JP4421975B2 - 光検出装置および量子暗号通信システム - Google Patents

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近年、光子1個レベルの光を用いることにより、数式を用いた暗号方式とは異なる方式である、物理的に安全性が保証された量子暗号通信の研究が進められている。量子暗号は、離れた地点に存在する2者間で暗号通信を行うための秘密鍵を供給するシステムで、量子鍵配送とも呼ばれている。量子鍵配送にも各種方式があるが、ここでは従来技術として、差動位相シフト量子鍵配送方式(非特許文献1参照)について説明する。
図1は、従来の差動位相シフト量子鍵配送システムの基本構成を示す図である。送信機1は、0またはπでランダムに位相変調した一定間隔のコヒーレント光パルス列を、パルス当り平均1光子未満(例えば、0.1光子/パルス)として送出する。平均光子数1個未満という状態は、通常のレーザ光を大きく減衰させることにより実現される。このようなパルス列を光子検出すると、あるパルスでは光子が検出されるが、あるパルスでは何も検出されない、という検出結果となる。どのパルスで光子が検出されるかはまったくの確率的で、測定するまで不確定である。
このように、送信機1より送出されたパルス列は、伝送路7を経て受信機2に到達する。受信機2は、光分岐手段3にて受信パルス列を2つに分岐し、一方のパルス列に遅延を加えたのち、2×2の合波カップラー4により再び合波する。合波カップラー4の2つの出力端子には、それぞれ光子検出器1、2が備えられている。この分岐・合波回路で一方に与える遅延時間は、入力されるパルス列の時間間隔に等しいものとする。すると合波カップラー4では、遅延時間に応じて、前後のパルスが重なり合って合波される。入カパルス列は0またはπで位相変調されている。従って、分岐・合波経路の伝播位相が適当であれば、重なり合うパルスの位相差は0またはπとなる。合波の結果、両者は干渉し、位相差が0なら検出器5が、位相差πなら検出器6が、光子を検出することになる。
以上の構成を用いて、送信機1と受信機2とは以下の手順により秘密鍵を得る。まず受信機2は、上記受信構成により送信機1より送出され伝送路7を経た光子を検出する。この時、検出した時刻と検出器を、不図示のデータベース等の第1の記憶手段に記録する。必要な数だけ光子が送受信された後、受信機2は送信機1に光子が検出された時刻である光子検出時刻を知らせる。送信機1は、知らされた光子検出時刻と不図示の第2の記憶手段に格納された位相変調データとから、受信機2がどちらの検出器で光子を検出したかを知ることができる。そこで、検出器5をビット「0」、検出器6をビット「1」と取り決めておけば、送信者と受信者とは同じビット列を得ることができる。
上記手順において、受信機2から送信機1へ、すなわち受信者から送信者へ通知されるのは光子検出時刻のみで、ビット情報は外部には出されない。したがって、これからビット情報が盗聴されることはない。また、送られているのはパルスあたり平均1光子未満の光なので、盗聴者が信号の一部を分岐してビット情報を得ることはできない。なぜなら、光子が2分割されることはないので、盗聴者が分岐により光子検出すると、その光子は受信機1には届かず、送信者と受信者とは、同じビット列を得ることができないからである。
さらに高度な盗聴法としては、なりすまし法と呼ばれる方法がある。図2は従来技術に対するなりすまし盗聴の説明図である。なお、図2では、図1と同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。盗聴者20は、伝送路7の途中で、送信機21によって送出された伝送信号を受信機2と同様の構成で受信し、受信結果に基づいてダミー信号を本来の受信機2に光送信機21にて送信する。盗聴者20が伝送信号を正しく受信できれば、ダミー信号は元の送信信号と同一であり、受信機2に盗聴行為が気付かれないようにして情報を得ることができる。
しかしながら、差動位相シフト量子鍵配送システムにおいては、送信信号はパルス当り平均1光子未満、例えば0.1光子/パルス、のパルス列である。このような信号を受信すると、10パルスに1回しか光子は検出されない。したがって盗聴者20は、光子検出時刻に対応する2パルスの位相差は分かるが、それ以外の位相差は検出できない。このような検出結果に基づいてダミー信号を送ろうとすると、位相差を検出できなかったパルスについては、(なりすまし盗聴1)当て推量で選んだ位相を割り振って再送するか、(なりすまし盗聴2)何も信号を出さないか、のいずれかの方法を採るしかない。
前者を採用すると、当て推量で選んだ位相差を受信機2が検出した場合、送信機1が送ったものと異なるものとなる。後者を採用したとしても、やはり送受信信号の不一致が生じる。その理由は、この場合に盗聴者20が送るのは孤立した連続2パルスだからである。孤立した2パルスを受信機2が受信すると、分岐・合波回路出力段(光分岐手段3および合波カップラー4)では3つの時刻で光子が検出され得る(図2参照)。
図2において、光分岐手段3にて分岐されたパルス列のうち、符号22が遅延されないパルス列を、符号23が遅延されたパルス列をそれぞれ示す。光子が、パルス列22とパルス列23とが重なる時刻のうちのまん中の時刻(第2の時刻とも呼ぶ)で検出された場合には、その検出結果は2パルスの位相差に従っており、送信者が意図した通りの検出器で光子が検出される。
ところが一方、パルス列22とパルス列23とが重なる時刻のうちの第2の時刻の前後である第1または第3の時刻で光子が検出される場合には、干渉する相手がおらず、光子は無作為に第1または第2の検出器で検出される。したがって、受信者が第1または第3の時刻での光子検出結果から秘密鍵ビットを得ると、そのビットは送信者が意図したものとは異なるものになる。
このように、なりすまし盗聴が行われると送受信機間でビットの不一致が生じる。そこで、送受信機は通常の手順に従って秘密鍵を得た後、いくつかのテストビットについて答え合わせをする。システムが正常に動作していれば両者のビット情報は一致するが、なりすまし盗聴があれば一致しないビットが出てくる。不一致ビットがある場合、システムは正常でないと判断し、その秘密鍵を廃棄する。言い方を変えると、テストビットが一致していれば盗聴行為はなかったと判断することができ、その秘密鍵は安全であることが保証される。
