JP2010054036A - モータ用防振マウント及びその製造方法 - Google Patents

モータ用防振マウント及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴム弾性体を挟持する一対のプレートを樹脂製とした場合において、相手部材の側の支持プレートにボルト締結される第2プレートがクリープ現象を生じることによってボルトが緩みを生じる問題を解決することのできるモータ用防振マウントを提供する。
【解決手段】モータ用防振マウント12において、樹脂製のプレート20と金属製の支持プレート10とをボルト40とともにねじ締結するナット42を、ナット本体44と、これよりも小径をなす筒状の突出部48とを有するものとなし、突出部48を支持プレート10に直接当接させるとともに、プレート20の被挟圧部56をナット本体44と支持プレート10とで挟圧し、固定するようになす。
【選択図】 図2

Description

この発明はモータ用防振マウント及びその製造方法に関する。
従来、複写機その他のOA機器においては、駆動源として小型のステッピングモータ等のモータが多く用いられている。
この場合、モータが振動源となる問題がある。特にステッピングモータの場合、パルス供給によってロータがステップ回転することから振動を生じ易い。
ところでモータ取付けに当って、かかるモータとこれを取り付けるべき相手部材との間にゴム弾性体を主要素として備えた防振マウントを介装し、ゴム弾性体の弾性変形による防振作用にてモータと相手部材との間で振動吸収し、防振作用させることが従来行われている。
このモータ用の防振マウントとして、モータ側に固定される第1プレートと、モータを取り付けるべき相手部材の側の金属製の支持プレートに固定される第2プレートと、それら第1及び第2プレート間に挟まれる状態に一体に加硫接着されたゴム弾性体とを有するものが従来用いられている。
この場合において第1及び第2プレートは、従来、金属プレートが用いられていた。
図8はその具体例を示している。
図においてMはステッピングモータ等のモータ(224はその出力軸を表している)、200はこれを取り付けるべき相手部材の側の金属製の支持プレート(支持フレーム)で、202はそれらの間に介装されたモータ用防振マウント(以下単に防振マウントとする)である。
防振マウント202は、モータM側に固定される金属製の第1プレート204と、支持プレート200側に固定される金属製の第2プレート206と、それらの間に挟持される状態に一体に加硫接着されたゴム弾性体208とを有している。
モータMには雌ねじ孔210が設けられ、またモータM側の第1プレート204には、対応する位置に貫通のボルト挿通孔212が設けられており、そしてそのボルト挿通孔212に金属製のボルト214のねじ軸部216が挿通された上、モータMの雌ねじ孔210にねじ込まれることで、第1プレート204がモータMにボルト214にて締結固定される。
詳しくは、モータMとボルト214の大径の頭部218とで第1プレート204が挟持される状態に、かかる第1プレート204がモータMに固定される。
一方、相手部材の側の金属製の支持プレート200には貫通のボルト挿通孔220が設けられ、またこの支持プレート200側の第2プレート206には、対応する位置に貫通の雌ねじ孔222が設けられている。
そして支持プレート200のボルト挿通孔220を挿通したボルト214のねじ軸部216が、雌ねじ孔222にねじ込まれることで、第2プレート206が支持プレート200にねじ締結される。
詳しくは、第2プレート206がボルト214の大径の頭部218とともに支持プレート200を挟持する状態に、かかる第2プレート206が支持プレート200に締結固定される。
尚、このように防振マウントの第1及び第2プレートとして金属プレートを用いる点については下記特許文献1に開示されている。
ところで防振マウント202における第1及び第2プレート204,206として上記のように金属プレートを用いると、防振マウント202の重量が重くなってしまう他、第1及び第2プレート204,206に要する材料コストが高くなってしまう。
また防振マウント202を製造するに際して、金属製の第1及び第2プレート204,206に接着剤の塗布処理及びその後の乾燥処理を行った上で、ゴム弾性体208の加硫成形の際に一対の第1及び第2プレート204,206とゴム弾性体208とを加硫接着しなければならず、防振マウント202を製造する際の所要工程数が多くなって、製造コストそのものも高くなってしまう。
そこでこれら第1及び第2プレート204,206を樹脂製とすることが提案されている。
例えば下記特許文献2にこれら第1及び第2プレート204,206を樹脂プレートで構成する点が開示されている。
第1及び第2プレート204,206として樹脂プレートを用いた場合、防振マウント202全体の重量を軽量化できるとともに、第1及び第2プレート204,206のための材料コストを安価にでき、また第1及び第2プレート204,206を樹脂プレートとした場合、それらプレート204,206に対して予め接着材の塗布処理を行っておかなくても、ゴム弾性体の加硫成形と同時にこれを第1及び第2プレート204,206に一体に加硫接着することが可能で、防振マウントの製造コストを安価となすことができる。
