JP2007266738A - 量子暗号通信装置および通信端末 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホモダイン検出におけるS/N比を上げ、盗聴などの擾乱を検知し易くする。
【解決手段】量子暗号通信装置100Aは、送信者側端末1、受信者側端末2及び通信路3からなる。端末1から端末2に比較的強度の強い参照光(パルス光P2)及びパルス毎にランダムに位相変調が加えられた微弱な信号光(パルス光P1)を送る。端末2でさらに参照光にパルス毎にランダムに位相変調を加えた後、これら参照光及び信号光に基づいてホモダイン検出を行って、秘密情報、例えば秘密鍵を得る。端末2は、端末1から通信路3を介して送られてくる参照光を増幅する増幅器11を有している。この増幅器11で参照光を増幅することで、ホモダイン検出におけるS/N比を上げることができる。なお、端末1が、端末2から通信路3を介して送られてくる参照光を増幅する増幅器を備えるようにしてもよい。
【選択図】 図1

Description

この発明は、量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置および通信端末に関する。
詳しくは、この発明は、送信者側端末から受信者側端末に比較的強度の強い参照光およびランダムに位相変調が加えられた微弱な信号光を送り、受信者側端末でさらに参照光にランダムに位相変調を加えた後、これら参照光および信号光に基づいてホモダイン検出を行うものにあって、受信者側端末および送信者側端末のいずれかあるいは双方で参照光を増幅する構成とすることによって、ホモダイン検出におけるS/N比(信号対雑音比)を上げ、盗聴などの擾乱を検知し易くした量子暗号通信装置等に係るものである。
第三者への情報漏洩を防ぐ手法として、RSA暗号、EIGamal暗号などの公開鍵暗号、AES,DESなどの秘密鍵暗号がある。前者は、安全性が素因数分解問題、離散対数問題の困難さに起因している。そのため、量子コンピュータによる解読、あるいは未知の攻撃の脅威に常にさらされている。後者は、予め秘密鍵を送受信者が共有する必要があるため、通常は前者の手法を用いて鍵交換を行なう。さらに、前者と同様に,攻撃手法が日々進化しているため、将来、効率的な解読法が出現する可能性がある。一般に、これらは計算量的安全性に基づく暗号と言われている。
一方、バーナム暗号などの、完全秘匿可能な情報量的安全性に基づく暗号が提案されている。しかし、Shannonにより示されたように、完全秘匿性を有するためには、送受信者が共有する鍵サイズが大きくなり、鍵配布が困難となる。
これらの問題を打開する手法として、Bennettらにより量子暗号が提案された。量子暗号とは、量子力学の原理を利用して秘密鍵を共有する手法である。微弱な光の状態を1回の測定により正確に特定できないことを用いる。この量子暗号の実装手法としては、微弱な信号光の測定手法により、大きく2つに分けることができる。
一方は、単一光子検出に基づく手法、もう一方はホモダイン検出に基づく手法である。前者の手法は、単一光子生成、検出を行なうところが特徴であり難点である。後者の手法は、レーザダイオードからの微弱コヒーレント光をフォトダイオードからなるホモダイン検出器を用いて測定するという特徴を有する。この手法は、室温で高効率の測定が可能である点で有望な手法と考えられている。
このホモダイン検出に基づく量子暗号プロトコルは、特許文献1で提案されている。また、長距離通信では回避が難しい光ファイバ上での偏光状態擾乱、光路長のずれに対処可能なプラグアンドプレイ実装も、特許文献2で提案されている。この特許文献2では、さらに、送受信者間で同期を取る手法が提案されている。
特開2000−101570号公報 特開2005−286485号公報
特許文献1,2に記載される量子暗号通信装置は、送信者側端末から受信者側端末に比較的強度の強い参照光およびランダムに位相変調が加えられた微弱な信号光を送り、受信者側端末では参照光にランダムに位相変調を加えた後にこれら参照光および信号光に基づいてホモダイン検出を行って信号光の位相情報を取り出す構成となっている。
このとき、送信側の信号基底と受信側の位相の基底が一致した時のみ有効な情報を共有することができる。このときのホモダイン検出後の信号レベルの平均値は、n1を信号光の光子数、n0を参照光の光子数とすると、上述の特許文献1に記載されているように、2√n1√n0となる。
光ファイバの損失は、0.2dB/km以上なので、量子暗号情報を遠くに伝送しようとするときは減衰が問題になり、100kmでは減衰は100分の1以下になる。このとき、ホモダイン検出後の信号レベルも上式から100分の1以下になる。
このように量子暗号通信では、長距離化による信号の減衰は本質的なことであった。これに対する対策として、増幅はタブーであったため、送信強度を上げる、できるだけ感度の良い受信機を使うなどが採られたが、送信光量を上げると散乱光がリニアに増えて受信者側端末に漏れ込み悪影響がでたり、受信感度の上限などがあり、決定的な対策とはならなかった。
この発明の目的は、ホモダイン検出におけるS/N比を上げ、盗聴などの擾乱を検知し易くすることにある。
この発明の概念は、
第1の通信端末(受信者側端末)と、第2の通信端末(送信者側端末)と、上記第1の通信端末および上記第2の通信端末を結ぶ通信路とを備え、第1の通信端末の光源から第2の通信端末に通信路を通じてパルス光である信号光および参照光を送り、この第2の通信端末から第1の通信端末に比較的強度の強い参照光およびランダムに位相変調が加えられた微弱な信号光として送り返し、第1の通信端末でさらに送り返された参照光にランダムに位相変調を加えた後、これら送り返された参照光および信号光に基づいてホモダイン検出を行うものにあって、第1の通信端末および第2の通信端末末のいずれかあるいは双方に参照光を増幅する増幅部を有する量子暗号通信装置にある。
この発明において、量子暗号通信装置は、受信者側端末である第1の通信端末と、送信者側端末である第2の通信端末と、これら第1、第2の通信端末を結ぶ光ファイバ、あるいは自由空間からなる通信路とを備えている。
第1の通信端末(受信者側端末)の光源から発生されるパルス光は第1の光分離部で信号光および参照光に分離される。そして、遅延器が挿入された第1の光路を通過した信号光および遅延器が挿入されていない第2の光路を通過した参照光が合成されて、通信路に送出される。この場合、通信路には、最初に参照光が送出され、その後に所定の時間差をもって信号光が送出される。
第2の通信端末(送信者側端末)には、通信路を介して上述の参照光および信号光が送られてくる。これら参照光および信号光は所定の光路を介して再び通信路に送出される。この場合、この所定の光路を通る信号光は光減衰器により減衰され、通信路に送出される信号光の強度は微弱とされる。なお、この所定の光路を通る参照光は減衰されず、通信路に送出される参照光は比較的強度の強いものとなる。また、第2の位相変調器により、所定の光路を通る信号光に、パルス毎に、ランダムな位相変調が加えられる。これにより、信号光は秘密情報が位相変調量として載せられたものとなる。
第1の通信端末(受信者側端末)には、通信路を介して上述の参照光および信号光が送られてくるが、第2の光分離部でこれら参照光および信号光が分離される。上述したように参照光および信号光をこの第1の通信端末から第2の通信端末に送る際には、信号光が第1の光路を通過し、参照光が第2の光路を通過するようにされるが、第2の通信端末からこの第1の通信端末に送り返されたものに関しては、参照光が第1の光路を通過し、信号光が第2の光路を通過するようにされる。
