JP2010052957A - ナノカーボン生成炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】還元雰囲気の加熱炉容器11と、加熱炉容器の外周部に配置された加熱源13と、加熱炉容器の上流側に配置され,加熱炉容器内に炭化水素と微量の金属触媒粉とを混合噴霧する炭化水素・触媒混合噴霧ノズル15と、加熱炉容器の下流側に配置された生成ナノカーボン排出ノズル18とを具備し、炭化水素・触媒混合噴霧ノズル15より金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素を連続的に或いは間欠的に噴霧することにより加熱炉容器内で反応させてナノカーボンを成長させ、成長した生成ナノカーボンを排出ノズルにより排出することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
アーク放電法は、正負のグラファイト電極間にアーク放電を起こすことでグラファイトが蒸発し、陰極先端に凝縮したカーボンの堆積物の中にカーボンナノチューブが生成される方法である(例えば、特許文献1参照)。レーザー蒸着法は、高温に過熱した不活性ガス中に金属触媒を混合したグラファイト試料を入れ、レーザー照射することによりカーボンナノチューブを生成する方法である(例えば、特許文献2参照)。
一般に、アーク放電法やレーザー蒸発法では結晶性の良いカーボンナノチューブが生成できるが、生成するカーボンナノチューブの量が少なく大量生成に難しいとされる。
(1).本発明のナノカーボン生成炉は、上述したように、還元雰囲気の加熱炉容器と、この加熱炉容器の外周部に配置された加熱源と、前記加熱炉容器の上流側に配置され,加熱炉容器内に炭化水素と微量の金属触媒粉とを混合噴霧する炭化水素・触媒混合噴霧ノズルと、前記加熱炉容器の下流側に配置された生成ナノカーボン排出ノズルとを具備し、炭化水素・触媒混合噴霧ノズルより金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素を連続的に或いは間欠的に噴霧することにより加熱炉容器内で反応させてナノカーボンを成長させ、成長した生成ナノカーボンを前記排出ノズルにより排出することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による縦型方式のナノカーボン生成炉の概略図である。 図中の符番11は、還元雰囲気の縦型の加熱炉容器(内筒)を示す。この加熱炉容器11の内面には、円筒状の金属基板12が密着して配置されている。この金属基板12には触媒の機能を持たせることも可能であり、例えば、鉄基板とすることでこの基板に触媒機能を持たせることができる。但し、本発明においては、加熱炉容器11の上流側に加熱炉容器11内に炭化水素と微量の金属触媒粉とを混合噴霧する炭化水素・触媒混合噴霧ノズル15が配置され,ここから金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素を注入され、注入する炭化水素中には微量の金属触媒粉を混合しているため、金属基板12は常時金属触媒の機能を保持する必要はない。この金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素中に混合する金属触媒粉は、ナノカーボン生成の核としての機能を持たせるために微量混合すればよく、炭化水素に比べて十分に微量なレベルである。金属触媒粉は、炭化水素との混合に際しては炭化水素が液体である場合、例えば炭化水素液中に微量の金属触媒粉を注入し、攪拌、混合させることで、炭化水素液中に注入した金属触媒粉が十分に均一に拡散されて混合させる。
まず、ナノカーボン生成炉10内の上流側から金属触媒粉混合炭化水素を金属触媒粉混合炭化水素注入ノズル15から金属触媒粉混合炭化水素分散メッシュ16を経由して連続的に或いは間欠的に噴霧する。これにより、ナノカーボン生成炉10内の加熱炉容器11内面に密着して配置した金属基板12上、或いは、前記加熱炉容器11内面で反応させてナノカーボン17を成長させる。ナノカーボン生成炉10内の上部で噴霧された金属触媒粉混合炭化水素は、ナノカーボン生成炉10内の加熱炉容器11内面に配置した金属基板12上、或いは、前記加熱炉容器11内面で反応させてナノカーボン17が成長する。
