光伝送路201と、光送信器202から光伝送路201を介して送信されてきた光信号を受信しそれを電気信号に変換して出力するする光受信器203と、光受信器203から出力される電気信号に対してしきい値処理するしきい値処理部205と、回線210と、しきい値処理部205の出力をもとに送信側暗号処理部206と回線210を通じて交信し暗号配布のための処理を行う受信器側暗号処理部207と、共有された暗号を格納する暗号鍵格納部208,209から構成されている。
【0005】
この暗号システムの特徴は、しきい値処理部205において以下のような特殊なしきい値処理を行うところにある。図5はしきい値処理の説明図であって、’0’に対応する信号の確率分布が、graph0で、’1’に対応する信号の確率分布がgraph1で表されている。通常のしきい値判定では、aの位置にしきい値を定め信号値がしきい値より小さければ’1’、大きければ’0’と判定する。これに対し、Yuen暗号ではしきい値をbとcの位置に置き、信号値がしきい値bより小さければ’1’、しきい値cより大きければ’0’と判定し、それ以外の場合は信号が「判定不能」とする。Yuen暗号では、微弱な光を用いて通信し雑音の影響をわざと受けやすくすることにより、graph0とgraph1の重なりを大きくする。このことにより盗聴者にとって最適法となるようにしきい値をaに置いてしきい値処理を行ったとしても、誤り判定の確率が高くなり暗号鍵を盗むことが困難となる。また、盗聴者がしきい値をb、cの位置に置いた場合、盗聴者の受信器と正規受信者の受信器203に於ける雑音が独立であるため、判定可能なビットの位置が二者の間で食い違い、やはり暗号の盗聴は困難である。
【0006】
これにより、暗号の盗聴に対して安全性の高いシステムが実現できる。次に、暗号鍵配布の動きを図6を用いて説明する。図6はYuenの方式における暗号鍵配布の動き表すフロー図である。まず送信側暗号処理部206は乱数発生により、‘0’,‘1’のビット列を生成し、変調器204、送信器202、光伝送路201を使ってその情報を送信する(401)。受信器203によって受信された信号はしきい値処理部205によって前記のしきい値処理を施されその結果が受信器側暗号処理部207に渡される(402)。受信器側暗号処理部207は結果が判定不能となったビットの位置を回線210を使って送信器側暗号処理部206に送信する(403)。送信器側暗号処理部206と受信器側暗号処理部207はそれぞれ判定不能になったビットを捨て残ったビットを共有暗号鍵としてそれぞれ暗号鍵格納部208、209に格納する(404,405)。また送信器側暗号処理部206と受信器側暗号処理部207は回線210を使って交信、合議し、格納しているビット列からランダムに指定した位置のビット値をそれぞれ確認し、それらの値が一致しているかどうか確かめる。同様の処理を何回か行い、一致しない割合があらかじめ定められた値Rより大きければ、盗聴が行われているとして、暗号鍵格納部に格納されている鍵を破棄する。
【0007】
光の量子力学的性質を用いる量子暗号と異なり、Yuenの方式は古典的な雑音を利用しており、増幅器の利用の可能性があることが指摘されている(H.P.Yuen,A.M.Kim,”Classical noise−basedcryptography similar to two−state quantum cryptograpy”,Physics Letter A.241,135−138(1998))。これは、量子暗号方式と比べYuen暗号が非常に優れている点の一つである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献の技術では、コヒーレント光通信を行った場合の(光増幅による)中継の可能性が原理的に指摘されていただけで、具体的な実現方法についてはなんら述べられていないという課題があった。