JP4763166B2 - 光信号伝送装置及び光信号伝送装置の光信号伝送方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、量子力学の不確定性原理を使い安全な暗号鍵配布を実現する、量子暗号通信装置に関するものである。
また、この発明は、伝送路を通過する光信号の位相を位相変調する位相変調方式を用いて情報を伝送する光信号伝送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
公開鍵暗号方式など、現在用いられている暗号の多くは、計算量理論に基づき、その安全性が評価されている。即ち、暗号解読に時間がかかればかかるほどその暗号方式は安全な暗号であると評価される。しかしながら、将来量子計算機などの超高速計算機が実用化された場合や、新しい暗号解読アルゴリズムが発見された場合を考えると、計算量理論によらない、新たな暗号方式の開発が必要とされる。そのような新たな暗号方式の一つとして提案されたのが量子暗号通信である。量子暗号通信では、量子力学の不確定性原理に基づいて盗聴者の存在を検知するため、絶対に安全な暗号システムを構築することが可能である。
【0003】
図5は、従来の量子暗号通信装置を示している。例えば、文献“P.D.Townsend,Electron.Lett.30,809(1994)”に記載されている。
図5において、従来の量子暗号通信装置は、暗号送信部49と光信号を伝送する伝送路46と暗号受信部50を有する。
暗号送信部49は、光パルスを発生させる光源41と発生した光を1パルス当り1光子まで減衰させる光減衰器43、前記光減衰器43によって減衰された光をその偏光状態によって径路Saと径路Laに分岐する偏光ビームスプリッタ441、前記径路Saあるいは前記径路Laのどちらか一方に置かれ、通過する光に位相変調を与える位相変調手段451、前記径路Saと前記径路Laを通過してきた光を、その偏光を保ちながら合成する偏光ビームスプリッタ442から構成される。
また、暗号受信部50は、前記伝送路46通じて伝送された光を偏光状態に応じて径路Sbと径路Lbに分岐する偏光ビームスプリッタ443、前記径路Saあるいは前記径路Laのどちらか一方に置かれ、通過する光に位相変調を与える位相変調手段452、前記径路Saと前記径路Laを通過してきた光を、その偏光状態を保ちながら合成する偏光ビームスプリッタ444、前記偏光ビームスプリッタ444の後段に置かれ偏波状態によらず光を二つに分岐するカプラ47、さらに光子1個を検出することができる光子検出器481,482から構成される。
尚、図中の記号「●」と記号「|」は光の偏光状態を表し、偏波コントローラ421,422,423,424によって、それぞれ図5中に記載の偏光状態を保つように構成されている。
【0004】
図5における従来の量子暗号通信装置では、暗号送信者と暗号受信者との間で信号を送受信する際に、前記位相変調器451でかける位相変調と前記位相変調器452でかける位相変調の位相差によって、暗号鍵の共有を行うことが可能である。例えば、位相差が0であれば、干渉効果によって信号光子は前記光子検出器481で検出され、位相差がπであれば前記光子検出器482で検出される。従って、光子検出器481で検出された場合には、0と、前記光子検出器482で検出された場合には、1と、それぞれを0,1に対応させることにより暗号鍵を共有することが可能である。
【0005】
図5における従来の量子暗号通信装置では、主に2つの問題点があげられる。
1つ目は、光が伝送路46を通過する間に、外的要因により、光の偏波面等に揺らぎが生じる問題である。2つ目は、量子暗号においては光子1個に情報を載せて通信を行うが、その光子1個を検出するための高量子効率光子検出器が存在しないという問題である。
【0006】
これら2つの問題を解決するために、2つの量子暗号装置が提案されている。
図6は、従来の量子暗号通信装置を示している。例えば、国際公開WO98/10560号公報、あるいは、文献“A.Muller et.al.,Appl.Phys.Lett.70,793−795(1997)に記載されたplug and play型量子暗号方式の量子暗号通信装置である。
図6における従来の量子暗号通信装置は、上記1番目の問題点である光の偏波面等に揺らぎが生じる問題を解決するために提案されたものである。
【0007】
図6において、従来の量子暗号通信装置は、1対の暗号受信部62と暗号送信部61とこれらをつなぐ伝送路57とから構成される。伝送路57は、具体的には通信用光ファイバを用いた光路などである。
暗号受信部62では、光源51から光子が発生し、サーキュレータ52を通りカプラ53に導かれる。カプラ53に到達した光子は量子力学的に2つの光路を伝送することになる。
1つは、偏波コントローラ541を通り、偏光ビームスプリッタ56に至る光路であり、もう1つは、位相変調手段551を通り、偏光ビームスプリッタ56に至る光路である。
いずれの光路を選択した光子も伝送路57を通り、暗号送信部61に送られる。暗号送信部61に到達した光子は、光減衰器58、位相変調手段552、ファラデーミラー59を順に通過する。ファラデーミラー59に到達した光子は反射されてもときた経路を戻るのだが、その際、その偏波面を90度回転させられる。
