JP2010053336A - ポリイミド樹脂 - Google Patents
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Abstract
本発明は、溶剤溶解性が良好で、且つ、高いガラス転移温度及び、低い線熱膨張係数を有するポリイミド樹脂を提供すること。
【解決手段】
無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−ビフェニルビス(アンヒドロトリメリテート)及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸成分(A)と、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸成分(B)と、特定のトリジンスルホン骨格ジアミン成分とを、イミド化重合反応して得られる溶剤可溶性のポリイミド樹脂を使用すること。
【選択図】
なし
Description
反応溶媒存在下、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−ビフェニルビス(アンヒドロトリメリテート)及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸成分(A)と、
3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸成分(B)と、
下記一般式(1)で表されるトリジンスルホン骨格ジアミン成分とを、イミド化重合反応して得られる溶剤可溶性のポリイミド樹脂。
一般式(1)
テトラカルボン酸成分(A)とテトラカルボン酸成分(B)とのモル比が(A)/(B)=5/95〜80/20の範囲である項1に記載のポリイミド樹脂。
テトラカルボン酸成分(A)とテトラカルボン酸成分(B)との合計が100に対して、トリジンスルホン骨格ジアミン成分が90〜110のモル比の範囲である項1又は2に記載のポリイミド樹脂。
項1に記載のポリイミド樹脂及び有機溶剤を含有するポリイミドワニス。
項4に記載のポリイミドワニスを成形加工して得られるポリイミド成形体。
ポリイミド成形体が、膜状、フィルム状又はシート状の形態である項5に記載のポリイミド成形体。
ポリイミド成形体のガラス転移温度が350℃以上及び、線熱膨張係数が30ppm/K以下である項5又は6に記載のポリイミド成形体。
項5〜7の何れかに記載のポリイミド成形体からなるプラスチック基板。
項8に記載のプラスチック基板を備えた電気部品又は電子部品。
本発明の溶剤可溶性のポリイミド樹脂は、反応溶媒存在下、テトラカルボン酸成分として無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−ビフェニルビス(アンヒドロトリメリテート)及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸成分(A)と、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸成分(B)と、上記一般式(1)で表されるトリジンスルホン骨格ジアミン成分とを、イミド化重合反応を行うことより得られる。
テトラカルボン酸成分(A)は、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−ビフェニルビス(アンヒドロトリメリテート)及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸成分である。前記テトラカルボン酸成分(A)は、特に制限はなく市販品や従来公知の製造方法により得られるものが使用できる。
テトラカルボン酸成分(B)は、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸成分である。前記テトラカルボン酸成分(B)は、特に制限はなく市販品や従来公知の製造方法により得られるものが使用できる。
本発明に係るトリジンスルホン骨格ジアミン成分は上記一般式(1)で表される化合物であり、本ポリイミド樹脂の構成成分である。前記ジアミン成分は、特に制限はなく市販品や従来公知の製造方法により得られるものが使用できる。
本発明に係るイミド化重合反応で使用される反応溶媒は、イミド化重合反応より生成するポリイミド樹脂を溶解できるものであれば何れの反応溶媒でも良い。例えば、非プロトン性溶媒、フェノール系溶媒、エーテル系溶媒、カーボネート系溶媒などが好ましい例として挙げられる。
イミド化重合反応の方法としては、(1)反応溶媒と少量の共沸溶剤の存在下でテトラカルボン成分とジアミン成分とを加熱し、生成水を共沸により系外に留去させる熱イミド化方法、(2)ポリイミド前駆体のポリアミド酸を製造後、無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物、又はジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物の脱水作用を用いる化学イミド化方法等が挙げられる。
本発明のポリイミドワニスは、本ポリイミド樹脂と有機溶剤とを含有することを特徴とするものである。
本発明のポリイミド成形体は、本ポリイミドワニスを成形加工して得られるものである。成形加工する方法としては、特に制限なく従来公知の方法が使用できる。
例えば、該ポリイミドワニスを、基板に塗布した後(膜状、フィルム状又はシート状に塗布若しくは成形した後)、該ポリイミドワニスから有機溶媒を除去して、膜状、フィルム状又はシート状のポリイミド成形体に成形する方法などが例示される。
本発明のプラスチック基板は、上記ポリイミド成形体からなることを特徴とする。その製造方法は、従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明の耐熱絶縁材、耐熱塗料、耐熱コーティング材又は耐熱接着材は本ポリイミド樹脂を含有することを特徴とする。 その製造方法は、従来公知の製造方法を用いることができる。何れも、本ポリイミド樹脂が高いガラス転移温度及び低い線熱膨張係数を有することから、例えば、高温状態で使用される用途に好適に使用される。
溶剤溶解性の評価は、イミド化重合反応終了後、ポリイミド樹脂の濃度を20重量%に調整し、24時間室温で放置した後の状態を目視で観察して評価した。その評価の基準は次のとおりである。○が実用的なレベルと評価される。
○:24時間放置した後も、析出物の発生も反応溶液のゲル化も認められなかった。
△:24時間放置した後に、析出物の発生またはゲル化が僅かに認められた。
×:24時間以内に、析出物の発生または反応溶液のゲル化が明らかに認められた。
ポリイミド樹脂の反応溶液(ポリイミドワニス)約1gをN,N−ジメチルホルムアミド約30mlで希釈して、分子量測定用の試料溶液を調製する。ゲルパーミエーションクロマトクラフィー(GPC)を用いて下記の測定条件でポリエチレンオキサイド換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求めた。
