JP2010051209A - 冷凍された軟質植物質食材の製造方法 - Google Patents

冷凍された軟質植物質食材の製造方法 Download PDF

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    • A23L19/03Products from fruits or vegetables; Preparation or treatment thereof consisting of whole pieces or fragments without mashing the original pieces

Abstract

【課題】特に、高齢者用の食品に適した、流通過程においても、形態が損傷することなく、内部まで均一に柔らかくなり、かつ形態の保持された冷凍軟質植物質食材を製造する方法を提供する。
【解決手段】工程として、(1)植物質食材を凍結し、解凍して、解凍食材を調製する工程、(2)前記解凍食材を、減圧下において、ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の分散液に浸漬する工程、(3)前記酵素処理植物質食材を前記分散液から分離する工程、(4)分離した前記酵素処理植物質食材を、0〜10℃において、8〜24時間、低温処理を行い、低温処理植物質食材を調製する工程、(5)前記低温処理植物質食材を、前記ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の活性を停止させる温度及び時間、加熱処理する工程、次いで、(6)前記加熱処理植物質食材を、冷凍する工程、を有する。また、上記工程(1)における解凍処理を、次工程の減圧下の酵素含浸処理と同時に行ってもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に、高齢者用の食品を製造するのに適した、食材本来の形状が保持された軟質植物質食材を製造する方法に関する。
高齢者は、通常、硬い食材を食することは困難である。また、高齢者も、通常の人々と同様に、食事をする際には、食事における料理の食材の形態や色彩を、味とともに、楽しみたいとの要望が強い。
しかしながら、現状においては、通常、高齢者の食事は、高齢者が容易に食することができるようにとの配慮から、具材の形態がなくなるまで柔らかくしたペースト状のものや、液状のものが主流となっている。そのため、高齢者は、普段、食材としての形態や色を十分に楽しむことができず、食事が味気のないものとなりやすい。このため、高齢者用の食事は、食欲を起し難く、高齢者は、徐々に、体力を落とすなど弊害を生じ易い。また、食材をペースト状や、液状のものにまで処理されていると、料理としての食材によりもたらされる色彩を味わうことも容易ではない。
また、高齢者自身も、自宅において、硬い食材を予め柔らかい状態とされたものを市場において容易に入手できることは、高齢者用の食事を自身で自宅において容易に調製できるためには、大変に望ましい。
近年、生又は加熱処理した食材を凍結解凍した後、減圧下でペクチン分解酵素の分散液に浸漬することにより、ペクチン分解酵素を食材の中心部まで浸透させ、内部まで柔らかい食材を調製する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
この酵素急速導入法によれば、食材の内部まで酵素を導入できるため、食材の表面だけではなく、内部までも均一に短時間で軟化等の処理が可能となることが期待される。
しかしながら、本発明者によれば、この酵素急速導入法により調製された食材をそのまま容器に収納して、仮に、冷蔵保存で保存し、軟化食材として市場に供給した場合に、その流通過程において、どうしても徐々に軟化が進行してしまい、調理をする時点で、柔らか過ぎたり、筍やニンジンなどの硬い食材でも、直ちに形が崩れるほどの軟質状態になるといった問題が見出された。一方、食材をそのまま容器に収納して、凍結することも検討されるが、それでも、若干の軟化が進行する可能性があり、また、調理する際に、解凍する必要があり、高齢者にとっては、手間がかかり、不便である。
そこで、軟化が進行せず、柔らかい状態でかつ形状や、色彩を保持した状態の食材を、そのまま調理できることは、高齢者にとって非常に便利であり、生活を豊かにする上で重要である。
出願人は、上記のように酵素を使用して軟化した食材を、市場においても、所定の柔らかさで固定され、そのまま直ちに調理しても、食材としての形状や、色彩、歯ごたえが保持された高齢者の食事に適した食材を提供することを目的として、食材を一旦、凍結後解凍した後、又は、凍結後に解凍する際に、食材を酵素により軟化させた後、使用した酵素の活性を確実に停止させる加熱処理を行なうことにより、市場において、流通過程を経由し、更に、家庭における冷蔵庫に保存した後においても、設定された所定の硬度を保つ食材を調製できることを見出し、既に、特願2006−239094号として特許出願を行っている(WO2008/029783)(特許文献2)。
特開2003−284522号明細書 WO2008/029783
一方、本発明らは、上記出願に係る発明について更に検討を進めたところ、植物質食材の種類によっては、酵素の軟化作用が、内部と、外部とで異なるものがあることを見出した。例えば、特に繊維分の豊富な、ごぼうや、筍などの植物質食材では、酵素の分散液に浸漬された状態では、外部からの軟化が進みやすく、一方、外部に比べて内部の軟化が遅れることが分かった。その結果、内部まで十分に軟化させようとすると、外部は特に軟化が進んでいるため、トラック輸送などの流通過程では、食材が、容器壁との衝撃により、外部から容易に崩れるといった問題があり、最終の消費者に渡った段階では、食材の形態が損なわれているなど問題が表面化してきた。
そこで、本発明らは、輸送中における食材の形態の損傷を防止するための解決手段を鋭意検討した結果、植物質食材を、酵素の分散液から分離した後、外部と、内部との軟化が均一に進むように、25℃以下の低温においてゆっくりと、酵素反応を進行させることにより、更に、消費者に渡るまで、冷凍保存することにより、形態の保持を図り、消費者の手元において、解凍後、調理するなどにより、短時間に、食材の形態が保持された状態で、しかも、口腔内において、容易に咀嚼できる食材を提供できることを見出し、本発明に到達したものである。特許文献2は、比較的低温、例えば25℃での酵素処理についても触れているが、酵素の分散液と分離して、10℃以下の低温で冷蔵保存することにより、全体に均一に軟化するとともに、その後の過程において、外部の崩壊性を防止する工程については全く開示してない。
即ち、本発明は、冷凍した軟質植物質食材の製造方法であって、以下の工程、
(1)植物質食材を凍結し、解凍して、解凍食材を調製する工程、
(2)前記解凍食材を、減圧下において、ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の分散液に浸漬し、酵素処理植物質食材を調製する工程、
(3)前記酵素処理植物質食材を前記分散液から分離する工程、
(4)分離した前記酵素処理植物質食材を、0〜10℃において、8〜24時間、低温処理を行い、低温処理植物質食材を調製する工程、
(5)前記低温処理植物質食材を、前記ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の活性を停止させる温度及び時間、加熱処理する工程、次いで
(6)前記加熱処理植物質食材を、冷凍する工程、
を有することを特徴とする方法に関するものである。
なお、上記の工程(1)の解凍処理は、工程(2)における減圧下の酵素処理の過程で行うこともできる。従って、本発明は、別の態様として、冷凍した軟質植物質食材の製造方法であって、以下の工程、
(1)植物質食材を凍結して、凍結食材を調製する工程、
(2)前記凍結食材を、減圧下において、ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の分散液に浸漬しながら解凍して、解凍食材を調製する工程、
(3)前記酵素処理植物質食材を前記分散液から分離する工程、
(4)分離した前記酵素処理植物質食材を、0〜10℃において、8〜24時間、低温処理を行い、低温処理植物質食材を調製する工程、
(5)前記浸漬した解凍食材を、前記ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の活性を停止させる温度及び時間、加熱処理する工程、次いで
(6)前記加熱処理植物質食材を、冷凍する工程、
を有することを特徴とする方法に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用される植物質食材は、ごぼうや、筍など繊維分の豊富な植物質食材である。具体的には、植物質食材としては、特に、ごぼうが好適に列挙できる。