因みにゴム弾性体の加硫成形と同時にこれを樹脂のプレートに一体に加硫接着する点については、特許文献2に開示されている公知の技術である。
ところが一方で第1及び第2プレート204,206を樹脂プレートとした場合、樹脂は金属に比べて強度が弱いため、金属プレートの場合と異なって第1及び第2プレート204,206自体に雌ねじを形成することができないといった問題が生ずる。
図8に示しているように、特に第2プレート206においては支持プレート200とのねじ締結のための雌ねじ部を設けておくことが必要であるが、第2プレート206を樹脂製とした場合、そこに直接雌ねじ孔を設けてこれにボルト214をねじ込むことができない。
そこで特許文献2に開示のものでは、この第2プレート206に金属製のナットを取り付けて保持させ、そこにボルト214をねじ込むようにしている。
図9はこれを具体的に示したものである。
図において226は樹脂製の第2プレート206に保持された金属製のナットで、228はその中心の貫通の雌ねじ孔である。
このようにしておけば、ボルト214を樹脂製の第2プレート206に保持させたナット226の雌ねじ孔228にねじ込むことで、第2プレート206を支持プレート200に対して締結固定することが可能である。
尚このとき、図9(B)に示しているように第2プレート206の被挟圧部230がボルト214の締付トルクによって、支持プレート200とナット226、詳しくはその座面とによって板厚方向に挟圧された状態となる。
ところで、モータMは振動の発生源であると同時に熱の発生源でもあり、この場合図9に示した取付構造の防振マウントの場合、樹脂製の第2プレート206の被挟圧部230がナット226と支持プレート200とによる圧縮の下で、モータMからの熱によってクリープ現象、即ち応力緩和を起してしまう問題がある。
而して被挟圧部230がそのようなクリープ現象を生じると、初期には所定の締付トルクの下で金属製の支持プレート200に対して強い摩擦力の下で接触せしめられていたボルト214の頭部218と支持プレート200との間の摩擦力が低下し、ボルト214の回転(緩み方向の回転)に対する抵抗力が低下してしまう。
而してボルト214の緩み方向の回転の抵抗力が低下すると、モータMから加わる振動等によってボルト214が緩みを生じるようになり、第2プレート206と支持プレート200との締結が弱くなって、それらの間でガタツキを生じるようになり、防振マウント202の防振性能が低下してしまう。
また場合によってモータMの振動と防振マウント202とが共振現象を起し、防振マウント202がモータMの振動を増大して支持プレート200側、即ち相手部材側に伝えてしまうといった恐れが生ずる。
更には場合によってボルト214が支持プレート200から外れてしまう恐れも生ずる。
尚、樹脂のクリープ現象即ち応力緩和によるねじの緩みの問題は、ボルト214にてモータMに締結されている第1プレート204の側においても同様に生じ得るが、第1プレート204においてはモータM側に雌ねじ孔210が設けられていて、そこにボルト214がねじ込まれる関係上、第1プレート204にナットを保持させておく必要は無く、この点で第2プレート206側とは事情が異なっている。
具体的には、第1プレート204側ではボルト挿通孔212に金属製のはとめを装着しておくことで、ボルト214の締付けによる荷重をそのはとめで受けるようにしておくことができ、そのことによって第1プレート204における樹脂のクリープ即ち応力緩和の問題を解決することが可能である。
この点については特許文献2において開示がなされている。
ところで、図9に示しているように第2プレート206に金属製のナット226を保持させる手段として、樹脂製の第2プレート206を成形する際に、その成形型にナット226をインサートとしてセットしておき、その状態で樹脂製の第2プレート206を成形することで、成形(インサート成形)と同時に金属製のナット226を第2プレート206に埋込状態とするのが一般的な方法である。
例えば下記特許文献3には、エンジンマウントにおける防振ブッシュの外筒を樹脂製の外筒となし、そこにボルト頭部をインサート成形にて埋込状態に設ける点が開示されている。
しかしながらこのように金属製のナット226をインサート成形にて樹脂製の第2プレート206に埋込状態に設ける場合、第2プレート206、ひいては防振マウント202を製造する際に手間がかかってしまう問題があり、またその他にナット226が第2プレート206に固着状態に一体化されるため、図9に示しているようにボルト214をナット226にねじ込んで行く際、支持プレート200のボルト挿通孔220とナット226の雌ねじ孔228との位置が正確に合致していないと、ボルト214をナット226にねじ込んで行くことができなくなる。
しかしながら一般に支持プレート200のボルト挿通孔220と、ナット226の雌ねじ孔228とは、部品製造誤差や組付誤差等によって多少位置がずれている場合が多く、そうした場合にボルト214をナット226に対してねじ込む際の作業に多大の手間を要してしまうか或いはねじ締結そのものができなくなってしまう。