K.Inoue, E.Waks, Y.Yamamoto, 「Differential-phase-shift quantum key distribution using coherent light」,2003年,Physical Review A, vol.68, paper number 022317
以上から明らかなように、量子鍵配送システムに求められる性能として、なりすまし盗聴の発見しやすさが挙げられる。差動位相シフト量子鍵配送システムにおいて、なりすまし盗聴が行われると、上述の原理により送受信機間にビット不一致が生じ、これより盗聴行為が発覚するが、全てのビットが不一致となるわけではない。
例えば、当て推量でダミーパルス列を送る場合(なりすまし盗聴1)、受信機が光子検出したパルスが、たまたま盗聴者が実際に光子検出したものであればビット不一致は生じない。また、孤立2パルスを送る場合(なりすまし盗聴2)、受信機が第2の時刻で光子を検出すればビット不一致とはならない。ビット不一致率が高い方が盗聴検知能力は高くなり、より安全度の高い量子暗号システムということができる。
なりすまし盗聴1に対するビット不一致率は、平均光子数を少なくすれば高くすることができる。平均光子数が少ないと、盗聴者と受信機がたまたま同じパルスを光子検出する確率が小さくなる、すなわち正解率が小さくなるからである。一方、なりすまし盗聴2に対するビット不一致率は、平均光子数によらず一定で、受信機が第1または第3の時刻で光子検出する確率は1/2となる。そして、この光子検出から得られるビットが一致しない確率はさらにその1/2であることから、全体としてのビット不一致率は1/4となる。より安全度の高い量子暗号システムとしては、なりすまし盗聴によって生じるビット不一致の確率が高いことが望まれる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、なりすまし盗聴によるビット不一致率を向上した光検出方法、光検出装置および量子暗号通信システムを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、入力された、位相変調されパルス当り平均1光子未満のパワーレベルである光パルス列を第1の経路および第2の経路に分岐して第1の出力端子および第2の出力端子より出力する第1の分岐手段と、前記第1の出力端子より出力された光パルス列を、前記第2の出力端子より出力された光パルス列に対して2パルス分遅延させる第1の遅延手段と、前記2パルス分遅延された光パルス列が入力される第1の入力端子と、前記第2の出力端子より出力された光パルス列が入力される第2の入力端子とを有し、前記第1および第2の入力端子から入力された光パルス列を合波する第1の合波手段と、該合波した光パルス列を第3の経路および第4の経路に分岐して第3の出力端子および第4の出力端子より出力する第2の分岐手段と、前記第3の経路および第4の経路に別個に接続され、前記第2の分岐手段から入力された光パルス列を2経路に分岐して第5の出力端子および第6の出力端子より出力する第3の分岐手段と、前記第5の出力端子より出力された光パルス列を、前記第6の出力端子より出力された光パルス列に対して1パルス分遅延させる第2の遅延手段と、前記1パルス分遅延された光パルス列が入力される第3の入力端子と、前記第6の出力端子より出力された光パルス列が入力される第4の入力端子とを有し、前記第3および第4の入力端子から入力された光パルス列を合波する第2の合波手段と、該合波した光パルス列を2経路に分岐して第7の出力端子および第8の出力端子より出力する第4の分岐手段と前記第7の出力端子および第8の出力端子に別個に接続され、前記第4の分岐手段により分岐された光パルス列を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の第2の態様は、入力された、位相変調されパルス当り平均1光子未満のパワーレベルである光パルス列を第1の経路および第2の経路に分岐して第1の出力端子および第2の出力端子より出力する第1の分岐手段と、前記第1の出力端子より出力された光パルス列を第3の経路および第4の経路に分岐して第3の出力端子および第4の出力端子より出力する第2の分岐手段と、前記第3の出力端子より出力された光パルス列を、前記第4の出力端子より出力された光パルス列に対して1パルス分遅延させる第1の遅延手段と、前記1パルス分遅延された光パルス列が入力される第1の入力端子と、前記第4の出力端子より出力された光パルス列が入力される第2の入力端子とを有し、前記第1および第2の入力端子から入力された光パルス列を合波する第1の合波手段と、該合波した光パルス列を2経路に分岐して第5の出力端子および第6の出力端子より出力する第3の分岐手段と、前記第2の出力端子より出力された光パルス列を第5の経路および第6の経路に分岐して第7の出力端子および第8の出力端子より出力する第4の分岐手段と、前記第7の出力端子より出力された光パルス列を、前記第8の出力端子より出力された光パルス列に対して2パルス分遅延させる第2の遅延手段と、前記2パルス分遅延された光パルス列が入力される第3の入力端子と、前記第8の出力端子より出力された光パルス列が入力される第4の入力端子とを有し、前記第3および第4の入力端子から入力された光パルス列を合波する第2の合波手段と、該合波した光パルス列を2経路に分岐して第9の出力端子および第10の出力端子より出力する第5の分岐手段と、前記前記第5の出力端子、第6の出力端子、第9の出力端子および第10の出力端子にそれぞれ別個に接続され、前記第3および第5の分岐手段により分岐された光パルス列を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の第3の態様は、N個の出力端子を有し、入力された、位相変調されパルス当り平均1光子未満のパワーレベルである光パルス列をN分岐(N≧2)して前記N個の出力端子より出力する第1の分岐手段と、該第1の分岐手段のN個の出力端子にそれぞれ接続された、前記第1の分岐手段の出力端子より出力された光パルス列を2経路に分岐して対応する2つの出力端子より出力するN個の第2の分岐手段と、前記N分岐された光パルス列のそれぞれについて該第2の分岐手段にて2経路に分岐された光パルス列の一方を、該2経路に分岐された光パルス列の他方に対して所定のパルス分の遅延を施す手段であって、前記N分岐された光パルス列のk番目(1≦k≦N)の光パルス列では、前記2経路に分岐された光パルス列の一方を該光パルス列の他方に対してkパルス分遅延させる遅延手段と、前記第2の分岐手段の対応する2つ出力端子から出力された光パルスのうち、前記所定のパルス分の遅延が施された一方のパルス列が入力される第1の対応する入力端子と、前記他方のパルス列が入力される第2の対応する入力端子と有し、前記対応する2つの出力端子から入力された光パルス列を合波する手段であって、前記N個の第2の分岐手段と対になるように前記第2の分岐手段に接続されるN個の合波手段と、該合波した光パルス列を2経路に分岐して対応する出力端子より出力する第3の分岐手段と、前記対応する出力端子に接続され、前記第3の分岐手段にて分岐された光パルス列を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の第4の態様は、第1乃至第3のいずれかの態様において、前記位相変調は、0またはπで無作為に行われることを特徴とする。
また、本発明の第5の態様は、データを暗号化し、複合化するための秘密鍵を供給する量子暗号通信システムにおいて、第1乃至第3のいずれかの態様の光検出装置と、位相変調されパルス当り平均1光子未満のパワーレベルである光パルス列を前記光検出装置へ伝送路を介して送信する送信機とを備え、前記送信機は、コヒーレンス時間がパルス間隔より長い一定時間間隔の光パルス列を発生する発生手段と、前記発生手段により発生された各パルスの位相を変調する変調手段と、前記変調手段により位相変調された光パルス列をパルス当り平均1光子未満のパワーレベルで前記伝送路に送出する送出手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記変調手段は、前記各パルスを0またはπで無作為に位相を変調することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、なりすまし盗聴によるビット不一致率を向上することができ、なりすまし盗聴の発見効率を向上することが可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。本発明の一実施形態は、量子暗号通信において、送信機から送出されたパルス当り平均で1光子未満のパルス列に対して、光検出装置としての受信機中で少なくとも2つ以上のパルス列に分岐(第1の分岐)して、分岐されたそれぞれのパルス列に対してさらに2つのパルス列に分岐(第2の分岐)し、一方のパルス列には所定の遅延を施し、他方のパルス列には遅延を施さないようにする。この遅延処理を第1の分岐で分岐されたパルス列それぞれに施す。このようにして得られたパルス列を検出することにより、秘密鍵を獲得する。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
図3は、本発明の実施例1に係る量子暗号通信システムの構成図である。
図3において、送信機300は、光源301、位相変調器302、減衰手段303、および送信機300全体を制御する第1の制御部(不図示)を備え、この第1の制御部は、制御を実行するCPUと、このCPUの制御プログラムを格納したROMおよびCPUの作業領域を提供するRAMを有する第1の記憶手段とを備え、送信機300の各構成もこの制御部によって統合して制御される。減衰手段303は、例えば、NDフィルタ等、レーザ光などの光源301から入射される光を大きく減衰させるための手段であればいずれのものを用いても良い。この送信機300の構成は、従来技術と同様である。
光検出装置としての受信機30は、光分岐手段31および2×2の光合波器32を含んで構成される、1段目の光分岐・合波回路と、光分岐手段33および2×2の光合波器34を含んで構成される、第1の2段目の光分岐・合波回路と、光分岐手段35および2×2の光合波器36を含んで構成される、第2の2段目の光分岐・合波回路と、光子検出器37〜40と、受信機30全体を制御する第2の制御部(不図示)とを備えている。この第2の制御部は、制御を実行するCPUと、このCPUの制御プログラムを格納したROMおよびCPUの作業領域を提供するRAMを有する第2の記憶手段とを備え、受信機30の各構成もこの制御部によって統合して制御される。なお、光分岐手段は、例えば、ビームスプリッタ、方向性結合器、光カップラー等、入射された光を適切に分岐して出射できる手段であればいずれのものを用いても良い。
受信機30において、光分岐手段31の入射端は光伝送路304に接続され、2経路に分岐された出射端はそれぞれ、光合波器32の2つの入射端に接続されている。このとき、1段目の光分岐・合波回路は、光分岐手段31の一方の出射端から出射されたパルス列に対して、他方の出射端から出射されたパルス列が2パルス分遅延するように構成されている。
光合波器32の2つの出射端は、それぞれ第1および第2の2段目の光分岐・合波回路に接続されている。すなわち、光合波器32の一方の出射端は、光分岐手段33の入射端に接続されている。光分岐手段33の2経路に分岐された出射端はそれぞれ、光合波器34の2つの入射端に接続されている。このとき、第1の2段目の光分岐・合波回路は、光分岐手段33の一方の出射端から出射されたパルス列に対して、他方の出射端から出射されたパルス列が1パルス分遅延するように構成されている。一方、光合波器32の他方の出射端は、光分岐手段35の入射端に接続されており、第1の2段目の光分岐・合波回路と同様の構成で第2の2段目の光分岐・合波回路が構成されているので、ここではその説明は省略する。
また、光合波器34の2つの出射端にはそれぞれ、光子検出器37、38が、光合波器36の2つの出射端にはそれぞれ、光子検出器39、40が接続されている。
図3において、送信機300と受信機30とは、光伝送路304を介して接続されている。なお、光伝送路304は、例えば、光ファイバなど、光を伝送できるものであればいずれのものを用いても良い。