生の又は未処理の植物質食材は、凍結される前に、土等の汚れを除去したり、水等により、洗浄したり、また、皮をむくなどしておくことが好適である。また、凍結される前の植物質食材は、生の食材に限られず、ブランチング、あく抜き等の加熱等の処理がされているものでもよい。植物質食材由来の酵素の失活や、組織の軟化などのために、例えば、2〜10倍量の水に浸して、例えば、75〜95℃において、例えば、10〜30分あく抜きすることが好ましい。
植物質食材は、大きいものについては、50mm以下、好ましくは、30mm以下の大きさにすることが、後の酵素浸透を内部まで確実に行うのに好適である。このような大きさのものでも、食事の際の食材として、通常の食事におけるように、具材の形状が保持され、食事を楽しむことができる。
植物質食材は、次いで、凍結及び解凍処理がなされる。但し、後述するように、解凍処理は、次の酵素処理と同時に行ってもよい。
凍結は、通常、植物質食材の内部に氷結ができる条件で行われる。例えば、凍結温度は、−5℃以下であり、好ましくは、−15℃以下、例えば、−25℃〜−35℃程度である。冷凍は、急速冷凍機などにより、例えば、10〜60分程度で冷凍を行うことができる。凍結温度は、植物質食材に氷結晶が生成する凍結温度であれば、急速又は緩慢凍結を問わない。但し、比較的急速な凍結時間又は作業時間を考慮すれば実用的な面から−20℃が適当である。また、細かい氷結晶を内部全体に均一に分布させるには、凍結を急激に行うことが好ましい。また、緩慢な凍結により、内部に比較的大きな空隙を形成することができる。凍結時間は、凍結温度に依存して変動するが、例えば、−15℃以下では、通常、20〜60分程度である。もちろんこれよりも長い時間、凍結温度に保持してもよい。
解凍は、凍結植物質食材を室温で放置するか、又は50℃、好ましくは、30℃まで加温して行われる。特に、解凍効率を向上し、酵素の浸透を向上するために、凍結した植物質食材を、後述する酵素分散液中に保持しながら、解凍してもよい。
なお、解凍を行なう前に、凍結植物質食材の表面に冷風を当てて、表面の水分を減少させることは、後に行なう酵素浸透力を更に向上させるので、好適である。特に、解凍処理を次工程(2)の減圧下の酵素処理と同時に行う場合に好適である。
冷風の温度は、例えば、−30℃〜5℃、好ましくは、−20℃〜0℃が好適である。
また、冷風乾燥時間は、通常、8時間〜3日程度、好ましくは、10時間〜2日が適当である。
解凍時間は、解凍温度に依存するが、例えば、5〜30分、通常、5〜15分程度が適当である。なお、解凍処理を、次工程(2)において行う場合には、通常、解凍時間は、酵素処理時間と同じである。
このようにして解凍された植物質食材は、次いで、減圧下において、ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の分散液に浸漬する。
減圧下、酵素分散液中で、解凍された植物質食材を浸漬することにより、酵素が、植物質食材内部に分散した微細な氷結晶の解凍により生じた多数の微細空隙中へ容易に浸透することができる。特に解凍を減圧下で行う場合には、予め、冷風で凍結食品の表面を乾燥させることが好ましい。これにより、減圧下で、凍結食品の内部から微細な氷結晶が昇華する際に、凍結食品の表面が乾燥していることから、内部からの水分と、酵素分散液とが容易に置換できるものと考えられる。
減圧は、その程度が大きいほど、酵素の浸透は早まる。但し、市場で入手可能な減圧装置との関係では、実用的な減圧の程度は、例えば、93hPa(70mmHg)以下、通常、13〜80hPa(10〜60mmHg)が適当である。減圧時間(減圧を開始してからの全体の減圧時間)は、例えば、1〜30分、好ましくは、5〜20分程度とすることが適当である。なお、減圧を開始するとほぼ同時には、植物質食材の内部にまで酵素が浸透しているものと理解され、その後は、所定の短時間の減圧時間内に、浸漬中の外部の早い軟化を避けるために、早めに、酵素の分散液から植物質食材を分離することが好ましい。但し、低温における全体的に均一な軟化のための時間を少なくするためには、分散液中に、しばらく保持していてもよい。
減圧時間は、減圧の程度、減圧速度、上記酵素の分散液の分離の時期などに依存して変動するが、実用的には、例えば、5〜20分程度、特に5〜10分程度で十分である。
酵素分散液に使用される酵素としては、ペクチン分解酵素(ペクチナーゼ)又はセルロース分解酵素(セルラーゼ)が使用される。
ペクチン分解酵素としては、ペクチンを加水分解できる酵素であれば、特に由来する細菌等の種類は問われない。具体的には、ペクチン分解酵素の商品名としては、例えば、マセロチーム2A(ヤクルト薬品工業株式会社製、39%ペクチナーゼ配合)や、スミチームSPG(新日本化学工業)、ペクトリアーゼ(10%ペプチナーゼ含有)等が好適に列挙できる。