特開2003−232404号公報 特開2008−29175号公報 特開平9−112632号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、ゴム弾性体を挟持する一対のプレートを樹脂製とした場合において、支持プレート側の第2プレートがクリープ現象を生じることによってボルトの締付力が低下してボルトが緩みを生じる問題を解決することができ、また併せてボルトによるねじ締結作業を容易に行うことのできるモータ用防振マウントを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、モータ側に固定される樹脂製の第1プレートと、該モータを取り付けるべき相手部材の側の金属製の支持プレートに固定される樹脂製の第2プレートと、それら第1及び第2プレート間に挟持される状態に一体に加硫接着されたゴム弾性体とを有し、該モータと該相手部材との間に介装されて該ゴム弾性体の弾性変形に基づいて防振作用するモータ用防振マウントであって、前記第2プレートと前記支持プレートとをボルトとともにねじ締結するナットを、ナット本体と、該ナット本体よりも小径をなし、該ナット本体の座面から突出する、雌ねじ孔周りに筒状をなす突出部とを有するものとなすとともに、前記第2プレートには、前記第1プレートに対向する側の一方の面に前記ナット本体を収容する有底の収容凹部を形成するとともに、該収容凹部の底面から前記支持プレート側の他方の面まで貫通した、該収容凹部よりも小径をなす前記突出部用の挿通孔を形成して、該突出部を該挿通孔に挿入させる状態に且つ前記ナット本体の座面を前記収容凹部の底面に対向させる状態に該ナット本体を該収容凹部に嵌め込んで収容し保持させてあり、且つ前記第1プレートと第2プレートとの間隔は前記ナットの軸方向長よりも狭いものとなしてあるとともに、前記収容凹部及び挿通孔は、前記ナットの対応する前記ナット本体及び前記突出部との間に全周に亘り軸直角方向の遊隙を形成するものとなしてあり、更に前記突出部は、前記第2プレートにおける前記収容凹部の底面と前記支持プレート側の他方の面との間に形成される被挟圧部の肉厚よりも突出高さの低いものとなしてあって、前記ボルトの前記ナットへのねじ込みにより該突出部が前記支持プレートに当接せしめられ、且つ前記被挟圧部が前記ナット本体の座面と前記支持プレートとで挟圧されるようになしてあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記ナットが、前記ナット本体の平面形状が角形状を成す角ナットで、前記収容凹部が平面形状において対応した角形状をなし、それらナット本体と収容凹部との各角部で該ナットを回止めするようになしてあることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記突出部と前記挿通孔との間の遊隙に対して、前記ナット本体と前記収容凹部との間の遊隙が大とされていることを特徴とする。
請求項4は防振マウントの製造方法に関するもので、この製造方法は、請求項1〜3の何れかに記載のモータ用防振マウントを製造するに際し、前記挿通孔及び収容凹部を備えた樹脂製の前記第2プレートを成形した後において、該第2プレートの前記挿通孔に前記突出部を挿入させ、前記収容凹部に前記ナット本体を収容した状態で、該第2プレートを前記第1プレートとともにゴム成形型にセットし、その状態で前記ゴム弾性体の加硫成形を行って該第1プレート,第2プレート及び該ゴム弾性体を加硫接着により一体化することを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、相手部材の側の金属製の支持プレートに固定される第2プレートと、その支持プレートとをボルトとともにねじ締結するナットを、ナット本体と、これよりも小径をなし、ナット本体の座面から突出する筒状の突出部とを有するものとなすとともに、第2プレートにはナット本体を収容する有底の収容凹部と、その収容凹部の底面から支持プレート側の他方の面まで貫通した、収容凹部よりも小径をなす突出部用の挿通孔とを形成して、その挿通孔に突出部を挿入させる状態に、ナット本体を収容凹部に収容して保持するようになし、且つその突出部の突出高さを、第2プレートにおける収容凹部の底面と支持プレート側の他方の面との間に形成される被挟圧部の肉厚よりも低いものとなし、ボルトのナットへのねじ込みにより、突出部を金属製の支持プレートに当接させ、このとき上記の被挟圧部をナット本体の座面と支持プレートとで挟圧するようになしたものである。
図9に示す固定構造に従ってボルト214をナット226にねじ込み、第2プレート206を金属製の支持プレート202に締結固定した場合、圧縮状態にある樹脂製の第2プレート206における被挟圧部230がクリープ現象、即ち応力緩和を生じると、そのことがボルト214の締付力の低下に直結してしまう。
ナット226とボルト214の頭部218とが樹脂を間にして支持プレート200を挟み付ける場合、こうした現象の発生は避けられない。
そこで本発明では、ナットに筒状の突出部を設け、その突出部とボルトの頭部とで支持プレートを板厚方向に挟み付けるようになしたもので、このようにしておけば、金属製のナットとボルトの頭部とで樹脂を介さずに直接金属製の支持プレートを板厚方向に挟み付けることから、樹脂のクリープ現象即ち応力緩和の如何に拘わらず、ボルトの初期の且つ所要の締付力を維持することができる。
