JP2011029213A - 光半導体素子 - Google Patents

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恭一 木下
Shinichi Yoda
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Tadatoshi Hosokawa
忠利 細川
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智 山本
Masaaki Matsushima
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Abstract

【課題】ミスフィット転位や貫通転位などの格子欠陥が発生しにくく高品質の結晶を得ることができ、基板の放熱特性も向上する光半導体素子を提供する。
【解決手段】基板としてGaAsよりも格子定数の大きなInxGa1-xAs(0.03≦x≦0.10)3元基板を使用し、前記基板上にInzGa1-zPバッファー層を形成し、前記InzGa1-zPバッファー層上に基板よりも格子定数の大きなInyGa1-yAs(0.10<y≦0.20)層を形成し、さらに前記InyGa1-yAs層上に歪量子井戸構造を形成する。なお、InyGa1-yAs層は、例えば、InxGa1-xAsから格子定数が徐々に大きくなるようにInzGa1-zPバッファー層の組成を変化させていく。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光波長1.1μm〜1.6μmにおいて光出力の温度依存性の小さな光半導体素子に関するものである。
従来、波長1.3μm〜1.55μmの光を光源とする光通信においては、バンドギャップと格子定数の関係上作製の容易なInP基板上のInGaAsP系レーザが用いられてきた。このようなレーザは、通常、発振特性の改善のために活性層に歪量子井戸構造を採用している。
歪量子井戸構造の構成材料としては、InP基板との格子定数差を考慮して井戸層には1%前後の圧縮歪となるInGaAsPを用い、障壁層にはInP基板と格子整合した組成となるInGaAsPを用いることが一般的に行われている。
しかしながら、従来のInP基板上レーザでは、伝導帯側の量子井戸と障壁層間のバンド不連続が小さいために、高温では電子のオーバーフローによる光学利得の低下が生じ、しきい値電流の増加、発振出力の低下を引き起こす。そのため、レーザ出力を一定に保つための温度調整器の使用が不可欠であった。
一方、GaAs基板上では、比較的短波長の0.78μm、0.85μm、0.98μm、1.06μm帯レーザが実用化されており、出力の温度依存性も小さく優れた温度特性を示している。また、In0.05Ga0.95As3元基板上レーザ(発振波長1.03μm)も優れた温度特性を示すことが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。これは伝導帯側の大きなバンドオフセットによるものである。
しかしながら、InmGa1-mAs/GaAs歪量子井戸構造によって1.3μmでの発光を得るためには、該歪量子井戸構造のIn組成mを0.5程度に高める必要がある。In組成を高めると、In組成の増加とともに、GaAs基板との格子定数差が大きくなり、3次元成長やミスフィット転位が生じる。このため、1.3μm以上の波長帯での高品質な量子井戸の形成は困難であるという問題があった。
このような格子不整合とバンドオフセットの問題を改善する手段として、GaAsやIn0.05Ga0.95Asに比較して格子定数が大きいIn0.3Ga0.7As3元基板上レーザが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
しかしながら、In0.3Ga0.7As3元基板は、基板作製時にInとGaの物性の違いから組成ゆらぎや欠陥が入りやすく、歩留まりが上がらないために大量生産が困難であるという問題があった。また、GaAsやInPあるいはIn0.05Ga0.95Asに比べると熱伝導率が低く、半導体レーザにおいて、素子内部で発生した熱が放熱され難く、素子温度を上昇させる問題があった。
一方、GaAs基板上にInGaPのバッファー層を成長させ、擬似的にInGaAs3元基板を作製する試みもなされてきた(例えば特許文献1)。これはバッファー層のIn組成を、GaAsに格子整合する値から徐々に増やし、転位の増殖を抑えながら、GaAs基板との格子不整合を緩和させる方法である。しかし、この方法ではミスフィット転位や貫通転位をバッファー層中に完全にとどめることは困難で、ミスフィット転位や貫通転位の一部が、バッファー層の上に形成した半導体レーザまで到達し、閾値電流の上昇や漏れ電流の増加、信頼性の低下など特性を劣化させていた。
特開2008−235519号公報
H. Shoji, et al.,IEEE Photonics Technology Letter, Vol.6, No.10, pp.1170-1172 (1994). 石川 浩、中嶋一雄:応用物理 68, pp. 294-298 (1999).