また、第1の位相変調器により、第1の光路を通る参照光に、パルス毎に、ランダムな位相変調が加えられる。そして、第1の光路を通過した参照光および第2の光路を通過した信号光に基づいてホモダイン検出が行われる。このホモダイン検出器の検出情報から、上述したように第2の通信端末で信号光に載せられた秘密情報、例えば秘密鍵を得ることができる。
上述した構成の量子暗号通信装置において、さらに、第1の通信端末および第2の通信端末のいずれかあるいは双方で、参照光が増幅される。例えば、第1の通信端末に、第2の通信端末から通信路を介して送られてくる参照光を増幅する増幅部が設けられる。この場合例えば、第2の通信端末から送られてくる参照光のみが増幅されるように増幅部の増幅作用が制御される。これにより、増幅部が信号光の通過路にある場合であっても、増幅部で信号光を増幅することがなく、従って信号光の量子状態が変化するということはなくなる。
また例えば、第1の通信端末の第1の光路に増幅部が挿入される。上述したように、第2の通信端末からこの第1の通信端末に送り返されたものに関しては、参照光が第1の光路を通過し、信号光が第2の光路を通過する。そのため、このように第1の光路に増幅部を挿入することで、例えば上述したような増幅部の増幅作用の制御を不要とできる。
また例えば、第2の通信端末に、第1の通信端末から通信路を介して送られてくる参照光を増幅する増幅部が設けられる。この場合、上述した第1の通信端末の増幅部と共に、あるいは単独で設けられる。この場合例えば、第1の通信端末から送られてくる参照光のみが増幅されるように増幅部の増幅作用が制御される。これにより、参照光の到着検出の感度を高めることができ、また増幅部で信号光を増幅することがなく、信号光の量子状態が変化するということはなくなる。
この場合、増幅部は、例えば、入力参照光を、第1の直線偏光およびこの第1の直線偏光と直交した偏光面を持つ第2の直線偏光に分離する第1の偏光ビームスプリッタと、この第1の偏光ビームスプリッタで分離された第1の直線偏光を増幅する第1のアンプと、第1の偏光ビームスプリッタで分離された第2の直線偏光を増幅する、第1のアンプと同じ増幅率の第2のアンプと、第1のアンプで増幅された第1の直線偏光および第2のアンプで増幅された第2の直線偏光を合成して出力参照光を得る第2の偏光ビームスプリッタを備えるものとされる。
例えば、第1の通信端末から通信路に供給される信号光および参照光は分離の便宜のために互いに直交する偏光面を持つ直線偏光とされるが、第2の通信端末に入力される偏光は通信路の途中で揺らぐ可能性がある。増幅部を上述した構成とすることで、出力参照光の偏光状態を入力参照光の偏光状態と同じ状態に保つことができる。
上述したように第1の通信端末および第2の通信端末のいずれかあるいは双方で、参照光が増幅されることで、ホモダイン検出におけるS/N比を上げ、盗聴などの擾乱が検知し易くなる。また、ホモダイン検出におけるS/N比が従来と同じ状態を維持するのであれば、参照光の増幅分だけ量子暗号通信の距離を伸ばすことができ、あるいは参照光の増幅分だけ光源の発光強度を抑えて、この光源の寿命を伸ばすことができる。
また、この発明の概念は、
第1の通信端末(受信者側端末)と、第2の通信端末(送信者側端末)と、上記第1の通信端末および上記第2の通信端末を結ぶ通信路とを備え、第2の通信端末から第1の通信端末に比較的強度の強い参照光およびランダムに位相変調が加えられた微弱な信号光を送り、第1の通信端末では参照光にランダムに位相変調を加えた後これら参照光および信号光に基づいてホモダイン検出を行うものにあって、第1の通信端末に参照光を増幅する増幅部を有する量子暗号通信装置にある。
この発明において、量子暗号通信装置は、受信者側端末である第1の通信端末と、送信者側端末である第2の通信端末と、これら第1、第2の通信端末を結ぶ光ファイバ、あるいは自由空間からなる通信路とを備えている。
第2の通信端末(送信者側端末)の光源から発生されるパルス光は第2の光分離部で信号光および参照光に分離される。光路長の長い第3の光路を通る信号光は光減衰器により減衰され、通信路に送出される信号光の強度は微弱とされる。なお、光路長の短い第4の光路を通る参照光は減衰されず、通信路に送出される参照光は比較的強度の強いものとなる。また、第2の位相変調器により、第3の光路を通る信号光に、パルス毎に、ランダムな位相変調が加えられる。これにより、信号光は秘密情報が位相変調量として載せられたものとなる。そして、第3の光路を通過した信号光および第4の光路を通過した参照光が合成されて、通信路に送出される。
第1の通信端末(受信者側端末)には、通信路を介して上述の参照光および信号光が送られてくるが、第1の光分離部でこれら参照光および信号光が分離される。信号光は上述した第2の通信端末の第4の光路に対応した光路長を持つ第2の光路を通過し、参照光は上述した第2の通信端末の第3の光路に対応した光路長を持つ第1の光路を通過するようにされる。
第1の光路を通る参照光に、パルス毎に、ランダムな位相変調が加えられる。そして、第1の光路を通過した参照光および第2の光路を通過した信号光に基づいてホモダイン検出部でホモダイン検出が行われる。このホモダイン検出部の検出情報から、上述したように第2の通信端末で信号光に載せられた秘密情報、例えば秘密鍵を得ることができる。
上述した構成の量子暗号通信装置において、さらに、第1の通信端末で、参照光が増幅される。つまり、第1の通信端末に、第2の通信端末から通信路を介して送られてくる参照光を増幅する増幅部が設けられる。この増幅部は、例えば第1の光路に挿入され、参照光のみを増幅するようにされる。
上述したように第1の通信端末で参照光が増幅されることで、ホモダイン検出におけるS/N比を上げることができ、盗聴などの擾乱が検知し易くなる。また、ホモダイン検出におけるS/N比が従来と同じ状態を維持するのであれば、参照光の増幅分だけ量子暗号通信の距離を伸ばすことができ、あるいは参照光の増幅分だけ光源の発光強度を抑えて、この光源の寿命を伸ばすことができる。
この発明によれば、送信者側端末から受信者側端末に比較的強度の強い参照光およびランダムに位相変調が加えられた微弱な信号光を送り、受信者側端末でさらに参照光にランダムに位相変調を加えた後、これら参照光および信号光に基づいてホモダイン検出を行うものにあって、受信者側端末および送信者側端末のいずれかあるいは双方で参照光を増幅するものであり、ホモダイン検出におけるS/N比を上げることができ、盗聴などの擾乱を検知し易くなる。
この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての量子暗号通信装置100Aの構成を示している。
この量子暗号通信装置100Aは、第2の通信端末としての送信者側端末1と、第1の通信端末としての受信者側端末2と、これら送信者側端末1および受信者側端末2を結ぶ通信路3とを備えている。この量子暗号通信装置100Aは、通信路3を介して、送信者側端末1から受信者側端末2に向けて秘密情報を送信する。この秘密情報は、例えば共通鍵暗号方式において使用される共有秘密鍵などの秘密情報である。
受信者側端末2は、光源4、サーキュレータ5、分岐比が1対1のビームスプリッタ6、位相変調器7、遅延器8、ビームスプリッタ9、偏光ビームスプリッタ10、増幅器11、検出器12、ホモダイン検出器15およびコントローラ17を有している。
また、送信者側端末1は、ビームスプリッタ19、遅延器20、位相変調器21、可変減衰器22、ファラデーミラー24、検出器26およびコントローラ28を有している。
