JP2010053162A - スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 難燃性および環境適合性に優れたスチレン系樹脂押出発泡体を提供する。
【解決手段】 スチレン系樹脂と発泡剤とを溶融混練してなるスチレン系樹脂組成物を押出発泡して得られるスチレン系樹脂押出発泡体であって、該発泡剤が、(イ)不燃性物理発泡剤および、(ロ)ポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性物理発泡剤、よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなり、かつ、難燃剤として、下記(i)〜(iii)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜3重量部含有することを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体。
(i)テトラブロモビスフェノールAもしくはその誘導体、(ii)臭素化イソシアヌレート、(iii)テトラブロモシクロオクタン
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性および環境適合性に優れたスチレン系樹脂押出発泡体、およびその製造方法に関する。
スチレン系樹脂押出発泡体は、良好な施工性や断熱特性から、例えば構造物の断熱材として用いられている。スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法として、押出発泡成形が公知である。この押出発泡成形は、押出機などを用いてスチレン系樹脂組成物を加熱溶融し、ついで発泡剤を添加し所定の樹脂温度に冷却し、これを低圧域に押し出すことによりスチレン系樹脂押出発泡体を連続的に製造する。
スチレン系樹脂押出発泡板は、建材分野に多く用いられ、難燃性が求められており、スチレン系樹脂発泡板の難燃剤としては、耐熱性に優れ且つ少ない添加量で難燃性を発揮することから、ヘキサブロモシクロドデカン(以下、HBCDという)が用いられてきた。ところが、HBCDは難分解性、高蓄積性を有する確率が高いという疑いがもたれ、環境上好ましくないため、その使用を規制することが検討されており、これに代わる難燃剤が所望されている。
そこで、難燃剤として、テトラブロモビスフェノールAなどのハロゲン化芳香族アリルエーテル類と、ハロゲン化環状脂肪族化合物を除くハロゲン化脂肪族化合物あるいはその誘導体とを含有するもの(特許文献1〜2参照);テトラブロモシクロオクタンを含有するもの(特許文献3)、臭素化イソシアヌレートを含有するもの(特許文献4)、等が提案されている。
ところで、これらのHBCD以外の難燃剤は、HBCDに比較して分解開始温度が高く、HBCDと同等の難燃効果を得るには、比較的多くの量を添加しなければならず、押出が不安定になったり、成形不良が頻発してしまうといった問題があった。
特開2003−301064号公報 特開2005−336317号公報 特開2003−301063号公報 特開2007−238961号公報
このような状況の下、本発明が解決しようとする課題は、難燃剤の少量添加でも優れた難燃性能を有し、また環境適合性にも優れたスチレン系樹脂押出発泡体を得る製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、発泡剤として不燃性化合物および、ポリスチレンに対するガス透過係数が10×10−11cm・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性化合物から選ばれる1種以上からなるものを使用することによって、少量の難燃剤添加量でも、優れた難燃性能を有する発泡体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、
[1]本発明は、スチレン系樹脂と発泡剤とを溶融混練してなるスチレン系樹脂組成物を押出発泡して得られるスチレン系樹脂押出発泡体であって、
該発泡剤が、(イ)不燃性物理発泡剤および、(ロ)ポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性物理発泡剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなり、かつ、
難燃剤として、下記(i)〜(iii)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜3重量部含有することを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体である。
(i)テトラブロモビスフェノールAもしくはその誘導体
(ii)臭素化イソシアヌレート
(iii)テトラブロモシクロオクタン
[2]発泡剤として、不燃性物理発泡剤の少なくとも1種および、ポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性物理発泡剤の少なくとも1種からなるものであることが、好ましい。
[3]不燃性物理発泡剤としては、二酸化炭素および水よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
[4]可燃性物理発泡剤としては、ジメチルエーテルが好ましい。
[5]上記スチレン系樹脂押出発泡体は、JIS A9511に規定された燃焼性試験において測定方法Aに合格することが、好ましい。
[6]上記スチレン系樹脂押出発泡体は、熱伝導率が0.040W/mK以下であることが好ましい。
[7]上記スチレン系樹脂押出発泡体は、発泡体密度が20〜60Kg/mであることが好ましい。
[8]上記スチレン系樹脂押出発泡体は、厚みが10〜150mmであることが好ましい。
[9]スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法は、スチレン系樹脂からなる原料樹脂と発泡剤とを溶融混練してなるスチレン系樹脂組成物を押出発泡して得られるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、