上述した通信用の波長帯の光を出射する半導体レーザにおいては、量子井戸の伝導帯のバンドオフセットを大きくし、温度特性を高めた構造を作製するために最適な構成材料は、2元のGaAs基板やInP基板上に比較して格子定数差が大きいという問題がある。また、電子デバイスにおいても、所望のバンドギャップを持つ材料やその格子定数が、2元のGaAsやInP基板とは大きく異なる場合が生じる。そのような場合、基板上の薄膜結晶成長時にミスフィット転位や貫通転位などの格子欠陥が発生し、高品質の結晶を得ることが困難となる。
また、In0.3Ga0.7As3元基板はその作製方法自体が困難で、良好な結晶の基板を得ることが難しい。また、基板の放熱が悪いという問題がある。また別の方法として、GaAs基板上にInGaPのIn組成を徐々に変化させたバッファー層を形成し、さらにその上にInGaAs三元層を形成することなども検討されてきたが、ミスフィット転位や貫通転位の一部が、バッファー層の上に形成したInGaAs三元層まで到達し、その上に作製される半導体レーザの特性の劣化や信頼性の低下などといった問題を生じていた。
本願発明に係る光半導体素子は、InxGa1-xAs3元基板と、前記基板上に形成されたInzGa1-zPバッファー層と、前記InzGa1-zPバッファー層上に形成されたInyGa1-yAs層と、前記InyGa1-yAs層上に形成された歪量子井戸構造とを有することを特徴とする。
前記InxGa1-xAsのIn組成xは、一例として、0.03≦x≦0.10とする。
前記InyGa1-yAsのIn組成yは、一例として、0.10<y≦0.20とする。
前記InzGa1-zPバッファー層の格子定数は、一例として、前記InxGa1-xAs基板の格子定数から前記InyGa1-yAsの格子定数の範囲内にあように、InzGa1-zPバッファー層のIn組成zを定める。
前記歪量子井戸構造の発光波長は、一例として、1.1μm〜1.6μmである。
本願発明に係る光半導体素子を別の側面から説明すると、基板としてGaAsよりも格子定数の大きなInxGa1-xAs(0.03≦x≦0.10)3元基板を使用し、前記基板上にInzGa1-zPバッファー層を形成し、前記InzGa1-zPバッファー層上に基板よりも格子定数の大きなInyGa1-yAs(0.10<y≦0.20)層を形成し、さらに前記InyGa1-yAs層上に歪量子井戸構造を形成したことを特徴とする。
本発明によれば、InxGa1-xAs3元基板と格子整合するInzGa1-zPバッファー層を形成し、さらにInyGa1-yAs層を成長させるが、その際に、InxGa1-xAsから格子定数が徐々に大きくなるようにInzGa1-zPバッファー層の組成を変化させていくと、GaAs基板を使う場合に比べて格子定数の調節割合が少ないので、上層へミスフィット転位や貫通転位などの欠陥が到達せずに、十分格子緩和した高品質InyGa1-yAs単結晶層を成長させることができる。この十分に格子緩和した高品質InyGa1-yAs単結晶層の上には伝導帯のバンドオフセットが大きい量子井戸を持った高性能光半導体素子が実現でき、高温環境下においても特性の変化の小さい動作の実現が可能となる。またIn0.3Ga0.7As基板で問題となっていた基板の放熱も問題とならないため、素子の温度上昇を抑えることができる。
本発明の実施例1に係る化合物半導体の層構造を示す概略構造図である。 本発明の実施例1に係る光半導体素子の概略構造図である。 本発明の実施例1に係るInzGa1-zPバッファー層のIn濃度(Z)の膜厚方向の変化を示す模式図である。 本発明の実施例2に係る光半導体素子の概略構造図である。
以下に示す実施例において、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1〜図3に基づいて、本発明の第1の実施例を詳細に説明する。図1は本実施例に係る光半導体素子の層構造を示す概略構造図、図2は本実施例に係る光半導体装置の概略構造図、図3は本実施例におけるバッファー層のIn組成変化を示す特性図である。
図1に示すように、本実施例においては、In0.05Ga0.95As3元基板1上に、バッファー層としてのn−InzGa1-zP組成傾斜層3を成長させて擬似的にIn0.13Ga0.87As3元基板を作製している。In0.05Ga0.95As3元基板は、特許第4239065号記載の「固溶体単結晶の製造方法」記載の方法により行った。