従って樹脂のクリープ現象によってボルトの締付力が低下し、これによりボルトが緩みを生じて、支持プレートと防振マウントの第2プレートとの間でガタツキを生じるようになり、そのことによって防振マウントの防振性能が低下したり、或いは場合によって防振マウントがモータの振動と共振を生じるようになって、モータの振動を却って支持プレート側即ち相手部材側に伝達し易くなってしまうといった不具合の発生を確実に防止することが可能となる。
一方で本発明では、その突出部の突出高さが第2プレートにおける被挟圧部の肉厚よりも低いものとなしてあるため、突出部を金属製の支持プレートに当接させるまで、ボルトをナットに対して強くねじ込んだとき、その被挟圧部がナット本体の座面と支持プレートとによって板厚方向に挟圧され、これにより第2プレートが支持プレートに対してしっかりと固定される。
またその被挟圧部がクリープ現象を生じたとしてもボルトが緩みを生じることはなく、被挟圧部つまり第2プレートの支持プレートへの固定状態は良好に維持される。
つまり、従来においてボルトを予め設定した強い締付トルクで締め付けるようにしているのは、主としてボルトの緩みを防止するためであり、ボルトが緩みを生じない限り、第2プレートを支持プレートに固定するための力はそこまでの強い力を要しないということができる。
本発明はこの点に着眼し、ナットとボルトの頭部とで直接金属製の支持プレートを挟み付けるようにして、樹脂の応力緩和がそのボルトの締付力に影響を与えないようにし、また併せてボルトの締込みにより防振マウントの樹脂製の第2プレートを、ボルトの頭部とナットとで挟圧し、固定するようになした点を特徴としたものである。
尚、ナットにおける突出部の突出高さが、樹脂製の第2プレートの被挟圧部の肉厚に対して低すぎると、ボルトを所定の締付トルクで締め付けても、突出部が支持プレートに対して当接しなくなってしまう。
この場合、被挟圧部がクリープ現象を生じると、そのことがボルトの締付力に影響を与えてしまう。即ち締付力を低下させてしまう。
一方で突出部の突出高さが高過ぎて、その突出高さと被挟圧部の肉厚との差が小さくなり過ぎると、突出部を支持プレートに当接させるまでボルトを締め付けても、被挟圧部が十分な強さで支持プレートに固定されなくなってしまう。
この意味において突出部の突出高さと被挟圧部の肉厚との差は適正な範囲があり、本発明ではその差を0.1〜0.3mmの範囲内としておくことが好ましい。
本発明は、第2プレートの収容凹部に、これとは別体をなすナットのナット本体を嵌め込んで収容し、保持させてある点を他の特徴点としている。
即ちナットはインサート成形によって第2プレートに固着状態に一体化されておらず、第2プレートの成形後においてその収容凹部に嵌め入れられている。
従ってナットは第2プレートに対してその軸方向に相対移動が可能で、特別の脱落防止手段を施しておかないと、ナットが防振マウントから脱落してしまう恐れが生じる。
ここにおいて本発明では、第2プレートと第1プレートとの間の間隔を、ナットの軸方向長よりも狭いものとなしてあり、これによりナットが第2プレートの収容凹部及び挿通孔から軸方向に抜け出ようとしても、ナットが第1プレートに当って抜け出ることはできず、従って本発明ではナットを第2プレートに固着状態に一体化してないにも拘わらず、第2プレートからのナットの脱落を確実に防止することができる。
また本発明ではナットを第2プレートにインサート成形によって固着状態に一体化しないため、第2プレートを成形する際にナットをその成形型にインサートとしてセットしておくといった面倒なことを行わなくても良く、第2プレートの成形が容易となり、また第2プレートの成形コストを安価となすことができる。
またナットが第2プレートに対して固着されていないことから、防振ユニットを廃却するに際しナットを容易且つ簡単に単独で取り出し、リサイクル使用することが可能であるといった利点も得られる。
本発明ではまた、上記の収容凹部及び挿通孔が、ナットの対応するナット本体及び突出部との間に全周に亘り軸直角方向の遊隙を形成するものとなしてある。
ナットが第2プレートに対して固着状態に一体化されていると、支持プレートのボルト挿通孔にボルトを挿通して、これをナットにねじ込もうとしたときに、そのボルト挿通孔の孔位置とナットの位置とが部品製造や組付けのバラツキによって合致していないと、ナットへのボルトのねじ込み作業が著しく困難な作業となったり、或いは場合によってボルトのねじ込みができなくなってしまう。
しかるに本発明ではナットが上記の遊隙によって第2プレートに対し軸直角方向、即ち第2プレートの板面と平行方向に微小距離独立して移動することができるため、そのナットの移動によってボルトの軸心とナットの軸心との位置を正確に且つ容易に合致させることができ、ボルトのねじ込み作業を容易に且つ確実に行うことができるようになる。
次に請求項2は、上記のナットを、ナット本体の平面形状が角形状をなす角ナットとなすとともに、収容凹部を平面形状において対応した角形状となし、それらナット本体と収容凹部との各角部でナットを回止めするようになしたもので、このようにしておけば、ボルトをナットに対してねじ込む際にナットの空回りを有効に防止でき、ボルトのナットへのねじ込み作業を容易に行うことができる。