通信路3として、光ファイバあるいは自由空間を用いることができる。自由空間を通信路3とするときは、望遠鏡を使用して通信路3における光ビームの径を大きくすることにより、光の回折の影響を小さくすることができる。
以下、量子暗号を適用した通信処理の動作シーケンスに従って、各構成部における処理の詳細を説明する。
受信者側端末2の光源4で発生するパルス光が、通信路3を介して送信者側端末1へ送信され、その送信データが再度、通信路3を介して受信者側端末2へ戻ってくるという順番で動作するので、その順番に従って説明する。
受信者側端末2のサーキュレータ5は、光源4からの光がビームスプリッタ6へ出力され、ビームスプリッタ6から戻ってきた光がホモダイン検出器15へ出力されるように光路制御を実行する。
受信者側端末2の光源4から発生したパルス光は、サーキュレータ5を介してビームスプリッタ6に入力されると、ビームスプリッタ6において、信号光であるパルス光P1および参照光であるパルス光P2に分離される。
ビームスプリッタ6から位相変調器7、遅延器8、ビームスプリッタ9、増幅器11を経て偏光ビームスプリッタ10に進むパルス光をP1とする。また、ビームスプリッタ6から直接偏光ビームスプリッタ10に進むパルス光をP2とする。図では、受信者側端末2から送信者側端末1へ向かうパルス光P1,P2を実線矢印で示し、送信者側端末1から受信者側端末2へ戻るパルス光P1,P2を点線矢印で示している。
ビームスプリッタ6から偏光ビームスプリッタ10へ進む2つの経路は偏波保存ファイバで各部品間を接続し、パルス光P1とパルス光P2が偏光ビームスプリッタ10で合流し、通信路3に送出されるときには、パルス光P1とパルス光P2は互いに直交する直線偏光となる。
ただし、遅延器8により、パルス光P1はパルス光P2よりも遅れて通信路3に入力される。パルス光P1とパルス光P2の時間差は、光源4のパルス光のコヒーレンス時間よりも十分長くなければならず、また、受信者側端末2の位相変調器7と、送信者側端末1の位相変調器21および可変減衰器22の応答時間よりも長くなるように選ぶ。
送信者側端末1では、受信者側端末2から通信路3を経由してパルス光P1、P2を受信する。送信者側端末1では、通信路3からのパルス光P1,P2をビームスプリッタ19に入力する。ビームスプリッタ19は、大部分の光を遅延器20側に出力し、一部の光のみを検出器26側に出力するように入力光の分岐処理を行なう。
ビームスプリッタ19の分岐比は、検出器26がパルス光P2の到着をモニターできる強度となる範囲でなるべく多くの光が遅延器20側に進むように設定する。例えば、遅延器20側と検出器26側との分岐比は9対1に設定される。
検出器26は、パルス光P2の到着をモニターするために用いる。検出器26としては、例えばフォトダイオードもしくはアバランシェフォトダイオードと、これに増幅器を組み合わせた構成を適用できる。フォトダイオードとアバランシェフォトダイオードには、パルス光の波長が可視域もしくは近赤外の場合にはSiを、波長が1.3μm〜1.6μmの場合にはGeもしくはInGaAsを用いることができる。なお、詳細説明は省略するが、送信者側端末1の検出器12も、検出器26と同様に構成される。
検出器26の検出出力は、コントローラ28に供給される。図1においては、位相変調器21が可変減衰器22より通信路3側に設置された例を示しているが、可変減衰器22を位相変調器21より通信路3側に設置する構成であってもよい。
コントローラ28は、位相変調器21と可変減衰器22を制御する。この場合、パルス光P2に対しては、可変減衰器22の透過率が高くなるようにし、位相変調器21は作用させない。一方、パルス光P1に対しては、可変減衰器22の減衰量を大きくして透過率を低くし、さらに位相変調器21により適当な位相変調処理を実行する。
また、コントローラ28は、検出器26の検出出力に基づいて、パルス光P2(参照光)の到着を知ることができ、位相変調器21におけるパルス光P1(信号光)に対する位相変調の処理開始タイミングを制御する。これにより、位相変調器21においては、パルス光P1(信号光)を構成する各パルスに対して正しいタイミングで位相変調の処理を行うことができる。
例えば、4つの量子状態を用いる量子暗号を行う場合には、0度(0ラジアン)、90度(π/2ラジアン)、180度(πラジアン)、270度(3π/2ラジアン)の位相変調をパルス毎にランダムに加える。可変減衰器22には、音響光学素子またはLiNbO3強度変調器を用いることができる。位相変調器21には、LiNbO3位相変調器を用いることができる。
受信者側端末2から通信路3を介して送信者側端末1に入力したパルス光P1とパルス光P2は送信者側端末1のファラデーミラー24で反射され、受信者側端末2に戻される。したがって、パルス光P1とパルス光P2は送信者側端末1の位相変調器21と可変減衰器22とを、往復で2回通ることになる。可変減衰器22の減衰量は、送信者側端末1から受信者側端末2へ戻っていくパルス光P1のパルスあたりの平均光子数が1個程度となるように設定する。
一方、送信者側端末1から受信者側端末2へ戻っていくパルス光P2のパルスあたりの平均光子数は、受信者側端末2側のホモダイン検出器15におけるS/N比が最適になるように選ぶ。典型的なパルス光P2の強度はパルスあたりの平均光子数が106個程度である。このとき、送信者側端末1側の可変減衰器22のパルス光P1とパルス光P2に対する相対的な透過率の典型的な比は、10-6:1程度となる。
上述したように、ホモダイン検出法は微弱な信号光(パルスあたりの平均光子数が1個程度)と比較的強度の強い参照光(典型的な平均光子数はパルスあたり106個程度)を重ね合わせて信号光の状態を測定する方法である。送信者側端末1から受信者側端末2へ戻っていくパルス光P1が、平均光子数が1個程度となる信号光に相当する。また、送信者側端末1から受信者側端末2へ戻っていくパルス光P2が、平均光子数が106個程度の参照光に相当する。
送信者側端末1の位相変調器21と可変減衰器22とはともに、通信路3から送信者側端末1へ入るパルス光の偏光状態に依存しない位相変調と減衰を与える必要があるが、パルス光P1とパルス光P2の反射にファラデーミラー24を用いることで、自動的にこの条件を満たすことができる。可変減衰器22に音響光学素子を用いる場合には、ほぼ光の偏光状態に依存しない透過率となるので、この場合、パルス光P1に対する可変減衰器22の1回あたりの透過率は10-3程度に設定する。
送信者側端末1において上述の処理がなされた減衰パルス光と非減衰パルス光、すなわち減衰パルス光であるパルス光P1と、非減衰パルス光であるパルス光P2は、通信路3を介して受信者側端末2に入力される。減衰パルス光であるパルス光P1は信号光に相当し、非減衰パルス光であるパルス光P2は参照光に相当する。
送信者側端末1から通信路3を介して受信者側端末2に入力されたパルス光P1(信号光)とパルス光P2(参照光)は、偏光ビームスプリッタ10により分岐される。この場合、パルス光P1は直接ビームスプリッタ6へ入力される短い経路へ出力され、パルス光P2は増幅器11、ビームスプリッタ9、遅延器8および位相変調器7を通る長い経路へ出力される。図では、パルス光P1(信号光)、パルス光P2(参照光)をそれぞれ点線矢印で示している。
パルス光P1とパルス光P2は、送信者側端末1に設置されたファラデーミラー24によって反射された光であるので、受信者側端末2の偏光ビームスプリッタ10へ戻ってきたパルス光P1とパルス光P2は、受信者側端末2から出力されたパルス光P1とパルス光P2に対してそれぞれ90度偏光面が回転した直線偏光になっている。