図1に示す層構造をなす各種薄膜の成長は、有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いて行った。まず、In0.05Ga0.95As3元基板1上に成長温度550℃、成長圧力76Torrにて厚さ100nmのIn0.05Ga0.95As層2を成長させ、このIn0.05Ga0.95As層2の上に成長温度550℃で厚さ400nmのn−InzGa1-zP組成傾斜層3を成長させた。InzGa1-zP組成傾斜層3は、図3に示すように、In0.05Ga0.95Asに格子整合するIn組成0.55から成長をはじめ、最後はIn0.13Ga0.87Asに格子整合するIn組成0.61までIn濃度を線形に変化させた。
このInzGa1-zP組成傾斜層3の上に第二の化合物半導体としてのInyGa1-yAs層4、5を成長させる。具体的には、成長温度550℃でIn0.13Ga0.87As層4を200nm成長させ、該In0.13Ga0.87As層4の上にさらに成長温度680℃においてIn0.13Ga0.87As層5を1μm成長させた。以上によりほぼ格子緩和された擬似的なIn0.13Ga0.87As基板5が作製できたといえる。
次いで該擬似的なIn0.13Ga0.87As基板5の上に、成長温度520℃において、活性層としての量子井戸構造6を成長させた。量子井戸構造6は、厚さ8nmのIn0.5Ga0.5As量子井戸層62,64と、厚さ15nmのIn0.13Ga0.87As障壁層61,63,65とを交互に配した2層量子井戸構造とした。
図2は、図1に示した量子井戸構造6を、ドーピングしたInGaPクラッド層7,8で挟んでダブルへテロレーザ構造に仕上げた例である。なお、図2において、図1に示し上述した部材(物質)と実質的に同一のものには同一符号を付している。また、擬似的なIn0.13Ga0.87As基板5の成長までは図1の説明に記載の薄膜成長条件で成長させた。まず、擬似的なIn0.13Ga0.87As基板5上に成長温度650℃においてSiを5x1017(cm-3)ドープした厚さ1μmのn−In0.61Ga0.39Pクラッド層7を成長させ、その上に量子井戸構造6を作製した。、この時の量子井戸構造作製条件も図1で述べた量子井戸構造作製条件と同一である。次いでこの量子井戸構造の上にp−In0.61Ga0.39Pクラッド層8を成長温度650℃において成長させた。p型ドーパンととして亜鉛を5x1017(cm-3)ドープし、膜厚は1μmとした。さらに該p−In0.61Ga0.39Pクラッド層8の上にp型に2x1019(cm-3)ドープした厚さ100nmのIn0.13Ga0.87Asコンタクト層9を成長させた。
次いで、該In0.13Ga0.87Asコンタクト層9の上にスパッタリングでSiO2層を堆積し、さらにフォトリソグラフィによって幅2μm程度のストライプ状のマスクを形成し、ドライエッチングおよびウェットエッチングにより幅2μm、高さ1.6μmのメサストライプを形成した。このメサストライプの両脇をポリイミドで埋め込み、ポリイミド埋め込み層10とした。In0.05Ga0.95As基板1を研磨後に上下にそれぞれp電極11、n電極12を形成し、リッジレーザへ加工した。作製したレーザは、室温での発振波長が1.31μmであり、閾値電流密度0.4kA/cm2、光出力は5mWを実現した。
また、100℃における発振波長は、1.34μmであり、閾値電流密度0.5kA/cm2、光出力は4mWで、高温での発振特性に優れていることが判明した。これは、GaAs基板を使う場合に比べて格子定数の調節割合が少ないので、上層へミスフィット転位や貫通転位などの欠陥が到達せずに、十分格子緩和した高品質InyGa1-yAs単結晶層を成長させることができ、また高品質InyGa1-yAs単結晶層の上には伝導帯のバンドオフセットが大きい量子井戸を持った高性能光半導体素子が実現できたことによる。さらにまたIn0.3Ga0.7As基板で問題となっていた基板の放熱も問題とならないため、高温で優れた発振特性を実現できたと言える。
なお、本実施例においては、In0.05Ga0.95As基板1上に成長させるIn0.05Ga0.95As層2の層厚を100nm厚とする例を示したが、In0.05Ga0.95As層2の層厚は500nm程度の厚さでもよく、また、零、すなわち、In0.05Ga0.95As層2を設けない構成としてもよい。
また、In0.05Ga0.95As層2上のInzGa1-zP組成傾斜層3のIn組成を0.55−0.61の範囲で線形的に変化させる例を示したが、In組成の変化は、線形的でなくてもよく、例えば、2次関数的でもよく、また階段状に変化させてもよい。