上述のような構成で、送信機300が、0またはπでランダムに位相変調した一定時間間隔(パルス間隔)Tの光パルス列を、パルス当り平均1個光子未満(例えば、0.1光子/パルス)として送出する。光パルスのコヒーレンス時間は、パルス間隔Tより長いものとする。受信機30は、光伝送路304を経て送信機300より伝送されてきたパルス列を、カスケード状に接続された2段の光分岐・合波回路に入力する。1段目の光分岐・合波回路は、入カパルス列を光分岐手段31にて2分岐し、一方に2Tの時間遅延を与えた後、2×2の光合波器32により合波する。この光合波器32からの2つの出力は、それぞれ2段目の光分岐・合波回路に入力される。2段目の光分岐・合波回路は、入カパルス列を光分岐手段(符号33、35)にて2分岐し、一方にTの時間遅延を与えた後、2×2の光合波器(符号34、36)により合波する。合波された光パルス列は、光子検出器37〜40にてそれぞれ検出される。
このように受信回路を構成すると、各光子検出器において連続する4パルスが重なり合うことになる。すなわち、1段目長経路−2段目長経路を通った第1パルス、1段目長経路−2段目短経路を通った第2パルス、1段目短経路−2段目長経路を通った第3パルス、1段目短経路−2段目短経路を通った第4パルス、の4つが同時刻に光子検出器に到達する。なお、長経路とは、分岐された経路のうち、遅延が施される経路であり、短経路とは、遅延が施されない経路のことである。すると、4パルスは干渉を起こし、どの光子検出器が光子を検出するかは光子検出器段における各パルスの振幅の足し合わせにより与えられることになる。光子検出器段での各パルスの振幅の足し合わせは、一般的に数1のように表せる。
Figure 0004421975
数1において、第1項〜第4項は、それぞれ各パルスの振幅を表し、θは、受信機への入力時の各パルスの位相、φは、光分岐・合波回路において各パルスに付加される位相を表わす。aは比例定数で、各パルスの共通項はこれに含まれるものとする。実施例1において、光分岐・合波回路は、光カップラー及び伝播経路からなっているが、長経路と短経路との伝播位相差はどの回路についても0であるとする。光カップラーにおいては、透過光は0、反射光はπ/2の位相シフトを受ける。このような状態下では、各光子検出器におけるφは次のようになる。
光子検出器37:φ=φ=0、φ=φ=π
光子検出器38:φ=φ=3π/2、φ=φ=π/2
光子検出器39:φ=φ=3π/2、φ=φ=π/2
光子検出器40:φ=φ=φ=φ=π
これより、各光子検出器における振幅(数1)は次のようになる。
Figure 0004421975
ここで、A、A、AおよびAは、それぞれ光子検出器37〜40における振幅である。
送信機300からは、各パルス位相が0またはπでランダムに変調された信号が送られている。連続4パルスについてみると、変調位相の組み合わせは16通りある。各組み合わせについて、各光子検出器段の振幅(数2)は次の表1のようになる。
Figure 0004421975
光子検出確率は振幅の絶対値二乗で与えられる。上記結果(表1)は、16通りの位相組み合わせのうち、8通りについてはひとつの光子検出器のみで光子検出され、他の8通りについてはどの光子検出器でも同じ確率で光子が検出され得ることを示している。
以上の特性を利用して、以下の手順で秘密鍵を生成する。
ステップ1:送信機300は、0またはπでランダムに位相変調したコヒーレント光パルス列を、パルス当り平均1個光子未満(例えば、0.1光子/パルス〉として送信する。このとき位相変調に用いた位相変調データは第1の記憶手段に記録する。受信機30は、光伝送路304を経て送信機300より伝送されたパルス列から図3の構成の受信回路で光子検出し、光子が検出された時刻(光子検出時刻とも呼ぶ)とどの光子検出器が光子を検出したかを示す情報とを第2の記憶手段に記録する。
ステップ2:パルス列送受信後、受信者または受信機30は第2の記憶手段に記録された光子検出時刻を、例えば電話回線、FAX、電子メール等従来の通信手段を用いて、送信者または送信機300に伝える。送信者に伝える場合は、送信者は、知らされた光子検出時刻を送信機300に入力し、第1の記憶手段にその情報を記録する。
ステップ3:送信機300は、位相変調データが記録されている第1の記憶手段を参照して、ステップ2にて知らされた光子検出時刻に対応する位相変調データを参照する。この位相変調データの参照は、例えば、以下のように行えば良い。
受信機30が、ある光子検出時刻である時刻tに光子を検出する場合、この光子検出事象を起こすパルスは、時刻t−3Tに受信機30に入力され1段目長経路−2段目長経路を通った第1パルス、時刻t−2Tに受信機30に入力され1段目長経路−2段目短経路を通った第2パルス、時刻t−Tに受信機30に入力され1段目短経路−2段目長経路を通った第3パルス、時刻tに受信機30に入力され1段目短経路−2段目短経路を通った第4パルスの4パルスである。ただし、共通の時間項である短経路や2つの分岐・合波回路の接続経路の伝搬時間は無視する。パルスの光伝搬路304の伝播時間をTとすると、上記第1〜第4パルスは、それぞれ、時刻t−3T−T、時刻t−2T−T、時刻t−T−T、時刻t−Tに送信機300から送出されたものである。送信機300は、知らされた、光子検出時刻である時刻tを基に、上記4つの時刻を計算し、第1の記憶手段に記録されている各パルスの送出時刻に対応した位相変調データを獲得する。
上述のように参照された送信位相が、1つの光子検出器のみで光子検出される変調パターンであれば、光子検出器37を「00」、光子検出器38を「01」、光子検出器39を「10」、光子検出器40を「11」として2ビット情報を生成する。各光子検出器が等確率で光子検出する変調パターンの場合は何もしない。このようにして生成された2ビット情報は、第1の記憶手段に記録する。
ステップ4:送信者または送信機300は、ステップ3にてビット情報を生成するのに対応した光子検出時刻を受信者または受信機30に上述の従来の通信手段を用いて知らせる。受信者に知らせる場合は、受信者は、知らされた光子検出時刻を受信機30に入力し、第2の記憶手段にその情報を記録する。
ステップ5:受信機30は、ステップ4にて知らされた光子検出時刻に光子検出した光子検出器を、ステップ1にて第2の記憶手段に記録された情報を基に、ステップ3にて記載した対応関係に従って2ビット情報を生成する。この2ビット情報を第2の記憶手段に記録する。
上記手順により、送受信者は同じランダムビット列を得ることができる。
上記手順において、送受信機間でやり取りされるのは、時刻情報のみで、ビット情報は外部に出てこない。そこで、これを秘密鍵とする。