往路において、位相変調手段551を通り、偏光ビームスプリッタ56に至る光路を通った光子は、位相変調手段552において位相変調を受ける。
再び伝送路57を通って暗号受信部62に戻った光子は偏光ビームスプリッタ56において2つの光路に分離される。
ここで鍵配送に用いられる光子は、往路と復路とで異なる光路を通過した光子である。つまり、往路において、偏波コントローラ541を通る光路を選択し、復路で、位相変調手段551を通る光路を通過する光子、及び往路において位相変調手段551を通る光路を選択し、復路で偏波コントローラ541を通過する光子である。往路復路とも同じ光路を通過する光子は観測時間の分解能を高めることで破棄され、使用されない。
復路において位相変調手段551を通る光路を通過する光子は位相変調手段551において位相変調を受ける。往路に位相変調手段551を通る光路、復路に偏波コントローラ541を通る光路を選択した光子と、往路に偏波コントローラ541を通る光路、復路に位相変調手段551を通る光路を選択した光子とは同時にカプラ53に戻り、位相変調手段551及び位相変調手段552で受けた位相変調の大きさに応じた干渉を起こすことになる。
干渉の結果、帰還した光子は光子検出手段601と光子検出手段602のどちらかで選択的に検出される。量子力学的な性質により2つの光子検出器において同時に検出されることはない。
なお、光子検出手段602において検出されるべき光子は、サーキュレータ52により光源51に導かれることなく光子検出手段602に到達する。
【0008】
ここで、暗号受信部62から出射した光を、暗号送信部61においたファラデーミラー59によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0009】
図7は、従来の量子暗号通信装置を示している。図7における従来の量子暗号通信装置は、ホモダイン検波方式の量子暗号通信装置である。
図7における従来の量子暗号通信装置は、上記2番目の問題点である光子1個を検出するための高量子効率光子検出器が存在しないという問題を解決するために提案されたものである。
【0010】
図7において、従来の量子暗号通信装置は、1対の暗号受信部であるBobと暗号送信部であるAliceとこれらをつなぐ伝送路66とから構成される。伝送路66は、具体的には通信用光ファイバを用いた光路などである。
Aliceでは、光源61から強度の強い光が発生し、偏波コントローラ62を通り偏光ビームスプリッタ631に導かれる。偏光ビームスプリッタ631に到達した強い光は量子力学的に2つの光路を伝送することになる。
1つは、偏光ビームスプリッタ632に直接至る光路であり、もう1つは、光減衰器64、位相変調手段651を通り、偏光ビームスプリッタ632に至る光路である。
偏光ビームスプリッタ632に直接至る光路を選択した光は、そのまま偏光ビームスプリッタ632に至る。
光減衰器64、位相変調手段651を通り、偏光ビームスプリッタ632に至る光路を選択した光は、光減衰器64により光の強度を減衰し、弱い光(光子1個以下)になる。また、上記弱い光は、位相変調手段651により位相変調される。
いずれの光路を選択した光も伝送路66を通り、Bob側に送られる。Bob側に到達した光は、偏光ビームスプリッタ633に導かれる。偏光ビームスプリッタ633に到達した強い光と弱い光は、量子力学的に2つの光路を伝送することになる。
弱い光は、偏光ビームスプリッタ634に直接至る光路であり、強い光は、位相変調手段652を通り、偏光ビームスプリッタ634に至る光路である。
偏光ビームスプリッタ634に直接至る光路を選択した弱い光は、そのまま偏光ビームスプリッタ634に至る。位相変調手段652を通り、偏光ビームスプリッタ634に至る光路を選択した強い光は、位相変調手段652により位相変調される。
偏光ビームスプリッタ635に到達した強い光と弱い光は、偏光ビームスプリッタ635において2つの光路に分離され、光子検出手段671と光子検出手段672のどちらかで選択的に検出される。
伝送過程で強い光と弱い光に付与された位相変調の差を、重ね合わせることによって得られる干渉効果を測定する。
ここで、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうことにより、光子1個を検出している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の量子暗号通信装置において、光が伝送路を通過する間に、外的要因により、光の偏波面等に揺らぎが生じる問題を解決する量子暗号通信装置は、光子1個を検出するための高量子効率光子検出器が存在しないという問題を解決することができなかった。また、光子1個を検出するための高量子効率光子検出器が存在しないという問題を解決する量子暗号通信装置は、光が伝送路を通過する間に、外的要因により、光の偏波面等に揺らぎが生じる問題を解決することができなかった。
【0012】
本発明は、光が伝送路を通過する間に、外的要因により、光の偏波面等に揺らぎが生じる問題を解決し、かつ、光子1個を検出するための高量子効率光子検出器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の光信号伝送装置は、