本発明では、上記突出部と対応する挿通孔との間の遊隙に対して、ナット本体と収容凹部との間の遊隙を大となしておくことが望ましい(請求項3)。
これとは逆にナット本体と収容凹部との間の遊隙を、突出部と挿通孔との間の遊隙よりも小さくしておくと、ナット本体を収容凹部に嵌め合せる際に、その嵌め入れ作業が行い難くなり、作業性が低下する。
これに対してナット本体と収容凹部との間の遊隙を、突出部と挿通孔との間の遊隙よりも大としておくことで、収容凹部へのナット本体の嵌め込み作業を容易化することができる。
即ちこの請求項3では、突出部と挿通孔との間の遊隙の分だけ、ナットを軸直角方向に位置移動させることができ、その位置移動の可能な範囲が突出部と挿通孔との間の遊隙によって規定される。
次に請求項4は上記防振マウントの製造方法に関するもので、この製造方法では、上記の挿通孔及び収容凹部を備えた樹脂製の第2プレートを成形した後において、第2プレートの挿通孔にナットの突出部を挿入させ、また収容凹部にナット本体を収容した状態で、これを第1プレートとともにゴム成形型にセットし、その状態でゴム弾性体の加硫成形を行って、第1,第2プレート及びゴム弾性体を加硫接着により一体化するもので、この製造方法によれば、防振マウントを簡単に且つ安価に製造することが可能となる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2において、MはOA機器用の小型のモータ(ステッピングモータ)で、10はモータMを取り付けるべき相手部材の側の金属製の支持プレートである。
また12は、モータMと支持プレート10との間に介装され、後述のゴム弾性体22の弾性変形による防振作用によりモータMから支持プレート10に振動が伝達されるのを防止ないし抑制するモータ用防振マウント(以下単に防振マウントとする)である。
尚、14はモータMの出力軸、16はこの出力軸14を挿通する円形の開口である。
防振マウント12は、図4,図5,図6に示しているように、モータMに固定されるプレート(第1プレート)18と、支持プレート10に固定されるプレート(第2プレート)20と、それらの間に挟持される状態に一体に加硫接着されたゴム弾性体22とを有している。
ここでプレート18,20は何れも樹脂プレートとされている。
この実施形態では、これら樹脂製のプレート18,20としてガラス繊維にて強化されたPA(ポリアミド)66樹脂が用いられている。尚ガラス繊維の含有量はポリマーをベースとして30%(質量%)である。
但しこれはあくまで一例で、他の樹脂材料を用いてこれらプレート18,20を構成することもできる。またガラス繊維以外の材質のものを補強繊維として含有させることができ、またそのような補強繊維を含有しない樹脂を構成材料として用いることもできる。
プレート18は、平面形状が正方形状のもので、ここではその大きさが41mm×41mm,厚みが2.5mmのものである。
一方プレート20は、プレート18と平面形状が同じ大きさのものを、その対角部分でそれぞれ平面三角形状に切り欠いた形態のもので、全体の平面形状が概略六角形状をなしている。
このプレート20もまた、その厚みがプレート18と同じ厚みの2.5mmである。
図4及び図6に示しているように、プレート18は、モータMの出力軸14を挿通する円形且つ貫通の開口24をその中心部に有している。
プレート20もまた同様に、出力軸14を挿通する円形且つプレート18側の開口24と同心の貫通の開口26をその中心部に有している。
但しプレート20の開口26は、プレート18の開口24に対し小径とされている。
この実施形態において、開口24は直径がφ22mmの大きさとされ、また開口26は直径がφ15mmの大きさとされている。
尚、プレート20には図1及び図4に示しているように、支持プレート10の側の面に3つの突起28が開口26周りに120°間隔で設けられている。これら突起28は、支持プレート10の開口16に嵌り合って出力軸14を開口16の中心に位置合せする位置決め用のものである。
プレート18には、対角をなす一対の角部近傍のコーナー部に円形且つ貫通のボルト挿通孔30が設けられ、そこに金属製のはとめ32が装着されている。
また今一方の対角を成す各角部近傍のコーナー部に円形の貫通孔34が設けられている。
ここで貫通孔34は、プレート20と支持プレート10とを締結する後述のボルト40の先端部との干渉を回避する役割をなす(図2参照)。
尚モータMには、図2に示しているようにボルト挿通孔30に対応する位置に雌ねじ孔39が設けられている。
はとめ32は、図6の部分拡大図に示しているように、円環状のフランジ36付きの円筒状の金具をフランジ36とは反対側からボルト挿通孔30に嵌め込み、そしてプレート18から突き出した部分を、切目の部分で放射方向に直角に折り曲げたもので、その曲げ部38とフランジ36とによって、プレート18を挟持する状態にボルト挿通孔30に装着されている。
プレート18と20とに挟持された上記のゴム弾性体22は、開口24,26周りにリング状をなしており、その肉厚はここでは2.0mm、内径は開口24と同径のφ22mmとされており、また外径はφ29mmとされている。