図2は、本発明の第2の実施形態による縦型方式のナノカーボン生成炉の概略図である。なお、図1と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番21は、駆動軸回転モータ22より回転する回転駆動軸である。この回転駆動軸22には、金属基板12上、或いは、前記加熱炉容器11内面で成長した生成ナノカーボン17を掻き取る板状の掻取り羽根23a,及び掻き落としたナノカーボン17を更に排出ノズル18から確実に下部側に落とすための掻取り羽根23bが夫々加熱炉容器11と同心円状に取り付けられている。ここで、回転駆動軸21,駆動軸回転モータ22及び掻取り羽根23a,23bを総称して掻取り機構24と呼ぶ。掻取り羽根23a,23bは、その最外側寄りの縁が円筒状の金属基板12上、或いは、前記加熱炉容器11内面の表面から僅かに均一な距離を離して回転するように構成されている。従って、掻取り羽根23a,23bは、円筒状の金属基板12上、或いは、前記加熱炉容器11内面の表面近傍に生成したナノカーボン17のみを掻き落とすようになっている。
まず、金属基板12上、或いは、前記加熱炉容器11内面の表面近傍では、金属触媒粉混合炭化水素注入ノズルから注入、噴霧された金属触媒粉が核となる。この金属触媒粉は、注入、噴霧された炭化水素と高温状態で反応し、気相成長法によりナノカーボン17が生成、成長する。掻き取り機構24は常時回転させることも可能である。しかし、生成、成長したナノカーボン17を頻繁に掻き取ると、ナノカーボンの回収量が低下し、金属表面を掻き取ることで、金属触媒粒子も同伴するようになりナノカーボンの含有金属量も増加する。この為、掻き取り機構24は常時駆動させず、金属基板12上、或いは、前記加熱炉容器11内面の表面近傍である程度ナノカーボン17が成長した段階で回転させるようにするのが効果的である。
また、ナノカーボン生成炉10の下部側に位置する回転駆動軸21に掻取り羽根23bを設けるため、ブリッジしやすいナノカーボン生成炉10下部の生成ナノカーボン排出ノズル18近傍表面を掻き取ることができるようにもすることで、生成ナノカーボンの掻き取り、掻き落としと同時に生成ナノカーボンの排出ブリッジ防止も効果的に行うことができる。
本発明の第3の実施形態による縦型方式のナノカーボン生成炉は、図2の生成炉と比較して基本的な構成は同じであるので、図2を利用して説明する。
第3の実施形態に係るナノカーボン生成炉は、炭化水素と混合噴霧する微量の金属触媒粉の材質を鉄とし、前記加熱炉容器内面の表面温度は、微量の金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素を連続的に或いは間欠的に噴霧する状態で550〜700℃の範囲に設定したことを特徴とする。
図3は、本発明の第4の実施形態に係る縦型方式のナノカーボン生成炉の概略図である。なお、図1,2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番31は、液体又は気体の状態の炭化水素を生成炉内に噴霧する為の金属触媒粉混合炭化水素注入ノズルを示す。また、符番32は、液体又は気体の状態の金属触媒粉混合炭化水素を通す為の金属触媒粉混合炭化水素分散メッシュを示す。
図4は、本発明の第5の実施形態に係る縦型方式のナノカーボン生成炉の概略図である。なお、図1,2、3と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番33は、液体の状態の金属触媒粉混合炭化水素を生成炉内に噴霧する為の金属触媒粉混合炭化水素注入ノズルを示す。また、符番34は、電気ヒータ13の直近まで下げられた、液体の状態の金属触媒粉混合炭化水素を通す為の金属触媒粉混合炭化水素分散メッシュを示す。
図5は、本発明の第6の実施形態に係る縦型方式のナノカーボン生成炉の概略図である。なお、図1,2、3、4と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番35は、酸成分を含む金属触媒粉混合炭化水素を生成炉内に噴霧する為の金属触媒粉混合炭化水素注入ノズルを示す。また、符番36は、電気ヒータ13の直近まで下げられた、酸成分を含む金属触媒粉混合炭化水素を通す為の炭化水素分散メッシュを示す。
図6は、本発明の第7の実施形態に係る縦型方式のナノカーボン生成炉の概略図である。なお、図1,2、3、4、5と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番37は、ナノカーボン生成炉内に水素を連続的に或いは間欠的に注入するための水素注入ノズルを示し、金属触媒粉混合炭化水素注入ノズル15の近くに配置されている。