なお、上記手順では検出光子の半分は秘密鍵生成に寄与しておらず、光子が有効に利用されていないように見える。しかしながら、秘密鍵が生成される場合には、1光子から2ビットの鍵ビットが生成される。したがって、実効的には1光子から1ビットが生成されるのと等価であり、鍵生成率は従来の差動位相シフト方式と同じである。
実施例1の特徴は、なりすまし盗聴の発見効率が従来方式よりも高いことである。盗聴者が、受信者と同じ受信回路を用いて伝送信号を検出し、検出結果に基づいてダミー信号を受信機に送る状況を考える。伝送信号は1パルス当り1光子未満なので、光子が検出されるのは数パルスに1回であり、盗聴者は全てのパルスの位相差を検出することはできない。盗聴者が未検出パルスについて当て推量でダミーパルスを送ると、受信機がこれを光子検出した場合に、送受信機間にビット不一致が生じ、盗聴が発覚する。この事情は従来技術と同様である。
盗聴者によるダミー信号の別の再送の仕方としては、光子検出されたパルスのみを受信機へ再送し未検出パルスについては何も送らない、という方法もある。従来技術では、このダミー信号再送法に対しては1/4の確率でビット不一致が生じた。一方、実施例1では、連続4パルスの干渉を利用していることから、これより従来よりも高い確率でビット不一致が発生する。すなわち、4パルスの干渉の結果として光子1つが検出されるので、盗聴者が光子検出すると、それに対応して、孤立した連続4パルスを受信機へ再送することになる(図4参照)。
図4は、本発明の実施例1に係るなりすまし盗聴を説明するための図である。図4において、盗聴者41は、送信機300から送出されたパルス列42を受信して光子検出すると、連続4パルス43を受信機30に送出する。符号44〜47は、それぞれ、連続4パルス43に対する、各光子検出器が検出する第1パルス〜第4パルスを示す。
このような孤立4パルスである連続4パルス43が受信機30に入力されると、受信機30は7つの時間位置で光子を検出し得る。第1パルス44〜第4パルス47の重なる時間位置(時刻48)での光子検出は4パルスの干渉の結果として起こるので、これから生成される秘密鍵にはビットの不一致は生じない。しかしながら、その他の6つの時間位置(時刻48の前後3つずつの時間位置)での光子検出は、本来干渉すべき4パルス全部が重なり合わない状態で起こる。そのため、光子検出結果は本来あるべきものとは異なることになり、この検出結果から生成した秘密鍵にはビット不一致が生じる。
1つの光子について、ビット不一致を生じる6つの時間位置で光子が検出される確率は12/16=3/4、その内ビット不一致となる確率は1/2なので、1つの光子検出からビット不一致が生じる確率は(3/4×1/2=)3/8となる。これは、従来方式において生じるビット不一致確率1/4よりも大きい値である。したがって、実施例1の方が従来方式に比べてなりすまし盗聴の発見効率が高く、より安全な量子鍵配送システムを実現できることになる。
なお、以上の説明では、受信機30は、伝送されてきた信号光を、最初に入カパルス列の時間間隔Tの2倍の遅延時間差2Tを有する光分岐・合波回路に通過させ、次に時間間隔Tの遅廷時間差を有する光分岐・合波回路に通過させるものとしたが、これに限るものではない。すなわち、伝送された信号光を、最初に遅延時間差Tを有する光分岐・合波回路に通過させ、次に2Tの遅延時間差を有する光分岐・合波回路に透過させるものとしても、上記と同様の動作を得ることができる。
(実施例2)
図5は、本発明の実施例2に係る量子暗号通信システムの構成図である。
図5において、光検出装置としての受信機50は、光分岐手段51と、光分岐手段52および2×2の光合波器53を含んで構成される、第1の光分岐・合波回路と、光分岐手段54および2×2の光合波器55を含んで構成される、第2の光分岐・合波回路と、光子検出器56〜59と、受信機50全体を制御する制御部(不図示)とを備えている。この制御部は、制御を実行するCPUと、このCPUの制御プログラムを格納したROMおよびCPUの作業領域を提供するRAMを有する記憶手段とを備え、受信機50の各構成もこの制御部によって統合して制御される。
受信機50において、光分岐手段51の入射端は光伝送路304に接続され、2経路に分岐された出射端はそれぞれ、第1および第2の光分岐・合波回路に接続されている。すなわち、光分岐手段51の一方の出射端は、光分岐手段52の入射端に接続されている。光分岐手段52の2経路に分岐された出射端はそれぞれ、光合波器53の2つの入射端に接続されている。このとき、第1の光分岐・合波回路は、光分岐手段52の一方の出射端から出射されたパルス列に対して、他方の出射端から出射されたパルス列が1パルス分遅延するように構成されている。一方、光分岐手段51の他方の出射端は、光分岐手段54の入射端に接続されており、第1の光分岐・合波回路と同様の構成で第2の光分岐・合波回路が構成されているので、ここではその詳細な説明は省略する。ただし、第2の光分岐・合波回路は、光分岐手段54の一方の出射端から出射されたパルス列に対して、他方の出射端から出射されたパルス列が2パルス分遅延するように構成されている。
また、光合波器53の2つの出射端にはそれぞれ、光子検出器56、57が、光合波器55の2つの出射端にはそれぞれ、光子検出器58、59が接続されている。
図5において、送信機300と受信機50とは、光伝送路304を介して接続されている。なお、光伝送路304は、例えば、光ファイバなど、光を伝送できるものであればいずれのものを用いても良い。
上述のような構成で、送信機300が、実施例1と同様に、位相変調した一定時間間隔(パルス間隔)Tの光パルス列を、パルス当り平均1個光子未満(例えば、0.1光子/パルス)として送出する。受信機50は、光伝送路304を経て送信機300より伝送されてきたパルス列を光分岐手段51にて2つに分岐し、おのおのを1段の光分岐・合波回路に入力する。第1および第2の光分岐・合波回路は、一方は遅延量がパルス間隔と同じ時間間隔T、他方は遅延量が2Tの時間間隔、となっている。第1および第2の光分岐・合波回路に入力されたパルス列は、所定の遅延が施される等して、光子検出器56〜59で検出される。
このような受信構成にすると、遅延Tの第1の光分岐・合波回路の出力端では隣り合うパルス同士が、遅延2Tの第2の光分岐・合波回路の出力端では2つ離れたパルス同士が重なり合う。光子検出器56または57で光子が検出されれば、それは隣り合うパルス同士の干渉の結果であり、光子検出器58または59で光子が検出されれば、それは2つ離れたパルス同士の干渉の結果となる。ここで、光分岐・合波回路内の2経路の伝播位相差を、干渉パルスの位相差が0なら光子検出器56もしくは58が、πなら光子検出器57もしくは59が、光子を検出するように設定しておく。