該発泡剤が、(イ)不燃性物理発泡剤および、(ロ)ポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm3・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性物理発泡剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなり、かつ、
難燃剤として、下記(i)〜(iii)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜3重量部含有することを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法である。
(i)テトラブロモビスフェノールAもしくはその誘導体
(ii)臭素化イソシアヌレート
(iii)テトラブロモシクロオクタン
本発明によれば、難燃剤の少量添加でも優れた難燃性を有し、かつ環境適合性にも優れたスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、本実施の形態は本発明の一部にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、発泡剤が不燃性化合物および、ポリスチレンに対するガス透過係数が10×10−11cm・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性化合物から選ばれる少なくとも1種からなり、かつ、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン以外のハロゲン系難燃剤または非ハロゲン系難燃剤を含むことを特徴とする。
本発明で用いられるスチレン系樹脂としては、特に限定はなく、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等のスチレン系単量体の単独重合体または2種以上の単量体の組み合わせからなる共重合体や、前記スチレン系単量体とジビニルベンゼン、ブタジエン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの単量体の少なくとも1種を共重合させた共重合体などが挙げられる。スチレン系単量体と共重合させるアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの単量体は、製造されるスチレン系樹脂押出発泡体の圧縮強度等の物性を低下させない程度の量を用いることができる。また、本発明に用いるスチレン系樹脂は、前記スチレン系単量体の単独重合体または共重合体に限られず、前記スチレン系単量体の単独重合体または共重合体と、前記他の単量体の単独重合体または共重合体とのブレンド物であってもよく、ジエン系ゴム強化ポリスチレンやアクリル系ゴム強化ポリスチレンをブレンドすることもできる。さらに、本発明のスチレン系樹脂は、メルトフローレート(以下MFR)、成形加工時の溶融粘度、溶融張力などを調整する目的で、分岐構造を有するスチレン系樹脂であってもよい。
本発明におけるスチレン系樹脂としては、MFRが0.1〜50g/10分のものを用いることが、押出発泡成形する際の成形加工性に優れ、成形加工時の吐出量、得られた熱可塑性樹脂発泡体の厚みや幅、密度または独立気泡率を所望の値に調整しやすく、発泡性(発泡体の厚みや幅、密度、独立気泡率、表面性などを所望の状況に調整しやすいほど、発泡性が良い)、外観などに優れた熱可塑性樹脂発泡体が得られると共に、圧縮強度、曲げ強度または曲げたわみ量といった機械的強度や、靱性などの特性のバランスがとれた、熱可塑性樹脂発泡体が得られる点から好ましい。さらに、スチレン系樹脂のMFRは、成形加工性および発泡性に対する機械的強度、靱性などのバランスの点から、0.3g/10分以上30g/10分以下がさらに好ましく、0.5g/10分以上20g/10分以下が特に好ましい。
なお、本発明においてMFRは、JIS K7210(1999年)のA法、試験条件Hにより測定される。
本発明においては、前述されたスチレン系樹脂のなかでも、経済性・加工性の面からポリスチレン樹脂が特に好適に使用することができる。また、押出発泡体により高い耐熱性が要求される場合には、スチレン‐アクリロニトリル共重合体、(メタ)アクリル酸共重合ポリスチレン、無水マレイン酸変性ポリスチレンを用いることが好ましい。また、押出発泡体により高い耐衝撃性が求められる場合には、ゴム強化ポリスチレンを用いることが好ましい。
これらスチレン系樹脂は、単独で使用してもよく、また、共重合成分、分子量や分子量分布、分岐構造、MFRなどの異なるスチレン系樹脂を2種以上混合して使用してもよい。
本発明に用いられる発泡剤は、(イ)不燃性物理発泡剤および、(ロ)ポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性物理発泡剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種、からなる発泡剤である。発泡剤として、上記のものを使用することにより、発泡体中に可燃性ガスが残存せず、優れた難燃性を発現させることができる。
ここで、ガス透過係数はJIS K7126−1「プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第1部:差圧法」またはJIS K7126−2プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第2部:等圧法」に準じて測定される。
発泡剤としての(イ)不燃性物理発泡剤としては、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、空気、水等が挙げられ、これらの中でも、スチレン系樹脂への相溶性や発泡体の密度を低減させやすさの観点から、二酸化炭素、水が好ましい。
発泡剤としての(ロ)ポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性物理発泡剤としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、塩化メチル、塩化エチル等が挙げられ、これらの中でも、環境適合性等の観点から、ジメチルエーテルが好ましい。可燃性物理発泡剤化合物のポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm/(cm・s・cmHg)未満の場合には、発泡体に可燃性ガスが残留し、結果として発泡体の難燃性が悪化する傾向がある。
