JP2010062400A - 光半導体素子 - Google Patents

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昌和 荒井
Yasuhiro Kondo
康洋 近藤
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剛 藤澤
Wataru Kobayashi
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Abstract

【課題】活性層の平坦性を高くすると共に、表面酸化しないクラッド層を備えた光半導体素子とする。
【解決手段】GaAs基板102上に、InGaAsバッファ層121と、格子緩和したInGaAs122を形成して擬似的なInGaAs基板する。この基板上に、量子井戸層131を下クラッド層111と上クラッド層113で挟んだ半導体構造を構成する。このとき、下クラッド層111をInAlGaAsとして活性層の平坦性を高くし、上クラッド層113をInGaPとして表面酸化(劣化)せず信頼性を向上した。
【選択図】図1

Description

本発明は光半導体素子の高性能化を可能にするため、半導体基板に対して格子定数が異なる半導体を配置した構造を用いた光半導体素子に関するものである。
光源波長として1.3μm〜1.55μmを用いた光ファイバ通信は、従来、バンドギャップ、格子定数の関係上作製しやすいInP基板上InGaAsP系のレーザが用いられてきた。
通常、発振特性の改善のために活性層に歪量井戸構造を採用している。一般的に歪量を増大させれば、微分利得の向上によりレーザ特性が改善することが知られているが、大きすぎる歪は結晶性の劣化を招くので、その構成材料としてはInP基板との格子定数差を考慮して、井戸層には1%前後の圧縮歪となるInGaAsPを用い、障壁層にはInP基板と格子整合した組成となるInGaAsPを用いることが一般的である。
このような従来のInP基板上レーザでは伝導帯側の量子井戸と障壁層間のバンド不連続が小さいために高温条件下にすると電子のオーバーフローによる光学利得の低下が生じ、しきい値電流の増加、効率の低下を引き起こす。そのため、しきい値電流の温度依存性を示す特性温度は50K程度と低く、温度調整器の使用が不可欠であった。
また同じInP基板上において、InGaAsP系より大きなバンド不連続を持つといわれるInAlGaAs系レーザも開発され、InGaAsPを用いたレーザと比較して温度特性は改善されているが、GaAs基板上の短波長のInGaAsレーザに比べるとその特性はまだ劣っている。さらにAlを含んだ材料固有の酸化による信頼性劣化が懸念される。
GaAs基板上では比較的短波長の0.78μm、0.85μm、0.98μm、1.06μm帯レーザが実用化されており、特性温度150Kを超える優れた温度特性を示している。これは伝導帯側の大きなバンドオフセットによるものである。
上記の0.98μmや、1.06μm帯レーザで用いられているInGaAs/GaAs歪量子井戸構造によって1.3μmでの発光を得るためにはIn組成を50%程度に高める必要がある。しかしながら、In組成の増加とともにGaAs基板との格子不整合が大きくなり3次元成長やミスフィット転位が生じるため、1.3μm以上の波長帯での高品質な量子井戸の形成は困難である。
この格子定数とバンド構造の問題を改善する手段としてGaAsより格子定数が大きくなるInGaAs3元基板上レーザが提案された。(K.Otsubo, et. al., IEEE Photonics Technology Letter, Vol.10, No.8, pp.1073-1075, 1998.)
しかしながらInGaAs3元基板は基板作製時にInとGaの物性定数差から組成ゆらぎや欠陥が入りやすく、更に大面積化が難しいために、大量生産が困難という問題があった。また基板そのものが3元混晶であるために、2元のGaAsやInPに比べると熱伝導率が低いため、半導体レーザや、高電子移動度トランジスタ(HEMT)やヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)などの電子デバイスなどにおいて、素子内部で発生した熱の放熱が悪く、素子温度を上昇させる問題があった。
またGaAs基板上にInGaAsやInAlAsのバッファ層を成長し、擬似的にInGaAs3元基板を作製する試みもなされてきた。GaAs基板上に格子定数が異なる
InGaAsやInAlAsなどを厚く結晶成長すると、結晶の歪により一部分にミスフィット転位が生じ、その転位の上下で歪が減る方向に格子定数が変化する。これを格子緩和と呼んでいる。これをバッファ層内のみで意図的に生じさせ、バッファ層の上ではGaAsとは格子定数が異なる擬似的なInGaAs基板を作製する。
しかしながらこの方法ではミスフィット転位や貫通転位を完全にバッファ層中に留めることが困難で、その上に形成した半導体レーザやHEMTなどの電子デバイスまで到達し、しきい値電流の上昇や漏れ電流の増加、信頼性の低下など特性を劣化させていた。
K.Otsubo, et. al., IEEE Photonics Technology Letter, Vol.10, No.8, pp.1073-1075, 1998.