この偏光に起因して、受信者側端末2に入力されたパルス光P1は、偏光ビームスプリッタ10により、直接ビームスプリッタ6へ入力される短い経路へ出力され、パルス光P2は、増幅器11、ビームスプリッタ9、遅延器8、位相変調器7を通る長い経路へ出力される。
すなわち、受信者側端末2の偏光ビームスプリッタ10とビームスプリッタ6の間の経路は、受信者側端末2から送信者側端末1へ向かう際のパルス光P1,P2と、逆に送信者側端末1から受信者側端末2へ戻ったパルス光P1,P2とで入れ替わることになる。
この構成では、送信者側端末1における減衰処理によって減衰された微弱なパルス光P1(信号光)は、受信者側端末2では、余分な光学部品のない短い経路を通るため、受信者側端末2に戻ってきたパルス光P1の光損失を小さくすることができる。
増幅器11は、光源4からパルス光の発光に関連して出力される制御信号に基づいて、送信者側端末1から通信路3を介して送られてくるパルス光P2(参照光)のみを増幅するように制御される。この場合、受信者側端末2から送信者側端末1にパルス光P1,P2を送る往路では、パルス光P1(信号光)が増幅器11を通過するが、その際にはこの増幅器11の増幅作用は停止される。
なお、増幅器11は、復路のパルス光P2(参照光)が通過する光路に配置されているので、上述したように光源4からの制御信号によって増幅作用を行うタイミングが制御されることなく、常に増幅作用を行うようにしてもよい。この場合、往路のパルス光P1(信号光)は増幅器11によって増幅されることとなるが、送信者側端末1の可変減衰器22の減衰量が大きければ、この送信者側端末1から再び通信路3に送出されるパルス光P1の平均光子数を充分に少なくできる。
また、増幅器11を偏光ビームスプリッタ10とビームスプリッタ9との間ではなく、パルス光P1(信号光)も通過する、通信路3と偏光ビームスプリッタ10との間に挿入することも考えられる。この場合、上述したように送信者側端末1から通信路3介して送られてくるパルス光P2(参照光)のみを増幅するように増幅器11の動作が制御されていれば、パルス光P1(信号光)を増幅して、その量子状態を変化させるということはない。
一方、偏光ビームスプリッタ10により分岐された、典型的なパルスあたりの光子数が106個程度であるパルス光P2(参照光)は、ビームスプリッタ9により、遅延器8へ進むパルス光と検出器12へ進むパルス光に分かれる。ビームスプリッタ9の典型的な分岐比は9対1とされ、大部分のパルス光が遅延器8側に進むように設定される。
受信者側端末2の検出器12の構成は、送信者側端末1の検出器26と同様で、ビームスプリッタ9の分岐比に関しても、パルス光P2の到着が検出できる範囲でなるべく多くの光が遅延器8側に出力されるように設定する。
検出器12の出力はコントローラ17に供給される。コントローラ17は位相変調器7をコントロールするほか、ホモダイン検出器15の出力を読み出すタイミングをコントロールする働きを持つ。なお、上述したように増幅器11でパルス光P2が増幅されるので、検出器12における検出感度が高められる。
コントローラ17は、検出器12の検出出力に基づいて、パルス光P2(参照光)の到着を知ることができ、位相変調器7におけるパルス光P2(参照光)に対する位相変調の処理開始タイミングを制御する。これにより、位相変調器7においては、パルス光P2(参照光)を構成する各パルスに対して正しいタイミングで位相変調の処理が行われる。
位相変調器7は、遅延器8を通ったパルス光P2に、パルス毎に、ランダムな位相変調を与える。4つの量子状態を用いる量子暗号の場合は、0度(0ラジアン)または90度(π/2ラジアン)の位相変調をランダムに与える。
往路、すなわち受信者側端末2から送信者側端末1へ向かう際には、長い経路(ビームスプリッタ6→位相変調器7→遅延器8→ビームスプリッタ9→増幅器11→偏光ビームスプリッタ10)を通ったパルス光P1は、復路では短い経路(偏光ビームスプリッタ10→ビームスプリッタ6)を通る。一方、往路では短い経路(ビームスプリッタ6→偏光ビームスプリッタ10)を通ったパルス光P2は、復路では長い経路(偏光ビームスプリッタ10→増幅器11→ビームスプリッタ9→遅延器8→位相変調器7→ビームスプリッタ6)を通る。
このように、パルス光P1,P2は、受信者側端末2と送信者側端末1との間の往復において全く等距離の経路を経由することになり、パルス光P1(信号光)とパルス光P2(参照光)は同時にビームスプリッタ6に到着する。
パルス光P1は量子力学的な性質が現れる信号光で、それに比べて強度の強いパルス光P2を参照光(「局部発振光」ともいう)として用いて、パルス光P1のホモダイン検出を行うことになる。ビームスプリッタ6の2つの出力は、片方は直接、もう片方はサーキュレータ5を通って、ホモダイン検出器15へ入力される。
ホモダイン検出器15の2つの入力部には、それぞれフォトダイオードを設置する。フォトダイオードには、パルス光の波長が可視域もしくは近赤外の場合にはSiを、波長が1.3μm〜1.6μmの場合にはGeもしくはInGaAsを用いることができる。2つのフォトダイオードの出力は、低雑音で利得の高い増幅器に入力され、さらにこの増幅器の出力を、パルス光P2(参照光)の強度や増幅器の利得等を使って規格化すると、パルス光P1(信号光)の直交位相振幅が得られる。このホモダイン検出器15の検出情報から通信秘密情報、例えば秘密鍵を得ることができる。
図1に示す量子暗号通信装置100Aにおける、送信者側端末1と受信者側端末2との間の通信による秘密情報の共有シーケンスの概要について、図2〜図4を参照して説明する。
まず、図2に示すように、受信者側端末2から往路のパルス光P1,P2が送信者側端末1に出力され、送信者側端末1から受信者側端末2に復路のパルス光P1,P2が戻される。ここで、送信者側端末1は、受信者側端末2からのパルス光P1,P2のうち、パルス光P1(信号光)に位相変調器21を適用して、{0,π/2,π,3π/2}のいずれかの位相変調を施す。この位相変調系列が図2下段の表の(b)のデータ送信側位相変調系列に相当する。
送信者側端末1が、パルス光P1に対して実行する位相変調系列(図2の下段の表の(b))はランダムに選択された系列であってよい。あるいは、予め図2の下段の表の(a)選択ビットを設定した後、その選択ビットに対応する変調を行なってもよい。なお、例えば、ビット0に対しては、0またはπ/2の位相変調光とし、ビット1に対しては、π,または3π/2の位相変調が対応付けられているものとする。
このような位相変調が行なわれたパルス光P1は可変減衰器22(図1参照)によって減衰された信号光として受信者側端末2に戻される。なお、パルス光P2(参照光)は減衰されることなく受信者側端末2に戻される。送信者側端末1から受信者側端末2に戻されるパルス光P1は微弱な信号光(パルスあたりの平均光子数が1個程度)であり、送信者側端末1から受信者側端末2に戻されるパルス光P2は、比較的強度の強い参照光(典型的な平均光子数はパルスあたり106個程度)である。
この戻りパルス光P1(信号光)と、戻りパルス光P2(参照光)を受信した受信者側端末2は、位相変調器7において、例えば{0,π/2}のいずれかをランダムに選択して、パルス光P2(参照光)に対する位相変調を行いホモダイン検出器15において干渉を測定する。