本発明においては、スチレン系樹脂に対する発泡剤の全使用量は、スチレン系樹脂組成物100重量部に対して、4〜10重量部とすることが好ましい。このうち、不燃性物理発泡剤はスチレン系樹脂組成物100重量部に対して、2〜6重量部とすることが好ましく、2〜4重量部がより好ましい。また、ポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm・cm/(cm2・s・cmHg)以上である可燃性物理発泡剤は、スチレン系樹脂組成物100重量部に対して、2〜8重量部とすることが好ましく、 2.5〜4重量部がより好ましいい。発泡剤の使用量を上記範囲にすることにより、難燃性に優れた発泡体を安定して製造することができる。
本発明において、発泡剤として水を用いる場合には、安定して押出発泡成形を行うために、吸水性物質を添加することが好ましい。吸水性物質とは、それ自体が水を吸水するもの、吸収するもの、吸着するもの、水によって膨潤するもの、または、水と反応し水和物を形成する化合物をいう。吸水性物質は、スチレン系樹脂に対して相溶性の低い水を吸収、吸着、あるいは反応してゲルを形成し、ゲルの状態でスチレン系樹脂中に均一に分散するため、押出発泡体に気孔やボイドが生ずることなく、安定した押出発泡成形が実現されると考えられる。
本発明に用いられる吸水性物質の具体例としては、表面にシラノール基を有する無水シリカ(酸化ケイ素)[例えば、日本アエロジル(株)製AEROSILなどが市販されている]などのように表面に水酸基を有する粒子径1000nm以下の微粉末、スメクタイト、膨潤性フッ素雲母などの吸水性あるいは水膨潤性の層状珪酸塩並びにこれらの有機化処理品;ゼオライト、活性炭、アルミナ、シリカゲル、多孔質ガラス、活性白土、けい藻土などの多孔性物質;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウム、などの硫酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウムなどの炭酸塩;リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、などのリン酸塩、クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、乳酸カルシウム、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸カリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化バリウムなどの金属塩、酸化ホウ素、ホウ酸ナトリウムなどのホウ素化合物、ポリアクリル酸塩系重合体、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ビニルアルコール−アクリル酸塩系共重合体、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリアクリロニトリル−メタクリル酸メチル−ブタジエン系共重合体、ポリエチレンオキサイド系共重合体およびこれらの誘導体などの吸水性高分子などが挙げられる。吸水性物質は、単独で使用してもよく、2種以上を併用しても良い。
本発明で用いられる吸水性物質の量は、水の添加量などによって、適宜調整されるものであるが、組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部である。好ましくは0.1〜8重量部、さらに好ましくは0.2〜7重量部である。吸水性物質の含有量が0.1重量部未満の場合、吸水性物質による水の分散安定化効果が不足し、押出機内で水の分散不良による気孔、ボイドが発生し発泡体の不良につながる場合がある。一方、10重量部をこえる場合、押出機内で吸水性物質の分散不良が発生し、気泡むらができ、発泡体の不良につながる場合があり、発泡体の断熱性能の悪化、品質のばらつきなどが大きくなるなどの問題が生じる場合がある。
本発明において、例えば建築用断熱材のようなスチレン系樹脂押出発泡体の用途における要求に応えるために、スチレン系樹脂に難燃剤が添加される。
本発明に用いられる難燃剤としては、環境適合性の観点から、ヘキサブロモシクロドデカン以外のハロゲン系難燃剤;リン酸エステル系化合物、窒素含有化合物等の非ハロゲン系難燃剤などが挙げられる。
ハロゲン難燃剤としては、具体的には、例えば、(a)テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジメタリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルのトリブロモフェノール付加物、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールSビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS、などの臭素化ビスフェノール類およびその誘導体、(b)ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモベンジルブロマイド、ビス(2,4,6ートリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモ無水フタル酸、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ペンタブロモベンジルアクリレート、トリブロモフェニルアリルエーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテルなどの臭素化芳香族化合物あるいはその誘導体、(c)モノ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、ジ(2,3−ジブロモプロピルイソシアヌレート)