図6のナノカーボン生成炉は、還元雰囲気のナノカーボン生成炉10の加熱炉容器11内に噴霧する金属触媒粉混合炭化水素を金属触媒粉混合炭化水素注入ノズル15から噴霧するだけでなく、水素も水素注入ノズル37から噴霧することで金属触媒粉を活性化させることを特徴とする。
図8は、本発明の第8の実施形態に係る縦型方式のナノカーボン生成炉の概略図である。なお、図1,2、3、4、5、6と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番38は、ナノカーボン生成炉内に水蒸気を連続的に或いは間欠的に注入するための水蒸気注入ノズルを示し、金属触媒粉混合炭化水素注入ノズル15の近くに配置されている。
図7は、本発明の第9の実施形態に係る縦型方式のナノカーボン生成炉である。なお、図1,2、3、4、5、6、7と同部材は同符番を付して説明を省略する。
第9の実施形態に係るナノカーボン生成炉は、図7に示すように、加熱炉容器11内の表面と掻き落とし機構24の一構成である掻取り羽根23aの縁部との隙間距離Δaを調整可能としたことを特徴とする。
1)加熱炉容器11の内面を均一に掻き取る構造に合わせて、掻き落とし機構24は掻取り羽根23aの根元を回転駆動軸21にねじを取り付け、このねじを回転させることでアーム長さH(回転駆動軸21の中心と掻取り羽根23aの縁部間の距離)を微調整する方法。
2)掻き落とし機構24の掻取り羽根23aの回転駆動軸21側に掻取り羽根23a取り付け冶具51を設置し、その取り付け冶具設置51の高さhを調整することでアーム長さHを微調整する方法。
3)掻取り羽根23aのアームの角度を微調整することでアーム長さHを微調整する方法。
4)掻取り羽根23aの先端の角度を微調整することで加熱炉容器11内表面と掻き落とし棒との隙間距離Δaを微調整する方法。
図9は、本発明の第10の実施形態に係る縦型方式のナノカーボン生成炉の概略図である。なお、図1,2,8と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番39は、ナノカーボン生成炉10内の前記加熱炉容器11内面の表面温度
T1を計測する第1の表面温度計であり、符番40は掻取り機構24の一構成である掻取り羽根23aの縁部の温度T2を計測する第2の表面温度計である。なお、図中の符番41は熱電対を示す。図9のナノカーボン生成炉10は、こうした表面温度計39,40によりナノカーボン生成炉10内の前記加熱炉容器11内面の表面温度を、金属触媒粉混合炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で550〜700℃の範囲に正確に設定できるようにすることを特徴とする。
図10は、本発明の第11の実施形態に係る縦型方式のナノカーボン生成炉の概略図である。なお、図1,2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番41,42は、生成ナノカーボン排出ノズル18の下部に夫々設けられた上部ダンパー、下部ダンパーを示す。下部ダンパー42の下部には、生成ナノカーボンを収容するナノカーボン回収容器43が配置されている。
また、ナノカーボン生成炉の内部は運転中、還元雰囲気を確保しなくてはならず、外部との気密性を十分確保する為のシール構造等について考慮すべきことは言うまでもない。 更に、ナノカーボン生成炉の下部にはロータリーバルブ等を設置することで下部に落ちた生成ナノカーボンを安定的に払い出すことも可能であるが、その場合も、外部とのシール性能を高める為に、下部に上下2段のダブルダンパー(上部ダンパー、下部ダンパー)を設置し、その下部にナノカーボン回収容器等を設置して回収するようにする。
第12の実施形態に係る縦型方式のナノカーボン生成炉は、図10のナノカーボン生成炉と基本的に同じ構成であるので、図10を参照して説明する。なお、図1,2,10と同部材は同符番を付して説明を省略する。
第12の実施形態では、金属触媒粉混合炭化水素中に微量混合させる金属触媒粉は、鉄の純度の高い鉄粉もしくは鉄を含んだ炭素鋼の高い鉄粉であることを特徴とする。
Claims (12)
- 還元雰囲気の加熱炉容器と、この加熱炉容器の外周部に配置された加熱源と、前記加熱炉容器の上流側に配置され,加熱炉容器内に炭化水素と微量の金属触媒粉とを混合噴霧する炭化水素・触媒混合噴霧ノズルと、前記加熱炉容器の下流側に配置された生成ナノカーボン排出ノズルとを具備し、炭化水素・触媒混合噴霧ノズルより金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素を連続的に或いは間欠的に噴霧することにより加熱炉容器内で反応させてナノカーボンを成長させ、成長した生成ナノカーボンを前記排出ノズルにより排出することを特徴とするナノカーボン生成炉。
