JP2010057277A - 電動モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状のステータコア38と、ステータコア38から径方向に沿って突設された複数のティース39とを備え、ティース39は、周方向に等間隔で配置され巻線36が巻装される主極41と、主極41間に配置され巻線36が巻装されない補極42とで構成されているブラシレスモータ1において、巻線36と補極42との空隙に、これら巻線36と補極42とに接する樹脂モールド部50を介装した。
【選択図】図3
Description
このように構成することで、巻線から生じる熱を主極の他に熱伝達部材を介して補極にも伝達させることができる。
このように構成することで、巻線と補極との間の空隙を樹脂で充填させれば熱伝達経路を確保することができる。
また、巻線と補極との間の空隙を樹脂で埋めることによって、この樹脂を巻線や補極に容易に密着させることができる。
このように構成することで、巻線の熱をより確実に補極に伝達させることができる。
このように構成することで、さらに確実に巻線の熱を補極に伝達させることができる。
このように構成することで、熱伝達部材を樹脂成形するにあたって、金型形状の複雑化を抑制でき、簡易的な構造で金型を製作することができる。
さらに、予め主極に熱伝達部材を成型した後、この主極をステータコアに取り付けることで、不要な樹脂を抑えることが可能になる。
このように構成することで、熱伝達部材を樹脂成形するにあたって、金型などを必要とせず、製造コストの低減化を図ることができる。
このように構成することで、熱伝達部材を巻線と補極との間の空隙に介挿するにあたって、何ら装置を必要とせず、製造コストを低減することが可能になる。
また、巻線と補極との間の空隙を樹脂で埋めることによって、この樹脂を巻線や補極に容易に密着させることができる。このため、確実に巻線の熱を補極に伝達させることができる。
さらに、予め主極に熱伝達部材を成型した後、この主極をステータコアに取り付けることで、不要な樹脂を抑えることが可能になる。このため、さらに製造コストを低減できる。
図1に示すように、ブラシレスモータ1は、インナーロータ型のブラシレスモータであって、筒状のモータハウジング2に内嵌されたステータ3と、ステータ3に対して回転自在に設けられたロータ4とを有し、モータハウジング2の軸方向両端に形成されている開口部をフロントブラケット5とリヤブラケット6とで閉塞している。
回転軸9の後側端には、回転軸9の回転角度を検出するためのロータリエンコーダ13を構成するロータリ11が設けられている。このロータリ11は、回転軸9と共回りするようになっている。
ブラケット本体14には、径方向中央に軸受けハウジング16が設けられ、ここに軸受け17が挿入固定されている。軸受け17は、回転軸9の前側を回転自在に支持している。回転軸9の前側端は、この軸受け17から軸方向前方に突出した状態になっている。
フロントブラケット5の外フランジ部15には、ブラシレスモータ1を外部機器(不図示)に固定するためのボルト孔24が形成されている。
回転軸9の後側端は、軸受け29から軸方向後方に突出した状態になっている。すなわち、ロータリエンコーダ13を構成するロータリ11は、リヤブラケット6のエンド部6bよりも後方に配置された状態になっている。
ここで、ロータリエンコーダ13は、回転軸9と共回りするロータリ11とロータリ検出ユニット12とで構成されている。ロータリエンコーダ13としては、光学式や磁気式のものが挙げられる。ロータリエンコーダ13が光学式の場合には、ロータリ11にスリットやパターンが形成されたロータリスケールなどが設けられる一方、ロータリ検出ユニット12には、ロータリスケールのスリットやパターンを検出可能な光学式のセンサモジュールなどが設けられる。
ステータコア38の内周面には、径方向に沿ってティース39が12個突設されている。ティース39は、周方向に等間隔で配置され巻線36が巻装される6つの主極41と、各主極41間に配置され巻線36が巻装されない6つの補極42とで構成されている。
これら蟻溝45には、それぞれ主極41が取り付けられている。すなわち、主極41と補極42は、周方向に交互に配置された状態になっている。主極41は、平面視略T字状に形成されたものであって、この基端側に蟻溝45に対応する平面視台形状の凸部46が設けられている。すなわち、主極41は、この凸部46とステータコア38に形成された蟻溝45とによって、ステータコア38に対して軸方向に着脱可能となっている。