また、In0.05Ga0.95As層2上のInzGa1-zP組成傾斜層3の層厚は400nmとしたが他の層厚でもよく、100nm〜1μmであることが望ましく、200〜800nmであればさらに有効である。また、InzGa1-zP組成傾斜層3上に成長させるIn0.13Ga0.87As層4は、200nm厚としたが、500nm程度の厚さでもよく、あるいはまた0でもよい。また、In0.13Ga0.87As層4上のInGaPクラッド層8は1μm厚としたが、他の膜厚でもよく、0.5−2.0μmであることが望ましい。
さらに、In0.05Ga0.95As基板1上のIn0.05Ga0.95As層2、InGaP組成傾斜層3、In0.13Ga0.87As層4を550℃で成長させる例を示したが、これらの成長温度は他の温度でもよく、450−600℃であることが望ましい。また、In0.05Ga0.95As層2、InzGa1-zP組成傾斜層3、In0.13Ga0.87As層4上のIn0.61Ga0.39Pクラッド層7を650℃で成長させる例を示したが、成長温度は他の温度でもよく、550−700℃であることが望ましい。また、量子井戸構造を520℃で成長させ例を示したが、活性層の成長温度は他の温度でもよく、450−550℃であることが望ましい。
また、本実施例では素子の作製に有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いたが、この他に分子線エピタキシー法(MBE法)やガスソース分子線エピタキシー法、有機金属分子線エピタキシー法、ハイドライド気相エピタキシャル成長法、クロライド気相エピタキシャル成長法でも可能である。
図4に基づいて、本発明の第2の実施例を詳細に説明する。図4は波長1.3μmでの埋め込み型の分布帰還形半導体レーザ(DFB−LD)となっている。図4に示すように、本実施例にあっても、In0.05Ga0.95As基板1上にInzGa1-zP組成傾斜バッファー層3を成長させて擬似的にIn0.13Ga0.87As3元基板を作製している。なお、図4においても、図1に示し上述した部材(物質)と実質的に同一のものには同一符号を付している。
以下、作製方法を説明する。まず、In0.05Ga0.95As基板1上に成長温度600℃、成長圧力76Torrにて、Siを5x1017(cm-3)ドープした厚さ1.0μmのInzGa1-zPバッファー層3を成長させた。InzGa1-zPバッファー層3のIn組成は、In0.05Ga0.95Asに格子整合するIn組成0.55からIn0.13Ga0.87Asに格子整合するIn組成0.61までを階段状に、0.55、0.57、0.59、0.61と変化させた。なお、本実施例においては、前述した実施例1と異なり、In0.05Ga0.95As基板1上にIn0.05Ga0.95As薄膜は成長させなかった。
さらに、InzGa1-zPバッファー層3の上に成長温度650℃においてSiを5x1017(cm-3)ドープしたIn0.13Ga0.87As層5を500nm成長させて第二の化合物半導体層とした。なお、第二の化合物半導体層としてのIn0.13Ga0.87As層は本実施例においては550℃の成長温度で500nm成長させた膜のみとした。この上に成長温度650℃においてSiを5x1017(cm-3)ドープした厚さ2μmのn−In0.61Ga0.39Pクラッド層7を成長させ、その上に40nmの厚さのノンドープのInGaAsPガイド層13を導入する。その上に活性層として、In0.50Ga0.50As量子井戸層の両側に、In0.13Ga0.87As障壁層を配した歪量子井戸構造6を成長温度520℃で成長させた。
この後、成長温度650℃において、歪量子井戸構造6の上に40nmの厚さのノンドープのInGaAsPガイド層14を成長させ、回折格子を形成し、その上に亜鉛を1x1018(cm-3)ドープしたp−In0.61Ga0.39Pクラッド層8を成長させる。ここで、スパッタリングによりSiO2を堆積し、フォトリソグラフィ技術によりストライプ状のマスクを形成し、これをマスクとして反応性イオンエッチングにより、幅2μmで高さ1.6μm程度のメサストライプを形成した。
引き続き、メサストライプの両側の基板上に、MOVPE法により、電流ブロック層としてRuドープのInGaP埋め込み層15を層厚3μm成長させた。Ruの原料として、ビスエチルシクロペンタディエニルルテニウム(bis(ethylcycloPentadienyl)ruthenium(II))を用いた。