[測定条件]
装置:島津製作所 LC−20A
カラム:ShodexGPC AD−802.5/S、AD−803/S、AD−804/S及びAD−805/Sを直列に連結
カラム温度:40℃
溶離液:(5.15mmol/L−臭化リチウム+5.10mmol/L−リン酸)/N,N−ジメチルホルムアミド
流速:1.0mL/min
検出器:RI
ポリイミドワニスを、25℃でトキメック社製B8H型粘度計を用いて測定した。
貯蔵安定性は、ポリイミドワニスを25℃で静置にて貯蔵したポリイミドワニスの外観の変化を目視で観察し評価する。その評価の基準は、次のとおりである。◎及び○が実用的なレベルと評価される。
◎:評価開始後3ヶ月以上、析出物の発生及びワニスのゲル化が認められなかった。
○:評価開始後2ヶ月以上、析出物の発生及びワニスのゲル化が認められなかった。
△:評価開始後2ヶ月未満で析出物の発生またはワニスのゲル化が認められた。
×:評価開始後24時間以内に析出物の発生またはワニスのゲル化が認められた。
JIS K7121(1987年)に準じて測定した。操作としては、直径6mmの円状に切り取ったポリイミドフィルム(40μm)の10mgをアルミニウム製パンに入れ、PERKIN ELMER社製 示差走査熱量計DSC7を用いて、Onset測定方法により100〜500℃の範囲を窒素気流下、昇温速度10℃/minの条件で補外ガラス転移開始温度を測定しガラス転移温度とした。
JIS K7197(1991年)に準じて測定した。操作としては、ポリイミドフィルム(40μm)を順風乾燥機内で300℃×30分間加熱して応力緩和処理を行った。このフィルムから切り取った5.0×10.0mmをマジック・サイエンス社製TMA4000(MTC1000)を用いて100〜200℃の範囲を窒素流量50ml/min、昇温速度10℃/minの条件で測定し、その測定値の平均値を線熱膨張係数とした。
ポリイミド成形体(フィルム)の機械特性(破断強度、弾性率及び伸び)は、万能材料試験機5565(インストロン社製)を用い、JISK7127(1999年)に準じて測定した。操作としては、厚さ40μm、幅10mmの試験片を長さ50mmとなるように固定し、25℃、RH60%の条件下、10mm/分の速度で試験片を引き伸ばして測定した。
テトラカルボン酸成分(A)
PMDA:無水ピロメリット酸
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
TMHQ:1,4−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)
TMBP:4,4’−ビフェニルビス(アンヒドロトリメリテート)
テトラカルボン酸成分(B)
DSDA:3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物
トリジンスルホン骨格ジアミン成分
TSN :2,7−ジアミノ−3,6−ジメチル−9−チアフルオレン−9,9−ジオキシド(a)と2,7−ジアミノ−1,6−ジメチル−9−チアフルオレン−9,9−ジオキシド(b)との混合物(a/b=71/29)
他のジアミン成分
FDA :9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン
BAPS:ビス-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン
反応溶媒
NMP :N−メチル−2−ピロリドン
DMI :1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
温度計、撹拌機、窒素導入管、分液デカンタ及び、冷却管を備えた4つ口フラスコにテトラカルボン酸成分(A)としてPMDA4.62g(0.021mol)、テトラカルボン酸成分(B)としてDSDA30.38g(0.085mol)、トリジンスルホン骨格ジアミン成分としてTSN29.08g(0.106mol)、反応溶媒としてNMP216g、共沸溶剤としてキシレン24gを仕込み、反応系内を窒素置換した後、窒素気流下、180℃で攪拌し、生成水を系外に除去しながら5時間脱水イミド化重合反応を行った。反応後、樹脂濃度が20重量%になるようにNMPを追加し、本発明のポリイミド樹脂のNMP溶液(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をPMDA6.94g(0.032mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA26.58g(0.074mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
反応溶媒をMDIに変更した以外は、実施例2と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をPMDA9.25g(0.042mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA22.79g(0.064mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をPMDA11.56g(0.053mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA18.99g(0.053mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をBPDA9.36g(0.032mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA26.58g(0.074mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をBTDA17.08g(0.053mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA18.99g(0.053mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をTMHQ14.57g(0.032mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA26.58g(0.074mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をTMHQ24.29g(0.053mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA18.99g(0.053mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をTMHQ34.01g(0.074mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA11.39g(0.032mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をTMBP16.99g(0.032mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA26.58g(0.074mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をTMBP28.32g(0.053mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA18.99g(0.053mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をPMDA6.94g(0.032mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA26.58g(0.074mol)、トリジンスルホン骨格ジアミン成分をTSN27.92g(0.102mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分(A)をPMDA6.94g(0.032mol)、テトラカルボン酸成分(B)をDSDA26.58g(0.074mol)、トリジンスルホン骨格ジアミン成分をTSN30.53g(0.111mol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明のポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
ジアミン成分として、トリジンスルホン骨格ジアミン成分をTSN27.63g(0.101mol)及び他のジアミン成分をFDA1.85g(0.005mol)に変更した以外は、実施例2と同様の方法でポリイミド樹脂(本ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分としてPMDA23.12g(0.106mol)のみを使用した他は、実施例1と同様の方法で反応を行ったが、反応中に反応容器内で樹脂が析出した。そのため、ポリイミド樹脂の物性については測定できなかった。
反応溶媒をDMIに変更した他は、比較例1と同様の方法で反応を行ったが、反応中に反応容器内で樹脂が析出した。そのため、ポリイミド樹脂の物性については測定できなかった。
テトラカルボン酸成分としてDSDA37.98g(0.106mol)のみを使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂(比較ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度、貯蔵安定性の結果を表1に示す。
テトラカルボン酸成分としてBPDA31.19g(0.106mol)のみを使用した以外は、実施例1と同様の方法で反応を行ったが、反応中に反応容器内で樹脂が析出した。そのため、ポリイミド樹脂の物性については測定できなかった。
テトラカルボン酸成分としてBTDA34.16g(0.106mol)のみを使用した以外は、実施例1と同様の方法で反応を行ったが、反応中に反応容器内でゲル化した。そのため、ポリイミド樹脂の物性については測定できなかった。
テトラカルボン酸成分としてTMHQ48.58g(0.106mol)のみを使用した以外は、実施例1と同様の方法で反応を行ったが、反応中に反応容器内で樹脂が析出した。そのため、ポリイミド樹脂の物性については測定できなかった。
テトラカルボン酸成分としてTMBP56.65g(0.106mol)のみを使用した以外は、実施例1と同様の方法で反応を行ったが、反応中に反応容器内で樹脂が析出した。そのため、ポリイミド樹脂の物性については測定できなかった。
トリジンスルホン骨格ジアミン成分のTSNをBAPS45.85g(0.106mol)に変更した以外は、実施例2と同様の方法でポリイミド樹脂(比較ポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミド樹脂の溶剤溶解性、平均分子量及びポリイミドワニスの粘度の測定結果を表1に示す。得られた比較ポリイミドワニスは、室温まで冷却した2時間後にゲル化した。
実施例1〜15で得られたポリイミドワニスを、ガラス基板上にバーコーターを用いて、乾燥膜厚が40μmとなるよう塗布し、真空乾燥機内で真空下(減圧度10mmHg以下)、300℃×1時間乾燥し、室温へ冷却後、ガラス基板より剥離させ、ポリイミド成形体(フィルム)を得た。得られたポリイミド成形体(フィルム)のガラス転移温度及び線熱膨張係数の測定結果を表2に示す。また、実施例2のポリイミド樹脂のフィルムの機械特性を測定した結果、破断強度が162MPa、弾性率が4.9GPa、伸びが5%であった。この測定結果はポリイミド樹脂フィルムとして、電気部品・電子部品などに好適に用いることができる機械特性を有していることを示している。
比較例3、8で得られたポリイミドワニスを、実施例16と同様にし、ポリイミド成形体(フィルム)を得た。得られたポリイミド成形体(フィルム)のガラス転移温度及び線熱膨張係数の測定結果を表1に示す。
Claims (9)
- 反応溶媒存在下、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−ビフェニルビス(アンヒドロトリメリテート)及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸成分(A)と、
3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸成分(B)と、
下記一般式(1)で表されるトリジンスルホン骨格ジアミン成分とを、イミド化重合反応して得られる溶剤可溶性のポリイミド樹脂。
一般式(1)
- テトラカルボン酸成分(A)とテトラカルボン酸成分(B)とのモル比が(A)/(B)=5/95〜80/20の範囲である請求項1に記載のポリイミド樹脂。
- テトラカルボン酸成分(A)とテトラカルボン酸成分(B)との合計が100に対して、トリジンスルホン骨格ジアミン成分が90〜110のモル比の範囲である請求項1又は2に記載のポリイミド樹脂。
- 請求項1に記載のポリイミド樹脂及び有機溶剤を含有するポリイミドワニス。
- 請求項4に記載のポリイミドワニスを成形加工して得られるポリイミド成形体。
- ポリイミド成形体が、膜状、フィルム状又はシート状の形態である請求項5に記載のポリイミド成形体。
- ポリイミド成形体のガラス転移温度が350℃以上及び、線熱膨張係数が30ppm/K以下である請求項5又は6に記載のポリイミド成形体。
- 請求項5〜7の何れかに記載のポリイミド成形体からなるプラスチック基板。
- 請求項8に記載のプラスチック基板を備えた電気部品又は電子部品。
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