以上の構成を用いて、以下の手順で秘密鍵を生成する。
ステップ21:送信機300は、0またはπでランダムに位相変調したコヒーレント光パルス列を、パルス当り平均1個光子未満(例えば、0.1光子/パルス)として送信する。このとき位相変調に用いた位相変調データは第1の記憶手段に記録する。受信機50は、光伝送路304を経て送信機300より伝送されたパルス列から図5の構成の受信回路で光子検出し、光子検出時刻とどの光子検出器が光子を検出したかを示す情報とを記憶手段に記録する。さらに、光子検出器56または58による光子検出をビット「0」、光子検出器57または59による光子検出をビット「1」として、光子を検出した光子検出器を基に、ビット情報を生成して、記憶手段に記録する。
ステップ22:パルス列送受信後、受信者または受信機50は、光子検出時刻と遅延Tの第1の光分岐・合波回路の出力端で光子検出したか、遅延2Tの第2の光分岐・合波回路の出力端で光子検出したか、を送信者または送信機300に、実施例1と同様に従来の通信手段にて伝える。ただし、出力端のどちらの光子検出器で検出したかは知らせない。送信者に伝える場合は、送信者は、知らされた光子検出時刻およびどちらの出力端で検出したかを示す情報を送信機300に入力し、第1の記憶手段にその情報を記録する。
ステップ23:送信機300は、位相変調データが記録されている第1の記憶手段を参照して、ステップ22にて知らされた光子検出時刻に対応する位相変調データを参照する。さらに詳しくは、遅延Tの第1の光分岐・合波回路の出力端で検出されたのであれば隣り合うパルスの位相変調を参照し、遅延2Tの第2の光分岐・合波回路の出力端で検出されたのであれば、2つ離れたパルスの位相変調を参照する。ステップ23における位相変調データの参照は、実施例1のステップ3にて説明した方法で行うことができる。
ステップ24:送信機300は、ステップ23において参照したパルスの位相差が0ならば、ビット「0」、πならばビット「1」とする。こうして得られたビット情報を第1の記憶手段に記録する。
以上において、ステップ21で受信機50が得るビット情報とステップ24にて送信機300が得るビット情報は一致している。また、この情報は外部には出ていない。これを秘密鍵とする。
実施例2によっても、なりすまし盗聴の発見率を高くすることができる。盗聴者が、受信機と同じ受信回路を用いて伝送信号を検出し、検出結果に基づいてダミー信号を受信機に送る状況を考える。盗聴者は数パルスに1回、光子を検出する。遅延Tの第1の光分岐・合波回路出力端で光子検出した場合には隣り合うパルス間の位相差を、遅延2Tの分岐・合波回路出力端で光子検出した場合には2つ離れたパルス間の位相差を、知ることになる。光子が検出されない場合は不明である。盗聴者が、不明であるパルスについて当て推量でダミー信号を再送すると、これから受信機が光子検出した場合に送受信機間にビット不一致が生じ、盗聴が発覚する。この事情は従来技術と同様である。
盗聴者が、検出できたパルスについてのみダミー信号を再送し、不明なパルスについては何も送らないとすると、次のようになる(図6参照)。
図6は、本発明の実施例2に係るなりすまし盗聴を説明するための図である。図4において、盗聴者61は、送信機300から送出されたパルス列62を受信して光子検出すると、連続2パルス63または2つ離れたパルス64を受信機50に送出する。ここで、符号601〜604は、連続2パルス63に対する(後述するパターン1に対する)、各光子検出器が検出するパルス列であって、符号601は第1の光分岐・合波回路にて遅延Tが施されたパルス列であり、符号602は第1の光分岐・合波回路にて遅延が施されないパルス列であり、符号603は第2の光分岐・合波回路にて遅延2Tが施されたパルス列であり、符号604は第2の光分岐・合波回路にて遅延が施されないパルス列である。また、符号605〜608は、2つ離れたパルス64に対する(後述するパターン2に対する)、各光子検出器が検出するパルス列であって、符号605は第1の光分岐・合波回路にて遅延Tが施されたパルス列であり、符号606は第1の光分岐・合波回路にて遅延が施されないパルス列であり、符号607は第2の光分岐・合波回路にて遅延2Tが施されたパルス列であり、符号608は第2の光分岐・合波回路にて遅延が施されないパルス列である。
盗聴者61は、遅延Tの第1の光分岐・合波回路出力端で光子検出した場合には、連続2パルス63を再送する(パターン1)。これを受信機50が受信すると、図6に示すように、光子検出器56、57では3つの時間位置で、光子検出器58、59では4つの時間位置で、光子を検出し得る。このうち、光子検出器56、57が、パルス列601および602の重なる時間位置(時刻609)で光子検出する場合は、送信者の意図通りの検出結果となるが、その他の場合は干渉する相手がいないのでランダムな検出結果となる。したがって、後者の検出結果から生成された暗号鍵にはビット不一致が発生し、これより盗聴者の存在が検知される。正解である時間位置での検出確率は1/4、その他の時間位置についてはそれぞれ1/8なので、ランダム検出となる確率は3/4である。そのうち半分がビット不一致となるので、ビット不一致率は3/8となる。
一方、盗聴者61が、遅延2Tの第2の光分岐・合波回路出力端で光子検出した場合には、2つ離れた2パルスが再送される(パターン2)。この場合には、光子検出器56、57では4つの時間位置で、光子検出器58、59では3つの時間位置で、光子を検出し得る。光子検出器58、59がパルス列607および608の重なる時間位置(時刻610)で光子検出する場合は送信者の意図通りの検出結果となるが、その他の場合はランダムな検出結果となる。これより盗聴者61の存在が検知される。パターン2の場合も、パターン1と同様に、ビット不一致率は3/8となる。
このように、パターン1、2ともにビット不一致率が3/8であるので、これが実施例2におけるなりすまし盗聴時のビット不一致確率なる。この値は、従来方式におけるビット不一致確率1/4よりも大きい。したがって、実施例2の方が従来方式よりもなりすまし盗聴の発見効率が高く、より安全な量子鍵配送システムが実現できる。