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、モノ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート、ジ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート、トリス(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレートなどの臭素化イソシアヌレートあるいはエチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)1,3,5−トリアジンなどの臭素および窒素原子含有化合物、(d)テトラブロモエタン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ジブロモジメチルヘキサン、2−(ブロモメチル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルアルコール、ペンタエリスリチルテトラブロミド、モノブロモジペンタエリスリトール、ジブロモジペンタエリスリトール、トリブロモジペンタエリスリトール、テトラブロモジペンタエリスリトール、ペンタブロモジペンタエリスリトール、ヘキサブロモジペンタエリスリトール、ヘキサブロモトリペンタエリスリトール、ポリブロム化ポリペンタエリスリトール、などの臭素化脂肪族化合物あるいはその誘導体、あるいは臭素化脂環式化合物あるいはその誘導体、(e)テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロモ化ビスフェノール付加物エポキシオリゴマーなどの臭素化ビスフェノール類誘導体オリゴマー、(f)ペンタブロモベンジルアクリレートポリマーなどの臭素化アクリル樹脂、(g)トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(ブロモフェニル)ホスフェートなどの臭素および燐原子含有化合物、(h)塩素化パラフィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカン、塩素化芳香族化合物、塩素化脂環式化合物、などの塩素含有化合物、(i)臭化アンモニウムなどの臭素化無機化合物、などが挙げられる。これらの化合物は、単独または2種以上を混合して使用できる。さらには、本発明におけるスチレン系樹脂の1種である臭素化ポリスチレン樹脂も、難燃剤として用いることができる。
これらの中でも、難燃性、押出・成形時の安定性の観点から、(i)テトラブロモビスフェノールAもしくはその誘導体、(ii)臭素化イソシアヌレート、(iii)テトラブロモシクロオクタンの少なくとも1種を含むことが、より好ましい。
本発明における難燃剤のスチレン系樹脂発泡体中における含有量は、スチレン系樹脂100重量部に対し、0.2〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。難燃剤の含有量が0.2重量部未満では、発泡体として、目的とする難燃性などの良好な諸特性が得られがたい傾向があり、一方、5重量部を超えると、得られる発泡体の耐熱性や表面性、発泡体製造時の安定性などを逆に損う場合がある。但し、難燃剤の含有量は、JIS A9511測定方法Aに規定される難燃性が得られるように、発泡剤添加量、発泡体密度、難燃相乗効果を有する添加剤などの種類あるいは添加量などに合わせて、適宜調整されることがより好ましい。
本発明において、スチレン系樹脂発泡体の難燃性を向上させる目的で、上述した難燃剤と相乗効果を示す難燃助剤を添加しても良い。難燃剤と相乗効果を示す難燃助剤としては、含鉄化合物、含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物、含硫黄化合物などが挙げられ、具体的には、酸化鉄や含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物、含硫黄化合物(芳香族スルホン酸系化合物)などを用いれば良い。これらの中でも難燃性の観点から、含鉄化合物として酸化鉄、含燐化合物としてトリフェニルホスフェートやトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、含窒素化合物としてシアヌル酸やイソシアヌル酸およびこれらの誘導体、含ホウ素化合物として酸化ホウ素、含硫黄化合物としてスルファニル酸およびこの誘導体が最も好ましい。なお、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導体としては、例えば、特開2002−30174号公報([0069]段落〜[0079]段落)記載のものを用いることができる。
ハロゲン難燃剤と相乗効果を示す難燃助剤の含有量は、ハロゲン難燃剤と相乗効果を示す難燃助剤の種類にもよるが、スチレン系樹脂100重量部に対し、0.0001〜5重量部が好ましい。
本発明においては、さらに、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で種々のシリカ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、前記以外の難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を含有されてもよい。
スチレン系樹脂に各種添加剤を添加する手順として、例えば、スチレン系樹脂に対して各種添加剤を添加して混合した後、押出機に供給して加熱溶融し、更に発泡剤を添加して混合する手順が挙げられるが、各種添加剤をスチレン系樹脂に添加するタイミングや混練時間は特に限定されない。
スチレン系樹脂の加熱温度は、使用されるスチレン系樹脂が溶融する温度以上であればよいが、添加剤などの影響による樹脂の分子劣化ができる限り抑制される温度、例えば150〜260℃程度が好ましい。溶融混練時間は、単位時間当たりのスチレン系樹脂の押出量や溶融混練手段として用いる押出機の種類により異なるので一義的に規定することはできず、スチレン系樹脂と発泡剤や添加剤とが均一に分散混合されるに要する時間として適宜設定される。