例えば、受信者側端末2の位相変調器7において、図2の下段の表に示す(c)の位相変調処理を実行した場合、ホモダイン検出器15においては、(d)に示すビット検出が可能となる。(d)干渉に基づく確認ビットに示すデータにおいて、[0],[1]が、干渉によるビット識別が実行できた部分であり、[×]は、ビット識別が実行できなかった部分である。ビット識別の可否は、前述したように送信者側端末1と受信者側端末2において実行される位相変調処理の組み合わせによって決定される。
例えば、受信者側端末2のホモダイン検出器15は、図2の下段の表の(d)干渉に基づく確認ビットに示すデータに示すように、位相変調処理の組み合わせが所定条件を満足する場合にのみ、ビット[0]、または[1]が検出されることになる。[×]は、ビットの識別が実行できなかった部分である。
その後、受信者側端末2は、図3に示すように、受信者側端末2において適用した変調系列情報、すなわち図の下段の表の(c)の情報列を送信者側端末1に通知する。図に示す{0,0,π/2,π/2,0・・}である。
送信者側端末1は、受信者側端末2から受領した変調系列情報に基づいて、ビット検出に適応した正しい変調が行なわれた部位と、正しくない変調が行なわれた部位を示す情報を生成して受信者側端末2に送信する。すなわち図の下段の表の(e)の情報列を受信者側端末2に通知する。図に示す{○,×,○,×,○,○・・}である。なお、図3に示す受信者側端末2からの変調系列情報{0,0,π/2,π/2,0・・}、送信者側端末1からの情報{○,×,○,×,○,○・・}は公開通信路を適用してよい。
次に、図4に示すように、受信者側端末2は、検出されたビット情報列を送信者側端末1に通知する。図に示す{0,0,1,0・・}である。一方、送信者側端末1は、受信者側端末2側で検出可能な位相変調を行なった部分のみのビット列情報を受信者側端末2に通知する。図に示す{0,0,1,0・・}である。これは、図4の下段の表において、(a)の選択ビットから(e)送受信側の変調適合において[○]が設定されたもののみを選択したビット系列である。これらの通知処理も公開通信路を介して実行してよい。
通信路3において通信データの盗聴が行なわれていない場合は、図4に示すビットの相互通知処理において、すべての確認ビットが一致する。しかし、通信路3において通信データの盗聴が行なわれると、ビットの相互通知処理において、相互の通知ビットのずれが発生する。これは、通信路3の盗聴により、変調状態が変化してしまうことによる。通信路3における盗聴がない場合には、相互の通知ビットのずれは発生することがない。
このようなデータ通信により、例えば共通鍵暗号方式における秘密鍵などの秘密情報を共有することが可能となる。なお、例えば秘密鍵nビットを共有する場合は、図4を参照して説明した相互通知処理のなされたビットが互いに一致することを確認した後、予め相互に通知済みの共通のビット選択処理により、上記処理によって共有できたmビット(m>n)からnビットを選択するなどの処理が実行される。
図1の構成によれば、端末間で往復通信路を形成し、信号光として利用されるパルス光P1と、参照光(局部発信光)として利用されるパルス光P2との往復経路距離が同一となり、受信者側端末2のビームスプリッタ6に到着するタイミングは、信号光として利用されるパルス光P1と、参照光として利用されるパルス光P2が全く同じタイミングとなり、ホモダイン検出器15における干渉測定を正確に実行することが可能となる。
具体的には、図1の受信者側端末2のビームスプリッタ6と偏向ビームスプリッタ10との間の経路を往路と復路で、パルス光P1,P2が入れ替わる構成とすることで、受信者側端末2と送信者側端末1との間を往復する2つのパルス光P1,P2の往復経路距離が等しくなり、この結果、ホモダイン検出器15における干渉測定を正確に実行することが可能となっている。
また、図1の構成によれば、受信者側端末2において送信者側端末1から通信路3を介して送られてくるパルス光P2(参照光)が増幅されるものであり、ホモダイン検出におけるS/N比を上げることができ、盗聴などの擾乱が検知し易くなる。また、ホモダイン検出におけるS/N比が従来と同じ状態を維持するのであれば、パルス光P2(参照光)の増幅分だけ量子暗号通信の距離(通信路3の長さ)を伸ばすことができ、あるいはパルス光P2(参照光)の増幅分だけ受信者側端末2の光源4、例えばレーザ光源の発光強度を抑えることができ、この光源4の寿命を伸ばすことができる。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図5は、他の実施の形態としての量子暗号通信装置100Bの構成を示している。この図5において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
この量子暗号通信装置100Bにおいては、図1の量子暗号通信装置100Aのように受信者側端末2に増幅器11を設ける代わりに、送信者側端末1に、通信路3を介して受信者側端末2から送られてくる参照光を増幅する増幅器29が設けられる。この増幅器29は、ビームスプリッタ19と通信路3との間の光路に挿入されている。
増幅器29は、コントローラ28からの制御信号に基づいて、受信者側端末2から通信路3を介して送られてくるパルス光P2(参照光)のみを増幅するように制御される。上述したように、コントローラ28は、検出器26の検出出力によりパルス光P2(参照光)の到着を知ることができる。なお、このように増幅器29で通信路3を介して送られてくるパルス光P2が増幅されるので、検出器26における検出感度が高められる。
図6は、増幅器29の構成例を示している。増幅器29は、例えば、入力パルス光P2in(参照光)を、H偏光(第1の直線偏光)およびこのH偏光と直交した偏光面を持つV偏光(第2の直線偏光)に分離する偏光ビームスプリッタ29aと、この偏光ビームスプリッタ29aで分離されたH偏光を増幅するアンプ29bと、偏光ビームスプリッタ29aで分離されたV偏光を増幅する、アンプ29bと同じ増幅率のアンプ29cと、アンプ29bで増幅されたH偏光およびアンプ29cで増幅されたV偏光を合成して出力パルス光P2out(参照光)を得る偏光ビームスプリッタ29dとを備えている。
ここで、アンプ29b,29cとしては、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)、あるいはファイバーアンプを用いることができる。増幅作用のオンオフについては、SOAの場合は注入電流のオンオフで行われ、ファイバーアンプの場合は励起光のオンオフで行われる。
なお、可変減衰器22の減衰量が充分大きい場合は、増幅器29を、可変減衰器22とファラデーミラー24との間に配置することも可能である。この場合、増幅器29は、上述したようにコントローラ28により増幅動作を行うタイミングが制御される必要はなく、常に増幅作用を行い、可変減衰器22は、ファラデーミラー24で反射されるパルス光P1(信号光)が通るタイミングで、このパルス光P1に対し、パルスあたりの平均光子数が1個程度となるように減衰処理を行うようにされる。
上述したように受信者側端末2から通信路3に供給されるパルス光P1,P2は、送り返されたときの分離の便宜のために互いに直交する偏光面を持つ直線偏光とされている。しかし、送信者側端末1に入力されるパルス光P1,P2の状態は、通信路3の途中で揺らぐ可能性があることから、H偏光とそれと位相の異なったV偏光からなる楕円偏光として表される。増幅器29は、この楕円偏光をそのまま増幅する必要がある。増幅器29を、図6に示す構成とすることで、出力パルス光P2outの偏光状態を入力パルス光P2inの偏光状態と同じ状態に保つことができる。