この発明はGaAsなどの基板上に格子緩和を目的としたバッファ層を結晶成長し、その上に半導体レーザ構造のためのクラッド層や活性層を結晶成長する際に問題となる表面のラフネスを解決するものである。
GaAs基板上に格子緩和を意図的に生じさせるバッファ層を成長する際に、この格子緩和は面内で均一に生じさせることが困難である。そのためバッファ層上でも局所的に残留歪が生じたり、結晶方位の部分的な傾きが生じてしまう。この上に、従来のInGaAs基板上半導体レーザのクラッド層として用いられるInGaP層を結晶成長すると、下地となる層の局所的な歪や部分的な結晶方位の傾きにより、表面の組成や成長速度が影響を受け、凹凸が生じたり、新たな貫通転位を生じ、その上に形成した半導体レーザのクラッド層の平坦性を損なわせ、導波する光の散乱損失を生じ、レーザ特性の悪化をもたらしていた。
本発明ではこれらの問題を解決するために、基板上に適当なバッファ層を導入し、その上のクラッド層の材料を最適化することで、高品質な光半導体素子を実現することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の構成は、表面の格子定数が0.567nmから0.578nmである半導体基板と、
前記半導体基板上に、量子井戸構造からなる活性層を、該活性層の屈折率より低い屈折率を持つクラッド層で挟んだ半導体構造を有する光半導体素子において、
基板側のクラッド層をInAlGaAs層により形成し、基板と反対側のクラッド層をInGaP層により形成したことを特徴とする。
また本発明の構成は、前記二つのクラッド層は、その格子定数が等しくなるような組成であることを特徴としたり、
前記二つのクラッド層は、その屈折率が等しくなるような組成であることを特徴とする。
また本発明の構成は、前記半導体基板が、GaAs基板と、該GaAs基板上に成長したバッファ層と、該バッファ層上に成長したGaAsより格子定数が大きく格子緩和した半導体層で構成されていることを特徴とする。
また本発明の構成は、前記半導体層がInGaAsまたはInAlAsであり、前記バッファ層がInGaAsまたはInAlAsであり、前記バッファ層の格子定数が前記半導体層の格子定数よりも大きいことを特徴とする。
また本発明の構成は、前記光半導体素子において、量子井戸構造からなる前記活性層の利得を持つ波長が1.1〜1.4μmであることを特徴とする。
また本発明の構成は、前記光半導体素子において、前記半導体基板と反対側の前記クラッド層を埋め込む埋め込み構造を構成する電流ブロック層として、Ruドープ半絶縁性半導体結晶を用いたことを特徴とする。
上記課題を解決するため、数多くの実験的検討を行った結果、本発明者らは、有機金属気相成長法を用いてGaAs基板上にバッファ層及び格子緩和させたInGaAs層を成長した後、この上にクラッド層として用いるInAlGaAs層およびInGaP層を成長したところ、InAlGaAs層の方が表面の平坦性が高く良質な結晶性が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明に至ったものである。
例えばGaAs基板上にSiを5×1017(cm-3)ドープした厚さ100nmのGaAs層を成長し、その上に厚さ1600nmのSiを1×1018(cm-3)ドープしたInGaAsバッファ層を成長する。InGaAsバッファ層はIn組成0.12の組成で一定としている。この上にSiを5×1017(cm-3)ドープしたIn0.1Ga0.9As層を300nm成長する。これらのInGaAs層の成長条件は反応炉内の圧力が76Torr、V族とIII族のモル比率(V/III比)は20、成長速度は1.2μm/秒とする。バッファ上に成長したIn0.1Ga0.9As層はほぼ格子緩和されており、擬似的なInGaAs基板とみなすことができる。
ここではIn0.1Ga0.9As層と同じ格子定数をもつInGaPとInAlGaAs層を同じ膜厚成長し、その表面状態を評価した。このときのInGaPのIn組成は0.58であり、さらにこのInGaPと同じ屈折率をもつときのInAlGaAsの組成はIn:0.09、Al:0.61、Ga:0.3である。このInGaPとInAlGaAsをそれぞれ1.5μmの厚さをバッファ層上に成長した。
原子間力顕微鏡(AFM)により、表面の粗さを測定した。測定範囲は25ミクロン角の領域とした。In0.58Ga0.42P層は表面ラフネスを示す指標となるRMS値17.6nmであったのに対し、In0.09Al0.61Ga0.3As層はRMS値1.4nmであった。このことから、活性層に影響を与える活性層下部のクラッド層にはInAlGaAs層の導入が有効であることを確認した。