溶融混練手段としては、例えばスクリュー型の押出機などが挙げられるが、通常の押出発泡に用いられるものであれば特に制限されない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるためには、押出機のスクリュー形状を低せん断タイプのものとすることが好ましい。
発泡成形方法は、例えば、押出整形用に使用される開口部が直線のスリット形状を有するスリットダイを通じて、高圧領域から低圧領域へ開放して得られた押出発泡体を、スリットだいと密着又は接して設置された成形金型、及び該成形金型の下流側に隣接して設置された成形ロールなどを用いて、断面積の大きい万丈発泡体を成形する方法が用いられる。成形金型の流動面形状調整および金型温度調整によって、所望の発泡体の断面形状、発泡体の表面性、発泡体品質が得られる。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、例えば建築用断熱材や保冷庫用または保冷車用の断熱材として機能することを考慮すると、JIS A9511に準じて測定される熱伝導率が0.040W/mK以下であることが好ましい。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、例えば建築用断熱材や保冷庫用又は保冷車用の断熱材として機能することを考慮した断熱性および、軽量性の観点から、発泡体の密度が20〜65kg/mであることが好ましく、より好ましくは25〜55kg/mである。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体における厚みは特に限定はないが、例えば建築用断熱材や保冷庫用又は保冷車用の断熱材として機能することを考慮した断熱性、曲げ強度及び圧縮強度の観点から、10〜150mmであることが好ましく、より好ましくは15〜120mmであり、特に好ましくは20〜100mmである。
かくして、本発明により、優れた断熱性を有し、スチレン系樹脂押出発泡体を容易に得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明が以下の実施例に限定されないことは勿論である。また、以下の実施例および比較例においては、特に断られない限り、「%」は「重量%」を表すものとする。
実施例1〜実施例9、比較例1〜比較例3について、以下の手法に従って発泡体密度、独立気泡率、残存発泡剤量、熱伝導率、気泡径分布を評価した。
また、発泡剤のガス透過係数については、JIS K7126−2に準拠して、等圧式ガス透過度テスター(スイスDR.LYSSY製、GPM−200型)、ガスクロマトグラフ(日立製作所製、663−30型)を用いた。
(1)押出安定性・成形性
押出発泡時の安定性・成形性を下記の基準で評価した。
○:得られる発泡体に幅、厚みの変化、金型での圧力、押出機モーター電流の変動はほとんど見られない。
△:得られる発泡体に幅、厚みの変化、金型での圧力、押出機モーター電流の変動はほとんど見られる。
×:得られる発泡体に幅、厚みの変化、金型での圧力、押出機モーター電流の変動が大きく押出発泡成形が困難である。
(2)発泡体外観
発泡体の外観は以下の基準で評価した。
○:断面に未発泡樹脂塊および、ボイドがなく、かつ表面にシワおよび突起がほとんどない。
△:断面に未発泡樹脂塊および/ボイドがなく、および/または表面にシワおよび突起が少量存在する。
×:断面に未発泡樹脂塊およびボイドが多量に存在する、および/または、表面にシワおよび突起が顕著に存在する。
(3)発泡体全体密度(kg/m
スチレン系樹脂押出発泡体を約300mm(押出方向)×100mm(幅方向)×30mm(厚み方向)の直方体形状に切り出して重量を測定するとともに、ノギスで、縦寸法、横寸法、高さ寸法を測定した。測定された重量及び各寸法から以下の式に基づいて発泡体密度を求め、単位をkg/mに換算した。
発泡体全体密度(g/cm)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm
基づいて求め、単位をkg/mに換算して示した。
(4)熱伝導率(W/mK)
製造後30日経過したスチレン系樹脂押出発泡体の熱伝導率をJIS A9511に準じて測定した。
(5)発泡体燃焼性
JIS−A−9511に準じて測定した。製造したサンプルを室内に保管し、製造後7日経過した発泡体について測定を行った。3秒以内に炎が消えて、残じんがなく燃焼限界指示線を超えて燃焼しないとの基準を満たしておれば、○(合格)とし、この基準に達しない場合は、×(不合格)とした。
(実施例1)
ポリスチレン樹脂[PSジャパン(株)製、商品名:680]100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤でテトラブロモビスフェノールA誘導体であるテトラブロモビスフェノールAビス(2−メチルアリルエーテル)(以下、難燃剤ia)2重量部、併せて、吸水剤としてベントナイト[株式会社ホージュン製、商品名:ベンゲルブライト11]0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム[堺化学工業株式会社製、商品名:ステアリン酸バリウム]0.25重量部をドライブレンドした。
得られた樹脂混合物を、口径65mmの単軸押出機(第一押出機)と口径90mmの単軸押出機(第二押出機)を直列に連結したタンデム型二段押出機へ、40〜45kg/hrの割合で供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、不燃性化合物である二酸化炭素3重量部、水1重量部および、可燃性化合物であるジメチルエーテル(ポリスチレンに対するガス透過係数:33×10−11cmcm/(cm・s・cmHg))2重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら、樹脂温度を120〜130℃に冷却した後、冷却機の先端に設けたスリットダイより大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ40mm、幅150mmである断面形状の押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「○」、発泡体の外観の評価は「○」であった。得られた押出発泡体の密度は29kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.036W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていた。結果を、表1に示す。