また、コヒーレント光通信では、ファイバー内の偏波が不安定であり、このようなS/N比の低い状況で使用するには困難がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、IMDD方式を用いながら送信信号と雑音との関係をあらかじめ定められた盗聴対策基準を満たすように保持しながら、長距離の鍵配布を実現する方法及び装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の暗号鍵配布方法では、信号の通り道である信号伝送路の損失に基づいて定められたゲインを持つ増幅器により1回または複数回中継接続し、信号の受信に際しては、伝送路の増幅器より大きいゲインであってかつ盗聴者が利用できるゲインと同等程度あるいはそれ以上のゲインを持つ前置増幅器により増幅することにより、暗号鍵の長距離伝送を可能にするものである。
【0011】
本発明は、Yuen暗号を用いた暗号鍵配布装置であって、暗号鍵に関する信号を信号伝送路上に送信する暗号鍵送信手段と、前記暗号鍵送信手段により送信された暗号鍵に関する信号を受信する暗号鍵受信手段と、前記暗号鍵送信手段および前記暗号鍵受信手段の間に介在して前記信号を伝送する信号伝送路と、前記暗号鍵受信手段が受信した信号のビットが判定可能か否かを判定し、判定不能となった信号のビットの位置を送信し、かつ、前記暗号鍵受信手段が送信した信号のビットのうち前記判定不能となった信号のビットを捨て、残りの信号のビットを受信側暗号鍵格納部に格納する受信側暗号処理部と、前記判定不能となった信号のビットの位置を受信し、前記暗号鍵送信手段により送信した信号のビットのうち前記判定不能となった信号のビットを捨て、残りの信号のビットを送信側暗号鍵格納部に格納する送信側暗号処理部と、前記信号伝送路内に設置され、前記信号伝送路における信号強度の減衰を回復させるゲインを持つ複数の増幅器と、前記増幅器のうち前記暗号鍵受信手段の最も近くに設置された増幅器と前記暗号鍵受信手段との間に設置され、前記増幅器より大きいゲインを持つ前置増幅器とを備え、前記信号伝送路の間に設置する複数の増幅器の数は、前記判定可能と判定したビットが誤りである確率が所定の閾値であり、かつ、前記信号伝送路の長さ毎に、前記信号伝送路に設置された増幅器の数と判定可能となる確率とが対応付けられた関係を用いて、前記暗号鍵受信手段が受信する前記信号のビットが判定可能となる確率の予め定められた基準値に対応する増幅器の数より大きい数に設定されており、前記前置増幅器のゲインは、前記判定可能と判定したビットが誤りである確率が所定の閾値であり、かつ、前記信号伝送路の長さ毎に、前記前置増幅器のゲインと判定可能となる確率とが対応付けられた関係を用いて、前記暗号鍵受信手段が受信する前記信号のビットが判定可能となる確率の予め定められた基準値に対応するゲインより大きいゲインに設定されており、前記送信側暗号処理部及び前記受信側暗号処理部は、前記送信側暗号鍵格納部及び前記受信側暗号鍵格納部に格納されているそれぞれのビット列からランダムに指定された位置のビット値の一致しない割合が予め定められた値よりも大きければ、盗聴が行われているとして、前記送信側暗号鍵格納部及び前記受信側暗号鍵格納部に格納されているビット列を破棄する、暗号鍵配布装置であり、長距離の暗号鍵の伝送を可能にするとともに、盗聴が行われていることを確実に判定できるという作用を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の形態における暗号鍵配布装置の構成を示すブロック図である。図1において、1は信号伝送路としての光伝送路(光ファイバー)、2は暗号鍵送信手段としての光送信器(発光ダイオード)、3は暗号鍵受信手段としての光受信器(フォトダイオード)、4は送信信号を変調する変調器、5はYuen暗号のしきい値処理を実行するしきい値処理部、6は乱数を発生させビット列の送信を要求するなどの暗号鍵配布のプロトコルを実行する送信器側暗号処理部、7はしきい値処理部5の出力結果をもとに送信側暗号処理部と交信する等、暗号鍵配布のプロトコルを実行する受信器側暗号処理部、8,9は送信器側暗号処理部6と受信器側暗号処理部7から出力される暗号鍵をそれぞれ格納しておく暗号鍵格納部、10は送信器側暗号処理部6と受信器側暗号処理部7との交信を行うための回線である。また、11は光伝送路1内において光信号の減衰を元に戻すために設置された増幅器すなわち光増幅器、12は光信号をビット判定できるレベルに増幅するため光受信器3の入力側に設置された前置増幅器である。