- 前記加熱炉容器内で生成、成長したナノカーボンを掻き取る掻取り機構は前記加熱炉容器の内面近傍を掻き取るように配置され、この掻取り機構により加熱炉容器の内面に成長したナノカーボンを掻き落とすことを特徴とする請求項1記載のナノカーボン生成炉。
- 前記炭化水素と混合噴霧する微量の金属触媒粉の材質は鉄であり、前記加熱炉容器内面の表面温度は、微量の金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素を連続的に或いは間欠的に噴霧する状態で550〜700℃の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1若しくは2に記載のナノカーボン生成炉。
- 前記加熱炉容器内に噴霧する微量の金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素は加熱炉容器内で加熱してガス状態とし、前記加熱炉容器の内面の表面温度の温度を下げずに均一に噴霧されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のナノカーボン生成炉。
- 前記加熱炉容器内に噴霧する微量の金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素は、ガス状態で噴霧するだけでなく、液体状態で噴霧して加熱炉容器内で気化させることにより加熱炉容器内で反応させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のナノカーボン生成炉。
- 前記加熱炉容器内に噴霧する微量の金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素は液体状態で加熱炉容器内に噴霧するようにし、その液体の金属触媒粉混合炭化水素には酸成分を含み、金属触媒粉表面から金属の微粒子が腐食して剥離しやすくすることで、金属触媒粉表面での反応を促進させることを特徴とする請求項5に記載のナノカーボン生成炉。
- 前記加熱炉容器内に微量の金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素炭化水素を噴霧するだけでなく、水素も噴霧することで前記加熱炉容器のガスを活性化させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載のナノカーボン生成炉。
- 前記加熱炉容器内に微量の金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素炭化水素を噴霧するだけでなく、水蒸気も噴霧することで前記加熱炉容器内のガスを活性化させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載のナノカーボン生成炉。
- 前記掻取り機構は、加熱炉容器の内面は中心軸を中心に同心円状とし、その中心軸を中心に加熱炉容器内で掻取り部材を回転させ、かつ前記加熱炉容器内面と掻取り部材との隙間距離を調整できるような構成であることを特徴とする請求項2に記載のナノカーボン生成炉。
- 前記加熱炉容器内面の表面温度は、金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合炭化水素炭化水素を連続的に或いは間欠的に均一に噴霧する状態で550〜700℃の範囲に正確に設定できるように、前記加熱炉容器内面の表面温度を計測する温度計測手段が設置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載のナノカーボン生成炉。
- 前記加熱炉容器のナノカーボン排出部にはナノカーボン排出用の上下2段のダブルダンパーが設置され、加熱炉容器内の温度が一定で還元雰囲気にしたままナノカーボンを加熱炉容器外に払い落とすことができる構成であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載のナノカーボン生成炉。
- 金属触媒粉は、鉄の純度の高い鉄粉もしくは鉄を含んだ炭素鋼の高い鉄粉であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一に記載のナノカーボン生成炉。
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