(実施例2)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤でテトラブロモビスフェノールA誘導体であるテトラブロモビスフェノールAビス(2,3ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)(以下難燃剤ib)2重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「○」、発泡体の外観の評価は「○」であった。得られた押出発泡体の密度は30kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.037W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていた。結果を、表1に示す。
(実施例3)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤でテトラブロモビスフェノールA誘導体であるテトラブロモビスフェノールAビス(アリルエーテル)(以下、難燃剤ic)2重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「○」、発泡体の外観の評価は「○」であった。得られた押出発泡体の密度は28kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.039W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていた。結果を、表1に示す。
(実施例4)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤でテトラブロモビスフェノールA誘導体であるテトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(以下、難燃剤id)2重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「○」、発泡体の外観の評価は「○」であった。得られた押出発泡体の密度は29kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.038W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていた。結果を、表1に示す。
(実施例5)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、難燃剤ia・1重量部および難燃剤ib・1重量部使用した以外は、実施例1と同様にして押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「○」、発泡体の外観の評価は「○」であった。得られた押出発泡体の密度は27kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.037W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていた。結果を、表1に示す。
(実施例6)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤で臭素化イソシアヌレートであるトリス(2,3ジブロモプロピル)イソシアヌレート(以下、難燃剤ii)2重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「○」、発泡体の外観の評価は「○」であった。得られた押出発泡体の密度は30kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.035W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていた。結果を、表1に示す。
(実施例7)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤のテトラブロモシクロオクタン2重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「○」、発泡体の外観の評価は「○」であった。得られた押出発泡体の密度は31kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.035W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていた。結果を、表1に示す。
(実施例8)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、発泡剤として、二酸化炭素3重量部および、可燃性化合物の塩化メチル(ポリスチレンに対するガス透過係数:72×10−11cmcm/(cm・s・cmHg))5重量部を圧入した以外は、実施例5と同様にして押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「○」、発泡体の外観の評価は「○」であった。得られた押出発泡体の密度は28kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.034W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていた。結果を、表1に示す。
(実施例9)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、発泡剤として、二酸化炭素4重量部、ジメチルエーテル2重量部を圧入した以外は、実施例5と同様にして押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「○」、発泡体の外観の評価は「○」であった。得られた押出発泡体の密度は35kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.033W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていた。結果を、表1に示す。