【0018】
以上のように構成された暗号鍵配布装置において以下その動作を説明する。送信器側暗号処理部6と受信器側暗号処理部7の動きは、図4、図5を用いて説明されたYuen暗号の送信器側暗号処理部206と受信器側暗号処理部207の動きと全く同じである。以下ではそれ以外の部分の動きについて説明する。本実施例においては実際の光通信で最も広く用いられている強度変調・直接検波(IMDD)を用いる。また、符号方式としてはマンチェスター符号法を用いる。この場合変調器6は’0’を1スロット目’on’2スロット目’off’として、’1’を1スロット目’off’2スロット目’on’として変調する。光送信器2は変調器4から受け取った電気信号を光に変換し、光伝送ファイバー1を通じて光受信器3に送信する。
【0019】
光受信器3は、光送信器2から送信された光信号を受信し電気信号に変換し出力する、しきい値処理部5は光受信器3から出力された電気信号の1スロット目の電流値から2スロット目の電流値を引いた値に対して、図4を用いて説明した前記Yuen暗号のしきい値処理を施す。1スロット目から2スロット目を引いた値の確率分布を考えた場合、その構成法より、’0’に対しては正、’1’に対しては負の平均値を持ち、分散の等しい確率分布p0(i),p1(i)が得られることがわかる。ここで、ボルツマン定数をk[J/K]、温度をT[K]、帯域幅をB[Hz]、フロントエンドの抵抗値をR[Ω]、電子の電荷e[C]、送信光子数N[個/秒]とすれば、確率分布p0(i),p1(i)は(式1)、(式2)で与えられる。
【0020】
【数1】
・・・・・・(式1)
【0021】
【数2】
・・・・・・(式2)
【0022】
なお、変復調の方式(変調器4としきい値処理部5の動作(の一部))として強度変調・直接検波以外の方式を採用してもよい。光増幅器11は光送信器2と前置増幅器12の間に等間隔でk個配置する。なお光増幅器11を等間隔に配置しなくてもよいが、ここでは評価を簡単にするために等間隔に配置するものとする。光増幅器11のゲインは減衰を元に戻すように定められる。すなわち光増幅器間の光子数減衰率をλrとするとゲインGはG=1/λrとなる。なお、パワー損失係数をα[dB/km]、ファイバ長をL[km]とすれば光子数の減衰率は(式3)で計算される。
【0023】
【数3】
・・・・・・(式3)
【0024】
前置増幅器12のゲインGpは盗聴者の前置増幅器に想定されるゲインGp’とほぼ同等程度に設定する。また盗聴者のゲインGp’として任意の値が想定されることを考慮して、前置増幅器12のゲインGpをあらかじめ定められた値Gp”に設定することは好ましい。この場合、Gp”は、40dB〜60dBに設定することが好ましい。また、光増幅器11の個数kは増幅器間の距離ができるだけ短い距離となるように設定されることが好ましい。
【0025】
本発明の一つの特徴は、光増幅器11の間の距離と前置増幅器12のゲインを適切な値に設定することにある。以下その最適値に関する計算シミュレーションの結果について示す。まず前置増幅器12のゲインに関する計算シミュレーションの結果を示す。いま、光ファイバーのパワー損失率をα=0.2[dB/km]、送信光子数をN=2.1×(10の10乗)〔個/秒〕、温度をT=300[K]、帯域幅をB=1G[Hz](これはマンチェスタ符号ではビットレート1G[bps]に相当する)、フロントエンドの抵抗値R=50[Ω]、自然放出係数nsp=1、フィルタの半値幅Δf=5n[m]とする。また、送信者の送信した直後に盗聴者がゲイン100[dB]の前置増幅器を用いて盗聴を行うことを想定し、判定可能となったビットが誤りである確率が(10の−4乗)となるようにしきい値を定めるものとする。
【0026】