図5に示す量子暗号通信装置100Bのその他は、図1に示す量子暗号通信装置100Aと同様に構成され、その処理動作も同様である。また、この量子暗号通信装置100Bにおける端末1,2間の通信による秘密情報の共有シーケンスについても、上述した量子暗号通信装置100Aにおけるものと同様であるので(図2〜図4参照)、その説明は省略する。
この図5の構成によれば、送信者側端末2において受信者側端末1から通信路3を介して送られてくる参照光が増幅されるものであり、送信者側端末1から受信者側端末2に送り返されるパルス光P2(参照光)の強度を上げることができ、これによりホモダイン検出におけるS/N比を上げることができ、盗聴などの擾乱が検知し易くなる。また、ホモダイン検出におけるS/N比が従来と同じ状態を維持するのであれば、パルス光P2の増幅分だけ量子暗号通信の距離(通信路3の長さ)を伸ばすことができ、あるいはパルス光P2の増幅分だけ受信者側端末2の光源4、例えばレーザ光源の発光強度を抑えることができ、この光源4の寿命を伸ばすことができる。
なお、上述の図1に示す量子暗号通信装置100Aは受信者側端末2にパルス光P2(参照光)を増幅する増幅器11を設けたものであり、一方、上述の図5に示す量子暗号通信装置100Bは送信者側端末1にパルス光P2(参照光)を増幅する増幅器29を設けたものであるが、これらの双方を備える量子暗号通信装置も構成可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。図7は、他の実施の形態としての量子暗号通信装置100Cの構成を示している。
この量子暗号通信装置100Cは、第2の通信端末としての送信者側端末30と、第1の通信端末としての受信者側端末31と、これら送信者側端末30および受信者側端末31を結ぶ例えば光ファイバで構成される通信路32とを備えている。この量子暗号通信装置100Cは、通信路32を介して、送信者側端末30から受信者側端末31に向けて秘密情報を送信する。この秘密情報は、例えば共通鍵暗号方式において使用される共有秘密鍵などの秘密情報である。
送信者側端末30は、レーザ光源33、 ビームスプリッタ34、反射鏡35、半波長板36、可変減衰器37、検出器および制御器38、位相変調器39、反射鏡40、偏光ビームスプリッタ41を有している。
また、受信者側端末31は、偏光素子42、偏光ビームスプリッタ43、ビームスプリッタ44、検出器及び制御器45、位相変調器46、半波長板47、反射鏡48、無偏光ビームスプリッタ49、増幅器50、フォトダイオード51,52、増幅器及び電圧測定器53、減算器54を有している。
この量子暗号通信装置100Cは、送信者側端末30から受信者側端末31への一方向通信で、光の偏光を利用することで、参照光と信号光の制御を別の光路上で行う方式である。送信者側端末30の同期信号は信号光が通過する光路上の可変減衰器37から一部を取得し、受信者側端末31では参照光が通過する光路上に新たにビームスプリッタ44を設置し、同期信号用に一部使用する。
以下、量子暗号を適用した通信処理の動作シーケンスに従って、各構成部における処理の詳細を説明する。
送信者側端末30のレーザ光源33で発生するパルス光は、ビームスプリッタ34において、信号光であるパルス光P1および参照光であるパルス光P2に分離される。そして、パルス光P1(信号光)は、第3の光路を通って偏光ビームスプリッタ41に進む。この第3の光路には、反射鏡35、半波長板36、可変減衰器37、位相変調器39および反射鏡40がこの順に配置されている。
半波長板36は、パルス光P1の偏光面を90度だけ回転させる。可変減衰器37は、パルス光P1の強度を減衰させる。この可変減衰器37は、図1に示す量子暗号通信装置100Aにおける送信者側端末1の可変減衰器22に相当するものであり、この可変減衰器37における減衰量は、この送信者側端末30から通信路32に送出されるパルス光P1のパルスあたりの平均光子数が1個程度となるように設定される。
一方、送信者側端末30から受信者側端末31へ戻っていくパルス光P2(参照光)のパルスあたりの平均光子数は、受信者側端末31側のホモダイン検出におけるS/N比が最適になるように選ぶ。典型的なパルス光P2の強度はパルスあたりの平均光子数が106個程度である。
位相変調器39は、図1に示す量子暗号通信装置100Aにおける送信者側端末1の位相変調器21に相当するものであり、例えば、4つの量子状態を用いる量子暗号を行う場合には、0度(0ラジアン)、90度(π/2ラジアン)、180度(πラジアン)、270度(3π/2ラジアン)の位相変調をパルス毎にランダムに加える。
可変減衰器37から減衰処理に伴って得られる漏れ光は検出器及び制御器38に供給され、この検出器及び制御器38でパルス光P1の到着が検出される。検出器及び制御器38は、この検出出力に基づいて、位相変調器39におけるパルス光P1(信号光)に対する位相変調の処理開始タイミングを制御する。これにより、位相変調器39においては、パルス光P1(信号光)を構成する各パルスに正しいタイミングで位相変調処理を行うことができる。
ビームスプリッタ34で分離されるパルス光P2(参照光)は、上述した第3の光路より短い第4の光路を通って偏光ビームスプリッタ41に進む。この偏光ビームスプリッタ41は、パルス光P1(信号光)とパルス光P2(参照光)とを合成し、通信路32に送出する。このパルス光P1,P2は互いに偏光面が直交しており、かつ、時間的に離れた状態となっている。この場合、偏光ビームスプリッタ41は光送出部を構成している。
送信者側端末30から通信路32に送出されたパルス光P1(信号光)およびパルス光P2(参照光)は受信者側端末31に入射される。偏光素子42は、通信路32の受信者側端末31側に設けられており、光ファイバ伝送中の偏光の乱れを補正する。通信路32を介して送信者側端末30から送られてくるパルス光P1,P2は、偏光ビームスプリッタ43によりパルス光P1(信号光)およびパルス光P2(参照光)に分離される。
パルス光P1(信号光)は、上述した送信者側端末30の第4の光路に対応した光路長を持つ第2の光路を通って無偏光ビームスプリッタ49に進む。一方、パルス光P2(参照光)は、上述した送信者側端末30の第3の光路に対応した光路長を持つ第1の光路を通って無偏光ビームスプリッタ49に進む。
この第1の光路には、ビームスプリッタ44、増幅器50、位相変調器46、半波長板47および反射鏡48がこの順に配置されている。ビームスプリッタ44は、パルス光P2(参照光)を、増幅器50に進むパルス光と検出器及び制御器45に進むパルス光に分岐する。このビームスプリッタ44の典型的な分岐比は9対1とされ、大部分のパルス光が増幅器50側に進むように設定される。
増幅器50は、ビームスプリッタ44で分岐されたパルス光P2(参照光)を増幅する。なお、この増幅器50と位相変調器46の順序は逆であってもよく、要は、増幅器50は、パルス光P2が通る第1の光路に挿入されていればよい。
検出器及び制御器45は位相変調器46を制御するほか、増幅器及び電圧測定器53を制御する。検出器および制御器45は、ビームスプリッタ44で分岐されたパルス光の検出出力に基づいて、パルス光P2(参照光)の到着を知ることができ、位相変調器46におけるパルス光P2(参照光)に対する位相変調の処理開始タイミングを制御する。これにより、位相変調器46においては、パルス光P2(参照光)を構成する各パルスに対して正しいタイミングで位相変調の処理を行うことができる。
位相変調器46は、図1に示す量子暗号通信装置100Aにおける受信者側端末2の位相変調器7に相当するものであり、例えば4つの量子状態を用いる量子暗号の場合には、0度(0ラジアン)または90度(π/2ラジアン)の位相変調をパルス毎にランダムに加える。