また、樹脂モールド部50の後側端には、外周側の中央に突起部49が立設されている。この突起部49は、ステータ3の後側に配置される配電板34(図1参照)の位置決めを行うためのものである。すなわち、配電板34には、突起部49に対応する部位に、この突起部49と嵌合可能な切り欠き部(不図示)が形成されている。したがって、樹脂モールド部50の後側端と配電板34の前側面とは当接した状態で組み付けられる。
まず、インシュレータ47の上から巻線36を所定の回数だけ予め巻回する。そして、ステータコア38から分離した状態のティース39の主極41に、予め巻線36が巻回されたインシュレータ47を装着する。このとき、巻線36の端末部である巻き始め端と巻き終わり端とをステータ3の後側に対応する方向に一緒に突出させる。
次に、巻線36が巻装された主極41の凸部46をステータコア38の蟻溝45に軸方向に沿って移動させながら互いを嵌合させる。これによって、主極41のステータコア38への装着作業が完了する。
同図に示すように、巻線36に外部電源からの電力が供給されると、電流が流れる。そして、巻線36の巻線抵抗によって巻線36が発熱する。
巻線36の熱は、第一熱伝達経路として巻線36が巻装されているティース39の主極41に伝達される(図4における矢印A参照)。
さらに、巻線36の熱は、第二熱伝達経路として、巻線36と補極42とに密接している樹脂モールド部50を介して補極42に伝達される(図4における矢印B参照)。すなわち、樹脂モールド部50は、巻線36の絶縁を確保したり、巻線36の損傷を防止したりする役割の他に、熱伝達部材としての役割を有している。
図5は、縦軸を巻線温度(℃)とし、横軸を樹脂モールド部50の熱伝達率(W/mK)とした場合の巻線温度の変化を示すグラフである。
同図に示すように、樹脂モールド部50の熱伝達率を高くしていくと、その分補極42に熱が伝達され、放熱効果が向上する。このため、巻線36の温度が低減される。
しかしながら、熱伝達率が約2W/mKになると、巻線36の温度低減の変化が小さくなり、さらには熱伝達率が約5W/mKよりも大きくなると巻線36の温度が殆ど低減しなくなることが確認できる。
樹脂材は、熱伝達率が高くなればなるほど、コストが嵩むので、図5に示すグラフの結果を考慮すると、0.8W/mK程度の熱伝達率を有する樹脂材を用いて樹脂モールド部50を形成することが望ましい。
また、巻線36と補極42との間の空隙を樹脂モールド部50で埋めることによって、この樹脂モールド部50を巻線36や補極42に容易に密着させることができる。このため、確実に巻線36の熱を補極42に伝達させることができる。
そして、樹脂モールド部50を成形するにあたり、0.3W/mK以上の熱伝達率を有する樹脂材を使用すると、より確実に補極42に熱を伝達することができ、この結果、放熱効果を向上させることができる。
しかしながら、図6に示すように、ティース39の主極41に予め巻線36が巻回されたインシュレータ47を装着し、この状態の主極41に樹脂モールド部50を成型した後、ステータコア38に主極41を取り付けるようにしてもよい。
さらに、予め主極41に樹脂モールド部50を成型した後、この主極41をステータコア38に取り付けることで、不要な樹脂が抑えられ、ステータ3の軽量化を図ることが可能になる。
この第二実施形態において、ブラシレスモータ1は、インナーロータ型のブラシレスモータであって、筒状のモータハウジング2に内嵌されたステータ3と、ステータ3に対して回転自在に設けられたロータ4とを有し、モータハウジング2の軸方向両端に形成されている開口部をフロントブラケット5とリヤブラケット6とで閉塞している点、ステータコア38のティース39は、周方向に等間隔で配置され巻線36が巻装される6つの主極41と、各主極41間に配置され巻線36が巻装されない6つの補極42とで構成されている点等の基本的構成は、前述した第一実施形態と同様である(以下の実施形態でも同様)。
具体的には、予め巻線36が巻回されたインシュレータ47を主極41に装着した後、この主極をステータコア38に取り付ける。さらに、このステータコア38をモータハウジング2の周壁に内嵌固定する。その後、塗布装置(充填用ディスペンサ)61を用いて樹脂Jを主極41の巻線36と補極42との間の空隙に流し込む。
ここで用いられる樹脂Jとしては、例えば、シリコン系放熱グリスやエポキシ系の接着剤などがある。