この実施形態では、図3(及び図6)に示しているように、プレート20をボルト40とともに締結するナット42として、ナット本体44と、ナット本体44よりも小径をなし、ナット本体44の座面46から支持プレート10側に突出する筒状の突出部48を有する形態のものが用いられている。
ここでナット本体44は、図6に示しているように平面形状が六角形状をなしており、また突出部48は、ナット42の中心部を貫通する雌ねじ孔50周りに円筒形状をなしている。
支持プレート10に固定される他方のプレート20には、一方のプレート18の貫通孔34に対応する位置において、プレート18に対向する側の一方の面に、上記のナット本体44を収容する有底且つ平面形状が六角形状をなす収容凹部52が形成され、更にその底面から支持プレート10側の他方の面まで貫通した、収容凹部52よりも小径をなす突出部48用の円形の挿通孔55が形成されている。
そして収容凹部52と挿通孔55とに、プレート20とは別体をなすナット42が、プレート20の成形後において嵌め込まれ、保持されている。
詳しくは、突出部48を挿通孔55に挿入させ、またナット本体44の座面46を収容凹部52の底面54に対向させる状態に、ナット本体44が収容凹部52に嵌め込まれ、そこに保持されている。
この実施形態において、突出部48の突出高さHは、収容凹部52の底面54と支持プレート10側の面との間に形成される被挟圧部56の肉厚Tよりも低いものとされており、従って突出部48の図3(B)中左側の先端面は、ボルト40のナット42へのねじ込み前の状態で、プレート20の支持プレート10側の面から図中右側に浮いた状態にある。
そしてナット42は、ボルト40のナット42へのねじ込みにより、そこで始めて突出部48が金属製の支持プレート10に当接せしめられ、またこのときプレート20における被挟圧部56が、ナット本体44の座面46と支持プレート10とにより肉厚方向に圧縮状態に挟圧され、かかる被挟圧部56を介してプレート20が支持プレート10に対し締結固定される。
尚、ナット42はプレート20の収容凹部52及び挿通孔55に緩く嵌め込まれただけのものであり、従ってボルト40のねじ込み前においてナット42に対し図中右方向の力が働くと、ナット42はプレート20に対し図中右方向に相対移動可能である。
但し本実施形態では、このナット42に対して対向するように、図中右側に今一方のプレート18が位置しており、またこのプレート18とプレート20との間の間隔は、ナット42の軸方向長よりも狭いものとなしてあるため、ナット42が例え図中右方向に相対移動したとしても、ナット42がプレート20から脱落することはない。
加えてこの実施形態では、ナット本体44が収容凹部52から図中右向きに抜け出し、突出部48が収容凹部52の底面54上に乗り上げることがないように、プレート18と20との間隔が定められている。
本実施形態ではまた、収容凹部52の内周面とナット本体44の外周面との間に、全周に亘りナット42の軸直角方向に遊隙が生じるように、また挿通孔55の内周面と突出部48の外周面との間に全周に亘り軸直角方向の遊隙が生じるように、収容凹部52の内周面,挿通孔55の内周面の形状が、ナット本体44の外形形状,突出部48の外形形状よりも大きく形成してある。
図3(B)中δはその収容凹部52の内周面とナット本体44の外周面との間の遊隙を表し、δは挿通孔55の内周面と突出部48の外周面との間の遊隙をそれぞれ表している。
この実施形態では、遊隙δに対し遊隙δが大となるように収容凹部52及び挿通孔55の形状,寸法が定めてある。
尚、図3(B)はナット42が収容凹部52及び挿通孔55の丁度中心に位置している状態を表しており、直径方向の片側においてナット本体44と収容凹部52との間にδ/2の遊隙が生じ、また挿通孔55と突出部48との間にδ/2の遊隙が生じている。
即ちナット42と収容凹部52及び挿通孔55との間に多少のガタが持たせてある。
ナット42は、この遊隙によってプレート20に対し軸直角方向即ちプレート20の板面と平行方向に位置移動が可能である。
但しこの実施形態では、挿通孔55と突出部48との間の遊隙δの方が、ナット本体44と収容凹部52との間の遊隙δよりも小さいため、ナット42は遊隙δの範囲内で軸直角方向に位置移動が可能である。
遊隙δは、プレート20を支持プレート10に対しボルト40にて締結する際、支持プレート10の後述のボルト挿通孔64の中心と、プレート20の挿通孔55の中心とが正確に合致していない場合であっても、ナット44を軸直角方向に位置をずらせることで、支障なくボルト40をナット42にねじ込めるように設けられているものである。
但しそのために必要な寸法は僅かであり、ここではそれに必要な程度で遊隙δが0.3mm程度の僅かな寸法に設定されている。
本実施形態の防振マウント12は、次のようにしてモータMと支持プレート10との間に介装状態に取り付けることができる。
即ち、先ずプレート18の一対のボルト挿通孔30を、モータMの対応する一対の雌ねじ孔39に合せた状態で、ボルト58のねじ軸部60をボルト挿通孔30に挿通し、更にモータMの雌ねじ孔39にねじ込んで、ボルト58によりプレート18をモータMに締結する。即ちモータMとボルト58の大径の頭部62とでプレート18を挟持する状態に、プレート18をモータMにボルト58にて締結する。