偏光状態の異なる一対の光信号を所定の位置から同一経路を反対向きに伝送させる伝送路と、
上記伝送路を伝送させられた上記一対の光信号の内1つの光信号の強度を減衰する強度減衰部と
を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の光信号伝送装置は、
光信号の位相を位相変調する位相変調方式を用いて量子暗号を生成する光信号伝送装置において、
偏光状態の異なる一対の光信号を所定の位置から同一経路を反対向きに伝送させる伝送路と、
上記伝送路を伝送させられた上記一対の光信号の内1つの光信号の強度を減衰する強度減衰部と
を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の光信号伝送装置は、
強度の強い光信号と強度の弱い光信号との干渉を測定するホモダイン方式を用いて量子暗号を生成する光信号伝送装置において、
偏光状態の異なる一対の光信号を所定の位置から同一経路を反対向きに伝送させる伝送路と、
上記伝送路を伝送させられた上記一対の光信号の内1つの光信号の強度を減衰する強度減衰部と
を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、上記強度減衰部は、光信号の進行方向により光信号の強度を減衰する減衰量が異なることを特徴とする。
【0017】
また、上記強度減衰部は、所定の期間、光信号の強度を減衰することを特徴とする。
【0018】
また、上記伝送路は、環状の経路を有し、
上記強度減衰部は、上記環状の経路に備えられたことを特徴とする。
【0019】
本発明の光信号伝送方法は、
偏光状態の異なる一対の光信号を所定の位置から同一経路を反対向きに伝送させる伝送工程と、
上記伝送工程により伝送させられた上記一対の光信号の内1つの光信号の強度を減衰する強度減衰工程と
を備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明の光信号伝送装置は、一対の光信号の位相を位相変調する位相変調方式を用いて量子暗号を生成する光信号伝送装置において、
上記光信号を送信する複数の送信部と、
上記送信部により送信された上記光信号を受信する受信部と、
上記光信号を所定の位置から同一経路を反対向きに伝送させる、上記受信部と複数の送信部とをつなぐ環状の伝送路と、
上記伝送路を伝送させられた上記一対の光信号の内1つの光信号の強度を減衰する強度減衰部と
を備えたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1を示す図である。
実施の形態1では、量子暗号通信装置(光信号伝送装置の一例である)について説明する。図1において、10は、光源、12は、サーキュレータ、13は、カプラ、14は、偏波コントローラ、161,162,163は、偏光ビームスプリッタ、17は、伝送路、18は、アイソレータ(強度減衰部の一例である)、19は、ミラー、20は、固定減衰器、21は、信号増幅手段、151,152は、位相変調手段、201,202は、光検出手段である。アイソレータ18は、光信号の進行方向により光信号の強度を減衰する減衰量が異なる。以下、「減衰する」とは、アイソレータ18による、進行方向により減衰量が小さい場合と比べ進行方向により減衰量が大きい場合をいう。
図1において、光源10から強度の強い光が発生し、サーキュレータ12を通りカプラ13に導かれる。カプラ13に到達した強い光は量子力学的に2つの光路を伝送することになる。
1つは、偏波コントローラ14を通り、偏光ビームスプリッタ161に至る光路であり、もう1つは、位相変調手段151を通り偏光ビームスプリッタ161に至る光路である。
いずれの光路を選択した強い光も伝送路17を通り、固定減衰器20に送られる。固定減衰器20に到達した強い光は、偏光ビームスプリッタ162で偏波状態の違いにより2つの光路を伝送することになる。
1つは、アイソレータ18を通り、偏光ビームスプリッタ163に至る光路であり、もう1つは、位相変調手段152を通り偏光ビームスプリッタ163に至る光路である。その際、位相変調手段152を通る光路を選択した強い光は、位相変調手段152において位相変調を受ける。
ここで、アイソレータ18を通る光路を選択した強い光は、アイソレータ18で減衰され弱い光となる。
いずれの光路を選択した光もミラー19で反射され、偏光ビームスプリッタ163に送られる。その際、ミラー19でその偏波面を90度回転させられる。
偏光ビームスプリッタ163に到達した光は、今度は、来た光路とは逆の光路を伝送することになる。すなわち、強い光は、アイソレータ18を通り、偏光ビームスプリッタ162に至る光路であり、弱い光は、位相変調手段152を通り偏光ビームスプリッタ162に至る光路である。
再び伝送路17を通って偏光ビームスプリッタ161に戻った強い光と弱い光は、偏光ビームスプリッタ161において2つの光路に分離される。
強い光は、偏波コントローラ14を通り、カプラ13に至る光路であり、弱い光は、位相変調手段151を通り、カプラ13に至る光路である。その際、位相変調手段151を通る光路を選択した弱い光は、位相変調手段151において位相変調を受ける。
ここで、強い光と弱い光は、同時にカプラ13に戻り、位相変調手段152及び位相変調手段151で受けた位相変調の大きさに応じた干渉を起こすことになる。