したがって、上述の第二実施形態によれば、前述した第一実施形態と同様の効果に加え、樹脂モールド部50を成型するための金型などを必要とせず、製造コストの低減化を図ることができる。
この第三実施形態では、主極41の巻線36と補極42との間の空隙を放熱シート71で埋めている。
図8、図9に示すように、放熱シート71は、帯状に形成されたものであって、巻線36が巻装された主極41の周方向側面、および軸方向の端末部36aとは反対側の端面を覆うように貼付されている。
まず、インシュレータ47の上から巻線36を所定の回数だけ予め巻回する。次に、巻線36の表面に放熱シート71を貼付する。このとき、放熱シート71の粘着部71aを巻線36側に向け、主極41の周方向一側面から軸方向の端末部36aとは反対側の端面を介して周方向他側面へと放熱シート71を貼付する(図8矢印参照)。そして、ステータコア38から分離した状態のティース39の主極41に、予め巻線36を巻回し、かつ放熱シート71を貼付したインシュレータ47を装着する。このとき、巻線36の端末部である巻き始め端と巻き終わり端とをステータ3の後側に対応する方向に一緒に突出させる。
この状態で主極41をステータコア38に取り付ける。すると、放熱シート71が補極72によって周方向内側へと押圧され、弾性変形する。このため、放熱シート71は巻線36と補極42とに密着し、巻線36と補極42との間の空隙を隙間なく埋めることができる。
したがって、上述の第三実施形態によれば、前述の第一実施形態、第二実施形態と同様の効果に加え、金型や塗布装置61を用いることなく、巻線36と補極42との間の空隙を埋めることができるので、製造コストをさらに低減することが可能になる。
また、上述の実施形態では、巻線36の熱を主極41、および樹脂モールド部50を介して補極42に伝達した後モータハウジング2に伝達し、さらにはフロントブラケット5などに熱を伝達させる場合について説明したが、樹脂モールド部50を形成することに加え、モータハウジング2を厚肉に形成することで、さらに巻線36の放熱効果を向上させることができる。
3 ステータ
4 ロータ
36 巻線
38 ステータコア
39 ティース
41 主極
42 補極
50 樹脂モールド部(熱伝達部材)
71 放熱シート(熱伝達部材)
71a 粘着部
71b 非粘着部
J 樹脂(熱伝達部材)
Claims (8)
- 筒状のステータコアと、
前記ステータコアから径方向に沿って突設された複数のティースとを備え、
前記ティースは、
周方向に等間隔で配置され巻線が巻装される主極と、
前記主極間に配置され前記巻線が巻装されない補極とで構成されている電動モータにおいて、
前記巻線と前記補極との空隙に、これら巻線と補極とに接する熱伝達部材を介装したことを特徴とする電動モータ。 - 前記熱伝達部材は、熱伝導性を有する樹脂から成ることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
- 前記樹脂は、0.1W/mK以上の熱伝達率を有することを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。
- 前記樹脂は、0.3W/mK以上の熱伝達率を有することを特徴とする請求項3に記載の電動モータ。
- 前記主極に前記巻線が巻装された状態のステータコアに、前記空隙を埋めるように前記熱伝達部材を一体成形したことを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。
- 前記主極を前記ステータコアに対して分割可能に構成し、
前記ステータコアから分離した状態の前記主極に、予め前記巻線を巻装すると共に、この巻線の周囲を被覆するように前記熱伝達部材を一体成形したことを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。 - 前記巻線と前記補極との空隙に前記樹脂を流し込むことにより、前記熱伝達部材を形成したことを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。
- 前記熱伝達部材は、放熱シートから成ることを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。
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