これはInGaP層は格子緩和させたバッファ層の残留歪や結晶方位の部分的な傾き影響に敏感で、表面のラフネスが生じたり、界面から上部の層への貫通転位が生じてしまい、一方InAlGaAs層ではそれらの影響に鈍感であり、平坦性が高い結晶が得られると考えられる。
しかしながら、通常の半導体レーザでは、活性層の上のクラッド層をエッチングして、幅の狭い導波路のリッジ構造とし、横モードの制御を行なう。そのため、活性層より上部のクラッド層は剥き出しとなるため、酸化に弱いAlを含んだInAlGaAsなどの化合物半導体を用いることは信頼性の観点から困難とされている。また、リッジの横を半導体で埋め込んだレーザ構造を作製する場合においても、Alを含んだ層は表面が酸化されてしまうため、埋め込みの際に隙間ができるなどの困難が生じる。
そこで、活性層より上部のクラッド層にはInGaPを用いた構造を提案した。
これにより、活性層の下は平坦性の高いInAlGaAsクラッド層を用いることができ、活性層における貫通転位や組成分布などの影響を抑えることができる。さらに、活性層上部のクラッド層は酸化しにくい、InGaP層により、信頼性を確保することができる。このInAlGaAsとInGaPはその組成を調整することで、屈折率と格子定数を等しくすることができるため、光の分布に影響を与えることなく、レーザのクラッド層として用いることができる。
これらにより、GaAs基板より大きな格子定数の擬似的なInGaAs基板を作製した上に高性能な半導体レーザを作製することが可能となる。
本発明の光半導体素子では、量子井戸構造からなる活性層の利得を持つ波長が1.1〜1.4μmを達成することができる。
本発明によれば、GaAs基板上に格子緩和を目的としたInGaAsバッファ層を成長し、その上に緩和したInGaAs層を成長してできる擬似的なInGaAs基板の上に、平坦性が高く、リッジ構造や埋め込み構造を作製可能なクラッド層を形成することができる。
また、バッファ層により、GaAsとInPの間の格子定数の擬似的な基板を実現できることで、InGaAsに対するInAlGaAsやInGaPの間のバンドギャップ差を大きくすることができ、伝導帯のバンドオフセットが大きな量子井戸を持った光半導体素子が実現できる。これにより高温環境下においてもキャリアのオーバーフローを抑え、特性の変化の小さい動作の実現が可能となる。
またInGaAs3元基板で問題となっていた基板の放熱性の悪さも改善されるため、素子全体の発熱を抑えた高温度特性動作が可能となる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づき詳細に説明する。
本発明の実施例1は、InGaAsバッファ上にInGaAsを積層したリッジLDである。その構造を作製方法と共に以下に述べる。
図1は本発明による化合物半導体の一実施形態(実施例1)に係るレーザダイオード100を示す層構造図である。図1に示すように、p型にドープしたInGaP上部クラッド層113とn型にドープしたInAlGaAs下部クラッド層111で活性層を挟んだダブルヘテロレーザ構造を作製する。成長は有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いて行った。
GaAs基板102上にSiを5×1017(cm-3)ドープした厚さ100nmのGaAs層を成長し、その上に厚さ1600nmのSiを1×1018(cm-3)ドープしたInGaAsバッファ層121を成長する。InGaAsバッファ層121はIn組成0.12の組成で一定としている。この上にSiを5×1017(cm-3)ドープしたIn0.1Ga0.9As層122を300nm成長する。これらのInGaAs層121,122の成長条件は反応炉内の圧力が76Torr、V族とIII族のモル比率(V/III比)は20、成長速度は1.2μm/秒とする。バッファ層121上に成長したIn0.1Ga0.9As層122はほぼ格子緩和されており、擬似的なInGaAs基板とみなすことができる。
この上にSiを1×1018(cm-3)ドープした厚さ1.5μmのn−In0.09Al0.61Ga0.3Asクラッド層111を成長する。In0.09Al0.61Ga0.3Asクラッド層111の成長条件は反応炉内の圧力が76Torr、V/III比は40、成長速度は1.2μm/秒とする。
その上に活性層として、圧縮歪量子井戸層の両側に、In0.1Ga0.9As障壁層を配した歪量子井戸構造(量子井戸層)131を成長する。量子井戸の歪は1.7%、膜厚は8nmとし、フォトルミネッセンス発光波長は1.25μmであった。