セルロース分解酵素としては、セルロースを加水分解できる酵素であれば、特に細菌等の由来は問われない。具体的には、セルロース分解酵素の商品名としては、例えば、セルラーゼY−NC等が好適に列挙できる。
なお、酵素の分散液にクエン酸を配合しておくと、植物質食材の軟化が進むことが見出された。酵素の分散液中に、クエン酸は、濃度として、例えば、0.05〜0.5%程度でよい。
酵素分散液の濃度は、特に限定されるものではないが、通常、0.1〜4.0質量%、好ましくは、0.2〜2.0質量%とすることが適当である。媒体は、通常、水であるが、酵素の最適pH範囲等を安定に保つため、リン酸塩等の緩衝剤を配合してもよい。
浸漬温度は、一般に、10〜50℃、好ましくは、25〜40℃であることが適当である。浸漬時間は、浸漬温度により変動し得るが、例えば、2〜15分程度、好ましくは、3〜10分程度であることが適当である。
浸漬後、酵素の分散液を、植物質食材から分離する。これにより、内部からの軟化と比較して、急速に進行する外部軟化を避けることができ、植物質食材全体における均一な軟化を達成することができる。
このようにして内部まで酵素が浸透し、酵素の分散液から分離された植物質食材を、所定の柔らかさとなるまで、低温において、植物質食材全体として、徐々に均一に軟化をさせるために、一般に、0〜15℃、好ましくは、4〜10℃において、冷蔵庫などの恒温室で保存する。保存時間は、植物質食材の所定の柔らかさに至るまでの時間であり、一般に、8〜24時間、好ましくは、10〜16時間である。例えば、10℃においては、12〜16時間程度である。
次いで、全体に均一な柔らかさとなった植物質食材に対して、更なる酵素の作用を止めるために、加熱により、酵素の失活処理を行う。所定の柔らかさに至ったどうかの判断は、予め、処理時間と、柔らかさとの関係を検量しておくことにより、確認することができる。
酵素失活は、例えば、得られた軟化植物質食材を、水に浸漬した状態で、加熱することにより行う。浸漬の程度は、一般に、軟化植物質食材の5〜20倍程度、好ましくは、5〜10倍程度の水中に浸漬する程度である。加熱は、例えば、60〜99℃、好ましくは、75〜95℃程度である。また、沸騰させながら、加熱してもよい。また、加熱時間は、加熱温度により変動するが、例えば、5〜20分、好ましくは、5〜10分程度である。なお、炭酸ナトリウムなどのアルカリ剤を併用することにより、pHの調整を行うことができる。
酵素の失活は、得られた軟化植物質食材を、加熱容器に投入することにより行なってもよい。加熱容器としては、レトルト釜でも良いし、単に、加熱された湯を入れた容器又は釜などが使用できる。但し、レトルト釜は、便宜的に使用できることを意図するものであり、通常、非加圧状態で使用する。なお、加圧下でのレトルト釜での処理を全く排除する意味ではない。
このようにして得られた酵素軟化植物質食材は、流通過程において、形態の損傷を出来るだけ低減するために、ポリエステルや、ポリプロピレン等又はその複合した樹脂や、それらの合成樹脂の積層体の層間に挿入又は表面上に被覆されたアルミニウム等の材料からなる包装袋等の容器に収納した後又は収納前に、冷凍処理に付され、次いで、流通に付される。
冷凍は、例えば、−40℃〜−18℃、好ましくは、−30℃〜−20℃の範囲で行われる。
冷凍軟化植物質食材は、流通経路を経て、一般需用者、消費者や、加工業者などの手元に渡り、そこで、解凍され、そのまま、又は更なる調理などの加工工程を経て、食用に付される。
例えば、高齢者は、自宅において、このような冷凍軟化植物質食材を購入し、自分の好みの料理を作ることができる。特に、もともと、軟化されている食材であるので、調理の時間も大幅に短縮される。調理時間などは、自宅において、それぞれの好みにあった柔らかさとなるまで任意に行うことができる。
高齢者が舌で容易に咀嚼できる柔らかさは、例えば、タケトモ製テクスチュロメーターで測定した場合に、舌で容易につぶせ、容易に咀嚼できるものとして、3000〜10000N/m2の程度が好適である。
一般に、食材の調理、例えば、加熱や煮込みなどにより、食材の硬さは、低下するが、そうでないものもある。酵素失活をする時点での柔らかさは、タケトモ製テクスチュロメーター測定した場合に、20,000〜250,000N/m2(2.0×104〜2.5×105N/m2)、好ましくは、20,000〜200,000N/m2(2.0×104〜2.5×105N/m2)程度が好適である。