半波長板47は、パルス光P2(参照光)の偏光面を90度だけ回転させる。上述したように、送信者側端末30ではパルス光P1(信号光)は長い第3の光路を通りかつ半波長板36で偏光面が90度だけ回転させられると共にパルス光P2(参照光)は短い第4の光路を通り、また受信者側端末31ではパルス光P1(信号光)は短い第2の光路を通ると共にパルス光P2(参照光)は長い第1の光路を通りかつ半波長板47で偏光面が90度だけ回転させられるため、無偏光ビームスプリッタ49に入射されるパルス光P1,P2は、時間的に一致し、また偏光方向も一致したものとなる。
無偏光ビームスプリッタ49の2つの出力は、ホモダイン検出器へ入力される。つまり、無偏光ビームスプリッタ49の一方の出力はホモダイン検出器を構成するフォトダイオード52に入力され、その他方の出力は可変減衰器50を介してホモダイン検出器を構成するフォトダイオード51に入力される。
そして、減算器54によってこれらフォトダイオード51,52の出力の差信号が得られる。増幅器及び電圧測定器53では、この差信号の増幅および電圧測定が行われる。この増幅器及び電圧測定器53の出力がホモダイン検出器の検出情報であり、この検出情報から通信秘密情報、例えば秘密鍵を得ることができる。
図7に示す量子暗号通信装置100Cにおける端末30,31間の通信による秘密情報の共有シーケンスは、上述の図1に示す量子暗号通信装置100Aにおけるものと同様であるので(図2〜図4参照)、その説明は省略する。
図7の構成によれば、受信者側端末31において送信者側端末30から通信路32を介して送られてくるパルス光P2(参照光)が増幅されるものであり、ホモダイン検出におけるS/N比を上げることができ、盗聴などの擾乱が検知し易くなる。また、ホモダイン検出におけるS/N比が従来と同じ状態を維持するのであれば、パルス光P2の増幅分だけ量子暗号通信の距離(通信路32の長さ)を伸ばすことができ、あるいはパルス光P2の増幅分だけ送信者側端末30のレーザ光源33の発光強度を抑えることができ、このレーザ光源33の寿命を伸ばすことができる。
この発明は、ホモダイン検出におけるS/N比を上げ、盗聴などの擾乱を検知し易くするものであり、秘密鍵暗号方式における秘密鍵等の秘密情報を交換する場合等に適用できる。
実施の形態としての量子暗号通信装置100Aの構成を示すブロック図である。 情報通信処理の説明を行うための図(1/3)である。 情報通信処理の説明を行うための図(2/3)である。 情報通信処理の説明を行うための図(3/3)である。 実施の形態としての量子暗号通信装置100Bの構成を示すブロック図である。 増幅器の構成例を示すブロック図である。 実施の形態としての量子暗号通信装置100Cの構成を示すブロック図である。
符号の説明
30・・・送信者側端末、2,31・・・受信者側端末、3,32・・・通信路、4・・・光源、5・・・サーキュレータ、6,9,19,34,44・・・ビームスプリッタ、7,21,39,46・・・位相変調器、8,20・・・遅延器、10,41,43・・・偏光ビームスプリッタ、11,29,50・・・増幅器、12,26・・・検出器、15・・・ホモダイン検出器、17,28・・・コントローラ、22,37・・・可変減衰器、18,29・・・信号発信源、23・・・光スイッチ、24・・・ファラデーミラー、33・・・レーザ光源、35,40,48・・・反射鏡、36,47・・・半波長板、38,45・・・検出器及び制御器、42・・・偏光素子、49・・・無偏光ビームスプリッタ、51,52・・・フォトダイオード、53・・・増幅器及び電圧測定器、54・・・減算器、100A,100B,100C・・・量子暗号通信装置

Claims (11)

  1. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置であって、
    第1の通信端末と、第2の通信端末と、上記第1の通信端末および上記第2の通信端末を結ぶ通信路とを備え、
    上記第1の通信端末は、
    パルス光を発生する光源と、
    上記光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離する第1の光分離部と、
    遅延器が挿入されている第1の光路と、
    遅延器が挿入されていない第2の光路と、
    上記第1の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記信号光、および上記第1の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記参照光を合成して、上記通信路に送出する光合成部と、
    上記通信路を介して上記第2の通信端末から送られてくる上記参照光を増幅する増幅部と、
    上記通信路を介して上記第2の通信端末から送られてくる上記信号光および上記参照光を分離する第2の光分離部と、
    上記第2の光分離部で分離され、上記第1の光路を通る上記参照光にパルス毎にランダムな位相変調を加える第1の位相変調器と、
    上記第2の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記参照光、および上記第2の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記信号光に基づいてホモダイン検出を行うホモダイン検出部とを有し、
    上記第2の通信端末は、
    上記通信路を介して上記第1の通信端末から送られてくる上記信号光および上記参照光を所定の光路を介して上記通信路に送出する光送出部と、
    上記所定の光路を通る上記信号光を減衰させる光減衰器と、
    上記所定の光路を通る上記信号光にパルス毎にランダムな位相変調を加える第2の位相変調器とを有する
    ことを特徴とする量子暗号通信装置。
  2. 上記第1の通信端末は、
    上記通信路を介して上記第2の通信端末から送られてくる上記参照光のみを増幅するように上記増幅部の動作を制御する増幅制御部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信装置。
  3. 上記増幅部は、上記第1の光路に挿入されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信装置。
  4. 上記第2の通信端末は、
    上記通信路を介して上記第1の通信端末から送られてくる上記参照光を増幅する増幅部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信装置。
  5. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置で使用される通信端末であって、
    パルス光を発生する光源と、
    上記光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離する第1の光分離部と、
    遅延器が挿入されている第1の光路と、
    遅延器が挿入されていない第2の光路と、
    上記第1の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記信号光、および上記第1の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記参照光を合成して、通信路に送出する光合成部と、
    上記通信路を介して送られてくる上記参照光を増幅する増幅部と、