干渉の結果、帰還した強い光と弱い光との光子は光検出手段201と光検出手段202のどちらか又は両方で検出される。
なお、光検出手段202において検出されるべき光子は、サーキュレータ12により光源10に導かれることなく光検出手段202に到達する。
光検出手段201,202により検出された信号は、信号増幅手段21で差電流として検出される。
このように、伝送路(以下、「伝送路」とは、特に符号がない限り、伝送路17を含む装置全体の伝送路をいう)を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0022】
ここで、アイソレータ18は、図1とは異なり、偏光ビームスプリッタ162と位相変調手段152との間に、偏光ビームスプリッタ162から位相変調手段152に向かう光を減衰する向きに設置されてもよい。上記構成の場合には、アイソレータ18を通る偏光ビームスプリッタ162から位相変調手段152に向かう光路を選択した強い光は、アイソレータ18で減衰され弱い光となり、弱い光は、位相変調手段152において位相変調を受ける。逆に、偏光ビームスプリッタ162から直接偏光ビームスプリッタ163に至る光路をを選択した強い光は、減衰されず、位相変調手段151において位相変調を受ける。
上記アイソレータ18が、偏光ビームスプリッタ162と位相変調手段152との間に、偏光ビームスプリッタ162から位相変調手段152に向かう光を減衰する向きに設置された構成においても、同様に、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0023】
また、アイソレータ18は、図1とは異なり、位相変調手段152と偏光ビームスプリッタ163との間に、位相変調手段152から偏光ビームスプリッタ163に向かう光を減衰する向きに設置されてもよい。
上記アイソレータ18が、位相変調手段152と偏光ビームスプリッタ163との間に、位相変調手段152から偏光ビームスプリッタ163に向かう光を減衰する向きに設置された構成の場合には、アイソレータ18を通る位相変調手段152から偏光ビームスプリッタ163に向かう光路を選択した強い光は、位相変調手段152において位相変調を受け、アイソレータ18で減衰され弱い光となる。逆に、偏光ビームスプリッタ162から直接偏光ビームスプリッタ163に至る光路をを選択した強い光は、減衰されず、位相変調手段151において位相変調を受ける。
上記アイソレータ18が、位相変調手段152と偏光ビームスプリッタ163との間に、位相変調手段152から偏光ビームスプリッタ163に向かう光を減衰する向きに設置された構成においても、同様に、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0024】
また、アイソレータ18は、図1とは異なり、偏光ビームスプリッタ162と位相変調手段152との間に、位相変調手段152から偏光ビームスプリッタ162に向かう光を減衰する向きに設置されてもよい。上記アイソレータ18が、偏光ビームスプリッタ162と位相変調手段152との間に、位相変調手段152から偏光ビームスプリッタ162に向かう光を減衰する向きに設置された構成の場合には、アイソレータ18を通る位相変調手段152から偏光ビームスプリッタ162に向かう光路を選択した強い光は、アイソレータ18で減衰され弱い光となる。弱い光は、位相変調手段151において位相変調を受ける。逆に、偏光ビームスプリッタ162から位相変調手段152を通り、偏光ビームスプリッタ163に至る光路をを選択した強い光は、減衰されず、位相変調手段152において位相変調を受ける。
上記アイソレータ18が、偏光ビームスプリッタ162と位相変調手段152との間に、位相変調手段152から偏光ビームスプリッタ162に向かう光を減衰する向きに設置された構成においても、同様に、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0025】
また、アイソレータ18は、図1とは異なり、位相変調手段152と偏光ビームスプリッタ163との間に、偏光ビームスプリッタ163から位相変調手段152に向かう光を減衰する向きに設置されてもよい。上記アイソレータ18が、位相変調手段152と偏光ビームスプリッタ163との間に、偏光ビームスプリッタ163から位相変調手段152に向かう光を減衰する向きに設置された構成の場合には、アイソレータ18を通る偏光ビームスプリッタ163から位相変調手段152に向かう光路を選択した強い光は、アイソレータ18で減衰され弱い光となる。弱い光は、位相変調手段151において位相変調を受ける。逆に、偏光ビームスプリッタ162から位相変調手段152を通り、偏光ビームスプリッタ163に至る光路をを選択した強い光は、減衰されず、位相変調手段152において位相変調を受ける。
上記アイソレータ18が、位相変調手段152と偏光ビームスプリッタ163との間に、偏光ビームスプリッタ163から位相変調手段152に向かう光を減衰する向きに設置された構成においても、同様に、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0026】