(実施例3)
実施例3では、受信機は伝送されてきたパルス列を2分岐し、それぞれを遅延の異なる光分岐・合波回路を通して受信したが、これに限るものではなく、分岐数を多くしても同様の動作が可能である。
図7は、本発明の実施例3に係る量子暗号通信システムの構成図である。
図7において、光検出装置としての受信機70は、1入力である光をn個(n≧2)に分岐する1×n光分岐手段71と、第1〜第nの光分岐・合波回路(n≧2)と、受信機70全体を制御する制御部(不図示)とを備えている。この制御部は、制御を実行するCPUと、このCPUの制御プログラムを格納したROMおよびCPUの作業領域を提供するRAMを有する記憶手段とを備え、受信機70の各構成もこの制御部によって統合して制御される。
光分岐手段71の入射端は光伝送路304に接続され、光分岐手段71の第1の出射端は第1の光分岐・合波回路に接続され、第2の出射端は第2の光分岐・合波回路に接続され、同様に、第3〜第n−1の出射端は第3〜第n−1の光分岐・合波回路に接続され、第nの出射端は第nの光分岐・合波回路に接続されている。
第1〜第nの光分岐・合波回路は、実施例1および2と同様に、それぞれ、光分岐手段および2×2の光合波器を含んで構成されており、それぞれの光合波器の2つの出射端には、光子検出器が接続されている。また、第1〜第nの光分岐・合波回路は、k番目(1≦k≦n)の光分岐・合波回路では、光分岐手段にて分岐された一方のパルス列に対して、他方のパルス列にkTの時間遅延を施すように構成されている。
すなわち、光分岐手段71の第1の出射端に接続された光分岐手段72の2つの分岐された出射端は、それぞれ光合波器73に接続されており、第1の光分岐・合波回路は、光分岐手段72の一方の出射端から出射されたパルス列に対して、他方の出射端から出射されたパルス列が1パルス分遅延するように構成されている。光合波器73の2つの出射端には、それぞれ光子検出器78および79が接続されている。また、光分岐手段71の第2の出射端に接続された光分岐手段74の2つの分岐された出射端は、それぞれ光合波器75に接続されており、第2の光分岐・合波回路は、光分岐手段74の一方の出射端から出射されたパルス列に対して、他方の出射端から出射されたパルス列が2パルス分遅延するように構成されている。光合波器75の2つの出射端には、それぞれ光子検出器80および81が接続されている。
第3〜第n−1の光分岐・合波回路についても、第1および第2の光分岐・合波回路と同様にして光分岐手段71の対応する出射端と接続されており、また、各出射端には光子検出器が接続されている。そして、光分岐手段71の第nの出射端に接続された光分岐手段76の2つの分岐された出射端は、それぞれ光合波器77に接続されており、第nの光分岐・合波回路は、光分岐手段76の一方の出射端から出射されたパルス列に対して、他方の出射端から出射されたパルス列がnパルス分遅延するように構成されている。光合波器77の2つの出射端には、それぞれ光子検出器82および83が接続されている。
図7において、送信機300と受信機70とは、光伝送路304を介して接続されている。なお、光伝送路304は、例えば、光ファイバなど、光を伝送できるものであればいずれのものを用いても良い。
上述のような構成で、送信機300が、実施例1および2と同様に、位相変調した一定時間間隔(パルス間隔)Tの光パルス列を、パルス当り平均1個光子未満(例えば、0.1光子/パルス)として送出する。受信機70は、光伝送路304を経て送信機300より伝送されてきたパルス列を光分岐手段71にてn分岐(n≧2)し、分岐されたパルス列のそれぞれを遅延量kT(3≦k≦n)の光分岐・合波回路に通した後、各回路の出力段で光子検出する。各光分岐・合波回路の出力段では、それぞれの遅延量に対応して、隣り同士、または1つおき(2つ離れた)、または2つおき(3つ離れた)、・・・n−1個おき(n個離れた)、のパルスが干渉し、その結果に応じて光子が検出される。この構成を用いても、実施例2と同様にして暗号鍵を得ることができる。その詳細な実施例2で説明したので説明は省略する。
実施例3におけるなりすまし盗聴によるビット不一致確率は次のようになる。まず、盗聴者が再送するダミー信号は、連続、または1つおき、または2つおき、・・・n−1個おき、の2パルスである。2パルスのダミー信号を受信したときに、送信者の意図した通りに光子検出されるのは、信号が正しい光分岐・合波回路を透過し、かつ干渉が起こる時間位置(3つのうちの真ん中)で光子が検出された場合のみである。これが起こる確率は1/n×1/2=1/2nであり、それ以外(確率=1−1/2n)はランダム検出となる。ランダム検出のうち半分がビット不一致となるので、ビット不一致率は(1−1/2n)×1/2である。これをみると、nを大きくするとビット不一致確率は1/2に近づくことがわかる。すなわち、実施例3によれば、従来方法より、さらには実施例1、2より、なりすまし盗聴の発見効率が高く安全な量子鍵配送システムが実現することができる。
従来の差動位相シフト量子鍵配送システムの基本構成を示す図である。 従来技術に対するなりすまし盗聴の説明図である。 本発明の一実施形態に係る量子暗号通信システムの構成図である。 本発明の一実施形態に係るなりすまし盗聴を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る量子暗号通信システムの構成図である。 本発明の一実施形態に係るなりすまし盗聴を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る量子暗号通信システムの構成図である。
符号の説明
30 受信機
31、33、35 光分岐手段
32、34、36 光合波器
37、38、39、40 光子検出器
50 受信機
51、52、54 光分岐手段
53、55 光合波器
56、57、58、59 光子検出器
70 受信機
71 1×n光分岐手段
72、74、76 光分岐手段
73、75、77 光合波器
78、79、80、81、82、83 光子検出器
300 送信機
301 光源
302 位相変調器
303 減衰手段
304 光伝送路

Claims (6)

  1. 入力された、位相変調されパルス当り平均1光子未満のパワーレベルである光パルス列を第1の経路および第2の経路に分岐して第1の出力端子および第2の出力端子より出力する第1の分岐手段と、