歪量子井戸構造(量子井戸層)131の上に成長温度680°Cにおいて亜鉛を5×1017(cm-3)ドープしたp−In0.58Ga0.42Pクラッド層113を1.5μmの厚さに成長し、その上にp型に2×1019(cm-3)ドープした厚さ100nmのIn0.1Ga0.9Asコンタクト層103を成長する。InGaPクラッド層113の成長条件は反応炉内の圧力が76Torr、V/III比は230、成長速度は3.0μm/秒とする。
クラッド層111,113は上述した組成であるため、両者の格子定数や屈折率が等しくなっている。
この上にスパッタリングでSiO2層を堆積し、さらにフォトリソグラフィによってストライプ状のマスクを形成する。ドライエッチングおよびウエットエッチングにより幅1.7μmのメサストライプを形成する。即ち、ドライエッチングにより層厚1.5μmのInGaPクラッド層113のうち層厚1.3μmを加工する。その後、残りの層厚0.2μmを塩酸と燐酸を混合した溶液によりウエットエッチングすることにより下層の量子井戸層131のInGaAs層をエッチングすることなくInGaPクラッド層113だけを選択的にエッチングして、幅1.7μmのメサストライプを形成する。この両脇をポリイミド埋め込み層112で埋め込み、基板を研磨後に上下に電極101,104を形成し、リッジレーザへ加工する。
作製したレーザは、発振波長が1.26μmであり、共振器長300ミクロンの素子において閾値電流8mA、光出力は室温で10mWを実現した。また環境温度で135°Cまでの動作を達成した。
本実施例では有機金属気相成長法(MOVPE)法を用いたが、この他に分子線エピタキシー法(MBE法)やガスソース分子線エピタキシー法、有機金属分子線エピタキシー法でも可能である。
本発明の実施例2は、EA変調器への適用例であり、InGaAs量子井戸、1.3μm帯用のEA変調器である。
実施例1ではレーザを作製したが、量子井戸を用いた電界吸収型光変調器(EA変調器)の作製も可能である。その構造を作製方法と共に以下に述べる。
図2は、本発明の実施例2に係るEA変調器200を実現するための方法を示している。図2に示すように、n−GaAs基板202上に成長圧力76Torr、V/III比10にてSiを2×1018(cm-3)ドープした厚さ100nmのGaAs層を成長し、その上にSiを1×1018(cm-3)ドープした厚さ1000nmのInGaAsバッファ層221を成長する。InGaAsバッファ層221はIn組成0.13とする。この上にSiを8×1017(cm-3)ドープしたIn0.1Ga0.9As層222を300nm成長する。バッファ層221上に成長したIn0.1Ga0.9As層222はほぼ格子緩和されており、擬似的なInGaAs基板とみなすことができる。
この上にSiを8×1017(cm-3)ドープした厚さ1.5μmのn−In0.09Al0.61Ga0.3Asクラッド層211を成長し、その上に光吸収層として、圧縮歪量子井戸層の両側に、伸縮歪となるGaAs障壁層を配した歪量子井戸構造(量子井戸光吸収層)231を成長する。この量子井戸は6層とした。
歪量子井戸構造(量子井戸光吸収層)231の上に亜鉛を8×1017(cm-3)ドープされたp−In0.58Ga0.42Pクラッド層213を1.5μmの厚さに成長し、その上にp型に2×1019(cm-3)ドープされた厚さ100nmのIn0.1Ga0.9Asコンタクト層203を成長する。
クラッド層211,213は上述した組成であるため、両者の格子定数や屈折率が等しくなっている。
この上にスパッタリングでSiO2層を堆積し、さらにフォトリソグラフィによって幅2μmのストライプ状のマスクを形成する。塩酸と燐酸を混合した溶液によりウエットエッチングすることにより上部pクラッド層213を選択的にエッチングし、逆メサストライプを形成する。この両脇をポリイミド埋め込み層212で埋め込み、基板を研磨後に上下に電極201,204を形成し、リッジ構造へ加工し、波長1.3μmの光を制御する電界吸収型変調器を作製する。
このEA変調器200は、室温において1.3μmの入射光に対して、7dB以上の消光比が得られる。
本発明の実施例3は、InGaAsバッファ上にInGaAsを積層したRu−BHLDである。その構造を作製方法と共に以下に述べる。
図3は本発明による化合物半導体の一実施形態(実施例3)に係るRu−BHLD300を示す層構造図である。図3に示すように、p型にドープしたInGaP上部クラッド層313とn型にドープしたInAlGaAs下部クラッド層311で活性層を挟んだダブルヘテロレーザ構造を作製する。成長は有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いて行った。