以下、本発明について、具体例により、更に詳細に説明するが、以下の実施例は、本発明の例示であり、本発明の範囲が、この実施例により何ら限定されるものではないことは明記されるべきことである。
実施例1(冷凍食品(ごぼうの煮物)の製造)
ごぼうの前処理
水洗し、皮をむいた生ごぼう(生ごぼうの硬度は、3.8×106N(タケトモ製テクスチュロメーターで測定))を、長さ方向に、5〜30mmに切断した。
加熱処理
切断した生ごぼうを、その8倍量の水に浸漬して、90℃で30分加熱した。
冷凍処理
浸漬水から切断したごぼうを分離した(打ち上げ)後、水で冷却し、急速冷凍機で、−20℃において、40分冷凍を行った。これにより、ごぼうの組織内に氷結晶を生成させた。次いで、切断したごぼうの表面を、冷風(-20℃)48時間当て、冷凍状態での表面の水分を減少させ、ごぼうの組織内に酵素が浸透しやすくした。
酵素分散液の調製
マセロチーム2A(ヤクルト薬品工業株式会社製、39%ペクチナーゼ配合)を水に混合し、分散させることにより、酵素濃度0.3%の酵素分散液を得た。
酵素含浸処理
冷凍した切断ごぼうを解凍し、ごぼうの体積の3倍量の0.3%酵素分散液に浸漬し、減圧を開始して、20分間、0〜80hPa(0〜60mmHg)で減圧を行った。
酵素反応処理
酵素処理したごぼうは、次いで、減圧から解放した後、酵素液から分離(打ち上げ)し、そして、10℃に保った冷蔵庫内に16時間放置した。この時のごぼうの硬度は、1.8×105N(タケトモ製テクスチュロメーターで測定)であった。
酵素失活処理
低温での酵素処理を行ったごぼうに対して、その体積の3倍量の水に浸漬し、その状態で、95℃で10分加熱し、酵素を失活させた。
冷凍処理
得られた酵素処理ごぼうを、真空冷却した後、−40℃で、30分の冷凍を行った。これにより、余分な水分を除き、瞬時に冷凍にすることにより包装など取り扱いがしやすくなり、崩れ難くなる。また、冷凍商品は、流通過程でも形態が崩れることがなく、解凍した際にはやわらかいごぼうを提供できる。
参考例1
上記冷凍食品を使用して、調理を行った。即ち、市販の煮物だしを使い、冷凍ごぼうを自然解凍した後、煮物だしに加え、約85℃において、5分程度加熱した。得られたごぼうは、厚生労働省特殊栄養食品の咀嚼困難者用食品の基準値である、5.0×104 N/m2より柔らかい、4.5×104 N/m2であり、高齢者にとっても容易に咀嚼できる堅さであり、形態も保持されていた。

Claims (4)

  1. 冷凍した軟質植物質食材の製造方法であって、以下の工程、
    (1)植物質食材を凍結し、解凍して、解凍食材を調製する工程、
    (2)前記解凍食材を、減圧下において、ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の分散液に浸漬し、酵素処理植物質食材を調製する工程、
    (3)前記酵素処理植物質食材を前記分散液から分離する工程、
    (4)分離した前記酵素処理植物質食材を、0〜10℃において、8〜24時間、低温処理を行い、低温処理植物質食材を調製する工程、
    (5)前記低温処理植物質食材を、前記ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の活性を停止させる温度及び時間、加熱処理する工程、次いで
    (6)前記加熱処理植物質食材を、冷凍する工程、
    を有することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法により得られる冷凍軟質植物質食材。
  3. 冷凍した軟質植物質食材の製造方法であって、以下の工程、
    (1)植物質食材を凍結して、凍結食材を調製する工程、
    (2)前記凍結食材を、減圧下において、ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の分散液に浸漬しながら解凍して、解凍食材を調製する工程、
    (3)前記酵素処理植物質食材を前記分散液から分離する工程、
    (4)分離した前記酵素処理植物質食材を、0〜10℃において、8〜24時間、低温処理を行い、低温処理植物質食材を調製する工程、
    (5)前記浸漬した解凍食材を、前記ペクチン分解酵素又はセルロース分解酵素の活性を停止させる温度及び時間、加熱処理する工程、次いで
    (6)前記加熱処理植物質食材を、冷凍する工程、
    を有することを特徴とする方法。
  4. 請求項3に記載の方法により得られる冷凍軟質植物質食材。
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