    上記通信路を介して送られてくる上記信号光および上記参照光を分離する第2の光分離部と、
    上記第2の光分離部で分離され、上記第1の光路を通る上記参照光にパルス毎にランダムな位相変調を加える位相変調器と、
    上記第2の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記参照光、および上記第2の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記信号光に基づいてホモダイン検出を行うホモダイン検出部と
    を有することを特徴とする通信端末。
  6. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置であって、
    第1の通信端末と、第2の通信端末と、上記第1の通信端末および上記第2の通信端末を結ぶ通信路とを備え、
    上記第1の通信端末は、
    パルス光を発生する光源と、
    上記光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離する第1の光分離部と、
    遅延器が挿入されている第1の光路と、
    遅延器が挿入されていない第2の光路と、
    上記第1の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記信号光、および上記第1の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記参照光を合成して、上記通信路に送出する光合成部と、
    上記通信路を介して上記第2の通信端末から送られてくる上記信号光および上記参照光を分離する第2の光分離部と、
    上記第2の光分離部で分離され、上記第1の光路を通る上記参照光にパルス毎にランダムな位相変調を加える第1の位相変調器と、
    上記第2の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記参照光、および上記第2の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記信号光に基づいてホモダイン検出を行うホモダイン検出部とを有し、
    上記第2の通信端末は、
    上記通信路を介して上記第1の通信端末から送られてくる上記参照光を増幅する増幅部と、
    上記通信路を介して上記第1の通信端末から送られてくる上記信号光および上記参照光を所定の光路を介して上記通信路に送出する光送出部と、
    上記所定の光路を通る上記信号光を減衰させる光減衰器と、
    上記所定の光路を通る上記信号光にパルス毎にランダムな位相変調を加える第2の位相変調器とを有する
    ことを特徴とする量子暗号通信装置。
  7. 上記第2の通信端末は、
    上記通信路を介して上記第1の通信端末から送られてくる上記参照光のみを増幅するように上記増幅部の動作を制御する増幅制御部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の量子暗号通信装置。
  8. 上記増幅部は、
    入力参照光を、第1の直線偏光および該第1の直線偏光と直交した偏光面を持つ第2の直線偏光に分離する第1の偏光ビームスプリッタと、
    上記第1の偏光ビームスプリッタで分離された上記第1の直線偏光を増幅する第1のアンプと、
    上記第1の偏光ビームスプリッタで分離された上記第2の直線偏光を増幅する、上記第1のアンプと同じ増幅率の第2のアンプと、
    上記第1のアンプで増幅された上記第1の直線偏光および上記第2のアンプで増幅された上記第2の直線偏光を合成して出力参照光を得る第2の偏光ビームスプリッタを備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の量子暗号通信装置。
  9. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置で使用される通信端末であって、
    通信路を介して送られてくる参照光を増幅する増幅部と、
    上記通信路を介して送られてくる信号光および上記参照光を所定の光路を介して上記通信路に送出する光送出部と、
    上記所定の光路を通る上記信号光を減衰させる光減衰器と、
    上記所定の光路を通る上記信号光にパルス毎にランダムな位相変調を加える第2の位相変調器とを有する
    ことを特徴とする通信端末。
  10. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置であって、
    第1の通信端末と、第2の通信端末と、上記第1の通信端末および上記第2の通信端末を結ぶ通信路とを備え、
    上記第1の通信端末は、
    上記通信路を介して上記第2の通信端末から送られてくる上記参照光を増幅する増幅部と、
    上記通信路を介して上記第2の通信端末から送られてくる上記信号光および上記参照光を分離する第1の光分離部と、
    第1の光路と、
    上記第1の光路より短い第2の光路と、
    上記第1の光分離部で分離され、上記第1の光路を通る上記参照光にパルス毎にランダムな位相変調を加える第1の位相変調器と、
    上記第1の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記参照光および上記第1の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記信号光に基づいてホモダイン検出を行うホモダイン検出部とを有し、
    上記第2の通信端末は、
    パルス光を発生する光源と、
    上記光源から発生されるパルス光を上記信号光および上記参照光に分離する第2の光分離部と、
    上記第1の通信端末の上記第1の光路に対応した光路長を持つ第3の光路と、
    上記第1の通信端末の上記第2の光路に対応した光路長を持つ第4の光路と、
    上記第3の光路を通る上記信号光を減衰させる光減衰器と、
    上記第3の光路を通る上記信号光にパルス毎にランダムな位相変調を加える第2の位相変調器と、
    上記第2の光分離部で分離され、上記第3の光路を通過した上記信号光および上記第2の光分離部で分離され、上記第4の光路を通過した上記参照光を合成して、上記通信路に送出する光送出部とを有する
    ことを特徴とする量子暗号通信装置。
  11. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置で使用される通信端末であって、
    通信路を介して送られてくる参照光を増幅する増幅部と、
    上記通信路を介して送られてくる信号光および上記参照光を分離する第1の光分離部と、
    第1の光路と、
    上記第1の光路より短い第2の光路と、
    上記第1の光分離部で分離され、上記第1の光路を通る上記参照光にパルス毎にランダムな位相変調を加える第1の位相変調器と、
    上記第1の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記参照光および上記第1の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記信号光に基づいてホモダイン検出を行うホモダイン検出部と
    を有することを特徴とする通信端末。
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