GaAs基板302上にSiを5×1017(cm-3)ドープした厚さ100nmのGaAs層を成長し、その上に厚さ1600nmのSiを1×1018(cm-3)ドープしたInGaAsバッファ層321を成長する。InGaAsバッファ層321はIn組成0.12の組成で一定としている。この上にSiを5×1017(cm-3)ドープしたIn0.1Ga0.9As層322を300nm成長する。これらのInGaAs層321,322の成長条件は反応炉内の圧力が76Torr、V族とIII族のモル比率(V/III比)は20、成長速度は1.2μm/秒とする。バッファ321上に成長したIn0.1Ga0.9As層322はほぼ格子緩和されており、擬似的なInGaAs基板とみなすことができる。
この上にSiを1×1018(cm-3)ドープした厚さ1.5μmのn−In0.09Al0.61Ga0.3Asクラッド層311を成長する。In0.09Al0.61Ga0.3Asクラッド層311の成長条件は反応炉内の圧力が76Torr、V/III比は40、成長速度は1.2μm/秒とする。
その上に活性層として、圧縮歪量子井戸層の両側に、In0.1Ga0.9As障壁層を配した歪量子井戸構造(量子井戸層)331を成長する。量子井戸の歪は1.7%、膜厚は8nmとし、フォトルミネッセンス発光波長は1.25μmであった。
歪量子井戸構造(量子井戸層)331の上に成長温度680°Cにおいて亜鉛を5×1017(cm-3)ドープしたp−In0.58Ga0.42Pエッチング停止層341を50nm導入する。この上にp−InGaAsガイド層342を100nm導入する。さらにこの上にp−In0.58Ga0.42P層343を50nm導入する。
ここで、一旦成長を止め、SiO2層を堆積し、フォトリソグラフィにてマスクをつける。SiO2層をフッ酸にてエッチングし、レジストを除去する。その後ウエットエッチングでメサ形状を作製する。InGaP層343は塩酸と燐酸を混合した溶液によりエッチングを行う。InGaAsガイド層342は硫酸と過酸化水素水と水を混合した溶液によりエッチングを行う。この際に、硫酸と過酸化水素水と水を混合した溶液はInGaPエッチング停止層341を溶かすことができないので、エッチングをInGaPエッチング停止層341に入ったところで止めることができる。
この後、Ruをドープした高抵抗InGaP埋め込み層312を成長する。その後、SiO2層も除去し、p−InGaPクラッド層313およびp−InGaAsコンタクト層303を成長する。基板を研磨後に上下に電極301,304を形成し、レーザへ加工する。
クラッド層311,313は上述した組成であるため、両者の格子定数や屈折率が等しくなっている。
作製したレーザは、発振波長が1.26μmであり、共振器長300ミクロンの素子において10mWの出力で85°Cまでのレーザ発振を実現できる。
また本実施例においては、InGaAsガイド層342により光の横閉じ込めが可能になる。
また本実施例においてはRuドープ高抵抗InGaPを埋め込み層312に用いているので、ポリイミドを用いた場合に比べて放熱性に優れるので高温での素子特性(高周波特性)に優れる。
上述した実施例1〜実施例3において本発明の具体的な実施形態を説明したが、これらについは各種の変形をすることができる。
そこで、各種の変形をした実施形態をまとめて、実施例4として以下に説明する。
上記各実施例ではInAlGaAsクラッド層111,211,311にはSiを用いてn型ドープしたが、Se、S等のほかのドーパントを用いても良い。また、バッファ層121,221,321の1部または全部をアンドープにしても効果は得られる。但し、電気伝導性がn型ドープを用いた場合に比べて劣るので素子抵抗が高くなる可能性がある。
上記各実施例ではInGaPクラッド層113,213,313には亜鉛を用いてp型ドープしたが、Be等のほかのドーパントを用いても良い。また、クラッド層113,213,313の1部または全部をアンドープにしても効果は得られる。但し、電気伝導性がp型ドープを用いた場合に比べて劣るので素子抵抗が高くなる可能性がある。
上記各実施例では下層のInAlGaAsクラッド層111,211,311をn型、上層のInGaPクラッド層113,213,313をp型にした。一方、p型基板を用い、下層のInAlGaAsクラッド層111,211,311をp型、上層のInGaPクラッド層113,213,313をn型にした場合には、下層のp−InAlGaAsの方がバンドギャップが大きく、下層のp−InAlGaAsへの電子のオーバーフローが抑制できるという効果を奏する。
このように、下層のクラッド層をp−InAlGaAsにする場合はZnドープだけでなくC(カーボン)ドープも可能である。