また、アイソレータ18は、図1とは異なり、偏光ビームスプリッタ162と偏光ビームスプリッタ163との間に、偏光ビームスプリッタ163から偏光ビームスプリッタ162に向かう光を減衰する向きに設置されてもよい。上記アイソレータ18が、偏光ビームスプリッタ162と偏光ビームスプリッタ163との間に、偏光ビームスプリッタ163から偏光ビームスプリッタ162に向かう光を減衰する向きに設置された構成の場合には、アイソレータ18を通る偏光ビームスプリッタ163から偏光ビームスプリッタ162に向かう光路を選択した強い光は、位相変調手段152において位相変調を受けた後、アイソレータ18で減衰され弱い光となる。逆に、偏光ビームスプリッタ163から位相変調手段152を通り、偏光ビームスプリッタ162に至る光路をを選択した強い光は、減衰されず、位相変調手段151において位相変調を受ける。
上記アイソレータ18が、偏光ビームスプリッタ162と偏光ビームスプリッタ163との間に、偏光ビームスプリッタ163から偏光ビームスプリッタ162に向かう光を減衰する向きに設置された構成においても、同様に、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0027】
ここで、本実施の形態1での上記各構成では、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)に対し、一方の光信号に位相変調手段151において位相変調をかけ、他方の光信号に位相変調手段152において位相変調をかけているが、上記2連パルスとなった光信号の内、どちらか一方の光信号にのみ位相変調手段151及び位相変調手段152両方において位相変調をかけてもよい。
特に、偏光ビームスプリッタ162から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう弱い光信号になる予定の光信号に対し、位相変調手段152において位相変調をかけるようにするとなおよい。なぜなら、偏光ビームスプリッタ162から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう強い光信号に対し位相変調をかけると、偏光ビームスプリッタ162から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう途中で盗聴者により光信号を分岐され、通信者に知られずに位相変調の情報が漏洩してしまう可能性が有りうる。その点、弱い光信号になる予定の光信号に対し、位相変調手段152において位相変調をかけた場合は、固定減衰器20により光子1個レベルに減衰されているため、偏光ビームスプリッタ162から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう途中で盗聴者により盗聴された場合には盗聴の有無が判明してしまう。よって、量子暗号通信装置の安全性を高めることができるからである。
【0028】
実施の形態2.
図2は、実施の形態2を示す図である。
実施の形態2は、量子暗号通信装置(光信号伝送装置の一例である)について説明する。図2において、固定減衰器20とミラー19との間の構成は、位相変調手段152を通る光路のみとなる。アイソレータ18(強度減衰部の一例である)は、偏波コントローラ14と偏光ビームスプリッタ161との間に、偏波コントローラ14から偏光ビームスプリッタ161に向かう光を減衰する向きに設置されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
図2において、光源10から強度の強い光が発生し、サーキュレータ12を通りカプラ13に導かれる。カプラ13に到達した強い光は量子力学的に2つの光路を伝送することになる。ここまでは、実施の形態1と同様である。
1つは、偏波コントローラ14、アイソレータ18を通り、偏光ビームスプリッタ161に至る光路であり、もう1つは、位相変調手段151を通り偏光ビームスプリッタ161に至る光路である。
ここで、アイソレータ18を通る光路を選択した強い光は、アイソレータ18で減衰され弱い光となる。
偏光ビームスプリッタ161に到達した強い光と弱い光は、伝送路17を通り、固定減衰器20に送られる。固定減衰器20に到達した強い光と弱い光は、位相変調手段152を通り、ミラー19で反射され、来た光路とは逆に、位相変調手段152、固定減衰器20、伝送路17を通り、偏光ビームスプリッタ161に送られる。その際、ミラー19でその偏波面を90度回転させられる。また、強い光は、位相変調手段152において位相変調を受ける。
再び偏光ビームスプリッタ161に戻った強い光と弱い光は、偏光ビームスプリッタ161において偏波状態の違いにより2つの光路に分離される。
強い光は、アイソレータ18、偏波コントローラ14を通り、カプラ13に至る光路であり、弱い光は、位相変調手段151を通り、カプラ13に至る光路である。その際、位相変調手段151を通る光路を選択した弱い光は、位相変調手段151において位相変調を受ける。
ここで、強い光と弱い光は、同時にカプラ13に戻り、位相変調手段152及び位相変調手段151で受けた位相変調の大きさに応じた干渉を起こすことになる。
干渉の結果、帰還した強い光と弱い光との光子は光検出手段201と光検出手段202のどちらか又は両方で検出される。