(比較例1)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、発泡剤として、水1重量部、ジメチルエーテル3重量部および、可燃性化合物であるブタン(ポリスチレンに対するガス透過係数:0.01×10−11cmcm/(cm・s・Pa))3重量部を圧入した以外は、実施例1と同様にして押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「○」、発泡体の外観の評価は「○」であった。得られた押出発泡体の密度は31kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.028W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていなかった。結果を、表1に示す。
(比較例2)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤のヘキサブロモシクロドデカン2重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして押出発泡板を得た。
押出安定性・成形性の評価は「△」、発泡体の外観の評価は「△」であった。得られた押出発泡体の密度は31kg/mであり、JIS A9511に準じて測定された熱伝導率が0.036W/mKであった。燃焼性についてはJIS A9511の基準を満たしていた。結果を、表1に示す。
(比較例3)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、難燃剤iaを6重量部使用した以外は、実施例1と同様にして押出発泡板を得た。
押出中、多量の難燃剤添加に起因する吐出変動および成形の不安定がみられ、押出安定性・成形性の評価は「×」であった。得られた押出発泡体は難燃剤分解に起因する樹脂劣化による変色がみられ、また、気孔・ボイドを多数有する粗悪な発泡体であり、密度・熱伝導率・燃焼性を評価できる成形体は得られなかった。結果を、表1に示す。

Claims (9)

  1. スチレン系樹脂と発泡剤とを溶融混練してなるスチレン系樹脂組成物を押出発泡して得られるスチレン系樹脂押出発泡体であって、
    該発泡剤が、(イ)不燃性物理発泡剤および(ロ)ポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性物理発泡剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなり、かつ、
    難燃剤として、下記(i)〜(iii)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜3重量部含有することを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体。
    (i)テトラブロモビスフェノールAもしくはその誘導体
    (ii)臭素化イソシアヌレート
    (iii)テトラブロモシクロオクタン
  2. 発泡剤が、不燃性物理発泡剤の少なくとも1種および、ポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性物理発泡剤の少なくとも1種からなるものであることを特徴とする、請求項1に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  3. 不燃性物理発泡剤が、二酸化炭素および水よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  4. 可燃性物理発泡剤がジメチルエーテルである、請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  5. 上記スチレン系樹脂押出発泡体のJIS A9511に規定された燃焼性試験において測定方法Aに合格する、請求項1〜4のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  6. 上記スチレン系樹脂押出発泡体の熱伝導率が0.040W/mK以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  7. 上記スチレン系樹脂押出発泡体の発泡体密度が20〜60Kg/mである、請求項1〜6のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  8. 上記スチレン系樹脂押出発泡体の厚みが10〜150mmである、請求項1〜7のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  9. スチレン系樹脂からなる原料樹脂と発泡剤とを溶融混練してなるスチレン系樹脂組成物を押出発泡して得られるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、
    該発泡剤が、(イ)不燃性物理発泡剤および、(ロ)ポリスチレンに対するガス透過係数が5×10−11cm・cm/(cm・s・cmHg)以上である可燃性物理発泡剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなり、かつ、
    難燃剤として、下記(i)〜(iii)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜3重量部含有することを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
    (i)テトラブロモビスフェノールAもしくはその誘導体
    (ii)臭素化イソシアヌレート
    (iii)テトラブロモシクロオクタン
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