上記各実施例では下層のInGaAlAsクラッド層111,211,311の層厚を1.5μm、上層のInGaPクラッド層113,213,313の層厚を1.5μmとしたが、層厚はこれに限らず他の厚さでかまわないが、0.5μm以上2.0μm以下の範囲が望ましい。有限要素法で解析した結果、0.5μm以上の層厚のバッファ層とクラッド層を用いれば光の漏れはほとんどなく活性層に良好に光が閉じこめられる。また、2.0μmより厚い層厚では電気抵抗、熱抵抗が増加するという問題が生じる。
上記各実施例ではGaAs基板102,202,302と、該GaAs基板上に成長したバッファ層121,221,321と、該バッファ層上に成長したGaAsより格子定数が大きく格子緩和した半導体層122,222,322で構成されている半導体基板を用いたが、表面の格子定数が0.567nm以上0.578nm以下である半導体基板であればよい。
上記各実施例においてバッファ層121,221,321にInGaAsを用いたが、InAlAsを用いてもよい。但し、InGaAsを用いたほうがInAlAsを用いた場合に比べて表面のラフネスが小さい。これは、成長表面でのGaの反応性がAlに比べて低いため、表面のマイグレーションが大きいためと考えられる。
上記各実施例においては、半導体基板102,202、302にGaAsを用い、半導体層122,222,322にIn0.1Ga0.9As用いたが、半導体層122,222,322は半導体基板102,202、302より格子定数が大きくかつその格子定数差が1.5%以下である格子緩和した半導体層であればよい。
例えば、GaAs基板上でInAlAs、InAlGaAsでもよく、GaAsSb、AlAsSb、AlGaAsSb、InGaAsSb、InAlAsSb、InAlGaAsSb、InGaAsNでもよい。この場合、バッファ層121,221,321には歪量が半導体層に対して2、3割大きいものを用いることが望ましく、InAlAsの半導体層に対してInGaAsのバッファ層を用いてもよく、InGaAsの半導体層に対してGaAsSbのバッファ層を用いてもよい。
本発明の実施例1に係るレーザダイオードを示す断面図。 本発明の実施例2に係るEA変調器を示す断面図。 本発明の実施例3に係るRu−BHLDを示す断面図。
符号の説明
100 レーザダイオード
200 EA変調器
300 Ru−BHLD
102,202,302 GaAs基板
111,211,311 InAlGaAsクラッド層
113,213,313 InGPクラッド層
121,221,321 InGaAsバッファ層
122,222,322 InGaAs層
131,331 量子井戸層
231 量子井戸光吸収層

Claims (7)

  1. 表面の格子定数が0.567nmから0.578nmである半導体基板と、
    前記半導体基板上に、量子井戸構造からなる活性層を、該活性層の屈折率より低い屈折率を持つクラッド層で挟んだ半導体構造を有する光半導体素子において、
    基板側のクラッド層をInAlGaAs層により形成し、基板と反対側のクラッド層をInGaP層により形成したことを特徴とする光半導体素子。
  2. 前記二つのクラッド層は、その格子定数が等しくなるような組成であることを特徴とする請求項1の光半導体素子。
  3. 前記二つのクラッド層は、その屈折率が等しくなるような組成であることを特徴とする請求項1または請求項2の光半導体素子。
  4. 前記半導体基板が、GaAs基板と、該GaAs基板上に成長したバッファ層と、該バッファ層上に成長したGaAsより格子定数が大きく格子緩和した半導体層で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項の光半導体素子。
  5. 前記半導体層がInGaAsまたはInAlAsであり、前記バッファ層がInGaAsまたはInAlAsであり、前記バッファ層の格子定数が前記半導体層の格子定数よりも大きいことを特徴とする請求項4の光半導体素子。
  6. 前記光半導体素子において、量子井戸構造からなる前記活性層の利得を持つ波長が1.1〜1.4μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項の光半導体素子。
  7. 前記光半導体素子において、前記半導体基板と反対側の前記クラッド層を埋め込む埋め込み構造を構成する電流ブロック層として、Ruドープ半絶縁性半導体結晶を用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項の光半導体素子。
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