図2はこの場合における前置増幅器12のゲインGpとビットが判定可能となる確率Fの関係を表すグラフである。前置増幅器12を用いずに光子数の減衰がないとした場合(Gp=1,L=0)、ビットが判定可能となる確率Fは8.5×(10の−266282乗)となりほとんど検出できない。ところが前置増幅器12のゲインを50[dB]とすれば、ファイバの全長[km]と確率Fとの関係は、
L=0 のとき F=0.79
L=25 のとき F=0.022
L=50 のとき F=2.2×(10の−8乗)
L=75 のとき F=1.5×(10の−27乗)
L=100 のとき F=5.5×(10の−88乗)
となり、このシステムで信号を採択する確率を増やせることがわかる。以上から受信者が前置増幅器12を用いることは有効であることがわかる。
【0027】
本発明のもう一つの特徴は、光伝送路1内に設置される光増幅器11の間の距離を適切な値に設定することにある。別の見方をすれば、或る光伝送距離に対して、光伝送路1内に設置される光増幅器11の個数を適切な値に設定することにある。
【0028】
ここで、光増幅器11の間の距離について考察する。いま、光ファイバーのパワー損失率をα=0.2[dB/km]、送信光子数をN=2.1×(10の10乗)〔km〕、温度をT=300[K]、帯域幅をB=1G[Hz](これはマンチェスタ符号ではビットレート1G[bps]に相当する)、フロントエンドの抵抗値R=50[Ω]、自然放出係数nsp=1、フィルタの半値幅Δf=5n[m]、前置増幅器12のゲインGp=50[dB]とする。また、送信者の送信した直後に盗聴者がゲイン100[dB]の前置増幅器を用いて盗聴を行うことを想定し、判定可能となったビットが誤りである確率が(10の−4乗)となるようにしきい値を定めるものとする。
【0029】
図3はこの時の光増幅器11の数kとビットが判定可能となる確率Fの関係を表すグラフである。光増幅器11を5[km]おきに配置しているとすれば、光増幅器11の配置間隔(Lm[km]とする)と確率Fとの関係は、
Lm=50[km](k=9)でF=9.5×(10の−3乗)
Lm=100m(k=19)でF=5.2×(10の−5乗)
Lm=200[km](k=39)でF=1.4×(10の−9乗)
Lm=300[km](k=59)でF=3.5×(10の−14乗)
Lm=400[km](k=79)でF=9.1×(10の−19乗)
Lm=500[km](k=99)でF=2.4×(10の−23乗)
となる。
【0030】
前記のとおり、前置増幅器12のみを用いた場合は、L=50[km]のときF=2.2×(10の−8乗)、L=100[km]のときF=5.5×(10の−88乗)であるから、光増幅器11を用いて中継することによりビットが判定可能になる確率Fを大きくすることができることがわかる。また、ビットレートは1G[bps]なので、L=100[km]であれば上記の設定で十分実用的であると考えられる。なお、前記のシミュレーションでは、光増幅器11を5[km]おきに配置し前置増幅器12のゲインを50[dB]にしたが、「判定可能」となる確率が基準値より大きくなるように図2、図3に従って設定してもよい。たとえば前置増幅器12のゲインを50[dB]、光増幅器11の設置間隔を1[km]とすると、暗号伝送距離L=100[km]に対して、鍵伝送速度100k[bps]を実現することができる。特に、光増幅器11の設置間隔は短ければ短いほど暗号鍵伝送能力が向上する。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、信号通信時あるいは信号受信時に被る雑音の影響を利用して暗号鍵を送付するYuen暗号に基づく暗号システムにおいて、送信信号と雑音との関係をあらかじめ定められた盗聴対策基準を満たすように保持しながら送信信号の複数段増幅を行うようにしたため、現在達成されている量子暗号システムの能力(伝送距離:数10km、鍵伝送速度:30〜200〔bps〕、ビット誤り率4×(10の−2乗))よりさらに高性能な暗号システム(伝送距離:100km、鍵伝送速度:100k〔bps〕、ビット誤り率(10の−4乗))を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における暗号鍵配布装置のブロック構成図