    前記第1の出力端子より出力された光パルス列を、前記第2の出力端子より出力された光パルス列に対して2パルス分遅延させる第1の遅延手段と、
    前記2パルス分遅延された光パルス列が入力される第1の入力端子と、前記第2の出力端子より出力された光パルス列が入力される第2の入力端子とを有し、前記第1および第2の入力端子から入力された光パルス列を合波する第1の合波手段と、
    該合波した光パルス列を第3の経路および第4の経路に分岐して第3の出力端子および第4の出力端子より出力する第2の分岐手段と、
    前記第3の経路および第4の経路に別個に接続され、前記第2の分岐手段から入力された光パルス列を2経路に分岐して第5の出力端子および第6の出力端子より出力する第3の分岐手段と、
    前記第5の出力端子より出力された光パルス列を、前記第6の出力端子より出力された光パルス列に対して1パルス分遅延させる第2の遅延手段と、
    前記1パルス分遅延された光パルス列が入力される第3の入力端子と、前記第6の出力端子より出力された光パルス列が入力される第4の入力端子とを有し、前記第3および第4の入力端子から入力された光パルス列を合波する第2の合波手段と、
    該合波した光パルス列を2経路に分岐して第7の出力端子および第8の出力端子より出力する第4の分岐手段と
    前記第7の出力端子および第8の出力端子に別個に接続され、前記第4の分岐手段により分岐された光パルス列を検出する検出手段と
    を備えることを特徴とする光検出装置。
  2. 入力された、位相変調されパルス当り平均1光子未満のパワーレベルである光パルス列を第1の経路および第2の経路に分岐して第1の出力端子および第2の出力端子より出力する第1の分岐手段と、
    前記第1の出力端子より出力された光パルス列を第3の経路および第4の経路に分岐して第3の出力端子および第4の出力端子より出力する第2の分岐手段と、
    前記第3の出力端子より出力された光パルス列を、前記第4の出力端子より出力された光パルス列に対して1パルス分遅延させる第1の遅延手段と、
    前記1パルス分遅延された光パルス列が入力される第1の入力端子と、前記第4の出力端子より出力された光パルス列が入力される第2の入力端子とを有し、前記第1および第2の入力端子から入力された光パルス列を合波する第1の合波手段と、
    該合波した光パルス列を2経路に分岐して第5の出力端子および第6の出力端子より出力する第3の分岐手段と、
    前記第2の出力端子より出力された光パルス列を第5の経路および第6の経路に分岐して第7の出力端子および第8の出力端子より出力する第4の分岐手段と、
    前記第7の出力端子より出力された光パルス列を、前記第8の出力端子より出力された光パルス列に対して2パルス分遅延させる第2の遅延手段と、
    前記2パルス分遅延された光パルス列が入力される第3の入力端子と、前記第8の出力端子より出力された光パルス列が入力される第4の入力端子とを有し、前記第3および第4の入力端子から入力された光パルス列を合波する第2の合波手段と、
    該合波した光パルス列を2経路に分岐して第9の出力端子および第10の出力端子より出力する第5の分岐手段と、
    前記前記第5の出力端子、第6の出力端子、第9の出力端子および第10の出力端子にそれぞれ別個に接続され、前記第3および第5の分岐手段により分岐された光パルス列を検出する検出手段と
    を備えることを特徴とする光検出装置。
  3. N個の出力端子を有し、入力された、位相変調されパルス当り平均1光子未満のパワーレベルである光パルス列をN分岐(N≧2)して前記N個の出力端子より出力する第1の分岐手段と、
    該第1の分岐手段のN個の出力端子にそれぞれ接続された、前記第1の分岐手段の出力端子より出力された光パルス列を2経路に分岐して対応する2つの出力端子より出力するN個の第2の分岐手段と、
    前記N分岐された光パルス列のそれぞれについて該第2の分岐手段にて2経路に分岐された光パルス列の一方を、該2経路に分岐された光パルス列の他方に対して所定のパルス分の遅延を施す手段であって、前記N分岐された光パルス列のk番目(1≦k≦N)の光パルス列では、前記2経路に分岐された光パルス列の一方を該光パルス列の他方に対してkパルス分遅延させる遅延手段と、
    前記第2の分岐手段の対応する2つ出力端子から出力された光パルスのうち、前記所定のパルス分の遅延が施された一方のパルス列が入力される第1の対応する入力端子と、前記他方のパルス列が入力される第2の対応する入力端子とを有し、前記対応する2つの出力端子から入力された光パルス列を合波する手段であって、前記N個の第2の分岐手段と対になるように前記第2の分岐手段に接続されるN個の合波手段と、
    該合波した光パルス列を2経路に分岐して対応する出力端子より出力する第3の分岐手段と、
    前記対応する出力端子に接続され、前記第3の分岐手段にて分岐された光パルス列を検出する検出手段と
    を備えることを特徴とする光検出装置。
  4. 前記位相変調は、0またはπで無作為に行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光子検出装置。
  5. データを暗号化し、複合化するための秘密鍵を供給する量子暗号通信システムにおいて、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の光検出装置と
    相変調されパルス当り平均1光子未満のパワーレベルである光パルス列を前記光検出装置へ伝送路を介して送信する送信機とを備え、
    前記送信機は、
    コヒーレンス時間がパルス間隔より長い一定時間間隔の光パルス列を発生する発生手段と、
    前記発生手段により発生された各パルスの位相を変調する変調手段と、
    前記変調手段により位相変調された光パルス列をパルス当り平均1光子未満のパワーレベルで前記伝送路に送出する送出手段と
    を備えることを特徴とする量子暗号通信システム。
  6. 前記変調手段は、前記各パルスを0またはπで無作為に位相を変調することを特徴とする請求項5記載の量子暗号通信システム。
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