更に、SiO2からなるマスクをHFにより除去し、層厚1.5μmでZnドーピング濃度が5x1017(cm-3)に調整したp−In0.61Ga0.39Pオーバークラッド層16を成長させた。その上にp型に2x1019(cm-3)ドープした厚さ100nmのIn0.13Ga0.87Asコンタクト層8を成長させた。活性層以外の化合物半導体は特に断らない限り、In0.13Ga0.87As基板に格子整合する組成である。この成長後のウェハにp電極11、n電極12を形成した。
作製したレーザは、発振波長が1.31μmであり、閾値電流密度3kA/cm2、光出力は室温で1mWを実現した。また、100℃における発振波長は、1.32μmであり、閾値電流密度4kA/cm2、光出力は0.8mWで、高温での発振特性にも優れていることが判明した。
なお、本実施例では埋め込み層を半絶縁化するためのドーパントとしてRuを用いたが、Feを用いてもよい。
また、クラッド層7に用いる材料としては、InGaP、InAlAsのほかに、大きなバンドギャップを有するInGaAlAs、InAlP、InGaAlPなどを用いることも可能である。
このように、本実施例によれば、In0.05Ga0.95As基板1上にInzGa1-zPバッファー層3を導入することで、上部の層へミスフィット転位や貫通転位などの欠陥が到達せずに、十分格子緩和したInGaAsやInAlAs層を成長することができる。この擬似的な3元基板の上には伝導帯のバンドオフセットが大きな量子井戸を持った光半導体素子が実現でき、高温環境下においても特性の変化の小さい動作の実現が可能となる。HEMTやHBTなどの電子デバイスにおいても大きなバンドオフセットを持つ構造が可能で、高性能化が期待される。
また、In0.2Ga0.8As基板やIn0.3Ga0.7As基板で問題となっていた基板の放熱も改善されるため、素子全体の発熱を抑えた高温度特性動作が可能となる。
本発明は、光半導体素子及び光半導体素子の作製方法に関し、とくに基板上に基板と格子定数の異なる半導体層を形成する作製方法及びそれを用いた化合物半導体素子に適用可能である。
1: n−In0.05Ga0.95As基板
2: n−In0.05Ga0.95As層
3: n−InzGa1-zPバッファー層
4:n−In0.13Ga0.87As層
5:n−In0.13Ga0.87As層
6:歪量子井戸構造
61、63、65:In0.13Ga0.87As障壁層
62、64:In0.5Ga0.5As量子井戸層
7:n−In0.61Ga0.39Pクラッド層
8: p−In0.61Ga0.39Pクラッド層
9: p−In0.13Ga0.87Asコンタクト層
10: ポリイミド埋め込み層
11: p電極
12:n電極
13 :InGaAsPガイド層
14:InGaAsPガイド層
15:RuドープInGaP埋め込み層
16:p−In0.61Ga0.39Pオーバークラッド層

Claims (5)

  1. InxGa1-xAs3元基板と、
    前記基板上に形成されたInzGa1-zPバッファー層と、
    前記InzGa1-zPバッファー層上に形成されたInyGa1-yAs層と、
    前記InyGa1-yAs層上に形成された歪量子井戸構造とを有することを特徴とする光半導体素子。
  2. 前記InxGa1-xAsのIn組成xが、0.03≦x≦0.10であることを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子。
  3. 前記InyGa1-yAsのIn組成yが、0.10<y≦0.20であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光半導体素子。
  4. 前記InzGa1-zPバッファー層の格子定数が、前記InxGa1-xAs基板の格子定数から前記InyGa1-yAsの格子定数の範囲内にあように、InzGa1-zPバッファー層のIn組成zを定めたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光半導体素子。
  5. 前記歪量子井戸構造の発光波長が1.1μm〜1.6μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光半導体素子。
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