【図2】前記実施の形態において、判定可能となったビットが誤りである確率が(10の−4乗)となるようにしきい値を定めた場合における前置増幅器のゲインとビットが判定可能となる確率Fの関係を表すグラフ図
【図3】前記実施の形態において、前置増幅器を用いて盗聴を行うことを想定し、判定可能となったビットが誤りである確率が(10の−4乗)となるようにしきい値を定めた場合の光増幅器の数kとビットが判定可能となる確率Fの関係を表すグラフ図
【図4】Yuen暗号を実現するための従来の暗号鍵配布装置のブロック構成図
【図5】Yuen暗号で用いるしきい値判定方式の説明図
【図6】Yuen暗号で用いるしきい値判定のフロー図
【符号の説明】
1 光伝送路
2 光送信器
3 光受信器
4 変調器
5 しきい値処理部
6 送信器側暗号処理部
7 受信器側暗号処理部
8、9 暗号鍵格納部
10 回線
11 光増幅器
12 前置増幅器
201 光伝送路
202 光送信器
203 光受信器
204 変調器
205 しきい値処理部
206 送信器側暗号処理部
207 受信器側暗号処理部
208、209 暗号鍵格納部
210 回線
401 ビット列生成、変調
402 しきい値処理
403 判定結果送信
404、405 判定不能ビットの廃棄
406 盗聴者チェック
Claims (1)
- Yuen暗号を用いた暗号鍵配布装置であって、
暗号鍵に関する信号を信号伝送路上に送信する暗号鍵送信手段と、
前記暗号鍵送信手段により送信された暗号鍵に関する信号を受信する暗号鍵受信手段と、
前記暗号鍵送信手段および前記暗号鍵受信手段の間に介在して前記信号を伝送する信号伝送路と、
前記暗号鍵受信手段が受信した信号のビットが判定可能か否かを判定し、判定不能となった信号のビットの位置を送信し、かつ、前記暗号鍵受信手段が送信した信号のビットのうち前記判定不能となった信号のビットを捨て、残りの信号のビットを受信側暗号鍵格納部に格納する受信側暗号処理部と、
前記判定不能となった信号のビットの位置を受信し、前記暗号鍵送信手段により送信した信号のビットのうち前記判定不能となった信号のビットを捨て、残りの信号のビットを送信側暗号鍵格納部に格納する送信側暗号処理部と、
前記信号伝送路内に設置され、前記信号伝送路における信号強度の減衰を回復させるゲインを持つ複数の増幅器と、
前記増幅器のうち前記暗号鍵受信手段の最も近くに設置された増幅器と前記暗号鍵受信手段との間に設置され、前記増幅器より大きいゲインを持つ前置増幅器とを備え、
前記信号伝送路の間に設置する複数の増幅器の数は、前記判定可能と判定したビットが誤りである確率が所定の閾値であり、かつ、前記信号伝送路の長さ毎に、前記信号伝送路に設置された増幅器の数と判定可能となる確率とが対応付けられた関係を用いて、前記暗号鍵受信手段が受信する前記信号のビットが判定可能となる確率の予め定められた基準値に対応する増幅器の数より大きい数に設定されており、
前記前置増幅器のゲインは、前記判定可能と判定したビットが誤りである確率が所定の閾値であり、かつ、前記信号伝送路の長さ毎に、前記前置増幅器のゲインと判定可能となる確率とが対応付けられた関係を用いて、前記暗号鍵受信手段が受信する前記信号のビットが判定可能となる確率の予め定められた基準値に対応するゲインより大きいゲインに設定されており、
前記送信側暗号処理部及び前記受信側暗号処理部は、前記送信側暗号鍵格納部及び前記受信側暗号鍵格納部に格納されているそれぞれのビット列からランダムに指定された位置のビット値の一致しない割合が予め定められた値よりも大きければ、盗聴が行われているとして、前記送信側暗号鍵格納部及び前記受信側暗号鍵格納部に格納されているビット列を破棄する、
暗号鍵配布装置。
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