その状態で、図1に示しているように支持プレート10の一対のボルト挿通孔64に、ボルト40のねじ軸部60を挿通し、そして更にそのねじ軸部60を防振マウント12のプレート20に保持されている金属製のナット42に対して、挿通孔55の側からねじ込み、以ってプレート20を支持プレート10に対して締結する。
即ち、ナット42とボルト40の大径の頭部62とが、プレート20の上記の被挟圧部56を支持プレート10とともに挟持する状態に、プレート20を支持プレート10に対し締結する。
このとき、上記のようにナット42は突出部48が金属製の支持プレート10に当接してボルト40に加えられる締付トルクを受けるとともに、プレート20の被挟圧部56が、ナット本体44の座面46と支持プレート10とによって挟圧され、支持プレート10に対し固定状態となる。
図7は、本実施形態の防振マウント12の製造方法を示している。
同図に示しているようにこの製造方法では、先ず(I)に示しているように収容凹部52及び挿通孔55備えた樹脂製のプレート20を単独で成形し、次いで成形したプレート20の挿通孔55にナット42の突出部48を挿入させる状態に、ナット本体44を収容凹部52に嵌め込む。
その状態でプレート20を、そこに保持させたナット42及び(II)に示す今一方のプレート18とともにゴム成形型にセットし、その状態でゴムの加硫成形(インジェクション成形)を行って、リング状をなすゴム弾性体22を加硫成形すると同時に、これを一対のプレート18,20に対して一体に加硫接着する。
ここにおいて本実施形態の防振マウント12を得ることができる((III)参照)。
以上のように本実施形態においては、金属製のナット42に筒状の突出部48を設け、その突出部48と金属製のボルト40の頭部62とで樹脂を介さずに直接金属製の支持プレート10を板厚方向に挟み付けるようになしていることから、樹脂のクリープ現象即ち応力緩和の如何に拘わらず、ボルト42の初期の且つ所要の締付力を維持することができる。
従って樹脂のクリープ現象によってボルト42の締付力が低下し、これによりボルト42が緩みを生じて、支持プレート10と防振マウント12のプレート20との間でガタツキを生じるようになり、そのことによって防振マウント12の防振性能が低下したり、或いは場合によって防振マウント12がモータのM振動と共振を生じるようになって、モータMの振動を却って支持プレート10側即ち相手部材側に伝達し易くなってしまうといった不具合の発生を確実に防止することができる。
一方で本実施形態では、その突出部48の突出高さがプレート20における被挟圧部56の肉厚よりも低いものとなしてあるため、突出部48を金属製の支持プレート10に当接させるまで、ボルト40をナット42に対して強くねじ込んだとき、その被挟圧部56がナット本体44の座面46と支持プレート10とによって板厚方向に挟圧され、これによりプレート20が支持プレート10に対してしっかりと固定される。
またその被挟圧部56がクリープ現象を生じたとしてもボルト42が緩みを生じることはなく、被挟圧部56つまりプレート20の支持プレート10への固定状態は良好に維持される。
本実施形態では、上記のようにプレート20の収容凹部52に、これとは別体をなすナット42のナット本体44を嵌め込んで収容し、保持させてある。
即ちナット42はインサート成形によってプレート20に固着状態に一体化されておらず、プレート20の成形後においてその収容凹部52に嵌め入れられている。
従ってナット42は、プレート20に対してその軸方向に相対移動が可能であるが、本実施形態では、プレート20とプレート18との間の間隔が、ナット42の軸方向長よりも狭いものとなしてあるため、ナット42がプレート20の収容凹部52及び挿通孔55から軸方向に抜け出ようとしても、ナット42がプレート18に当って抜け出ることはできず、従ってナット42をプレート20に固着状態に一体化してないにも拘わらず、プレート20からのナット42の脱落を確実に防止することができる。
また本実施形態ではナット42をプレート20にインサート成形によって固着状態に一体化しないため、プレート20を成形する際にナット42をその成形型にインサートとしてセットしておくといった面倒なことを行わなくても良く、プレート20の成形が容易となり、またプレート20の成形コストを安価となすことができる。
またナット42がプレート20に対して固着されていないことから、防振ユニット12を廃却するに際しナット42を容易且つ簡単に単独で取り出し、リサイクル使用することが可能であるといった利点も得られる。
本実施形態ではまた、上記の遊隙δによってナット42をプレート20に対し軸直角方向、即ちプレート20の板面と平行方向に微小距離独立して移動させることができる。そしてそのナット42の移動によって、ボルト40の軸心とナット42の軸心との位置を正確に且つ容易に合致させることができ、ボルト40のねじ込み作業を容易に且つ確実に行うことができる。
また本実施形態では、ナット本体44と収容凹部52との各角部でナット42を回止めすることができ、ボルト40をナット42に対してねじ込む際にナット42の空回りを有効に防止することができる。これによりボルト40のナット42へのねじ込み作業を容易に行うことができる。