なお、光検出手段202において検出されるべき光子は、サーキュレータ12により光源10に導かれることなく光検出手段202に到達する。
光検出手段201,202により検出された信号は、信号増幅手段21で差電流として検出される。
このように、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0029】
ここで、アイソレータ18は、図2とは異なり、カプラ13と位相変調手段151との間に、カプラ13から位相変調手段151に向かう光を減衰する向きに設置されてもよい。上記構成の場合には、アイソレータ18を通るカプラ13から位相変調手段151に向かう光路を選択した強い光は、アイソレータ18で減衰され弱い光となり、弱い光は、位相変調手段152において位相変調を受ける。逆に、カプラ13から偏波コントローラ14を通り、偏光ビームスプリッタ161に至る光路をを選択した強い光は、減衰されず、位相変調手段151において位相変調を受ける。
上記アイソレータ18が、カプラ13と位相変調手段151との間に、カプラ13から位相変調手段151に向かう光を減衰する向きに設置された構成においても、同様に、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0030】
また、アイソレータ18は、図2とは異なり、位相変調手段151と偏光ビームスプリッタ161との間に、位相変調手段151から偏光ビームスプリッタ161に向かう光を減衰する向きに設置されてもよい。上記構成の場合には、アイソレータ18を通る位相変調手段151から偏光ビームスプリッタ161に向かう光路を選択した強い光は、アイソレータ18で減衰され弱い光となる。弱い光は、位相変調手段152において位相変調を受ける。逆に、カプラ13から偏波コントローラ14を通り、偏光ビームスプリッタ161に至る光路をを選択した強い光は、減衰されず、位相変調手段151において位相変調を受ける。
上記アイソレータ18が、位相変調手段151と偏光ビームスプリッタ161との間に、位相変調手段151から偏光ビームスプリッタ161に向かう光を減衰する向きに設置された構成においても、同様に、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0031】
また、アイソレータ18は、図2とは異なり、偏波コントローラ14とカプラ13との間に、カプラ13から偏波コントローラ14に向かう光を減衰する向きに設置されてもよい。上記構成の場合には、アイソレータ18を通るカプラ13から偏波コントローラ14に向かう光路を選択した強い光は、アイソレータ18で減衰され弱い光になる。弱い光は、位相変調手段151において位相変調を受ける。逆に、カプラ13から位相変調手段151を通り、偏光ビームスプリッタ161に至る光路をを選択した強い光は、減衰されず、位相変調手段152において位相変調を受ける。
上記アイソレータ18が、偏波コントローラ14とカプラ13との間に、カプラ13から偏波コントローラ14に向かう光を減衰する向きに設置された構成においても、同様に、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0032】
以上のように、実施の形態1,2において、量子暗号通信装置は、1つの光信号を往路と復路とで異なる経路にて伝送させる経路(光路)を有している場合に、アイソレータ18は、上記1つの光信号を異なる経路にて伝送させる経路(光路)に備えられていればよい。また、光を減衰する向きは限定しなくてもよい。
【0033】
ここで、本実施の形態2での上記各構成では、本実施の形態1と同様、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)に対し、一方の光信号に位相変調手段151において位相変調をかけ、他方の光信号に位相変調手段152において位相変調をかけているが、上記2連パルスとなった光信号の内、どちらか一方の光信号にのみ位相変調手段151及び位相変調手段152両方において位相変調をかけてもよい。
特に、固定減衰器20から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう弱い光信号になる予定の光信号に対し、位相変調手段152において位相変調をかけるようにするとなおよい。なぜなら、固定減衰器20から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう強い光信号に対し位相変調をかけると、固定減衰器20から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう途中で盗聴者により光信号を分岐され、通信者に知られずに位相変調の情報が漏洩してしまう可能性が有りうる。その点、弱い光信号になる予定の光信号に対し、位相変調手段152において位相変調をかけた場合は、固定減衰器20により光子1個レベルに減衰されているため、固定減衰器20から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう途中で盗聴者により盗聴された場合には盗聴の有無が判明してしまう。よって、量子暗号通信装置の安全性を高めることができるからである。
【0034】
実施の形態3.
図3は、実施の形態3を示す図である。
実施の形態3は、量子暗号通信装置(光信号伝送装置の一例である)について説明する。図3において、25は、光スイッチ(強度減衰部の一例である)、26は、信号制御部である。
光スイッチ25は、偏波コントローラ14と偏光ビームスプリッタ161との間に設置されている。また、信号制御部26は、光スイッチ25に対し、所定の期間、光スイッチ25を通過する光の強度を減衰するように光スイッチ25を制御している。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
図3において、光源10から強度の強い光が発生し、サーキュレータ12を通りカプラ13に導かれる。カプラ13に到達した強い光は量子力学的に2つの光路を伝送することになる。ここまでは、実施の形態1,2と同様である。
1つは、偏波コントローラ14、光スイッチ25を通り、偏光ビームスプリッタ161に至る光路であり、もう1つは、位相変調手段151を通り偏光ビームスプリッタ161に至る光路である。
ここで、光スイッチ25を通る光路を選択した強い光は、光スイッチ25で減衰され弱い光となる。ここで、光スイッチ25は、光スイッチ25を通る光路を選択した強い光が光スイッチ25をちょうど通過する際に減衰されるように信号制御部26により制御されている。これ以降は、実施の形態2と同様である。
このように、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0035】
ここで、光スイッチ25は、図3とは異なり、光源10とカプラ13との間、または、カプラ13と光検出手段201若しくは光検出手段202との間以外であれば、どこに設置してもよい。また、設置する向きも限定しなくてよい。
このように、伝送路を通過中の光であって、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)の内、一方のみ(2連パルスの先行する光信号、または、後行する光信号)を減衰させることにより、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、ミラー19によって反射し、伝送路中の光を往復させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0036】
ここで、本実施の形態3での上記各構成では、本実施の形態2と同様、光路の長さの違いにより時間的なずれを生じた光信号(すなわち、2連パルスとなった光信号)に対し、一方の光信号に位相変調手段151において位相変調をかけ、他方の光信号に位相変調手段152において位相変調をかけているが、上記2連パルスとなった光信号の内、どちらか一方の光信号にのみ位相変調手段151及び位相変調手段152両方において位相変調をかけてもよい。
特に、固定減衰器20から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう弱い光信号になる予定の光信号に対し、位相変調手段152において位相変調をかけるようにするとなおよい。なぜなら、固定減衰器20から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう強い光信号に対し位相変調をかけると、固定減衰器20から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう途中で盗聴者により光信号を分岐され、通信者に知られずに位相変調の情報が漏洩してしまう可能性が有りうる。その点、弱い光信号になる予定の光信号に対し、位相変調手段152において位相変調をかけた場合は、固定減衰器20により光子1個レベルに減衰されているため、固定減衰器20から伝送路17を通り偏光ビームスプリッタ161に向かう途中で盗聴者により盗聴された場合には盗聴の有無が判明してしまう。よって、量子暗号通信装置の安全性を高めることができるからである。
【0037】
実施の形態4.
図4は、実施の形態4を示す図である。
実施の形態4は、量子暗号通信装置(光信号伝送装置の一例である)について説明する。図4において、31,32は、暗号送信部(送信部の一例である)、33は、暗号受信部(受信部の一例である)、34は、光減衰手段(強度減衰部の一例である)、35は、伝送路、36,37,38は、変調器である。
また、図示されていないが、暗号受信部33は、光源とカプラと2種類の光検出手段とをそれぞれ備えている。
暗号受信部33は、環状の伝送路35に、図4を正面から見て時計回り(CW)と反時計回り(CCW)とに、同時に、偏波状態の異なる強度の強い光を発生させ、伝送させる。CWの強い光は、暗号送信部31,32、光減衰手段34を通り、暗号受信部33に戻ってくる。暗号受信部33に戻って来たCWの強い光は、変調器38で光の位相を位相変調される。CCWの強い光は、光減衰手段34に至る。光減衰手段34に至ったCCWの強い光は、減衰され弱い光になり、暗号送信部31に至る。暗号送信部31に至った弱い光は、変調器36で光の位相を位相変調される。変調器36で位相変調された弱い光は、暗号送信部32を通り、暗号受信部33に戻ってくる。経路が反対で、同じ長さの伝送路を伝送されたCWの強い光とCCWの弱い光は、同時に、暗号受信部33に戻ってくる。暗号受信部33に戻って来た強い光と弱い光は、カプラにより混合され、変調器36及び変調器38で受けた位相変調の大きさに応じた干渉を起こすことになる。
干渉の結果、帰還した強い光と弱い光との光子は2種類の光検出手段のどちらか又は両方で検出される。