更に本実施形態では、突出部48と対応する挿通孔55との間の遊隙δに対して、ナット本体44と収容凹部52との間の遊隙δを大となしてあるため、ナット本体44を収容凹部52に嵌め合せる際に、その嵌め入れ作業が行い易く、作業性良く同作業を行うことができる。
一方本実施形態の製造方法によれば、防振マウント12を簡単に且つ安価に製造することが可能となる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態では突出部にも雌ねじが設けてあるが、かかる雌ねじをナット本体の側にだけ設けておくといったことも場合により可能である。
また上記実施形態では挿通孔55と突出部48との間の遊隙に基づいてナット42を軸直角方向に位置移動可能となしてあるが、場合によって挿通孔55と突出部48との間の遊隙よりも、収容凹部52とナット本体44との間の遊隙を小とし、同部分においてナット42の軸直角方向の位置移動を規制するようになすといったことも可能である。
その他本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態・態様で構成・実施可能である。
本発明の一実施形態である防振マウントを組付途中の状態で示した斜視図である。 図1の防振マウントを組付状態で示した断面図である。 同実施形態の要部断面図である。 同実施形態の防振マウントの単品図である。 同実施形態の防振マウントの断面図である。 同実施形態の防振マウントを各部品に分解して示した斜視図である。 防振マウントの製造工程図である。 従来の防振マウントの一例を示した図である。 図8とは異なる防振マウントの要部を示した図である。
符号の説明
10 支持プレート
12 モータ用防振マウント
18 プレート(第1プレート)
20 プレート(第2プレート)
22 ゴム弾性体
40 ボルト
42 ナット
44 ナット本体
46 座面
48 突出部
50 雌ねじ孔
52 収容凹部
54 底面
55 挿通孔
56 被挟圧部
M モータ

Claims (4)

  1. モータ側に固定される樹脂製の第1プレートと、該モータを取り付けるべき相手部材の側の金属製の支持プレートに固定される樹脂製の第2プレートと、それら第1及び第2プレート間に挟持される状態に一体に加硫接着されたゴム弾性体とを有し、該モータと該相手部材との間に介装されて該ゴム弾性体の弾性変形に基づいて防振作用するモータ用防振マウントであって
    前記第2プレートと前記支持プレートとをボルトとともにねじ締結するナットを、ナット本体と、該ナット本体よりも小径をなし、該ナット本体の座面から突出する、雌ねじ孔周りに筒状をなす突出部とを有するものとなすとともに、
    前記第2プレートには、前記第1プレートに対向する側の一方の面に前記ナット本体を収容する有底の収容凹部を形成するとともに、該収容凹部の底面から前記支持プレート側の他方の面まで貫通した、該収容凹部よりも小径をなす前記突出部用の挿通孔を形成して、該突出部を該挿通孔に挿入させる状態に且つ前記ナット本体の座面を前記収容凹部の底面に対向させる状態に該ナット本体を該収容凹部に嵌め込んで収容し保持させてあり、
    且つ前記第1プレートと第2プレートとの間隔は前記ナットの軸方向長よりも狭いものとなしてあるとともに、
    前記収容凹部及び挿通孔は、前記ナットの対応する前記ナット本体及び前記突出部との間に全周に亘り軸直角方向の遊隙を形成するものとなしてあり、
    更に前記突出部は、前記第2プレートにおける前記収容凹部の底面と前記支持プレート側の他方の面との間に形成される被挟圧部の肉厚よりも突出高さの低いものとなしてあって、前記ボルトの前記ナットへのねじ込みにより該突出部が前記支持プレートに当接せしめられ、且つ前記被挟圧部が前記ナット本体の座面と前記支持プレートとで挟圧されるようになしてあることを特徴とするモータ用防振マウント。
  2. 請求項1において、前記ナットが、前記ナット本体の平面形状が角形状を成す角ナットで、前記収容凹部が平面形状において対応した角形状をなし、それらナット本体と収容凹部との各角部で該ナットを回止めするようになしてあることを特徴とするモータ用防振マウント。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記突出部と前記挿通孔との間の遊隙に対して、前記ナット本体と前記収容凹部との間の遊隙が大とされていることを特徴とするモータ用防振マウント。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のモータ用防振マウントを製造するに際し、前記挿通孔及び収容凹部を備えた樹脂製の前記第2プレートを成形した後において、該第2プレートの前記挿通孔に前記突出部を挿入させ、前記収容凹部に前記ナット本体を収容した状態で、該第2プレートを前記第1プレートとともにゴム成形型にセットし、その状態で前記ゴム弾性体の加硫成形を行って該第1プレート,第2プレート及び該ゴム弾性体を加硫接着により一体化することを特徴とするモータ用防振マウントの製造方法。
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