このように、強い光と弱い光を作り出し、強い光と弱い光を用いて光子検出を行なうホモダイン検波を行なうことにより、光子1個を検出している。また、同一の伝送路35中を逆方向に光を伝送させることにより、偏波面の揺らぎ等を打ち消し、量子暗号通信装置の安定度を高めている。
【0038】
ここで、伝送路35が環状であることから、暗号送信部32のように、複数の暗号送信部を備えてもよい。これにより、1つの伝送路35に、量子暗号装置を複数提供することができる。
【0039】
以上のように、量子暗号通信装置は、強度の強い参照光と強度の弱い信号光を用いる量子暗号通信装置において、前記参照光と前記信号光が通信過程に置いて全く同じ径路を通過する(径路がループ型である)ことを特徴とする。
【0040】
また、量子暗号通信装置は、暗号受信側から送信された光信号を、伝送路を通じて暗号送信側に伝送し、前記暗号送信側から、前記伝送路を通じて再び前記暗号受信側に、前記光信号を折り返す量子暗号通信方式において、前記光信号を強度の強い参照信号と強度の弱い伝送信号とに分離し、伝送過程で各々の信号に付与された位相変調の差を、前記参照信号と前記伝送信号を前記暗号受信側で重ね合わせることによって得られる、干渉効果により測定することを特徴とする。
【0041】
また、量子暗号通信装置は、前記参照信号の光強度が光信号1パルス当り10000光子以上、かつ、前記伝送信号の光強度が光信号1パルス当り高々1光子であることを特徴とする。
【0042】
また、量子暗号通信装置における光学構成は、光の進行方向によって光の減衰量が異なる光素子を備え、前記参照信号と前記伝送信号を前記光素子に互いに逆方向から入射することを特徴とする。
【0043】
また、量子暗号通信装置における光学構成は、減衰量が可変である光素子を備え、前記参照信号が通過するときには減衰量を小さく、前記伝送信号が通過するときには減衰量を大きくすることを特徴とする。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、光が伝送路を通過する間に、外的要因により、光の偏波面等に揺らぎが生じる問題を解決し、かつ、光子1個を検出するための高量子効率光子検出器を提供することができるという効果がある。
【0045】
本発明によれば、1つの伝送路に、量子暗号装置を複数提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を示す図である。
【図2】 実施の形態2を示す図である。
【図3】 実施の形態3を示す図である。
【図4】 実施の形態4を示す図である。
【図5】 従来の量子暗号通信装置を示している。
【図6】 従来の量子暗号通信装置を示している。
【図7】 従来の量子暗号通信装置を示している。
【符号の説明】
10 光源、12 サーキュレータ、13 カプラ、14 偏波コントローラ、161,162,163 偏光ビームスプリッタ、17,35 伝送路、18アイソレータ、19 ミラー、20 固定減衰器、21 信号増幅手段、25光スイッチ、26 信号制御部、31,32 暗号送信部、33 暗号受信部、34 光減衰手段、36,37,38 変調器、151,152 位相変調手段、201,202 光検出手段。
Claims (8)
- 偏光状態の異なる一対の光信号が所定の位置から同一経路を反対向きに伝送される伝送路と、
上記伝送路を伝送する上記一対の光信号の内1つの光信号の強度を減衰する強度減衰部と
を備えたことを特徴とする光信号伝送装置。 - 光信号の位相を位相変調する位相変調方式を用いて量子暗号を生成する光信号伝送装置において、
偏光状態の異なる一対の光信号が所定の位置から同一経路を反対向きに伝送される伝送路と、
上記伝送路を伝送する上記一対の光信号の内1つの光信号の強度を減衰する強度減衰部と
を備えたことを特徴とする光信号伝送装置。 - 強度の強い光信号と強度の弱い光信号との干渉を測定するホモダイン方式を用いて量子暗号を生成する光信号伝送装置において、
偏光状態の異なる一対の光信号が所定の位置から同一経路を反対向きに伝送される伝送路と、
上記伝送路を伝送する上記一対の光信号の内1つの光信号の強度を減衰する強度減衰部と
を備えたことを特徴とする光信号伝送装置。 - 上記強度減衰部は、光信号の進行方向により光信号の強度を減衰する減衰量が異なることを特徴とする請求項1記載の光信号伝送装置。
- 上記強度減衰部は、所定の期間、光信号の強度を減衰することを特徴とする請求項1記載の光信号伝送装置。
- 上記伝送路は、環状の経路を有し、
上記強度減衰部は、上記環状の経路に備えられたことを特徴とする請求項1記載の光信号伝送装置。 - 偏光ビームスプリッタが、偏光状態の異なる一対の光信号を所定の位置から同一経路を反対向きに伝送させ、
強度減衰部が、上記偏光ビームスプリッタにより伝送させられた上記一対の光信号の内1つの光信号の強度を減衰する
ことを特徴とする光信号伝送装置の光信号伝送方法。 - 一対の光信号の位相を位相変調する位相変調方式を用いて量子暗号を生成する光信号伝送装置において、
上記光信号を送信する複数の送信部と、
上記送信部により送信された上記光信号を受信する受信部と、
上記光信号が所定の位置から同一経路を反対向きに伝送される、上記受信部と複数の送信部とをつなぐ環状の伝送路と、
上記伝送路を伝送する上記一対の光信号の内1つの光信号の強度を減衰する強度減衰部と
を備えたことを特徴とする光信号伝送装置。
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